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JP5227712B2 - 展開型おむつ - Google Patents

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JP5227712B2 JP2008248628A JP2008248628A JP5227712B2 JP 5227712 B2 JP5227712 B2 JP 5227712B2 JP 2008248628 A JP2008248628 A JP 2008248628A JP 2008248628 A JP2008248628 A JP 2008248628A JP 5227712 B2 JP5227712 B2 JP 5227712B2
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Description

本発明は展開型のおむつ又はおむつカバーに関する。
使い捨ておむつは、パンツ型のものと展開型のものとに大別される。前者のパンツ型のおむつは、ブリーフのように胴回りが連続しており、そのウエスト開口部からレッグ開口部へと、着用者のつま先から足を通して穿くタイプのおむつである。
このパンツ型おむつにおいて、股下部分を分割し、この分割した腹側部と背側部とを着脱自在に連結したものが開示されている(特許文献1)。具体的に、その股下部で分割された部分の端縁には吸収コアが存在しないシート状のフラップがあり、このフラップ部分の片面側(裏面側)にファスニングテープの雄材が設けられている。他方、背側後部の股下端縁のフラップにおいては、他方の面側(表面側)にその雌材が設けられている。そして、上記ファスニングテープの雄材と雌材とを対面させるようにして当接させ、おむつ内部の吸収コアが重ならない離間部を介して股下分割部が連結されている。特許文献1によると、このようにすることで、パンツ型のおむつを乳幼児に穿かせるときに、おむつの股下部を分割して開放し、そこから2本の足先を母親が片手でつかんで引き出し、その後に股下を接合して着用させることができるとされる。すなわち、通常のパンツ型おむつは股下が分割不可能であるため、足を1本ずつ引き出さなければならないが、乳幼児が暴れたりして引き出しにくいことがあり、悪くすると、先に通した一方の足が次の足を通したところで抜けてしまい、いつまでたっても両足を挿入することができないということがある。上記股下を分割したパンツ型おむつにより、乳幼児におむつを穿かせるときのこのような不都合を解消しようとするものである。
これに対し、展開型のおむつは、腰骨のあたりで分割して展開状態にすることができるので、上記のように足を通して穿かせるときの不都合はない。しかしながら展開型おむつにおいては、これを着用者の下に敷き適切な位置に宛がうことがむずかしいことがある。なかでも大人用のものについては、着用者の身体が重いことから例えば寝たきりの要介助者の場合、その腰を介助者が持ち上げ展開されたおむつをその下に潜り込ませなければならない。大き目の大人用おむつが扱いづらいと重労働を強いられることともなる。また、大人用のおむつは特に単価が高く、排尿等による汚損のたびに交換すれば要介助者又は介助者の経済的負担となる。このことを考慮しインナーパッド(尿とりパッド)と組み合わせて用い、多少の排尿であればこのインナーパッドのみを交換するなど、少しでも節約する工夫がなされている。
特開2008−29762号公報
本発明は上記展開型おむつ等に特有の課題に鑑み、吸収パッドと組み合わせて用いたとき極めて高い液等の吸収保持性を示し、しかも吸収性パッド及びおむつの交換を容易化し、経済性にも優れる展開型のおむつ又はおむつカバーでの提供を目的とする。
本発明は、着用者腹側に沿わされる前方部と背側に沿わされる後方部と該両部の中間に位置し股下に沿わされる中間部とを有し、吸収パッドと組み合わせて装着する展開型おむつであって、該おむつは前記中間部で腹側本体と背側本体とに分割可能であり、前記腹側本体と背側本体とが、該両本体より肌側に配置される前記吸収パッドの裏面側にある接合部材を介して着脱可能に接合され、さらに前記両本体の胴回り両側部で着脱可能に接合して連結される展開型おむつにより上記の目的を達成するものである。
