JP5203545B2 - アゾ染料、それらの製造方法及び疎水性繊維材料の染色又は捺染でのそれらの使用 - Google Patents
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Description
本発明は、アゾ染料、それらの製造及び半−合成若しくは合成疎水性繊維材料の染色又は捺染でのそれらの使用に関する。
【0002】
アゾ染料及び半−合成若しくは合成の疎水性繊維材料の染色又は捺染でのそれらの使用は、知られている。しかしながら、そのような染料は、高い要求、特に高い温度の光堅牢性及び/又は色強度に関しての高い要求を常に十分に満足していないことが知られている。したがって、高温光堅牢性を有し、かつ全般的な堅牢性を示す新規な染料の必要性が存在している。
【0003】
驚くべきことに、本発明の染料は、上記の基準を相当程度満たすことが見出されている。
【0004】
本発明は、したがって、式(1):
【0005】
【化6】
【0006】
(式中、
R1は、水素、ブロモ、クロロ又はシアノであり、
R2は、水素、メチル又はアセチルアミノであり、
R3は、非置換又はシアノ若しくはアシルオキシにより置換されているエチルであり、そして
R4は、非置換又はシアノ若しくはアシルオキシにより置換されているエチルである)で示される染料に関する。
【0007】
R1は、好適には、ブロモ又はシアノである。R2は、好適には、水素、アセチルアミノである。R2は、更に特に水素である。R3は、好適シアノエチルである、R4は、好適にはシアノエチルである。
【0008】
特に好適なものは、式(100)〜(109):
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
で示される染料である。
【0012】
本発明は、本発明の式(1)の染料の製造方法にも関する。
【0013】
この染料は、例えば、式(50):
【0014】
【化9】
【0015】
の化合物を、慣用の方法によりジアゾ化し、次いで式(51):
【0016】
【化10】
【0017】
(式中、
R1、R2、R3及びR4は、上記と同義である)の化合物とカップリングさせることにより調製される。
【0018】
式(50)の化合物のジアゾ化は、それ自体既知の方法、例えば酸性、例えば塩酸含有又は硫酸含有水性媒体中、亜硝酸ナトリウムで実施される。しかしながら、ジアゾ化は、他のジアゾ化剤、例えばニトロシル硫酸でも実施することができる。ジアゾ化において、反応媒体中に、追加の酸、例えばリン酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸若しくは塩酸、又はそのような酸の混合物、例えばプロピオン酸と酢酸の混合物が存在してもよい。ジアゾ化は、好都合には−10℃〜30℃の温度、例えば−10℃〜室温で実施される。
【0019】
式(50)のジアゾ化された化合物の式(51)のカップリング成分へのカップリングは、同様に既知の方法、例えば酸性の、水性若しくは水性−有機媒体中、好都合には−10〜30℃の温度、特に10℃未満で実施される。用いられる酸の例は、塩酸、酢酸、プロピオン酸、硫酸及びリン酸である。
【0020】
式(50)の化合物は、既知であるか、又はそれ自体既知の方法で調製することができる。式(51)のカップリング成分は、既知であるか、又はそれ自体既知の方法で調製することができる。
【0021】
本発明の染料は、半−合成、特に合成疎水性繊維材料、更に特に織物材料の染色及び捺染に用いることができる。そのような半−合成及び/又は合成疎水性織物材料を含む配合物からなる織物材料は、同様に、本発明の染料を用いて染色又は捺染することができる。
【0022】
考慮すべき半−合成繊維材料は、特にセルロース2アセタート及びセルロース3アセタートである。合成疎水性織物材料は、特に、線状、芳香族ポリエステル、例えばテレフタール酸とグリコール、特にエチレングリコールのそれら、またはテレフタール酸と1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンの縮合物;ポリカーボナート、例えばα,α−ジメチル−4,4−ジヒドロキシ−ジフェニルメタンとホスゲンの縮合物;ポリ塩化ビニルに基づいたそれら及びポリアミドに基づいたそれらを含む。
【0023】
本発明の染料の織物材料への適用は、既知の染色方法により実施される。例えば、ポリエステル繊維材料は、慣用のアニオン性又はノニオン性分散剤及び場合により慣用の膨潤剤(担体)の存在下に、80〜140℃の温度で水性分散から吸尽法で染色される。セルロース2アセタートは、好適には約65〜85℃で染色され、セルロース3アセタートは、115℃までの温度で染色される。
【0024】
本発明の染料は、染浴中に同時に存在する羊毛及び木綿を汚染しないか、又はそのような材料を単にわずかしか汚染(非常に良好な保存)しないので、それらはポリエステル/羊毛及びポリエステル/セルロース繊維配合織物の染色に満足して用いることができる。
【0025】
本発明の染料は、サーモゾル方法、吸尽法及び連続法での染色、及び捺染方法に適切である。吸尽法が好適である。液比は、装置、基質及び仕上の形態に依存する。しかしながら、それは、1:4〜1:100、しかし好適には1:6〜1:25の範囲から選択することができる。
【0026】
該織物材料は、種々の加工形態、例えばファイバ、ヤーン又は不織布の形態、及び織布又は編物の形態であることができる。
