以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、非選択期間に出力端子の電位を固定し、クロック信号やノイズによる誤動作を低減したシフトレジスタの回路構成について述べる。本発明にかかるシフトレジスタの回路構成例を、図1に示す。図1の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタの全体の回路構成である。図1の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタの単一段回路を表す回路10の構成例である。なお、本明細書において、単一段回路とは、図1の(A)に対する図1の(B)のように、回路の出力端子(L(1)〜L(n))と一対一に対応し、回路を構成する最小単位のことであるとする。図1の(C)は、図1の(A)および(B)で示した回路の入力信号波形と内部電極波形および出力信号波形である。
図1の(A)に示す回路は、スタートパルス端子SPと、第1のクロック信号線CLK1(第1配線とも記す)と、第2のクロック信号線CLK2(第2配線とも記す)と、電源線Vssと、トランジスタ18と、n個配置された回路10(nは2以上の整数)と、回路10に対応して配置された出力端子L(k)(kは1以上n以下の整数)とを備える。図1(本明細書における該当する全ての図面)では、kは1以上n以下の整数k段目を図示していないが、出力端子L(k)は、出力端子L(1)から出力端子L(n)の間に、端子P(k)は端子P(1)から端子P(n)の間にそれぞれ有するものとする。図1の(B)に示す回路10は、端子IN、端子OUT、端子G、端子R、端子F、端子B、端子Cと、トランジスタ11、12、13、15、16、17と、容量素子14と、端子Pと、を備える。なお、本明細書で、端子とは回路において外部と電気的に接続する電極である。ここで、トランジスタ11は整流性を持つ他の素子でもよく、入力用整流性素子(第1の整流性素子とも記す)として用いる。また、トランジスタ15は整流性を持つ他の素子でもよく、リセット用整流性素子(第2の整流性素子とも記す)として用いる。また、トランジスタ12は伝達トランジスタ(第1のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ13は内部電位固定トランジスタ(第3のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ17は出力電位固定トランジスタ(第2のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ16はセット用トランジスタ(第4のトランジスタとも記す)として用いる。
なお、k段目の回路10における端子Pを、端子P(k)とも記す。また、本実施の形態においては容量素子14を明記するが、容量素子14の機能は、トランジスタ12のゲート電極とドレイン電極(またはソース電極)間にできる寄生容量によっても実現できるため、容量素子14が独立した電気素子として形成されている場合だけでなく、トランジスタ12に付随する寄生容量素子である場合も、本発明は含む。
図1の(B)に示す回路10におけるトランジスタ11のゲート電極は、端子INに接続され、トランジスタ11のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子INに接続され、トランジスタ11のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。また、トランジスタ12のゲート電極は、端子Pに接続され、トランジスタ12のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Cに接続され、トランジスタ12のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。
また、トランジスタ13のゲート電極は、端子Rに接続され、トランジスタ13のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ13のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。また、容量素子14の一方の電極は、端子Pに接続され、容量素子14の他方の電極は、端子OUTに接続されている。
また、トランジスタ15のゲート電極は、端子OUTに接続され、トランジスタ15のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子OUTに接続され、トランジスタ15のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Bに接続されている。また、トランジスタ16のゲート電極は、端子Pに接続され、トランジスタ16のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ16のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Fに接続されている。また、トランジスタ17のゲート電極は、端子Rに接続され、トランジスタ17のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ17のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。
図1(A)に示すように、1段目の回路10の端子INは、スタートパルス端子SPと、トランジスタ18のゲート電極に接続されている。また、1段目の電極SR(1)は、2段目の回路10の端子Bと、トランジスタ18のソース電極またはドレイン電極の一方に接続されている。また、トランジスタ18のソース電極またはドレイン電極の他方は、電源線Vssに接続されている。また、電源線Vssは、全段の回路10の端子Gと接続されている。また、第1のクロック信号線CLK1は、奇数段目の回路10の端子Cと接続され、第2のクロック信号線CLK2は、偶数段目の回路10の端子Cと接続されている。
次に、図1の(A)に示す回路におけるk段目の回路10の接続について説明する。k段目の回路10の端子Rに接続される電極SR(k)は、k+1段目の回路10の端子Bおよびk−1段目の回路10の端子Fに接続されている。また、k段目の回路10の端子OUTに接続される出力端子L(k)は、k+1段目の回路10の端子INに接続されている。ここで、図1の(A)のように、1段目およびn段目における回路10の接続が、それ以外の段の回路10の接続とは異なっていてもよい。たとえば、n段目における電極SR(n)は、電極SR(n−1)と接続されていてもよい。
ここで、本実施の形態においては、回路10の数nは奇数である場合を示すが、本発明において、nは偶数でもよい。また、本実施の形態においては、第1のクロック信号線CLK1は奇数段目の回路10の端子Cと接続され、第2のクロック信号線CLK2は偶数段目の回路10の端子Cと接続されている場合を示すが、本発明において、CLK1とCLK2の接続が逆の場合、すなわち、第1のクロック信号線CLK1は偶数段目の回路10の端子Cと接続され、第2のクロック信号線CLK2は奇数段目の回路10の端子Cと接続されていてもよい。また、本発明のクロック信号線の数は2本に限定されず、2本より多くても良い。そのとき、クロック信号線に入力する信号の種類(相数)は、クロック信号線の本数と同じであることが好ましい。例えば、3本のクロック信号線を用いる場合は、回路10に入力するクロック信号は3相(3種類)の信号とすることが好ましい。
次に、図1の(A)および(B)に示す回路における動作について、図1の(C)を参照して説明する。図1の(C)は、図1の(A)および(B)に示す回路に入力する信号とその出力信号、および内部電極の波形を表すタイムチャートとなっている。縦軸は信号の電位であり、入力信号および出力信号はハイレベル(Hレベル、Vddレベルとも記す)とローレベル(Lレベル、Vssレベルとも記す)のどちらかの電位をとるデジタル信号を扱うこととしてもよい。横軸は時間であり、本実施の形態においては、時刻T0を基準として、入力信号が繰り返し入力されているとして説明する。ただし、本発明はこれに限定されることはなく、入力信号を様々に変化させて所望の出力信号を得る場合を含む。
また、本実施の形態においては、出力信号として出力端子L(1)からOUT(n)まで順次選択(走査)するという動作について説明する。この動作は、たとえば、アクティブマトリクス型表示装置において、画素を選択するスイッチのオン、オフ状態を制御する周辺駆動回路として広く用いられている。なお、本実施の形態においては、図1の(C)におけるスタートパルス端子SP、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2に入力する信号を、まとめて入力信号と呼ぶこととする。また、電源線Vssの電位は、入力信号のLレベルの電位と同程度として説明する。ただし、本発明において電源線Vssの電位はこれに限定されない。
次に、図35を用いて、図1に示した回路がどのように動作するか、概略として説明する。図35の(A)〜(F)は、時系列に沿って図1の(B)の回路動作を説明するものである。図35において、破線で示したトランジスタは、オフ状態にあるトランジスタを表し、実線で示したトランジスタは、オン状態にあるトランジスタを表している。また、図中の矢印は、その時点の動作における電流の向きを表している。また、図中の電極や端子のその時点における電位を、<>で囲んで示している。なお、クロック信号の電位は、低い側の電位を電源線Vssの電位として<Vss>と表し、高い側の電位を<Vdd>と表す。
まず、図35の(A)を参照し、前段により当該段のリセット動作を解除する動作について説明する。ここで、本明細書中においては、端子Rの電位を上昇させ、内部電位固定トランジスタ13および出力電位固定トランジスタ17をオン状態とする動作を、リセット動作と呼ぶことにする。また、逆に、端子Rの電位を下降させ、内部電位固定トランジスタ13および出力電位固定トランジスタ17をオフ状態とする動作を、セット動作と呼ぶことにする。リセット動作中は、端子Pおよび端子OUTの電位が強制的に<Vss>となるため、回路10を動作させるには、まず、セット動作を行なわなければならない。これを、前段の端子Pの電位が上昇するタイミングで、前段のセット用トランジスタ16により、当該段の端子Rの電位を<Vss>とすることで行なってもよい。図35の(A)の状態において、トランジスタ11、12、13、15、16、17は、全てオフ状態であり、初期化された状態であると考えてもよい。
次に、図35の(B)を参照し、パルス入力の動作について説明する。端子INにパルスが入力され、端子INの電位が上昇し、端子INの電位が端子Pの電位よりもトランジスタ11の閾値電圧(Vth11とも記す)以上に上昇すると、トランジスタ11がオン状態となる。すると、端子Pの電位も上昇し、端子Pの電位は、端子INの電位<Vdd>より、Vth11だけ低い電位<Vdd−|Vth11|>となる。このとき、トランジスタ11および16はオン状態となり、端子OUTの電位は端子Cの電位<Vss>に等しくなる。また、端子Fの電位は<Vss>となり、これによって、後段の端子Rの電位を<Vss>とする。すなわち、当該段のセット用トランジスタ16によって後段をセット動作させる。
次に、図35の(C)を参照し、ブートストラップ動作について説明する。端子Pの電位を上昇させた端子INは、任意のタイミングで電位<Vss>に戻ってもよい。トランジスタ11はダイオード接続されており、端子INの電位が<Vss>に戻っても、トランジスタ11がオフ状態となるため、端子Pの電位に影響しない。すなわち、トランジスタ11は、端子INの電位上昇に従って端子Pの電位を上昇はさせるが下降はさせなくてもよく、入力用整流性素子として用いられる。
端子Pの電位が上昇した状態で、クロック信号が入力されて端子Cの電位が<Vdd>になると、伝達トランジスタ12に端子Cから端子OUTの向きに電流が流れ、端子OUTの電位も上昇する。そのとき、端子Pと端子OUTは容量素子14によって接続されているので、端子OUTの電位が上昇するに従って、端子Pの電位も上昇する。端子Pの電位が上昇する値は、端子Pに接続されている容量素子14以外の寄生容量素子の容量値に依存するが、<Vdd+|Vth11|>以上の電位であれば動作に問題はなく、端子OUTの電位はクロック信号と同じ<Vdd>まで上昇する。そのため、図中には、このときの端子Pの電位を、<Vdd+|Vth11|>以上の電位という意味で、<Vdd+|Vth11|(上向き矢印)>と記している。
次に、図35の(D)を参照し、当該段により前段をリセット動作させる動作について説明する。図35の(C)のように端子OUTの電位を<Vdd>まで上昇させると、トランジスタ15がオン状態となり、端子Bの電位も上昇する。そして、端子Bの電位は、端子OUTの電位からトランジスタ15の閾値電圧(Vth15とも記す)だけ低い電位となったところで、トランジスタ15がオフ状態となるため、端子Bの電位の上昇は止まり、端子Bの電位は<Vdd−|Vth15|>となる。このとき、前段の端子Rの電位は<Vdd−|Vth15|>まで上昇するので、前段はリセット動作し、前段の端子Pおよび端子OUTの電位は<Vss>で固定され、当該段の端子INにパルスが入力されることはなくなる。
次に、図35の(E)を参照し、クロック信号がVssへ戻る動作について説明する。クロック信号の電位が<Vss>に戻り、端子Cの電位が<Vss>に戻ると、伝達トランジスタ12はオン状態であるため、伝達トランジスタ12に端子OUTから端子Cの向きに電流が流れ、端子OUTの電位も<Vss>に戻る。このとき、端子Pの電位も<Vdd−|Vth11|>に戻る。また、トランジスタ15はオフ状態であるので、端子OUTの電位が<Vss>に戻っても、端子Bの電位は<Vdd−|Vth15|>のままである。すなわち、トランジスタ15は、端子OUTの電位上昇に従って端子Bの電位を上昇はさせるが下降はさせなくてもよく、リセット用整流性素子として用いられる。
次に、図35の(F)を参照し、後段により当該段がリセット動作する動作について説明する。当該段の端子OUTの電位上昇が後段の端子INに伝達され、後段の端子OUTの電位が上昇し、後段のトランジスタ15がオン状態となることによって後段の端子Bの電位が上昇すると、当該段の端子Rの電位が<Vdd−|Vth15|>まで上昇するため、当該段がリセット動作する。このとき、当該段の内部電位固定トランジスタ13と出力電位固定トランジスタ17がオン状態となり、端子Pと端子OUTがそれぞれ電位<Vss>に固定される。このように、後段の動作により当該段がリセット動作することにより、伝達トランジスタ12がオフ状態となるので、端子OUTと端子Cの導通が遮断される。
この状態は、端子Rに接続されている素子のリーク電流により端子Rの電位が下降し、自然に内部電位固定トランジスタ13および出力電位固定トランジスタ17がオフ状態となるか、前段のセット用トランジスタ16がオン状態となることによって端子Rの電位が<Vss>となり、強制的に内部電位固定トランジスタ13および出力電位固定トランジスタ17がオフ状態となるか(図35の(A)の状態)の、どちらかによって終了する。図35の(F)の状態から図35の(A)の状態になるまでの期間を、本明細書中では非選択期間と呼び、この期間において、いかに端子Pおよび端子OUTの電位を安定させて<Vss>にするかが重要である。すなわち、端子Rにゲート電極が接続されているトランジスタがオン状態となっているのを、いかに保持し続けるかが重要である。
なお、本発明にかかるシフトレジスタ回路の単一段回路は、出力電位固定トランジスタを有し、伝達トランジスタがオフ状態にあるとき、出力端子を浮遊状態にすることを避け、電源線と導通させることを特徴とする。したがって、端子Rをどのようにリセット動作、またはセット動作するかは、上述した例に限定されない。すなわち、単一段回路として、図36の(A)および(C)に示す構成を用いてもよい。
図36の(A)に示す回路310は、端子IN、OUT、R、G、Cと、端子Pと、トランジスタ311、312、313、317と、を備える。トランジスタ311のゲート電極は、端子INと接続され、トランジスタ311のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子INと接続され、トランジスタ311のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。トランジスタ312のゲート電極は、端子Pと接続され、トランジスタ312のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Cと接続され、トランジスタ312のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。
トランジスタ313のゲート電極は、端子Rと接続され、トランジスタ313のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gと接続され、トランジスタ313のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。トランジスタ317のゲート電極は、端子Rと接続され、トランジスタ317のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gと接続され、トランジスタ317のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。なお、トランジスタ311は、入力用整流性素子(第1の整流性素子)として用いてもよい。
また、トランジスタ312は、伝達トランジスタ(第1のトランジスタ)として用いてもよい。また、トランジスタ317は、出力電位固定トランジスタ(第2のトランジスタ)として用いてもよい。また、トランジスタ313は、内部電位固定トランジスタ(第3のトランジスタ)として用いてもよい。
ここで、図36の(B)を用いて、図36の(A)に示した回路の動作について説明する。図36の(B)は、図36の(A)に示した端子の電位変化を表すタイムチャートである。端子Cにクロック信号を入力し、端子INに端子Pの電位を高くするパルスを入力し、端子GはLレベルに固定し、端子Rに端子Pの電位を低くするパルスを含む逆相のパルスを入力する場合について説明する。
端子Rの電位が低く、内部電位固定トランジスタおよび出力電位固定トランジスタがオフ状態で端子INにパルスが入力されると、入力用整流性素子を通じて端子Pの電位が上昇し、伝達トランジスタがオン状態となる。その後、端子Cの電位が上昇すると、伝達トランジスタがブートストラップ動作し、端子Cの電位がそのまま端子OUTに伝達される。その後、端子Rの電位が上昇すると、内部電位固定トランジスタおよび出力電位固定トランジスタがオン状態となるので、端子Pおよび端子OUTはLレベルに固定される。
このようにして、本発明にかかる回路310は、端子Cに入力される信号を、端子Rの電位が低い期間だけ、端子OUTに伝達することができる。また、端子Rの電位が高い期間においては、端子Pおよび端子OUTをLレベルに固定することができる。ただし、本発明にかかる回路310に入力する信号波形は、これに限定されるものではない。
図36の(C)に示す回路320は、端子IN、OUT、R、G、Cと、端子P、Qと、トランジスタ321、322、323、327aと、インバータ327bと、容量素子324と、を備える。なお、容量素子324は、図36の(A)のように、接続されていなくてもよい。トランジスタ321のゲート電極は、端子INと接続され、トランジスタ321のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子INと接続され、トランジスタ321のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。
トランジスタ322のゲート電極は、端子Pと接続され、トランジスタ322のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Cと接続され、トランジスタ322のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。トランジスタ323のゲート電極は、端子Rと接続され、トランジスタ323のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gと接続され、トランジスタ327のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。容量素子324の一方の電極は、端子Pと接続され、容量素子324の他方の電極は、端子OUTと接続されている。トランジスタ327aのゲート電極は、端子Qと接続され、トランジスタ327aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gと接続され、トランジスタ327aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。
インバータ327bの入力電極は、端子Pと接続され、インバータ327bの出力電極は、端子Qと接続されている。なお、トランジスタ321は、入力用整流性素子(第1の整流性素子)として用いてもよい。また、トランジスタ322は、伝達トランジスタ(第1のトランジスタ)として用いてもよい。また、トランジスタ327aは、出力電位固定トランジスタ(第2のトランジスタ)として用いてもよい。また、トランジスタ323は、内部電位固定トランジスタ(第3のトランジスタ)として用いてもよい。
ここで、図36の(D)を用いて、図36の(C)に示した回路の動作について説明する。図36の(D)は、図36の(C)に示した端子の電位変化を表すタイムチャートである。端子Cにクロック信号を入力し、端子INに端子Pの電位を高くするパルスを入力し、端子GはLレベルに固定し、端子Rに端子Pの電位を低くする逆相のパルスを入力する場合について説明する。
