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JP5223771B2 - 成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置 - Google Patents

成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置 Download PDF

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JP5223771B2 JP2009113798A JP2009113798A JP5223771B2 JP 5223771 B2 JP5223771 B2 JP 5223771B2 JP 2009113798 A JP2009113798 A JP 2009113798A JP 2009113798 A JP2009113798 A JP 2009113798A JP 5223771 B2 JP5223771 B2 JP 5223771B2
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Description

本発明は、半導体ウエハ等に対して加熱による成膜処理等を行う成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置に関する。
一般に、半導体デバイスを製造するには、半導体ウエハに成膜処理、パターンエッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の各種の熱処理を繰り返し行なって所望のデバイスを製造するが、半導体デバイスが高密度化、多層化及び高集積化するに伴ってその仕様が年々厳しくなっており、これらの各種の熱処理のウエハ面内における均一性の向上及び膜質の向上が特に望まれている。例えば半導体デバイスのゲート絶縁膜を例にとれば、従来はゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜(SiO )が主として用いられていたが、上述のように半導体デバイスの高密度化、高集積化、更には動作の高速化等が求められることから、リーク電流を少なく維持しつつゲート絶縁膜の所定の電気的特性を得るために比誘電率がシリコン酸化膜よりも高い材料を用いることが提案されている(例えば特許文献1等)。
このような高い比誘電率の材料(「high−k」とも称される)としては、例えばHfSiON等が知られているが、この高い比誘電率の材料膜は、上述したような従来のゲート絶縁膜であるSiO 膜と比較して、下地層との接合面である界面の特性が良好ではないので、一般的には、高い比誘電率のゲート絶縁膜を形成する前に、極めて厚さの薄いSiO 膜を界面層として形成し、この界面層上に上記高い比誘電率の材料よりなるゲート絶縁膜を形成して界面特性を高く維持するようにしている。
図10はこの時の従来のゲート電極構造の一例を示す部分拡大図であり、図11は従来のゲート電極構造の形成方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、被処理体である半導体ウエハWとして例えばシリコン基板が用いられ、まず、この半導体ウエハWの表面を希フッ酸の溶液で洗浄して自然酸化膜を除去し(S1)、この半導体ウエハWを熱処理装置へ搬入して表面を熱酸化処理することによりSiO 膜よりなる薄い界面膜2を形成する(S2)。この熱酸化処理では、酸化ガスとしてO ガスを供給し、希釈ガスとして例えばN ガスを供給しつつ膜厚の面内均一性を高く維持することを目的として、酸素分圧を高くした状態の雰囲気中で例えば900℃程度の温度で短時間の熱酸化処理を行っている。
このように、SiO 膜よりなる界面膜2を形成したならば、次に、例えばHfSiON膜等の薄膜よりなる高い比誘電率のゲート絶縁膜4を形成し(S3)、更に、このゲート絶縁膜4上に例えばアルミニウム等よりなるゲート電極6を形成する(S4)。尚、このゲート電極6の両側のウエハ表面には、このゲート電極6をマスクとして不純物が導入されたソースSとドレインDとが形成されている。この場合、SiO 膜よりなる界面膜2の比誘電率は3.9程度、高い比誘電率の材料よりなるゲート絶縁膜4の比誘電率は、材料にもよるが例えば13〜20程度である。また上記界面膜2の厚さは15〜20nm程度である。
特開2000−058832号公報
ところで、上述のような従来の界面膜2の形成方法は、半導体デバイスの仕様がそれ程厳しくない場合には、十分に対応できるものであった。しかし、更に薄膜化や高速化が要請されて仕様がより厳しくなった今日にあっては、これに対応することが困難になってきており、上記SiO 膜よりなる界面膜2の更なる薄膜化が要請されている。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、シリコン層の表面をケミカル酸化膜で保護した状態で低酸素分圧酸化を行うことにより、膜厚の面内均一性が高くて且つ欠陥の少ない極めて薄い界面酸化膜を得ることが可能な成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置を提供することにある。
本発明者等は、界面酸化膜を形成するに際して、シリコン層の表面をケミカル酸化膜で保護した状態で低酸素分圧酸化処理を施すことにより、膜厚の面内均一性が高く且つ欠陥の少ない極めて薄い界面酸化膜を形成することができる、という知見を得ることにより、本発明に至ったものである。
