JP5217895B2 - 静電荷現像用透明トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
少なくとも、結着樹脂、及びマゼンタ顔料を含んで構成され、前記マゼンタ顔料がトナーに対して2ppm以上100ppm以下含有してなる静電荷現像用透明トナー。
前記マゼンタ顔料が、トナーに対して5ppm以上50ppm以下含有してなる請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
前記マゼンタ顔料が、キナクリドン顔料である請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
前記結着樹脂の少なくとも1種が、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
離型剤をさらに含んで構成され、前記離型剤の少なくとも1種がカルナバワックスである請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーと、キャリアと、を含む静電荷現像用現像剤。
画像形成装置に脱着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、
前記トナーが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーであるトナーカートリッジ。
請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、潜像保持体表面上に形成された潜像を前記静電荷像現像用現像剤により透明トナー画像に現像する現像手段と、
潜像保持体、前記潜像保持体を帯電する帯電手段、前記透明トナー画像を前記潜像保持体から記録媒体に転写する転写手段、前記潜像保持体の表面に残存した透明トナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
を具備し、
画像形成装置本体に脱着されるプロセスカートリッジ。
静電荷現像用カラートナーによるカラー画像を、記録媒体表面に形成する第1画像形成手段と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーによる透明トナー画像を、前記カラー画像の少なくとも表面に形成する第2画像形成手段と、
を具備する画像形成装置。
請求項2に係る発明によれば、トナー中にマゼンタ顔料を2ppm未満又は100ppmより多く含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善が向上される。
請求項3に係る発明によれば、他のマゼンタ顔料を含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善が向上される。
請求項4に係る発明によれば、他の結着樹脂を含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善される。
請求項5に係る発明は、他の離型剤を含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善される。
請求項6に係る発明によれば、トナー中にマゼンタ顔料を2ppm未満又は100ppmより多く含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善される。
請求項7に係る発明によれば、トナー中にマゼンタ顔料を2ppm未満又は100ppmより多く含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善される。
請求項8に係る発明によれば、トナー中にマゼンタ顔料を2ppm未満又は100ppmより多く含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善される。
請求項9に係る発明によれば、トナー中にマゼンタ顔料を2ppm未満又は100ppmより多く含む場合に比べ、適度に赤味を帯びた色相に改善がされる。
本発明の静電荷現像用透明トナー(以下、「本実施形態に係る透明トナー」という場合がある。)は、少なくとも、結着樹脂、及びマゼンタ顔料を含んで構成され、必要に応じて、離型剤などその他添加物を含んで構成されてもよい。そして、マゼンタ顔料は、トナーに対して2ppm以上100ppm以下(特に望ましくは5ppm以上50ppm以下)含有してなる。
まず、結着樹脂について説明する。結着樹脂としては、特に限定されず公知の樹脂材料を用いられる。結着樹脂としては、例えば、スチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸エチルヘキシル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニル基を有するエステル類、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、などの二重結合を有するカルボン酸類、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、若しくはマレイン酸等の二重結合を有するカルボン酸類を単独で重合したもの、又はこれらを2種類以上を共重合したものが挙げられる。また、結着樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、又はセルロース樹脂なども挙げられる。また、結着樹脂は、2種以上混合して用いてもよい。
