JP5293171B2 - キャップ嵌合構造 - Google Patents
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Description
このバネカツラは、バネ性を備えた内方への膨出部を有し、キャップと軸筒との嵌合時に適度な抵抗感によって、高級感のあるしっとりした嵌合感が得られ、又、キャップに軸筒をブレがないように固定することができる。
尚、図中下方を後方と言い、上方を前方と言う。
また、前記筆記具本体1の前方には、先部材5が螺合や接着、或いは、それらの組み合わせなどの手段によって固定されているが、実質的に、前記ボールペンリフィル2は前軸6と中軸7の螺合によって着脱自在に固定されている。
前記前軸6の中間部にはツバ部6Aが圧入・接着されており、そのツバ部6Aと中軸7並びに、後述する飾りリングの端面が、前記螺合の規制部となっている。尚、前記ツバ部6Aは本例では別体で構成されているが、前記前軸6と一体に形成しても良い。この前記前軸6の表面には彫刻が施されている。美観を向上させると共に、グリップとしての滑り止め効果も奏している。
前記中軸7は、筆記具本体1の内側に固定された内パイプ8に固定されているが、その固定手段としては圧入によってなしていると共に、接着によっても固定している。その内パイプ8に被嵌している外軸9は有色半透明な樹脂材質から構成されており、一方、内パイプ8は、金属材質からなる非透明性の材質で構成されているが、これに限定されることなく、例えば、内パイプ8も樹脂材質で構成しても良いが、非透明性の樹脂で構成するのが好ましい。外側に透明性のある材質を採用し、その内側に非透明性の材質を採用することによって、筆記具本体1にレンズ効果が発生し、これによって立体感が得られるようになる。
符号12は、前記ボールペンリフィル2の前方に圧入・固定されたホルダーであって、そのホルダー12の前端面を前記先部材5の内段に当接させることによって、ボールペンリフィル2の前方における位置決めをなしている。そのホルダー12はボールペンリフィル2の空気流通孔2Aを覆う様に固定されており、万が一、筆記具本体1に異常な衝撃が加わり、前記空気流通孔2Aから微量なインキが飛散してしまっても、その飛散したインキは前記ホルダー12によって隠れた状態にあるため、ボールペンリフィル2の外観見映えの損失が極力防止される。また、符号13は先部材5の内面に配置された弾性体からなるOリングであるが、そのOリング13によって後述するキャップ本体を筆記具本体1に嵌合させた状態におけるボールペンリフィル2の先端からのインキの乾燥を防止すると共に、横振れを防止している。さらに、符号14は垂体であり、筆記具本体1の前後のバランスを採っているが、必ずしも必要なものではない。
ここで、前記外筒16は、有色透明な筒状部材で形成されており、その肉厚は0.8mmとなっているが、この例に限らず、その肉厚を1.2mmや1.5mm、或いは、1.8mmとしても良い。但し、2.0mm以上にしてしまうと、後述する効果(立体感、奥行き感)が得られなくなってしまうので、2.0mm未満とするのが好ましい。又、外筒16の材質としては、アクリル樹脂やポリウレタン樹脂やアクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体などが1例として挙げられるが、その透過率は5%以上であって25%以下の紺色や青色、黒に近い褐色のセピア色などの有色透明な合成樹脂材質となっている。
一方、前記内筒17は、アルミや真鍮といった金属材質で形成されているが、アクリル樹脂やポリウレタン樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体などの不透明な合成樹脂で形成しても良い。また、前記外筒16の材質が透明或いは、半透明であるならば、塗装やめっき、模様印刷などにより不透明な材質にしても良い。
また、前記外筒16や外軸9の表面には、硬度の高いUVクリアー塗装が施されている。これによって、使用時は勿論、不使用時に机上などに載置した状態でもキズが付きにくく、長期間に渡って内筒17の塗装やめっき、模様印刷を鮮明に視認することができる。さらに、後述するクリップ28の凸部31と外軸16の表面との当接(使用による凸部31の外筒16に対する弾力当接)によるキズも前記のクリアー塗装によって極力防止される。そして、さらには、前記キャップ本体15を筆記具本体1の後部に挿着する際の、キャップ本体16の内面と外軸9の表面における摺動キズも極力防止される。