また、本発明は、着用者腹側に沿わされる前方部と背側に沿わされる後方部と該両部の中間に位置し股下に沿わされる中間部とを有し、吸収パッドと組み合わせて装着する展開型おむつカバーであって、該おむつカバーは前記中間部で腹側本体と背側本体とに分割可能であり、前記腹側本体と背側本体とが、該両本体より肌側に配置される前記吸収パッドの裏面側にある接合手段を介して着脱可能になされており、さらに前記両本体の胴回り両側部で着脱可能に接合して連結される展開型おむつカバーを提供するものである。
本発明の展開型のおむつ又はおむつカバーは、吸収パッドと組み合わせて用いて極めて高い液等の吸収保持性を示し、交換時には展開されたおむつをさらに分割して軽便に取り扱うことができ、汚れた本体部分や吸収パッドのみを交換することや連結する部分において所望の形態に組み立てて使用することができ、吸収パッド及びおむつ等の交換を容易化するとともに経済性に優れる。
以下、本発明の展開型おむつについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の展開型おむつの好ましい実施形態である大人用展開型使い捨ておむつを、吸収パッドと組み合わせて、おむつ両側を展開して着用状態よりも開いた形状で模式的に示す、おむつ内側からみた斜視図である。図2は図1に示した使い捨ておむつの股下部でその連結を解き、吸収パッドと併せて、伸長した状態で示す分解斜視図である。図3は、本実施形態のおむつに組み合わせて用いられる一実施形態としての吸収パッドを裏面よりみて模式的に示す平面図である。
本実施形態の展開型おむつ10は、おむつの後方部Rを着用者の背側に配し、おむつ股下中間部Cを股間に沿わすようわたし、さらに前方部Fを着用者の下腹部にあてて着用することができる。そして、このおむつ10の内部肌側にこれと組み合わせて吸収パッド20を配置して一体の展開型おむつ構造体をなし、その長尺の吸収パッド20を腹側から背側にかけて延在するように沿わせて着用する。このおむつ10は中間部Cで分割可能とされており、換言すると、おむつの前身頃をなす腹側本体である腹側吸収性本体10Fと後身頃をなす背側本体である腹側吸収性本体10Rとが組み合わされ、両者を股下中央部Cで、内部の吸収パッド20を介して連結した構造を有する。この連結状態については、後で詳しく述べる。このように連結されたおむつ10を両側で展開して伸長したときの形状は通常の展開型おむつと同様である(図2参照)。すなわち、その伸長状態における、平面視において腹側から背側にかけて全体において長尺であり、中ほどの幅方向両側において大きく緩やかに括れのある砂時計形状になるようにされている。他方、吸収パッド20は帯状の長方形であり、着用者の腿のあたりで幾分括れた形状にされている(図1〜3参照)。
本実施形態のおむつを着用するとき、さらに、背側に配される背側吸収性本体10Rの後部サイドフラップSr(本発明において「フラップ」とは、おむつ本体において吸収性芯材の外方に延在する該芯材のない部分をいい、本実施形態においてこのフラップは表面シート1(1f、1r)及び、裏面シート2(2f、2r)で構成されている。)を背中の方から腹側にわたし、この後部サイドフラップSrで前方部Fの前部サイドフラップSfを覆うようにする。後部サイドフラップSrに取り付けられたファスニングテープ(雄材)4rを裏面シート2fの外表面に圧し付けて係着する。このおむつ10の着用状態については図4に基づき後述する。本実施形態においてファスニングテープ4(4r,4f)は、鉤状ないしT字形状のフックが設けられた接合面を表面シート側に向け機械的に係着可能とされた面状ファスナー42と、この裏面シート側に配された不織布からなる基材シート41とからなる。そして、該基材シート41の基部側を表面シート及び裏面シートで挟み込むようにしてファスニングテープが取り付けられている。