次に、着色剤(マゼンタ顔料)について説明する。マゼンタ顔料としては、公知の顔料が挙げられ、例えば、C.I.ピグメントレッド 57:1、C.I. ピグメントレッド 53:1、C.I.ピグメントレッド 48:1(以上、溶性アゾ)、C.I.ピグメントレッド 21(β−ナフトール系)、C.I.ピグメントレッド 3(β−ナフトール系)、C.I. ピグメントレッド 1(β−ナフトール系)、C.I.ピグメントレッド 4(β−ナフトール系)、C.I.ピグメントレッド 6(β−ナフトール系)、C.I.ピグメントレッド 37 (ビラゾロン系ビスアゾ)、C.I.ピグメントレッド 38 (ビラゾロン系ビスアゾ)、C.I.ピグメントレッド 41 (ビラゾロン系ビスアゾ)、C.I.ピグメントレッド 42 (ビラゾロン系ビスアゾ)、縮合多環としてはC.I.ピグメントレッド 122 (キナクリドン系)、C.I.ピグメントレッド 202 (キナクリドン系)、C.I.ピグメントレッド 179 (ペリレン系)、C.I.ピグメントレッド 178 (ペリレン系)、C.I.ピグメントレッド 149 (ペリレン系)、C.I.ピグメントレッド 123(ペリレン系)、C.I.ピグメントレッド 194 (ペリレン系)、C.I. ピグメントレッド 168 (スレン系)、C.I.ピグメントレッド 177 (スレン系)、C.I.ピグメントレッド254 (ジケトピロロピロール系)、C.I.ピグメントレッド 255 (ジケトピロロピロール系)、他にもC.I.ピグメントレッド 2、C.I.ピグメントレッド 5、C.I.ピグメントレッド 7、C.I.ピグメントレッド 23、C.I.ピグメントレッド 48:2、C.I.ピグメントレッド 48:3、C.I. ピグメントレッド 48:4、C.I.ピグメントレッド 81:1、C.I.ピグメントレッド 144、C.I.ピグメントレッド 146、C.I.ピグメントレッド 169、C.I.ピグメントレッド 177、C.I.ピグメントレッド 184、C.I.ピグメントレッド 185、C.I.ピグメントレッド 206、C.I.ピグメントレッド 220、C.I.ピグメントレッド 221、又はC.I.ピグメントレッド 238(以上、不溶性アゾ)等が挙げられる。
本実施形態に係る透明トナーには、上記成分以外に、必要に応じて、離型剤、その他内添剤(例えば帯電制御剤)等の種々の成分を添加してもよい。また、本実施形態に係る透明トナーには、トナー外部(トナー粒子外部)に外添剤を含んで構成してもよい。
本実施形態に係る透明トナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法、溶解懸濁法、又は乳化凝集法が挙げられ、特に乳化重合凝集法が好適である。混練粉砕法、又は溶解懸濁法で作製される透明トナーは顔料が局在化しやすく、定着後も局在化が解消され難いのに対し、乳化凝集法で作製される透明トナーは顔料が均一に分散し、定着後も顔料が均一分散しやすい。
なお、得られた透明トナーに対して、後工程として機械的外力や、熱によりを粉砕後のトナー形状(例えば球形化)を調整してもよいし、風力分級機等により分級処理を施してトナー粒度分布を調整してもよい。
乳化工程において、結着樹脂等の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。
その際、加熱するか、或いは有機溶剤に樹脂を溶解させることにより、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成するが、有機溶剤は環境汚染の観点から使わない方がよい。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用してもよい。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
分散剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下の範囲が望ましい。
有機溶剤の使用量としては、結晶性樹脂あるいは非晶性樹脂及び必要に応じて用いられる他のモノマー(以下、併せて単に「ポリマー」という場合がある。)の総量100質量部に対して、50質量部以上5000質量部以下の範囲が望ましく、120質量部以上1000質量部以下の範囲がより望ましい。
必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製してもよい。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、ポリエステル樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いる。
乳化工程で着色剤を混入させておく場合、ポリマーと着色剤との混合は、ポリマーの有機溶剤溶解液に、着色剤又は着色剤の有機溶剤分散液を混合することで行う。
凝集工程においては、まず得られた結着樹脂の乳化粒子(樹脂分散液)、着色剤の分散液、及び必要に応じて離型剤の分散液を混合した後、これを後結着樹脂としての非晶性樹脂のガラス転移点以下の温度で、かつ結着樹脂としての結晶性樹脂(さらには離型剤)の融点以下の温度にて加熱して凝集させ凝集粒子を形成する。
乳化粒子等の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。当該pHとしては、2以上6以下の範囲が望ましく、2.5以上5以下の範囲がより望ましく、2.5以上4以下の範囲がさらに望ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上10以下の範囲に上昇させることにより、凝集の進行を止め、凝集工程を経て得られた凝集粒子を、溶液中にて、この凝集粒子中に含まれる結着樹脂としての結晶性樹脂の融点、及び結着樹脂としての非晶性樹脂(さらにはシェル層構成樹脂を含む)のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も低いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)のうち最も低い温度以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
