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JP5208561B2 - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents

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JP5208561B2
JP5208561B2 JP2008094057A JP2008094057A JP5208561B2 JP 5208561 B2 JP5208561 B2 JP 5208561B2 JP 2008094057 A JP2008094057 A JP 2008094057A JP 2008094057 A JP2008094057 A JP 2008094057A JP 5208561 B2 JP5208561 B2 JP 5208561B2
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Description

本発明は、反応性ホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくは、塗工性、熱安定性および初期接着性が良好で、とくにポリエステル被着体の接着性にも優れる反応性ホットメルト接着剤に関する。
ホットメルト接着剤は、常温で固体、かつ無溶剤タイプであり加温する操作を伴うだけで使用することができるため、有機溶剤の溶液型接着剤と比べて人体への悪影響、大気や水質の汚染、有機溶剤を蒸発させるための多大なエネルギー負荷といった問題もなく有用なものである。また、反応性ホットメルト接着剤は、さらに耐熱性、接着性を向上させたものとして近年注目されている。
従来、反応性ホットメルト接着剤としては、ポリエステルおよび/またはポリエーテルポリオール、および水酸基を有するロジンとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−146201
しかしながら、上記反応性ホットメルト接着剤は塗布後の接着可能時間(ポットライフ)の長さを維持したうえで初期接着性を向上させたものの、パーティクルボード、突き板等歪みの大きな被着体の貼り合わせにおいては、完全硬化前に被着体の浮き、剥がれが起こる等の問題があった。また、その他の初期接着性を向上させる方法として高分子量ポリオールの使用あるいはポリイソシアネートとポリオールの反応当量比の調整等によるウレタンプレポリマーの高分子量化が考えられるが、それぞれ溶融粘度の上昇による塗工性の悪化、ウレタン基濃度の上昇による熱安定性の悪化を招くといった問題があった。さらに、完全硬化後では、ポリエステル製化粧シート等ポリエステル被着体との接着性に劣るといった問題があった。
本発明の目的は、塗工性、熱安定性および初期接着性が良好で、とくにポリエステル被着体の接着性にも優れる反応性ホットメルト接着剤を提供することにある。
なお、本発明において、初期接着性とは、接着剤を用い被着体を接着して3分後の接着性を指し、後述する方法で測定される初期接着強度で評価される。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(C)を含有してなる反応性ホットメルト接着剤において、(C)が、ビスフェノール化合物の各水酸基当たり1モルのアルキレンオキシド付加物(a1)を85〜100重量%含有してなるビスフェノール化合物アルキレンオキシド付加物(a)とジカルボン酸(b)からなるポリエステルポリオール(A)並びにロジン骨格を有するポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを含有してなる活性水素含有化合物と、ポリイソシアネート(B)から形成されてなり、活性水素含有化合物の重量に基づく前記(A)の含有量が5〜90%で前記ロジン骨格を有するポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールの含有量が1〜50%であることを特徴とする反応性ホットメルト接着剤である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、下記の効果を奏する。
(1)溶融粘度が低く、塗工性に優れる。
(2)熱安定性に優れる。
(3)初期接着性に優れる。
(4)ポリエステル被着体の接着性にも優れる。
本発明におけるビスフェノール化合物アルキレンオキシド付加物(a)は、2個の水酸基を有するビスフェノール化合物の各水酸基当たり1モルのアルキレンオキシド付加物(a1)を85〜100重量%含有してなるもので、(a)には下記の(a1)〜(a3)が含まれる。
(a1)ビスフェノール化合物の各水酸基当たり1モルのアルキレンオキシド付加物
(a2)(a1)を除く、ビスフェノール化合物の2モル以下のアルキレンオキシド付加物
(a3)ビスフェノール化合物の、2モルを超えるアルキレンオキシド付加物
(a)の重量に基づく各成分の含有量は、(a1)は、85〜100%、好ましくは92〜100%、さらに好ましくは95〜100%、とくに好ましくは98〜100%;(a2)と(a3)の合計は、15%以下、好ましくは0〜8%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0〜2%;(a2)は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0〜0.8%、とくに好ましくは0〜0.5%、最も好ましくは0〜0.2%;(a3)は、好ましくは14%以下、さらに好ましくは0〜7.2%、とくに好ましくは0〜4.5%、最も好ましくは0〜1.8%である。(a1)の含有量が85%未満では後述する接着剤の初期接着性が悪化する。
(a)の重量に基づく(a1)〜(a3)の各成分の含有量は、液体クロマトグラフィー(以下LCと略記)法により、例えば下記の条件で測定して求めることができる。
<LC法測定条件>
LCシステム :LC−20AD[(株)島津製作所製]
カラム :CAPCELL PAK C18[(株)資生堂製、内径4.6mm×
長さ250mm]
溶離液 :アセトニトリル/水=30/70(vol%)
流速 :1.0ml/min
検出器 :SPD−M20A[(株)島津製作所製]
検出波長 :275nm
注入量 :2μl
(a)を構成するビスフェノール化合物としては、炭素数(以下Cと略記)12〜23(好ましくは12〜19、さらに好ましくは12〜15)、例えばビスフェノールA、−Fおよび−S等が挙げられる。
これらのうち分子の剛直性の観点から好ましいのはビスフェノールAおよび−Sである。
(a)を構成するアルキレンオキシド(以下AOと略記)としては、C2〜12(好ましくは2〜4)、例えばエチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−、2,3−および1,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、BO、THFおよびMTHFと略記)、1,3−プロピレンオキシド、イソBO、C5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO(スチレンオキシド等)、およびこれらの併用が挙げられる。
