図1は、本発明の第一の実施形態である通信システム100の概略図である。
図示するように、通信システム100は、電話端末110A〜110D(以下、個々の電話端末110A〜110Dを特に区別しない場合には、電話端末110という)と、ゲートウェイ(以下、GW)120A、120B(以下、個々のGW120A、120Bを特に区別しない場合には、GW120という)と、を備えており、GW120は、終端装置150A、150Bを介してネットワーク160に接続することができるようにされている。
電話端末110は、音声通信を行う端末で、本実施形態においては、アナログ通信により音声通信を行うアナログ電話が使用される。なお、電話端末110については、汎用のものを使用すればよいため、詳細な説明は省略する。
図2は、GW120の概略図である。
図示するようにGW120は、記憶部121と、制御部130と、アナログ電話IF部140と、ネットワークIF部141と、を備える。
記憶部121は、切替情報記憶領域122と、接続先情報記憶領域123と、通話情報記憶領域124と、符号化情報記憶領域125と、を備える。
切替情報記憶領域122には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる宛先を特定する情報が格納される。
例えば、本実施形態においては、図3(切替テーブル122aの概略図)に示されているような切替テーブル122aが、切替情報記憶領域122に記憶される。
図示するように、切替テーブル122aは、切替接続先GWNo欄122bが設けられており、本欄には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる宛先を特定する情報として、SIPメッセージの通信経路において、INVITEメッセージの宛先とされた電話端末110側のGW120を一意に識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先情報記憶領域123には、SIPセッションで行われる通話毎に、通信経路を特定する情報が記憶される。
例えば、本実施形態においては、図4(接続先テーブル123aの概略図)に示すような接続先テーブル123aが、接続先情報記憶領域123に記憶される。
図示するように、接続先テーブル123aは、通話No欄123bと、接続元GWNo欄123cと、接続先GWNo欄123dと、符号化方式欄123eと、を備える。
通話No欄123bには、後述する接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dで特定されるGW120間で張られたセッションにおいて行われている通話を特定する情報が格納される。本実施形態においては、当該通話を特定する情報として、通話が接続される毎に「1」から順に連番(自然数)で割り振られた通話Noが格納される。
接続元GWNo欄123cには、SIPセッションの通信経路において、INVITEメッセージの送信元である電話端末110側のGW120を一意に識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo欄123dには、SIPセッションの通信経路において、INVITEメッセージの宛先とされた電話端末110側のGW120を一意に識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW102毎に割り振られているGWNoが格納される。
符号化方式欄123eには、接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dで特定されるGW120間で張られたセッションで行われる通話において使用する符号化方式を特定する情報が格納される。
通話情報記憶領域124には、確立されたSIPセッションにおいて通話を行う電話端末110を特定する情報が記憶される。
本実施形態においては、図5(通話テーブル124aの概略図)に示すような通話テーブル124aが、通話情報記憶領域124に記憶される。
図示するように、通話テーブル124aは、通話No欄124bと、ポート番号欄124cと、を備える。
通話No欄124bには、GW120間で張られているセッションにおいて行われる通話を特定する情報が記憶され、ここでは、図4に示す接続先テーブル123aの通話No欄123bで特定される情報(通話No)に対応する情報が格納される。
ポート番号欄124cには、通話No欄124bで特定される通話において通信を行う電話端末110が接続されているポート番号を特定する情報が格納される。
なお、通話テーブル124aの各レコードについては、通話が接続される毎にSIP処理部134が対応する通話Noと、ポート番号と、を格納し、通話が切断される毎にSIP処理部134が対応する通話Noと、ポート番号と、を削除する。
符号化情報記憶領域125には、切替接続先GWNo毎に予め設定された符号化方式が記憶されている。
本実施形態においては、図6(符号化情報テーブル125aの概略図)に示すような符号化情報テーブル125aが、符号化情報記憶領域に記憶される。
図示するように、符号化情報テーブル125aは、切替接続先GWNo欄125bと、これに対応づけて符号化方式欄125cと、を備える。
切替接続先GWNo欄125bには、SIPセッションの通信経路において、通信(通話)を行う相手先である電話端末110側のGW120を一意に識別するための識別情報(GW120のIPアドレス、MACアドレス、電話番号等)が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
符号化方式欄125cには、切替接続先GWNo欄125bで特定されるGW120との間で張られたセッションで行われる通信(通話)において使用する符号化方式を特定する情報が格納される。
制御部130は、全体制御部131と、符号方式切替部132と、符号処理部133と、SIP処理部134と、を備える。
全体制御部131は、GW120における全体の処理を制御する。
特に、本実施形態においては、後述するアナログ電話IF部140を介して送受信するアナログ電話信号と、ネットワークIF部141を介して送受信するIPパケットと、の間のプロトコルの変換を行う。
また、全体制御部131は、後述するネットワークIF部141を制御して、後述する符号方式切替部132で切り替えた符号化方式に対応する帯域でパケットを送信する処理を行う。
符号方式切替部132は、後述するSIP処理部134の指示に応じて、後述する符号処理部133でデータを符号化及び復号化する符号化方式を切り替える処理を行う。
符号処理部133は、符号方式切替部132で切り替えられた符号化方式を用いて、ネットワークIF部141を介して送受信するデータの符号化及び復号化を行う。
SIP処理部134は、SIPを用いたメッセージを送受信する等の処理を制御する。
また、SIP処理部134は、後述するアナログ電話IF部140を介して送受信するアナログ電話信号と、ネットワークIF部141を介して送受信するIPパケットと、から取得される情報が、切替テーブル122a、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに格納されているか否かを確認する処理を行い、さらに、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに必要な情報を格納し、削除する処理を行う。
ここで、本実施形態で使用するSIPメッセージの一例を図7〜図12を用いて説明する。
図7は、本実施形態で使用するINVITEメッセージ170の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するINVITEメッセージ170は、スタートライン170aと、ヘッダ部170bと、メッセージボディ170cと、を備える。
スタートライン170a及びヘッダ部170bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ170cは、メッセージ種別格納領域170dと、接続元GWNo格納領域170eと、接続先GWNo格納領域170fと、接続先TELNo格納領域170gと、符号化方式種別格納領域170hと、を有する。
メッセージ種別格納領域170dには、SIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、INVITEであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域170eには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域170fには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先TELNo格納領域170gには、着呼先である電話端末110の電話番号を特定する情報が格納される。
符号化方式種別格納領域170hには、接続元GWNo格納領域170eで特定されるGW120と、接続先GWNo格納領域170fで特定されるGW120と、の間のセッションにおいて通話を行う際に使用する符号化方式を特定する情報が格納される。
図8は、本実施形態で使用する200OKメッセージ171の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用する200OKメッセージ171は、スタートライン171aと、ヘッダ部171bと、メッセージボディ171cと、を備える。
スタートライン171a及びヘッダ部171bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ171cは、メッセージ種別格納領域171dと、接続元GWNo格納領域171eと、接続先GWNo格納領域171fと、応答種別格納領域171gと、を有する。
メッセージ種別格納領域171dには、SIPメッセージのステータスコードを特定する情報が格納される。ここでは、200OKであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域171eには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域171fには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
応答種別格納領域171gには、200OKの応答を行う対象となっているリクエストメッセージの種別を特定する情報が格納される。本実施形態においては、当該種別として、「INVITE」、「MESSAGE」及び「BYE」のうち何れかを特定する情報が格納される。
図9は、本実施形態で使用するACKメッセージ172の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するACKメッセージ172は、スタートライン172aと、ヘッダ部172bと、メッセージボディ172cと、を備える。
スタートライン172a及びヘッダ部172bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ172cは、メッセージ種別格納領域172dと、接続元GWNo格納領域172eと、接続先GWNo格納領域172fと、を有する。
メッセージ種別格納領域172dには、SIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、ACKであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域172eには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域172fには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
図10は、本実施形態で使用するBYEメッセージ173の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するBYEメッセージ173は、スタートライン173aと、ヘッダ部173bと、メッセージボディ173cと、を備える。
スタートライン173a及びヘッダ部172bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ173cは、メッセージ種別格納領域173dと、接続元GWNo格納領域173eと、接続先GWNo格納領域173fと、を有する。
メッセージ種別格納領域173dには、SIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、BYEであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域173eには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域173fには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
図11は、本実施形態で使用するINVITE用のMESSAGEメッセージ174の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するMESSAGEメッセージ174は、スタートライン174aと、ヘッダ部174bと、メッセージボディ174cと、を備える。
スタートライン174a及びヘッダ部174bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ174cは、メッセージ種別格納領域174dと、元メッセージ種別格納領域174eと、接続元GWNo格納領域174fと、接続先GWNo格納領域174gと、接続先TELNo格納領域174hと、接続通話No格納領域174iと、を有する。
メッセージ種別格納領域174dには、SIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、MESSAGEであることを特定する情報が格納される。
元メッセージ種別格納領域174eには、MESSAGEとして送信するSIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、INVITEであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域174fには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域174gには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先TELNo格納領域174hには、着呼先である電話端末110の電話番号を特定する情報が格納される。
接続通話No格納領域174iには、接続元GWNo格納領域174fで特定されるGW120と、接続先GWNo格納領域174gで特定されるGW120と、の間のセッションにおいて行われている通話を特定する情報が格納される。
図12は、本実施形態で使用するBYE用のMESSAGEメッセージ175の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するMESSAGEメッセージ175は、スタートライン175aと、ヘッダ部175bと、メッセージボディ175cと、を備える。
スタートライン175a及びヘッダ部175bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ175cは、メッセージ種別格納領域175dと、元メッセージ種別格納領域175eと、接続元GWNo格納領域175fと、接続先GWNo格納領域175gと、切断通話No格納領域175hと、を有する。
メッセージ種別格納領域175dには、SIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、MESSAGEであることを特定する情報が格納される。
元メッセージ種別格納領域175eには、MESSAGEとして送信するSIPメッセージのメソッドを特定する情報が格納される。ここでは、BYEであることを特定する情報が格納される。
接続元GWNo格納領域175fには、発呼元である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
接続先GWNo格納領域175gには、着呼先である電話端末110側のGW120を識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW120毎に割り振られているGWNoが格納される。
