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JP5289826B2 - α−置換アクリル酸エステル誘導体及びその製造方法 - Google Patents

α−置換アクリル酸エステル誘導体及びその製造方法 Download PDF

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JP5289826B2 JP2008140023A JP2008140023A JP5289826B2 JP 5289826 B2 JP5289826 B2 JP 5289826B2 JP 2008140023 A JP2008140023 A JP 2008140023A JP 2008140023 A JP2008140023 A JP 2008140023A JP 5289826 B2 JP5289826 B2 JP 5289826B2
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Description

本発明は、α−置換アクリル酸エステル誘導体およびその製造方法に関する。本発明により得られるα−置換アクリル酸エステル誘導体は新規化合物であり、フォトレジスト組成物用高分子化合物の原料として有用である。
近年、集積回路素子製造に代表される電子デバイス製造分野においては、デバイスの高集積化に対する要求が高まっており、そのため、微細パターン形成のためのフォトリソグラフィー技術が必要とされている。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。化学増幅型レジストの基材成分としては、主に、樹脂(ベース樹脂)が用いられている。
たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂を含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用により該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する(たとえば特許文献1参照)。
また、ネガ型の化学増幅型レジストとしては、ベース樹脂として、アルカリ現像液に可溶性の樹脂(アルカリ可溶性樹脂)を含有し、さらに架橋剤が配合されたものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物は、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、該酸の作用によりベース樹脂と架橋剤とが反応し、該ベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する(たとえば非特許文献1〜2参照)。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、波長193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
特開2003−241385号公報 SPIE Advances in Resist Technology and Processing XIV,Vol.3333,p417〜424(1998) SPIE Advances in Resist technology and Processing XIX,Vol.4690 p94−100(2002)
しかしながら、ArF用フォトレジスト組成物として使用される従来のアクリル系樹脂は、カルボン酸が可溶性基として使用されることからpKa約4の高い酸性を示し、pKa約10のフェノールが可溶性基として使用されるKrF用フォトレジスト組成物に比べてアルカリ現像液に対する溶解速度が速くなるため、微細パターン形成の際、パターンの膨潤やパターン倒れが顕著な問題となっていた。
しかして、本発明の目的は、波長193nm付近における高い透明性を維持しながら、溶解速度のコントロールに優れたフォトレジスト組成物用高分子化合物の材料として有用である、新規なα−置換アクリル酸エステル誘導体およびその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した背景技術の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、α−置換アクリル酸エステル誘導体にフェノールと同等の酸性度をもつスルファモイルオキシ基を導入することにより、該化合物を構成単位として重合することにより得られる高分子化合物が波長193nm付近における高い透明性を維持しながら、適度なアルカリ可溶性を有し、溶解速度のコントロールが可能となり、パターンの膨潤やパターン倒れを防止して、解像度に優れたパターンを形成することができるフォトレジスト組成物の成分として有用であることを見出した。
即ち、本発明は、
[1]下記一般式(I)
Figure 0005289826
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子を表し、Wは炭素数5〜10の環状アルキレン基を表す。)
で示されるα−置換アクリル酸エステル誘導体[以下、α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)と称する。]、
[2] 一般式(II)
Figure 0005289826
(式中、RおよびWは前記定義の通りである。)
で示されるアルコール誘導体(II)[以下、アルコール誘導体(II)と称する。]と一般式XSONR
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、RおよびRは前記定義の通りである。)
で示されるスルファモイルハライド誘導体[以下、スルファモイルハライド誘導体と称する。]とを反応させることよるα―置換アクリル酸エステル誘導体(I)の製造方法;である。
本発明によれば、波長193nm付近における高い透明性を維持しながら、溶解速度のコントロールに優れたフォトレジスト組成物用高分子化合物の材料である新規なα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)およびその製造方法を提供することができる。
が表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基としては、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−tert-ブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロネオペンチル基などが挙げられる。これらのうち、工業的入手の容易さから、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