請求項1に係る発明は、被処理体のシリコン層の表面に、比誘電率が7以上のゲート絶縁膜との間に介在される界面酸化層を形成する成膜方法において、前記シリコン層をケミカル洗浄処理することによってケミカル酸化膜を形成するケミカル酸化膜形成工程と、前記ケミカル酸化膜の形成された前記被処理体に対してプロセス温度が900〜1000℃の範囲内であると共に酸素分圧が0.2〜2Paの範囲内である雰囲気中であって、前記酸素分圧と前記プロセス温度が、プロセス温度の逆数を横軸にとり、酸素分圧の対数を縦軸にとったグラフにおいてプロセス温度が1000℃で酸素分圧が2Paの交点と、プロセス温度が900℃で酸素分圧が0.2Paの交点とを結ぶ線分を含んで該線分よりも上方の領域に位置するようにそれぞれ設定されて熱処理を施すことにより界面酸化膜を形成する熱処理工程と、を有することを特徴とする成膜方法である。
このように、被処理体のシリコン層の表面に、比誘電率が7以上のゲート絶縁膜との間に介在される界面酸化層を形成する成膜方法において、シリコン層の表面をケミカル酸化膜で保護した状態で低酸素分圧酸化処理を施すことができ、これにより膜厚の面内均一性が高く且つ欠陥の少ない極めて薄い界面酸化膜を形成することができる。
この場合、例えば請求項2に記載するように、前記ゲート絶縁膜の比誘電率は、13〜20の範囲内に設定されている。
また、例えば請求項3に記載するように、前記ケミカル酸化膜形成工程は、前記シリコン層をNH とH との混合溶液により表面処理する第1の表面処理ステップと、前記第1の表面処理ステップ後の前記シリコン層をHClとH との混合溶液により表面処理する第2の表面処理ステップとを含むことを特徴とする。
また、例えば請求項4に記載するように、前記熱処理工程では、酸化性ガスと希釈ガスとの混合ガスが用いられることを特徴とする。
請求項5の発明は、被処理体の表面のシリコン層の表面に、ゲート電極構造を形成する形成方法において、前記シリコン層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する洗浄工程と、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法を実施して界面酸化層を形成する界面酸化層形成工程と、前記界面酸化層上にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とする。
請求項6の発明は、シリコン層を有する被処理体に対して熱処理を施す処理装置において、真空排気が可能になされた処理容器と、前記処理容器内へ必要なガスを導入するガス導入手段と、前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持手段と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法の熱処理工程を実施するように装置全体を制御する装置制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、真空排気が可能になされた処理容器と、前記処理容器内へ必要なガスを導入するガス導入手段と、前記処理容器内でシリコン層を有する被処理体を支持する支持手段と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、装置全体を制御する装置制御部と、を備えた処理装置により前記被処理体に対して熱処理を施すに際して、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法の熱処理工程を実施するように前記処理装置を制御するコンピュータに読み取り可能なプログラムを記載することを特徴とする記憶媒体である。
本発明の成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
被処理体のシリコン層の表面に、比誘電率が7以上のゲート絶縁膜との間に介在される界面酸化層を形成する成膜方法において、シリコン層の表面をケミカル酸化膜で保護した状態で低酸素分圧酸化処理を施すことができ、これにより膜厚の面内均一性が高く且つ欠陥の少ない極めて薄い界面酸化膜を形成することができる。

本発明の成膜方法の一部である熱処理工程を行う処理装置の一例を示す断面構成図である。 本発明方法を用いて形成されるゲート電極構造の一例を示す概略部分拡大図である。 本発明のゲート電極構造の形成方法の各工程を示すフローチャートである。 界面酸化層の形成方法の各工程を示すフローチャートである。 界面酸化膜を形成する熱処理を行う際のプロセス条件の範囲を説明するグラフである。 図5中のパッシブ酸化領域とアクティブ酸化領域における酸化の態様を模式的に示す図である。 従来の成膜方法を用いて界面層を形成した時の膜厚と膜厚の面内均一性との関係を示すグラフである。 評価実験を行った各試料に対する処理の内容と評価結果とを示す図である。 本発明の成膜方法が施された試料を一部に含む試料全体の界面酸化層の膜厚と膜厚の面内均一性との関係を示すグラフである。 従来のゲート電極構造の一例を示す部分拡大図である。 従来のゲート電極構造の形成方法の一例を示すフローチャートである。
