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JP5205536B1 - ホイールローダ - Google Patents

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JP5205536B1
JP5205536B1 JP2012145471A JP2012145471A JP5205536B1 JP 5205536 B1 JP5205536 B1 JP 5205536B1 JP 2012145471 A JP2012145471 A JP 2012145471A JP 2012145471 A JP2012145471 A JP 2012145471A JP 5205536 B1 JP5205536 B1 JP 5205536B1
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Abstract

【課題】後方視界を損なうことなくラジエータを含む冷却装置の容量を増大することが可能で、しかも冷却性能を損なうことがない、ホイールローダを提供する。
【解決手段】このホイールローダは、車体フレーム1と、車体フレーム1に搭載されたエンジン12と、ブーム6及びバケット7を有する作業機3と、燃料タンク13と、冷却装置14と、を備えている。燃料タンク13は、車体フレーム1の後部下面に取り付けられ、後端面13aが上方から下方に向かって斜め後方に傾斜している。冷却装置14は、車体フレーム1の後部に支持され、下端部が燃料タンク13の後端面13aと対向しかつ前後方向に所定距離離れて配置されるとともに、底面が燃料タンク13の後端部上面よりも下方に位置するように配置されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、ホイールローダ、より詳細には、車体フレーム、燃料タンク及びラジエータ等の冷却装置を備えたホイールローダに関する。
ホイールローダの後部にはエンジンルームが設けられている。このエンジンルームには、エンジンや冷却装置が配置され、さらにこれらの下方には燃料タンクが配置されている。冷却装置は、エンジンによって回転されるファン、インタークーラ、オイルクーラ、ラジエータ等によって構成されている。
このようなホイールローダ後部の従来の構造として、例えば特許文献1に示された構造がある。この特許文献1に示された後部構造は、車体フレームの後端部の下面に燃料タンクが装着されている。燃料タンクの後部は、車体フレームの後端とほぼ同じ位置まで延びており、車体フレームの後端のプレートに支持されている。そして、この燃料タンクの上方に、ラジエータやオイルクーラを含む冷却装置が配置されている。
特開2002−266376号公報
近年のホイールローダにおいては、ラジエータを含む冷却装置における冷却容量の増大が求められており、冷却容量を増大するためには冷却装置の容積を増大する必要がある。また、ラジエータにおける目詰りを抑えるために、ラジエータのコアに矩形フィンを採用する場合があり、このような矩形フィンを採用した場合、フィンピッチが広がり、ラジエータのコアが大きくなる。このような種々の理由から、近年はラジエータの大型化が要望されている。
ここで、特許文献1に記載の構造では、ラジエータの下方に燃料タンクが配置されているために、ラジエータの容積を増大するためにはラジエータを上方へ延ばすことになる。しかし、ラジエータを上方に延ばすと、運転席からの後方視界を妨げることになる。ホイールローダにおいては、作業中にバックすることがしばしばあるために、後方視界が妨げられると作業に支障をきたすことになる。
そこで、燃料タンクの後端面を前方に移動させ、空いたスペースを利用してラジエータの底部を下方に延ばし、ラジエータの容量を増大させることが考えられる。
しかし、このような構造では、ラジエータの下部が上下方向において燃料タンクと重なってしまう。このため、車両の上部及び左右の側部から冷却風を取り入れて後方に排出する冷却構造を採用した場合、燃料タンクに重なるラジエータの下部が冷却されにくくなる。
本発明の課題は、後方視界を損なうことなくラジエータを含む冷却装置の容量を増大することが可能で、しかも冷却性能を損なうことがない、ホイールローダを提供することにある。
本発明の第1側面に係るホイールローダは、車体フレームと、車体フレームに搭載されたエンジンと、作業機と、燃料タンクと、冷却装置と、を備えている。作業機は、ブーム及びブームの前端に設けられたバケットを有し、車体フレームの前方に配置されている。燃料タンクは、車体フレームの後部下面に取り付けられ、後端面が上方から下方に向かって斜め後方に傾斜している。冷却装置は、車体フレームの後部に支持され、下端部が燃料タンクの後端面と対向しかつ前後方向に所定距離離れて配置されるとともに、底面が燃料タンクの後端部上面よりも下方に位置するように配置され、内部を流通する冷却媒体を放熱する。
