JP5215127B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの掃気方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1の燃料電池システムでは、燃料電池の停止時にエアドライヤで乾燥させた空気を用いて、流量制御弁に付着した水滴を吹き飛ばすというものである。具体的には、流速の早い空気が流れるように流量制御弁の開度調整をし(開度を小さくし)、そこに空気を吹き付けて、水滴を吹き飛ばす構成が開示されている。
次に、本発明に係る燃料電池システムの第一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、本実施形態では燃料電池システムを車両に搭載した場合の説明をする。
(燃料電池システム)
図1は燃料電池システムの概略構成図である。
図1に示すように、燃料電池システム10の燃料電池11は、水素ガスなどのアノードガスと空気などのカソードガスとの電気化学反応により発電を行う固体高分子膜型燃料電池である。燃料電池11に形成されたアノードガス供給用連通孔13(アノードガス流路21の入口側)にはアノードガス供給配管23が連結され、その上流端部には水素タンク30が接続されている。また、燃料電池11に形成されたカソードガス供給用連通孔15(カソードガス流路22の入口側)にはカソードガス供給配管24が連結され、その上流端部にはエアコンプレッサ33が接続されている。なお、燃料電池11に形成されたアノードオフガス排出用連通孔14(アノードガス流路21の出口側)にはアノードオフガス排出配管35が連結され、カソードオフガス排出用連通孔16(カソードガス流路22の出口側)にはカソードオフガス排出配管38が連結されている。
次に、本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図3は燃料電池システム10の掃気方法のフローチャートであり、図4は図3の流れを示すタイムチャートである。
図3、図4に示すように、S11では、燃料電池システム10の起動信号であるイグニッションスイッチ(不図示)をオフにした後(図4のT10時)に、アノード掃気が必要か否かを判定する。この判定は、制御装置45のアノード掃気実行判定部47において、温度センサ41の検出温度に応じてアノード掃気を実行するか否かを判定する。アノード掃気が必要と判定した場合にはステップS12へ進み、アノード掃気が必要でないと判定した場合には処理を終了する。なお、アノード掃気が必要でないと判定した場合に処理を終了せずに、停止時間検出部46からの指示により所定時間ごとに温度センサ41の温度を検出し、検出温度が所定温度以下になった場合にアノード掃気が必要と判定し、ステップS12へ進むようにしてもよい。
次に、本発明に係る燃料電池システムの第二実施形態を図5〜図6に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とアノード掃気の方法が異なるのみであり、燃料電池システムの構成は第一実施形態と略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図5は燃料電池システム10の掃気方法のフローチャートであり、図6は図5の流れを示すタイムチャートである。
図5、図6に示すように、S21では、燃料電池システム10の起動信号であるイグニッションスイッチ(不図示)をオフにした後(図6のT20時)に、アノード掃気が必要か否かを判定する。この判定方法は第一実施形態のステップS11と同様である。
ステップS25では、ステップS24と略同時に、エアコンプレッサ33の回転数を大きくする(図6のT22時)。このようにすることで、エアコンプレッサ33から導入された空気が高流速でパージガス排出配管37から排出される。つまり、パージ弁52に付着している液滴をより強力に除去することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの第三実施形態を図7〜図8に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とアノード掃気の方法が異なるのみであり、燃料電池システムの構成は第一実施形態と略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図7は燃料電池システム10の掃気方法のフローチャートであり、図8は図7の流れを示すタイムチャートである。
図7、図8に示すように、S31では、燃料電池システム10の起動信号であるイグニッションスイッチ(不図示)をオフにした後(図8のT30時)に、アノード掃気が必要か否かを判定する。この判定方法は第一実施形態のステップS11と同様である。