およびRが表す任意の位置に酸素原子を含んでいても良いアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基などが挙げられ、任意の位置に酸素原子を含んでいても良いシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチル−1−シクロヘプチル基、1−エチル−1−シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−メチル−1−シクロオクチル基、1−エチル−1−シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基などが挙げられ、RとRが結合して表すアルキレン基としては、例えばエタンジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基などが挙げられる。
Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
Wが表す炭素数5〜10の環状アルキレン基としては、例えばシクロプロパンジイル基、シクロブタ−1,2−ジイル基、シクロブタ−1,3−ジイル基、シクロペンタ−1,2−ジイル基、シクロペンタ−1,3−ジイル基、シクロヘキサ−1,2−ジイル基、シクロヘキサ−1,3−ジイル基、シクロヘキサ−1,4−ジイル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,3−ジイル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジイル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,6−ジイル基、アダマンタ−1,3−ジイル基、アダマンタ−1,2−ジイル基などが挙げられる。
本発明のα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)はネガ型フォトレジスト組成物またはポジ型フォトレジスト組成物の樹脂成分として好適に用いられる高分子化合物の構成成分として有用である。RおよびRのいずれか一方、または両方が水素原子であるα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、ネガ型フォトレジスト組成物用高分子化合物において、架橋剤と反応する構成成分(以下ネガ型構成成分と称す。)として有用である。また、RおよびRのいずれもがアルキル基、シクロアルキル基またはアルキレン基であるα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、ネガ型およびポジ型フォトレジスト組成物用高分子化合物において、基板密着性付与のための構成成分、現像液との親和性を高める構成成分、溶解速度調整用構成成分(以下、ネガ/ポジ型構成成分と称す。)として有用である。RおよびRのいずれかが任意の位置に酸素原子を含んでいてもよいアルキル基または任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい環状のアルキレン基であるか、または両者が結合してアルキレン基であるα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、ポジ型フォトレジスト組成物用高分子化合物の露光によりアルカリ現像液に可溶となる構成成分(以下、ポジ型構成成分と称す。)として有用である。
以下、ネガ型構成成分、ネガ/ポジ型構成成分およびポジ型構成成分として有用なα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)についてそれぞれ説明する。
ネガ型構成成分として有用なα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、RおよびRのいずれか一方または両方が水素原子であることが好ましく、両方が水素原子であることがより好ましい。
ネガ/ポジ型構成成分として有用なα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、RおよびRが、アルキル基、シクロアルキル基、または水素原子であるか、またはRおよびRが結合してアルキレン基であることが好ましい。
ポジ型構成成分として有用なα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)は、RおよびRのいずれか一方、または両方が任意の位置に酸素原子を含んでいてもよいアルキル基または任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい環状のアルキレン基であるか、または両者が結合してアルキレン基であることが好ましく、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基などの第3級アルキル基;2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−メチル−2−ノルボルニル基、2−エチル−2−ノルボルニル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基などの第3級シクロアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、アダマンチルオキシメチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基などのアルコキシアルキル基がより好ましい。
α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)の具体例としては、下記の(I−1)〜(I−75)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
本発明のα−置換アクリル酸エステル(I)の製造方法に特に制限はないが、例えばアルコール誘導体(II)をスルファモイルハライド誘導体と反応させる方法により製造することができる。
以下、α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)の製造方法について説明する。
Figure 0005289826
(式中、R,R,R,XおよびWは前記説明の通りである。)
原料であるアルコール誘導体(II)の製造方法に特に制限はなく、市販の3−ヒドロキシアダマンチルメタクリラート、3−ヒドロキシアダマンチルアクリラートなどをそのまま使用することが可能である。
スルファモイルハライド誘導体の製造方法に特に制限はないが、例えば、クロロスルホニルイソシアナートとギ酸をヘキサンなどの溶媒の存在下に反応させることにより製造できる。
以下、上記のα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)の製造方法について詳細に説明する。
スルファモイルハライド誘導体の使用量は、アルコール誘導体(II)に対して、0.8〜10倍モルの範囲が好ましく、経済性、後処理の容易さの観点から1〜5倍モルの範囲がさらに好ましい。
反応は溶媒の存在下に実施することが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