端子Rの電位が低く、内部電位固定トランジスタがオフ状態のとき、端子INにパルスが入力されると、入力用整流性素子を通じて端子Pの電位が上昇し、伝達トランジスタがオン状態となる。このとき、端子Qは、端子Pの電位が反転されるので、Lレベルとなる。したがって、出力電位固定トランジスタは、オフ状態である。その後、端子Cの電位が上昇すると、伝達トランジスタがブートストラップ動作し、端子Cの電位がそのまま端子OUTに伝達される。その後、端子Rの電位が上昇すると、内部電位固定トランジスタがオン状態となるので、端子PはLレベルに固定され、その結果、端子Qの電位はHレベルとなるので、出力電位固定トランジスタがオン状態となり、端子OUTはLレベルに固定される。このようにして、本発明にかかる回路320は、端子Cに入力される信号を、端子Rの電位が低い期間だけ、端子OUTに伝達することができる。また、端子Rの電位が高い期間においては、端子Pおよび端子OUTをLレベルに固定することができる。ただし、本発明にかかる回路320に入力する信号波形は、これに限定されるものではない。
図1を参照して、次に時刻T0において、スタートパルス端子SPに入力する、スタートパルスについて説明する。スタートパルスのパルス幅は任意であるが、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2に入力される信号の周期をTcとすると、Tc/2以上、かつTc以下とするのが好ましい。こうすることにより、スタートパルス端子SPとダイオード接続されたトランジスタ11を介して接続されている端子P(1)の電位を十分に上昇させることができ、かつ、回路10のトランジスタ13がオン状態となることによって端子Pの電位を下降させるときに、端子IN、トランジスタ11、端子P、トランジスタ13、端子Gという経路で、定常的な電流のパスができることがなく、消費電力が抑えられるため、好ましい。
次に、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2に入力される信号について説明する。第1のクロック信号および第2のクロック信号は、信号が1周期期間中にHレベルとなる時間の割合(デューティー比)が50%より小さくするのが好ましい。また、Lレベルとなる期間の中心の時刻と、他方の信号がHレベルとなる期間の中心の時刻との差が、クロック信号の周期の1割以内であるのが好ましい。こうすることにより、出力信号が単一の周波数で構成されるパルス信号に近づけることができる。また、Hレベルが隣同士の出力端子で時間的に重なることを防ぐことができる。これは、アクティブマトリクス型表示装置において、画素を選択するスイッチのオン、オフ状態を制御する周辺駆動回路として、本実施の形態にかかるシフトレジスタ回路を使用するとき、複数の行にわたって同時に選択してしまうことによる誤動作をなくすことができるため、有利である。
1段目の回路10の端子P(1)の初期電位をLレベルとして、時刻T0においてスタートパルスが入力されて、端子INの電位がLレベルからHレベルに変化したときの端子P(1)の電位の変化について説明する。このとき、端子RはLレベルとなっており、トランジスタ13はオフ状態である。したがって、トランジスタ11はオン状態となり、端子P(1)の電位は上昇する。そして、端子P(1)の電位がスタートパルスのHレベルの電位に対しトランジスタ11の閾値電圧分低い電位まで上昇したところでトランジスタ11がオフ状態となるため、ここで端子P(1)の電位の上昇は止まる。端子P(1)の電位は、一旦上昇すると、その後、端子INの電位が下降してLレベルに戻ったとしても、トランジスタ11はオフ状態のままなので、端子P(1)の電位は下がらず、浮遊状態となる。
このとき、端子P(1)の電位が上昇した状態において、端子Cの電位はLレベルなので、トランジスタ12はオン状態となる。すなわち、端子OUTにはLレベルが出力される。その後、端子Cの電位が上昇すると、端子OUTの電位も上昇する。また、端子P(1)は浮遊状態であるので、容量素子14を介して、端子OUTの電位の上昇に伴って、端子P(1)の電位も上昇する。すなわち、トランジスタ12によりブートストラップ動作することで、端子OUTには、端子Cの電位の変化が、減衰することなく伝達される。
このように、トランジスタ13がオフ状態であり、端子P(1)の電位が高いまま浮遊状態にある期間において、端子Cの電位の変化がそのまま端子OUTに伝達される。したがって、出力端子にクロック信号をそのまま出力しない場合は、あるタイミングにおいて端子Rの電位を上昇させてトランジスタ13をオン状態とし、端子P(1)の電位をLレベルとする。すると、トランジスタ12がオフ状態となるため、端子Cの電位が端子OUTにそのまま伝達されなくなる。
端子OUTは、出力端子L(1)を介して、2段目の回路10の端子INに接続される。すなわち、1段目の回路10の出力がスタートパルスの代わりになり、2段目の回路10も、上述した1段目の回路10の動作と同様に、動作する。
次に、リセット動作を行うタイミングについて説明する。リセット動作を行うタイミングは任意であるが、端子Cから端子OUTに、クロック信号のパルスを1つ分伝達した時点でリセット動作するようにしてもよい。具体的には、k+1段目の端子OUTの電位が上昇するタイミングで、k段目のリセット動作を行ってもよい。また、この場合の回路構成として、図1の(A)および(B)のように、k+1段目の端子OUTと端子Bをダイオード接続したトランジスタ15を介して接続し、電極SR(k)を用いて、k+1段目の端子Bと、k段目の端子Rとを接続する構成とするのが好ましい。
この構成であるとき、k段目の回路10の端子OUTにクロック信号が伝達され、k+1段目の回路10の端子INに、このクロック信号が入力されると、k+1段目の回路10の端子OUTには、k段目の回路10の出力信号とは、相の異なるクロック信号が出力される。そのとき、k+1段目の回路10の端子Bは、k+1段目の回路10の端子OUTの電位が上昇するのと同じタイミングで、電位が上昇する。すなわち、k段目の回路10の端子Rの電位が、k+1段目の回路10の端子OUTの電位が上昇するのと同じタイミングで上昇し、k段目の回路10はリセットされる。k+1段目の回路10の端子OUTの電位が上昇するタイミングでは、k段目の回路10の出力は、クロック信号のパルスを1つ分伝達した後でLレベルを出力している状態となっているため、出力端子のパルスは1つとなる。このようにして、本実施の形態にかかるシフトレジスタ回路の出力端子は、OUT(1)から順番にHレベルとなるので、アクティブマトリクス型表示装置において、画素を選択するスイッチのオン、オフ状態を制御する周辺駆動回路として用いることができる。
ただし、本発明におけるリセット動作のタイミングはこれに限定されず、どのようなタイミングでリセット動作をしてもよい。たとえば、当該段の2つ後の段の出力端子の電位が上昇するタイミングでリセット動作を行ってもよいし、3つより後の段の出力端子の電位が上昇するタイミングでリセット動作を行ってもよい。このとき、リセット動作のタイミングを規定する信号線が当該段から離れているほど、電極SRを引き回す距離が長くなることにより、電極SRに付随する寄生容量の値が大きくなるので、電極SRの電位を保持する点で有利である。
また、最終段のリセット動作は、図1の(A)に示すように、電極SR(n)と、電極SR(n−1)を接続することによって、最終段自身の出力によってリセット動作を行うようにしてもよい。こうすることで、図1の(C)に示すように、最終段であるn段目においても、端子P(n)および出力端子L(n)のリセット(電源線Vssの電位に戻す動作)ができるようになる。また、全段で共通のタイミングパルスを別に入力してリセット動作を行ってもよいし、共通のタイミングパルスとしてスタートパルスを用いてもよい。
次に、k段目の出力端子L(k)が、オン状態であるトランジスタ12を介してクロック信号線と導通している期間以外の期間(図1の(C)において、端子P(k)の電位がLレベルの期間)の動作について説明する。k+1段目の回路10において、端子OUTの電位が上昇すると、ダイオード接続されたトランジスタ15はオン状態となっているため、端子Bの電位は、Hレベルよりもトランジスタ15の閾値電圧分低い電位まで上昇するが、その後、端子OUTの電位が下降したときは、トランジスタ15はオフ状態となるので、端子Bの電位は下降しない。すなわち、電極SR(k)の電位は、k+1段目の端子OUTによって上昇はするが、下降はしない。つまり、k段目のリセット動作後の端子Rの電位は、Hレベルに保持されるため、トランジスタ13および17は、オン状態のままである。したがって、端子P(k)の電位および端子OUTの電位は、Lレベルに固定される。
ここで、リセット動作後の端子Rの電位が、Hレベルに保持されなかった場合は、トランジスタ13および17は、オフ状態となってしまうため、端子P(k)および端子OUTは、浮遊状態となってしまう。端子P(k)は、トランジスタ12のゲート容量を介して第1のクロック信号線または第2のクロック信号線のいずれかに接続されているため、浮遊状態となっていると、端子P(k)の電位は容易に変動してしまう。また、端子OUTは、容量素子14を介して端子P(k)と容量結合しているため、浮遊状態であるときに端子P(k)の電位が変動すると、端子OUTの電位も、同様に変動してしまう。さらに、出力端子L(k)の電位は、クロック信号線との寄生容量によっても、変動してしまう。出力端子L(k)の電位の変動は、シフトレジスタ回路の動作を不安定にさせ、誤動作を引き起こすので、端子Pおよび端子OUTの電位を固定するために端子Rの電位をHレベルに保持することは、極めて重要である。
なお、端子Pおよび端子OUTの電位を固定するために端子Rの電位をHレベルに保持する期間は、少なくともスタートパルスの1周期の半分の期間であるのが好ましい。
ただし、電極SRおよび端子Rの電位をリセット動作後にもHレベルで保持するために、容量素子は接続しなくてもよい。内部電位固定トランジスタ13および出力電位固定トランジスタ17のゲート電極の面積の平均を、伝達トランジスタ12のゲート電極の面積よりも大きくすることで、電極SRおよび端子Rの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができる。また、電極SRをk段目の端子Rから引き回す長さを、k段目の回路10とk+1段目の回路10とのピッチより長くすることによって、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることで、電極SRおよび端子Rの電位保持を行なってもよい。もちろん、電極SRと、電源線Vssおよびスタートパルス端子SPとの間に容量素子を接続することで、電極SRおよび端子Rの電位保持を行なってもよい。
上述したように、リセット動作後も端子Rおよび電極SRの電位をHレベルに保持することは、シフトレジスタ回路の安定動作のためには極めて重要だが、一度シフトレジスタ回路を動作させたあと、再びスタートパルスを入力し、再度k段目の回路10が動作するときには、トランジスタ13および17は、オフ状態となっていなければ動作しない。そのため、k段目の回路10が動作する前に、端子Rおよび電極SR(k)の電位を、Lレベルに戻す必要がある。この動作を、本明細書中においては、セット動作と呼ぶことにする。セット動作を行うタイミングは任意であるが、k段目のセット動作を、k−1段目の端子P(k−1)の電位が上昇するタイミングで行なってもよい。この場合の回路構成として、図1の(A)および(B)のように、端子P(k−1)をゲート電極と接続し、ソース電極またはドレイン電極の一方を端子Gと接続し、ソース電極またはドレイン電極の他方を端子Fと接続したトランジスタ16を用いて、端子Fと電極SR(k)を接続する構成とするのが好ましい。
この構成であるとき、k段目の端子INにパルスが入力される前に、k−1段目の端子P(k−1)の電位が上昇するので、このタイミングでk−1段目のトランジスタ16がオン状態となり、端子Fの電位がLレベルとなる。したがって、このとき、k段目の端子Rが、Hレベルを保持している状態からLレベルに変化し、トランジスタ13および17はオフ状態となる。その後、k段目の端子INにk−1段目の出力が入力され、k段目の回路10の動作が始まる。
ここで、k−1段目のトランジスタ16のゲート電極は、k−1段目の端子Fではなく、k−1段目の端子OUTに接続されていてもよい。この場合は、k段目の端子INにk−1段目の出力が入力されるときに、k段目のセット動作が行われる。
また、k段目のセット動作を行うタイミングは、k−2段目の端子P(k−2)および端子OUTの電位が上昇するタイミングで行なってもよい。また、k−2段目より前の段の端子Pおよび端子OUTの電位が上昇するタイミングで行なってもよい。より遠い段と電極SRを介して接続すると、電極SRをk段目の端子Rから引き回す長さを、k段目の回路10とk+1段目の回路10とのピッチより長くするため、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができ、電極SRおよび端子Rの電位保持を、より確実に行なうことができるという利点がある。
また、全段で共通のタイミングパルスを別に入力してセット動作を行ってもよいし、共通のタイミングパルスとしてスタートパルスを用いてもよい。なお、1段目の電極SR(1)に関しては、前段の端子Fに接続するかわりに、トランジスタ18のソース電極またはドレイン電極の一方に接続してもよい。こうすることで、スタートパルスが入力されるときに1段目のセット動作が行われる。
本実施の形態における、非選択期間に出力端子の電位を固定し、クロック信号やノイズによる誤動作を低減したシフトレジスタの別の回路構成について、以下に述べる。本発明にかかるシフトレジスタの別の回路構成例を、図2に示す。図2の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタの全体の回路構成である。図2の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタの単一段回路を表す回路20の構成例である。図2の(C)は、図2の(B)に示した回路20を用いたシフトレジスタの全体の別の回路構成である。
図2の(A)に示す回路は、スタートパルス端子SPと、第1のクロック信号線CLK1と、第2のクロック信号線CLK2と、電源線Vssと、トランジスタ28と、n個配置された回路10(nは2以上の整数)と、回路20に対応して配置された出力端子L(k)(kは1以上n以下の整数)とを備える。
図2の(B)に示す回路20は、端子IN、OUT、G、R、F、B、C、Vと、トランジスタ21、22、23、25、26、27a、27b、27cと、容量素子24と、端子Pと、を備える。ここで、トランジスタ21は整流性を持つ他の素子でもよく、入力用整流性素子(第1の整流性素子とも記す)として用いる。また、トランジスタ25は整流性を持つ他の素子でもよく、リセット用整流性素子(第2の整流性素子とも記す)として用いる。また、トランジスタ22は伝達トランジスタ(第1のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ23は内部電位固定トランジスタ(第3のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ27aは出力電位固定トランジスタ(第2のトランジスタとも記す)として用いる。また、トランジスタ26はセット用トランジスタ(第4のトランジスタとも記す)として用いる。
なお、k段目の回路20における端子Pを、端子P(k)とも記す。また、本実施の形態においては容量素子24を明記するが、容量素子24の機能は、トランジスタ22のゲート電極とドレイン電極(またはソース電極)間にできる寄生容量によっても実現できるため、容量素子24が独立した電気素子として形成されている場合だけでなく、トランジスタ22に付随する寄生容量素子である場合も、本発明は含む。図2の(C)に示す回路は、図2の(A)に示す回路に、電源線Vddを追加した構成の回路を表す。
図2の(B)に示す回路20におけるトランジスタ21のゲート電極は、端子INに接続され、トランジスタ21のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子INに接続され、トランジスタ21のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。また、トランジスタ22のゲート電極は、端子Pに接続され、トランジスタ22のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Cに接続され、トランジスタ22のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。
また、トランジスタ23のゲート電極は、端子Rに接続され、トランジスタ23のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ23のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。また、容量素子24の一方の電極は、端子Pに接続され、容量素子24の他方の電極は、端子OUTに接続されている。
また、トランジスタ25のゲート電極は、端子OUTに接続され、トランジスタ25のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子OUTに接続され、トランジスタ25のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Bに接続されている。また、トランジスタ26のゲート電極は、端子Pに接続され、トランジスタ26のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ26のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Fに接続されている。
また、トランジスタ27aのゲート電極は、端子Qに接続され、トランジスタ27aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ27aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。また、トランジスタ27bのゲート電極は、端子Pに接続され、トランジスタ27bのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ27bのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Qに接続されている。また、トランジスタ27cのゲート電極は、端子Vに接続され、トランジスタ27cのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Vに接続され、トランジスタ27cのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Qに接続されている。
次に、図2の(A)に示す回路におけるk段目の回路20の接続について説明するが、図2の(A)に示す回路は、端子Vの接続を除いて、図1の(A)に示す回路と同様であるので、重複する説明は避ける。端子Vの接続については、図2の(A)に示すように、端子Cが接続されているクロック信号線とは別のクロック信号線に接続してもよい。また、図示はしないが、端子Cが接続されているクロック信号線と同じクロック信号線に接続してもよい。
図2の(C)に示す回路は、図2の(A)に示す回路に、端子Vを接続するための専用の電源線Vddを追加したものである。図2の(C)に示すように、全ての段の端子Vと、電源線Vddを接続してもよい。電源線Vddに印加する電位は、Lレベルよりも、トランジスタ27aと27cの閾値電圧の和以上に大きい電位であればよい。
次に、図2の(A)、(B)および(C)に示す回路における入力信号および出力信号については、図1の(C)と同様である。図2の回路が図1の回路と異なる点は、図1の(B)におけるトランジスタ17による、端子OUTの電位をLレベルに固定する機能を、トランジスタ27a、27b、27cによって実現した点である。つまり、伝達トランジスタ22のゲート電極と、出力電位固定用トランジスタ27aのゲート電極を、反転信号を出力する回路を介して接続している。
図2の(B)において、回路が動作せず、トランジスタ23によって端子Pの電位がLレベルに固定されているときは、トランジスタ27bはオフ状態である。このとき、端子Qの電位はHレベルとなっているため、トランジスタ27aはオン状態である。すなわち、端子PがLレベルに固定されていれば、端子OUTもLレベルに固定され、クロック信号線との容量結合などによって出力端子が誤動作することが少なくなる。
回路20が動作する場合、端子INにパルスが入力され、点Pの電位が上昇するので、トランジスタ27bがオン状態となる。すると、端子Qの電位はLレベルに近づくため、トランジスタ27aはオフ状態となる。すなわち、端子Pの電位が上昇し、端子OUTが端子Cと導通するときは、トランジスタ27aはオフ状態となるので、回路20は、図1における回路10と同様な動作を実現することができる。
なお、本実施形態によれば、本発明にかかるシフトレジスタにおいて、端子OUTがLowレベルに固定される期間が長い点が優れた点であるといえる。すなわち、端子OUTがLowレベルに固定される期間が長いほど、他の信号線の動作や外部からのノイズによって端子OUTが誤動作することが少なくなるため、動作の安定性が高い。また、本発明にかかるシフトレジスタは、端子OUTに接続されたトランジスタに入力される信号が切り替わる頻度が少ないため、信号のフィードスルーによって端子OUTの電位が変動してしまうことが少なく、動作の安定性が高い。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、本発明にかかるシフトレジスタ回路の最終段のリセット動作および全段のリセット動作について説明する。