これらのうち耐熱性の観点から好ましいのはEOおよびPOである。
ビスフェノール化合物AO付加物(a)は、ビスフェノール化合物にAOを水媒体中、アルカリ性触媒の存在下で付加させることにより製造することができる。
水媒体の使用量は、副生物低減の観点からビスフェノール化合物の重量に基づいて、好
ましくは5〜100%、さらに好ましくは10〜60%である。
アルカリ性触媒としてはアルカリ金属触媒[アルカリ金属(Na、K、Li等)水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ金属(Na、K、Li等)アルコラート(C1〜2、例えばナトリウムメチラート、カリウムメチラート)、金属ナトリウム等]、アミン触媒(C3〜15、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン)、テトラアルキル(アルキル基のC4〜12)アンモニウムハイドロオキサイド(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)が挙げられる。これらのうち好ましいのはアルカリ金属触媒、さらに好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、とくに好ましいのは水酸化カリウム、水酸化リチウムである。
アルカリ性触媒の使用量は、ビスフェノール化合物の重量に基づいて通常0.05〜20%、好ましくは0.1〜10%である。
ビスフェノール化合物にAOを付加させる方法としては、ビスフェノール化合物、水媒体およびアルカリ性触媒をオ−トクレ−ブに仕込み、釜内を窒素で置換した後、撹拌しながら所定温度に昇温して、AOを滴下等で徐々に仕込みながら常圧または加圧下(通常0.5MPa以下)で反応させる方法が挙げられる。反応温度は、生産性および副生物低減の観点から好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは60〜110℃、また、反応時間は通常2〜8時間である。
(a)は、通常以下の手順で製造することができる。
(1)アルカリ性触媒の存在下、ビスフェノール化合物1モルに対して、AO1.5〜2モル滴下し、その後1〜2時間反応させる。その後アルカリ性触媒の部分中和(好ましくは20〜99モル%、さらに好ましくは40〜90モル%)を行う。中和に用いられる酸としては、無機酸(リン酸、塩酸、硫酸等)または有機酸(酢酸、乳酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸等)が挙げられる。
(2)部分中和後、上記(1)からの全AO
の滴下モル数が2〜2.8(好ましくは2.2〜2.6)モルとなる量のAOをさらに追加滴下しその後1〜2時間反応させる。
(3)サンプリングを行いLC法で(a1)〜(a3)の含有量を測定し、(a1)が主成分(85〜100重量%)であることを確認する。該手順(3)は、必要により上記手順(1)のAO付加反応後にも行なってもよい。
(4)上記確認後、水媒体を分液除去、さらに水洗、吸着剤による処理・濾過後、脱水して(a)を得る。
(a)のOH価(単位はmgKOH/g)は、初期接着性および接着剤の柔軟性の観点から好ましくは280〜380、さらに好ましくは290〜370である。
本発明におけるジカルボン酸(b)としては、芳香族ジカルボン酸(b1)、脂肪族(飽和もしくは不飽和)ジカルボン酸(b2)および脂環含有ジカルボン酸(b3)が挙げられる。
(b1)としては、単環[C8〜24、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ホモフタル酸、フェニルマロン酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−およびβ−フェニルアジピン酸]および多環[C14〜30、例えばビフェニル−2,2’および−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸]が挙げられる。これらのうち接着剤の凝集力(以下凝集力と略記)の観点から好ましいのは単環芳香族ジカルボン酸、さらに好ましいのはテレフタル酸およびイソフタル酸である。
(b2)のうち、飽和脂肪族ジカルボン酸としては、C2〜24、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、ジメチルマロン酸、β−メチルグルタル酸、エチルコハク酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸およびエイコサンジカルボン酸;不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、C4〜24、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸およびメサコン酸が挙げられる。
また、(b3)としては、C6〜30、例えば1,3−および1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジ酢酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸が挙げられる。
上記(b)うち接着性の観点から好ましいのは脂肪族ジカルボン酸、さらに好ましいのはC2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、特に好ましいのはアジピン酸、セバシン酸である。
本発明におけるポリエステルポリオール(A)は、ビスフェノール化合物アルキレンオキシド付加物(a)とジカルボン酸(b)とのエステル化反応によって形成される。
(a)と(b)の当量比は、溶融粘度および初期接着性の観点から好ましくは1.05/1〜2/1、さらに好ましくは1.1/1〜1.5/1である。
(A)の末端基としては、片末端がOH基、および両末端がOH基の場合があり、後述するポリイソシアネート(B)との反応性の観点から好ましいのは両末端がOH基の場合である。
該エステル化反応は、無触媒でも、エステル化触媒を使用してもいずれでもよいが、生産性の観点から好ましいのはエステル化触媒を使用したエステル化反応である。
エステル化触媒としては、プロトン酸(リン酸等)、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、IIB、IVA、IVBおよびVB族金属等)の、カルボン酸(C2〜4)塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、塩化物、水酸化物、アルコキシド等が挙げられる。
これらのうち反応性の観点から好ましいのはIIB、IVA、IVBおよびVB族金属の、カルボン酸(C2〜4)塩、酸化物、アルコキシド、生成物の低着色性の観点からさらに好ましいのは三酸化アンチモン、モノブチル錫オキシド、テトラブチルチタネート、テトラブトキシチタネート、テトラブチルジルコネート、酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛である。
