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JP5223117B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子を用いた光軸調整機能付きの車両用灯具に関する。
従来、この種の光源装置として、前方が開口したランプボディとその前方開口部に取り付けられた透明な前面カバーとで形成された灯室内に、灯具ユニットを備えた車両用灯具において、灯具ユニットが、ユニット搭載部に発光素子を支持した光源ユニットと、発光素子からの光を灯具前方に照射する光学ユニットと、光学ユニットを発光素子と連動させることなく駆動する駆動機構とを備えると共に、ユニット搭載部と放熱部を一体とした光源ユニットが、ランプボディを貫通して配置されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。放熱部が貫通したランプボディの貫通穴には、光軸調整機構の動きを吸収するゴムカバーが設けられている。貫通孔及びゴムカバーは、四角形状に形成されている。
特開2008−257959号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具では、光軸調整時に弾性部材としてのゴムカバーの特定部位に応力が集中し、ゴムカバーの劣化が促進されてシールとしての性能が損なわれるおそれがあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光軸調整時に弾性部材へ加わる負荷を軽減することのできる車両用灯具を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明では、内部が灯室をなすハウジングと、前記灯室に配置され発光素子を有する光源部と、前記灯室内に配置されて前記光源部搭載する搭載部と、前記光源部及び前記搭載部を外部から前記灯室内へ挿通させるように前記ハウジングに形成され円形の挿通孔と、前記搭載部に接続され、少なくとも一部が前記挿通孔を通じて前記ハウジングの外部に露出し、前記挿通孔との間に環状の間隙を形成し得る円形断面部を有する放熱部と、前記ハウジングの前記挿通孔と前記放熱部の前記円形断面部との間に取り付けられて前記環状の間隙を閉塞する可撓性の弾性部材と、を備えた光軸調整機能付き車両用灯具が提供される。
上記光軸調整機能付き車両用灯具において、前記ハウジングは、前記灯室と隣接して他の灯室を有し、前記放熱部及び/又は前記搭載部は、前記他の灯室のリフレクタに固定されていることが好ましい。
上記光軸調整機能付き車両用灯具において、前記ハウジングの前記挿通孔は、前記光源部、前記搭載部及び前記放熱部を含む光源装置を挿通可能に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、光軸調整時に弾性部材へ加わる負荷を軽減することができる。
図1は、本発明の一実施形態を示す車両用灯具の外観斜視説明図である。 図2は、車両用灯具の平面断面説明図である。 図3は、車両用灯具の側面断面説明図である。 図4は、車両用灯具の背面説明図である。 図5は、車両用灯具の一部分解斜視説明図である。
図1及び図2は本発明の一実施形態を示し、図1は車両用灯具の外観斜視説明図、図2は車両用灯具の平面断面説明図である。尚、図1では、説明のため、ロービーム用の光源装置を除いて二点鎖線で示し、ハイビーム用のリフレクタや一部の部品については省略して示している。
図1に示すように、車両用灯具1は、前部を開口したハウジング2と、ハウジング2の開口を塞ぐ光透過性のアウタレンズ3と、ハウジング2とアウタレンズ3により形成される灯室4,5の内部に配置される光源装置6と、を備えている。図2に示すように、本実施形態においては、車両用灯具1はロービーム機能とハイビーム機能を有するヘッドライトであり、ロービーム用の灯室4にLED(Light Emitting Diode)素子を利用したロービーム用の光源装置6が配置され、ハイビーム用の灯室5にバルブを利用したハイビーム用の光源装置7が配置されている。ロービーム用の灯室4とハイビーム用の灯室5とは、左右に連続して設けられ、ハイビーム用の灯室5の方がロービーム用の灯室4よりも前方に配置されている。これに対応して、ハウジング2の後端は前後について段状に形成されている。
図3は車両用灯具の側面断面説明図である。
図3に示すように、ロービーム用の光源装置6は、LED素子を有する第1光源部8及び第2光源部9と、各光源部8,9が搭載される搭載部10と、搭載部10に接続されハウジング2の後方から灯室4の外部へ露出する放熱部11と、を有する。また、車両用灯具1は、ハウジング2と光源装置6の放熱部11との間に介在するゴムブーツ12を備え、灯室4の水密が保たれるようになっている。また、車両用灯具1は、ロービーム用の光源装置6の光軸を調整するためのエイミングスクリュー18が設けられている。