ステップS35では、ステップS34から所定時間経過後に、背圧弁34の開度を半開状態(開度約50%)にする(図8のT33時)。このようにすることで、アノード系内の圧力を低減することができ、圧力変動により燃料電池11内などに残留している液滴がパージ弁52に付着することを防止しつつ、パージ弁52に既に付着している液滴の除去を行うことができる。また、背圧弁34が設けられたカソードオフガス排出配管38にも空気(掃気ガス)が流通するため、背圧弁34に付着した液滴を除去することができる。なお、ステップS34と略同時に背圧弁34を半開状態にしてもよい。
次に、本発明に係る燃料電池システムの第四実施形態を図9〜図10に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とアノード掃気の方法が異なるのみであり、燃料電池システムの構成は第一実施形態と略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図9は燃料電池システム10の掃気方法のフローチャートであり、図10は図9の流れを示すタイムチャートである。
図9、図10に示すように、S41では、燃料電池システム10の起動信号であるイグニッションスイッチ(不図示)をオフにした後(図10のT40時)に、アノード掃気が必要か否かを判定する。この判定方法は第一実施形態のステップS11と同様である。
ステップS45では、ステップS44から所定時間経過後に、背圧弁34の開度を半開状態(開度約50%)にする(図10のT43〜T44時)。本実施形態では、背圧弁34の開度を調節する際に、弁の開放速度を遅くする。つまり、背圧弁34を所定レートで徐々に開放する。このようにすることで、アノード系内の圧力変動を緩やかにすることができ、急激な圧力変動により燃料電池11内などに残留している液滴がパージ弁52に付着(流入)することを防止したり、パージ弁52の下流側(希釈ボックス31側)に排出された液滴が逆流するのを防止したりしつつ、パージ弁52に既に付着している液滴の除去を行うことができる。また、背圧弁34が設けられたカソードオフガス排出配管38にも空気(掃気ガス)が流通するため、背圧弁34に付着した液滴を除去することができる。また、急激な圧力変動により背圧弁34から発生する騒音を防止することができる。さらに、背圧弁34の半開状態を所定時間保持する(図10のT44〜T45時)。このようにすることで、背圧弁34の弁体に付着した液滴(主に弁体の端部に付着した液滴)を効率よく除去することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの第五実施形態を図11〜図12に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とアノード掃気の方法が異なるのみであり、燃料電池システムの構成は第一実施形態と略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図11は燃料電池システム10の掃気方法のフローチャートであり、図12は図11の流れを示すタイムチャートである。
図11、図12に示すように、S51では、燃料電池システム10の起動信号であるイグニッションスイッチ(不図示)をオフにした後(図12のT50時)に、アノード掃気が必要か否かを判定する。この判定方法は第一実施形態のステップS11と同様である。
ステップS55では、ステップS54から所定時間経過後に、背圧弁34の開度を全開状態にする(図12のT53〜T54時)。本実施形態では、背圧弁34の開度を調節する際に、弁の開放速度を遅くする。つまり、背圧弁34を所定レートで徐々に開放する。このようにすることで、アノード系内の圧力変動を緩やかにすることができ、急激な圧力変動により燃料電池11内などに残留している液滴がパージ弁52に付着(流入)することを防止したり、パージ弁52の下流側(希釈ボックス31側)に排出された液滴が逆流するのを防止したりしつつ、パージ弁52に既に付着している液滴の除去を行うことができる。また、背圧弁34が設けられたカソードオフガス排出配管38にも空気(掃気ガス)が流通するため、背圧弁34に付着した液滴を除去することができる。また、急激な圧力変動により背圧弁34から発生する騒音を防止することができる。
例えば、本実施形態において、燃料電池の温度を検出する温度センサをアノードオフガス排出配管に取り付けた構成にしたが、燃料電池の温度を直接検出してもよく、カソードオフガス排出配管、冷媒、ガス、周辺補機の温度を代替温度として採用してもよい。また、温度センサは1箇所だけでなく、複数箇所に取り付けてもよく、その場合には、いずれかの温度を検出するようにしたり、各温度センサの平均値を求めるようにしてもよい。