エステル化触媒の使用量は、所望の分子量が得られる量であれば特に制限はないが、(a)と(b)の合計重量に基づいて、反応性および低着色性の観点から好ましくは0.005〜3%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
エステル化反応は窒素等不活性ガス存在下、常圧または減圧下(例えば133Pa以下)で行われる。また、反応を促進するため、有機溶剤を加えて還流させることもできる。有機溶剤は反応終了後に除去される。
有機溶剤としては、活性水素を有しないものであれば特に制限はなく、例えば炭化水素(トルエン、キシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル等)が挙げられる。
反応温度は通常120〜250℃、反応率および熱分解性抑制の観点から好ましくは150〜230℃である。反応時間は通常1〜40時間、反応率および生産性の観点から好ましくは3〜24時間である。
反応の終点は酸価(AV)を測定することで判断できる。反応終点の酸価は後述する(A)と(B)との反応性の観点から好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。
ポリエステルポリオール(A)の、OH価は、接着剤の溶融粘度と接着性の観点から好ましくは0.5〜160、さらに好ましくは1〜110;数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下同じ。]は、初期接着性および溶融粘度の観点から好ましくは700〜200,000、さらに好ましくは1,000〜100,000である。GPC法による測定は例えば下記の条件で測定される。
<GPC法によるMn測定条件>
溶 媒 :テトラヒドロフラン
基準物質 :ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
サンプル濃度:0.25wt/vol%
カラム温度 :23℃
カラム種類 :架橋スチレン微粒子ゲル[商品名「Super H−L」、「Super
H4000」、「Super H3000」および「Super
H2000」、いずれも東ソー(株)製]
本発明におけるポリイソシアネート(B)としては、2官能〜3官能またはそれ以上のポリイソシアネート(以下PIと略記することがある)で、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族PI、C2〜18の脂肪族PI、C4〜15の脂環含有PI、C8〜15の芳香脂肪族PI、これらのPIの変性物およびこれらの2種類以上の混合物が含まれる。
芳香族PIとしては、ジイソシアネート(以下DIと略記することがある)[1,3−および/または1,4−フェニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等]、3官能以上のPI[4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、粗製TDI、粗製MDI等]等が挙げられる。
脂肪族PIとしては、DI[エチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ドデカメチレンDI、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、等]、トリイソシアネート(以下TIと略記)[2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、1,6,11−ウンデカンTI等]等が挙げられる。
脂環含有PIとしては、DI[イソホロンDI(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI等]、TI[ビシクロヘプタンTI等]等が挙げられる。
芳香脂肪族PIとしては、DI[m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI)等]等が挙げられる。
また、PIの変性物としては、変性(ウレタン変性、カルボジイミド変性、トリヒドロカルビルホスフェート変性等)MDI、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のPIの変性物、およびこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が挙げられる。
これらのうち後述する凝集力の観点から好ましいのはHDI、IPDI、TDI、MDI、XDI、TMXDI、水添MDI、水添TDI、さらに好ましいのはHDI、MDIおよびこれらの混合物である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤には、後述するイソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(C)の形成成分として、前記ポリエステルポリオール(A)の他に必要により、ポリイソシアネート(B)と反応する活性水素を有するロジン(D)をさらに含有させることができる。
(D)としては、例えば、ウッドロジン、ガムロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、トール油ロジン、およびウッド系重合ロジン、ガム系重合ロジン、トール油系重合ロジン等の重合ロジン、後述する水酸基を有するロジンおよびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち(A)との相溶性、(B)との反応性および接着剤を硬化させてなる硬化物の耐熱性の観点から好ましいのは水酸基を有するロジンである。
上記水酸基を有するロジンとしては、例えば、ロジン骨格を有する、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールが挙げられる。
該ポリエステルポリオールとしては、酸成分としてのロジンとポリオール[後述の活性水素成分(E)として例示したポリオール等]とを反応させたもの、また、該ポリエーテルポリオールとしては、ロジンと分子中にグリシジル基を有する化合物[ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等]を反応させたもの、および該反応生成物中の2級OH基にAO(EOおよび/またはPO)を付加させたもの等が挙げられる。
水酸基を有するロジンの、水酸基の数は、相溶性および溶融粘度の観点から好ましくは1分子中に1〜5個、さらに好ましくは2〜3個;水酸基価は、相溶性および熱安定性の観点から好ましくは5〜1,200、さらに好ましくは10〜600;Mnは、相溶性および溶融粘度の観点から好ましくは200〜15,000、さらに好ましくは500〜10,000である。
ロジンの市販品としては、例えば「パインクリスタルD−6011」および「KE−615−3」[商品名、いずれも荒川化学(株)製]が挙げられる。