これら重合開始剤は、単独で使用することも、又は2種以上を併用してもよい。重合開始剤の量や種類は、ポリマー中の不飽和部位量、共存する着色剤の種類や量によって選択される。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径は4μm以上9μm以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5μm以上8.5μm以下の範囲であり、さらに望ましくは5μm以上8μm以下の範囲である。体積平均粒径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒径が9μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
式;SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
本実施形態に係る静電荷現像用現像剤は、前記本実施形態に係る透明トナーとキャリアとを含んで構成される。
透明トナーとキャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲であり、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
以下、本実施形態に係る透明トナーを用いた画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成方法は、本実施形態に係る透明トナー(現像剤)を用い、公知の電子写真方式により画像を形成するものであれば特に限定されないが、例えば、静電荷現像用カラートナーによるカラー画像を、記録媒体表面に形成するカラー画像形成工程(第1画像形成工程と、上記本実施形態に係る透明トナーによる透明トナー画像を、前記カラートナー画像の少なくとも表面に形成する透明トナー画像形成工程(第2画像形成工程)と、を有するものであることがよい。
この画像形成方法は、記録媒体上にカラー画像のみを形成していた場合に、カラー画像が形成された領域とそれ以外の領域との境界部分で発生する段差や、カラー画像部内の高濃度部と低濃度部との境界部分で発生する段差に起因する光沢感のばらつきを、透明画像を形成することによって解消する方法である。即ち、カラー画像が形成された領域内又はカラー画像が形成された面全体の光沢感のばらつきが抑制された画像を得られる画像形成方法である。
冷却剥離方式の定着では、銀塩写真の如く高光沢な画像となる。
なお、必要に応じてその他公知の工程(例えば、トナー像を転写した後の像保持体表面をクリーニングするクリーニング工程等)を含むものであってもよく、また、転写工程は、中間転写ベルト等の中間転写体を利用した中間転写方式により実施されてもよい。この場合は、像保持体表面のトナー像を中間転写体表面に1次転写した後、中間転写体表面から記録媒体表面にトナー像が2次転写される。
また、定着工程は、記録媒体表面に転写された透明トナー像及び各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像(未定着のカラー画像)に対して一括して実施してもよいが、記録媒体表面に転写された各色のトナーを重ね合わせて得られたカラートナー像を定着してカラー画像とした後に、この定着済みのカラー画像が形成された記録媒体に透明トナー像を転写して2回目の定着を実施してもよい。
次に、上述した本実施形態に係る画像形成方法を実施するために用いられる画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、静電荷現像用カラートナーによるカラー画像を、記録媒体表面に形成するカラー画像形成手段(第1画像形成手段)と、上記本実施形態に係る透明トナーによる透明トナー画像を、前記カラー画像の少なくとも表面に形成する透明トナー画像形成手段(第2画像形成手段)と、を具備するものであることがよい。
例えば、高速な画像形成を行う場合には、各種類のトナー(現像剤)に対応した画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置とすることができ、小型の装置を実現したい場合には、各種類のトナー(現像剤)を現像するための現像器を1つの現像装置に備えたいわゆるロータリー現像方式を採用した画像形成装置としてもよい。
例えば、2色以上のカラートナーのみを用いるタンデム方式の画像形成装置やロータリー現像方式を採用した画像形成装置においては、各色のトナーに対して共通する定着装置を有するため、この定着装置として光沢付与装置を用いると共に、無端ベルト状定着部材の表面に透明トナー像が転写されるように、圧接部に対して無端ベルト状定着部材の回転方向上流側に、透明トナー用の帯電手段、潜像形成手段、トナー像形成手段及び転写手段を少なくとも備えた画像形成ユニットを設けてもよい。
画像信号形成装置としては、トナー像を記録媒体表面の特定の位置に形成し得る信号を形成する限り、従来公知のいずれの手段を使用する。