ここでは、冷却装置が燃料タンクの後方に配置され、冷却装置の底面が燃料タンクの上面よりも下方に位置するように延びている。このため、冷却装置の上部を上方に延ばすことなく、すなわち後方視界を損なうことなく冷却装置の容量を増大することができる。また、燃料タンクと冷却装置との間は所定距離離れて配置されており、両者の間には隙間が形成されている。このため、この隙間を介して冷却風を導入することができ、燃料タンクと重なった冷却装置の下部にも冷却風を送ることができる。しかも、燃料タンクは、冷却装置と対向する後端面が、上方から下方に向かって斜め後方に傾斜している。したがって、燃料タンクの後端面と冷却装置との間の隙間に冷却風を導きやすくなる。さらに、この隙間を利用して冷却媒体を流通させるための配管を配置することができ、配管の取り回しが容易になる。
本発明の第2側面に係るホイールローダは、第1側面のホイールローダにおいて、冷却装置の後方に配置されたカウンタウェイトをさらに備えている。そして、冷却装置は、下端部がカウンタウェイトの上面よりも下方に位置する。
ここでは、後方視界を損なうことなく冷却装置の容量がより大きくなる。
本発明の第3側面に係るホイールローダは、第2側面のホイールローダにおいて、冷却装置は、ラジエータと、ファンと、を有している。ファンは、ラジエータの後方に配置され、冷却風をラジエータの前方から後方に送る。
ここでは、ファンが駆動されることによって、ラジエータのファンと逆側の部分の気圧が比較的低くなる。このため、燃料タンクと冷却装置の下端部との間の隙間を介して外気が内部に取り込まれる。したがって、ラジエータを含む冷却装置の下端部についても効率良く冷却を行うことができる。
本発明の第4側面に係るホイールローダは、第3側面のホイールローダにおいて、ファンは、中心が冷却装置の中心に対して上方にオフセットして配置されている。
ここでは、冷却装置が下方に延びて配置されているので、仮に冷却装置の中心とファンの中心とを同じ位置にすると、一般的なファンの取付位置に比較してファンが低い位置に配置されることになる。この場合は、冷却風の流れが車体フレームやカウンタウェイトによって乱され、冷却風がスムーズに車体外に排出されないことが考えられる。
そこでこの第4側面に係るホイールローダでは、冷却装置の中心に対してファンを上方にオフセットして配置し、ファンの取付位置が低くなりすぎないようにしている。したがって、冷却装置は下方に延びて配置されているが、冷却性能が悪化することはない。
本発明の第5側面に係るホイールローダは、第3又は第4側面のホイールローダにおいて、ファンは、底面がカウンタウェイトの上面より上方に位置するように配置され、一方の側部を中心に横方向に開閉自在に設けられている。
ここでは、ファンが横方向に開閉自在であり、しかもファンの底面がカウンタウェイトの上面より上方に位置している。したがって、カウンタウェイトを装着した状態でファンを横方向に開き、ファンのメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明の第6側面に係るホイールローダは、第3から第5側面のいずれかのホイールローダにおいて、冷却装置は、ファンの下方に配置されラジエータを通過した冷却風をファンに導くシュラウドをさらに有する。
ここでは、ラジエータを通過した冷却風はシュラウドに沿ってファンに導かれる。このため、冷却性能が向上する。
本発明の第7側面に係るホイールローダは、第1から第6側面のいずれかのホイールローダにおいて、燃料タンクと冷却装置との間の隙間を下方から覆うカバーをさらに備えている。
ここで、燃料タンクの後方に冷却装置の下端部が配置されているので、冷却装置の下端部及びこの下端部に連結された例えば配管等の部材が下方に露出することになる。そこで、これらを下方から覆うようにカバーが設けられ、冷却装置の下部を保護している。
本発明の第8側面に係るホイールローダは、第1から第7側面のいずれかのホイールローダにおいて、車体フレームは、エンドプレートと補強プレートとを有している。エンドプレートは車体フレームの後端において上下方向に延びて設けられている。補強プレートは、エンドプレートから前方に延び、エンドプレートと一体的に形成されている。