溶媒の使用量は、アルコール誘導体(II)に対して100質量倍以下であるのが好ましく、50質量倍以下であるのがさらに好ましく、20質量倍以下であるのがさらに好ましい。
反応温度は、使用するアルコール誘導体(II)、スルファモイルハライド誘導体の種類により異なるが、−20〜100℃の範囲が好ましく、重合などの副反応抑制の観点からは、−20〜80℃の範囲がより好ましい。
反応時間は、使用するアルコール誘導体(II)、スルファモイルハライド誘導体の種類や使用量、反応温度によって異なるが、通常は、0.5〜48時間の範囲が好ましく、0.5〜24時間の範囲がさらに好ましい。
反応は重合禁止剤の存在下実施することが好ましい。重合禁止剤は特に限定されず、例えばヒドロキノン、メトキシフェノール、ベンゾキノン、トルキノン、p−tert−ブチルカテコールなどのキノン系化合物;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などが挙げられる。重合禁止剤は、1種類を用いても、2種類以上を併用しても良い。重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体の質量に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
反応操作に特に制限はなく、アルコール誘導体(II)、スルファモイルハライド誘導体および溶媒の投入方法や順序は任意で良い。具体的な反応操作としては、例えば、回分式反応器にスルファモイルハライド誘導体および溶媒を仕込み、アルコール誘導体(II)を添加する方法が好ましい。
本発明の方法で得られた反応混合物からのα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)の単離、精製は有機化合物の単離、精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、反応混合物に水を添加した後、有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)を単離できる。必要に応じ、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどで精製することにより、純度の高いα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)を得ることができる。さらに必要に応じてキレート剤、脱金属フィルターなどで処理することにより、α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)中の金属含有量を低減することもできる。
≪高分子化合物の合成≫
α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)を重合してなる高分子化合物またはα−置換アクリル酸エステル誘導体(I)と他の重合性化合物とを共重合してなる高分子化合物[以下、両者をまとめて高分子化合物(A1)と称する。]は、フォトレジスト組成物用高分子化合物として有用である。高分子化合物(A1)は、α−置換アクリル酸エステル誘導体(I)に基づく構成単位(a0−1)[以下、構成単位(a0−1)と称する。]を0モル%を超え100モル%、好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜70モル%含有する。構成単位(a0−1)の具体例として下記式(a0−1−10)〜(a0−1−87)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
Figure 0005289826
高分子化合物(A1)において、構成単位(a0−1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物(A1)は、1種の構成単位(a0−1)のみからなる重合体であってもよく、2種以上の構成単位(a0−1)からなる共重合体であってもよく、さらに他の構成単位を含む共重合体であっても良い。
高分子化合物(A1)が構成単位(a0−1)以外の他の構成単位を含む共重合体である場合、高分子化合物(A1)中、構成単位(a0−1)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、15〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%がさらに好ましく、20〜60モル%が特に好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
高分子化合物(A1)が、構成単位(a0−1)以外の他の構成単位を含む共重合体である場合、該他の構成単位としては、以下の構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)、構成単位(a4)等を挙げることができる。また、構成単位(a3)として、以下の構成単位(a’3)、構成単位(a”3)等を挙げることができる。
[構成単位(a1)]
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)である。酸解離性溶解抑制基は、レジスト組成物としてレジストパターンを形成する際に、解離前は高分子化合物(A1)全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸発生剤成分から露光により発生する酸により解離してこの高分子化合物(A1)全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005289826
(上記式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;mは0または1を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。)
[構成単位(a2)]
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005289826
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数であり、Aは炭素数1〜5のアルキレン基または酸素原子である。)
[構成単位(a3)]
構成単位(a3)は、前記構成単位(a0)に該当しない、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)である。
構成単位(a3)の例として、より具体的には、下記一般式(a’3−1)、(a”3−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005289826
(式中、Rは前記と同じであり、R水素原子またはヒドロキシアルキル基であり、jは1〜3の整数である。)
Figure 0005289826
(式中、Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはヒドロキシアルキル基であり;Rは水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基である。ただし、R、Rの少なくとも一方はヒドロキシアルキル基である。)