図1は、光沢付与手段を備えた本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示される画像形成装置は、大きく、カラートナー像を形成するためのカラートナー像形成装置(符号2乃至16)と、透明トナー像を形成した後に、この透明トナー像とカラートナー像とを記録媒体表面に定着するために、透明トナー像形成用の画像形成ユニット付の光沢付与装置(符号20乃至33)とに分けられ、両者が搬送装置19により連結されている。
光学系6では、各色成分ごとにレーザーダイオード5が発光し、有機感光体(感光体)8表面に、各色成分ごとの像様の光Xが照射される。一方、有機感光体8は、矢印A方向に回転しながら、まず、表面が帯電器(帯電装置)7により帯電されたのち、既述の光学系6による露光が行われ、現像器9乃至12による現像に供される。
カラートナー像が転写された用紙17は、搬送装置19により、画像形成ユニット付の光沢付与装置に搬送される。
帯電装置25としては、例えば、導電性又は半導電性部材(例えばローラー、ブラシ、フィルム、又はゴムブレード等)を用いた接触帯電装置、又は、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、それ自体公知の手段を使用する。
透明トナー像現像装置28としては、感光体ドラム24表面に透明トナー像を形成するといった機能を有する限り、従来公知の現像装置を使用する。
加熱ロール30及び加圧ロール31としては、例えばアルミニウムからなる金属製コアの表面に、シリコーンゴムからなる弾性体層(厚さ2mm)を被覆し、特定の外径(40mmφ)に形成したものが用いられる。この加熱ロール30及び加圧ロール31の内部には、加熱源として例えば300W以上350W以下の図示しないハロゲンランプが配設されており、当該加熱ロール30の表面温度が特定の温度となるように内部から加熱される。
まず、前記のように、表面にカラートナー像が形成(転写)された記録媒体17が、加熱ロール30と、これに透明トナー像保持体20を介して圧接する加圧ロール31との圧接部(ニップ部)に、カラートナー像が加熱ロール30側に面するようにして導入される。
カラートナーは、少なくとも公知のトナー用結着樹脂及び着色剤を含む一般的なカラートナーであれば、特に制限はない。結着樹脂及び着色剤以外の添加成分については、本発明の透明トナーにおけるその他の成分と同様のものを内添又は外添してもよい。つまり、着色剤を除いて、上記本実施形態に係る透明トナーと同様な構成とすることがよい。なお、カラートナーは、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーの他、ブラックトナーを含む。
キナクリドン系顔料に関しては、例えば、キナクリドン系顔料の熱分解GC/MS(http://www.ube-ind.co.jp/usal/service/organic/o032b.pdf)、とIPC−MS、原子吸光等の分析を組み合わせることにより定量される。
また、PR238に関しては、例えば顔料中の塩素原子量、など顔料由来の原子をIPC(誘導結合プラズマ分析)や原子吸光等の分析にて定量し、顔料含有量を定量できる。
これらの分析による顔料仕込み量と顔料検出量(顔料含有量)の関係を下記表1に示す。
(実施例A1:乳化凝集法による透明トナー)
−ポリエステル樹脂(1)の合成−
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン35モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン65モル部と、テレフタル酸80モル部と、ドデセニル無水コハク酸10モル部と、無水トリメリット酸10モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸、無水トリメリット酸の合計モル数)に対して0.08モル部のジオクチル酸錫(II)塩と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間共縮重合反応させ、その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂(1)を合成した。
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50モル部と、テレフタル酸70モル部と、ドデセニル無水コハク酸30モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、ドデセニル無水コハク酸の合計モル数)に対して0.08モル部のジオクチル酸錫(II)塩と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間共縮重合反応させ、その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂(2)を合成した。
・ポリエステル樹脂(1) 40部
・ポリエステル樹脂(2) 60部
・酢酸エチル 900部
・20%アニオン界面活性剤 5部
・酢酸アンモニウム 10部
・イオン交換水 1000部
以上を密閉容器に投入し、ホモジナイザーにて乳化し、液Aを得た。
得られた液Aを、蒸留用フラスコに移して50℃に昇温後、蒸留を実施し、冷却後イオン交換水を加えて固形分濃度10%の樹脂粒子分散液Aを得た。
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 122) 1部
・20%アニオン界面活性剤 0.5部
・イオン交換水 5000部
以上を密閉容器に投入し、ホモジナイザーにて分散し、マゼンタ顔料分散液を得た。
・離型剤((理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃) 100部
・20%アニオン界面活性剤 35部