従来の車体フレームでは、左右のフレームが後端においてエンドプレートで連結されている。このエンドプレートは上下方向に所定の幅を有し、前後方向の厚みが薄い1枚の板状部材である。これに対して第8側面のホイールローダでは、エンドプレートから前方に延びる補強プレートがエンドプレートと一体的に設けられている。
ここでは、エンドプレートと補強プレートによって、車体フレームの後端部は、断面が側面視でL形状になっている。このため、車体フレームの後端部の強度が向上する。これにより、車体フレーム後端部を従来形状に比較して左右に広げても強度が維持され、車体フレームの内部に配置される冷却装置の左右方向の幅をより大きくすることができ、冷却装置の容量をより増大することができる。
本発明の第9側面に係るホイールローダは、第8側面のホイールローダにおいて、燃料タンクの後部を補強プレートに支持するためのブラケットをさらに備えている。
本発明の燃料タンクは、その後方に冷却装置の下端部が配置されているので、燃料タンク後端は従来の後部構造に比較して前方に移動している。一方で、エンドプレートには前方に向かって延びる補強プレートが一体的に設けられているので、この前方に延びる補強プレートにブラケットを介して燃料タンクの後端部が支持されている。
本発明の第10側面に係るホイールローダは、第1から第9側面のいずれかのホイールローダにおいて、燃料タンクと冷却装置との間の隙間に配置され、冷却媒体が流通する配管をさらに備えている。そして、配管は冷却装置の下端部において、隙間から下方に臨む位置で冷却装置に連結されている。
ここでは、冷却装置には配管が連結されており、この配管は燃料タンクと冷却装置の隙間から下方に臨む位置に配置されている。このため、配管を冷却装置にクランプする際、あるいはクランプを増し締めする際に、車両の下方から隙間を介して作業することができる。すなわち、配管をメンテナンスする際の作業を容易になる。
以上のような本発明では、冷却装置が燃料タンクの後方に配置され、冷却装置の底面が燃料タンクの上面よりも下方に位置するように延びているので、冷却容量の増大のために冷却装置の上部を上方に延ばす必要がなく、後方視界を損なうことなく冷却容量を増大できる。また、燃料タンクと冷却装置の下端部との間に隙間を確保して、この隙間を介して外気を取り入れるようにしているので、冷却風を冷却装置の下端部に当てることができ、冷却性能を損なうことがない。
本発明の一実施形態によるホイールローダの側面図。 ホイールローダの後部構造の斜視図。 後部構造の車体フレームの斜視図。 冷却装置と後部フレームを後方から見た図。 燃料タンクの斜視図。 後部構造の側面図。 冷却装置を前方から見た図。 後部構造の底面図。
本発明の一実施形態によるホイールローダの外観側面図を図1に示し、その後部の構造を図2及び図3に示している。
[全体構成]
ホイールローダ1は、車体フレーム2、作業機3、前輪4a、後輪4b、キャブ5を備えている。このホイールローダ1は、前輪4a、後輪4bが回転駆動されることにより自走可能であり、作業機3を用いて所望の作業を行うことができる。
車体フレーム2は前車体部2a及び後車体部2bを有している。前車体部2aと後車体部2bとは互いに左右方向に揺動可能に連結されている。前車体部2aには、作業機3及び前輪4aが設けられている。後車体部2bには、キャブ5及び後輪4bが設けられている。作業機3は、前車体部2aの前方に配置されており、ブーム6、バケット7、ベルクランク8等を有している。ブーム6は1対のリフトシリンダ10によって上下に揺動される。また、バケット7は、ブーム6の先端に装着されており、ベルクランク8を介してバケットシリンダ11によって上下に揺動される。
[後部全体構造]
図2に示すように、後車体部2bの後部には、エンジン12が搭載されており、このエンジン12の下方に燃料タンク13が配置されている。また、エンジン12の後方には冷却装置14が配置されている。さらに、後車体部2bの後端にはカウンタウェイト15が固定されている。
[後車体部2b]
車体フレーム2の後車体部2bは、図3から明らかなように、左右の横フレーム16,17と、後部フレーム18と、左右の横フレーム16,17を連結する連結フレーム19と、を有している。なお、図3は図2からエンジン12及び冷却装置14を取り除いて示したものである。
左右の横フレーム16,17はそれぞれ正面視でL形状に形成されており、これらの水平部17a(左横フレーム16の水平部は図3では表れていない)に連結フレーム19の両端が固定されている。