Figure 0005289826
(式中、Rは前記に同じであり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
[構成単位(a4)]
構成単位(a4)は(メタ)アクリル酸環状アルキルエステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 0005289826
(式中、Rは前記と同じである。)
[その他の構成単位]
高分子化合物(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a0)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を有していてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a0)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
高分子化合物(A1)として好ましい共重合体としては、下記の共重合体(A1−1)〜(A1−5)等が挙げられる。
共重合体(A1−1):構成単位(a0)および(a1)を含む、少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
共重合体(A1−2):構成単位(a0)および(a2)を含む、少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
共重合体(A1−3):構成単位(a0)および(a3)を含む、少なくとも2種の構成単位を有する共重合体。
共重合体(A1−4):構成単位(a0)、(a1)および(a2)を含む、少なくとも3種の構成単位を有する共重合体。
共重合体(A1−5):構成単位(a0)および2種の構成単位(a3)を含む、少なくとも3種の構成単位を有する共重合体。
高分子化合物(A1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、ネガ型レジスト組成物の基材成分として用いられる場合は、1000〜8000が好ましく、2000〜7000がより好ましく、2500〜6500が最も好ましい。また、ポジ型レジスト組成物の基材成分として用いられる場合は、3000〜50000が好ましく、4000〜30000がより好ましく、4000〜20000が最も好ましい。Mwがこれらの範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、これらの範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜4.0がより好ましく、1.2〜3.8が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
[高分子化合物(A1)の製造]
高分子化合物(A1)は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
高分子化合物(A1)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分、および露光により酸を発生する酸発生剤成分を含有する、いわゆる化学増幅型のレジスト組成物の基材成分として有用であり、たとえば該高分子化合物(A1)を基材成分として配合したレジスト組成物によれば、解像性に優れたレジストパターンが形成できる。以下、高分子化合物(A1)を基材成分とした、レジスト組成物について説明する。該レジスト組成物は、高分子化合物(A1)、露光により酸を発生する酸発生剤成分、架橋剤成分、有機溶剤、その他の任意成分等を配合して調整することができる。
該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法としては、支持体上に、該レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む方法で行うことができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<実施例1> 3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラートの合成
温度計、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた5L容4つ口フラスコに窒素を充填し、滴下ロートよりヘプタン980gおよびクロロスルホニルイソシアナート334g(2.4mol)を投入した。内温を5℃に冷却した後、滴下ロートよりギ酸110g(2.4mol)を内温5〜8℃を維持できる速度で滴下した。滴下終了後、内温を20℃に昇温し10時間攪拌した。該反応混合液に滴下ロートより3−ヒドロキシアダマンチルアクリラート175g(0.79mol)、N−メチルピロリドン525g、4−メトキシフェノール2.1gおよびフェノチアジン2.1gの溶液を内温20℃以下を維持できる速度で滴下した。内温20〜25℃にて3時間攪拌した後、反応混合物を分液ロートに移送し、上層を廃棄した。得られた下層に酢酸エチル890gおよび水700gを添加し攪拌、静置した後、分液した。該水層に酢酸エチル890gを添加し、再抽出した。2回分の酢酸エチル層を混合した後、水900gで5回洗浄した。次いで7質量%−炭酸水素ナトリウム水溶液400g、水400gで洗浄した。該洗浄後有機層を500gになるまで減圧下濃縮した後、トルエン630gを添加した。内温55℃に加熱した後、3℃まで冷却し再結晶操作を実施した。得られた懸濁液をろ過することによって、3−スルファモイルオキシアダンマンチルアクリラート145g(0.48mol)を結晶として得た(収率=61%)。
Figure 0005289826
H−NMR(300MHz、DMSO−d、TMS、ppm)δ:7.44(2H,s)、6.26(1H,m)、6.07(1H,m,)、3.34(1H,s)、2.48(3H,s)、2.34(2H,s)、2.04(6H,m)、1.52(2H,s)
<実施例2>3−スルファモイルオキシアダマンチルメタクリラートの合成
3−ヒドロキシアダマンチルアクリラート175g(0.79mol)の替わりに3−ヒドロキシアダマンチルメタクリラート186.7g(0.79mol)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、3−スルファモイルオキシアダマンチルメタクリラート159.5g(0.51mol)を得た(収率=64%)。
Figure 0005289826
H−NMR(300MHz、DMSO−d、TMS、ppm)δ:7.43(2H,s)、5.96(1H,s)、5.62(1H,s)、2.48(2H,s)、2.35(3H,br)、2.23(1H,s)、2.04(6H,m)、1.84(3H,s)1.52(2H,s)