以下に本発明に係る成膜方法、ゲート電極構造の形成方法及び処理装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の成膜方法の一部である熱処理工程を行う処理装置の一例を示す断面構成図である。この処理装置は、熱処理工程を行って界面酸化膜を形成するためのものであり、例えば特開2005−328027号公報に開示されている処理装置と同様な構成になっている。
すなわち、図1に示すように、この処理装置12は、例えばアルミニウムにより筒体状に成形された処理容器14を有している。この処理容器14の天井部は開口されており、この開口部には、Oリング等のシール部材16を介して透明な透過窓18が気密に設けられている。
また、この処理容器14の側壁には、被処理体である半導体ウエハWを搬出入する際に開閉されるゲートバルブ20が設けられると共に、処理時に必要なガスを内部へ導入するガス導入手段22が設けられている。このガス導入手段22は、上記側壁を貫通するようにして設けたガスノズル24を有しており、このガスノズル24にはガス流路26が接続されている。このガス流路26は途中で2つに分岐されて分岐路26A、26Bとなっている。そして、一方の分岐路26Aには、途中に開閉弁28A及びマスフローコントローラのような流量制御器30Aが介設されて酸化性ガスを流量制御しつつ供給できるようになっている。また他方の分岐路26Bには、途中に開閉弁28B及びマスフローコントローラのような流量制御器30Bが介設されて希釈ガスを流量制御しつつ供給できるようになっている。ここでは上記酸化性ガスとしてはO ガスが用いられ、希釈ガスとしてはN ガスが用いられる。
また処理容器14の他方の側壁には、排気口32が形成されており、この排気口32には排気系34が接続されている。この排気系34は排気路36を有しており、この排気路36には圧力調整弁38及び真空ポンプ40が順次介設されて、処理容器14内の雰囲気を例えば真空排気可能としている。またこの処理容器14の板状の底部14Aは、半導体ウエハWを支持する支持手段42として形成されている。この支持手段42である板状の底部14Aは処理容器14の下端部に形成した開口に例えばOリング等のシール部材44を介在させて気密に取り付け固定されている。
そして、この支持手段42は、被処理体としての例えば半導体ウエハWの周辺部を支持するために上方へ突状に起立させた支持部46を有している。具体的には、この支持部46は、リング状に成形されており、上記支持手段42の周辺部に、例えばクォーツ等よりなる板状の断熱材48を介して設けられている。この支持部46は、例えばアルミニウムや好ましくは断熱材よりなるクォーツ等よりなり、その直径は、ウエハWの直径と略同心になるように設定されている。そして、このリング状の支持部46の上部の内周側には、段部状になされた載置面46Aが形成されており、この載置面46A上に、上記ウエハWの周辺部の下面を接するように載置し、これを支持し得るようになっている。
この場合、載置面46Aを形成する段部がウエハWの位置決め機能を有するように設定されている。そして、上記支持部46よりも内側は素子収容空間として形成されており、この素子収容空間内に加熱冷却手段として熱電変換素子50が設けられる。ここでは熱電変換素子50としては複数のペルチェ素子52が設けられている。具体的には、上記支持部46よりも内側の底部上面には、その全面に亘って薄板状の例えばAlNやAl 等のセラミックよりなる絶縁材54が形成されており、この絶縁材54上に上記ペルチェ素子52が多数起立させて順序良く配列させて設けられている。
ここでは上記各ペルチェ素子52は単体として形成されており、このペルチェ素子52はP型の半導体とN型の半導体とよりなり、これらのP型の半導体とN型の半導体とを交互に配置しており、隣り合うP型及びN型のペルチェ素子52を、交互に上部電極同士及び下部電極同士をそれぞれ上部配線56及び下部配線58で接続している。従って、各P型とN型のペルチェ素子52は直列に接続されている。これにより、電気が例えばP型→N型→P型→N型→P型→N型…のように流れるようになっている。ここで各ペルチェ素子52の単体の大きさは、例えば縦横高さがそれぞれ3mm×3mm×3mmになされて立方体状に成形されており、ウエハWの裏面全体に対して各ペルチェ素子52の上端面が略均一に接することができるようになっている。
そして、上記ペルチェ素子52は図示しないリード線を介して外部のペルチェ制御部へ接続されており、このペルチェ制御部により電流の方向や大きさを制御できるようになっている。ここで熱電変換とは、熱エネルギーを電気エネルギーに、また電気エネルギーを熱エネルギーに変換することを言う。また、上記ペルチェ素子52としては、例えば400℃以上の高温下での使用に耐え得るBi Te (ビスマス・テルル)素子、PbTe(鉛・テルル)素子、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)素子等を用いることができる。ここで、上記ペルチェ素子52は、直径が300mmのウエハ対応の場合には、例えば100個程度使用され、直径が200mmのウエハ対応の場合には、例えば50個程度使用される。
そして、上記底部14Aには、上記ウエハWの下面と上記底部14Aの上面との間で区画形成される素子収容空間内を真空排気するための素子収容空間排気手段60が設けられる。具体的には、上記底部14Aには上記素子収容空間に連通される排気口62が設けられており、この排気口62には、図示しない真空ポンプの介設された排気系64が接続され、必要に応じて上記素子収容空間内を真空引きし、これにより、上記ウエハWを下方向へたわませて真空チャックできるようになっている。
