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JP5273264B2 - 内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク - Google Patents

内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク Download PDF

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Description

この発明は、レシプロ式内燃機関のピストンクランク機構、特に複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクに関する。
レシプロ式内燃機関のピストンピンとクランクピンとの間を複リンク式のピストンクランク機構で連結した従来技術として、本出願人が先に提案した特許文献1等が公知となっている。これは、ピストンのピストンピンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を備えている。そして、上記アッパリンクと上記ロアリンクとは、アッパピンを介して互いに回転可能に連結され、上記コントロールリンクと上記ロアリンクとは、コントロールピンを介して互いに回転可能に連結されている。
このような複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクは、ピストンが受けた燃焼圧力をアッパリンクを介してアッパピンより受け取り、コントロールピンを支点とする一種の”てこ”のような動作でクランクピンに力を伝達する。
一方、ロアリンクは、クランクシャフトに対する組み立て性を確保する必要があるので、上記特許文献1においては、クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、2つの半割部つまりロアリンクアッパとロアリンクロアとに分割構成し、両者を複数のボルトにて互いに締結するようにしている。特に、複数のボルトを下方つまりロアリンクロア側から挿入し、ロアリンクアッパ側の雌ねじに螺合させるようにしている。
特開2004−124776号公報
上記のような従来のロアリンクにおいては、雌ねじ部での応力集中の問題がある。特に、ロアリンクはピストンからの燃焼荷重をアッパリンクを経由してクランクピンに伝達したり、クランクピンからの回転力をピストンの往復動に変換する役割を担ったりするために、燃焼荷重と慣性力により最大で数トンの巨大な荷重を受ける。従ってロアリンクのねじ締結部分の強度・剛性を確保するには非常に高度な技術が要求される。
図10及び図11の参考図には、矢印F1,F2,F3でもって、燃焼荷重が最大となる最大燃焼荷重時(図10)及び慣性荷重が最大となる最大慣性荷重時(図11)に、クランクピン、アッパピン、コントロールピンからそれぞれロアリンクに入力される力の方向を示している。図10に示すように、最大燃焼荷重時には、アッパピンから受ける荷重F1の方向が、分割面(合わせ面)103を閉じる方向となるのに対し、コントロールピンから受ける荷重F3の方向が、分割面103を開く方向となる。このために、クランクピン軸受部104の両側に位置する分割面103A,103Bのうち、開き方向(口開き方向・剥がれ引き離す方向)に荷重F3が作用するコントロールピン用ピンボス部側の分割面103A側では、開き方向の荷重F3に対して高い面圧が要求される。また、図11に示すように、最大慣性荷重時には、コントロールピン用ピンボス部側の第1分割面103Aには、剪断方向に沿うように荷重F1と荷重F3とがほぼ逆方向に作用することとなり、やはり高い面圧が要求される。一方、最大燃焼荷重時にアッパピン側から閉じ方向F1に荷重が作用するアッパピン用ピンボス部側の分割面103Bにおいては、面圧の確保よりは、むしろ閉じ方向の高い荷重に対する剛性の確保などが要求される。
この発明は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構を前提としており、そのロアリンクを改良したものである。
上記ロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2本のボルトによって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されている。
そして、上記ロアリンクの側面には凹部が凹設されており、この凹部は、上記クランクピン軸受部の両側に位置する第1分割面と第2分割面のうちで、一方の第1分割面のみを横切るように、上記ロアリンクアッパからロアリンクロアにわたって延在している
この発明によれば、第1分割面にのみ凹部を設けることで、特に第1分割面に開き方向の荷重が作用するような場合に、その開き方向の荷重に対する面圧を高めつつ、他方の第2分割面においては、凹部を設けることなく、その面積を大きく確保することで、応力集中を低減・回避しつつ過大な荷重入力に対する耐久性,信頼性を高めることができる