切断通話No格納領域175hには、接続元GWNo格納領域175fで特定されるGW120と、接続先GWNo格納領域175gで特定されるGW120と、の間のセッションで行われている通話の内、切断する通話を特定する情報が格納される。
なお、本実施形態においては、図7〜図12に示すSIPメッセージ以外にも、SIPに定められた通常のSIPメッセージも使用して通信を行うものとする。
図2に戻り、アナログ電話IF部140は、アナログ電話信号を送受信するためのインターフェースである。
ネットワークIF部141は、ネットワークを介して情報を送受信するためのインターフェースである。
図1に戻り、終端装置150A、150Bは、アクセス回線の終端装置であって、例えば、光ファイバを介してネットワーク160に接続するための光終端装置である。これは、汎用の光回線終端装置を用いればよいため、説明を省略する。
本実施形態におけるネットワーク160には、SIPに従った呼制御を行う呼制御サーバが接続されているものとする。この呼制御サーバについては、汎用のものを用いればよいため、説明を省略する。
図13は、以上のように構成される通信システム100における接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW120間に新たなセッションを確立する場合の処理を示す。
なお、図13に示す呼制御サーバは、ネットワーク160に接続されているものとする。
また、ネットワーク160を介して確立されるセッションにおいては、通常は、符号化方式としてG.711が採用され、64kの帯域で通信が行われるようにされているものとする。
まず、電話端末110Aは、電話端末110Cとの間で通話を行うために、発呼信号を送信する(S600)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Cの電話番号である*300と、電話端末110C側のGW120Bの識別番号(GWNo)である6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW120Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110C側のGW120BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部134に出力し、SIP処理部134が、切替テーブル122aに、電話端末110C側のGW120BのGWNo(6000)が格納されているか否かを確認する(S601)。ここでは、GW120BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
なお、GW120BのGWNoが切替テーブル122aに格納されていない場合には、通常のSIPに従ったINVITEメッセージを生成し、送信する。
次に、GW120AのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110C側のGW120BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S602)。ここでは、GW120BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されていないものとする。
次に、GW120AのSIP処理部134は、図7に示すようなINVITEメッセージ170のメッセージボディ170cにおいて、接続元GWNo格納領域170eにGW120AのGWNo(ここでは、5000とする)を格納し、接続先GWNo格納領域170fに発呼信号から抽出されたGW120BのGWNo(6000)を格納し、接続先TELNo格納領域170gに電話端末110Cの電話番号(*300)を格納し、符号化方式種別格納領域170hに符号化方式であるG.711(64k)を特定する情報を格納したものを生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S603)。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したINVITEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110C(GW120B)に転送する(S604)。
次に、GW120Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したINVITEメッセージをSIP処理部134に出力し、SIP処理部134は、メッセージボディ170cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を接続先テーブル123aに登録する(S605)。
具体的には、接続先テーブル123aの接続元GWNo欄123cには、図7に示すようなINVITEメッセージ170の接続元GWNo格納領域170eに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dには、INVITEメッセージ170の接続先GWNo格納領域170fに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの符号化方式欄123eには、符号化情報テーブル125aの符号化方式欄125cに格納されている情報を格納する。
なお、接続先テーブル123aの通話No欄123bには、接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dで特定されるGW120間で張られたセッションにおいて行われる通話毎に「1」から順に連番で割り振られた通話Noが格納される。
そして、GW120Bの全体制御部131は、INVITEメッセージで宛先として特定された電話端末110Cに着呼信号を送信する(S606)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Cにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Cは、応答信号を出力する(S607)。
このような応答信号を受信したGW120Bでは、SIP処理部134が、200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S608)。この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
ステップS608で生成する200OKメッセージについては、図8に示すような200OKメッセージ171のメッセージボディ171cにおいて、接続元GWNo格納領域171eには、接続先テーブル123aの対応するセッションにおける接続元GWNo欄123cに格納されている情報を格納し、接続先GWNo格納領域171fには、接続先テーブル123aの対応するセッションにおける接続先GWNo欄123dに格納されている情報を格納し、応答種別格納領域171gには、INVITEを特定する情報を格納することで生成される。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Aに転送する(S609)。
このような200OKメッセージを受信したGW120Aでは、SIP処理部134が、ACKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S610)。
ステップS610で生成するACKメッセージについては、図9に示すようなACKメッセージ172のメッセージボディ172cにおいて、接続元GWNo格納領域172e及び接続先GWNo格納領域172fには、受信した200OKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されている情報をそれぞれ格納することで生成される。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Bに転送する(S611)。
また、ACKメッセージを送信したGW120Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部134に出力し、SIP処理部134が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S612)。
具体的には、接続先テーブル123aの接続元GWNo欄123cには、図8に示すような200OKメッセージ171の接続元GWNo格納領域171eに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dには、200OKメッセージ171の接続先GWNo格納領域171fに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの符号化方式欄123eには、符号化情報テーブル125aの符号化方式欄125cに格納されている符号化方式であるG.726(32k)を特定する情報を格納する。
なお、接続先テーブル123aの通話No欄123bには、接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dで特定されるGW120間で張られたセッションで行われる通話毎に「1」から順に連番で割り振られた通話Noが格納される。
また、この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW120AのSIP処理部134は、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を、符号処理部133に設定する(S613)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW120Bでは、SIP処理部134が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号方式切替部132に出力し、符号方式切替部132は、符号処理部133に当該符号化方式(G.726)を設定する(S614)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
このような処理を行うことにより、GW120A及びGW120B間にSIPセッションが確立する(S615)。ここで確立するセッションの帯域は、64kの帯域となる。
そして、電話端末110A及び電話端末110C間で通話が可能となり、これらの間の通話では、GW120A及びGW120B間においてG.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S616)。
図14は、通信システム100における接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW120間に既にセッションが確立されている場合の処理を示す。
まず、図13で示す接続処理により、GW120A及びGW120B間にSIPセッションが確立し(S620)、電話端末110A及び電話端末110C間で通話が行われているものとする(S621)。
このような状態で、電話端末110Bと電話端末110Dとの間で通話を行う場合には、電話端末110Bから電話端末110Dに発呼信号が送信される(S622)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Dの電話番号である*400と、電話端末110D側のGW120BのGWNoである6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW120Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110D側のGW120BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部134に出力し、SIP処理部134が、切替テーブル122aに、電話端末110D側のGW120BのGWNo(6000)が格納されているか否かを確認する(S623)。ここでは、GW120BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW120AのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110D側のGW120BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S624)。ここでは、GW120BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されているものとする。
そして、GW120AのSIP処理部134は、図11に示すようなINVITE用のMESSAGEメッセージ174のメッセージボディ174cにおいて、元メッセージ種別格納領域174eにINVITEであることを特定する情報を格納し、接続元GWNo格納領域174fにGW120AのGWNo(ここでは、5000とする)を格納し、接続先GWNo格納領域174gに発呼信号から抽出されたGW120BのGWNo(6000)を格納し、接続先TELNo格納領域174hに電話端末110Dの電話番号(*400)を格納し、接続通話No格納領域174iに対応する接続先テーブル123aの通話Noの内最も値の大きなものを格納したものを生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S625)。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したMESSAGEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110D(GW120B)に転送する(S626)。
次に、GW120Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したMESSAGEメッセージをSIP処理部134に出力し、SIP処理部134が、メッセージボディ174cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を接続先テーブル123aに登録する(S627)。
なお、接続先テーブル123aの通話No欄123bには、MESSAGEメッセージの接続通話No格納領域174iに格納されている通話Noに「1」をインクリメントした値が格納される。
そして、GW120Bの全体制御部131は、MESSAGEメッセージで宛先として特定された電話端末110Dに着呼信号を送信する(S628)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Dにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Dは、応答信号を出力する(S629)。
このような応答信号を受信したGW120Bでは、SIP処理部134が、200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S630)。この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
ステップS630で生成する200OKメッセージについては、図8に示すような200OKメッセージ171のメッセージボディ171cにおいて、接続元GWNo格納領域171eには、接続先テーブル123aの対応するセッションにおける接続元GWNo欄123cに格納されている情報を格納し、接続先GWNo格納領域171fには、接続先テーブル123aの対応するセッションにおける接続先GWNo欄123dに格納されている情報を格納し、応答種別格納領域171gには、MESSAGEを特定する情報を格納することで生成される。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Aに転送する(S631)。
このような200OKメッセージを受信したGW120Aでは、SIP処理部134が、ACKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S632)。