また上記底部14Aには、この周方向に沿って所定の間隔で配置された複数、図1中では2つのピン孔66(実際には3つ設けられる)が形成されており、この各ピン孔66にはリフトピン68が挿通されている。上記各リフトピン68の下端部は、例えばリング状になされた昇降板70に連結、乃至支持されている。そして、この昇降板70を図示しないアクチュエータにより昇降させることによって、上記リフトピン68を上記ペルチェ素子52の上端面よりその上方向に出没させてウエハWを持ち上げ、或いは持ち下げるようになっている。
また上記各リフトピン68の上記底部14Aに対する貫通部には、蛇腹状に伸縮可能になされた金属製のベローズ72が設けられており、上記処理容器14内の真空を維持させつつリフトピン68の上下移動を許容するようになっている。またこの底部14Aには、冷却媒体を流すための冷却通路74が形成されており、この冷却通路74は、冷却水循環器76に流路78を介して接続され、必要に応じて冷却媒体を循環させつつ流すことにより上記底部14A側、すなわちペルチェ素子52の下面側を冷却するようになっている。
一方、上記透過窓18の上方には、上記ウエハWを加熱するための加熱手段80が設けられる。具体的には、この加熱手段80は、複数の加熱ランプ80Aよりなり、これらの加熱ランプ80Aを、透過窓18の上方に設けた容器状のランプハウス82の天井部の下面にその全体に亘って取り付けている。またこのランプハウス82の天井部の内面は反射鏡84となっており、各加熱ランプ82Aからの熱線を下方向に反射させるようになっている。
そして、この処理装置12の全体の動作は、例えばコンピュータ等よりなる装置制御部86により制御されるようになっており、この動作を行うコンピュータのプログラムは、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、ハードディスク、フラッシュメモリ或いはDVD等の記憶媒体88に記憶されている。具体的には、この装置制御部86からの指令により、各ガスの供給の開始、停止や流量制御、プロセス温度やプロセス圧力の制御、加熱手段80Aのオン・オフ、ペルチェ素子52に対して流す電流の方向の切り替え、冷却水循環器76の動作制御等が行われる。
次に、上述のように構成された処理装置12の動作について説明する。まず、熱処理(アニール処理)を行うために開放されたゲートバルブ20を介して未処理の半導体ウエハWは処理容器14内へ導入されて支持手段42の支持部46の載置面46A上にウエハWの周辺部の下面を支持させ、処理容器14内を密閉する。この半導体ウエハWとしてはシリコン基板が用いられ、この表面のシリコン層には、後述するように前工程でケミカル洗浄処理が行われて保護膜としてケミカル酸化膜が形成されている。
このようにケミカル酸化膜の形成された半導体ウエハWを処理容器14内へ収容して容器内を密閉したならば、ガス導入手段22のガスノズル24より酸化性ガスであるO ガスと希釈ガスであるN ガスとをそれぞれ流量制御しつつ導入すると共に、処理容器14内の処理空間Sを真空排気して所定のプロセス圧力に維持する。またこれと同時に、素子収容空間排気手段60を駆動させて、ウエハWの下面側の素子収容空間内を真空引きする。そして、加熱手段80を動作させて各加熱ランプ80Aを点灯させると共に、熱電変換素子50である各ペルチェ素子52にも電流を流す。
これにより、各加熱ランプ80Aより発せられた熱線が透過窓18を透過して半導体ウエハWの表面に入射し、これを急速に加熱して昇温する。しかも、ペルチェ素子52には、この上端面が発熱するように電流を流すようにしているので、ウエハWはこの上方の加熱ランプ80Aから加熱されるのと同時に、下部のペルチェ素子52からも加熱されるので、これを非常に急速に加熱することができる。この時の昇温速度は、例えば1〜400℃/sec程度である。
また上記素子収容空間内が真空引きされる結果、ウエハWの上面の処理空間Sの圧力よりもこの素子収容空間内の圧力が低くなるように真空引きされるので、その差圧により、ウエハWには、下方向に向かう押圧力が付与されてウエハWは僅かに下方向へ変形する。この結果、ウエハWの下面は、各ペルチェ素子52の上端面と面内方向において略均一に密着して直接的に接触することになり、従って、各ペルチェ素子52との間の熱抵抗が非常に少なくなって、熱伝導効率が改善されて、ウエハWを効率的に昇温させることができる。上記熱処理中は、冷却水循環器76の動作は停止しており、底部14Aの冷却通路74には冷却水を流さないようにしている。
そして、この熱処理中は、後述するように上記処理空間Sの雰囲気中の酸素分圧が0.2〜2Paの範囲内となるように設定されており、これによりウエハWのシリコン層の表面に界面酸化膜を形成するようになっている。この時のプロセス条件については、後で詳述する。
このようにして、熱処理が終了したならば、ウエハWの温度を急速に冷却する高速降温を行うために、各加熱ランプ80Aを消灯すると共に、各ペルチェ素子52に流す電流の方向を切り替えて、この上端面が冷えるような方向で電流を流す。これにより、処理容器14内の対流と放射による冷却効果以外に各ペルチェ素子52の上端面に冷熱が発生して冷却されるので、これと接しているウエハWが冷却されてウエハWを急速に冷却することができ、ウエハWの高速降温を行うことができる。