実施の形態1で説明した回路構成においては、当該段のリセット動作は、次段が動作するタイミングで行われることを説明した。このとき、シフトレジスタ回路の最終段には次段が存在しないので、最終段に関しては、リセット動作のタイミングを規定するパルスが入力されないことになる。このとき、電極SR(n)の電位は、リセット動作のためにHレベルになることがない。すなわち、最終段の端子OUTには、常にクロック信号が出力されていることになる。
実施の形態1ではこの点を鑑みて、図1の(A)、図2の(A)、図2の(C)で示したように、電極SR(n)と電極SR(n−1)を接続している。こうすることで、電極SR(n)を最終段の端子OUTの出力自身でHレベルにし、リセット動作を行うことができるため、最終段の出力端子L(n)に、常にクロック信号線の電位が出力されてしまうことを防ぐことができる。この場合は、最終段の出力のパルス幅がクロック信号のパルス幅よりも小さくなる。ここで、もし、最終段に常にクロック信号が出力され、最終段の出力を、最終段の前段のリセット動作以外に積極的に使用していない回路構成の場合、最終段の出力端子に接続された寄生容量素子を充放電するために、余分な電力を消費してしまうことになる。
本実施の形態において説明する構成は、実施の形態1で示した構成とは別の構成で、最終段もシフトレジスタ動作させることができる。図3の(A)、(B)、(C)は、それぞれ図1の(A)、図2の(A)、図2の(C)で示した構成に、最終段のリセット動作に用いる、トランジスタ29を追加した構成を表している。トランジスタ29のゲート電極は、スタートパルス端子SPに接続され、トランジスタ29のソース電極およびドレイン電極の一方は、スタートパルス端子SPに接続され、トランジスタ29のソース電極およびドレイン電極の他方は、電極SR(n)に接続されている。
また、図3に示すように、最終段のリセット動作にトランジスタ29を用いた場合は、最終段のリセット動作を最終段自身で行わなくてもよく、スタートパルスが入力されるタイミングで行うことができるため、電極SR(n)と電極SR(n−1)を接続しなくてもよい。
図4は、図3で示した回路の動作を説明するためのタイムチャートである。図1の(C)と異なる点は、スタートパルスが入力されるタイミング(時刻T0)において、最終段の端子P(n)のリセット動作を行うことで、最終段の出力端子L(n)においても、シフトレジスタ回路としての動作を行うことができる点である。ここで、図4のタイムチャートにおいて、スタートパルスを入力する周期をTとすると、周期Tのうちに入力する全てのクロック信号線のパルスの総数が、シフトレジスタ回路の段数nよりも大きいのが好ましい。こうすることで、最終段のリセット動作を周期Tのうちに確実に行うことができる。
次に、図5および図6を参照して、リセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路について説明する。
図5の(A)、(B)、(C)は、それぞれ図1の(A)、図2の(A)、図2の(C)で示した構成に、リセット動作をさせるために専用の信号線RESと、信号線RESに接続されたトランジスタRE(k)(kは1以上n以下の整数)を追加した構成を表している。トランジスタRE(k)のゲート電極は、信号線RESに接続され、トランジスタRE(k)のソース電極またはドレイン電極の一方は、信号線RESに接続され、トランジスタRE(k)のソース電極またはドレイン電極の他方は、電極SR(k)に接続されている。
図5および図6においては、全ての段にトランジスタRE(k)を追加して接続することで、任意のタイミングで全ての段をリセット動作させて、最終段まで動作させずに即座に初期状態に戻すことができるシフトレジスタ回路を示すが、本発明はこれに限定されず、トランジスタRE(k)の数はいくつでもよい。たとえば、最終段のみにトランジスタREを設けてもよいし、奇数または偶数段のみにトランジスタREを設けてもよいし、前半または後半の段のみにトランジスタREを設けてもよい。トランジスタREの数を少なくすれば、それだけ回路規模が小さくなり、基板上に回路が占める割合が小さくなるという利点がある。また、トランジスタREの数を少なくすれば、信号線RESを駆動する負荷が小さくなり、消費電力が低減できるという利点がある。
ここで、図6を用いて、リセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路の動作について説明する。図6は、時刻Trにおいて、信号線RESにパルスを入力し、全ての段をリセット動作させるときの、入力信号と端子P、出力端子Lの電位の変化を表したタイムチャートである。時刻T0においてスタートパルスが入力されると、信号線RESにパルスが入力されるまでは、図1の(C)と同じ動作をする。しかし、時刻Trにおいて、信号線RESにパルスが入力されると、全ての段において電極SRの電位がHレベルとなるため、端子Pおよび出力端子Lは、Lレベルに固定される。ここで、電極SRの電位をLレベルにするトランジスタ16または26は、端子Pの電位がLレベルとなることから、オフ状態となる。よって、信号線RESにパルスを入力したときに、信号線RESから電源線Vssに電流が流れるパスができることはない。
このように、図5に示したリセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路は、任意のタイミングで全ての段をリセット動作させて、最終段まで動作させずに即座に初期状態に戻すことができる。このシフトレジスタ回路を表示装置の駆動回路として用いた場合、たとえば、表示領域に配置されている画素のうち、一部の領域しか使用しないときに、シフトレジスタ回路の動作を途中で止めることで、使用しない領域の画素を駆動することがなくなり、消費電力が低減できるという利点がある。
また、信号線RESにパルスを入力したとき、浮遊状態となっている電極SRに電荷が注入されることで、リーク電流による電極SRの電位の低下を防ぐことができる。すなわち、電極SRにゲート電極が接続されているトランジスタがオン状態を保持し続けることが容易となる効果がある。
なお、本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて使用することができる。
(実施の形態3)
トランジスタは、オン状態とするために、そのゲートソース電極間に電圧を印加する。ここで、トランジスタのゲート電極に電圧を印加し続けると、ソース電極またはドレイン電極とゲート電極の間の領域に存在する、不純物等によるエネルギー準位に電荷がトラップされて、トラップされた電荷が内部電界を形成していくため、特性の経時変化を引き起こす。特に、閾値電圧がシフトする(閾値シフトとも記す)という変化が起こる。この経時変化は、トランジスタをオン状態とする極性の電圧だけではなく、逆の極性の電圧を印加する(逆バイアスとも記す)ことによって、トラップされた電荷が開放され、変化の度合いが小さくなることが知られている。閾値シフトは、ソース電極またはドレイン電極とゲート電極の間の領域に欠陥準位の多い、チャネル層に非晶質(アモルファス)シリコンを用いた薄膜トランジスタにおいて、特に顕著に見られる。よって、本実施形態にかかるシフトレジスタ回路は、チャネル層にアモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタにおいて、特に有効である。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態においては、本発明にかかるシフトレジスタ回路を構成するトランジスタに、逆バイアスを印加する動作について説明する。
まず、図7を用いて、図1に示したシフトレジスタ回路に、トランジスタの特性の経時変化を抑えるために、逆バイアスを印加する機能を加えた回路を示す。図7の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の全体図、図7の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の一段分の回路30、図7の(C)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の入力信号と出力信号のタイムチャートである。
図7の(B)は、図1の(B)で示した回路に、トランジスタ39a、39b、および端子N、端子Sを追加したものである。また、トランジスタ31、32、35、36、37および容量素子34は、それぞれ図1の(B)のトランジスタ11、12、15、16、17および容量素子14に対応し、接続も図1の(B)と同様である。また、図7の(B)のトランジスタ33のゲート電極は、端子Sに接続され、トランジスタ33のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ33のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。
また、トランジスタ37のゲート電極は、端子Sに接続され、トランジスタ37のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ37のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。また、トランジスタ39aのゲート電極は、端子Sに接続され、トランジスタ39aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Sに接続され、トランジスタ39aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。また、トランジスタ39bのゲート電極は、端子Nに接続され、トランジスタ39bのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Sに接続され、トランジスタ39bのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Rに接続されている。
図7の(A)は、図1の(A)で示した回路に、全ての段の回路30の端子Nに接続された信号線RBを追加したものである。また、トランジスタ38は、図1の(A)のトランジスタ18に対応し、接続も同様である。
ここで、図7の(C)を用いて、図7の(A)、(B)で示す回路の動作について説明する。時刻T0においてスタートパルス端子SPにパルスが入力されると、シフトレジスタ回路が動作し、出力端子L(1)から順番に出力信号が出力される。そして、出力端子L(n)まで出力信号が出力されるまでの間を、通常動作期間と呼ぶこととする。通常動作期間中には、信号線RBには、Hレベルの電位を入力してもよい。このとき、トランジスタ39bはオン状態であり、トランジスタ39aはオフ状態である。すなわち、端子Rと端子Sは導通状態であり、端子Nと端子Sは非導通状態であるので、図7の(B)は、図1の(B)と同じ接続状態となるため、図7に示すシフトレジスタ回路は、図1に示すシフトレジスタ回路と同様な動作をする。
次に、図7の(C)に示すように、図7に示すシフトレジスタ回路の出力端子L(n)に出力信号が出力された後、時刻T1から時刻T2の間に、信号線RBの電位を下げてもよい。この期間を、逆バイアス印加期間と呼ぶこととする。こうすることで、図7の(B)のトランジスタ39bはオフ状態となり、トランジスタ39aはオン状態となる。すなわち、端子Rと端子Sは非導通状態となり、端子Nと端子Sは導通状態となって、端子Sの電位が降下する。その後、端子Sの電位が電極Nの電位よりもトランジスタ39aの閾値電圧分大きい電位となったところでトランジスタ39aはオフ状態となり、端子Sの電位の降下は止まる。このとき、信号線RBの電位は、電源線Vssよりも低い電位であってもよい。信号線RBの低い側の電位が電源線Vssよりも低ければ、逆バイアス印加期間中、端子Sをより低い電位とすることができる。こうすることで、トランジスタ33および37に、オン状態とは逆極性の電位をゲート電極に印加できるので、トランジスタの閾値シフトを小さくできるという利点がある。
ここで、トランジスタ39bは、通常動作期間は端子Rと端子Sを導通し、逆バイアス印加期間は端子Rと端子Sを非導通状態とする役割を持ったトランジスタである。トランジスタ39bを配置せず、端子Rと端子Sを常に導通状態とする場合は、回路規模が小さくなり、また、信号線RBにつながっている寄生容量値が減少するため、消費電力が小さくなるという利点がある。
また、図7の(B)のようにトランジスタ39bを配置すれば、信号線RBにより端子Nの電位を下げることで端子Sの電位を下げたときに、端子Rの電位も同時に下がってしまうことを防ぐことができる。ここで、逆バイアス印加期間において、端子Rと端子Sが導通していて、端子Sの電位の低下に伴って端子Rの電位も低下する場合を考える。端子Rは、電極SRを通じて、1段前の回路30の端子Fと接続しているため、電源線Vssから1段前のトランジスタ36の閾値電圧分低い電圧以下に端子Rの電位が下がったとき、1段前のトランジスタ36がオン状態となってしまい、信号線RBと電源線Vss間に定常電流が流れてしまう。また、端子Rは、電極SRを通じて、1段後の回路30のトランジスタ35とも接続されているため、端子Rの電位が低下すると、1段後のトランジスタ35および32がオン状態となってしまい、1段後のクロック信号線、トランジスタ32、トランジスタ35、当該段のトランジスタ39a、信号線RBを通じて定常電流が流れてしまうことも考えられる。そのため、逆バイアス印加期間において、端子Rと端子Sを非導通とすることで、端子Rの電位が下がることで端子Rを含んだ電流のパスができてしまうのを防ぐことができるので、消費電力を低減しつつ、十分な逆バイアスをトランジスタ33および37に印加することができる。
なお、本実施形態において、逆バイアス印加期間中にトランジスタ33および37のゲート電極に逆バイアスを印加する例を示したが、本発明はこれに限定されず、どのトランジスタに逆バイアスを印加してもよい。ただし、トランジスタ33および37は、出力端子LがLレベルを出力するべき期間の大部分の期間においてオン状態となっており、このようにオン状態となっている期間の割合が大きいトランジスタは、閾値シフトの程度が大きい。そのため、図7の(B)のように、トランジスタ33および37のゲート電極にトランジスタ39aおよび39bを接続し、逆バイアス印加期間を設けることで、閾値シフトの低減を行なうのが効果的であり、好ましい。
次に、図8を用いて、図2に示したシフトレジスタ回路に、トランジスタの特性の経時変化を抑えるために、逆バイアスを印加する機能を加えた回路を示す。図8の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の全体図、図8の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の一段分の回路40、図8の(C)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の別の全体図である。
図8の(B)は、図2の(B)で示した回路に、トランジスタ49a、49b、49c、49dおよび端子N、端子S、端子Uを追加したものである。また、トランジスタ41、42、45、46、47b、47cおよび容量素子44は、それぞれ図2の(B)のトランジスタ21、22、25、26、27b、27cおよび容量素子24に対応し、接続も図2の(B)と同様である。また、図8の(B)のトランジスタ43のゲート電極は、端子Sに接続され、トランジスタ43のソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ43のソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Pに接続されている。
また、トランジスタ47aのゲート電極は、端子Uに接続され、トランジスタ47aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Gに接続され、トランジスタ47aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子OUTに接続されている。また、トランジスタ49aのゲート電極は、端子Sに接続され、トランジスタ49aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Sに接続され、トランジスタ49aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。また、トランジスタ49bのゲート電極は、端子Nに接続され、トランジスタ49bのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Rに接続され、トランジスタ49bのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Sに接続されている。また、トランジスタ49cのゲート電極は、端子Uに接続され、トランジスタ49cのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Uに接続され、トランジスタ49cのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。また、トランジスタ49dのゲート電極は、端子Nに接続され、トランジスタ49dのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Qに接続され、トランジスタ49dのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Uに接続されている。
ここで、図8の(A)は、図2の(A)で示した回路に、全ての段の回路40の端子Nに接続された信号線RBを追加したものである。また、トランジスタ48は、図2の(A)のトランジスタ28に対応し、接続も同様である。また、図8の(C)は、図8の(A)に示す回路に、電源線Vddを追加した構成の回路を表し、全ての段の回路40の端子Vに、電源線Vddが接続されている。
ここで、図8の(A)、(B)、(C)で示す回路は、図7の(C)に示すタイムチャートに従って動作させてもよい。図7の(C)に示すタイムチャートに従って図8の(A)、(B)、(C)で示す回路を動作させた場合、通常動作期間において、信号線RBには、Hレベルの電位を入力してもよい。このとき、トランジスタ49bおよび49dはオン状態であり、トランジスタ49aおよび49cはオフ状態である。すなわち、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uは導通状態であり、端子Nと端子S、および端子Nと端子Uは非導通状態であるので、図8の(B)は、図2の(B)と同じ接続状態となるため、図8に示すシフトレジスタ回路は、図2に示すシフトレジスタ回路と同様な動作をする。
次に、逆バイアス印加期間においては、図8の(B)のトランジスタ49bおよび49dはオフ状態となり、トランジスタ49aおよび49cはオン状態となる。すなわち、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uは非導通状態となり、端子Nと端子S、および端子Nと端子Uは導通状態となって、端子Sおよび端子Uの電位が降下する。その後、端子Sおよび端子Uの電位が電極Nの電位よりもトランジスタ49aおよび49cの閾値電圧分大きい電位となったところでトランジスタ49aおよび49cはオフ状態となり、端子Sおよび端子Uの電位の降下は止まる。このとき、信号線RBの電位は、電源線Vssよりも低い電位であってもよい。信号線RBの低い側の電位が電源線Vssよりも低ければ、逆バイアス印加期間中、端子Sおよび端子Uを、より低い電位とすることができる。こうすることで、トランジスタ43および47aに、オン状態とは逆極性の電位をゲート電極に印加できるので、トランジスタの閾値シフトを小さくできるという利点がある。
ここで、トランジスタ49bおよび49dは、通常動作期間は端子Rと端子S、および端子Qと端子Uを導通し、逆バイアス印加期間は端子Rと端子S、および端子Qと端子Uを非導通状態とする役割を持ったトランジスタである。トランジスタ49bおよび49dを配置せず、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uを常に導通状態とする場合は、回路規模が小さくなり、また、信号線RBにつながっている寄生容量値が減少するため、消費電力が小さくなるという利点がある。
また、図8の(B)のようにトランジスタ49bおよび49dを配置すれば、信号線RBにより端子Nの電位を下げることで端子Sおよび端子Uの電位を下げたときに、端子Rおよび端子Qの電位も同時に下がってしまうことを防ぐことができる。
ここで、逆バイアス印加期間において、端子Rと端子Sが導通していて、端子Sの電位の低下に伴って端子Rの電位も低下する場合を考える。端子Rは、電極SRを通じて、1段前の回路40の端子Fと接続しているため、電源線Vssから1段前のトランジスタ46の閾値電圧分低い電圧以下に端子Rの電位が下がったとき、1段前のトランジスタ46がオン状態となってしまい、信号線RBと電源線Vss間に定常電流が流れてしまう。また、端子Rは、電極SRを通じて、1段後の回路40のトランジスタ45とも接続されているため、端子Rの電位が低下すると、1段後のトランジスタ45および42がオン状態となってしまい、1段後のクロック信号線、トランジスタ42、トランジスタ45、当該段のトランジスタ49a、信号線RBを通じて定常電流が流れてしまうことも考えられる。
また、逆バイアス印加期間において、端子Qと端子Uが導通していて、端子Uの電位の低下に伴って端子Qの電位も低下する場合を考える。端子Qは、トランジスタ47bおよび47cのソース電極またはドレイン電極に接続されているため、端子Qの電位が低下すると、トランジスタ47bおよび47cがオン状態となり、端子Gおよび端子Vから端子Q、トランジスタ49d、端子U、トランジスタ49c、端子Nを通じて定常電流が流れてしまう。