<合成例1>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた100ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル13.0gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を80℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート7.0g(mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.05g(0.3mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル22.6gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後80〜83℃にて3時間攪拌した後、25℃まで冷却し、該反応液をジイソプロピルエーテル309g中に滴下した。生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた粉末をプロピレングリコールモノメチルエーテル28gに溶解し、ジイソプロピルエーテル136gおよび酢酸エチル15gの混合溶媒中に滴下した。生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた粉末を減圧下40℃で8時間乾燥した。質量平均分子量=6100、分子量分散度=1.35の下記高分子化合物を5.6g得た(収率=80%)。
Figure 0005289826
<合成例2>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた100ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル14.8gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を80℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート4.0g(13.3mmol)、3−ヒドロキシアダマンチルアクリラート2.9g(13.1mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.06g(0.3mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル26.6gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後80〜83℃にて3時間攪拌した後、該反応液をジイソプロピルエーテル204g中に滴下した。生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた粉末をプロピレングリコールモノメチルエーテル20gに再溶解した。該溶液をジイソプロピルエーテル117gおよび酢酸エチル13gの混合溶媒中に滴下し、生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた固体を減圧下乾燥することによって質量平均分子量5600、分散度1.40の高分子量化合物5.0gを得た(収率72%)。
Figure 0005289826
<合成例3>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた200ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル33.2gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を78℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート6.10g(20.2mmol)、アダマンチルアクリラート2.79g(13.5mmol)アゾビスイソブチロニトリル0.22g(1.35mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル33.2gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後78〜80℃にて2時間攪拌した後、該反応液をn−ヘキサン300g中に滴下した。デカンテーションによりろ液を除き、生じた沈殿をプロピレングリコールモノメチルエーテル27.6gに再溶解した。該溶液をn−ヘキサン360gおよびイソプロピルアルコール40gの混合溶媒中に滴下し、デカンテーションによりろ液を除き、得られた固体を減圧下乾燥することによって質量平均分子量3800、分散度1.48の高分子量化合物6.2gを得た(収率70%)。
Figure 0005289826
<合成例4>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた200ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル23.3gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を78℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート6.10g(20.2mmol)、アダマンチルアクリラート2.79g(13.5mmol)アゾビスイソブチロニトリル0.14g(0.85mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル42.0gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後78〜80℃にて2時間攪拌した後、該反応液をn−ヘキサン300g中に滴下した。デカンテーションによりろ液を除き、生じた沈殿をプロピレングリコールモノメチルエーテル23.4gに再溶解した。該溶液をn−ヘキサン270gおよびイソプロピルアルコール30gの混合溶媒中に滴下し、デカンテーションによりろ液を除き、得られた固体を減圧下乾燥することによって質量平均分子量6040、分散度1.37の高分子量化合物3.7gを得た(収率42%)。
Figure 0005289826
<合成例5>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた200ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル37.0gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を80℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート9.0g(29.9mmol)、アダマンチルアクリラート1.54g(7.5mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.17g(1.9mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル69.6gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後80℃にて2時間攪拌した後、該反応液をジイソプロピルエーテル2200g中に滴下した。生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた固体を減圧下乾燥することによって質量平均分子量4300、分散度1.31の高分子量化合物7.7gを得た(収率73%)。