光源装置6の第1光源部8は、搭載部10の上部に搭載され、上方に光を出射する。第1光源部8から出射された光は、第1光源部8の上方に配置された第1リフレクタ13により前方へ反射された後、プロジェクタレンズ14により光学制御されて灯室4内へ放射される。ここで、第1リフレクタ13の前端とプロジェクタレンズ14の上端は接続されている。灯室4内へ放射された光は、アウタレンズ3を通じて外部へ放射される。尚、第1光源部8には、図示しないコネクタが接続され電力が供給される。
第2光源部9は、搭載部10の下部に搭載され、下方に光を出射する。第2光源部9から出射された光は、第2光源部9の下方に配置された第2リフレクタ15により前方へ反射された後、灯室4内へ放射される。灯室4内へ放射された光は、アウタレンズ3を通じて外部へ放射される。尚、第2光源部9には、図示しないコネクタが接続され電力が供給される。
本実施形態においては、搭載部10及び放熱部11は一体に形成され、例えば銅、アルミニウム等の熱伝導性が比較的良好な金属からなる。これにより、各光源部8,9にて生じた熱は、搭載部10を通じて放熱部11へ伝達する。搭載部10は、前後へ延び、前側下部に第2光源部9が搭載され、後側上部に第1光源部8が搭載される。
図2に示すように、放熱部11は、正面視にて円形に形成された円形断面部としての円板部11aと、円板部11aの後面から後方へ突出する複数のフィン11bとを有している。各フィン11bは、互いに平行に設けられ、それぞれ円板部11aに垂直な方向へ延びている。円板部11aの外周縁には、径方向外側へ突出する突出部11cが形成されている。突出部11は、ハイビーム用のリフレクタ16に固定される。この固定方法は任意であるが、本実施形態においては、突出部11c及びリフレクタ16を挿通するねじ17により固定されている。ハイビーム用のリフレクタ16は、ハイビーム用の灯室5からロービーム用の灯室4へ延長されている。本実施形態においては、計4つの突出部11cが周方向に90°間隔で設けられている。
ゴムブーツ12は、放熱部11の円板部11aの外周縁と当接するとともに、ハウジング2の挿通孔2aに形成されたフランジ2bの外周縁と当接する。ここで、挿通孔2aは、ハウジング2の搭載部10の近傍に形成され、正面視にて円板部11aと同心の円形に形成されている。また、挿通孔2aの内縁には、後方へ延びるフランジ2bが周方向にわたって形成されている。
ゴムブーツ12の内径は、円板部11aの外径よりも小さく形成され、ゴムブーツ12を円板部11aへ嵌め込むと、ゴムブーツ12が弾性変形して円板部11aと密着する。また、ゴムブーツ12の内径は、フランジ2bの外径よりも小さく形成され、ゴムブーツ12をフランジ2bへ嵌め込むと、ゴムブーツ12が弾性変形してフランジ2bと密着する。これにより、図4に示すように、ハウジング2と放熱部11の間の水密がゴムブーツ12により担保される。ここで、図4は、車両用灯具の背面説明図である。
図5は、車両用灯具の一部分解斜視説明図である。
図5に示すように、ゴムブーツ12は、前後へ延びる外縁部12aと、外縁部12aの後端から径方向内側へ延びる延在部12bと、延在部12bの径方向内端から前方へ延びる内縁部12cと、を有している。外縁部12a、延在部12b及び内縁部12cは、周方向に同一の断面に形成され、ゴムブーツ12は正面視にてリング状を呈している。そして、フランジ2bの外面に外縁部12aの内面が当接し、円板部11aの外面に内縁部12cの内面が当接する。本実施形態においては、所期位置において、円板部11aがフランジ2bよりも前方に位置することから、内縁部12cが外縁部12aよりも前方へ長く形成されている。また、外縁部12aの前端はハウジング2の壁部と当接し、内縁部12cの前端は突出部11cと当接し、それぞれ的確に位置決めされる。
ゴムブーツ12は、可撓性を有し、円板部11a及びフランジ2bと嵌合した状態で変形することにより、ハウジング2に対する光源装置6の移動が許容される。光源装置6にはエイミングスクリュー18を含む光軸調整機構が接続されており、ハウジング2に対して相対的に上下及び左右に光軸が調整される。
また、ハウジング2の挿通孔2aは、アセンブリされた光源装置6を挿通可能に設定されている。本実施形態においては,正面視において第2リフレクタ15が挿通孔2aからはみ出ているが、光源装置6を所期の姿勢から傾倒させることにより、光源装置6全体が挿通孔2aを挿通するよう設計されている。具体的には、光源装置6を挿通孔2aに挿通させた後、光源装置6を挿通方向を軸として回転させることにより、ハイビーム用のリフレクタ16と係わってねじ17により固定可能な状態となる。
ハイビーム用の光源装置7は、ハウジング2に対して後方から着脱自在なハロゲンバルブ7aを有する。ハロゲンバルブ7aから発せられた光の一部は、ハイビーム用のリフレクタ16により反射され、ハロゲンバルブ7aから発せられる光は直接的又は間接的に車両前方へ放射される。