ステップS632で生成するACKメッセージについては、図9に示すようなACKメッセージ172のメッセージボディ172cにおいて、接続元GWNo格納領域172e及び接続先GWNo格納領域172fには、受信した200OKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されている情報をそれぞれ格納することで生成される。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Bに転送する(S633)。
また、ACKメッセージを送信したGW120Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部134に出力し、SIP処理部134が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を接続先テーブル123aに登録する(S634)。
具体的には、接続先テーブル123aの接続元GWNo欄123cには、図8に示すような200OKメッセージ171の接続元GWNo格納領域171eに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dには、200OKメッセージ171の接続先GWNo格納領域171fに格納されている情報を格納し、接続先テーブル123aの符号化方式欄123eには、符号化情報テーブル125aの符号化方式欄125cに格納されている符号化方式であるG.726(32k)を特定する情報を格納する。
なお、接続先テーブル123aの通話No欄123bには、接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dで特定されるGW120間で張られたセッションで行われる通話毎に「1」から順に連番で割り振られた通話Noが格納される。
また、この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW120AのSIP処理部134は、符号方式理切替部132に指示を出し、符号方式理切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S635)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW120Bでは、SIP処理部134が、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S636)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
このような処理を行うことにより、GW120A及びGW120B間に既に確立しているSIPセッションにおいて、電話端末110B及び電話端末110D間での通話が可能となり、これらの間の通話では、GW120A及びGW120B間においてG.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S637)。
以上のような処理を行うことにより、GW120間で確立された一つのSIPセッションにおいて、複数の通話を行うことができるようになる。
なお、以上の例では、帯域64kのセッションにおいて、帯域32kの通話を2回線入れるようにしているが、このような態様に限定されず、例えば、帯域64kのセッションにおいて、帯域16kの通話を1〜4回線入れるようにすることも可能である。即ち、一つのセッションに入れる回線の数に応じて、回線帯域(符号化方式)を適宜変更すればよい。
図15は、通信システム100における切断処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW120間に確立されているセッションに二つの通話が収容されており、これらのうちの何れか一つの通話を切断する場合の処理を示す。
まず、図14で示す接続処理により、GW120A及びGW120B間にSIPセッションが確立し(S640)、電話端末110A及び電話端末110C間での通話(S641)と、電話端末110B及び電話端末110D間での通話(S642)と、が行われているものとする。
このような状態で、電話端末110Aが電話端末110Cとの間の通話を切断する場合には、電話端末110Aから切断信号が送信される(S643)。
このような切断信号を受信したGW120Aでは、SIP処理部134が、通話テーブル124a及び接続先テーブル123aから切断する通話を特定して(S644)、BYE用のMESSAGEメッセージを生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S645)。
ここで、SIP処理部134は、接続先テーブル123aから切断する通話の接続元GWNo欄123c、接続先GWNo欄123d及び通話No欄123bに格納されている情報を抽出し、図12に示すようなBYE用のMESSAGEメッセージ175のメッセージボディ175cにおける接続元GWNo格納領域175f、接続先GWNo格納領域175g及び切断通話No格納領域175hに、抽出した情報をそれぞれ格納することで、BYE用のMESSAGEメッセージを生成する。
このようなMESSAGEメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Bに転送する(S646)。
そして、このようなMESSAGEメッセージを受信したGW120Bは、全体制御部131が、切断信号を生成し、MESSAGEメッセージで特定される宛先である電話端末110Cに切断信号を送信する(S647)。
さらに、GW120BのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110A及び電話端末110C間の通話に対応する情報を削除する(S648)。この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
そして、GW120BのSIP処理部134は、MESSAGEメッセージに対する200OKメッセージを生成して、呼制御サーバに送信する(S649)。
ステップS649で生成する200OKメッセージについては、図8に示すような200OKメッセージ171のメッセージボディ171cにおいて、接続元GWNo格納領域171eには、接続先テーブル123aの切断した通話における接続元GWNo欄123cに格納されていた情報を格納し、接続先GWNo格納領域171fには、当該通話における接続先GWNo欄123dに格納されていた情報を格納し、応答種別格納領域171gには、MESSAGEを特定する情報を格納することで生成される。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Aに転送する(S650)。
このような200OKメッセージを受信したGW120AのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110A及び電話端末110C間の通話に対応する情報を削除する(S651)。また、この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
以上の処理により、GW120AとGW120Bとの間に確立されているSIPセッションに収容されていた電話端末110Aと電話端末110Cとの間の通話が切断される。
なお、以上の処理によってもGW120AとGW120Bとの間のSIPセッションは切断されず、電話端末110Bと電話端末110Dとの間の通話は維持される。
図16は、通信システム100における切断処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW120間に確立されているセッションに一つの通話が収容されており、この通話を切断する場合の処理を示す。
まず、図15で示す切断処理により、GW120A及びGW120B間にSIPセッションが確立し(S660)、電話端末110B及び電話端末110D間での通話(S661)が行われているものとする。
このような状態で、電話端末110Bが電話端末110Dとの間の通話を切断する場合には、電話端末110Bから切断信号が送信される(S662)。
このような切断信号を受信したGW120Aでは、SIP処理部134が、通話テーブル124a及び接続先テーブル123aから切断する通話を特定して(S663)、BYEメッセージを生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S664)。
ここで、SIP処理部134は、接続先テーブル123aから切断する通話の接続元GWNo欄123c及び接続先GWNo欄123dに格納されている情報を抽出し、図10に示すようなBYEメッセージ173のメッセージボディ173cにおける接続元GWNo格納領域173e及び接続先GWNo格納領域173fに、抽出した情報をそれぞれ格納することで、BYEメッセージを生成する。
このようなBYEメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Bに転送する(S665)。
そして、このようなBYEメッセージを受信したGW120Bは、全体制御部131が、切断信号を生成し、BYEメッセージで特定される宛先である電話端末110Dに切断信号を送信する(S666)。
さらに、GW120BのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110B及び電話端末110D間の通話に対応する情報を削除する(S667)。また、この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
そして、GW120BのSIP処理部134は、BYEメッセージに対する200OKメッセージを生成して、呼制御サーバに送信する(S668)。
ステップS668で生成する200OKメッセージについては、図8に示すような200OKメッセージ171のメッセージボディ171cにおいて、接続元GWNo格納領域171eには、接続先テーブル123aの切断した通話における接続元GWNo欄123cに格納されていた情報を格納し、接続先GWNo格納領域171fには、当該通話における接続先GWNo欄123dに格納されていた情報を格納し、応答種別格納領域171gには、BYEを特定する情報を格納することで生成される。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW120Aに転送する(S669)。
このような200OKメッセージを受信したGW120AのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110B及び電話端末110D間の通話に対応する情報を削除する(S670)。また、この際、SIP処理部134は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
以上の処理により、GW120AとGW120Bとの間に確立されているSIPセッションを切断する(S671)。
以上のように、図15及び図16の処理によれば、一つのセッションに収容されている複数の通話を個々に切断することができ、全ての通話が切断されることでセッションを切断することができる。
図17は、GW120が電話端末110より発呼信号を受信する際の処理を示すフローチャートである。
まず、GW120は、電話端末110より発呼信号を受信すると(S680)、GW120の全体制御部131は、宛先である電話端末110側GW120のGWNoを発呼信号から取得し、GW120のSIP処理部134が、当該GWNoが切替テーブル122aに登録されているか否かを確認する(S681)。
そして、当該GWNoが切替テーブル122aに登録されている場合には(ステップS681でYES)、ステップS682に進み、登録されていない場合には(ステップS681でNO)、ステップS684に進む。
ステップS682では、GW120のSIP処理部134は、ステップS681で取得したGWNoが接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに登録されているか否かを確認する(S682)。
そして、当該GWNoが接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに登録されている場合には(ステップS682でYES)、ステップS683に進み、当該GWNoが接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに登録されていない場合には(ステップS682でNO)、ステップS684に進む。
ステップS683では、GW120のSIP処理部134は、図11に示すINVITE用のMESSAGEメッセージ174を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する。
一方、ステップS684では、GW120のSIP処理部134は、図7に示すようなINVITEメッセージ170を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する。
図18は、GW120がSIPメッセージを受信して接続を行う際の処理を示すフローチャートである。
GW120のSIP処理部134は、SIPのメッセージを受信すると(S690)、受信したSIPメッセージのスタートラインがMESSAGEであることを特定するものであるか否かを確認する(S691)。
そして、SIPメッセージのスタートラインがMESSAGEである場合には(S691でYES)、ステップS692に進み、SIPメッセージのスタートラインがMESSAGEでない場合には(S691でNO)、ステップS696に進む。
ステップS692では、SIP処理部134は、MESSAGEメッセージのメッセージボディにおけるメッセージ種別格納領域に格納されている情報が、INVITEであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、MESSAGEメッセージのメッセージ種別がINVITEである場合には(S692でYES)、ステップS693に進み、MESSAGEメッセージのメッセージ種別がINVITEでない場合には(S692でNO)、ステップS695に進む。
ステップ693では、SIP処理部134は、MESSAGEメッセージのメッセージボディから必要な情報を取得して、接続先テーブル123aに登録する処理を行う(S693)。
そして、GW120の全体制御部131は、MESSAGEメッセージで宛先として特定された電話端末110に着呼信号を送信する(S694)。
また、ステップS695では、SIP処理部134は、SIPにしたがって、MESSAGEメッセージにより予め定められた処理を実行する。
また、ステップS696では、SIP処理部134は、ステップS690で受信したSIPメッセージのスタートラインがINVITEであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、SIPメッセージのスタートラインがINVITEである場合には(S696でYES)、ステップS697に進み、SIPメッセージのスタートラインがINVITEでない場合には(S696でNO)、ステップS699に進む。
ステップS697では、SIP処理部134は、INVITEメッセージのメッセージボディから必要な情報を取得して、接続先テーブル123aに登録する処理を行う(S697)。
そして、GW120の全体制御部131は、INVITEメッセージで宛先として特定された電話端末110に着呼信号を送信する(S698)。
また、ステップS699では、SIP処理部134は、ステップS690で受信したSIPメッセージのスタートラインがACKであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、SIPメッセージがACKである場合には(S699でYES)、ステップS700に進み、SIPメッセージがACKでない場合には(S699でNO)、ステップS702に進む。
ステップS700では、SIP処理部134は、接続先テーブル123aに登録されている符号化方式に切り替えるように符号方式切替部132に指示を出して、符号処理部133での符号化方式を設定する。
そして、SIP処理部134は、セッションを確立する(S701)。
また、ステップS702では、SIP処理部134は、ステップS690で受信したSIPメッセージのスタートラインが200OKであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、SIPメッセージが200OKである場合には(S702でYES)、ステップS703に進み、SIPメッセージが200OKでない場合には(S702でNO)、ステップS707に進む。