本発明の反応性ホットメルト接着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりポリイソシアネート(B)と反応する、前記(A)、(D)以外のその他の活性水素含有化合物(E)をさらに含有させることができる。
(E)としては、例えば、脂肪族ポリエステルポリオール(E1)、ポリエーテルポリオール(E2)、ポリマーポリオール(E3)、ポリオレフィンポリオール(E4)、ポリアルカジエンポリオール(E5)、ひまし油系ポリオール(E6)、アクリルポリオール(E7)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
脂肪族ポリエステルポリオール(E1)としては、脂肪族2価アルコールと前記脂肪族ジカルボン酸(b2)との縮合により形成されるもの(E11)、ラクトンを重合させて得られるもの(E12)およびヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるもの(E13)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(E11)を構成する脂肪族2価アルコールとしては、C2〜20、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−、1,4−、1,6−および2,5−ヘキサンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、NPG、HDと略記)、1,2−および1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、アルキル(C1〜3)ジアルカノールアミンが挙げられる。これらのうち接着性の観点から好ましいのは、EG、1,4−BD、NPG、1,6−HDである。
(E11)を構成する前記脂肪族ジカルボン酸(b2)のうち接着性の観点から好ましいのは飽和脂肪族ジカルボン酸、さらに好ましいのはアジピン酸およびセバシン酸である。
(E12)を構成するラクトンとしては、C4〜20、例えばγ−ブチロラクトン、γ−およびδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ピメロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−デカノラクトン、エナントラクトン、ラウロラクトン、ウンデカノラクトン、エイコサノラクトン、およびこれらの併用が挙げられる。
これらのうち後述する接着剤の温度低依存性の観点から好ましいのはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンおよびラウロラクトン、さらに好ましいのはε−カプロラクトンである。
(E12)の製造に際しては、開環重合の開始剤として多価(2価またはそれ以上)アルコールが用いられ、該多価アルコールとしては、C2〜18の2価アルコール(EG、BD、NPG、HD等)、3価アルコール[C3〜20、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン(以下GR、TMPと略記)]、4価またはそれ以上の多価アルコール[C5〜20、例えばペンタエリスリトール(以下PEと略記)、ソルビタン、ソルビトール、シュークローズ等]が挙げられる。
(E13)を構成するヒドロキシカルボン酸としては、C2〜20、例えばヒドロキシ酢酸、乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸、ω−ヒドロキシエナント酸、ω−ヒドロキシカプリル酸、ω−ヒドロキシペルゴン酸、ω−ヒドロキシカプリン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、20−ヒドロキシエイコサン酸、およびこれらの併用が挙げられる。これらのうち接着剤の温度低依存性の観点から好ましいのは乳酸、ω−ヒドロキシカプロン酸および12−ヒドロキシドデカン酸である。
(E1)のMnは、初期接着性および溶融粘度の観点から好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは700〜80,000である。
ポリエーテルポリオール(E2)としては、水またはアルコールに前記AOを付加したもの、例えばPEG、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略記)、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)が挙げられる。
上記アルコールとしては、前記多価アルコールが挙げられる。これらのうち接着性の観点から好ましいのは、2価および3価アルコールである。
AOの付加モル数は、接着剤の柔軟性および凝集力の観点から好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モルである。
(E2)のOH当量(OH基1個当たりの分子量)は、接着剤の柔軟性および溶融粘度の観点から好ましくはMn100〜5,000、さらに好ましくはMn150〜3,000以下である。
(E2)のMnは、接着剤の柔軟性および溶融粘度の観点から好ましくは200〜20,000、さらに好ましくは400〜10,000である。
ポリマーポリオール(E3)としては、前記ポリエーテルポリオール(E1)および/またはポリエステルポリオール(E2)中でエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られるものが挙げられ、該(E3)は該モノマーの(共)重合体が(E1)および/または(E2)中にミクロ分散してなるものである。
エチレン性不飽和モノマーには、C3〜30のアクリルモノマー、例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタアクリレート等);炭化水素(以下HCと略記)モノマー、例えば芳香族不飽和HC(C8〜20、例えばスチレン)および脂肪族不飽和HC[C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等、例えばα−オレフィン(ヘキセン、オクテン等)およびブタジエン];並びに、これらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20等)]が含まれる。
該モノマーの(共)重合体のMnは、(E3)の溶融粘度および該(共)重合体の分散性の観点から好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜800,000である。
(E3)中の該モノマー(共)重合体含量(重量%)は、通常5〜80%またはそれ以上、接着剤の初期接着性および該(共)重合体の(E3)中の分散性の観点から好ましくは30〜70%である。
ポリオレフィンポリオール(E4)としては、分子末端に水酸基を有する2価またはそれ以上のポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
(E4)のMnは、接着剤の柔軟性および溶融粘度の観点から好ましくは500〜10,000、さらに好ましくは700〜5,000である。