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。始めに、この発明の一例であるロアリンクが用いられるピストンクランク機構の概略を説明する。図1は、この複リンク式ピストンクランク機構を可変圧縮比機構として構成した構成例を示す構成説明図である。この機構は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストンクランク機構を備えている。
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。上記クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブからクランクピン3とは反対側へ延びている。
上記ロアリンク4は、後述するように2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央のクランクピン軸受部に上記クランクピン3が嵌合している。
アッパリンク5は、下端側がアッパピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。上記ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側がコントロールピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。上記制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。
ここで、上記シリンダ19は、図示するように、その中心線mが、クランクシャフト1の回転中心に対しコントロールピン11と反対側に比較的大きくオフセットした配置となっている。
上記のような複リンク式ピストンクランク機構を用いた可変圧縮比機構においては、上記制御軸12が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
次に、上記ロアリンク4の一実施例を図2〜図4に基づいて説明する。図2はロアリンク4の断面図、図3は側面図である。また、図4はロアリンクアッパ31及びロアリンクロア32の互いに締結される合わせ面である分割面24A,24Bを示す平面図であり、その形状はロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とで同一のものとなっている。
ロアリンク4は、上記クランクピン3が嵌合する略中央のクランクピン軸受部21と、上記アッパピン6を保持する一端部のアッパピン用ピンボス部22と、上記コントロールピン11を保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部23と、を備えている。そして、クランクピン3への組み立て性のために、上記クランクピン軸受部21の中心を通る分割面24A,24Bに沿って、上記アッパピン用ピンボス部22を含むロアリンクアッパ31と、上記コントロールピン用ピンボス部23を含むロアリンクロア32と、に分割構成され、両者31,32が、クランクピン軸受部21の両側にそれぞれ配置された2本のボルト33,34によって一体に締結されている。上記シリンダ19が上下方向に配置されているとすると、クランクケース内で上記ロアリンクアッパ31が上側に、上記ロアリンクロア32が下側に、それぞれ位置し、上記ボルト33,34は、いずれもクランクケースの下側から締め付けられる形となる。
アッパピン6が回転可能に挿入されるピン孔22aを備えたアッパピン用ピンボス部22は、二股状に構成されており、この二股の内側に、アッパリンク5の一端のピンボス部が回転可能に組み合わされる。これにより、アッパリンク5の重量が軽減する。同様に、コントロールピン11が回転可能に挿入されるピン孔23aを備えたコントロールピン用ピンボス部23は、二股状に構成されており、この二股の内側に、コントロールリンク10一端のピンボス部が回転可能に組み合わされる。
2本のボルト33,34は、いずれも、ロアリンクロア32側のボルト挿入孔35,36を貫通し、かつ先端部が、ロアリンクアッパ31に形成された雌ねじ部37,38に螺合している。アッパピン用ピンボス部22側に位置するボルト33に対応するロアリンクアッパ31側の雌ねじ部37は、ロアリンクアッパ31を上下に貫通し、その上端が、二股の間の谷間部分の底面に開口している。ボルト33の先端は、この雌ねじ部37の先端開口に達しており、軸方向に見て、雌ねじ部37の全てのねじ溝にボルト33のねじ山が噛み合っている。また、コントロールピン用ピンボス部23側に位置するボルト34用の雌ねじ部38は、ロアリンクアッパ31を上下に貫通しており、ボルト34の先端が雌ねじ部38の上端開口から僅かに突出している。
また、上記ロアリンク4の両側の側面には、広範囲に亘って凹部40が形成されており、この凹部40の部分におけるクランクピン軸方向寸法(肉厚・厚さ)は、クランクピン軸受部21などの軸方向寸法よりも小さくなっている。つまり、凹部40は、ロアリンク4の外周に沿った厚肉な外周リブ39やアッパピン用ボルトボス部側のボルト33の付け根部分などを除き、ロアリンク4の側面のほぼ全面にわたって延在しており、アッパピン用ピンボス部22とクランクピン軸受部21との間やコントロールピン用ピンボス部23とクランクピン軸受部21との間を隔てるように、クランクピン軸受部21をほぼ全周に亘って囲んでいる。従って、アッパピン6やコントロールピン11からの荷重入力によるクランクピン軸受部21両端部の変形がより確実に抑制され、所謂エッジ当たりが防止される。