ステップS703では、SIP処理部134は、200OKメッセージがINVITEへの応答であるか否かを確認する。
そして、200OKメッセージがINVITEへの応答である場合には(S703でYES)、ステップS704に進み、200OKメッセージがINVITEへの応答でない場合には(S703でNO)、ステップS707に進む。
ステップS704では、SIP処理部134は、ACKメッセージを生成して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する。
そして、SIP処理部134は、200OKメッセージのメッセージボディから必要な情報を取得して、接続先テーブル123aに登録する処理を行い(S705)、接続先テーブル123aに登録されている符号化方式に切り替えるように符号方式切替部132に指示を出す(S706)。
また、ステップS707では、SIP処理部134は、SIPにしたがって、SIPメッセージにより予め定められた処理を実行する。
図19は、GW120が電話端末110より切断信号を受信する際の処理を示すフローチャートである。
まず、GW120のSIP処理部134は、電話端末110より切断信号を受信すると(S710)、接続先テーブル123aを検索し、切断する電話端末110側のGW120との間に張られているセッションで複数の通話が行われているか否かを確認する(S711)。
そして、切断する電話端末110側のGW120との間に張られているセッションで複数の通話が行われている場合には(ステップS711でYES)、ステップS712に進み、切断する電話端末110側のGW120との間に張られているセッションで複数の通話が行われていない場合には(ステップS711でNO)、ステップS713に進む。
ステップS712では、GW120のSIP処理部134は、図12に示すBYE用のMESSAGEメッセージ175を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する。
一方、ステップS713では、GW120のSIP処理部134は、図10に示すようなBYEメッセージ173を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する。
図20は、GW120がSIPメッセージを受信して切断を行う際の処理を示すフローチャートである。
GW120のSIP処理部134は、SIPのメッセージを受信すると(S720)、受信したSIPメッセージのスタートラインがMESSAGEであることを特定するものであるか否かを確認する(S721)。
そして、SIPメッセージのスタートラインがMESSAGEである場合には(S721でYES)、ステップS722に進み、SIPメッセージのスタートラインがMESSAGEでない場合には(S721でNO)、ステップS727に進む。
ステップS722では、SIP処理部134は、MESSAGEメッセージのメッセージボディにおけるメッセージ種別格納領域に格納されている情報が、BYEであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、MESSAGEメッセージのメッセージ種別がBYEである場合には(S722でYES)、ステップS723に進み、MESSAGEメッセージのメッセージ種別がBYEでない場合には(S722でNO)、ステップS726に進む。
ステップS723では、GW120の全体制御部131は、MESSAGEメッセージで特定される宛先の電話端末110に切断信号を送信する。
そして、GW120のSIP処理部134は、接続先テーブル123aから切断した通話に対応する情報を削除する処理を行う(S724)。
そして、GW120のSIP処理部134は、図8に示すような200OKメッセージ171を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S725)。
また、ステップS726では、SIP処理部134は、SIPにしたがって、MESSAGEメッセージにより予め定められた処理を実行する。
また、ステップS727では、SIP処理部134は、ステップS720で受信したSIPメッセージのスタートラインがBYEであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、SIPメッセージのスタートラインがBYEである場合には(S727でYES)、ステップS728に進み、SIPメッセージのスタートラインがBYEでない場合には(S727でNO)、ステップS731に進む。
ステップS728では、GW120の全体制御部131は、BYEメッセージで特定される宛先の電話端末110に切断信号を送信する。
そして、GW120のSIP処理部134は、接続先テーブル123aから切断した通話に対応する情報を削除する処理を行う(S729)。
そして、GW120のSIP処理部134は、図8に示すような200OKメッセージ171を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S730)。
また、ステップS731では、SIP処理部134は、ステップS720で受信したSIPメッセージのスタートラインが200OKであることを特定するものであるか否かを確認する。
そして、SIPメッセージが200OKである場合には(S731でYES)、ステップS732に進み、SIPメッセージが200OKでない場合には(S731でNO)、ステップS735に進む。
ステップS732では、SIP処理部134は、200OKメッセージが、BYEメッセージへの応答であるか否かを確認する。
そして、200OKメッセージがBYEへの応答である場合には(S732でYES)、ステップS733に進み、200OKメッセージがBYEへの応答でない場合には(S732でNO)、ステップS735に進む。
ステップS733では、SIP処理部134は、BYEメッセージで特定される通話に対応する情報を接続先テーブル123aから削除する処理を行う。
そして、SIP処理部134は、図9に示すようなACKメッセージ172を生成して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S734)。
また、ステップS735では、SIP処理部134は、SIPにしたがって、SIPメッセージにより予め定められた処理を実行する。
図21は、本発明の第二の実施形態であるGW220の概略図である。
図示するようにGW220は、記憶部121と、制御部230と、アナログ電話IF部140と、ネットワークIF部141と、を備える。
ここで、本実施形態におけるGW220は、第一の実施形態と比較して、制御部230が異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
制御部230は、全体制御部131と、符号方式切替部232と、符号処理部133と、SIP処理部234と、を備え、全体制御部131及び符号処理部133は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
符号方式切替部232は、後述するSIP処理部234の指示に応じて、後述する符号処理部133で符号化及び復号化する符号化方式を選択し、符号処理部133で使用する符号化方式を切り替える処理を行う。
ここで、本実施形態における符号方式切替部232は、接続先テーブル123aより、セッション内で行われる通話の数を特定し、特定した通話の数をセッションに割り振られている帯域に収容することのできる符号化方式のうち最も帯域の広いものを選択する。
例えば、本実施形態では、セッションに64kの帯域が割り振られており、当該セッションに1通話を収容する場合にはG.711(64k)の符号化方式を選択し、当該セッションに2通話を収容する場合にはG.726(32k)の符号化方式を選択し、当該セッションに3〜8通話を収容する場合にはG.729(8k)の符号化方式を選択し、当該セッションに9又は10通話を収容する場合にはG.723.1(6.3k)の符号化方式を選択する。
SIP処理部234は、SIPを用いたメッセージを送受信する等の処理を制御する。
また、SIP処理部234は、後述するアナログ電話IF部140を介して送受信するアナログ電話信号と、ネットワークIF部141を介して送受信するIPパケットと、から取得される情報が、切替テーブル122a、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに格納されているか否かを確認する処理を行い、さらに、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに必要な情報を格納し、削除する処理を行う。
ここで、本実施形態においても、第一の実施形態で説明した図7〜図10に示すSIPメッセージを使用するが、MESSAGEメッセージについては、図22及び図23に示すものを使用する。
図22は、本実施形態で使用するINVITE用のMESSAGEメッセージ274の構造を示す概略図である。
本実施形態におけるINVITE用のMESSAGEメッセージ274は、第一の実施形態と比較して、メッセージボディ274cに符号化方式種別格納領域274j及び無音期間格納領域274kが設けられている点で異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
符号化方式種別格納領域274jには、接続元GWNo格納領域174fで特定されるGW220と、接続先GWNo格納領域174gで特定されるGW220と、の間のセッションにおいて行われている通話で使用する符号化方式特定する情報が格納される。
無音期間格納領域274kには、符号化方式を切り替えるために、GW220において電話端末110からのデータを廃棄する必要がある時間を特定する情報が格納される。なお、この時間については、符号化方式を切り替えるために必要な時間を適宜予め定めておけばよい。
図23は、本実施形態で使用するBYE用のMESSAGEメッセージ275の構造を示す概略図である。
本実施形態におけるBYE用のMESSAGEメッセージ275は、第一の実施形態と比較して、メッセージボディ275cに無音期間格納領域275iが設けられている点で異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
無音期間格納領域275iには、符号化方式を切り替えるために、GW220において電話端末110からのデータを廃棄する必要がある時間を特定する情報が格納される。なお、この時間については、符号化方式を切り替えるために必要な時間を適宜予め定めておけばよい。
図24は、以上のように構成されるGW220を用いた通信システムにおける接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW220間に新たなセッションを確立する場合の処理を示す。
なお、本実施形態においても、呼制御サーバはネットワーク160に接続されているものとし、また、ネットワーク160を介して確立されるセッションは、通常、符号化方式としてG.711が採用され、64kの帯域で通信が行われるようにされているものとする。
まず、電話端末110Aは、電話端末110Cとの間で通話を行うために、発呼信号を送信する(S740)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Cの電話番号である*300と、電話端末110C側のGW220Bの識別番号(GWNo)である6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW220Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110C側のGW220BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、切替テーブル122aに、電話端末110C側のGW220BのGWNo(6000)が格納されているか否かを確認する(S741)。ここでは、GW220BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW220AのSIP処理部234は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110C側のGW220BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S742)。ここでは、GW220BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されていないものとする。
次に、GW220AのSIP処理部234は、図7に示すようなINVITEメッセージ170を生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S743)。ここで、本実施形態においては、INVITEメッセージ170の符号化方式種別格納領域170hには、G.711(64k)を特定する情報が格納される。
。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したINVITEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110C(GW220B)に転送する(S744)。
次に、GW220Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したINVITEメッセージをSIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、メッセージボディ170cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S745)。
そして、GW220Bの全体制御部131は、INVITEメッセージで宛先として特定された電話端末110Cに着呼信号を送信する(S746)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Cにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Cは、応答信号を出力する(S747)。
このような応答信号を受信したGW220Bでは、SIP処理部234が、図8に示すような200OKメッセージ171を生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S748)。この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Aに転送する(S749)。
このような200OKメッセージを受信したGW220Aでは、SIP処理部234が、ACKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S750)。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Bに転送する(S751)。
また、ACKメッセージを送信したGW220Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに格納する(S752)。なお、この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW220AのSIP処理部234は、符号方式切替部232に指示を出し、符号方式切替部232は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.711)を、符号処理部133に設定する(S753)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部232で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW220Bでは、SIP処理部234が指示を出し、符号方式切替部232が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.711)を符号処理部133に設定する(S754)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