Figure 0005289826
<合成例6>
温度計、窒素導入管、滴下ロート、攪拌装置を取り付けた100ml容四つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル14.0gを仕込んだ後、窒素導入管より15分間窒素をバブリングした。次いで内温を80℃に昇温した後、滴下ロートより3−スルファモイルオキシアダマンチルアクリラート6.1g(20.1mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリラート2.4g(20.4mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.08g(0.5mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル22.0gの溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後80〜83℃にて3時間攪拌した後、該反応液をジイソプロピルエーテル204g中に滴下した。生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた粉末をプロピレングリコールモノメチルエーテル20gに再溶解した。該溶液をジイソプロピルエーテル117gおよび酢酸エチル13gの混合溶媒中に滴下し、生じた沈殿をグラスフィルターを用いてろ過した後、得られた固体を減圧下乾燥することによって重量平均分子量7000、分子量分散1.50の高分子量化合物 5.9gを得た(収率=70%)。
Figure 0005289826
<参考例1〜5>
表1に示す各成分を混合、溶解してネガ型のレジスト組成物を調製した。
Figure 0005289826
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:前記高分子化合物(1)。
(A)−2:前記高分子化合物(2)。
(A)−4:前記高分子化合物(4)。
(A)−5:前記高分子化合物(5)。
(A)−6:前記高分子化合物(6)。
(A)−1’:上記式(1)で示される質量平均分子量が5000の重合体。
(B)−2:トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート。
(C)−1:下記化学式(C)−1で表される化合物(テトラメトキシメチル化グリコールウリル、製品名:ニカラックMX−270、三和ケミカル社製)。
(D)−1:トリイソプロパノールアミン。
(S)−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)。
Figure 0005289826
得られたレジスト組成物を用いて、以下の評価を行った。
[残膜特性の評価]
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、上記レジスト組成物を、それぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚160nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(製品名、Nikon社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、0〜30mJ/cmの露光量で露光した。その後、110℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後30秒間水洗し、乾燥した。
このとき、露光量の変化による残膜率(単位:%、現像後のレジスト膜厚/成膜時(露光前)のレジスト膜厚×100)の変化から、残膜曲線を求めた。その結果、参考例1〜6のレジスト組成物すべてが良好なコントラストを示した。また、最大の残膜率(残膜率の収束値)はそれぞれ、参考例1(73%)、参考例2(96%)、参考例3(99.6%)、参考例4(60%)、参考例5(100%)、参考例6(70%)であった。
以上の結果から、参考例1〜6のレジスト組成物が、残膜特性に優れており、ネガ型レジスト組成物として機能することが確認された。
[リソグラフィー特性の評価]
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、参考例2のレジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚160nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(製品名、Nikon社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して、選択的に照射した。その後、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後30秒間水洗し、乾燥した。
その結果、ライン幅250nm、ピッチ500nmのラインアンドスペースのレジストパターン(LSパターン)の解像が確認された。
このとき、ライン幅250nm、ピッチ500nmのLSパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm)を「感度」として求めた。その結果、参考例2のEopは35mJ/cmであった。
また、「解像性」として、上記Eopにおける限界解像度(nm)を、測長SEM(走査型電子顕微鏡)S−9220(Hitachi社製)を用いて求めた。その結果、参考例2の限界解像度は150nmであった。
上記の結果から、本発明の高分子化合物が、レジスト組成物の基材成分として有用であることが確認できた。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0005289826
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子を表し、Wは炭素数5〜10の環状アルキレン基を表す。)
    で示されるα−置換アクリル酸エステル誘導体。
  2. 下記一般式(II)
    Figure 0005289826
    (式中、RおよびWは前記定義の通りである。)
    で示されるアルコール誘導体と一般式XSONR
    (式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、RおよびRは前記定義の通りである。)
    で示されるスルファモイルハライド誘導体とを反応させることを特徴とする請求項1記載のα−置換アクリル酸エステル誘導体の製造方法。
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