ポリアルカジエンポリオール(E5)としては、分子末端に水酸基を有する2価またはそれ以上のポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール、水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
(E5)のMnは、接着剤の柔軟性および溶融粘度の観点から好ましくは500〜10,000、さらに好ましくは700〜5,000である。
ひまし油系ポリオール(E6)としては、ひまし油および変性ひまし油(TMP、PE等の多価アルコールで変性されたひまし油等)が挙げられる。
(E6)のMnは、接着剤の耐水性および溶融粘度の観点から好ましくは300〜7,000、さらに好ましくは500〜5,000である。
アクリルポリオール(E7)としては、[アルキル(C1〜30)](メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有(メタ)アクリロイル基含有モノマー[C5〜10、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
(E7)のMnは、接着剤の低温特性および溶融粘度の観点から好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜50,000である。
これらの(E)のうち接着剤の柔軟性の観点から好ましいのは(E1)、(E2)、(E5)、さらに好ましいのはPEG、PPG、ポリブタジエングリコールである。
ポリイソシアネート(B)と反応する活性水素含有化合物[(A)、(D)、(E)の合計]の重量に基づく各成分の含有量は、(A)は、接着剤の凝集力の観点から好ましくは5〜100%、接着剤の凝集力および溶融粘度の観点からさらに好ましくは10〜90%、とくに好ましくは15〜80%;(D)は通常60%以下、初期接着性および接着剤の溶融粘度の観点から好ましくは1〜50%、さらに好ましくは3〜40%;(E)は通常70%以下、接着剤の柔軟性および凝集力の観点から好ましくは5〜60%、さらに好ましくは10〜50%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、過剰のポリイソシアネート(B)と、前記ポリエステルポリオール(A)、および必要により(A)以外の上記(D)および/または(E)を含有してなる活性水素含有化合物を反応させることにより得られるイソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(C)を含有してなることを特徴とする。
(B)と、(A)および必要により(D)、(E)を含む活性水素含有化合物とのウレタン化反応におけるNCO/活性水素当量比は、溶融粘度および接着性の観点から好ましくは1.01/1〜5/1、さらに好ましくは1.2/1〜4/1、とくに好ましくは1.5/1〜3/1である。
(C)は、少なくとも1つの分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであり、好ましいのはすべての分子末端にイソシアネート基を有するものである。
該ウレタン化反応の方法は、特に限定されず、下記の2種類の方法が例示できる。
(1)(B)と(A)、および必要により(B)と(D)および/または(E)をそれぞれ個別に反応させた後、得られたものを混練して製造する方法。
(2)(A)および必要により(D)および/または(E)を混合した後、該混合物と(B)を反応させ製造する方法。
上記方法のうち、製造プロセスの簡便性および得られる接着剤の熱安定性の観点から(2)の方法が好ましい。
ウレタン化反応に際しては、ウレタン化触媒を使用してもよく、ウレタン化触媒としては、例えば金属触媒〔錫触媒[トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマレエート等]、鉛触媒[オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等]、その他の金属触媒[ナフテン酸金属塩(ナフテン酸コバルト等)、フェニル水銀プロピオン酸塩等]等〕;アミン触媒{トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン〔1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7[DBU(登録商標、サンアプロ(株)製)]等〕、ジアルキル(C1〜3)アミノアルキル(C2〜4)アミン[ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピルアミノプロピルアミン等]、複素環式アミノアルキル(C2〜6)アミン[2−(1−アジリジニル)エチルアミン、4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]、およびこれらの炭酸塩および有機酸(C1〜3、例えばギ酸)塩等;N−メチルおよび−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチル−およびジエチルエタノールアミン等};およびこれらの2種以上の併用系が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、(B)と活性水素含有化合物[(A)、および必要によりさらに(D)および/または(E)を加えたもの。以下同じ。]の合計重量に基づいて、通常0.5%以下、反応性および接着剤の熱安定性の観点から好ましくは0.0001〜0.1%、さらに好ましくは0.0005〜0.05%、とくに好ましくは0.001〜0.01%である。
反応方法としては、例えば(B)、活性水素含有化合物およびウレタン化触媒を温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、通常30〜160(好ましくは50〜140)℃、通常0.5〜17時間(好ましくは1〜5時間)で反応させる方法や、(B)、活性水素含有化合物およびウレタン化触媒を均一混合後、該混合物を例えば2軸エクストルーダーに流し込み、通常80〜250(好ましくは100〜220)℃で連続的に反応させる方法等が挙げられる。
得られるウレタンプレポリマー(C)中のNCO基の重量%(NCO%)は、硬化後の耐熱性および加熱溶融時の熱安定性の観点から好ましくは0.2〜10%、さらに好ましくは0.5〜7%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、製造工程中あるいは製造後の任意の段階において、初期接着力を向上させる目的で水酸基を含有しない粘着付与樹脂(F)を含有させることができる。