そのため、逆バイアス印加期間において、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uを、トランジスタ49bおよび49dによって非導通とすることで、端子Rおよび端子Qの電位が下がることで、端子Rおよび端子Qを含んだ電流のパスができてしまうのを防ぐことができるので、消費電力を低減しつつ、十分な逆バイアスをトランジスタ43および47aに印加することができる。なお、トランジスタ49bおよび49dは、両方配置してもよいし、どちらか片方だけ配置してもよいし、両方配置しなくてもよい。
なお、本実施形態において、逆バイアス印加期間中にトランジスタ43および47aのゲート電極に逆バイアスを印加する例を示したが、本発明はこれに限定されず、どのトランジスタに逆バイアスを印加してもよい。ただし、トランジスタ43および47aは、出力端子LがLレベルを出力するべき期間の大部分の期間においてオン状態となっており、このようにオン状態となっている期間の割合が大きいトランジスタは、閾値シフトの程度が大きい。そのため、図8の(B)のように、トランジスタ43および47aのゲート電極にトランジスタ49aと49b、および49cと49dを接続し、逆バイアス印加期間を設けることで、閾値シフトの低減を行なうのが効果的であり、好ましい。
以上に述べたとおり、本実施の形態においては、逆バイアス印加用のトランジスタ39a、39bおよび49a、49b、49c、49dを、トランジスタ33、37および43、47aのゲート電極に接続することで、トランジスタ33、37および43、47aの閾値シフトを低減することができる。また、本実施の形態において示した回路だけではなく、任意の回路における任意のトランジスタのゲート電極に、図9に示す回路を接続することにより、当該トランジスタに逆バイアスを印加してもよい。図9に示す回路により、当該トランジスタのゲート電極以外の、当該回路内の電極の電位を変化させることがないので、定常電流が流れる、誤動作を起こすなどがなく、当該トランジスタの閾値シフトを低減できる。
図9に示す回路は、信号端子SIGと、バイアス端子BIASと、対象端子GATEと、遮断トランジスタSIG−Trと、バイアストランジスタBIAS−Trを備える。ここで、図9および図10に示す回路において、バイアストランジスタBIAS−Trは、整流性素子として用いる。
図9の(A)、(B)、(C)、(D)に示す回路において、遮断トランジスタSIG−Trのゲート電極は、バイアス端子BIASに接続され、遮断トランジスタSIG−Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、信号端子SIGに接続され、遮断トランジスタSIG−Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、対象端子GATEに接続されている。
図9の(A)、(D)に示す回路において、バイアストランジスタBIAS−Trのゲート電極は、対象端子GATEに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、対象端子GATEに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、バイアス端子BIASに接続されている。
図9の(B)、(C)に示す回路において、バイアストランジスタBIAS−Trのゲート電極は、バイアス端子BIASに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、対象端子GATEに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、バイアス端子BIASに接続されている。
対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタに接続される。逆バイアスの印加は、当該トランジスタのゲート電極とソース電極間、およびゲート電極とドレイン電極間の双方に対して行なうのが適当であるため、対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタのゲート電極に接続されるのが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されず、対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタのソース電極またはドレイン電極に接続されていてもよい。そのときは、逆バイアスを印加するときの極性は、ゲート電極に接続されるときの逆としてもよい。なお、対象端子GATEに接続されるトランジスタの数はいくつでもよい。
信号端子SIGは、当該トランジスタを通常動作させるときに当該トランジスタに入力する信号線または電源線に接続する。バイアス端子BIASは、当該トランジスタに逆バイアスを印加するか、信号端子SIGに接続された電極の電位を対象端子GATEに伝達するかを選択する信号線である。
ここで、図9の(A)、(B)、(C)、(D)に示す回路は、それぞれ、遮断トランジスタSIG−Trの極性と、バイアストランジスタBIAS−Trの極性に関して場合分けをしたものである。
図9の(A)、(B)は、通常動作時はバイアス端子BIASにHレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにLレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Nチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
図9の(C)、(D)は、通常動作時はバイアス端子BIASにLレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにHレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Pチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
このように、本実施の形態における図9に示す回路により、任意の回路における任意のトランジスタのゲート電極に、当該回路内の他の電極の電位を変化させることなく、当該トランジスタに逆バイアスを印加することができる。
次に、図9に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタも含めた場合の回路について、図10を参照して説明する。
図10の(A)は、図9の(A)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図10の(A)に示すように、図9の(A)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。また、図10の(B)は、図9の(A)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図10の(B)に示すように、図9の(A)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図7のトランジスタ33、37、または図8のトランジスタ43、47aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Nチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにHレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にLレベルの電位に依存する電位がかかり、逆バイアスを印加することができる。
また、図10の(C)は、図9の(B)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図10の(C)に示すように、図9の(B)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。また、図10の(D)は、図9の(B)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図10の(D)に示すように、図9の(B)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図7のトランジスタ33、37、または図8のトランジスタ43、47aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Nチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにHレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にLレベルの電位に依存する電位がかかり、逆バイアスを印加することができる。
また、図10の(E)は、図9の(C)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図10の(E)に示すように、図9の(C)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。また、図10の(F)は、図9の(C)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図10の(F)に示すように、図9の(C)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図7のトランジスタ33、37、または図8のトランジスタ43、47aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Pチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにLレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にHレベルの電位に依存する電位がかかり、逆バイアスを印加することができる。
また、図10の(G)は、図9の(D)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図10の(G)に示すように、図9の(D)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。
また、図10の(H)は、図9の(D)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図10の(H)に示すように、図9の(D)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図7のトランジスタ33、37、または図8のトランジスタ43、47aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Pチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにLレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にHレベルの電位に依存する電位がかかり、逆バイアスを印加することができる。
次に、図11および図12を参照して、図7の(A)、図8の(A)、図8の(C)に示した、逆バイアスを印加することのできる回路に、リセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路について説明する。
図11の(A)、(B)、(C)は、それぞれ図7の(A)、図8の(A)、図8の(C)で示した構成に、リセット動作をさせるために専用の信号線RESと、信号線RESに接続されたトランジスタRE(k)(kは1以上n以下の整数)を追加した構成を表している。トランジスタRE(k)のゲート電極は、信号線RESに接続され、トランジスタRE(k)のソース電極またはドレイン電極の一方は、信号線RESに接続され、トランジスタRE(k)のソース電極またはドレイン電極の他方は、電極SR(k)に接続されている。
図11においては、全ての段にトランジスタRE(k)を追加して接続することで、任意のタイミングで全ての段をリセット動作させて、最終段まで動作させずに即座に初期状態に戻すことができるシフトレジスタ回路を示すが、本発明はこれに限定されず、トランジスタRE(k)の数はいくつでもよい。たとえば、最終段のみにトランジスタREを設けてもよいし、奇数または偶数段のみにトランジスタREを設けてもよいし、前半または後半の段のみにトランジスタREを設けてもよい。トランジスタREの数を少なくすれば、それだけ回路規模が小さくなり、基板上に回路が占める割合が小さくなるという利点がある。また、トランジスタREの数を少なくすれば、信号線RESを駆動する負荷が小さくなり、消費電力が低減できるという利点がある。
ここで、図12を用いて、リセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路の動作について説明する。図12は、時刻T1において、信号線RESにパルスを入力し、全ての段をリセット動作させ、また、時刻T2において、信号線RBの電位を下げ、逆バイアス印加動作をするときの、入力信号SP、端子P(図示しない)、および出力端子Lの電位の変化を表したタイムチャートである。時刻T0においてスタートパルスが入力されると、信号線RESにパルスが入力されるまでは、図1の(C)と同じ動作をする。しかし、時刻T1において、信号線RESにパルスが入力されると、全ての段において電極SRの電位がHレベルとなるため、端子Pおよび出力端子Lは、Lレベルに固定される。ここで、電極SRの電位をLレベルにするトランジスタ36または46は、端子Pの電位がLレベルとなることから、オフ状態となる。よって、信号線RESにパルスを入力したときに、信号線RESから電源線Vssに電流が流れるパスができることはない。
その後、時刻T2からT3の期間中に、信号線RBの電位を下げることで、逆バイアスを印加することができる。このとき、信号線RBの電位は、電源線Vssの電位よりも低いことが好ましい。また、その後、時刻T3からT4の期間中に、もう一度リセット動作を行うために、信号線RBおよび信号線RESの電位をHレベルとしてもよい。逆バイアスを印加した後にもう一度リセット動作を行うことによって、端子S、端子R、電極SRの電位をHレベルとすることで、出力端子Lの電位をLレベルに固定して、出力の電位変動を抑える期間を延長することができる。
このように、図11に示したリセット動作をさせるために専用の信号線を追加した、本発明にかかるシフトレジスタ回路は、任意のタイミングで全ての段をリセット動作させて、最終段まで動作させずに即座に初期状態に戻し、かつ、任意のタイミングで、逆バイアスを印加する動作をすることができる。このシフトレジスタ回路を表示装置の駆動回路として用いた場合、たとえば、表示領域に配置されている画素のうち、一部の領域しか使用しないときに、シフトレジスタ回路の動作を途中で止めることで、使用しない領域の画素を駆動することがなくなり、消費電力が低減でき、かつ、トランジスタの閾値シフトを低減できるという利点がある。また、信号線RESにパルスを入力したとき、浮遊状態となっている電極SRに電荷が注入されることで、リーク電流による電極SRの電位の低下を防ぐことができる。すなわち、電極SRにゲート電極が接続されているトランジスタがオン状態を保持し続けることが容易となる効果がある。
次に、図13を用いて、図7で示した、逆バイアスを印加できるシフトレジスタ回路に、信号線を一つ追加するだけで、逆バイアス印加動作だけでなく、リセット動作も行うことができる回路について説明する。
図13の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の全体図、図13の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の一段分の回路50、図13の(C)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の入力信号と出力信号のタイムチャートである。
図13の(B)は、図7の(B)で示した回路から、トランジスタ59aの接続を変更し、端子Mを追加したものである。ここで、トランジスタ51、52、53、55、56、57、59bおよび容量素子54は、それぞれ図7の(B)のトランジスタ31、32、33、35、36、37、39bおよび容量素子34に対応し、接続も図7の(B)と同様である。また、接続を変更した図13の(B)のトランジスタ59aのゲート電極は、端子Mに接続され、トランジスタ59aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Sに接続され、トランジスタ59aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。
図13の(A)は、図7の(A)で示した回路における信号線RBを信号線BLとし、また、全ての段の回路50の端子Mに接続された信号線BEを追加したものである。また、トランジスタ58は、図7の(A)のトランジスタ38に対応し、接続も同様である。
ここで、図13の(C)を用いて、図13の(A)、(B)で示す回路の動作について説明する。通常動作期間中には、信号線BLには、Hレベルの電位、信号線BEには、Lレベルの電位を入力してもよい。このとき、トランジスタ59bはオン状態であり、トランジスタ59aはオフ状態である。すなわち、端子Rと端子Sは導通状態であり、端子Nと端子Sは非導通状態であるので、図13の(B)は、図1の(B)と同じ接続状態となるため、図13に示すシフトレジスタ回路は、図1に示すシフトレジスタ回路と同様な動作をする。
次に、図13の(C)に示すように、図13に示すシフトレジスタ回路の通常動作期間が終了した後、時刻T1から時刻T4の間に、信号線BEの電位を上げてもよい。この期間を、バイアスイネーブル期間と呼ぶこととする。バイアスイネーブル期間においては、トランジスタ59aがオン状態となっている。バイアスイネーブル期間中、信号線BLの電位がHレベルとなっている期間(時刻T1からT2、T3からT4)を、リセット期間と呼ぶこととする。リセット期間において、トランジスタ59aおよび59bはオン状態となっており、かつ、端子Nの電位がHレベルとなっているので、端子Sおよび端子R、また、端子Rに接続されている電極SRの電位がHレベルとなる。つまり、リセット動作を行うことができる。また、バイアスイネーブル期間中、信号線BLの電位がLレベルとなっている期間(時刻T2からT3)は、逆バイアス印加期間である。逆バイアス印加期間においては、図13の(B)のトランジスタ59bはオフ状態となり、トランジスタ59aはオン状態となる。すなわち、端子Rと端子Sは非導通状態となり、端子Nと端子Sは導通状態となって、電極Nの電位に従って端子Sの電位はLレベルとなる。このとき、トランジスタ59bは非導通状態であるので、端子Nの電位が、端子Rに伝達することはない。ここで、信号線BLの電位は、電源線Vssよりも低い電位であってもよい。信号線BLの低い側の電位が電源線Vssよりも低ければ、逆バイアス印加期間中、端子Sをより低い電位とすることができる。こうすることで、トランジスタ53および57に、オン状態とは逆極性の電位をゲート電極に印加できるので、トランジスタの閾値シフトを小さくできる。
以上に述べたとおり、図13に示した、本発明にかかるシフトレジスタ回路は、信号線BEにより、通常動作期間と、バイアスイネーブル期間を任意に設定することができる。そして、バイアスイネーブル期間において、信号線BLの電位がHレベルならば、回路50をリセット動作させることができ、信号線BLの電位がLレベルならば、トランジスタ53および57に逆バイアスを印加することができ、かつ、信号線BLの電位を低くしても端子S以外の電極の電位を変化させることがないため、定常電流が流れる、誤動作するといった不具合が起こることが少ない。なお、バイアスイネーブル期間においては、端子Sにかける電位を自由に設定することができる。
次に、図14を用いて、図8で示した、逆バイアスを印加できるシフトレジスタ回路に、信号線を一つ追加するだけで、逆バイアス印加動作だけでなく、リセット動作も行うことができる回路について説明する。
図14の(A)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の全体図、図14の(B)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の一段分の回路60、図14の(C)は、本発明にかかるシフトレジスタ回路の別の全体図である。図14の(B)は、図8の(B)で示した回路に、トランジスタ69a、69cの接続を変更し、また、端子Mを追加したものである。また、トランジスタ61、62、63、65、66、67a、67b、67c、69b、69d、および容量素子64は、それぞれ図8の(B)のトランジスタ41、42、43、45、46、47a、47b、47c、49b、49d、および容量素子44に対応し、接続も図8の(B)と同様である。
また、図14の(B)のトランジスタ69aのゲート電極は、端子Mに接続され、トランジスタ69aのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Sに接続され、トランジスタ69aのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。また、トランジスタ69cのゲート電極は、端子Mに接続され、トランジスタ69cのソース電極またはドレイン電極の一方は、端子Uに接続され、トランジスタ69cのソース電極またはドレイン電極の他方は、端子Nに接続されている。