・イオン交換水 800部
以上を密閉容器に投入し、ホモジナイザーにて分散し、離型剤分散液を得た。
・樹脂粒子分散液A 700部
・マゼンタ顔料分散液 0.01部
・離型剤分散液 80部
以上を温調、窒素置換可能な容器に収容し、ホモジナイザーにて分散しながら、塩化マグネシウム 0.2部を入れた。50℃に昇温した後、樹脂微粒子分散液A 200部を入れ、90℃に昇温し、特定の粒径となったところで冷却した。イオン交換水で洗浄した後、固液分離し、凍結乾燥し、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒子径は、5.5μmであった
上記実施例A1において、マゼンタ顔料種をC.I.ピグメントレッド 238に変更した以外は、実施例A1と同様にして透明トナーを作製した。
・ポリエステル樹脂の酢酸エチル溶液(固形分38%) 2368部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 184) 0.002部
・離型剤(ポリアルキレンワックス HNP51:融点77℃、:日本精蝋社製) 100部
・ラウリル酸ヒドラジド 5部
以上の材料をビーカーにいれ、70℃で、ホモジナイザー(IKA社 ウルトラタラックス)により7800rpmで攪拌し,溶解、分散させた。これにイオン交換水250部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.2部を加え溶解し、70℃に昇温、ホモジナイザイー(IKA社 ウルトラタラックス)で7800rpmに攪拌した。得られた懸濁液500部を温度計付きフラスコに移し、攪拌しながら45℃、減圧下で1hrかけて溶媒を除去した。ついで濾別、イオン交換水による洗浄、乾燥の後、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒子径は、6.1μmであった。
・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 900 部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 57:1) 0.002部
・離型剤(日本精蝋社製、HNP−9) 100部
以上の材料をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒粒子径は7.1μmであった。
実施例A(各A1乃至A4)において、マゼンタ顔料の量を表2に従って変更した以外は実施例A(各A1乃至A4)と同様にして、透明トナーを作製した。
図1に示す装置と同様の構成の、光沢付与装置を備えた画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度を160mm/sとし、ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.7mg/cm2となるように、トナーとキャリアとの質量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。なお、カラートナーは、富士ゼロックス製DocuCentreColor a450用のシアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色のトナーをカラートナーセットを用いた。
◎:モニター人数5人中5人が黄ばみ・黄疸が見られないと評価した。
○:モニター人数5人中4乃至3人が黄ばみ・黄疸が見られないと評価した。
△:モニター人数5人中2人が黄ばみ・黄疸が見られないと評価した。
×:モニター人数5人中1乃至0人が黄ばみ・黄疸が見られないと評価した。
(実施例G1:乳化凝集法による透明トナー)
−樹脂粒子分散液Bの作製−
・スチレン(和光純薬製):300部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製):115部
・アクリル酸(ローディア日華製):5部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.2部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 122) 1部
・20%アニオン界面活性剤 0.5部
・イオン交換水 5000部
以上を密閉容器に投入し、ホモジナイザーにて分散し、マゼンタ顔料分散液を得た。
・離型剤((理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃) 100部
・20%アニオン界面活性剤 35部
・イオン交換水 800部
以上を密閉容器に投入し、ホモジナイザーにて分散し、離型剤分散液を得た。
・樹脂粒子分散液B 167部
・マゼンタ顔料分散液 0.01部
・離型剤分散液 80部
・イオン交換水 287部
以上を温調、窒素置換可能な容器に収容し、ホモジナイザーにて分散しながら、塩化マグネシウム 0.2部を入れた。50℃に昇温した後、樹脂粒子分散液A 200部を入れ、90℃に昇温し、特定の粒径となったところで冷却した。イオン交換水で洗浄した後、固液分離し、凍結乾燥し、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒子径は、5.9μmであった
上記実施例G1において、マゼンタ顔料種をC.I.ピグメントレッド 238に変更した以外は、実施例G1と同様にして透明トナーを作製した。
・結着樹脂(スチレンアクリル樹脂)の酢酸エチル溶液(固形分38%) 2368部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 184) 0.002部(透明トナーに対する含有量2ppmに相当)