この際、各ペルチェ素子52の下面には温熱が発生して熱くなるので、底部14Aに形成した冷却通路74に冷却用の熱媒体を流し、上記各ペルチェ素子52の下面に発生した温熱を上記熱媒体により系外へ運び出して各ペルチェ素子52の下面を冷却することになる。この時の冷却用の熱媒体としては冷却水等を用いることができる。このようにして、界面酸化膜を形成する熱処理工程が完了することになる。
<ゲート電極構造及びその形成方法>
次に、上述のように構成した処理装置12を用いて形成されるゲート電極構造及びその形成方法について説明する。図2は本発明方法を用いて形成されるゲート電極構造の一例を示す概略部分拡大図、図3は本発明のゲート電極構造の形成方法の各工程を示すフローチャート、図4は界面酸化層の形成方法の各工程を示すフローチャートである。尚、図10に示す構造と同一構成部分については同一参照符号を付して説明する。
図2に示すように、ここでは被処理体である半導体ウエハWとして例えばシリコン基板が用いられ、このウエハWの全体がシリコン層となっている。尚、被処理体として液晶表示装置等のLCD基板(ガラス基板)等を用いた場合には、この表面にシリコン層が形成されている。そして、このシリコン層の上部にトランジスタ90が形成されることになり、このトランジスタ90にゲート電極構造92が含まれる。具体的には、このゲート電極構造92は、シリコン層の上面に、ケミカル洗浄処理によって直接的に形成されたSiO 膜よりなるケミカル酸化膜94と、このケミカル酸化膜94上に図1に示す処理装置を用いて形成されるSiO 膜よりなる界面酸化膜96とを有し、これらのケミカル酸化膜94と界面酸化膜96とで界面酸化層98を構成している。そして、この界面酸化膜96上には、高い比誘電率の材料よりなるゲート絶縁膜4が形成され、更にこのゲート絶縁膜4上に例えばアルミニウム等よりなるゲート電極6が形成されて、ゲート電極構造92の全体が構成されている。
そして、このゲート電極6の両側のウエハ表面には、このゲート電極6をマスクとして不純物が導入されたソースSとドレインDとが形成されてトランジスタを構成している。この場合、SiO 膜よりなる界面酸化層98の比誘電率は3.9程度、高い比誘電率の材料よりなるゲート絶縁膜4の比誘電率は、材料にもよるが例えば13〜20程度である。また上記界面酸化層98の厚さは4〜10nm程度である。
また図2においては、ケミカル酸化膜94と界面酸化膜96とを明確に分離して記載しているが、これは本発明方法を明確に説明するためであり、実際には、界面酸化膜96を形成する際に、ケミカル酸化膜94と渾然と一体化して界面酸化層98が形成されることになる。
次に、上記ゲート電極構造の形成方法について、図3及び図4も参照して説明する。
まず、シリコン基板よりなる半導体ウエハWのシリコン層の表面には、自然酸化膜が形成されているので、この表面に対して洗浄処理を施す洗浄工程を行い(S11)、表面に形成されていた自然酸化膜を除去する。この洗浄工程では、例えば4%濃度の希フッ酸溶液を用いることができるが、特にこの希フッ酸溶液に限定されるものではなく、例えば他に無水HFによるガス処理、HFとHとH0の混合液等を用いて洗浄処理を行ってもよい。この洗浄処理後のウエハ Wの表面は、ウエハWが酸化温度に達するまでの過程において、非常に活性な状態となっている。
次に、洗浄処理が完了した半導体ウエハWの表面に本発明の特徴とする界面酸化層98を形成する界面酸化層形成工程を行う(S12)。この場合、従来の成膜方法では、洗浄処理したウエハの表面に直接的に熱処理を施して界面層を形成していたが、本発明方法では、図4に示すように、先の洗浄処理より活性状態の表面となっているウエハWに対して、まずケミカル酸化膜を形成するためのケミカル酸化膜形成工程を施してウエハWの表面にケミカル酸化膜94を形成して不活性化し(S12−1)、次に、このケミカル酸化膜94の形成されたウエハWに対して本発明の熱処理を施すことにより界面酸化膜96を形成する熱処理工程を行う(S12−2)。これにより界面酸化層98が形成されたことなる。この界面酸化膜96を形成する熱処理工程は、非常に限定されたプロセス条件下で熱処理することが要求されるが、この点については後述する。
このように、界面酸化層98を形成したならば、次に、上記界面酸化層98上に比誘電率が高い材料によりゲート絶縁膜4を形成するゲート絶縁膜形成工程を行う(S13)。このゲート絶縁膜4としては前述したように例えばHfSiONを用いることができ、この薄膜はプラズマCVD成膜処理や熱CVD成膜処理によって形成することができる。
このようにして、ゲート絶縁膜4を形成したならば、次にこのゲート絶縁膜4上にゲート電極6を形成するゲート電極形成工程を行い(S14)、これによりゲート電極構造92の形成が完了することになる。このゲート電極6としては前述したように例えばアルミニウムを用いることができ、この薄膜はプラズマCVD成膜処理や熱CVD成膜処理によって形成することができる。尚、実際の処理では、薄膜の形成後に、パターンエッチング処理等が行われるが、ここではその記載は省略して主要な工程のみを記載している。
次に、上記ステップS12において行われる界面酸化層の形成工程について図5及び図6も参照して説明する。図5は界面酸化膜を形成する熱処理を行う際のプロセス条件の範囲を説明するグラフ、図6は図5中のパッシブ酸化領域とアクティブ酸化領域における酸化の態様を模式的に示す図である。尚、図5の縦軸は対数目盛りである。