ここで、図14の(A)は、図8の(A)で示した回路に、全ての段の回路40の端子Nに接続された信号線RBを追加したものである。また、トランジスタ68は、図8の(A)のトランジスタ48に対応し、接続も同様である。また、図14の(C)は、図14の(A)に示す回路に、電源線Vddを追加した構成の回路を表し、全ての段の回路60の端子Vに、電源線Vddが接続されている。
ここで、図14の(A)、(B)、(C)で示す回路は、図13の(C)に示すタイムチャートに従って動作させてもよい。図13の(C)に示すタイムチャートに従って図14の(A)、(B)、(C)で示す回路を動作させた場合、通常動作期間において、信号線BLにはHレベルの電位、信号線BEにはLレベルの電位を入力してもよい。このとき、トランジスタ69bおよび69dはオン状態であり、トランジスタ69aおよび69cはオフ状態である。すなわち、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uは導通状態であり、端子Nと端子S、および端子Nと端子Uは非導通状態であるので、図14の(B)は、図2の(B)と同じ接続状態となるため、図14に示すシフトレジスタ回路は、図2に示すシフトレジスタ回路と同様な動作をする。
次に、バイアスイネーブル期間においては、信号線BLの電位を高くしてHレベルとすることでリセット期間とすることができ、信号線BLの電位を低くしてLレベルとすることで逆バイアス印加期間とすることができる。リセット期間においては、トランジスタ69a、69b、69c、69dは全てオン状態となり、端子NがHレベルであることから、回路60はリセット動作をおこなう。一方、逆バイアス印加期間においては、図14の(B)のトランジスタ69bおよび69dはオフ状態となり、トランジスタ69aおよび69cはオン状態となる。すなわち、端子Rと端子S、および端子Qと端子Uは非導通状態となり、端子Nと端子S、および端子Nと端子Uは導通状態となって、端子Nの電位が低いことから、端子Sおよび端子Uの電位は低くなる。このとき、信号線BLの電位は、電源線Vssよりも低い電位であってもよい。信号線BLの低い側の電位が電源線Vssよりも低ければ、逆バイアス印加期間中、端子Sおよび端子Uを、より低い電位とすることができる。こうすることで、トランジスタ63および67aに、オン状態とは逆極性の電位をゲート電極に印加できるので、トランジスタの閾値シフトを小さくできる。
以上に述べたとおり、図14に示した、本発明にかかるシフトレジスタ回路は、信号線BEにより、通常動作期間と、バイアスイネーブル期間を任意に設定することができる。そして、バイアスイネーブル期間において、信号線BLの電位がHレベルならば、回路60をリセット動作させることができ、信号線BLの電位がLレベルならば、トランジスタ63および67aに逆バイアスを印加することができ、かつ、信号線BLの電位を低くしても端子Sおよび端子U以外の電極の電位を変化させることがないため、定常電流が流れる、誤動作するといった不具合が起こることが少ない。なお、バイアスイネーブル期間においては、端子Sおよび端子Uにかける電位を自由に設定することができる。
ここで、図13および図14において示した回路だけではなく、任意の回路における任意のトランジスタのゲート電極に、図15に示す回路を接続することにより、当該トランジスタに逆バイアスの印加だけでなく、順バイアスの印加を行なえるようにしてもよい。図15に示す回路により、逆バイアス印加時においては、当該トランジスタのゲート電極以外の当該回路内の電極の電位を変化させることがないので、定常電流が流れる、誤動作を起こすなどがなく、当該トランジスタの閾値シフトを低減できる。順バイアス印加時には、遮断トランジスタSIG−Trがオンすることにより、信号端子SIGと、信号端子SIGに接続されている電極の電位を、初期化またはリセットすることができる。
図15に示す回路は、信号端子SIGと、バイアス端子BIASと、対象端子GATEと、遮断トランジスタSIG−Trと、バイアストランジスタBIAS−Trを備える。図15の(A)、(B)、(C)、(D)に示す回路において、遮断トランジスタSIG−Trのゲート電極は、バイアス端子BIASに接続され、遮断トランジスタSIG−Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、信号端子SIGに接続され、遮断トランジスタSIG−Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、対象端子GATEに接続されている。
図15の(A)、(B)、(C)、(D)に示す回路において、バイアストランジスタBIAS−Trのゲート電極は、選択端子BE−SWに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、対象端子GATEに接続され、バイアストランジスタBIAS−Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、バイアス端子BIASに接続されている。
対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタに接続される。逆バイアスの印加は、当該トランジスタのゲート電極とソース電極間、およびゲート電極とドレイン電極間の双方に対して行なうのが適当であるため、対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタのゲート電極に接続されるのが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されず、対象端子GATEは、逆バイアスの印加を行なうトランジスタのソース電極またはドレイン電極に接続されていてもよい。そのときは、逆バイアスを印加するときの極性は、ゲート電極に接続されるときの逆としてもよい。なお、対象端子GATEに接続されるトランジスタの数はいくつでもよい。
信号端子SIGは、当該トランジスタを通常動作させるときに当該トランジスタに入力する信号線または電源線に接続する。選択端子BE−SWは、バイアス端子BIASの電位を対象端子GATEに伝達するかどうかを選択する信号線である。バイアス端子BIASは、バイアストランジスタBIAS−Trがオン状態であるときは、対象端子GATEに接続される電極に印加する電位を制御する信号線である。バイアストランジスタBIAS−Trがオフ状態であるときは、信号端子SIGと対象端子GATEを導通させるか、導通させないかを制御する信号線である。
ここで、図15の(A)、(B)、(C)、(D)に示す回路は、それぞれ、遮断トランジスタSIG−Trの極性と、バイアストランジスタBIAS−Trの極性に関して場合分けをしたものである。
図15の(A)は、通常動作時はバイアス端子BIASにHレベルの電位、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与え、リセット動作時はバイアス端子BIASにHレベルの電位、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Nチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
図15の(B)は、通常動作時はバイアス端子BIASにHレベルの電位、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与え、リセット動作時はバイアス端子BIASにHレベルの電位、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Nチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
図15の(C)は、通常動作時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与え、リセット動作時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにHレベルの電位を与え、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Pチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
図15の(D)は、通常動作時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにHレベルの電位を与え、リセット動作時はバイアス端子BIASにLレベルの電位、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与え、逆バイアス印加時はバイアス端子BIASにHレベルの電位を与え、選択端子BE−SWにLレベルの電位を与える場合の回路である。たとえば、逆バイアスを印加する電極が、Pチャネル型トランジスタのゲート電極であるときに用いることができる。
このように、本実施の形態における図15に示す回路により、任意の回路における任意のトランジスタのゲート電極に、当該回路内の他の電極の電位を変化させることなく、当該トランジスタに逆バイアスを印加することができ、また、順バイアスを信号端子SIG、対象端子GATE双方に印加することができる。
次に、図15に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタも含めた場合の回路について、図16を参照して説明する。
図16の(A)は、図15の(A)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図16の(A)に示すように、図15の(A)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。また、図16の(B)は、図15の(A)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図16の(B)に示すように、図15の(A)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図13のトランジスタ53、57、または図14のトランジスタ63、67aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Nチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのLレベルの電位に依存する電位がかかることで逆バイアスを印加することができ、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのHレベルの電位に依存する電位をかけることができる。
また、図16の(C)は、図15の(B)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図16の(C)に示すように、図15の(B)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。
また、図16の(D)は、図15の(B)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図16の(D)に示すように、図15の(B)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図13のトランジスタ53、57、または図14のトランジスタ63、67aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Nチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのLレベルの電位に依存する電位がかかることで逆バイアスを印加することができ、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのHレベルの電位に依存する電位をかけることができる。
また、図16の(E)は、図15の(C)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図16の(E)に示すように、図15の(C)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。
また、図16の(F)は、図15の(C)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図16の(F)に示すように、図15の(C)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。
ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図13のトランジスタ53、57、または図14のトランジスタ63、67aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Pチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのHレベルの電位に依存する電位がかかることで逆バイアスを印加することができ、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのLレベルの電位に依存する電位をかけることができる。
また、図16の(G)は、図15の(D)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Trを含めた回路である。図16の(G)に示すように、図15の(D)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Trのゲート電極を接続してもよい。
また、図16の(H)は、図15の(D)に示した回路に、逆バイアスを印加する対象となるトランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2を含めた回路である。図16の(H)に示すように、図15の(D)に示した回路における対象端子GATEに、トランジスタAC−Tr1およびAC−Tr2のゲート電極を接続してもよい。ここで、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、たとえば図13のトランジスタ53、57、または図14のトランジスタ63、67aのように、全体としてある機能を有する回路の一部であってもよく、本発明にかかる逆バイアスを印加する回路は、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のソース電極またはドレイン電極の接続先に依存しない。
また、トランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2は、Pチャネル型のトランジスタでもよい。こうすることで、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにHレベルを入力する期間においては信号端子SIGに入力される信号がトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2に入力され、バイアス端子BIASにHレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのHレベルの電位に依存する電位がかかることで逆バイアスを印加することができ、バイアス端子BIASにLレベル、選択端子BE−SWにLレベルを入力する期間においてはトランジスタAC−Tr、AC−Tr1、およびAC−Tr2のゲート電極にバイアス端子BIASのLレベルの電位に依存する電位をかけることができる。
なお、本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせて使用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、基板上に素子を作製し、本発明にかかるシフトレジスタ回路を構成する際の上面図および断面図について、図面を参照しながら説明する。図17は、トランジスタとしてトップゲート型トランジスタを用いた場合に、本発明にかかるシフトレジスタ回路として回路10を構成したときの上面図の例である。図17においては、説明のために、k段目の回路10とk+1段目の回路10のみを表しているが、本発明はこれに限定されず、回路10は何段で構成されていても良い。また、図17中のトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pは、図1の(B)におけるトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pに、それぞれ対応するとしてもよい。また、図1においては、回路10の外側に配置していた電極SRおよび出力端子Lを、図17においては、レイアウト面積の縮小のため、回路10の内部に配置している。なお、本実施の形態で参照する上面図において、破線で表現されている領域は、当該領域よりも上層に他の層が存在する領域を表す。
図17において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、配線層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合に、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力が増大することを抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssは、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2と反対側に設けられていてもよい。こうすることで、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
ここで、本実施の形態において、トランジスタの活性層領域とゲート電極領域が重なる領域をチャネル領域とも記す。また、トランジスタの活性層のうち、チャネル領域で分断された領域のうちの一方を、ソース電極またはドレイン電極の一方と記し、チャネル領域で分断された領域のうちの他方を、ソース電極またはドレイン電極の他方と記す。また、当該トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方または他方と、当該トランジスタのチャネル領域との境界線の接線方向をチャネル幅方向と記す。また、チャネル幅方向に対し垂直な方向をチャネル長方向と記す。たとえば、本実施の形態における一つのトランジスタにおいて、当該トランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方または他方と、当該トランジスタのチャネル領域との境界線が曲線である場合は、前記境界線上の各々の点において、そのチャネル幅方向およびチャネル長方向が異なることがある。
図17において、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね垂直であってもよい。こうすることで、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
また、トランジスタ13および16のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ13および16が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。また、トランジスタ15および17のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ15および17が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
また、容量素子14は、一方の電極である端子Pをゲート電極で形成し、他方の電極である出力端子Lに接続された電極を配線層で形成してもよい。また、トランジスタの極性がNチャネル型である場合は、出力端子Lと接続されている配線層と活性層を接続し、この活性層と配線層で端子Pが形成されているゲート電極をはさむことで容量素子14を形成してもよい。端子Pをゲート電極で形成すれば、端子Pが高電位となるときに出力端子Lと接続された活性層中にキャリアが発生するため、活性層とゲート電極で形成される容量素子14の容量値を増大させることができる。
次に、図17中の点Aと点A’を結んだ線における断面を、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた場合について、図18を参照して説明する。図18に示す構造は、基板100と、下地膜101と、活性層102と、絶縁膜103と、ゲート電極104および105と、層間膜106と、配線層108と、を備える。また、図18に示す構造は、配線層108と活性層102を接続するコンタクト107a、107b、および配線層108とゲート電極104を接続するコンタクト107cを備える。図18に示す構造について、順に説明する。
まず、基板100は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板またはプラスチック基板であってもよい。また、基板100の表面が平坦化されるように、CMP法などによって、研磨されていてもよい。
次に、基板100上に、下地膜101が形成されていてもよい。下地膜101は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の公知の方法により、窒化アルミニウム(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層で形成されていてもよい。なお、下地膜101が形成されていることで、基板100からの汚染物質などを遮断する効果がある。下地膜101が形成されていない場合は、製造プロセスが簡略化されるため、コストを低減することができる。
次に、基板100あるいは下地膜101の上に、活性層102が形成されていてもよい。ここで、活性層102は、ポリシリコン(p−Si)であってもよい。活性層102は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって選択的に所望の形状に形成されていてもよい。