また、本実施形態において、パージ弁52の掃気終了時に背圧弁34の掃気を行っているが、その際に一定のアノード圧を保持することにより、アノードエア排出弁51もしくは電磁弁54の開故障検知を同時に行う構成にしてもよい。
さらに、本実施形態において、アノードエア排出弁51を閉弁し、電磁弁54およびパージ弁52を開弁した状態を所定時間継続する際に、アノード内(もしくはカソード内)の圧力を高くし続け、その際の圧力変化により、電磁弁54の閉故障検知を同時に行う構成にしてもよい。
Claims (6)
- アノード電極にアノードガスを、カソード電極にカソードガスを供給し発電を行う燃料電池と、
前記アノードガスが流通するアノードガス流路と、
該アノードガス流路内のガスを流路外へ排出するために開閉可能なパージ弁と、
前記アノードガス流路内に掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段と、
前記アノードガス流路内に供給された前記掃気ガスを流路外に排出するために開閉可能に構成されるとともに、前記パージ弁よりも排出流路断面積が大きい掃気弁と、を備え、
前記燃料電池が起動停止した後、前記掃気ガス供給手段により供給される前記掃気ガスを用いて前記アノードガス流路内を掃気し、前記パージ弁および前記掃気弁より前記掃気ガスを排出可能に構成された燃料電池システムであって、
前記アノードガス流路内の掃気が完了したと判断し、前記掃気弁を閉弁した状態で、前記パージ弁から前記掃気ガスを流路外に所定時間排出可能に構成されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記掃気弁を閉弁した状態で、前記パージ弁から前記掃気ガスを排出する際に、前記掃気ガス供給手段の掃気ガス供給量が増量されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記掃気ガスの圧力を調整する圧力調整手段を有し、
該圧力調整手段は、掃気完了後に前記パージ弁から前記掃気ガスを排出するときの前記アノードガス流路内の圧力が、前記パージ弁および前記掃気弁を開弁して前記掃気ガスを排出している状態から、前記掃気弁のみを閉弁したときの該アノードガス流路内の圧力よりも低くなるように調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記圧力調整手段は、前記アノードガス流路内の圧力を所定の割合で低下させることができるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記掃気ガス供給手段は、前記カソード電極に前記カソードガスを供給するカソードガス供給手段であり、
前記圧力調整手段は、前記カソードガスが流通するカソードガス流路の圧力を調整する背圧弁であり、
該背圧弁を閉塞することにより前記カソードガスを前記掃気ガスとして前記アノードガス流路内へ供給可能に構成されており、
前記背圧弁の開度を調整することにより、前記アノードガス流路内の圧力を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池システム。 - アノード電極にアノードガスを、カソード電極にカソードガスを供給し発電を行う燃料電池と、
前記アノードガスが流通するアノードガス流路と、
該アノードガス流路内のガスを流路外へ排出するために開閉可能なパージ弁と、
前記アノードガス流路内に掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段と、
前記アノードガス流路内に供給された前記掃気ガスを流路外に排出するために開閉可能に構成されるとともに、前記パージ弁よりも排出流路断面積が大きい掃気弁と、を備え、
前記燃料電池が起動停止した後、前記掃気ガス供給手段により供給される前記掃気ガスを用いて前記アノードガス流路内を掃気する燃料電池システムの掃気方法であって、
前記燃料電池が起動停止した後、前記アノードガス流路内の掃気が必要か否かを判定する掃気判定ステップと、
前記掃気弁および前記パージ弁を開弁して前記アノードガス流路内の掃気を行うアノード掃気ステップと、
前記アノードガス流路内の掃気が完了したか否かを判定するアノード掃気完了判定ステップと、
前記掃気弁および前記パージ弁のうち、前記掃気弁のみを閉弁する掃気弁閉弁ステップと、
前記掃気弁が閉弁された後に前記パージ弁を前記掃気ガスが所定流量通過したか否かを判定するパージ弁掃気判定ステップと、を有することを特徴とする燃料電池システムの掃気方法。
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