【0027】
本発明の染料を、使用前に染料調製物へ変換するのが好都合である。この目的のために、染料を粉砕し、それによりそれらの粒径を平均0.1〜10ミクロンにする。粉砕は、分散剤の存在で実施される。例えば、乾燥された染料は、分散剤と一緒に粉砕されるか、又は分散剤と一緒にペーストに混練され、次いで真空中で乾燥するか、又は微粒子化される。そのようにして得た調製物は、水を加えた後、捺染糊料及び染料浴を調製するために用いることができる。
【0028】
捺染のために、慣用の増粘剤が用いられ、例えば改質又は非改質天然物、例えばアルギナート、ブリティシュゴム、アラビアゴム、結晶ゴム、いなご豆粉、トラガカント、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、あるいは合成製品、例えばポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそれらのコポリマー、又はポリビニルアルコールを用いることができる。
【0029】
本発明の染料は、上述の材料、特にポリエステル材料に、非常に良好な使用時堅牢特性、例えば特に光に対する良好な堅牢性、更に特に非常に良好な高温光堅牢性、熱固定、プリーチ、塩素及び湿潤に対する堅牢性、例えば水、発汗及び洗濯対する堅牢性を有する均一な色調を与え;仕上げられた染色物は、摩擦に対する良好な堅牢性で際立っている。
【0030】
本発明の染料は、他の染料と一緒で混合された色調で申し分なく用いることができる。本発明の染料は、特に3色染色又は捺染技法に適切な成分として用いることができる。
【0031】
本発明の染料は、また、超臨界CO2からの疎水性織物を染色するために非常に適切である。
【0032】
本発明は、また本発明の染料の上述の使用、及び半−合成若しくは合成疎水性繊維材料、特に織物材料を染色又は捺染する方法(これは、本発明の染料を該材料に塗布又はそれらを材料中に組み込むことを含む)に関する。該疎水性材料は、好適にはポリエステル材料の織物である。更に、本発明の方法で、処理することができる基質及び好適な方法条件は、上記の本発明の染料の使用の詳細な記載に見ることができる。
【0033】
本発明は、また、該方法で染色又は捺染された疎水性繊維材料、特にポリエステル織物材料に関する。
【0034】
本発明の染料は、また近代的な複製方法、例えば熱転写捺染にも適切である。
【0035】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである。実施例において、特に断らない限り、部は重量部であり、パーセントは、重量%である。温度は、摂氏度で与えられている。重量部と容量部の関係は、グラムと立方センチメーターと同じである。
【0036】
【実施例】
実施例1:
A. 実験室用反応装置中で、103.0gの2−アミノ−5−ニトロベンゼントリフルオリドを625mlのメタノール中に室温で溶解した。次いで、得られた溶液に、50ml中の95.9gのブロムを、2時間にわたり滴下により加え、反応混合物を室温で更に24時間攪拌した。次いで、30%水性NaOH溶液64mlでpHを7〜8に調整し;混合物を600mlの水で希釈し、沈殿した生成物を吸引ろ過し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥した。式(50a):
【0037】
【化11】
【0038】
の化合物126.4gを得た。
【0039】
B 実験室用反応装置中で、57.0gの式(50a)の化合物を、100gの97%硫酸中で30分にわたり、20〜30℃で攪拌し、次いで0℃へ冷却した。
次いで、この反応塊へ、65.0gの40%ニトロシル硫酸を30分にわたり、0〜5℃で加え、次いでやや過剰の亜硝酸塩と5時間攪拌した。反応が完結したとき、過剰の亜硝酸塩を硫酸と共に15分攪拌して除去した。
【0040】
C. 39.8gnoN,N−ビス(2−シアノエチル)アニリンを、500gの80%酢酸注に1時間、上昇した温度で溶解した。次いで、氷50を入れてこの溶液を5℃に冷却した。Bで調製したジアゾ化塊を、この得られた反応混合物中へ、0〜5℃、15分間で加えた。約200gの氷を加えて、上昇した温度を冷却した。添加が完了したとき、反応混合物を更に3時間攪拌した。次いで、得られたアゾ染料を、水で沈殿させ、濾別し、水で繰り返し洗浄し、乾燥した。ポリエステルを鮮やかな橙色に染色する式(106):
【0041】
【化12】
【0042】
の染料96.0gを得た。
【0043】
D 式(106)の染料20.4g及び1−メチル−2−ピロリジン300mlを実験室反応装置に導入し、室温で22時間攪拌した。次いで、温度を40℃まで上昇させ、混合物を更に2時間攪拌した。得られた溶液に、室温でCuCN3.6gを加えた。混合物を4時間攪拌し、次いで水45mlを滴下により加え、混合物を更に30分攪拌した。次いで、沈殿した染料を吸引ろ過で濾別し、水で中性まで、水、15%NH3溶液で洗浄し、再度水で洗浄し、乾燥した。ポリエステルを鮮やかな橙色に染色する式(100):
【0044】
【化13】
【0045】
の染料96.0gを得た。
【0046】
実施例2〜26
表1に示した以下の染料を、実施例1記載と類似に調製することができた。
【0047】
【表1】
【0048】
得られた染料の吸収極大値λmaxを、表2に示した。
【0049】
【表2】
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