本実施形態において、裏面シート2fは2層構造とされており吸収性芯材3f側(着用者の肌側)の多孔性シートとその反対側でおむつ外側の外装シートとからなる。この外装シートは不織布からなり、ファスニングテープの雄材が係着する雌材として機能する。この外装シートは裏面シート2fの全面を覆うようにして外表面に被覆配設されており、したがって上述のように背側吸収性本体10RのサイドフラップSrで腹側吸収性本体10FのサイドフラップSfを覆うようにして装着するとき、この腹側吸収性本体の裏面シート2fの外表面のいずれの箇所においても背側のファスニングテープ4rを係着させることができる。一方で、本実施形態において腹側吸収性本体10Fに取り付けられたファスニングテープ4fは、外方に延出した状態wから図1に示したもののように内側に折りたたんで、その係着面をサイドフラップSfの内表面に係着させておくことが好ましい。このようにすることで着用者の肌側になるファスニングテープ4fの着用時の収まりが良く、また着脱時に不用意に他の部材等に接合することを防ぐことができる。なお、後述するように本実施形態において腹側吸収性本体10Fと背側吸収性本体10Rとは同じ構造とされているため、これらを入れ替えて用いることができ、この場合上記の説明の機能を互いに反対の吸収性本体の機能として用いればよい。
本実施形態の展開型おむつ10の使用後には、上記とは逆の手順により腹側に周り込ませた背側のファスニングテープ4rを腹側吸収性本体10Fの裏面シート2fの外表面から引き剥がし、後部サイドフラップSrを開いておむつを展開していき着用者の身体から脱がせて外すことができる。
なお、本実施形態の展開型おむつ10においては、さらにウエスト開口部Woを構成するウエスト開口部端縁5(5f,5r)の近傍(図2、図4参照)、レッグ開口部Loを構成するレッグ開口部端縁11(11f,11r)の近傍等に、ゴム紐やウレタンシート帯のような長尺弾性部材を配設してもよい。また、吸収性芯材3(3f,3r)の幅方向における両側縁付近に、着用者の肌面側に起立して防漏壁をなす起立ギャザーを形成するようにしてもよい。このとき、起立ギャザーを含むおむつ本体の両側のフラップを構成する部材として液不透過性のサイドシートを配設してもよい。
本実施形態の展開型おむつ10は、上述のように、前身頃をなす腹側吸収性本体10Fと後身頃をなす背側吸収性本体10Rとを有し、該両吸収性本体はそれぞれ、表面シート1(1f,1r)と、裏面シート2(2f,2r)と、該両シートに介在された吸収性芯材3(3f,3r)とにより構成されている。このとき、表面シート1(1f,1r)と裏面シート2(2f,2r)とは、その内部に配された吸収性芯材3(3f,3r)を封入するように、両シートの外周において接合されている。この接合方法は特に限定されないが、ヒートシール加工やホットメルト接着等により強固に接合することが好ましい。さらに本実施形態のおむつは、腹側吸収性本体10F及び背側吸収性本体10Rのそれぞれにおいて、表面シート1(1f,1r)側でありかつ装着したときに股下中間部C側となる本体縁部のフラップ6(6f,6r)に接合部材7(7f,7r)を有する(図2参照)。この接合部材7は、裏面シート2の外表面を構成する不織布からなる外装シート(図示せず)に脱着可能に係着しうるが、その他、通常の不織布からなるシートであれば同様に係着可能であり、例えば不織布からなる表面シート1のいずれの箇所でも係着可能である。したがって、本実施形態において接合部材7は、吸収性本体10F,10Rの任意の位置に着脱可能に接合することができる。また、上記とは別の実施形態として、おむつの一部にのみ接合部材7が接着するようになされていてもよい。さらにまた別の実施形態として、上記吸収性芯材3のない腹側本体及び背側本体として、展開型おむつカバーとしてもよい。
本実施形態のおむつ10は、上述のように吸収パッド20と組み合わされ、この吸収パッド20を介して上記両本体10F,10Rが接合され連結されている(図1,2参照)。この吸収パッド20及びこれを介した連結状態について詳しく説明する。
本実施形態において、上記吸収パッド20は腹側の前方部Fから股下の中間部Cを介して背側の後方部Rにかけて延在するよう装着される長尺の吸収性物品である。そして、この長手方向両端部(Tf,Tr)に吸収パッドの接合部材27(27f,27r)が配設され、その一方の接合部材27fが前記腹側吸収性本体10Fの表面シート1fと接合され、他方の接合部材27rが前記背側吸収性本体10Rの表面シート1rに接合されている。具体的にこの接合部材27は面状のメカニカルファスナーで構成されており、上記ファスニングテープ4やおむつ本体の接合部材7と同様に、おむつ10の任意の位置に着脱可能に接合することができる。したがって、吸収パッドは吸収性本体10F及び10Rに取り付けたり、取り外したりして用いることができ、吸収パッド20のみが汚損したときにはこのパッドのみを交換することができる。また、吸収パッド20とおむつ10とを組み合わせて着用するときに、パッド部分のみを着けたり剥したりして位置合わせをしながら穿かせることができる。