まず、前述したように界面酸化層形成工程S12では、図4に示すようにケミカル酸化膜形成工程S12−1と熱処理工程S12−2が行われる。上記ケミカル酸化膜形成工程S12−1では、直前の洗浄処理によって活性状態になっているシリコン層の表面を、NH とH との混合溶液によって表面処理する第1の表面処理ステップを行う。更に、この表面処理後に、HClとHとの混合溶液によって表面処理する第2の表面処理ステップを行う。これにより、SiO膜よりなるケミカル酸化膜94がシリコン層の表面に形成され、活性化されていたシリコン層の表面が保護されて不活性化されることになる。尚、上記第1及び第2の表面処理ステップは、半導体産業で”SC1+SC2”などと呼称される処理方法である。
次に、上記ケミカル酸化膜94が形成されたウエハWに対して熱処理を施して界面酸化膜96を形成する(S12−2)。この熱処理を行うために、図1を参照して先に説明した処理装置12を用いる。この熱処理工程では、酸化性ガスとして例えばO ガスを用い、希釈ガスとして例えばN ガスを用いて両者の混合ガスの雰囲気中にてウエハWに対して熱処理(アニール処理)を施す。この場合、処理装置12の処理容器14内の雰囲気中では酸素分圧が0.2〜2Paの範囲内の低酸素分圧設定されており、従来の成膜方法と比較して酸素分圧が非常に低く設定されている。また、この時のプロセス温度は、900〜1000℃の範囲内に設定されている。
このように、直前にケミカル洗浄処理を行って熱処理時に酸素分圧を低く設定することにより、この時に形成される界面酸化膜96或いは界面酸化層98の厚さを非常に薄く形成することができ、しかも膜厚の面内均一性を高く維持することができる。この場合、望ましくは、図5に示すグラフにおいて斜線で示す領域100内に上記酸素分圧とプロセス温度とを設定するのがよい。すなわち、図5の横軸にはプロセス温度のケルビン温度表記Tsの逆数1/Tsをとっており、縦軸には処理容器内の雰囲気中の酸素分圧P(O )をとっている。図中の斜めの一点鎖線は、パッシブ酸化領域とアクティブ酸化領域との境界線102を示すものであり、この境界線102よりも下方がアクティブ酸化領域を示し、この境界線102よりも上方がパッシブ酸化領域を示す。
ここでアクティブ酸化領域とは、図6(A)に示すようシリコン層の表面が酸化されてSiOが形成されてこれが昇華してしまう酸化領域であり、この酸化領域ではシリコン表面がエッチングされて表面粗れが生ずる。これに対して、パッシブ酸化領域とは、図6(B)に示すようにシリコン層が酸化されてSiO 膜が形成される領域である。この図5に示すグラフは、例えば「SOLID−STATE SCIENCE AND TECHNOLOGY」F.W.Smith and G.Ghidini,J.Electrochem,Soc,June,1300(1982)において示されており、上記境界線102の一点鎖線の式は、以下のように表される。
LogP[O ]=14.04−1.88×10000/Ts
ただし、Ts=T(プロセス温度:℃)+273
そして、上記斜線で示す領域100は、プロセス温度が900〜1000℃の範囲内で、酸素分圧が0.2〜2Paの範囲内で、且つプロセス温度が1000℃で酸素分圧が2Paの交点X1と、プロセス温度が900℃で酸素分圧が0.2Paの交点X2とを結ぶ線分104を含んでこの線分104よりも上方の領域となっている。ちなみに、上記線分104の式は以下のようになる。
LogP[O ]=15−1.88×10000/Ts
ここで上記境界線102よりも下方のアクティブ酸化領域で酸化処理を行うと、シリコン層の表面に、もやや霞等がかかったような欠陥が発生する。そのため、従来の酸化処理では境界線102よりも上方のパッシブ酸化領域でSiO よりなる界面層を形成する酸化処理を行っていたが、この場合、酸素分圧が低過ぎると、活性化しているシリコン層の表面不純物分子が反応を起こして欠陥を生ぜしめたり、界面層の膜厚の面内均一性が非常に劣化していたので、酸素を過剰に供給して酸素分圧を高めて酸化処理を行っていた。例えば酸素流量が400sccmに対して窒素流量を2000sccm程度流して酸素分圧を22Pa程度の高い値に設定して酸化処理を行っていた。しかし、この場合には、SiO よりなる界面層が厚くなり過ぎてしまい、今後に求められる設計ルールから逸脱してしまう。
そこで、上述したように、上記酸素分圧とプロセス温度とを図5に示す領域100内に設定することにより、極めて酸素分圧が低い領域であっても、膜厚の面内均一性を高く維持しつつ極めて薄いSiO よりなる界面酸化層98を形成することができた。この理由は、この酸化処理を行う直前に、活性化状態にあるシリコン層にケミカル酸化処理を施してケミカル酸化膜94を形成して表面を不活性化したからである。
このように、ケミカル洗浄処理したシリコン基板に対して、図5中の領域100に示すようなプロセス条件に設定して低酸素分圧となるようにして熱酸化処理を行うようにしたので、欠陥が生ずることがなく、しかも膜厚の面内均一性も高い極めて薄いSiO 膜である界面酸化層98を得ることができる。この場合、膜厚の面内均一性は1σ(標準偏差分布)は1%以内に収まっており、良好な結果を得ることができた。
このように、直前にケミカル洗浄処理を行って熱処理時に酸素分圧を低く設定することにより、この時に形成される界面酸化膜96或いは界面酸化層98の厚さを非常に薄く形成することができ、しかも膜厚の面内均一性を高く維持することができる。
<従来の成膜方法と本発明の成膜方法の評価>