(F)としては、公知の粘着付与樹脂[接着の技術、Vol20,(2),13(2000)に記載のもの等]等が使用でき、例えばロジン、ロジン誘導体(重合ロジンおよびロジンエステル等;Mn200〜1,000)、テルペン樹脂[α−ピネン、β−ピネンおよび/またはリモネン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200]、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂[C5留分、C9留分、C5/C9混合留分および/またはジシクロペンタジエン等の(共)重合体等;Mn300〜1,200]、スチレン樹脂[スチレン、α−メチルスチレンおよび/またはビニルトルエン等の(共)重合体等;Mn200〜3,000]、アクリル樹脂[アルキルもしくはアルケニル(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリル酸等の(共)重合体等;Mn200〜3,000]、スチレン−アクリル共重合体樹脂(Mn200〜5,000)、キシレン樹脂(キシレンホルムアルデヒド樹脂等;Mn300〜3,000)、およびこれらの樹脂の水素化体が挙げられる。該共重合体には、ランダム、ブロックおよび/またはグラフト共重合体が含まれる。
これらのうち、接着性の観点から好ましいのはロジン誘導体、アクリル樹脂および/またはキシレン樹脂である。
(F)の環球法軟化点(測定法:JAI−7−1991に準拠。以下同じ。)は、接着性および溶融粘度の観点から好ましくは30〜160℃、さらに好ましくは60〜140℃である。
常温で液状のものを単独で使用すると凝集力が低下しすぎる場合があるが、常温固体のものと併用することで使用できる。
(F)の使用量は、本発明の接着剤の全重量に基づいて、通常50%以下、初期接着性および硬化後の接着強度の観点から好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
さらに、本発明の反応性ホットメルト接着剤は、製造工程中あるいは製造後の任意の段階において、種々の目的および用途に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤(G)を任意に含有させることができる。
該添加剤(G)としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、吸着剤、着色剤、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤および香料からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール化合物〔ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等〕、リン化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]、イオウ化合物[ペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等]等;
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]等;
光安定剤としては、ヒンダードアミン化合物[(ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等;
吸着剤としては、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ等;
着色剤としては、顔料(酸化チタン、カーボンブラック等)、染料(アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、アリザリン、アクリジン、ニトロソおよびアニリン染料等)等;
充填剤としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等;
核剤としては、ソルビトール、ホスフェート金属塩、安息香酸金属塩、リン酸金属塩等;滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ブチル、オレイン酸アミド等;
離型剤としては、カルボキシル変性シリコーンオイル、ヒドロキシル変性シリコーンオイル等;
難燃剤としては、ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、金属水酸化物含有難燃剤等;
香料としては、ジテルペン、リモネン等、が挙げられる。
(G)の合計使用量は接着剤の全重量に基づいて、通常40%以下、添加効果および接着性の観点から好ましくは0.002〜30%、さらに好ましくは0.1〜10%である。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の環球法軟化点は、初期凝集力および溶融粘度の観点から好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは30〜110℃;また、120℃における溶融粘度は、初期凝集力および塗工性の観点から好ましくは300〜100,000mPa・s、さらに好ましくは500〜80,000mPa・sである。
また、反応性ホットメルト接着剤の製造設備としては、該接着剤の構成成分を加熱、溶融、混練することが可能であればよく、通常のホットメルト製造設備が使用できる。
例えば、圧縮性の高い形状のスクリューまたはリボン状撹拌機を有する混合機、反応混合槽、一軸または二軸押出機、シグマブレードミキサー、リボンブレンダー、バタフライミキサー、ニーダー等が挙げられる。
混合温度は混合性および熱劣化の観点から好ましくは60〜250℃であり、反応性ホットメルト接着剤の架橋を防ぐため窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、必要により、ブロック、シートまたはフィルム等所望の形状に成形される。成形には押し出し機等が用いられる。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の使用方法としては特に限定されないが、例えば、該接着剤がブロック形状の場合には、該接着剤を溶融させた後、貼り合わせようとする被着体に塗布して使用される。
塗布装置としては、通常のホットメルト接着剤用のアプリケーター、[加熱可能な溶融槽を有するロールコーター(グラビアロール、リバースロール等)、カーテンコーター、ビード、スパイラル、スプレー、スロット等]および押出機[単軸および二軸押出機、ニーダールーダー等]等が挙げられる。
アプリケーターの場合は、被着体の一方または両方に接着剤を塗布し、冷却固化する前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせることができる
。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。
押出機の場合は、被着体の一方または両方に押出し、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。また、被着体の間に共押出しし、貼り合わせを同時に行うことができる。
被着体に適用するときの接着剤の溶融温度は通常80〜160℃、接着性および熱安定性の観点から好ましくは100〜140℃であり、塗工温度における溶融粘度は通常1〜100Pa・s、接着性の観点から好ましくは2〜50Pa・sである。