本実施形態における吸収パッドは、表面シート21と裏面シート22と該両シートの間に介在された吸収性芯材23とを有し、さらに表面シート側の幅方向両側には一対のサイドシート29が配設されている。このサイドシートは吸収パッドの幅方向両側縁側の起立基部で接合固定され、サイドシートの幅方向内側端は接合されていない自由端とされている。そして、この自由端の近傍には弾性部材28が配設され(図1参照)、これが伸長された状態から適度に収縮することにより、良好な高さのある起立ギャザーBが形成される。このようにすることで、吸収パッドの略中央の排泄ポイントPにおいて排泄液を受け止め、サイド方向に逃さずに捕集し高い横漏防止性を発揮させることができる。
本実施形態においては、上述のように長尺の吸収パッド長手方向両端部に、その幅方向に長尺のメカニカルファスナー機能を有する接合部材27(27f,27r)を設けたため、これを全面あるは広範に配設したものに比べ取扱いやすい。具体的には以下のような利点を有する。吸収パッド20はおむつ本体(10F,10R)とは独立して取扱い、着用者の臀部から背中に潜り込ませ、しかも上記のように着けたり剥がしたりして位置合わせをしながら取り付けることが通常である。そのため、着用時の吸収性パッド20のずれを防ぐため吸収パッド20とおむつ10との安定な接合性が求められる一方、要介助者の適切な位置に沿わせて穿かせるときの穿かせやすさを考慮し、強くあるいは不用意な位置に接着しすぎないことが好ましい。この観点から、本実施形態の吸収パッド20はその長手方向両端部に一対の細長い帯状ファスナーとして接合部材27(27f,27r)が配設されたため、接合力のバランスがよく、着用時のズレ等がなくしかも吸収パッドを適切な位置に当てておむつを穿かせやすい。
さらに本実施形態においては、前記腹側吸収性本体10Fと吸収パッド20とが腹側本体の接合部材7fを介して、また背側吸収性本体10Rと腹側吸収性本体10Fとが背側本体の接合部材を介して接合され連結されている。このようにすることで、吸収パッドの接合部材27のみで接合するよりも一層安定に接合連結され、着用者が寝返りをうったり歩いたりしても着用時のおむつと吸収パッドとの組立て形状が良好に維持される。そして、本実施形態においては、腹側吸収性本体の吸収性芯材3fと背側吸収性本体の吸収性芯材3rと吸収パッドの吸収性芯材23とが、排尿等の配設をおもに受ける股下の排泄領域Pで重なり合うようにされている(図1参照)。換言すれば、吸収性本体の股下側領域Qにおいて、上記の3層が積層した構成とされている(図2参照)。このようにすることで、例えば夜間に長時間着用するようなときに多量の排尿等があり、吸収パッド20だけでは処理しきれなくなっても、吸収性本体10F及び10Rが確実に漏れを抑えることができる。
本実施形態の展開型おむつ10においては、上述のとおり、腹側吸収性本体10Fの股下中間部C側のフラップ6fを含む股下側領域Qが、背側吸収性本体Rの股下側領域Qと重ね合わされている。この両本体の袷を構成する実施態様はこれに限らず、例えば、腹側吸収性本体10Fの股下側領域Qを裏面シート側に2回折り返し三つ折りにして、この部分において本体10Fだけで3層となるようにしてもよい(図2中、一点鎖線で示した折り畳み領域Q’参照)。このとき、腹側吸収性本体の接合部材7fの係着面は、上記のように2回折り返されて裏面シート2fの外装シートに対面するようにされており、ここで接合部材7fと裏面シート2fの外表面とが接合されている。これにより、折り畳み領域Q‘の形状が固定され、着用時にこの部分が不用意にずれて変形したり、折り畳み状態が解かれたりすることを抑制しうる。