次に、従来の成膜方法を用いて界面層を形成した場合と本発明の成膜方法を用いて界面酸化層を形成した場合の評価実験を行ったので、その評価結果について説明する。図7は従来の成膜方法を用いて界面層を形成した時の膜厚と膜厚の面内均一性との関係を示すグラフであり、図7(A)は膜厚を示し、図7(B)は膜厚の面内均一性を示す。この図7(B)の値を求めるに当たってウエハ上の49ポイントを測定し、その1σを平均値として求めている。
ここでは従来の成膜方法として、直径が300mmのシリコン基板を希フッ酸溶液(0.25%濃度)で洗浄処理(以下「DHF処理」とも称す)した後、ケミカル洗浄処理することなく図1に示した処理装置内で熱処理を施してSiO膜よりなる界面層を形成した。また処理ガスとしてO ガスとN ガスの混合ガスを用いた。この時のプロセス条件は、プロセス温度を900〜1000℃の範囲で変化し、Oガスの流量を100〜2000sccmの範囲で変化させた。また総ガス流量(N +O )を2000sccmに維持し、且つプロセス圧力は1Torr(133.3Pa)に維持した。熱処理の処理時間は、5種類について15sec間行い、3種類について50sec間行った。そして、得られたSiO 膜よりなる界面層をエリプソメーターで測定した。
図7(A)に示すように、処理時間が50secの場合には、プロセス温度が900〜1000℃の範囲内、O ガス流量が1000〜2000sccmの範囲内について3種類行っており、膜厚の上限値を12Åとすると、全てにおいて膜厚は14Å以上になっており、厚過ぎることが判る。また処理時間が15secの場合には、プロセス温度が900〜1000℃の範囲内、O ガス流量が100〜2000sccmの範囲内について5種類行っており、温度が900℃でO ガス流量が100sccmの時と400sccmの時が膜厚は上限値の12Å以下で良好であるが、他の場合は全て12Åよりも大きな値であり、厚過ぎることが判る。
そして、図7(B)に示す膜厚の面内均一性に関しては、図7(A)において膜厚が上限値の12Å以上であったポイントの全てが、膜厚の面内均一性の上限値である1%よりも低くて良好であるのに対して、図7(A)において膜厚が上限値以下であったO ガス流量が100sccmの時と400sccmの時は共に膜厚の面内均一性が上限値の1%よりも大きく、好ましくないことが判る。従って、従来の成膜方法では、膜厚及び膜厚の面内均一性を共に満足する領域が得られないことが判る。
次に、希フッ酸溶液による洗浄処理、すなわちDHF処理を行った後にケミカル洗浄処理を行い、その後に熱処理を行って界面酸化層を形成した場合の評価実験を行ったので、その評価結果について説明する。図8は評価実験を行った各試料に対する処理の内容と評価結果とを示す図、図9は本発明の成膜方法が施された試料を一部に含む試料全体の界面酸化層の膜厚と膜厚の面内均一性との関係を示すグラフであり、図9(A)は膜厚を示し、図9(B)は膜厚の面内均一性を示す。この膜厚の測定方法及び測定装置は図7を参照して説明した場合と同じである。
図8に示すように、ここでは試料1〜試料6までの直径が300mmの6つのシリコン基板に対して処理を行っており、各試料に対して、図7で説明した処理と同じように希フッ酸によるDHF処理(洗浄処理)を行い、試料1を除いた試料2〜6に対して更に先に説明したようなケミカル洗浄処理を行い、その後、図1に示した処理装置を用いて試料1〜試料6の総ての試料に対して熱処理を施して界面酸化層を形成した。この時の熱処理の各プロセス条件は図8に示した通りであり、熱処理温度は900〜1000℃の範囲内に設定し、プロセス圧力は全て1.5Torr(200Pa)に設定している。また、O ガス流量は2〜270sccmの範囲内で変化させ、N ガス流量とO ガス流量の総ガス流量を略2000sccmに設定している。そして、熱処理時間は10sec、或いは15secとしている。尚、上記試料1にはケミカル洗浄処理を施しておらず、熱処理温度が900℃でO 分圧が0.2Torrなので、この試料1は図7中の”◎”に略対応することになる。
そして、評価には膜厚の評価結果と、膜厚の面内均一性の評価結果とを示し、各試料が図5及び図9中において示されるポイントをP1〜P6として表している。尚、評価の”×”は”不良”を表し、”○”は”良好”を表している。またO ガス分圧は[プロセス圧力×O 流量/(O 流量+N 流量)]で求められ、ケルビン温度表記Tsは、[熱処理温度(℃)+273]で求められる。上述したように、各試料1〜6の結果が、図9中においてポイントP1〜P6としてそれぞれ示されている。図9(A)に示すように、膜厚に関しては、ポイントP1、P2は上限値である12Åよりも僅かに大きくて好ましくないが(評価は”×”)、他のポイントP3〜P6は上限値よりも小さくて良好な結果(評価は”○”)となっていることが判る。
また図9(B)に示すように、膜厚の面内均一性(1σ)に関しては、ポイントP1、P6は上限値である1%よりもかなり大きくなって好ましくないが(評価は”×”)、他のポイントP2〜P5は上限値よりも小さくて良好な結果(評価は”○”)となっていることが判る。従って、膜厚と膜厚の面内均一性が共に良好なポイントはP3〜P5となる。ここで図5に示すSi表面の状態相図を参照すると、この図5に上記各ポイントP1〜P6が示されており、前述したように、ポイントP3、P4、P5で囲まれた斜線の領域100内のプロセス条件、すなわち酸素分圧及びプロセス温度、すなわち熱処理温度(ここではケルビン温度表記になっている)にそれぞれ設定することにより、特に良好な結果を得られることが判る。