次に、基板100、下地膜101あるいは活性層102の上に、絶縁膜103が形成されていてもよい。ここで、絶縁膜103は、酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)で形成されていてもよい。
次に、基板100、下地膜101、活性層102あるいは絶縁膜103の上に、ゲート電極104および105が形成されていてもよい。ここで、ゲート電極104および105は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状に形成され、また、異なる種類の金属で形成されていてもよい。こうすることで、フォトリソグラフィなどでゲート電極104および105をエッチングして加工を行なう場合に、ゲート電極104と105においてエッチング選択比が取れるようにエッチングを行なうことで、フォトマスクを追加することなく、ゲート電極104とゲート電極105の面積が異なるように形成することができる。こうすることで、活性層102に帯電粒子をドーピングして活性層102の導電率を制御する場合に、フォトマスクを追加することなく、活性層102にLDD領域を作製することができるので、高電界がかかりにくく、ホットキャリア劣化の少ないトランジスタを作製することができる。
次に、基板100、下地膜101、活性層102、絶縁膜103あるいはゲート電極104および105の上に、層間膜106が形成されていてもよい。ここで、層間膜106は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂等の絶縁材料で形成することができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成すると、その側面は曲率半径が連続的に変化する形状となり、上層の薄膜が段切れせずに形成されるため好ましい。また、層間膜106は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状に形成されていてもよい。ここで、層間膜106をエッチング加工するときに、一方で、コンタクト107cのように、ゲート電極104および105でエッチングが止まるようにし、他方で、コンタクト107aおよび107bのように、絶縁膜103も加工してもよい。こうすることで、配線層108を形成して、活性層102と、ゲート電極104および105を接続することができる。
基板100、下地膜101、活性層102、絶縁膜103、ゲート電極104および105、あるいは層間膜106の上に、配線層108が形成されていてもよい。ここで、配線層108を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせてもよい。また、配線層108は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状に形成されていてもよい。
次に、端子Pおよび出力端子Lの電位を固定するために電極SRの電位をHレベルに保持するために、トランジスタ13および17の形状を工夫した場合の回路10の上面図について、図19を参照して説明する。図19に示す回路10の上面図は、図17と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17および容量素子14を備え、接続も同様であるが、トランジスタ13および17のチャネル領域の面積が異なっている。このように、トランジスタ13および17のゲート電極の面積の平均を、回路10のトランジスタ12のゲート電極の面積よりも大きくすることで、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。
また、図19のように、電極SRの形状を直線状にすることを避けて、回路10内に屈曲させて形成してもよい。こうすることで、電極SRを引き回す長さを、k段目の回路10とk+1段目の回路10とのピッチより長くすることができ、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。
次に、出力端子Lがクロック信号線の電位変化の影響をできるだけ受けないようにするために、クロック信号線と出力端子Lのクロス容量をなくした場合の上面図について、図20を参照して説明する。図20に示す回路10の上面図は、図17および図19と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、端子P、電極SRおよび出力端子Lを備え、接続も同様であるが、第1のクロック信号線CLK1と、第2のクロック信号線CLK2と、トランジスタ11、12の配置が図17および図19とは異なっている。
図20において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、配線層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合でも、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力の増大を抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、同じ側に設けられ、かつ、第1のトランジスタ、第3のトランジスタ、第2のトランジスタ、第4のトランジスタに対し、出力端子Lのある側の反対側に設けられていてもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
また、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね平行であってもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けつつ、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
次に、トランジスタとしてボトムゲート型トランジスタを用い、かつ、活性層の所望の形状へ加工を、配線層をマスクとして行なう場合の本発明にかかるシフトレジスタ回路の上面図について、図21を参照して説明する。図21においては、説明のために、k段目の回路10とk+1段目の回路10のみを表しているが、本発明はこれに限定されず、回路10は何段で構成されていても良い。また、図21中のトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pは、図1の(B)におけるトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pに、それぞれ対応するとしてもよい。また、図1においては、回路10の外側に配置していた電極SRおよび出力端子Lを、図21においては、レイアウト面積の縮小のため、回路10の内部に配置している。なお、本実施の形態で参照する上面図において、破線で表現されている領域は、当該領域よりも上層に他の層が存在する領域を表す。
次に、図21中の点aと点a’および点bと点b’を結んだ線における断面を、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた場合について、図22の(A)および(B)を参照して説明する。図22の(A)および(B)に示す構造は、基板110と、下地膜111と、第1配線層112と、絶縁膜113と、活性層114および115と、第2配線層116と、層間膜117と、第3配線層119とを備える。また、図22の(A)および(B)に示す構造は、第3配線層119と第2配線層116を接続するコンタクト118aおよび第3配線層119と第1配線層112を接続するコンタクト118bを備える。
図22の(A)および(B)に示す構造について、順に説明する。
まず、基板110は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板またはプラスチック基板であってもよい。また、基板110の表面が平坦化されるように、CMP法などによって、研磨されていてもよい。
次に、基板110上に、下地膜111が形成されていてもよい。下地膜111は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の公知の方法により、窒化アルミニウム(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層で形成されていてもよい。なお、下地膜111が形成されていることで、基板110からの汚染物質などを遮断する効果がある。下地膜111が形成されていない場合は、製造プロセスが簡略化されるため、コストを低減することができる。
次に、基板110あるいは下地膜111の上に、第1配線層112が形成されていてもよい。ここで、第1配線層112は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
次に、基板110、下地膜111あるいは第1配線層112の上に、絶縁膜113が形成されていてもよい。ここで、絶縁膜113は、酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)で形成されていてもよい。
次に、基板110、下地膜111、第1配線層112あるいは絶縁膜113の上に、活性層114および115が形成されていてもよい。ここで、活性層114および115は、アモルファスシリコン(a−Si)であってもよく、また、活性層114および115は同一成膜装置内で連続成膜されていてもよく、また、活性層115は114に比べて、導電率が大きくなっていてもよい。なお、チャネル領域、すなわち、活性層114が絶縁膜113と接している面の近傍の領域が、他の活性層114の領域よりも密に構成されていてもよい。こうすることで、トランジスタの劣化を抑えつつ、活性層114の成膜速度を速めることができ、スループットが向上する。
次に、基板110、下地膜111、第1配線層112、絶縁膜113、あるいは活性層114および115の上に、第2配線層116が形成されていてもよい。ここで、第2配線層116を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせてもよい。また、第2配線層116は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
次に、基板110、下地膜111、第1配線層112、絶縁膜113、活性層114および115、あるいは第2配線層116の上に、層間膜117が形成されていてもよい。ここで、層間膜117は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂等の絶縁材料で形成することができる。アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成すると、その側面は曲率半径が連続的に変化する形状となり、上層の薄膜が段切れせずに形成されるため好ましい。また、層間膜117は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。ここで、層間膜117を加工するときに、一方で、コンタクト118aのように、第2配線層116でエッチングが止まるようにし、他方で、コンタクト118bのように、絶縁膜113も加工してもよい。こうすることで、第3配線層119を形成して、第2配線層116と、第1配線層112を接続することができる。
次に、基板110、下地膜111、第1配線層112、絶縁膜113、活性層114および115、第2配線層116、あるいは層間膜117の上に、第3配線層119が形成されていてもよい。ここで、第3配線層119を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせてもよい。また、第3配線層119は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
なお、図22において、Ctft17は、トランジスタ17の寄生容量素子、Cclk1は出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1との寄生容量素子、Cclk2は出力端子Lと第2のクロック信号線CLK2との寄生容量素子を、それぞれ表している。図22中のxは、寄生容量素子Ctft17において、上方に活性層が存在する第1配線層の幅を表している。また、yは、寄生容量素子Cclk1およびCclk2において、第1配線層の上端と第2配線層の下端との距離を表している。
ここで、図21において、活性層は第2配線層をマスクとして形成されているため、第2配線層に準じた形状に形成される。このとき、活性層は、第2配線層の周囲を囲む形状に形成されていてもよい。こうすることで、第2配線層を乗り越える第3配線層のカバレッジを向上させ、第3配線層の断線を防止することができる。なぜならば、たとえば、活性層の周囲の形状と第2配線層の周囲の形状が同じか概ね同じであった場合、あるいは、活性層の周囲を第2配線層が囲む形状であった場合、第2配線層の上の層間膜のテーパー角が、活性層が第2配線層の周囲を囲む形状に形成されている場合に比べて、急峻になるからである。
また、図21において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、配線層および活性層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合に、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力が増大することを抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssは、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2と反対側に設けられていてもよい。こうすることで、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
図21において、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね垂直であってもよい。こうすることで、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。また、トランジスタ13および16のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ13および16が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
また、トランジスタ15および17のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ15および17が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。また、容量素子14は、一方の電極である端子Pをゲート電極で形成し、他方の電極である出力端子Lに接続された電極を配線層で形成してもよい。
次に、端子Pおよび出力端子Lの電位を固定するために電極SRの電位をHレベルに保持するために、トランジスタ13および17の形状を工夫した場合の回路10の上面図について、図23を参照して説明する。図23に示す回路10の上面図は、図21と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、端子P、電極SRおよび出力端子Lを備え、接続も同様であるが、トランジスタ13および17の第1配線層の形状が異なっている。このように、トランジスタ13および17の第1配線層の面積の平均を、回路10のトランジスタ12の第1配線層の面積よりも大きくすることで、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。
また、図23のように、電極SRの形状を直線状にすることを避けて、回路10内に屈曲させて形成してもよい。こうすることで、電極SRを引き回す長さを、k段目の回路10とk+1段目の回路10とのピッチより長くすることができ、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。また、図23に示す回路10の上面図は、図21と比較して、出力端子Lとクロック信号線が交差する領域の構造が異なっている。図23に示す回路10では、出力端子Lとクロック信号線が交差する領域において、出力端子Lは第3配線層で形成され、クロック信号線は第2配線層および活性層で形成されている。
次に、図23中の点aと点a’および点bと点b’を結んだ線における断面を、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた場合について、図24の(A)および(B)を参照して説明する。図24の(A)および(B)に示す構造は、図22の(A)および(B)に示す構造と同様に、基板110と、下地膜111と、第1配線層112と、絶縁膜113と、活性層114および115と、第2配線層116と、層間膜117と、第3配線層119とを備える。また、図24の(A)および(B)に示す構造は、第3配線層119と第2配線層116を接続するコンタクト118aおよび第3配線層119と第1配線層112を接続するコンタクト118bを備える。
なお、図24において、Ctft17は、トランジスタ17の寄生容量素子、Cclk1は出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1との寄生容量素子、Cclk2は出力端子Lと第2のクロック信号線CLK2との寄生容量素子を、それぞれ表している。図24中のxは、寄生容量素子Ctft17において、上方に活性層が存在する第1配線層の幅を表している。また、yは、寄生容量素子Cclk1およびCclk2において、第1配線層の上端と第2配線層の下端との距離を表している。
ここで、寄生容量素子Ctft17の容量値は、xが大きいほど大きくなる。また、寄生容量素子Cclk1およびCclk2の容量値は、yが大きいほど小さくなる。図24の(A)ように、xを大きくすることで寄生容量素子Ctft17の容量値を大きくすれば、電極SRに付随する寄生容量値を大きくすることができるので、電極SRの電位をHレベルに十分に保持することができる。また、図24の(B)ように、yを大きくすることで寄生容量素子Cclk1およびCclk2の容量値を小さくすれば、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2の電位変動が、寄生容量素子Cclk1およびCclk2を介して、出力端子Lの電位を変動させてしまうことを低減することができる。なお、このとき、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2を、第1の配線層で形成してもよい。
次に、出力端子Lがクロック信号線の電位変化の影響をできるだけ受けないようにするために、クロック信号線と出力端子Lのクロス容量をなくした場合の上面図について、図25を参照して説明する。図25に示す回路10の上面図は、図21および図23と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、端子P、電極SRおよび出力端子Lを備え、接続も同様であるが、第1のクロック信号線CLK1と、第2のクロック信号線CLK2と、トランジスタ11、12の配置が図21および図23とは異なっている。
図25において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、第2配線層および活性層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合でも、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力の増大を抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、同じ側に設けられ、かつ、第1のトランジスタ、第3のトランジスタ、第2のトランジスタ、第4のトランジスタに対し、出力端子Lのある側の反対側に設けられていてもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
また、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね平行であってもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けつつ、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
次に、トランジスタとしてボトムゲート型トランジスタを用い、かつ、活性層と配線層の所望の形状へ加工をそれぞれ個別に行なう場合の本発明にかかるシフトレジスタ回路の上面図について、図26を参照して説明する。図26においては、説明のために、k段目の回路10とk+1段目の回路10のみを表しているが、本発明はこれに限定されず、回路10は何段で構成されていても良い。また、図26中のトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pは、図1の(B)におけるトランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、および端子Pに、それぞれ対応するとしてもよい。また、図1においては、回路10の外側に配置していた電極SRおよび出力端子Lを、図26においては、レイアウト面積の縮小のため、回路10の内部に配置している。なお、本実施の形態で参照する上面図において、破線で表現されている領域は、当該領域よりも上層に他の層が存在する領域を表す。