そして凹部40は、クランクピン軸受部21の両側に位置する第1分割面24Aと第2分割面24Bのうちで、最大荷重である最大燃焼荷重時に分割面を開く方向に荷重F3が作用するコントロールピンボス部23側の第1分割面24Aのみを横切るように、ロアリンクアッパ31からロアリンクロア32にわたって延在している。最大燃焼荷重時に分割面を閉じる方向に荷重F2が作用する第2分割面24Bにおいては、図4に示すように、クランクピン径方向の全長に亘って、クランクピン軸方向寸法がクランクピン軸受部21と同じ一定の寸法C0に厚肉化されている。
次に、本実施例の特徴的な構成及びその作用効果について、以下に列記する。
(1) 図4に示すように、クランクピン軸受部21の両側に位置する第1分割面24Aと第2分割面24Bのうち、荷重F3,より具体的には圧縮上死点付近での最大燃焼ガス力による荷重F3が分割面を開く方向に作用する第1分割面24A、つまりコントロールピン用ピンボス部23に近い側の第1分割面24Aでは、この第1分割面24Aを横切るボルト34のボルト中心線34Aよりもクランクピン軸受部21に近い内側部分41の剛性が、ボルト中心線34Aよりもクランクピン軸受部21から遠い外側部分42の剛性よりも小さく設定されている。
これによって、第1分割面24Aにおけるクランクピン軸受部21寄りの内側部分41の剛性を相対的に低くし、そのばね定数を小さくすることで、内側部分41への荷重負担を軽減して、外側部分42での荷重負担を相対的に増加させることで、この第1分割面24Aに作用する開き方向の荷重F3に対し、ボルト締結部である雌ねじ部38への過剰な荷重入力や応力集中を抑制し、ボルト軸力を過度に高めたり第1分割面24Aの面積を過度に小さくすることなく、開き方向の荷重F3に対する第1分割面24Aでの面圧を適切に確保することが可能となる。
(2)具体的には図5に示すように、内側部分41のクランクピン径方向の寸法B1が、外側部分42のクランクピン径方向の寸法B2よりも小さく設定されている。つまり、ボルト中心線34Aをクランクピン軸受部21寄りにオフセットさせている。これによって、外側部分42への荷重分担を大きくしつつ、このように大きな荷重が作用する例えば外側リブ39からボルト締結部までの距離が比較的大きくなり、ボルト締結部である雌ねじ部38への過剰な荷重入力や応力集中を軽減することができる。
なお、図5や図8,図9では、第1分割面24Aにおける特徴的な形状を誇張して描いており、必ずしも正確な形状を描いたものではない。
(3)更に具体的には、第1分割面24Aにおける剛性を適正化するために、ロアリンク4の両側面には、第1分割面24Aを横切ってロアリンクアッパ31からロアリンクロア32にわたって凹部40が凹設されている。そして、第1分割面24Aでは、内側部分41におけるクランクピン軸方向の最小寸法(つまり、内側凹部43の最深部における肉厚)C1が、外側部分42におけるクランクピン軸方向の最小寸法(つまり、外側凹部44の最深部における肉厚)C2よりも小さく設定されている。このように内側部分41の肉厚C1を相対的に小さくすることで、内側部分41の剛性を相対的に低下させている。
また、このようにロアリンク4の両側面に凹部40を設け、第1分割面24Aを全体としてI型形状に構成することで、図7に示すように、クランクピン軸受部21の軸方向長さの中央部に主に荷重が作用することとなり、クランクピン軸受部21の両端部に作用する荷重は小さくなる。従って、クランクピン軸受部21両端部の変形が抑制され、クランクピン3に対する所謂エッジ当たりが回避されるとともに、油膜圧力が高い軸方向中央部で荷重を確実に支承することができる。
(4)また、第1分割面24Aでは、凹部40を挟んで内側のクランクピン軸受部21と外側の外側リブ39とがクランクピン軸方向に張り出しており、クランクピン軸受部21のクランクピン径方向の寸法(厚さ)A1が、外側リブ39のクランクピン径方向の寸法(厚さ)A2よりも小さく設定されている。このように外側リブ39を相対的に厚肉に構成することで、外側リブ39の部分での荷重負担を増加するとともに、この荷重に対する剛性を高めることができる。
特にこの実施例では図2にも示すように、厚肉な外側リブ39をロアリンクの全周にわたって延設し、アッパピン用ピンボス部22とコントロールピン用ピンボス部23とを外側リブ39で繋ぐ構成として、外側リブ39への荷重負担及びその剛性を高め、雌ねじ部38への過度な荷重入力や応力集中をより低減するようにしている。
(5)図6に示すように、凹部40を設けた本実施例L1では、凹部を設けない比較例L2に比して、面積の低下分、第1分割面24Aの面圧を高めることができるが、その反面、ボルト軸力に対する剛性の確保が懸念される。そこで本実施例では、ボルト軸力に対する剛性を確保するように、凹部40にボルト34の周囲を囲うようにクランクピン軸方向に張り出したボルトボス部45を設けている。このボルトボス部45の両側に、内側凹部43と外側凹部44とがそれぞれ設けられる。
(6)また、図5に示す例では、荷重分担の大きい外側部分42の剛性を高めるように、ボルトボス部45のクランクピン軸方向の最大寸法となる位置を、ボルト中心線34Aに対し、クランクピン軸受部21から遠い側(図5の右側)に所定量h2だけオフセットさせている。