該接着剤がシートまたはフィルムの場合には、該接着剤を貼り合わせようとする被着体同士の間に挟み込み、加熱溶融させて貼り合わせるか、一方または両方の被着体上に載せ、加熱溶融させて、冷却固化前に貼り合わせるか、冷却固化後、被着体を合わせ、再度加熱し貼り合わせる。加熱溶融時の加熱温度は特に制約はないが、融点(または軟化点)より10〜20℃以上高い温度である方が接着性の観点から好ましい。また、貼り合わせる際には加圧する方がよく、冷却固化後、圧力を解除する。加圧する圧力は所望の接着力が得られる限り特に制約はなく、接着性および成形性の観点から好ましくは10kPa〜5MPaである。
シートまたはフィルムの厚みは特に制限はないが、接着性および成形性の観点から好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μmである。
本発明の反応性ホットメルト接着剤の硬化反応は、含有するNCO基と空気中の水分との反応が引き金となって開始される。硬化温度は通常5℃以上、反応性および副反応抑制の観点から好ましくは10〜100℃である。湿度条件は反応性の観点から好ましくは20%RH以上、さらに好ましくは30%RH以上である。硬化時間は通常数分〜200時間、反応性および作業性の観点から好ましくは1〜72時間である。このようにして得られる硬化物は硬化物性が良好であり耐熱性、耐溶剤性等種々の耐久性に優れる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は特記しない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を表し、また、(a1)〜(a3)は下記を意味するものとし、更に、実施例1、4、5及び9は参考例である
(a1):ビスフェノール化合物の各水酸基当たり1モルのAO付加物
(a2):(a1)を除く、ビスフェノール化合物の2モル以下のAO付加物
(a3):ビスフェノール化合物の2モルを超えるAO付加物
製造例1
滴下および撹拌装置を備えたガラス製オートクレーブに、ビスフェノールA228部(1モル)と水228部を仕込み、窒素置換を行った後、90℃まで昇温し、ビスフェノールAを水に分散させた。ここに水酸化カリウム3部を添加し再度窒素置換を行い、EO88部(2モル)を約4時間かけて滴下し90℃、圧力0.2MPa以下で反応させた。
滴下終了して1時間後、リン酸1.4部を加えて水酸化カリウムの一部を中和し、さらにEO22部(0.5モル)を約2時間かけて追加滴下し90℃、圧力0.2MPa以下で反応させた。追加滴下終了して1時間後、内容物中の(a1)、(a2)、(a3)の合計重量に基づく含有量を確認したところ、(a1)95%、(a2)0.5%、(a3)4.5%であった。なお、含有量の測定は前記LC法に従った(以下同じ)。
生成物を90℃に加温して水相を分液除去した。さらに、水300部を加え90℃で1時間撹拌後、副生物(EG、DEG等)を含有する水相を分液除去した。その後吸着剤[商品名「キョーワード600」、協和化学工業(株)製]120部を添加して1時間撹拌後ろ過した。ろ液を130℃、1.3kPaで2時間減圧脱水し、ビスフェノールAのEO付加物(a−1)を得た。(a−1)のOH価は353であった。
製造例2
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてEO79.2部(1.8モル)を用い、追加のEO22部(0.5モル)に代えてEO8.8部(0.2モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのEO付加物(a−2)を得た。(A−2)のOH価は355、(a−2)中の含有量は、(a1)100%、(a2)0%、(a3)0%であった。
製造例3
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてEO79.2部(1.8モル)を用い、追加のEO22部(0.5モル)に代えてEO35.2部(0.8モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのEO付加物(a−3)を得た。(a−3)のOH価は352、(a−3)中の含有量は、(a1)92%、(a2)0.8%、(a3)7.2%であった。
製造例4
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてEO66部(1.5モル)を用い、追加のEO22部(0.5モル)に代えてEO57.2部(1.3モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのEO付加物(a−4)を得た。(a−4)のOH価は350、(a−4)中の含有量は、(a1)85%、(a2)1%、(a3)14%であった。
製造例5
製造例1において、ビスフェノールA228部(1モル)に代えてビスフェノールS250部(1モル)、EO88部(2モル)に代えてEO79.2部(1.8モル)、および追加のEO22部(0.5モル)に代えてEO8.8部(0.2モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールSのEO付加物(a−5)を得た。(A−5)のOH価は332、(a−5)中の含有量は、(a1)98%、(a2)0.2%、(a3)1.8%であった。
製造例6
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてPO116部(2モル)を用い、追加のEO22部(0.5モル)に代えてPO46.4部(0.8モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのPO付加物(a−6)を得た。(a−6)のOH価は322、(a−6)中の含有量は、(a1)90%、(a2)1%、(a3)9%であった。
製造例7
製造例1において、追加のEO22部(0.5モル)に代えてEO220部(5モル)を用いたこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのEO付加物(比a−1)を得た。(比a−1)のOH価は345、(比a−1)中の含有量は、(a1)74.5%、(a2)0.5%、(a3)25%であった。
製造例8
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてEO308部(7モル)を用い、追加のEO滴下を行わなかったこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのE
O付加物(比a−2)を得た。(比a−2)のOH価は358、(比a−2)中の含有量は、(a1)60%、(a2)20%、(a3)20%であった。
製造例9
製造例1において、EO88部(2モル)に代えてEO528部(12モル)を用い、追加のEO滴下を行わなかったこと以外は、製造例1と同様に行い、ビスフェノールAのEO付加物(比a−3)を得た。(比a−3)のOH価は342、(比a−3)中の含有量は、(a1)35%、(a2)15%、(a3)50%であった。