次に、図26中の点aと点a’および点bと点b’を結んだ線における断面を、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた場合について、図27の(A)および(B)を参照して説明する。図27の(A)および(B)に示す構造は、基板120と、下地膜121と、第1配線層122と、絶縁膜123と、活性層124および125と、第2配線層126と、層間膜127と、第3配線層129とを備える。また、図27の(A)および(B)に示す構造は、第3配線層129と第2配線層126を接続するコンタクト128aおよび第3配線層129と第1配線層122を接続するコンタクト128bを備える。図27の(A)および(B)に示す構造について、順に説明する。
まず、基板120は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板またはプラスチック基板であってもよい。また、基板120の表面が平坦化されるように、CMP法などによって、研磨されていてもよい。
次に、基板120上に、下地膜121が形成されていてもよい。下地膜121は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の公知の方法により、窒化アルミニウム(AlN)や酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)などの単層やこれらの積層で形成されていてもよい。なお、下地膜121が形成されていることで、基板120からの汚染物質などを遮断する効果がある。下地膜121が形成されていない場合は、製造プロセスが簡略化されるため、コストを低減することができる。
次に、基板120あるいは下地膜121の上に、第1配線層122が形成されていてもよい。ここで、第1配線層122は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
次に、基板120、下地膜121あるいは第1配線層122の上に、絶縁膜123が形成されていてもよい。ここで、絶縁膜123は、酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiOxNy)で形成されていてもよい。
次に、基板120、下地膜121、第1配線層122あるいは絶縁膜123の上に、活性層124および125が形成されていてもよい。ここで、活性層124および125は、アモルファスシリコン(a−Si)であってもよく、また、活性層124および125は同一成膜装置内で連続成膜されていてもよく、また、活性層125は124に比べて、導電率が大きくなっていてもよい。なお、チャネル領域、すなわち、活性層124が絶縁膜123と接している面の近傍の領域が、他の活性層124の領域よりも密に構成されていてもよい。こうすることで、トランジスタの劣化を抑えつつ、活性層124の成膜速度を速めることができ、スループットが向上する。
次に、基板120、下地膜121、第1配線層122、絶縁膜123、あるいは活性層124および125の上に、第2配線層126が形成されていてもよい。ここで、第2配線層126を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせてもよい。また、第2配線層126は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
次に、基板120、下地膜121、第1配線層122、絶縁膜123、活性層124および125、あるいは第2配線層126の上に、層間膜127が形成されていてもよい。ここで、層間膜127は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂などの絶縁材料で形成することができる。アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成すると、その側面は曲率半径が連続的に変化する形状となり、上層の薄膜が段切れせずに形成されるため好ましい。また、層間膜127は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。ここで、層間膜127を加工するときに、一方で、コンタクト128aのように、第2配線層126でエッチングが止まるようにし、他方で、コンタクト128bのように、絶縁膜123も加工してもよい。こうすることで、第3配線層129を形成して、第2配線層126と、第1配線層122を接続することができる。
次に、基板120、下地膜121、第1配線層122、絶縁膜123、活性層124および125、第2配線層126、あるいは層間膜127の上に、第3配線層129が形成されていてもよい。ここで、第3配線層129を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせてもよい。また、第3配線層129は、フォトリソグラフィや液滴吐出法、印刷法などによって所望の形状へ加工されていてもよい。
なお、図27において、Ctft17は、トランジスタ17の寄生容量素子、Cclk1は出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1との寄生容量素子、Cclk2は出力端子Lと第2のクロック信号線CLK2との寄生容量素子を、それぞれ表している。図27中のxは、寄生容量素子Ctft17において、上方に活性層が存在する第1配線層の幅を表している。また、yは、寄生容量素子Cclk1およびCclk2において、第1配線層の上端と第2配線層の下端との距離を表している。ここで、yを大きくするために、点bと点b’を結んだ線上における出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差している領域に、活性層124および125を形成してもよい。
図26において、活性層と第2配線層はそれぞれ個別のマスクによって形成されているため、トランジスタ部分以外の第2配線層に活性層が形成される領域はなくてもよい。また、図26の出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差している領域のように、トランジスタ部分以外の第2配線層に活性層が形成されていてもよい。
また、図26において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、配線層および活性層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合に、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力が増大することを抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssは、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2と反対側に設けられていてもよい。こうすることで、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
図26において、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね垂直であってもよい。こうすることで、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
また、トランジスタ13および16のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ13および16が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。また、トランジスタ15および17のチャネル長方向は概ね平行であってもよく、また、それぞれのソース電極またはドレイン電極の一方を共通としてもよい。こうすることで、トランジスタ15および17が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。また、容量素子14は、一方の電極である端子Pをゲート電極で形成し、他方の電極である出力端子Lに接続された電極を配線層で形成してもよい。
次に、端子Pおよび出力端子Lの電位を固定するために電極SRの電位をHレベルに保持するために、トランジスタ13および17の形状を工夫した場合の回路10の上面図について、図28を参照して説明する。図28に示す回路10の上面図は、図26と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、端子P、電極SRおよび出力端子Lを備え、接続も同様であるが、トランジスタ13および17の第1配線層の形状が異なっている。このように、トランジスタ13および17の第1配線層の面積の平均を、回路10のトランジスタ12の第1配線層の面積よりも大きくすることで、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。
また、図28のように、電極SRの形状を直線状にすることを避けて、回路10内に屈曲させて形成してもよい。こうすることで、電極SRを引き回す長さを、k段目の回路10とk+1段目の回路10とのピッチより長くすることができ、電極SRに付随する寄生容量の値を大きくすることができるので、電極SRの電位をリセット動作後にもHレベルで保持することができるため、好ましい。
また、図28に示す回路10の上面図は、図26と比較して、出力端子Lとクロック信号線が交差する領域の構造が異なっている。図28に示す回路10では、出力端子Lとクロック信号線が交差する領域において、出力端子Lは第3配線層で形成され、クロック信号線は第2配線層で形成されている。
次に、図28中の点aと点a’および点bと点b’を結んだ線における断面を、トランジスタとして薄膜トランジスタを用いた場合について、図29の(A)および(B)を参照して説明する。図29の(A)および(B)に示す構造は、図27の(A)および(B)に示す構造と同様に、基板120と、下地膜121と、第1配線層122と、絶縁膜123と、活性層124および125と、第2配線層126と、層間膜127と、第3配線層129とを備える。また、図29の(A)および(B)に示す構造は、第3配線層129と第2配線層126を接続するコンタクト128aおよび第3配線層129と第1配線層122を接続するコンタクト128bを備える。
なお、図29において、Ctft17は、トランジスタ17の寄生容量素子、Cclk1は出力端子Lと第1のクロック信号線CLK1との寄生容量素子、Cclk2は出力端子Lと第2のクロック信号線CLK2との寄生容量素子を、それぞれ表している。図29中のxは、寄生容量素子Ctft17において、上方に活性層または第2配線層が存在する第1配線層の幅を表している。また、yは、寄生容量素子Cclk1およびCclk2において、第1配線層の上端と第2配線層の下端との距離を表している。
ここで、寄生容量素子Ctft17の容量値は、xが大きいほど大きくなる。また、寄生容量素子Cclk1およびCclk2の容量値は、yが大きいほど小さくなる。図29の(A)ように、xを大きくすることで寄生容量素子Ctft17の容量値を大きくすれば、電極SRに付随する寄生容量値を大きくすることができるので、電極SRの電位をHレベルに十分に保持することができる。また、図29の(B)ように、yを大きくすることで寄生容量素子Cclk1およびCclk2の容量値を小さくすれば、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2の電位変動が、寄生容量素子Cclk1およびCclk2を介して、出力端子Lの電位を変動させてしまうことを低減することができる。なお、このとき、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2の下方に、活性層および第1の配線層は形成されていなくてもよい。また、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2を、第1の配線層で形成してもよい。
次に、出力端子Lがクロック信号線の電位変化の影響をできるだけ受けないようにするために、クロック信号線と出力端子Lのクロス容量をなくした場合の上面図について、図30を参照して説明する。図30に示す回路10の上面図は、図26および図28と同様に、トランジスタ11、12、13、15、16、17、容量素子14、端子P、電極SRおよび出力端子Lを備え、接続も同様であるが、第1のクロック信号線CLK1と、第2のクロック信号線CLK2と、トランジスタ11、12の配置が図26および図28とは異なっている。
図30において、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1、第2のクロック信号線CLK2は、第2配線層で構成され、回路10の延設方向に対し、概ね平行に設けられていてもよい。こうすることで、回路10を複数延設した場合でも、配線の引き回し距離が伸びることで配線抵抗が大きくなり、電源線における電圧降下による誤動作や消費電力の増大を抑えることができる。また、信号線における信号波形のなまり等による誤動作の発生、及び正常に動作する電圧範囲の縮小などを抑えることができる。
また、電源線Vss、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、回路10を構成する素子の外側に設けられてもよい。また、電源線Vssと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2は、同じ側に設けられ、かつ、第1のトランジスタ、第3のトランジスタ、第2のトランジスタ、第4のトランジスタに対し、出力端子Lのある側の反対側に設けられていてもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けることができるため、電源線にクロック信号線のノイズが乗ることを防ぐことができ、誤動作しにくくなる。
また、トランジスタ11のチャネル長方向と、トランジスタ12のチャネル長方向は、概ね平行であってもよい。こうすることで、出力端子Lと、第1のクロック信号線CLK1および第2のクロック信号線CLK2が交差する領域が生じることを避けつつ、トランジスタ11および12が基板上に占める面積を小さくすることができ、回路規模を縮小することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、実施の形態1乃至4で述べた、本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示パネル、および本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示パネルを用いた表示装置の全体の構成例について説明する。なお、本明細書中においては、表示パネルとは、静止画像または動画像を表示するために、ガラス基板、プラスチック基板、石英基板、シリコン基板などの基板上に、画素をアレイ状に作り込んだ領域(画素領域とも記す)を有する装置のことを表す。また、表示装置とは、外部から入力された電気信号を、前記画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号に変換する回路や、前記データ信号を時分割して前記画素に書き込むための駆動回路等を含み、前記表示パネルに映像を表示するためにシステム化された装置のことを表す。また、前記表示装置には、前記データ信号を加工して表示パネルに表示する映像を最適化するための回路等を含んでいてもよい。
本発明にかかるシフトレジスタ回路は、表示装置を構成する駆動回路の一部として用いてもよい。また、本発明にかかるシフトレジスタ回路を表示装置に実装する方法は、生産性や製造コスト、信頼性などを考慮し、様々な方法を用いることができる。ここでは、図31を参照して、本発明にかかるシフトレジスタ回路を表示装置に実装する方法の例について説明する。
図31の(A)は、画素領域と同一基板上に、周辺駆動回路であるデータ線ドライバと走査線ドライバを一体形成した場合の表示パネルを表している。図31の(A)に示す表示パネル200aは、画素領域201aと、データ線ドライバ202aと、走査線ドライバ203aと、接続配線基板204aと、を有する。
画素領域201aは、画素がアレイ状に配列された領域であり、画素アレイの状態としては、ストライプ型、またはデルタ型でもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を画素に書き込むための配線であるデータ信号線を有していてもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線を有していてもよい。
データ線ドライバ202aは、画素領域201aに表示する画像に従って、データ信号線の電気的状態を制御する回路である。データ線ドライバ202aは、複数のデータ信号線を時間的に分割して制御するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
走査線ドライバ203aは、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線の電気的状態を制御する回路である。走査線ドライバ203aは、複数の走査線を順に走査して、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を順番に選択し、データ信号を画素に書き込むことで画素領域201aに映像を表示するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
接続配線基板204aは、表示パネル200aと、表示パネル200aを駆動する外部回路とを接続する配線が形成された基板であり、接続配線基板204aをポリイミド等の可堯性を有する基板で形成することで、表示パネル200aを、可動部を有する筐体内に実装することが容易になる。また、表示パネル200aを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204aが可堯性を有していれば、接続配線基板204aにかかる衝撃が吸収されるため、接続部205aが剥離し断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(A)に示す表示パネル200aは、データ線ドライバ202aと走査線ドライバ203aを、画素領域201aと同一基板上に一体形成することによって製造コストが小さくでき、また、接続点数が少ないことによって、耐衝撃性を大きくすることができる。
図31の(B)は、画素領域と同一基板上に、周辺駆動回路である走査線ドライバを一体形成し、データ線ドライバは単結晶基板上に作製したICを基板上に配置して接続(COGとも記す)した場合の表示パネルを表している。図31の(B)に示す表示パネル200bは、画素領域201bと、データ線ドライバ202bと、走査線ドライバ203bと、接続配線基板204bとを有する。
画素領域201bは、画素がアレイ状に配列された領域であり、画素アレイの状態としては、ストライプ型、またはデルタ型でもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を画素に書き込むための配線であるデータ信号線を有していてもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線を有していてもよい。
データ線ドライバ202bは、画素領域201bに表示する画像に従って、データ信号線の電気的状態を制御する回路である。データ線ドライバ202bは、複数のデータ信号線を時間的に分割して制御するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
走査線ドライバ203bは、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線の電気的状態を制御する回路である。走査線ドライバ203bは、複数の走査線を順に走査して、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を順番に選択し、データ信号を画素に書き込むことで画素領域201bに映像を表示するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
接続配線基板204bは、表示パネル200bと、表示パネル200bを駆動する外部回路とを接続する配線が形成された基板であり、接続配線基板204bをポリイミド等の可堯性を有する基板で形成することで、表示パネル200bを、可動部を有する筐体内に実装することが容易になる。また、表示パネル200bを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204bが可堯性を有していれば、接続配線基板204bにかかる衝撃が吸収されるため、接続部205bが剥離し断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(B)に示す表示パネル200bは、走査線ドライバ203bを、画素領域201bと同一基板上に一体形成することによって製造コストが小さくでき、また、接続点数が少ないことによって、耐衝撃性を大きくすることができる。また、データ線ドライバ202bを単結晶基板で作製したICで実装しているため、トランジスタの電気的特性のばらつきを非常に小さく製造でき、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、動作電圧が小さくできるため、消費電力を小さくすることができる。
図31の(C)は、画素領域と同一基板上に、周辺駆動回路であるデータ線ドライバおよび走査線ドライバを単結晶基板上にICとして作製し、COGとした場合の表示パネルを表している。図31の(C)に示す表示パネル200cは、画素領域201cと、データ線ドライバ202cと、走査線ドライバ203cと、接続配線基板204cとを有する。