尚、上記実施例では比誘電率の高い薄膜、いわゆるhigh−k膜としてHfSiON膜を例にとって説明したが、これに限定されず、比誘電率が7以上の材料ならば全て用いることができ、例えばHfSiON膜の他にHfO、HfS iO、ZrO、ZrSiO、ZrSiON、Hf Zr O(x,yは正の整 数)、La、Y等を用いることができる。また上記実施例ではNHとHとの混合溶液やHClとHとの混合溶液によるケミカル酸化処理を例にとって説明したが、これに限定されず、HSOとHとHOの混合液やO水溶液などを用いたケミカル酸化処理を行なうこともできる。 また酸化性ガスとしはO ガスに限定されず、他にHOやNO等を用いることができる。また、ここでは希釈ガスとしてN ガスを用いたが、これに限定されず、Ar、He等の希ガスを用いてもよい。
また処理装置としては、ここで説明したものに限定されず、例えば加熱手段として加熱ランプに替えて抵抗加熱ヒータを用いたり、支持手段として円板状の載置台を用いたり、またガス導入手段としてシャワーヘッド構造等を用いるようにしてもよい。
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、液晶表示装置に用いるガラス基板やセラミック基板等にも本発明を適用することができる。
4 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
12 処理装置
14 処理容器
22 ガス導入手段
34 排気系
42 支持手段
50 熱電変換素子(加熱冷却手段)
80 加熱手段
80A 加熱ランプ
86 装置制御部
92 ゲート電極構造
94 ケミカル酸化膜
96 界面酸化膜
98 界面酸化層
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (7)

  1. 被処理体のシリコン層の表面に、比誘電率が7以上のゲート絶縁膜との間に介在される界面酸化層を形成する成膜方法において、
    前記シリコン層をケミカル洗浄処理することによってケミカル酸化膜を形成するケミカル酸化膜形成工程と、
    前記ケミカル酸化膜の形成された前記被処理体に対してプロセス温度が900〜1000℃の範囲内であると共に酸素分圧が0.2〜2Paの範囲内である雰囲気中であって、前記酸素分圧と前記プロセス温度が、プロセス温度の逆数を横軸にとり、酸素分圧の対数を縦軸にとったグラフにおいてプロセス温度が1000℃で酸素分圧が2Paの交点と、プロセス温度が900℃で酸素分圧が0.2Paの交点とを結ぶ線分を含んで該線分よりも上方の領域に位置するようにそれぞれ設定されて熱処理を施すことにより界面酸化膜を形成する熱処理工程と、
    を有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記ゲート絶縁膜の比誘電率は、13〜20の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記ケミカル酸化膜形成工程は、
    前記シリコン層をNH とH との混合溶液により表面処理する第1の表面処理ステップと、
    前記第1の表面処理ステップ後の前記シリコン層をHClとH との混合溶液により表面処理する第2の表面処理ステップとを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の成膜方法。
  4. 記熱処理工程では、酸化性ガスと希釈ガスとの混合ガスが用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 被処理体の表面のシリコン層の表面に、ゲート電極構造を形成する形成方法において、
    前記シリコン層の表面に形成されている自然酸化膜を除去する洗浄工程と、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法を実施して界面酸化層を形成する界面酸化層形成工程と、
    前記界面酸化層上にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
    を有することを特徴とするゲート電極構造の形成方法。
  6. シリコン層を有する被処理体に対して熱処理を施す処理装置において、
    真空排気が可能になされた処理容器と、
    前記処理容器内へ必要なガスを導入するガス導入手段と、
    前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持手段と、
    前記被処理体を加熱する加熱手段と、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法の熱処理工程を実施するように装置全体を制御する装置制御部と、
    を備えたことを特徴とする処理装置。
  7. 真空排気が可能になされた処理容器と、
    前記処理容器内へ必要なガスを導入するガス導入手段と、
    前記処理容器内でシリコン層を有する被処理体を支持する支持手段と、
    前記被処理体を加熱する加熱手段と、
    装置全体を制御する装置制御部と、
    を備えた処理装置により前記被処理体に対して熱処理を施すに際して、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜方法の熱処理工程を実施するように前記処理装置を制御するコンピュータに読み取り可能なプログラムを記載することを特徴とする記憶媒体。
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