JP5203739B2 - ベルト式無段変速機の冷却構造 - Google Patents
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Description
同外気導入口も斜め上後方に開口しているので、外気導入口に水や塵埃が入り込まないように、外気導入口を傘が覆うようにしている。
外気導入口(95)は伝動ケースカバー(36)とサイドカバー部材(92)の合わせ部分に開口する構造なので、ダクト等の導入管が不要であり、部品点数が少なく簡単かつ場所をとらず外部からは見え難く外観性を良好に維持できる。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るスクータ型自動二輪車1の側面図である。
すなわち車体前部1fのヘッドパイプ2からダウンチューブ3が下方へ延出し、同ダウンチューブ3は下端で水平に屈曲してフロア部1cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ4が連結され、メインパイプ4は該連結部から斜め後方に立ち上がって所定高さで水平に屈曲して後方に延びている。
一方車体前部1fにおいては、ヘッドパイプ2に軸支されて上方にハンドル11が設けられ、下方にフロントフォーク12が延びてその下端に前輪13が軸支されている。
パワーユニット20は、その前部が単気筒4ストロークの水冷式内燃機関30であり、シリンダブロック32を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、そのクランクケース31の上端から前方に突出したハンガーブラケット18の端部が前記リンク部材16にピボット軸(枢支)19を介して連結されている。
この減速機構38のあるパワーユニット20の後部に立設されたブラケット39と前記メインパイプ4の後部間にリヤクッション22が介装されている。
一方、シリンダヘッド33の下部から下方に延出した排気管27は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪21の右側のマフラ(図示せず)に接続される。
フロア部1cはサイドカバー9eにより覆われ、また車体後部1rは左右側方からボデイカバー10によって覆われる。
内燃機関30は、シリンダブロック32のシリンダライナ44内を往復動するピストン42とクランク軸40のクランクピン40aとをコネクティングロッド43が連結している。
クランクケース31は、左右割りの左クランクケース31Lと右クランクケース31Rとを合体して構成されるもので、右クランクケース31Rは、クランクケース部の半体をなし、左クランクケース31Lは、前部がクランクケース部の半体をなすとともに、後方に膨出して前後に長尺のベルト式無段変速機46を収容する伝動ケースを兼ねる。
減速機構38はギア機構で入力軸38aと中間軸38bとの間および中間軸38bと後車軸21aとの間にそれぞれギアの噛合が構成されて、入力軸38aの回転を減速して後車軸21aに伝え後輪21を回転駆動する。
オイルフィルタ65は、有底円筒状をしたメッシュフィルタであり、左クランクケース31Lの左外側面に開口した嵌挿孔64cに嵌挿され、左右水平方向に指向する水平オイル通路64bの左端を蓋するようにして水平オイル通路64bを外部と仕切っている。
嵌挿孔64cの開口には、給油筒66がその端部開口を連結して設けられる。
給油筒66は、有底円筒状のオイルフィルタ65の外径より小さい内径の給油通路67が形成された水平筒部66aと水平筒部66aから屈曲して斜め上方に延びる傾斜筒部66bとからなり、水平筒部66aを左右方向に指向させてオイル通路64bの端部の嵌挿孔64cに端部を嵌合している。
オイルフィラーキャップ68には、給油通路67内に延びるディップスティックゲージ69が突設されており、ディップスティックゲージ69の先端のゲージ部がオイルの油面下に没してゲージ部に油量を印す。
クランク軸40の回転により駆動ギヤ55bと被動ギヤ63の噛合を介してオイルポンプ61が駆動されると、オイル溜まり65eに溜まったオイルは、オイルフィルタ65を通って浄化されて汲み上げられ、オイルポンプ61から内燃機関30の所要箇所に供給される。
また、シリンダブロック32の同じ左側側面には支持ブラケット28を介して点火コイル29が取り付けられている(図2,図3参照)。
したがって、カムシャフト53の回転により吸気カム53iと排気カム53eがそれぞれ吸気ロッカアーム58と排気ロッカアーム60を揺動して所定のタイミングで吸気バルブ56iと排気バルブ56eの開閉動作を行わせる。
図5を参照して、デコンプ装置100はカムシャフト53の左端部を軸支する左側ベアリング53bとカムシャフト53の排気カム53eとの間にデコンプウエイト101が揺動自在に設けられ、排気カム53eには排気カム53eのカム面に出没自在に回動するデコンプカム105が嵌合されており、デコンプウエイト101の揺動によりデコンプカム105が作動される。
冷却風を変速室46C内に強制的に流すことによりベルト式無段変速機46を冷却しており、冷却風を導入する構成が伝動ケースカバー36の前部に設けられている。