上記で得られたビスフェノール化合物のAO付加物について結果を表1に示す。
製造例10
温度制御装置、撹拌装置付きの反応容器に、(a−1)178部、アジピン酸(b)71部を仕込み、窒素雰囲気下230℃常圧で5時間反応させた後、触媒としてテトラブトキシチタネート0.004部を投入後、減圧下で2時間反応させポリエステルポリオール(A−1)(OH価44.9、Mn2,500)を得た。
製造例11〜18
製造例10と同様の手順により、表2に示す組成のポリエステルポリオール(A−2)〜(A−8)、(比A−1)〜(比A−3)を得た。
実施例1
温度制御装置、撹拌装置付きの反応容器に、(A−1)30部、脂肪族ポリエステルポリオール[商品名「サンエスター KH45625」、三洋化成工業(株)製、1,4−BD、NPG、アジピン酸からなる末端OH基のポリアジペート、OH価44.5、Mn2,500](E11−1)60部、ポリカプロラクトン[商品名「CAPA 6800」、日本ソルベー(株)製、OH価1、Mn80,000](E12−1)10部を仕込み、120℃で均一に溶解後、減圧脱水した(120℃、133Pa、1時間)。窒素雰囲気下、60℃でMDI(4,4’−ジフェニルメタンDI)18部を加えて、80℃で3時間反応、熟成させて、反応性ホットメルト接着剤(NCO含量2.6%、120℃溶融粘度3,000mPa・s)(HM−1)を得た。反応組成を表3に示す。
実施例2〜13、比較例1〜5
実施例1と同様の手順により、表3に示す反応組成の反応性ホットメルト接着剤(HM−2)〜(HM−13)、(比HM−1)〜(比HM−5)を得た。
(表3中の記号の説明)
(D−1) :水酸基含有ロジン[商品名「パインクリスタル D−6011」荒川化学
工業(株)製、OH価118.4、酸価0.5、軟化点92℃]
(E2−1):PPG[商品名「サンニックス PP−2000」、三洋化成工業(株)
製、OH価56.9、Mn2,000]
(E3−1):ポリマーポリオール[商品名「アルティフロー FS−7005」、三洋 化成工業(株)製、OH価33]
(E5−1):ポリブタジエンポリオール[商品名「NISSO−PB G−3000」、 日本曹達(株)製、OH価29、Mn3,000]
(F−1) :粘着付与樹脂[ロジンエステル、商品名「パインクリスタル KE−31
1」、荒川化学工業(株)製、OH価0、酸価5、軟化点95℃]
上記得られた反応性ホットメルト接着剤について、以下の試験方法で120℃溶融粘度、熱安定性、初期接着性、ポリエステル被着体の接着性を評価した。結果を表4に示す。
(1)120℃溶融粘度
JIS K7117−1987に準拠して(SB型粘度計、SB4号スピンドル回転数12rpmの条件)、120℃での溶融粘度を測定した。
(2)熱安定性
反応性ホットメルト接着剤を、内径25mm、高さ5cmの円筒形スクリュー栓式ガラス容器に密閉して120℃で24時間静置(熱処理)後、120℃溶融粘度を上記(1)と同様に測定し、熱処理前の溶融粘度と比較して増粘率(%)を下記式から算出する。

増粘率=[溶融粘度(熱処理後)−溶融粘度(熱処理前)]×100/溶融粘度(熱処理前)
(3)初期接着性
反応性ホットメルト接着剤を、温度120℃で溶融し、23℃の環境温度下で、カーテンスプレー塗工機を用いて、ホットエアー圧力1.5kg/cm2、ホットエアー温度140℃、ガンヘッド温度130℃、ガンヘッドと被着体との距離5cm、塗布量60g/m2でポリエステル製化粧シート基材(長さ10cm、幅2.5cm、厚さ200μm)[商品名「ルミラー」、東レ(株)製]面上に塗工し、1分後、該塗工面にMDF(ミディアムデンシティファイバーボード)(長さ15cm、幅3cm、厚さ2cm)の15cm×3cmの面を合わせ、その上から2kg荷重のゴムローラーを用い、300mm/minの速度で一往復させて貼り合わせ、試験片を作成した。
試験片を作成して3分後、塗工時と同じ23℃の環境温度下で、JIS K6854−1999に準じオートグラフ[型番「AGS−500B」、(株)島津製作所製]を用いて、引張速度200mm/minの条件で、該ポリエステル製化粧シート基材端部を引張り、180°剥離強度を測定し、この最大値を初期接着強度(単位:N/25mm)として、初期接着性を評価した。また、接着状態についても下記の基準で併せて評価した。

<接着状態の評価基準>
1 : MDFの材料破壊
2 : 接着剤の凝集破壊
3 : ポリエステル基材と接着剤との界面剥離
(4)ポリエステル被着体の接着性
上記(3)と同様に作成した試験片を23℃、50%RH雰囲気下で72時間養生したものをポリエステル被着体の接着性評価用の試験片とした。該試験片を塗工時と同じ23℃の環境温度下で、上記(3)と同様に180°剥離強度を測定し、この最大値を接着強度(単位:N/25mm)として、ポリエステル被着体の接着性を評価した。また、接着状態についても上記(3)と同様に評価した。
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、塗工性、熱安定性および初期接着性が良好で、とくにポリエステル被着体の接着性にも優れることから、該接着剤で接着してなる接着体は、建築用部材(床材、壁材、パネル、ボード、金属等)、衣料用部材(繊維、織布、フィルム等)、自動車内装部材(フォーム、繊維等)等として幅広く好適に適用でき極めて有用である。

Claims (5)

  1. イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(C)を含有してなる反応性ホットメルト接着剤において、(C)が、ビスフェノール化合物の各水酸基当たり1モルのアルキレンオキシド付加物(a1)を85〜100重量%含有してなるビスフェノール化合物アルキレンオキシド付加物(a)とジカルボン酸(b)からなるポリエステルポリオール(A)並びにロジン骨格を有するポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを含有してなる活性水素含有化合物と、ポリイソシアネート(B)から形成されてなり、活性水素含有化合物の重量に基づく前記(A)の含有量が5〜90%で前記ロジン骨格を有するポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールの含有量が1〜50%であることを特徴とする反応性ホットメルト接着剤。
  2. さらに、粘着付与樹脂を含有させてなる請求項1記載の接着剤。
  3. さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、吸着剤、着色剤、充填剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤および香料からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有させてなる請求項1または2記載の接着剤。
  4. 請求項1〜のいずれか記載の接着剤を硬化させてなる硬化物。
  5. 請求項1〜のいずれか記載の接着剤で被着体を接着してなる接着体。
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