画素領域201cは、画素がアレイ状に配列された領域であり、画素アレイの状態としては、ストライプ型、またはデルタ型でもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を画素に書き込むための配線であるデータ信号線を有していてもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線を有していてもよい。
データ線ドライバ202cは、画素領域201cに表示する画像に従って、データ信号線の電気的状態を制御する回路である。データ線ドライバ202cは、複数のデータ信号線を時間的に分割して制御するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
走査線ドライバ203cは、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線の電気的状態を制御する回路である。走査線ドライバ203cは、複数の走査線を順に走査して、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を順番に選択し、データ信号を画素に書き込むことで画素領域201cに映像を表示するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
接続配線基板204cは、表示パネル200cと、表示パネル200cを駆動する外部回路とを接続する配線が形成された基板であり、接続配線基板204cをポリイミド等の可堯性を有する基板で形成することで、表示パネル200cを、可動部を有する筐体内に実装することが容易になる。また、表示パネル200cを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204cが可堯性を有していれば、接続配線基板204cにかかる衝撃が吸収されるため、接続部205cが剥離し断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(C)に示す表示パネル200cは、データ線ドライバ202cと走査線ドライバ203cを、単結晶基板で作製したICで実装しているため、トランジスタの電気的特性のばらつきを非常に小さく製造でき、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、動作電圧が小さくできるため、消費電力を小さくすることができる。
図31の(D)は、画素領域と同一フレキシブル基板上に、周辺駆動回路である走査線ドライバを一体形成し、データ線ドライバは単結晶基板上に作製したICをフレキシブル基板上に配置して接続(TABとも記す)した場合の表示パネルを表している。図31の(D)に示す表示パネル200dは、画素領域201dと、データ線ドライバ202dと、走査線ドライバ203dと、接続配線基板204dとを有する。
画素領域201dは、画素がアレイ状に配列された領域であり、画素アレイの状態としては、ストライプ型、またはデルタ型でもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を画素に書き込むための配線であるデータ信号線を有していてもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線を有していてもよい。
データ線ドライバ202dは、画素領域201dに表示する画像に従って、データ信号線の電気的状態を制御する回路である。データ線ドライバ202dは、複数のデータ信号線を時間的に分割して制御するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
走査線ドライバ203dは、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線の電気的状態を制御する回路である。走査線ドライバ203dは、複数の走査線を順に走査して、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を順番に選択し、データ信号を画素に書き込むことで画素領域201dに映像を表示するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
接続配線基板204dは、表示パネル200dと、表示パネル200dを駆動する外部回路とを接続する配線が形成された基板であり、接続配線基板204dをポリイミド等の可堯性を有する基板で形成することで、表示パネル200dを、可動部を有する筐体内に実装することが容易になる。また、表示パネル200dを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204dが可堯性を有していれば、接続配線基板204dにかかる衝撃が吸収されるため、接続部205dが剥離し断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(D)に示す表示パネル200dは、走査線ドライバ203dを、画素領域201dと同一基板上に一体形成することによって製造コストが小さくでき、また、接続点数が少ないことによって、耐衝撃性を大きくすることができる。また、データ線ドライバ202dを単結晶基板で作製したICで実装しているため、トランジスタの電気的特性のばらつきを非常に小さく製造でき、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、動作電圧が小さくできるため、消費電力を小さくすることができる。また、データ線ドライバ202dを接続配線基板204d上に接続しているため、表示パネル200dの画素領域201d以外の領域(額縁とも記す)を小さくすることができ、表示装置の付加価値を高くすることができる。また、接続配線基板204dが可堯性を有していれば、表示パネル200dを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204dにかかる衝撃が吸収されるため、データ線ドライバ202dが接続配線基板204dから剥離し、断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(E)は、画素領域と同一基板上に、周辺駆動回路であるデータ線ドライバおよび走査線ドライバを単結晶基板上にICとして作製し、TABとした場合の表示パネルを表している。図31の(E)に示す表示パネル200eは、画素領域201eと、データ線ドライバ202eと、走査線ドライバ203eと、接続配線基板204eとを有する。
画素領域201eは、画素がアレイ状に配列された領域であり、画素アレイの状態としては、ストライプ型、またはデルタ型でもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を画素に書き込むための配線であるデータ信号線を有していてもよい。また、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線を有していてもよい。
データ線ドライバ202eは、画素領域201eに表示する画像に従って、データ信号線の電気的状態を制御する回路である。データ線ドライバ202eは、複数のデータ信号線を時間的に分割して制御するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
走査線ドライバ203eは、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を選択するための配線である走査線の電気的状態を制御する回路である。走査線ドライバ203eは、複数の走査線を順に走査して、画素の光学的状態を個別に制御するデータ信号を書き込む画素列を順番に選択し、データ信号を画素に書き込むことで画素領域201eに映像を表示するために、本発明にかかるシフトレジスタ回路を有していてもよい。
接続配線基板204eは、表示パネル200eと、表示パネル200eを駆動する外部回路とを接続する配線が形成された基板であり、接続配線基板204eをポリイミド等の可堯性を有する基板で形成することで、表示パネル200eを、可動部を有する筐体内に実装することが容易になる。また、表示パネル200eを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204eが可堯性を有していれば、接続配線基板204eにかかる衝撃が吸収されるため、接続部205eが剥離し断線してしまう危険性を少なくすることができる。
図31の(E)に示す表示パネル200eは、データ線ドライバ202eと走査線ドライバ203eを、単結晶基板で作製したICで実装しているため、トランジスタの電気的特性のばらつきを非常に小さく製造でき、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、動作電圧が小さくできるため、消費電力を小さくすることができる。また、データ線ドライバ202eを接続配線基板204e上に接続しているため、表示パネル200eの額縁を小さくすることができ、表示装置の付加価値を高くすることができる。また、接続配線基板204eが可堯性を有していれば、表示パネル200eを有する筐体が強い衝撃を受けたとき、接続配線基板204eにかかる衝撃が吸収されるため、データ線ドライバ202eおよび走査線ドライバ203eが接続配線基板204eから剥離し、断線してしまう危険性を少なくすることができる。
このように、本発明におけるトランジスタは、どのようなタイプのトランジスタでもよいし、どのような基板上に形成されていてもよい。したがって、本発明にかかるシフトレジスタ回路が、全てガラス基板上に形成されていてもよいし、プラスチック基板に形成されていてもよいし、単結晶基板に形成されていてもよいし、SOI基板上に形成されていてもよいし、どのような基板上に形成されていてもよい。あるいは、本発明にかかるシフトレジスタ回路の一部が、ある基板に形成されており、本発明にかかるシフトレジスタ回路の別の一部が、別の基板に形成されていてもよい。つまり、本発明にかかるシフトレジスタ回路の全てが同じ基板上に形成されていなくてもよい。
次に、図32を参照して、本発明にかかるシフトレジスタ回路を含む表示装置の構成例を示す。図32に示す表示装置220は、図31で示した表示パネル200と、外部駆動回路221と、接続配線基板204とを備える。
表示パネル200は、画素領域201と、データ線ドライバ202と、走査線ドライバ203とを含む。表示パネル200については前述したので、ここでは詳しくは説明しないが、もちろん、図32に示す表示装置220においても、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203の実装方法は様々なものが適用可能である。
外部駆動回路221は、制御回路210と、映像データ変換回路211と、電源回路212と、を含む。また、電源回路212は、制御・映像データ変換回路用電源CV、ドライバ用電源DV、画素回路用電源PVを備えていてもよい。なお、画素回路用電源PVは、画素領域201の構成によっては、電源回路212内に備えていなくてもよい。
接続配線基板204は、表示パネル200とは接続部205によって電気的に接続され、外部駆動回路221とはコネクタ213によって電気的に接続されていてもよい。
また、画素領域201の大きな表示パネルに対応するため、図33に示すように、一つの表示パネル200および画素領域201に対し、複数のデータ線ドライバ202(202−1、202−2、202−3、202−4)、複数の走査線ドライバ203(203−1、203−2、203−3、203−4)、複数の接続配線基板204(204−1、204−2、204−3、204−4、204−5、204−6、204−7、204−8)を用いてもよい。ここで、図33では、例としてデータ線ドライバ202および走査線ドライバ203の数が4つであるときを示したが、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203の数はこれに限定されず、いくつでもよい。データ線ドライバ202および走査線ドライバ203の数が少なければ、ICの数および接続点数が減少するので、信頼性が向上し、製造コストも低減できる。また、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203の数が大きければ、それぞれのドライバに要求される性能が低くなるので、歩留まりの向上が実現できる。
なお、接続配線基板204の数は、二つ以上、かつ、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203の分割数以下であるのが好ましい。ドライバの分割数より接続配線基板204の数を大きくすると、接点数の増加により、接点の剥離による不良を引き起こす原因となる。
図32において、制御回路210は、映像データ変換回路211、電源回路212と接続される。また、制御回路210は、コネクタ213、接続配線基板204、接続部205を介してデータ線ドライバ202および走査線ドライバ203と接続される。また、映像データ変換回路211は、映像データを入力する入力端子と接続される。また、映像データ変換回路211は、コネクタ213、接続配線基板204、接続部205を介してデータ線ドライバ202と接続される。
また、電源回路212は、各回路の電源を供給し、電源回路212内の制御・映像データ変換回路用電源CVは、制御回路210および映像データ変換回路211と接続され、ドライバ用電源DVは、コネクタ213、接続配線基板204、接続部205を介してデータ線ドライバ202および走査線ドライバ203と接続され、画素回路用電源PVは、コネクタ213、接続配線基板204、接続部205を介して画素領域201と接続される。
制御回路210および映像データ変換回路211は、主にロジック動作を行うため、制御・映像データ変換回路用電源CVが供給する電圧はできるだけ低くするのが好適であり、3V程度が望ましい。また、消費電力の低減のため、ドライバ用電源DVが供給する電圧はできるだけ低くするのが好適であり、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203に単結晶基板のICを用いる場合は、3V程度が望ましい。また、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203を表示パネル200と一体形成する場合は、トランジスタの閾値電圧の2〜3倍程度の振幅の電圧を供給するのが望ましい。こうすることで、消費電力の増加を抑えつつ、確実に回路を動作させることができる。
制御回路210は、データ線ドライバ202、走査線ドライバ203に対して、クロックを生成して供給する動作、タイミングパルスを生成して供給する動作、などを行なう構成としてもよい。また、映像データ変換回路211に対しては、クロックを生成して供給する動作、変換された映像データをデータ線ドライバ202に出力するタイミングパルスを生成して供給する動作、などを行う構成としてもよい。電源回路212に対しては、例えば、映像データ変換回路211、データ線ドライバ202および走査線ドライバ203が動作する必要のないときに、それぞれの回路に電圧を供給することを停止することで、消費電力の低減を行なう動作をする構成としてもよい。
映像データが映像データ変換回路211に入力されると、映像データ変換回路211は制御回路210から供給されるタイミングに従って映像データをデータ線ドライバ202に入力できるデータに変換し、データ線ドライバ202に出力する。具体的には、アナログ信号で入力された映像データを映像データ変換回路211でA/D変換し、デジタル信号の映像データをデータ線ドライバ202に出力する構成でもよい。
データ線ドライバ202は、制御回路210から供給されるクロック信号およびタイミングパルスに従い、本発明にかかるシフトレジスタ回路を動作させ、データ線ドライバ202に入力される映像データを時分割して取り込み、取り込まれたデータにしたがって、アナログ値のデータ電圧またはデータ電流を複数のデータ線に出力する構成でも良い。データ線に出力されるデータ電圧またはデータ電流の更新は、制御回路210から供給されるラッチパルスによって行なわれてもよい。また、本発明にかかるシフトレジスタ回路をリセット動作させるため、リセット動作のための信号を入力してもよい。また、本発明にかかるシフトレジスタ回路に含まれるトランジスタに逆バイアスを印加するために、逆バイアスを印加するための信号を入力してもよい。
データ線に出力されるデータ電圧またはデータ電流の更新に合わせて、走査線ドライバ203は、制御回路210から供給されたクロック信号およびタイミングパルスに従って本発明にかかるシフトレジスタ回路を動作させ、走査線を順に走査する。このとき、本発明にかかるシフトレジスタ回路をリセット動作させるため、リセット動作のための信号を入力してもよい。また、本発明にかかるシフトレジスタ回路に含まれるトランジスタに逆バイアスを印加するために、逆バイアスを印加するための信号を入力してもよい。
なお、図32および図33においては、走査線ドライバ203を片側に配置した例を示しているが、走査線ドライバは片側ではなく両側に配置してもよい。両側に配置すれば、表示装置を電子機器に実装するとき、左右のバランスがよくなり、配置の自由度が高まる利点がある。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いて実現することのできる電子機器について、図34を参照して説明する。
本発明は様々な電子機器に適用することができる。具体的には電子機器の表示装置に適用することができる。そのような電子機器として、ビデオカメラ、及びデジタルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。
図34(A)はテレビ受像機であり、筐体3001、支持台3002、表示部3003、スピーカー部3004、ビデオ入力端子3005等を含む。本発明の表示装置を表示部3003に用いることができる。例えば、テレビ受像機用の表示部には大型のものが求められるため、図33で示したような表示装置が好ましい。なお、表示装置は、パーソナルコンピュータ用、テレビジョン放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用発光装置が含まれる。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3003に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高い電子機器を得ることができる。
図34(B)はデジタルカメラであり、本体3101、表示部3102、受像部3103、操作キー3104、外部接続ポート3105、シャッター3106等を含む。
本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3102に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高いデジタルカメラを得ることができる。
図34(C)はコンピュータであり、本体3201、筐体3202、表示部3203、キーボード3204、外部接続ポート3205、ポインティングマウス3206等を含む。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3203に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高いコンピュータを得ることができる。
図34(D)はモバイルコンピュータであり、本体3301、表示部3302、スイッチ3303、操作キー3304、赤外線ポート3305等を含む。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3302に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高いモバイルコンピュータを得ることができる。
図34(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体3401、筐体3402、表示部A3403、表示部B3404、記録媒体(DVD等)読み込み部3405、操作キー3406、スピーカー部3407等を含む。表示部A3403は主として画像情報を表示し、表示部B3404は主として文字情報を表示することができる。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部A3403や表示部B3404に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高い画像再生装置を得ることができる。
図34(F)はゴーグル型ディスプレイであり、本体3501、表示部3502、アーム部3503を含む。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3502に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高いゴーグル型ディスプレイを得ることができる。
図34(G)はビデオカメラであり、本体3601、表示部3602、筐体3603、外部接続ポート3604、リモコン受信部3605、受像部3606、バッテリー3607、音声入力部3608、操作キー3609等を含む。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3602に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高いビデオカメラを得ることができる。
図34(H)は携帯電話機であり、本体3701、筐体3702、表示部3703、音声入力部3704、音声出力部3705、操作キー3706、外部接続ポート3707、アンテナ3708等を含む。本発明にかかるシフトレジスタ回路を用いた表示装置を表示部3703に用いることで、外部からの電磁波等のノイズにさらされても誤動作しにくく、また、逆バイアスを印加する動作が可能であることによって信頼性の高い携帯電話機を得ることができる。
このように本発明は、あらゆる電子機器に適用することが可能である。