以上のように構成された車両用灯具1では、ハウジング2の挿通孔2aと放熱部11の円板部11aと、を同心状の円形とし、ゴムブーツ12をリング状としたことから、光軸調整時に光源装置6が傾倒した際にゴムブーツ12の所定箇所に応力が集中することはなく、ゴムブーツ12に加わる負荷を低減することができる。これにより、ゴムブーツ12の信頼耐久性を担保することができるし、光源装置6の光軸調整量を大きくすることもできる。
また、放熱部11のフィン11bがハウジング2の外に配置されているので、放熱効率が格段に向上し、放熱部11、ひいては車両用灯具1の小型・軽量化を図ることができる。さらに、車両用灯具1の小型化により、車両における灯具搭載部の軽量化及び省スペース化を図ることができる。さらには、灯室4内の温度上昇を抑制することができ、他の部品の耐熱温度の設定を下げることができ、製造コストの低減を図ることができる。また、光源装置6の固定をハイビーム用のリフレクタ16を用いて行うようにしたので、部品点数を減じて製造コストを低減することができる。
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、光源装置6が挿通孔2aを挿通可能であるので、光源装置6の交換をアセンブリ状態で行うことができる。上述にように、灯具1の小型化が図られており、例えばエンジンルームにおける灯具1近傍のスペースが確保されることと相俟って、光源装置6の交換作業を簡単容易に行うことができる。従って、光源装置6に電気的不具合が生じた場合や、光源装置6の仕様を変更する場合に、他の光源装置6に速やかに交換することができ、実用に際して極めて有利である。
尚、前記実施形態においては、ロービーム用の光源装置6について、挿通孔2aを円形とし、放熱部11に円板部11aを設けて、ゴムブーツ12をリング状としたものを示したが、ハイビーム用の光源装置7を同様の構成とすることも可能である。また、前記実施形態においては、光源装置6が第1光源部8と第2光源部9の2つの光源部を有するものを示したが、光源部は1つであってもよいし、3以上であってもよい。さらに、前記実施形態においては、2つの光源装置6,7を有するものを示したが、光源装置6,7は1つであってもよいし、3以上であってもよい。
また、前記実施形態においては、放熱部11の円形断面部として円板部11aを示したが、挿通孔2aと同心の円形断面を有していれば他の形状であってもよい。さらに、挿通孔2aにフランジ2bを形成したものを示したが、フランジ2bは必ずしも必要なものではない。要は、リング状のゴムブーツ12が挿通孔2aと円形断面部とに周方向にわたって当接していればよい。
また、前記実施形態においては、放熱部11の突出部11cを固定に利用したものを示したが、搭載部10を固定に利用してもよいし、搭載部10と放熱部11の両方を固定に利用することもできる。また、交換時に光源装置6をねじ17で固定するものを示したが、光源装置6を回転させることによりワンタッチでハウジング2側に固定されるものであってもよく、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 車両用灯具
2 ハウジング
2a 挿通孔
2b フランジ
3 アウタレンズ
4 ロービーム用の灯室
5 ハイビーム用の灯室
6 ロービーム用の光源装置
7 ハイビーム用の光源装置
8 第1光源部
9 第2光源部
10 搭載部
11 放熱部
11a 円板部
11b フィン
11c 突出部
12 ゴムブーツ
12a 外縁部
12b 延在部
12c 内縁部
13 第1リフレクタ
14 プロジェクタレンズ
15 第2リフレクタ
16 ハイビーム用のリフレクタ
17 ねじ
18 エイミングスクリュー

Claims (3)

  1. 内部が灯室をなすハウジングと、
    前記灯室に配置され発光素子を有する光源部と、
    前記灯室内に配置されて前記光源部搭載する搭載部と、
    前記光源部及び前記搭載部を外部から前記灯室内へ挿通させるように前記ハウジングに形成され円形の挿通孔と、
    前記搭載部に接続され、少なくとも一部が前記挿通孔を通じて前記ハウジングの外部に露出し、前記挿通孔との間に環状の間隙を形成し得る円形断面部を有する放熱部と、
    前記ハウジングの前記挿通孔と前記放熱部の前記円形断面部との間に取り付けられて前記環状の間隙を閉塞する可撓性の弾性部材と、を備えた光軸調整機能付き車両用灯具。
  2. 前記ハウジングは、前記灯室と隣接して他の灯室を有し、
    前記放熱部及び/又は前記搭載部は、前記他の灯室のリフレクタに固定される請求項1に記載の光軸調整機能付き車両用灯具。
  3. 前記ハウジングの前記挿通孔は、前記光源部、前記搭載部及び前記放熱部を含む光源装置を挿通可能に設定されている請求項2に記載の光軸調整機能付き車両用灯具。
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