このような処理を行うことにより、GW220A及びGW220B間にSIPセッションが確立する(S755)。ここで確立するセッションの帯域は、64kの帯域となる。
そして、電話端末110A及び電話端末110C間で通話が可能となり、これらの間の通話では、GW220A及びGW220B間においてG.711の符号化方式が利用され、64kの帯域が使用される(S756)。
図25は、本実施形態であるGW220を用いた通信システムにおける接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW220間に既にセッションが確立している場合の処理を示す。
まず、図24で示す接続処理により、GW220A及びGW220B間に、既にSIPセッションが確立し(S760)、電話端末110A及び電話端末110C間で通話が行われているものとする(S761)。
このような状態で、電話端末110Bと電話端末110Dとの間で通話を行う場合には、電話端末110Bから電話端末110Dに発呼信号が送信される(S762)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Dの電話番号である*400と、電話端末110D側のGW220BのGWNoである6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW220Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110D側のGW220BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、切替テーブル122aに、電話端末110D側のGW220BのGWNo(6000)が格納されているか否かを確認する(S763)。ここでは、GW220BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW220AのSIP処理部134は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110D側のGW220BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S764)。ここでは、GW220BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されているものとする。
そして、GW220AのSIP処理部234は、図22に示すようなINVITE用のMESSAGEメッセージ274を生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S765)。なお、ステップS765では、SIP処理部234は、電話端末110D側のGW220BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されている数を符号方式切替部232に出力し、符号方式切替部232では、当該数に「1」をインクリメントすることで通話数を算出し、当該通話数をセッションに割り振られている帯域(ここでは、64k)に収容することのできる符号化方式のうち最も帯域の広いもの(ここでは、G.726)を選択して、SIP処理部234に出力し、SIP処理部234は、INVITE用のMESSAGEメッセージ274の符号方式種別格納領域274jに選択された符号化方式を格納する。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したMESSAGEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110D(GW220B)に転送する(S766)。
次に、GW220Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したMESSAGEメッセージをSIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、メッセージボディ174cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S767)。また、ステップS767では、SIP処理部234は、MESSAGEメッセージで特定されるGW220に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている情報を、当該MESSAGEメッセージの符号化方式種別格納領域274jに格納されている符号化方式(ここでは、G.726)に書き換える。
そして、GW220Bの全体制御部131は、MESSAGEメッセージで宛先として特定された電話端末110Dに着呼信号を送信する(S768)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Dにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Dは、応答信号を出力する(S769)。
このような応答信号を受信したGW220Bでは、SIP処理部234が、図8に示すような200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S770)。この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Aに転送する(S771)。
このような200OKメッセージを受信したGW220Aでは、SIP処理部234が、図9に示すようなACKメッセージ172を生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S772)。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Bに転送する(S773)。
また、ACKメッセージを送信したGW220Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部234に出力し、SIP処理部234が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S774)。ここで、接続先テーブル123aの符号化方式欄123eには、ステップS764で選択した符号化方式(ここでは、G.726)を特定する情報が格納される。また、ステップS774では、200OKメッセージで特定されるGW220に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている情報を、ステップS764で選択した符号化方式(ここでは、G.726)に書き換える。なお、この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW220AのSIP処理部234は、符号化方式切替部232に指示を出し、符号化方式切替部232は接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S775)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部232で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、GW220AのSIP処理部234は、ステップS771で受信された200OKで特定されるGW220間を介して行っている通話の符号化方式を、当該GW220に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている符号化方式(ここでは、G.726)に切り替える(S776)。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW220Bでは、SIP処理部234が符号化方式切替部232に指示を出し、符号化方式切替部232が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S777)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で切り替えた符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、GW220Bでは、SIP処理部234は、ステップS766で送信されてきたMESSAGEメッセージの無音期間格納領域274kで特定される時間、電話端末110Aから送られてくるデータを廃棄する(S778)。
さらに、GW220BのSIP処理部234は、ステップS773で受信されたACKで特定されるGW220間を介して行っている通話の符号化方式を、当該GW220に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている符号化方式(ここでは、G.726)に切り替える(S779)。
このような処理を行うことにより、GW220A及びGW220B間に既に確立しているSIPセッションで、電話端末110B及び電話端末110D間における通話が可能となり、これらの間の通話では、GW120A及びGW120B間においてG.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S780)。
以上のような処理を行うことにより、GW220間で確立された一つのSIPセッションにおいて、複数の通話を行うことができるようになり、かつ、一つのSIPセッションに収容する通話数に応じて最も広帯域の帯域を使用することができるようになる。
図26は、本実施形態であるGW220を用いた通信システムにおける切断処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW220間に確立されているセッションに二つの通話が収容されており、これらのうちの何れか一つの通話を切断する場合の処理を示す。
まず、図25で示す接続処理により、GW220A及びGW220B間にSIPセッションが確立し(S790)、電話端末110A及び電話端末110C間での通話(S791)と、電話端末110B及び電話端末110D間での通話(S792)と、が行われているものとする。
このような状態で、電話端末110Aが電話端末110Cとの間の通話を切断する場合には、電話端末110Aから切断信号が送信される(S793)。
このような切断信号を受信したGW220Aでは、SIP処理部234が、通話テーブル124a及び接続先テーブル123aから切断する通話を特定して(S794)、図23に示すようなBYE用のMESSAGEメッセージ275を生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S795)。
このようなMESSAGEメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Bに転送する(S796)。
そして、このようなMESSAGEメッセージを受信したGW220Bは、全体制御部131が、切断信号を生成し、MESSAGEメッセージで特定される宛先である電話端末110Cに切断信号を送信する(S797)。
さらに、GW220BのSIP処理部234は、接続先テーブル123aを検索し、MESSAGEメッセージで特定される電話端末110A及び電話端末110C間の通話に対応する情報を、通話テーブル124aを参照して削除する(S798)。そして、ステップS798では、SIP処理部234は、符号化方式切替部232に指示を出し、削除後の通話数から、当該通話数をセッションに割り振られている帯域(ここでは、64k)に収容することのできる符号化方式のうち最も帯域の広いもの(ここでは、G.711)を特定する。そして、特定した符号化方式が、当該削除した通話と同様のGW220を介して行う通話に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている情報に一致しない場合には、当該情報を、特定した符号化方式(ここでは、G.711)に書き換える。なお、この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
そして、GW220BのSIP処理部234は、MESSAGEメッセージに対する200OKメッセージ(図8参照)を生成して、呼制御サーバに送信する(S799)。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW220Aに転送する(S800)。
このような200OKメッセージを受信したGW220AのSIP処理部234は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110A及び電話端末110Cの通話に対応する情報を削除する(S801)。そして、ステップS803では、SIP処理部234は、符号化方式切替部232に指示を出し、符号化方式切替部232は、削除後の通話数から、当該通話数をセッションに割り振られている帯域(ここでは、64k)に収容することのできる符号化方式のうち最も帯域の広いもの(ここでは、G.711)を特定する。そして、特定した符号化方式が、当該削除した通話を同様のGW220を介する通話に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている情報に一致しない場合には、当該情報を、特定した符号化方式(ここでは、G.711)に書き換える。なお、この際、SIP処理部234は、通話テーブル124aから対応する情報を削除する。
そして、GW220AのSIP処理部234は、ステップS803で符号化方式を書き換えた場合には、符号化方式切替部232に指示を出し、符号化方式切替部232は、部号処理部133の符号化方式を書き換えた符号化方式に切り替える(S802)。
また、GW220Bでは、呼制御サーバに200OKメッセージを送信(S799)の後、SIP処理部234は、ステップS796で送信されてきたMESSAGEメッセージの無音期間格納領域275kで特定される時間、電話端末110Aから送られてくるデータを廃棄する(S803)。
さらに、GW220BのSIP処理部234は、符号化方式切替部232に指示を出すことで、符号化方式切替部232が、ステップS802で受信されたACKで特定されるGW220間を介して行っている通話の符号化方式を、当該GW220に対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eに格納されている符号化方式(ここでは、G.711)に切り替える(S804)。
以上の処理により、GW220AとGW220Bとの間に確立されているSIPセッションに収容されていた電話端末110Aと電話端末110Cとの間の通話が切断される。
なお、以上の処理によってもGW220AとGW220Bとの間のSIPセッションは切断されず、電話端末110Bと電話端末110Dとの間の通話は維持され、かつ、SIPセッションに割り当てられている帯域に収容可能な帯域を使って通話を行うことができるようになる。
なお、GW間220間に確立されているセッションに一つの通話が収容されている場合の処理は、図16に示す処理と同様である。
図27は、本発明の第三の実施形態である通信システム300の概略図である。
図示するように、通信システム300は、電話端末310A〜310D(以下、個々の電話端末310A〜310Dを特に区別しない場合には、電話端末310という)と、GW320A、320B(以下、個々のGW320A、320Bを特に区別しない場合には、GW320という)と、を備えており、GW320は、終端装置150A、150Bを介してネットワーク160に接続することができるようにされている。
電話端末310は、音声通信を行う端末で、本実施形態においては、SIPに対応するメッセージを送受信することにより、呼接続を行うSIP端末が使用される。なお、電話端末310については、汎用のものを使用すればよいため、詳細な説明は省略する。
図28は、GW320の概略図である。
図示するようにGW320は、記憶部321と、制御部330と、ネットワークIF部340A、340Bと、を備える。
記憶部321は、切替情報記憶領域122と、接続先情報記憶領域123と、符号化情報記憶領域125と、通話情報記憶領域324と、登録情報記憶領域326と、を備え、切替情報記憶領域122、接続先情報記憶領域123及び符号化情報記憶領域125と、に記憶される情報については、第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における通話情報記憶領域324には、確立されたSIPセッションで通信を行う電話端末310を特定する情報が記憶される。