後部フレーム18は、左右のプレート20,21と、エンドプレート22と、補強プレート23と、を有している。左右のプレート20,21は左右の横フレーム16,17よりもさらに外側に配置されており、内部の幅方向スペースが前方に比較して広くなっている。エンドプレート22は、後車体部2bの後端に位置し、上下方向に延びるとともに、図4に示すように、左右両端部を除いて下方に窪む切欠き部22aが形成されている。なお、図4は後部構造を後方から見た図である。補強プレート23は、エンドプレート22の下端から前方に延びるように設けられている。また、補強プレート23の両端部は、それ以外の部分に比較して、さらに前方で斜め上方に向かって延び、左右の横フレーム16,17の水平部に固定されている。
以上のような後部フレーム18の構成により、後部フレーム18が設けられた部分は、後車体部2bの他の部分に比較して、左右の幅方向スペースがより広く、底部がより深く形成されている。また、補強プレート23の両端部以外の部分は、後方に向かって窪む切欠き部23aとなっている。
[燃料タンク13]
燃料タンク13は、図3に示すように、後車体部2bの下面に固定されている。より詳細には、図5に示すように、燃料タンク13の上部において、前端部の左右両端には左右のブラケット30,31が設けられるとともに、後端部中央に支持ブロック32を介して後ブラケット33が後方に突出して設けられている。そして、左右のブラケット30,31はボルトによって左右の横フレーム16,17の水平部に固定されている。また、後ブラケット33は、ボルト34によって補強プレート23の下面中央部に固定されている。
燃料タンク13は、箱状の容器であって、上面は後車体部2bの下面に沿って水平に形成され、底面は前方から後方にかけて斜め上方に傾斜して形成されている。また、後端面13aは上方から下方にかけて斜め後方に傾斜する傾斜面となっている。さらに、燃料タンク13の上面には、エンジン12のオイルパンを避けるために、前方に凹部13bが設けられている。
[冷却装置14]
冷却装置14は、図4から明らかなように、門型フレーム35に支持されている。門型フレーム35は左右の下端部35a,35bが後部フレーム18の左右のプレート20,21に固定されている。
この冷却装置14は、図2、図6(図6では車体フレームを省いている)及び図7に示すように、ラジエータ40と、ラジエータ40の前面側に配置されたアフタークーラ42と、アフタークーラ42の前方に配置された空調機のコンデンサ43と、アフタークーラ42の下方に配置された及びオイルクーラ44と、を有している。また、この冷却装置14は、ラジエータ40の後面側に配置されたファン45と、ファン45とラジエータ40との間に配置されたシュラウド46と、を有している。なお、冷却装置14は、下端部がカウンタウェイト15の上面よりも下方に位置するように配置されている。
さらに、冷却装置14においては、トルクコンバータ用のクーラ55が、ラジエータ40の下部前方に配置されており、連結フレーム19(図3参照)にボルトで取り付けられている。そして、トルクコンバータ用クーラ55の下板と燃料タンク13の上面との間には隙間が設けられている。
ファン45は、図4に示すように、一方の側部が冷却装置14の枠体14aにヒンジによって連結されており、横方向に開閉自在である。また、ファン45は、その中心が冷却装置14の中心より上方に位置するようにオフセットして配置されている。なお、ファン45は底面がカウンタウェイト15の上面よりも上方に位置するように配置されている。したがって、ファン45はカウンタウェイト15を避けて開閉することが可能である。
シュラウド46は、左右の側部46a,46bと、底部46cと、を有している。左右の側部46a,46bは、ラジエータ40の下部で左右の側部を通過した冷却風をファン45に導き、底部46cはラジエータ40の下部で中央部分を通過した冷却風をファン45に導くものである。なお、底部46cには、シュラウド46内部に溜まった土砂や塵等を清掃するための清掃用カバー47が着脱自在に設けられている。
[燃料タンク13とラジエータ40との関係]
前述のように、ラジエータ40は、門型フレーム35を介して後車体部2bの後部に支持されており、図6に示されるように、ラジエータ40の下端部が燃料タンク13の後方に位置するように配置されている。また、ラジエータ40の下端部と燃料タンク13の後端面13aとの間には所定の間隔が設けられている。さらに、ラジエータ40の底面40aが燃料タンク13の後端部上面よりも下方に位置するように配置されている。言い換えれば、ラジエータ40は燃料タンク13の後方において、燃料タンク13の上面よりもさらに下方に延びて設けられている。