なお、伝動ケースカバー36は、図3に上面図、図5と図6に断面図が示されている。
図3,図5,図6および図7を参照して、伝動ケースカバー36は、概ね長円状をなす側壁36aの周囲を周壁36bが囲む構造をしており、周壁36bの端面が左クランクケース(伝動ケース)31との合わせ面である。
前平坦部36afは、上下が後方に延出しているので、段部36cは図7の側面視でくの字状をしている。
駆動プーリ48aの左側の固定プーリ半体の左側面には、冷却ファン48Fが形成されており、駆動プーリ48aとともに冷却ファン48Fが回転することにより、冷却風導入口36iから空気を変速室46Cに導入することができる。
前平坦部36afの冷却風導入口36iの周縁には左側面(外側面)に同心円状の2条の突条36r,36rが形成され、その周囲には3か所ねじ孔36hが形成されている。
なお、側壁92aには、ねじ孔36h,取付孔91hに対応して取付孔92hが穿孔されている。
伝動ケースカバー36の前平坦部36afに取り付けられたサイドカバー92の側壁92aと伝動ケースカバー36の側壁36aとは表面が段差のない同一面を構成する。
図3の上面図で示すように、この外気導入口95が形成される位置は、図3で2点鎖線で示すエアクリーナ26と重なり、上方に開口した外気導入口95の上方は、適当な間隔を存してエアクリーナ26が覆っている(図2参照)。
また、外気導入口95は、図6に示すように、左クランクケース(伝動ケース)31Lの上面と同一面に沿って設けられている。
変速室46Cに導入された冷却風は、ベルト式無段変速機46を冷却しながら後方に流れ、後部の冷却風排出ダクト36dの排風口36eから外部に排出される。
図6を参照して、クランクケース31の最上部の高さLmと左クランクケース(伝動ケース)31Lの上面の高さLnとの間に、外気導入口95の上方にあたるエアクリーナ26の下部が位置しているので、エアクリーナ26の下部を外気導入口95に近づけることができ、水や塵埃のほか異物が外気導入口95に侵入するのを略確実に防止することができるとともに、エアクリーナ26の設置高さも低くすることができる。
40…クランク軸、46…ベルト式無段変速機、46C…変速室、48a…駆動プーリ、48b…被動プーリ、48F…冷却ファン、49…Vベルト、
91…ダクトカバー、92…サイドカバー、92b…周壁、93…ボルト、95…外気導入口、96…空隙、97…外気導入空間。
Claims (3)
- 内燃機関(30)のクランク軸(40)を回転自在に軸支するクランクケース(31)を兼ねる伝動ケース(31L)の側方にベルト式無段変速機(46)が設けられ、同ベルト式無段変速機(46)を覆うように伝動ケースカバー(36)が側方から前記伝動ケース(31L)に被せられて変速室(46C)が構成され、
前記クランク軸(40)の軸端に冷却ファン(48F)が設けられ、
前記伝動ケースカバー(36)の前記冷却ファン(48F)が対向する部分に前記変速室(46C)に冷却風を導入する冷却風導入口(36i)が形成され、
前記伝動ケースカバー(36)の前記冷却風導入口(36i)およびその周辺がサイドカバー部材(92)により側方から覆われる自動二輪車に搭載されるパワーユニット(20)において、
前記サイドカバー部材(92)の周壁の端面と前記伝動ケースカバー(36)との合わせ部分に上方に向けて開口する外気導入口(95)が設けられ、
前記外気導入口(95)の上方を覆うようにエアクリーナ(26)が配設され、
前記外気導入口(95)の上方にあたる前記エアクリーナ(26)の下部が、前記伝動ケース(31L)の上面(Ln)と前記クランクケース(31)の最上部(Lm)との間に位置することを特徴とするベルト式無段変速機の冷却構造。 - 内燃機関(30)のクランク軸(40)を回転自在に軸支するクランクケース(31)を兼ねる伝動ケース(31L)の側方にベルト式無段変速機(46)が設けられ、同ベルト式無段変速機(46)を覆うように伝動ケースカバー(36)が側方から前記伝動ケース(31L)に被せられて変速室(46C)が構成され、
前記クランク軸(40)の軸端に冷却ファン(48F)が設けられ、
前記伝動ケースカバー(36)の前記冷却ファン(48F)が対向する部分に前記変速室(46C)に冷却風を導入する冷却風導入口(36i)が形成され、
前記伝動ケースカバー(36)の前記冷却風導入口(36i)およびその周辺がサイドカバー部材(92)により側方から覆われる自動二輪車に搭載されるパワーユニット(20)において、
前記サイドカバー部材(92)の周壁の端面と前記伝動ケースカバー(36)との合わせ部分に上方に向けて開口する外気導入口(95)が設けられ、
前記外気導入口(95)が、前記伝動ケース(31L)の上面(Ln)と前記クランクケース(31)の最上部(Lm)との間に位置することを特徴とするベルト式無段変速機の冷却構造。 - 前記外気導入口(95)が、前記伝動ケース(31L)の上面(Ln)と同一面に沿って設けられることを特徴とする請求項2記載のベルト式無段変速機の冷却構造。
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