そして、上記のように折り畳み領域Q’のある部分では、腹側吸収性本体10Fの表面シート21が裏側に露出するようにされ、ここに背側吸収性本体の接合部材7を接合して連結することができる。このようにして組立てたおむつと吸収性パッドとは、排泄領域Pで合計5層の吸収性芯材の積層構造となり、極めて高い吸収保持性と漏れ防止性とを実現することができる。この折り畳み方は上述した形態のほか、着用者の必要により任意に定めることができ、折り畳み回数を変えたり、折り込み量を調節したりしてもよい。例えば、男性用として用いるときと、女性用として用いるときとで、その排泄ポイントとの関係により折り畳み形態を調節してもよい。また、この折り返し量を調節して、おむつの股上を着用者に合わせて変化させてもよい。
ところで、股下部は言うまでもなく排尿等の集中する領域又はその近傍に位置する。その部分に吸収性芯材が配されていない離間部があることは、排泄液等の滲み出しや、漏れ、吸収不良につながり好ましくない。本実施形態によれば、吸収パッド20があるため股下部に離間したところができるような心配はないが、さらに上述のように吸収性本体10F,10Rの吸収性芯材も股下で重なり合い離間部がなく、漏れや滲み出しを一層好適に防止することができる。
本実施形態のおむつ10は、先に述べたとおり観音開きに両側部のサイドフラップをあけ展開したのち、さらに股下部で分割して、腹側吸収性本体10Fと背側吸収性本体10Rとに分けて取り扱うことができる。そのため要介助者で、相当の体重があるときにも、その腰を浮かせ、速やかに背側吸収性本体10Rを宛がうことができる。そして、特に本実施形態のおむつは吸収性パッド20と組み合わせて用いるため、この内部の吸収性パッドを上記分割して開けた股下側から取り扱うことができるという利点を有する。このとき、両側部のファスニングテープ4を着けサイドフラップを閉じたままでもよく、頻繁に交換を求められる内部の吸収性パッドを股下側から介助者の手を伸ばして扱うことができ利便性が高い。とりわけ、体重のある成人用介助者の吸収性パッドの交換は女性などの介助者にとっては重労働である。要介助者の腰をかかえ上げて浮かせ、大きく長い吸収性パッドを敷き広げながら潜り込ませるという作業が強いられるが、これが大幅に軽減され、例えば寝たきりの老人等の介護にも好適に対応することができる。
本実施形態の展開型おむつ10においては、腹側吸収性本体10F及び背側吸収性本体10Rは同一の形状及び構造とされている。したがって、両者を分割して取り扱い、これらを適宜交換可能である。そのため、片方のみが汚れたときには、その一方のみを交換することで対処することができ、おむつの消費量を低減しうる。このとき、着用者の性別やからだの特徴に応じて折り返し端領域Qを折り返し特に汚れやすいところを一方の吸収性本体で集中的に処理し、汚れた方の吸収性本体のみを交換して対応するようにすれば、一層経済性を高めることができる。また、交換用のおむつをストックするときにも、腹側専用と背側専用とで異なる形状のものを取りおく煩雑さがなく在庫効率がよい。このことは、おむつの製造時の生産効率の点でも共通し好ましい。
図4は本実施形態の大人用展開型おむつ10を着用したときの状態で模式的に示す斜視図である。同図に示したとおり、本実施形態のおむつ10は、腹側吸収性本体10Fと背側吸収性本体10Rとがの股下側領域Qで重ねあわされ、両者が着脱可能に接合されている。そして、おむつ胴回りDの両側において連結されるよう、前部サイドフラップSfの上に後部サイドフラップSrを重ね合わせるようにし、後部のファスニングテープ4rの係着面を腹側吸収性本体10Fの下腹部中央付近において裏面シート2fに当てて接合されている。このとき、裏面シート2fの外表面は不織布性の外装シートで構成されているため、ファスニングテープにより係着可能であるが、この部分に特にファスニングテープの着脱性を良化したランディングシートを設けてもよい。さらに、組立てられたおむつ10の肌側内部には吸収パッド20が組み込まれている。
このようにして所定の位置で連結され装着状態とされたおむつ10にはウエスト開口部Woと一対のレッグ開口部Loが形成されている。本実施形態のおむつ10は、胴回りの円周長を調節しうるように分割・連結可能とされたためウエスト周りのサイズ自由度があるだけでなく、股下部も先に述べたように寸法変更しうるように分割・連結可能であるため股上のサイズ自由度がある。