本実施形態においては、図29(通話テーブル324aの概略図)に示すような通話テーブル324aが、通話情報記憶領域324に記憶される。
図示するように、通話テーブル324aは、通話No欄324bと、アドレス欄324cと、を備える。
通話No欄324bには、GW320間で張られているセッションにおいて行われる通話を特定する情報が記憶され、ここでは、図4に示す接続先テーブル123aの通話No欄123bで特定される情報(通話No)に対応する情報が格納される。
アドレス欄324cには、通話No欄324bで特定される通話において通信を行う電話端末310のアドレス情報(ここでは、IPアドレス)が格納される。
登録情報記憶領域326には、GW320を介して通信を行う電話端末310の識別番号(電話番号)及びアドレスを特定する情報が格納される。
本実施形態においては、図30(登録テーブル326aの概略図)に示すような登録テーブル326aが、登録情報記憶領域326に記憶される。
図示するように、登録テーブル326aは、電話番号欄326bと、アドレス欄326cと、を備える。
電話番号欄326bには、電話端末310の論理アドレスである電話番号を特定する情報が格納される。
アドレス欄326cには、電話番号欄326bで特定される論理アドレスを有する電話端末310のコンタクトアドレス(IPアドレス)を特定する情報が格納される。
制御部330は、全体制御部331と、符号方式切替部132と、符号処理部133と、SIP処理部334と、を備える。
全体制御部331は、GW320における全体の処理を制御する。
特に、全体制御部331は、終端装置150側のネットワークIF部340Bを制御して、後述する符号方式切替部132で切り替えた符号化方式に対応したパケットを送信する処理を行う。
SIP処理部334は、SIPを用いたメッセージを送受信等する処理を制御する。
また、SIP処理部334は、後述するネットワークIF部340A、340Bを介して送受信するIPパケットから取得される情報が、切替テーブル122a、接続先テーブル123a又は通話テーブル324aに格納されているか否かを確認する処理を行い、さらに、接続先テーブル123a又は通話テーブル324aに必要な情報を格納し、削除する処理を行う。
また、本実施形態におけるSIP処理部334は、GW320の配下に収容される電話端末310からのREGISTERメッセージを受信し、登録テーブル326aに登録する等、SIPサーバとしての処理も制御する。
さらに、本実施形態におけるSIP処理部334は、電話端末310との間で送受信するSIPメッセージと、GW320間で送受信するSIPメッセージと、を変換する処理を行う。
ここで、本実施形態において、GW320間で使用するSIPメッセージについては、図7〜図12に示すものと同様なものを使用する。
ネットワークIF部340A、340Bは、ネットワークを介して情報を送受信するためのインターフェースである。ここで、本実施形態においては、ネットワークIF部340Aは、電話端末310側に接続されており、ネットワークIF部340Bは、ネットワーク160側に接続されているものとする。
また、本実施形態におけるネットワーク160にも、SIPに従った呼制御を行う呼制御サーバが接続されているものとする。この呼制御サーバについては、汎用のものを用いればよいため、説明を省略する。
図31は、以上のように構成される通信システム300における接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW320間に新たなセッションを確立する場合の処理を示す。
なお、図31に示す呼制御サーバは、ネットワーク160に接続されているものとする。
また、ネットワーク160を介して確立されるセッションにおいては、通常は、符号化方式としてG.711が採用され、64kの帯域で通信が行われるようにされているものとする。
まず、電話端末310Aは、電話端末310Cとの間で通話を行うために、INVITEメッセージをGW320Aに送信する(S810)。ここでのINVITEメッセージは、SIPに定めるINVITEメッセージであり、宛先である電話端末310Cの電話番号である*300と、電話端末310C側のGW320Bの識別番号(GWNo)である6000と、を特定したものであるとする。
このようなINVITEメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、INVITEメッセージから電話端末310C側のGW320BのGWNo(6000)を抽出し、抽出したGWNoが切替テーブル122aに格納されているか否かを確認する(S811)。ここでは、GW320BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW320AのSIP処理部334は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末310C側のGW320BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S812)。ここでは、GW120BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されていないものとする。
次に、GW320AのSIP処理部334は、図7に示すようなINVITEメッセージ170を生成して、ネットワークIF部340Bを介して、呼制御サーバに送信する(S813)。
ここで、INVITEメッセージの符号化方式種別格納領域170hに符号化方式であるG.711(64k)を特定する情報を格納する。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したINVITEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末310C(GW320B)に転送する(S814)。
次に、GW320BのSIP処理部334は、ネットワークIF部340Bを介して受信したINVITEメッセージからメッセージボディ170cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を、接続先テーブル123aに登録する(S815)。
そして、GW320BのSIP処理部334は、受信したINVITEメッセージを宛先である電話端末310Cが対応する様式に変換して、電話端末310Cに送信する(S816)。
このようなINVITEメッセージを受信した電話端末310Cにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末310Cは、INVITEに対する200OKメッセージを返信する(S817)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aに必要な情報を格納する。
このような200OKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、図8に示すような200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部340Bを介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S818)。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Aに転送する(S819)。
このような200OKメッセージを受信したGW320AのSIP処理部334は、受信した200OKメッセージを発信元である電話端末310Aが対応する様式に変換して、電話端末310Aに送信する(S820)。
このような200OKメッセージを受信した電話端末310Aでは、ACKメッセージを返信する(S821)。
そして、このようなACKメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、図9に示すようなACKメッセージを生成して、ネットワークIF部340Bを介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S822)。
このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Bに転送する(S823)。
ACKメッセージを受信したGW320AのSIP処理部334は、受信したACKメッセージを宛先である電話端末310Cが対応する様式に変換して、電話端末310Cに送信する(S824)。
また、ACKメッセージを送信したGW320AのSIP処理部334は、ネットワークIF部340Bを介して受信した200OKメッセージからメッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を、接続先テーブル123aに格納する(S825)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aに必要な情報を格納する。
そして、GW320AのSIP処理部334は、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を、符号処理部133に設定する(S826)。そして、全体制御部331は、ネットワークIF部340を制御して、ネットワークIF部340Aを介して受信した符号化方式(G.726)のパケットを、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応するパケットに変換して送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号方式切替部132に出力し、符号方式切替部132は、符号処理部133に当該符号化方式(G.726)を設定する(S827)。そして、全体制御部331は、ネットワークIF部340を制御して、ネットワークIF部340Aを介して受信した符号化方式(G.726)のパケットを、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応するパケットに変換して送信するようにする。
このような処理を行うことにより、電話端末310A及びGW320A間、GW320A及びGW320B間、GW320B及び電話端末310C間、にSIPセッションが確立する(S828、S829、S830)。ここで確立するセッションの帯域は、64kの帯域となる。
そして、電話端末310A及び電話端末310C間で通話が可能となり、これらの間の通話では、GW320A及びGW320B間においてG.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S831)。
図32は、通信システム300における接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW320間に既にセッションが確立されている場合の処理を示す。
まず、図31で示す接続処理により、GW320A及びGW320B間にSIPセッションが確立し(S840)、電話端末310A及び電話端末310C間で通話が行われているものとする(S841)。
このような状態で、電話端末310Bと電話端末310Dとの間で通話を行う場合には、電話端末310BからINVITEメッセージがGW320Aに送信される(S842)。ここでのINVITEメッセージは、宛先である電話端末310Dの電話番号である*400と、電話端末310D側のGW320BのGWNoである6000と、を特定したものであるとする。
このようなINVITEメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、INVITEメッセージから電話端末310D側のGW320BのGWNo(6000)を抽出して、抽出したGWNo(6000)が切替テーブル122aに格納されているか否かを確認する(S843)。ここでは、GW320BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW320AのSIP処理部334は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末310D側のGW320BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S844)。ここでは、GW320BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されているものとする。
そして、GW320AのSIP処理部334は、図11に示すようなINVITE用のMESSAGEメッセージ174を生成して、ネットワークIF部340Bを介して、呼制御サーバに送信する(S845)。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したMESSAGEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末310D(GW320B)に転送する(S846)。
次に、GW320BのSIP処理部334は、ネットワークIF部340Bを介して受信したMESSAGEメッセージからメッセージボディ174cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を、接続先テーブル123aに登録する(S847)。
そして、GW320BのSIP処理部334は、MESSAGEメッセージで宛先として特定された電話端末310Dが対応する様式のINVITEメッセージを生成して、当該電話端末310Dに送信する(S848)。
このようなINVITEメッセージを受信した電話端末310Dにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末310Dは、INVITEに対する200OKメッセージを返信する(S849)。
このような200OKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、図8に示すような200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部340Bを介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S850)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aに必要な情報を格納する。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Aに転送する(S851)。
このような200OKメッセージを受信したGW320AのSIP処理部334は、受信した200OKメッセージを発信元である電話端末310Bが対応する様式に変換して、電話端末310Bに送信する(S852)。
そして、200OKメッセージを受信した電話端末310Bでは、ACKメッセージを返信する(S853)。
そして、このようなACKメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、図9に示すようなACKメッセージを生成して、ネットワークIF部340Bを介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S854)。
このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Bに転送する(S855)。
ACKメッセージを受信したGW320BのSIP処理部334は、受信したACKメッセージを宛先である電話端末310Dが対応する様式に変換して、電話端末310Dに送信する(S856)。
また、ACKメッセージを送信したGW320AのSIP処理部334は、ネットワークIF部340Bを介して受信した200OKメッセージからメッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報及び符号化情報記憶領域125に格納されている符合化方式を、接続先テーブル123aに格納する(S857)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aに必要な情報を格納する。