・離型剤(ポリアルキレンワックス HNP51:融点77℃、:日本精蝋社製) 100部
・ラウリル酸ヒドラジド 5部
以上の材料をビーカーにいれ、70℃で、ホモジナイザー(IKA社 ウルトラタラックス)により7800rpmで攪拌し,溶解、分散させた。これにイオン交換水250部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.2部を加え溶解し、70℃に昇温、ホモジナイザイー(IKA社 ウルトラタラックス)で7800rpmに攪拌した。得られた懸濁液500部を温度計付きフラスコに移し、攪拌しながら45℃、減圧下で1hrかけて溶媒を除去した。ついで濾別、イオン交換水による洗浄、乾燥の後、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒子径は、6.7μmであった。
・結着樹脂(種類:スチレンアクリル樹脂) 900部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド 57:1) 0.002部
・離型剤(日本精蝋社製、HNP−9) 100部
以上の材料をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて7.5μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、透明トナーを得た。得られた透明トナーの体積平均粒粒子径は7.1μmであった。
上記実施例G1乃至G4で得られ透明トナーについて、実施例Aと同様にして画像評価を行ったところ、実施例Aに比べ相対的に◎の評価がなく、くすんで見える結果であった。これから、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた方が、ポートレート写真画像における肌の色の再現性効果が高いことがわかった。
離型剤の種類は、カルナバワックスに変更した以外は、各実施例A1乃至A4と同様にして、それぞれ透明トナーを作製し、画像評価を行ったところ、実施例Aに比べ相対的に◎の評価が多い結果であった。これから、離型剤としてカルナバワックスを用いた方が、ポートレート写真画像における肌の色の再現性効果が高いことがわかった。
2 照明
3 カラースキャナ
4 画像処理装置
5 レーザーダイオード
6 光学系
7 帯電器
8 有機感光体
9 イエロー現像器
10 マゼンタ現像器
11 シアン現像器
12 ブラック現像器
13 中間転写ベルト
14 転写コロトロン
15、16 転写ロール
17 記録媒体
19 搬送装置
20 透明トナー像保持体
21 透明トナー像形成手段
22 加熱加圧手段
23 ヒートシンク(冷却手段)
24 感光体ドラム
25 帯電装置
26 露光装置
27 透明トナー像信号形成装置
28 透明トナー像現像装置
29 転写装置
30 加熱ロール(転写定着手段)
31 加圧ロール(転写定着手段)
32 剥離ロール
33 従動ロール
34 透明トナー像
35 カラートナー像
Claims (9)
- 少なくとも、結着樹脂、及びマゼンタ顔料を含んで構成され、前記マゼンタ顔料がトナーに対して2ppm以上100ppm以下含有してなる静電荷現像用透明トナー。
- 前記マゼンタ顔料が、トナーに対して5ppm以上50ppm以下含有してなる請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
- 前記マゼンタ顔料が、キナクリドン顔料である請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
- 前記結着樹脂の少なくとも1種が、ポリエステル樹脂である請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
- 離型剤をさらに含んで構成され、前記離型剤の少なくとも1種がカルナバワックスである請求項1に記載の静電荷現像用透明トナー。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーと、キャリアと、を含む静電荷現像用現像剤。
- 画像形成装置に脱着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納し、
前記トナーが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーであるトナーカートリッジ。 - 請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤を収納すると共に、潜像保持体表面上に形成された潜像を前記静電荷像現像用現像剤により透明トナー画像に現像する現像手段と、
潜像保持体、前記潜像保持体を帯電する帯電手段、前記透明トナー画像を前記潜像保持体から記録媒体に転写する転写手段、前記潜像保持体の表面に残存した透明トナーを除去するためのクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
を具備し、
画像形成装置本体に脱着されるプロセスカートリッジ。 - 静電荷現像用カラートナーによるカラー画像を、記録媒体表面に形成する第1画像形成手段と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静電荷現像用透明トナーによる透明トナー画像を、前記カラー画像の少なくとも表面に形成する第2画像形成手段と、
を具備する画像形成装置。
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