本実施形態において、表面シート、裏面シート、サイドシート、及び吸収性芯材としては、通常の吸収性物品等において用いられている各種材料を用いることができる。このとき、表面シート及び裏面シートの外装シートについては、メカニカルファスナーの雌材としての性質を考慮し、それ自身で良好な雌材となる不織布等であることが好ましい。ファスニングテープに用いる面状ファスナーや基材シートの形成材料としては、通常この種の物品に用いられる材料を用いることができる。
本発明の展開型おむつは、前述した実施形態に限定されることなく、適宜変更が可能である。例えば、本体股下部に配設された接合部材や吸収性パッドに配設された接合部材は上記実施形態のような機械的な脱着を可能とする面状のファスニングテープ以外にも、粘着剤の塗付膜、粘着テープ等であってもよい。
上記実施形態のような2つの吸収性本体以外に、他の部材をさらに組み合わせて組立てる形態としてもよく、例えば、腹側及び背側のサイドフラップSr,Sfを分割可能に取り付け、腹側及び背側の必要な方にのみ適用して用いてもよい。また、上記実施形態で示した以外の部材を適宜用いてもよく、例えば各シートや部材の間にさらに機能性のシート等を介在させてもよい。また、本発明の展開型おむつは上記実施形態のような大人用使い捨ておむつに限らず、乳幼児用のおむつ等であってもよい。
本発明の展開型おむつの好ましい実施形態(大人用展開型使い捨ておむつ)を吸収パッドと組み合わせた状態で模式的に示す斜視図である。 図1に示した使い捨ておむつ及び吸収パッドの連結を解き伸長した状態で示す分解斜視図である。 本実施形態のおむつに組み合わせて用いられる一実施形態としての吸収パッドを裏面よりみて模式的に示す平面図である。 図1に示した大人用展開型使い捨ておむつ及び吸収パッドを装着した状態で模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1(1f,1r)、21 表面シート
2(2f,2r)、22 裏面シート
3(3f,3r)、23 吸収性芯材
4(4f,4r) ファスニングテープ
5(5f,5r) ウエスト開口部端縁
6(6f,6r) 股下側フラップ
7(7f,7r)、27 吸収性本体の接合部材
10 展開型おむつ
10F,10R 吸収性本体
11(11f,11r) レッグ開口部端縁
20 吸収パッド
28 立体ギャザー形成用弾性部材
29 サイドシート

Claims (5)

  1. 着用者腹側に沿わされる前方部と背側に沿わされる後方部と該両部の中間に位置し股下に沿わされる中間部とを有し、吸収パッドと組み合わせて装着する展開型おむつであって、
    該おむつは前記中間部で腹側本体と背側本体とに分割可能であり、
    前記腹側本体と背側本体とが、該両本体より肌側に配置される前記吸収パッドの裏面側にある接合部材を介して着脱可能に接合され、さらに前記両本体の胴回り両側部で着脱可能に接合して連結される展開型おむつ。
  2. 前記腹側本体及び背側本体には、それぞれその股下側縁部の肌側面に接合部材が配設され、該両本体どうしまたは該両本体と前記吸収パッドと着脱可能に該接合部材を介して接合される請求項1に記載の展開型おむつ。
  3. 前記腹側本体と前記背側本体とは同一構造とされ交換可能とされた請求項1又は2に記載の展開型おむつ。
  4. 前記吸収パッドは腹側から股下を介して背側にかけて延在するよう装着される長尺の吸収性物品であり、この着用者非肌当接面側における長手方向両端部に前記吸収パッドの接合部材が配設され、その一方の接合部材が前記腹側本体と接合され、他方の接合部材が前記背側本体に接合される請求項1〜3のいずれか1項に記載の展開型おむつ。
  5. 着用者腹側に沿わされる前方部と背側に沿わされる後方部と該両部の中間に位置し股下に沿わされる中間部とを有し、吸収パッドと組み合わせて装着する展開型おむつカバーであって、
    該おむつカバーは前記中間部で腹側本体と背側本体とに分割可能であり、
    前記腹側本体と背側本体とが、該両本体より肌側に配置される前記吸収パッドの裏面側にある接合手段を介して着脱可能になされており、さらに前記両本体の胴回り両側部で着脱可能に接合して連結される展開型おむつカバー。
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