そして、GW320AのSIP処理部334は、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を、符号処理部133に設定する(S858)。そして、全体制御部331は、ネットワークIF部340を制御して、ネットワークIF部340Aを介して受信した符号化方式(G.726)のパケットを、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応するパケットに変換して送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号方式切替部132に出力し、符号方式切替部132は、符号処理部133に当該符号化方式(G.726)を設定する(S859)。そして、全体制御部331は、ネットワークIF部340を制御して、ネットワークIF部340Aを介して受信した符号化方式(G.726)のパケットを、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応するパケットに変換して送信するようにする。
このような処理を行うことにより、電話端末310B及びGW320A間、GW320B及び電話端末310D間、にSIPセッションが確立する(S860、S861)。ここで確立するセッションの帯域は、64kの帯域となる。
そして、電話端末310B及び電話端末310D間の通話は、既に確立されているGW320A及びGW320B間のセッションを介して行われることとなり、これらの間の通話は、G.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S862)。
なお、以上の例では、帯域64kのセッションにおいて、帯域32kの通話を2回線入れるようにしているが、このような態様に限定されず、例えば、帯域64kのセッションにおいて、帯域16kの通話を1〜4回線入れるようにすることも可能である。即ち、一つのセッションに入れる回線の数に応じて、回線帯域(符号化方式)を適宜変更すればよい。
図33は、通信システム300における切断処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW320間に確立されているセッションに二つの通話が収容されており、これらのうちの何れか一つの通話を切断する場合の処理を示す。
まず、図32で示す接続処理により、GW320A及びGW320B間にSIPセッションが確立し(S870)、電話端末310A及び電話端末310C間での通話(S871)と、電話端末310B及び電話端末310D間での通話(S872)と、が行われているものとする。
このような状態で、電話端末310Aが電話端末310Cとの間の通話を切断する場合には、電話端末310AがBYEメッセージをGW320Aに送信する(S873)。
このようなBYEメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、通話テーブル324a及び接続先テーブル123aから切断する通話を特定して(S874)、図12に示すようなBYE用のMESSAGEメッセージを生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S875)。
このようなMESSAGEメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Bに転送する(S876)。
そして、このようなMESSAGEメッセージを受信したGW320Bは、SIP処理部334が、切断する宛先である電話端末310Cに対応する様式でBYEメッセージを生成し、当該電話端末310Cに送信する(S877)。
このようなBYEメッセージに対して、電話端末310Cは、200OKメッセージを返信する(S878)。
電話端末310Cから200OKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、接続先テーブル123aを検索し、電話端末310A及び電話端末310C間の通話に対応する情報を削除する(S879)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aから対応する情報を削除する。
そして、GW320BのSIP処理部334は、図8に示すようなMESSAGEに対する200OKメッセージを生成して、呼制御サーバに送信し(S880)、電話端末310Cとの間のセッションを切断する(S885)。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Aに転送する(S881)。
GW320AのSIP処理部334は、受信した200OKメッセージを、BYEの送信元である電話端末310Aが対応する様式の200OKメッセージに変換して、当該電話端末310Aに送信する(S882)。
200OKメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、接続先テーブル123aを検索し、切断する電話端末310A及び電話端末310C間の通話に対応する情報を削除して(S883)、電話端末310Aとの間のセッションを切断する(S884)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aから対応する情報を削除する。
以上の処理により、GW320AとGW320Bとの間に確立されているSIPセッションに収容されていた電話端末310Aと電話端末310Cとの間の通話が切断される。
なお、以上の処理によってもGW320AとGW320Bとの間のSIPセッションは切断されず、電話端末310Bと電話端末310Dとの間の通話は維持される。
図34は、通信システム300における切断処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW320間に確立されているセッションに一つの通話が収容されており、この通話を切断する場合の処理を示す。
まず、図33で示す切断処理により、GW320A及びGW320B間にSIPセッションが残っており(S900)、電話端末310B及び電話端末310D間での通話(S901)が行われているものとする。
このような状態で、電話端末310Bが電話端末310Dとの間の通話を切断する場合には、電話端末310BがBYEメッセージをGW320Aに送信する(S902)。
このようなBYEメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、通話テーブル124a及び接続先テーブル123aから切断する通話を特定して(S903)、図10に示すようなBYEメッセージを生成して、ネットワーク160の呼制御サーバに送信する(S904)。
このようなBYEメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Bに転送する(S905)。
そして、このようなBYEメッセージを受信したGW320Bは、SIP処理部334が、切断する宛先である電話端末310Dに対応する様式にBYEメッセージを変換し、当該電話端末310Dに送信する(S906)。
このようなBYEメッセージに対して、電話端末310Dは、200OKメッセージを返信する(S907)。
電話端末310Dから200OKメッセージを受信したGW320Bでは、SIP処理部334が、接続先テーブル123aを検索し、電話端末310B及び電話端末310D間の通話に対応する情報を削除する(S908)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aから対応する情報を削除する。
そして、GW320BのSIP処理部334は、図8に示すようなBYEに対する200OKメッセージを生成して、呼制御サーバに送信し(S909)、電話端末310Dとの間のセッションを切断する(S915)。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW320Aに転送する(S910)。
GW320AのSIP処理部334は、受信した200OKメッセージを、BYEの送信元である電話端末310Aが対応する様式の200OKメッセージに変換して、当該電話端末310Aに送信する(S911)。
200OKメッセージを受信したGW320Aでは、SIP処理部334が、接続先テーブル123aを検索し、切断する電話端末310B及び電話端末310D間の通話に対応する情報を削除して(S912)、電話端末310Bとの間のセッションを切断する(S913)とともにGW320Bとの間のセッションを切断する(S914)。なお、この際、SIP処理部334は、通話テーブル324aから対応する情報を削除する。
以上のように、図33及び図34の処理によれば、一つのセッションに収容されている複数の通話を個々に切断することができ、全ての通話が切断されることでGW320間のセッションを切断することができる。
なお、以上の実施形態においては、一つのセッションに収容される複数の通話は、帯域(符号化方式)が固定にされているが、このような態様に限定されず、例えば、第二の実施形態と同様に、一つのセッションに収容される通話の数により可変にすることが可能である。
図35は、本発明の第四の実施形態であるGW420の概略図である。
図示するようにGW420は、記憶部421と、制御部430と、アナログ電話IF部140と、ネットワークIF部141と、を備える。
ここで、本実施形態におけるGW420は、第一の実施形態と比較して、記憶部421及び制御部430が異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
記憶部421は、切替情報記憶領域122と、接続先情報記憶領域123と、通話情報記憶領域124と、送信元情報記憶領域427と、を備え、切替情報記憶領域122、接続先情報記憶領域123及び通話情報記憶領域124に記憶する情報については、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
送信元情報記憶領域427には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる送信元を特定する情報が格納される。
例えば、本実施形態においては、図36(送信元テーブル427aの概略図)に示されているような送信元テーブル427aが、送信元情報記憶領域427に記憶される。
図示するように、送信元テーブル427aは、送信元GWNo欄427bが設けられており、本欄には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる送信元を特定する情報として、SIPメッセージの通信経路において、INVITEメッセージの送信元とされた電話端末110側のGW420を一意に識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW毎に割り振られているGWNoが格納される。
制御部430は、全体制御部131と、符号方式切替部132と、符号処理部133と、SIP処理部434と、を備え、全体制御部131、符号方式切替部132及び符号処理部133は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
SIP処理部434は、SIPを用いたメッセージを送受信等する処理を制御する。
また、SIP処理部434は、後述するアナログ電話IF部140を介して送受信するアナログ電話信号と、ネットワークIF部141を介して送受信するIPパケットと、から取得される情報が、切替テーブル122a、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに格納されているか否かを確認する処理を行い、さらに、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに必要な情報を格納し、削除する処理を行う。
ここで、本実施形態においても、第一の実施形態で説明した図7〜図9、図12に示すSIPメッセージを使用する。
図37は、本実施形態で使用するINVITE用のMESSAGEメッセージ474の構造を示す概略図である。
本実施形態におけるINVITE用のMESSAGEメッセージ474は、第一の実施形態と比較して、メッセージボディ474cに符号化方式種別格納領域474jが設けられている点で異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
符号化方式種別格納領域474jには、接続元GWNo格納領域174fで特定されるGW420と、接続先GWNo格納領域174gで特定されるGW420と、の間のセッションにおいて行われている通信(通話)で使用する符号化方式特定する情報が格納される。
なお、SIP処理部434での処理の詳細は、後述する。
図38は、以上のように構成されるGW420を用いた通信システムにおける接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW420間に新たなセッションを確立する場合の処理を示す。
なお、本実施形態においても、呼制御サーバはネットワーク160に接続されているものとし、また、ネットワーク160を介して確立されるセッションは、通常、符号化方式としてG.711が採用され、64kの帯域で通信が行われるようにされているものとする。
まず、電話端末110Aは、電話端末110Cとの間で通話を行うために、発呼信号を送信する(S920)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Cの電話番号である*300と、電話端末110C側のGW420Bの識別番号(GWNo)である6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW420Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110C側のGW420BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部434に出力し、SIP処理部434が、切替テーブル122aに、電話端末110C側のGW420BのGWNo(6000)が格納されているか否かを確認する(S921)。ここでは、GW420BのGWNoが切替テーブル122aに格納されているものとする。
次に、GW420AのSIP処理部434は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110C側のGW420BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S922)。ここでは、GW420BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されていないものとする。
次に、GW420AのSIP処理部434は、図7に示すようなINVITEメッセージ170を生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S923)。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したINVITEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110C(GW420B)に転送する(S924)。
次に、GW420Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したINVITEメッセージをSIP処理部434に出力し、SIP処理部434が、メッセージボディ170cに格納されている情報を抽出し、SIP処理部434は、INVITEメッセージの接続元GWNo格納領域に格納されている情報で特定されるGWNoが送信元テーブル427aに格納されているか否かを確認する(S925)。なお、ここでは、接続元GWNoが送信元テーブル427aに格納されているものとする。
そして、GW420BのSIP処理部434は、図8に示すような200OKメッセージを生成し、ネットワーク160の呼制御サーバに返信する(S926)。
このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、当該200OKメッセージをGW420Aに転送する(S927)。
そして、GW420AのSIP処理部434は、図9に示すようなACKメッセージを生成し、ネットワーク160の呼制御サーバに返信する(S928)。
このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、当該ACKメッセージをGW420Bに転送することで(S929)、GW420A及びGW420B間でのSIPセッションが確立する(S930)。なお、ここで確立するSIPセッションについては、予め定められているところに従い、帯域が64kの符号化方式G.711であるものとする。
次に、GW420AのSIP処理部434は、ステップS923で送信したINVITEメッセージに基づいて、図11に示すようなINVITE用のMESSAGEメッセージ474を生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S931)。
ここで、INVITE用のMESSAGEメッセージ474の符号化方式種別格納領域174jには、G.711(64k)よりも狹帯域である符号化方式(ここでは、G.726(32k))を特定する情報を格納するものとする。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したMESSAGEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110C(GW420B)に転送する(S932)。
次に、GW420Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したMESSAGEメッセージをSIP処理部434に出力し、SIP処理部434が、メッセージボディ474cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S933)。
そして、GW420Bの全体制御部131は、MESSAGEメッセージで宛先として特定された電話端末110Cに着呼信号を送信する(S934)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Cにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Cは、応答信号を出力する(S935)。
このような応答信号を受信したGW420Bでは、SIP処理部434が、図8に示すような200OKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S936)。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW420Aに転送する(S937)。この際、SIP処理部434は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
このような200OKメッセージを受信したGW420Aでは、SIP処理部434が、図9に示すようなACKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S938)。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW420Bに転送する(S939)。
また、ACKメッセージを送信したGW420Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部434に出力し、SIP処理部434が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S940)。なお、この際、SIP処理部434は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW420AのSIP処理部434は、符号方式理切替部132に指示を出し、符号方式理切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S941)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW420Bでは、SIP処理部434が、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S942)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
なお、本実施形態においても、一つのセッションに複数の通話を収容する場合には、図14に示すシーケンスを用いれば良く、また、切断処理についても、図15及び図16に示す処理を行えばよい。
図39は、本発明の第五の実施形態であるGW520の概略図である。
図示するようにGW520は、記憶部521と、制御部530と、アナログ電話IF部140と、ネットワークIF部141と、を備える。
ここで、本実施形態におけるGW520は、第一の実施形態と比較して、記憶部521及び制御部530が異なっているため、以下この異なっている点に関連する事項について説明する。
記憶部521は、接続先情報記憶領域123と、通話情報記憶領域124と、接続元情報記憶領域528と、を備え、接続先情報記憶領域123及び通話情報記憶領域124に記憶する情報については、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
接続元情報記憶領域528には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる接続元を特定する情報が格納される。
例えば、本実施形態においては、図40(接続元テーブル528aの概略図)に示されているような接続元テーブル528aが、接続元情報記憶領域528に記憶される。
図示するように、接続元テーブル528aは、接続元GWNo欄528bが設けられており、本欄には、帯域(符号化方式)の切り替えを行う対象となる接続元を特定する情報として、SIPメッセージの通信経路において、INVITEメッセージの接続元とされた電話端末110側のGW520を一意に識別するための識別情報が格納される。本実施形態においては、当該識別情報として、GW毎に割り振られているGWNoが格納される。
制御部530は、全体制御部131と、符号方式切替部132と、符号処理部133と、SIP処理部534と、を備え、全体制御部131、符号方式切替部132及び符号処理部133は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
SIP処理部534は、SIPを用いたメッセージを送受信等する処理を制御する。
また、SIP処理部534は、後述するアナログ電話IF部140を介して送受信するアナログ電話信号と、ネットワークIF部141を介して送受信するIPパケットと、から取得される情報が、接続元テーブル528a、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに格納されているか否かを確認する処理を行い、さらに、接続先テーブル123a又は通話テーブル124aに必要な情報を格納し、削除する処理を行う。
ここで、本実施形態においても、第一の実施形態で説明した図8〜図12に示すSIPメッセージを使用するが、INVITEメッセージに対する200OKメッセージについては図42に示すものを使用する。
図41は、本実施形態で使用するINVITEメッセージ570の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用するINVITEメッセージ570は、スタートライン170aと、ヘッダ部170bと、メッセージボディ570cと、を備える。
スタートライン170a及びヘッダ部170bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ570cは、メッセージ種別格納領域170dと、接続元GWNo格納領域170eと、接続先GWNo格納領域170fと、接続先TELNo格納領域170gと、を備え、第一の実施形態とは異なり、符号化方式の種別を格納する領域は設けられていない。
なお、メッセージ種別格納領域170d、接続元GWNo格納領域170e、接続先GWNo格納領域170f及び接続先TELNo格納領域170gに格納する情報については、第一の実施形態におけるこれらの格納領域に対応するものと同様である。
図42は、本実施形態で使用する200OKメッセージ571の構造を示す概略図である。
図示するように、本実施形態で使用する200OKメッセージ571は、スタートライン171aと、ヘッダ部171bと、メッセージボディ571cと、を備える。
スタートライン171a及びヘッダ部171bに格納する情報については、SIPに定めるフォーマットに従えばよいため、詳細な説明は省略する。
メッセージボディ571cは、メッセージ種別格納領域171dと、接続元GWNo格納領域171eと、接続先GWNo格納領域171fと、応答種別格納領域171gと、符号化方式種別格納領域571hと、を有する。
ここで、メッセージ種別格納領域171d、接続元GWNo格納領域171e、接続先GWNo格納領域171f及び応答種別格納領域171gに格納する情報については、第一の実施形態におけるこれらの格納領域に対応するものと同様であるため、説明を省略する。
符号化方式種別格納領域571hには、接続元GWNo格納領域170eで特定されるGW520と、接続先GWNo格納領域170fで特定されるGW520と、の間のセッションにおける通話で使用する符号化方式を特定する情報が格納される。
図43は、以上のように構成されるGW520を用いた通信システムにおける接続処理を示すシーケンス図である。本シーケンスでは、GW520間に新たなセッションを確立する場合の処理を示す。
なお、本実施形態においても、呼制御サーバはネットワーク160に接続されているものとし、また、ネットワーク160を介して確立されるセッションは、通常、符号化方式としてG.711が採用され、64kの帯域で通信が行われるようにされているものとする。
まず、電話端末110Aは、電話端末110Cとの間で通話を行うために、発呼信号を送信する(S950)。ここでの発呼信号は、宛先である電話端末110Cの電話番号である*300と、電話端末110C側のGW520Bの識別番号(GWNo)である6000と、を特定したものであるとする。
このような発呼信号を受信したGW520Aでは、全体制御部131が、発呼信号から電話端末110C側のGW120BのGWNo(6000)を抽出して、SIP処理部534に出力し、SIP処理部534は、接続先テーブル123aを検索し、電話端末110C側のGW520BのGWNo(6000)が接続先テーブル123aの接続先GWNo欄123dに格納されているか否かを確認する(S951)。ここでは、GW520BのGWNoは、接続先GWNo欄123dに格納されていないものとする。
次に、GW520AのSIP処理部534は、図41に示すようなINVITEメッセージ570を生成して、ネットワークIF部141を介して、呼制御サーバに送信する(S952)。
そして、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバは、受信したINVITEメッセージを、呼制御サーバに登録されているレジスタ情報に基づいて、電話端末110C(GW520B)に転送する(S953)。
次に、GW520Bの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信したINVITEメッセージをSIP処理部534に出力し、SIP処理部534が、メッセージボディ170cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに登録する(S954)。
また、GW520BのSIP処理部534は、接続元テーブル528aを検索し、電話端末110A側のGW520AのGWNo(5000)が接続元テーブル528aに格納されているか否かを確認する(S955)。ここでは、GW520BのGWNoが、接続元テーブル528aに格納されているものとする。
そして、GW520Bの全体制御部131は、INVITEメッセージで宛先として特定された電話端末110Cに着呼信号を送信する(S956)。
このような着呼信号を受信した電話端末110Cにおいて、着呼に応ずる手続がなされた場合には、電話端末110Cは、応答信号を出力する(S957)。
このような応答信号を受信したGW520Bでは、SIP処理部534が、図42に示すような200OKメッセージ571を生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S958)。この際、SIP処理部534は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
ここで、200OKメッセージの符号化方式種別格納領域571hには、通常の通信で使用される符号化方式(G.711(64k))よりも狹帯域の符号化方式(G.726(32k))を格納する。
そして、このような200OKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW520Aに転送する(S959)。
このような200OKメッセージを受信したGW520Aでは、SIP処理部534が、ACKメッセージを生成して、ネットワークIF部141を介して、ネットワーク160に設置されている呼制御サーバに送信する(S960)。
そして、このようなACKメッセージを受信した呼制御サーバは、GW520Bに転送する(S961)。
また、ACKメッセージを送信したGW520Aの全体制御部131は、ネットワークIF部141を介して受信した200OKメッセージをSIP処理部534に出力し、SIP処理部534が、メッセージボディ171cに格納されている情報を抽出して、抽出した情報を接続先テーブル123aに格納する(S962)。この際、SIP処理部534は、通話テーブル124aに必要な情報を格納する。
次に、GW520AのSIP処理部534は、符号方式切替部132に指示を出し、符号方式切替部132は、接続先テーブル123aに格納された符号化方式(ここでは、G.726)を、符号処理部133に設定する(S963)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
また、呼制御サーバからACKメッセージを受信したGW520Bでは、SIP処理部534が指示を出し、符号方式切替部132が、ACKメッセージの接続元GWNo格納領域171e及び接続先GWNo格納領域171fに格納されているGWNoに対応する接続先テーブル123aの符号化方式欄123eで特定される符号化方式(ここでは、G.726)を符号処理部133に設定する(S964)。そして、全体制御部131は、ネットワークIF部141を制御して、符号方式切替部132で特定した符号化方式に対応したパケットを送信するようにする。
このような処理を行うことにより、GW520A及びGW520B間にSIPセッションが確立する(S965)。ここで確立するセッションの帯域は、64kの帯域となる。
そして、電話端末110A及び電話端末110C間で通話が可能となり、これらの間の通話では、GW520A及びGW520B間においてG.726の符号化方式が利用され、32kの帯域が使用される(S966)。
なお、本実施形態においても、一つのセッションに複数の通話を収容する場合には、図14に示すシーケンスを用いれば良いが、切替テーブル122aを確認する処理は必要ない。また、切断処理についても、図15及び図16に示すシーケンスにより処理を行えばよい。
以上に記載した実施形態においては、発呼を行う電話端末において、相手先の電話端末の電話番号と、相手先の電話端末側のGWのGWNoと、を特定するようにしているが、このような態様に限定されず、例えば、GWに、電話端末の電話番号と、当該電話端末側のGW(当該電話端末が接続されているGW)のGWNoと、を対応させたテーブルを記憶させておくことにより、相手先の電話番号からGWNoを特定することができるようにしてもよい。
以上に記載した実施形態においては、GWにおいてセッションを確立して、電話端末での通話を可能にしたが、このような態様に限定されず、例えば、本発明で説明したGWでの機能を電話端末に設けることも可能であり、また、終端装置に設けることも可能である。また、ネットワークを介して通信を行うことのできる他の装置(例えば、ルータ等)に設けることも可能である。
以上のように、本発明によれば、一つのセッションに複数の通話を収容することができるため、例えば、NGN(Next Generation Network)のように、SIPセッション毎に課金がされるような場合に、一つのセッションで複数の通話を行うことが可能となり、料金面において有利となる。