図6及び図7に示すように、ラジエータ40には複数の配管48が連結されている。この複数の配管48のうちの下方に配置された配管48は、燃料タンク13の後端面13aとラジエータ40との間に設けられたスペースに配置されている。なお、各配管48はラジエータ40のエンジン側にクランプ部材49によってクランプされている。そして、後部構造の底面図である図8に示すように、このクランプ部は、燃料タンク13とラジエータ40との間の隙間であって、かつ補強プレート23の切欠き部23aを通して下方に臨んでいる。このため、作業者は下方からクランプ部に対してアクセスが可能である。
[カバー50]
図5及び図6に示すように、燃料タンク13と補強プレート23との連結部及び燃料タンク13とラジエータ40との間のスペースを下方から覆うためのカバー50が設けられている。ここで、カバー50は、カバー50と燃料タンク13との間に隙間が形成されるように取り付けられている。このため、この隙間を介して燃料タンク13とラジエータ40との間のスペースに冷却風を導き入れることが可能である。
また、リアアクスル57側から、燃料タンク13の凹部13b及び上面を通って冷却風がラジエータ40の下部に導き入れられる。
なお、図8ではカバー50を取り外して示している。このカバー50は、左右両端部が補強プレート23の左右両端部にボルトによって固定されている。
[カウンタウェイト15]
図2,3及び8に示すように、カウンタウェイト15はメインウェイト53及び追加ウェイト54を有している。メインウェイト53は後部フレーム18の後方及び左右に配置されており、追加ウェイト54はメインウェイト53の後端に配置されている。これらのウェイト53,54は、複数のボルトによって後部フレーム18のエンドプレート22に共締めされている。
また、メインウェイト53の左右部分には、それぞれ下方に窪む収納部53a(図3参照)が形成されており、この収納部53aにはバッテリ等の機器が収納されるようになっている。
さらに、メインウェイト53の左右方向の中央部には、後方が閉じ前方に開いた凹部53bが形成されている。この凹部53bの左右方向の幅は、エンドプレート22に形成された切欠き部22aとほぼ同じ幅であり、また凹部53bの深さはエンドプレート22の切欠き部22aの深さとほぼ同じである。すなわち、凹部53bの底面とエンドプレート22の切欠き部22aの上面とはほぼ同じ高さである。このような構成により、シュラウド46の設置スペースが確保されている。また、シュラウド46に設けられた清掃用カバー47へのアクセスが容易になる。
[冷却について]
図示していないが、車体カバーには、上部及び左右の側部に冷却風の取り入れ口が形成されている。そして、ファン45が回転すると、これらの取り入れ口から冷却風がエンジンルーム内に導入される。また、同時に、燃料タンク13の後端面13aと冷却装置14との間の隙間を介して、車両の下方からも冷却風がエンジンルーム内に導入される。
これらの冷却風は、冷却装置14のアフタークーラ42、空調機のコンデンサ43、及びオイルクーラ44を通過し、さらにラジエータ40を通過して、ファン45を介して後方に排出される。このとき、ラジエータ40の下部を通過した冷却風は、シュラウド46に沿って上方のファン45まで導かれる。
[メンテナンス]
組立作業中やメンテナンス時に、燃料タンク13とラジエータ40との間に部材が落下する場合がある。このような場合は、カバー50を取り外すことによって落下した部材を取り出すことができる。
また、ラジエータ40の下部に連結された配管48から冷却水の漏れが生じた場合は、カバー50を取り外して作業が行われる。すなわち、カバー50を取り外すことによって、作業者は、下方からクランプ部材49を増し締めしたり、あるいは配管48の交換をしたりすることができる。
さらに、ファン45をメンテナンスする場合は、ファン45を横方向に開いてメンテナンスが行われる。シュラウド46の下部に土砂や埃等が溜まった場合は、清掃用カバー47を取り外してこれらの土砂等を取り除けばよい。
[特徴]
(1)ラジエータ40が燃料タンク13の後方に配置され、燃料タンク13の上面よりも下方に延びているので、ラジエータ40を上方に延ばすことなくその容量を増大できる。したがって、後方視界を損なうことなく冷却容量が向上する。
(2)燃料タンク13と冷却装置14との間には隙間が形成されている。このため、この隙間を介して下方から冷却風が導入され、燃料タンク13と重なった冷却装置14の下端部にも冷却風を送ることができる。
(3)燃料タンク13は、冷却装置14と対向する後端面13aが、上方から下方に向かって斜め後方に傾斜している。したがって、外気を燃料タンク13と冷却装置14の下端部との間に導きやすい。
(4)燃料タンク13の上方にラジエータ等を含む冷却装置14が配置されていないので、燃料タンク13上面に溜まった土砂や埃を清掃しやすい。