その中キャップ19の後部には、装着補助部材22が圧入や接着、溶着、或いはそれらの組合せなどの方法により固定されている。装着補助部材22は、図5に示す様な形状をなし、環状部22Aと、環状部22Aの一端から中心に向かって径が徐々に縮小する縮径部22Bから構成されている。該縮径部22Bには、長手方向にスリット22Gが形成されており、そのスリット22Gを形成することによって舌片部22Cが設けられている。
そのスリット22Gは、長手方向に沿って形成した場合を図示したが、径方向に沿って形成しても良く、或いは、それらの組合せであっても良い。そのスリット22Gは、本実施例においては3本設けられているが、これに限定されることはなく、少なくとも2本設けていれば良い。更に、前記環状部22Aと舌片部22Cの肉厚は、舌片部22Cの方を薄く形成した方が揺動し易くなり、後述するキャップ嵌合感に繋がる抵抗感が得られやすくなる。
さらに、前記舌片部22Cは、先端に向かってその幅が細く形成されており、前記環状部22Aへの取り付け部には円弧部を設けた方が耐久性の向上に繋がる。
ところで、前記装着補助部材22は、前記内筒17に対して出来るだけ後方に配置した方が良い。後方に配置することによって、舌片部22Cの先端内周部における角形状22D付近が、軸筒の外周面に早く当接するので、後述するキャップ嵌合感に繋がる抵抗感を得やすい。
尚、この装着補助部材22は、バネ性を有する金属等により形成することも可能である。耐久性の観点からは、この選択が良い。この場合、その表面に塗装や樹脂コーティングの表面処理を施すなどした方が、軸筒への傷つき防止になる。しかし、製造の容易性やコスト、表面処理工程の省略が可能などの点から弾性変形可能なポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリルブタジエンスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂の方が望ましい。
尚、前記ネジ穴29は、基端部28に形成されたクリップ27の支点となる円弧部31よりできるだけ後方に離隔させた状態で形成するのが好ましい。また、本実施例のクリップ28は、厚板状金属等の剛性を有するダイキャストや切削による素材で形成されているが、クリップ自身が弾力性、並びに、復元性を有していても良い。
尚、前記バネ受け20の表面には、クリップ支持部材36が固着されており、そのクリップ支持部材36には前記クリップ27の基端部28が挟み込まれる切欠部37が形成されている。クリップ27のキャップ本体15に対するガタを防止するための手段である。そして、これらを組み付けることによって、クリップユニットとしての組立が終了する。尚、そのクリップ支持部材36は、樹脂などの材質で構成することが好ましく、特に滑り性を有したポリアセタール(POM)が好ましい。尚、クリップ支持部材36とバネ受け20は、圧入によって固定されているが、その圧入による固定力を向上させるために、前記バネ受け20の表面には微細なローレット加工が施されている。特に、POMは難接着性樹脂であるため、仮に接着する場合には、バネ受け20の表面にローレット加工を施すのが好ましい。さらに、そのクリップ支持部材36の切欠部37の対向する箇所には、前記バネ受け20の貫通穴32と同形状の貫通穴38が形成されており、クリップユニットとして構成された状態でクリップ27の挟持力を任意に調整することができるようになっている。具体的には、前記止めネジ35の前後の位置を任意に移動できるようになっている。
図1は、キャップ本体15が、筆記具本体1に嵌合された状態である。図2は、キャップ本体15付近の拡大であり、該キャップ本体15が、筆記具本体1から外れている状態である。この状態では、装着補助部材22は、初期状態を保っており、舌片部22Cが中心方向に向かって縮径している。
図3は、同じくキャップ本体15付近の拡大であり、嵌合を開始する直前の状態である。装着補助部材22の舌片部22Cが、先部材5の外周面に当接した状態である。