(7)一方、アッパピン用ピンボス部22に近い第2分割面24Bでは、最大燃焼荷重時にアッパピン用ピンボス部22より荷重F2が閉じる方向に作用することから、開き方向に荷重F3が作用する第1分割面24A側に比して、面圧の確保よりは、むしろ過大な荷重入力や応力集中に対する剛性・耐久性の確保が重要となる。そこで、この第2分割面24Bの近傍には、ロアリンク4の側面に凹部が設けられておらず、図4に示すように、第2分割面24Bのクランクピン軸方向寸法が径方向全体にわたってクランクピン軸受部と同じ寸法C0の一定のものとしている。このように、第2分割面24Bの面積を十分大きく確保することで、面圧の過度な上昇や応力集中を抑制し、耐久性,信頼性を向上することができる。
(8)ロアリンクにおけるロアリンクアッパとロアリンクロアにそれぞれアッパピン用ピンボス部とコントロールピン用ピンボス部をクランクピン軸受部を挟んでほぼ反対側に配置した構成では、図10にも示すように、一般的にアッパピンから受ける荷重F2が分割面の閉じ方向となるのに対し、コントロールピンから受ける荷重F3が分割面の開き方向となるために、このコントロールピン用ピンボス部に近い側の分割面(103A)が、開き方向の荷重F3が作用する第1分割面となる。
(9)また、上述した複リンク式のピストンクランク機構は、コントロールリンク10の機関本体側の揺動支点位置を変化させることにより可変圧縮比機構として機能し、機関運転状態に応じて機関圧縮比を適切に制御することが可能となるものである。
(10)すなわち、ロアリンク4の側面に凹部40を凹設し、この凹部40を、クランクピン軸受部21の両側に位置する第1分割面24Aと第2分割面24Bのうちで、一方の第1分割面24Aのみを横切るように、ロアリンクアッパ31からロアリンクロア32にわたって延在させている。これによって、例えば上記実施例の如く分割面を開く方向に荷重F3が作用するコントロールピンボス部23側の第1分割面24Aにのみ凹部40を設けることで、その開き方向の荷重F3に対する面圧を高めつつ、閉じ方向に荷重F2が作用することとなる他方の第2分割面24Bにおいては、凹部40を設けることなく、その面積を大きく確保することで、応力集中を低減・回避しつつ過大な荷重入力に対する耐久性,信頼性を高めることができる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば図8に示すように、内側部分41に対して外側部分42の剛性をより高めるように、図5の実施例に比してボルトボス部45Aの反クランクピン軸受部21側へのオフセット量h2’を更に大きく設定しても良い。あるいは図9に示すように、ボルトボス部45Bをオフセットさせずに、ボルト中心線34Aと同心状の形状としてもよい。この場合でも内側凹部43を外側凹部44よりも所定量h1だけ深く設定することなどにより、図5の実施例と同様、内側部分41の剛性を外側部分42の剛性よりも低くさせている。
ロアリンクが用いられるピストンクランク機構の例を示す構成説明図。 本発明に係るロアリンクの一実施例を示す側面図。 図2のロアリンクの断面図。 上記ロアリンクの分割面を示す平面図。 上記ロアリンクの第1分割面のみを拡大して示す説明図。 本実施例L1及び比較例L2の分割面の面圧を示す説明図。 クランクピンからの荷重に対する雌ねじ部との噛み合い状態を示す要部の断面図。 本発明に係る第1分割面の他の形状例を示す平面図。 本発明に係る第1分割面の更に他の形状例を示す平面図。 ロアリンクに作用する最大燃焼荷重を示す説明図。 ロアリンクに作用する最大慣性荷重を示す説明図。
4…ロアリンク
21…クランクピン軸受部
22…アッパピン用ピンボス部
23…コントロールピン用ピンボス部
24A…第1分割面
24B…第2分割面
31…ロアリンクアッパ
32…ロアリンクロア
33,34…ボルト
40…凹部
41…内側部分
42…外側部分
43…内側凹部
44…外側凹部

Claims (1)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構において、
    上記ロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2本のボルトによって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されており、
    上記ロアリンクの側面には凹部が凹設されており、この凹部は、上記クランクピン軸受部の両側に位置する第1分割面と第2分割面のうちで、一方の第1分割面のみを横切るように、上記ロアリンクアッパからロアリンクロアにわたって延在しており、
    上記第1分割面は、上記ロアリンクに最大燃焼荷重が作用するとき、分割面を開く方向にのみ荷重が作用する分割面であり、
    上記第2分割面は、上記ロアリンクに最大燃焼荷重が作用するとき、分割面を閉じる方向にのみ荷重が作用する分割面であることを特徴とする内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
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