(5)燃料タンク13の後端面13aと冷却装置14との間にスペースが形成されている。このスペースを利用して、冷却装置14に装着される配管を配置でき、配管の取り回しが容易になる。また、組立作業中やメンテナンス時に、燃料タンク13と冷却装置14との間に部材が落下しても、カバー50を取り外すことによって部材を容易に取り出すことができる。
(6)補強プレート22を設けることによって、強度を低下させることなく後部フレーム18の左右方向の幅を広くすることができる。したがって、後部フレーム18の内部に配置されるラジエータ40の容量をさらに増大できる。
また、この補強プレート22を利用して、燃料タンク13の後端部を支持しているので、燃料タンク13の支持が容易になる。
(7)冷却装置14に配管をクランプするクランプ部が、燃料タンク13と冷却装置14との間から下方に臨んでいる。このため、配管作業する際に作業者が車両の下方から容易にクランプ部にアクセスでき、作業が容易になる。
(8)カウンタウェイト53に凹部53aが形成され、さらにエンドプレート22に切欠き部22aが形成されている。このため、シュラウド46の設置スペースを確保できる。また、シュラウド46に設けられた清掃用カバー47へのアクセスが容易になる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
前記実施形態では、ラジエータと燃料タンクとの関係において本発明を適用したが、ラジエータ以外の他の冷却装置と燃料タンクとの関係においても本発明を同様に適用することができる。
1 車体フレーム
3 作業機
12 エンジン
13 燃料タンク
13a 後端面
14 冷却装置
15 カウンタウェイト
22 エンドプレート
23 補強プレート
33 後ブラケット
40 ラジエータ
45 ファン
46 シュラウド
48 配管
50 カバー

Claims (10)

  1. 車体フレームと、
    前記車体フレームに搭載されたエンジンと、
    ブーム及び前記ブームの前端に設けられたバケットを有し、前記車体フレームの前方に配置された作業機と、
    前記車体フレームの後部下面に取り付けられ、後端面が上方から下方に向かって斜め後方に傾斜した燃料タンクと、
    前記車体フレームの後部に支持され、下端部が前記燃料タンクの後端面と対向しかつ前後方向に所定距離離れて配置されるとともに、底面が前記燃料タンクの後端部上面よりも下方に位置するように配置され、内部を流通する冷却媒体を放熱する冷却装置と、
    を備えたホイールローダ。
  2. 前記冷却装置の後方に配置されたカウンタウェイトをさらに備え、
    前記冷却装置は、下端部が前記カウンタウェイトの上面よりも下方に位置する、
    請求項1に記載のホイールローダ。
  3. 前記冷却装置は、
    ラジエータと、
    前記ラジエータの後方に配置され、冷却風を前記ラジエータの前方から後方に送るファンと、
    を有している、請求項2に記載のホイールローダ。
  4. 前記ファンは、中心が前記冷却装置の中心に対して上方にオフセットして配置されている、請求項3に記載のホイールローダ。
  5. 前記ファンは、底面が前記カウンタウェイトの上面より上方に位置するように配置され、一方の側部を中心に横方向に開閉自在に設けられている、請求項3又は4に記載のホイールローダ。
  6. 前記冷却装置は、前記ファンの下方に配置され前記ラジエータを通過した冷却風を前記ファンに導くシュラウドをさらに有する、
    請求項3から5のいずれかに記載のホイールローダ。
  7. 前記燃料タンクと前記冷却装置との間の隙間を下方から覆うカバーをさらに備えた、請求項1から6のいずれかに記載のホイールローダ。
  8. 前記車体フレームは、
    前記車体フレームの後端において上下方向に延びて設けられたエンドプレートと、
    前記エンドプレートから前方に延び、前記エンドプレートと一体的に形成された補強プレートと、
    を有している、請求項1から7のいずれかに記載のホイールローダ。
  9. 前記燃料タンクの後部を前記補強プレートに支持するためのブラケットをさらに備えた、請求項8に記載のホイールローダ。
  10. 前記燃料タンクと前記冷却装置との間の隙間に配置され、冷却媒体が流通する配管をさらに備え、
    前記配管は前記冷却装置の下端部において、前記隙間から下方に臨む位置で前記冷却装置に連結されている、
    請求項1から9のいずれかに記載のホイールローダ。
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