嵌合を進めると、装着補助部材22の舌片部22Cが、先部材5、前軸6の順で外周面に当接、摺動することで揺動し、撓んだ状態となる。よって、この撓んでいる間は、その舌片部22Cが初期状態に戻ろうとする撓み力が弾力となり、適度な抵抗感を発生させ高級感のある嵌合感、並びに、装着感が得られる(図4参照)。更に、舌片部22C付け根をヒンジ形状(図示せず)としても良く、より揺動し易くすることで撓みの弾力が得られ、高級感のある嵌合感に繋がる抵抗感を期待できる。
尚、装着補助部材22は、図5に示す様な形状をなしているので、片持ち梁の原理と同じである。舌片部22Cの長手方向の長さが長ければ、抵抗感を発生させる弾力は弱くなり高級感は得られない。よって、舌片部22Cの長手方向の長さは短くすることによって弾力を強くし、高級感のある適度な抵抗感の嵌合が得られることとなる。従って、装着補助部材22の全長は、従来技術で薄板バネの作用を備えた公知のバネカツラ(図8参照)と称する部品と比較して短くて済むので、キャップ本体15自体の全長も短くすることも可能になり、全長に関係するデザイン的自由度が増すことになる。
又、舌片部22Cは、揺動自在で変形量が大きい。よって、軸筒を摺動把持する場合において、軸筒の外径形状が、ストレートの場合においても、前方(前部嵌合の場合)或いは、後方(後部嵌合の場合)に向かうに従い外径が減少する平滑な傾斜面の場合においても対応することが出来る。故に、軸筒のデザインが制約されることなく自由な形状となす事が出来るので有利である。
しかし、該縮径部22Bに長手方向のスリット22Gが無く、舌片部が設けられていない周状で軸筒を摺動把持する場合、揺動自在ではないので、変形量が少ない。よって、軸筒がストレートであれば、摺動把持する事は可能だが、軸筒が前記のような傾斜面で合った場合、周状部が摺動把持できる距離が短い。よって、キャップと軸筒との嵌合時に適度な抵抗感による高級感のあるしっとりした嵌合感は感じ難くなるし、筆記振動や、キャップ側を逆さまにしたときに(後部嵌合時)、キャップが外れ易いという問題が発生する。よって、該縮径部22Bに長手方向のスリット22Gを入れて、舌片部22Cを設けた構成を採用している。
更に嵌合を進めると、前記先部材5の凹部5Aと中キャップ19の凸部19Aの凸凹結合によるキャップ嵌合となり、図1の様なキャップ本体15が筆記具本体1に取り付けられた状態となる。
2 ボールペンリフィル
2A ペン先
3 弾発部材
4 尾栓
5 先部材
5A 凹部
6 前軸
6A ツバ部
7 中軸
8 内パイプ
9 外軸
10 飾りリング
11 エンブレム
12 ホルダー
13 Oリング
14 垂体
15 キャップ本体
16 外筒
17 内筒
18 リング部材
18A 樹脂リング
19 中キャップ
19A 凸部
20 バネ受け
21 ネジ部
22 装着補助部材
22A 環状部
22B 縮径部
22C 舌片部
22D 角形状
22E 円弧状部
22F 先端外周面
22G スリット
23 頭冠中子
24 貴石
25 頭冠
26 リング
27 クリップ
28 基端部
29 ネジ穴
30 凸部
31 円弧部
32 貫通穴
33 貫通孔
34 弾撥部材
35 止めネジ
36 クリップ支持部材
37 切欠部
38 貫通孔
39 環状弾性部材
Claims (3)
- キャップと軸筒とを嵌合させる嵌合手段と、キャップ内に配設した装着補助部材に設けた弾性部により軸筒を摺動把持するキャップ嵌合構造であって、前記装着補助部材は環状部と、該環状部の一端から中心に向かって径が徐々に縮小する縮径部から構成されると共に、その縮径部の肉厚は環状部の肉厚よりも薄く構成され、また、該縮径部にはスリットを設け、該スリットを設けることにより、前記軸筒を摺動把持する揺動自在な複数の舌片を形成したことを特徴とするキャップ嵌合構造。
- 前記装着補助部材において、舌片の内周面に円弧状部を形成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ嵌合構造。
- 前記装着補助部材において、舌片の外周面に環状弾性部材を配置したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2記載のキャップ嵌合構造。
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