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JP5269841B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、画像処理装置に関する。
近年、携帯電話に搭載されるカメラ、デジタルカメラ等のカメラモジュールの高画素化が進行している。画素サイズの大型化により、画素の微細化も求められるようになっている。このような状況下において、正常に機能していない画素によるデジタル画像信号の欠損部分(以下、適宜「キズ」と称する)の発生が問題視されるようになっている。
カメラモジュールの製造時の欠陥検査において、規定より多くの画素欠陥が認められた場合は不良品として扱われることになる。規定が厳格であるほど、カメラモジュールの歩留まりを低下させ製造コストを増加させることとなる。そこで、従来、キズ補正回路における信号処理によってキズを目立たなくする手法が積極的に採用されている。
キズの検出方法は、事前検出型とダイナミック検出型との二つに大別される。事前検出型は、カメラモジュールの製造後の欠陥検査によりキズを検出し、キズのアドレス情報をセンサごとに保存しておく方法である。事前検出型の方法は、主に、多層構造の欠陥、フローティングジャンクションのリーク電流等に起因するキズを補正する目的で使用される。ダイナミック検出型は、カメラモジュールの動作中にデジタル画像信号からキズを検出する方法である。ダイナミック検出型の方法は、主に、温度特性や露光時間等に依存してランダムに発生する、フォトダイオード起因のキズを補正する目的で使用される。
キズ補正回路には、同色の9画素(3×3)のうち2画素がキズである場合(以下、適宜2画素キズと称する)にも対処可能とするものがある。2画素キズを包含するケースに事前検出型の方法を適用する場合、回路に予め保持するアドレス情報には限りがあることや、回路規模が大型になることが課題となる。また、アナログゲインが高い場合に、欠陥検査にて認められなかった2画素キズが目立つようになることもあり得る。
2画素キズに対処する場合、注目画素だけでなく、その周辺画素にもキズが存在する可能性があることから、キズ検出に使用可能な周辺画素の情報を減少させることになる。キズ検出に使用可能な周辺画素の情報が少ないほど、誤補正の可能性が増大することになる。また、一般に、入射光量が多く、アナログゲインが低くなるほど、2画素キズは生じにくく、エッジ部も明確となる。この場合に、2画素キズに照準をおいた厳格なキズ検出及びキズ補正を適用することは、エッジ部での誤補正を助長させるリスクを伴うこととなる。このように、従来技術によると、ダイナミック検出型の方法によって2画素キズに対処する場合も、誤補正による偽色の発生、解像度低下などが問題となる。
特開2008−258909号公報
本発明の一つの実施形態は、適切なキズ補正により高品質な画像を得ることを可能とする画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一つの実施形態によれば、画像処理装置は、キズ判定手段と、選択手段と、信号対ノイズ比推定手段と、を有する。前記キズ判定手段は、注目画素の画素値と複数の周辺画素の画素値とに基づいて、前記注目画素がキズであるか否かを判定する。前記周辺画素は、前記注目画素と同色用の画素であって前記注目画素の周辺に位置する。前記選択手段は、前記キズ判定手段による判定結果に応じて、キズ補正のために前記注目画素に割り当てる画素値を選択する。前記信号対ノイズ比推定手段は、画像信号の信号対ノイズ比を推定する。前記キズ判定手段は、前記信号対ノイズ比推定手段にて推定された前記信号対ノイズ比の高低に応じたキズ判定を実施する。前記キズ判定手段により前記注目画素がキズである旨の判定があった場合に、前記選択手段は、前記信号対ノイズ比の高低に応じた画素値を出力する。
実施形態に係る画像処理装置を備えるカメラモジュールの構成を示すブロック図。 キズ補正回路でのキズ補正の際に画素値を参照する画素について説明する概念図。 キズ補正回路の構成を示すブロック図。 水平遅延線の構成を示すブロック図。 探索回路の構成を示す概念図。 SNR推定器におけるSNRの推定について説明する概念図。 1画素検出1画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャート。 2画素検出1画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャート。 2画素検出2画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャート。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる画像処理装置を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る画像処理装置4を備えるカメラモジュールの構成を示すブロック図である。カメラモジュールは、撮像レンズ1、センサ部2、アナログデジタル変換器(ADC)3及び画像処理装置4を有する。撮像レンズ1は、被写体からの光を取り込み、センサ部2に結像させる。
センサ部2は、撮像レンズ1によって取り込まれた光を信号電荷に変換することにより、被写体像を撮像する。センサ部2は、R、G、Bの信号レベルをベイヤー配列に対応する順序で取り込み、取り込んだアナログ画像信号を、外部から指定された撮像条件に応じたゲインにて順次増幅して出力する。ADC3は、センサ部2からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
画像処理装置4は、ADC3からのデジタル画像信号に対して画像処理を実施する。画像処理装置4に設けられたキズ補正回路5は、キズ補正を実施する。この他、画像処理装置4は、種々の画像処理、例えば、デモザイキング、ホワイトバランス調整、ガンマ処理等を実施する。
図2は、キズ補正回路5でのキズ補正の際に画素値を参照する画素について説明する概念図である。ベイヤー配列は、Gr、R、Gb、Bの4画素を単位として構成されている。画像信号は、ラインごと(Gr/Rライン、Gb/Bライン)の信号としてキズ補正回路5へ入力される。
キズ補正回路5は、垂直方向に5ライン(L1〜L5)、水平方向に5画素のマトリクスをなす25画素のうち中心の画素p33を、キズ判定及びキズ補正の対象である注目画素と設定する。キズ補正回路5は、注目画素p33の画素値と、8個の周辺画素p11、p13、p15、p31、p35、p51、p53、p55の画素値とに基づいて、キズ判定及びキズ補正を実施する。周辺画素は、注目画素と同色用の画素であって注目画素の周辺に位置する画素とする。キズ補正回路5は、同色用の垂直方向3画素及び水平方向3画素(3×3)のカーネルとして、信号処理を実施する。
図3は、キズ補正回路5の構成を示すブロック図である。キズ補正回路5は、ラインメモリ11、水平遅延線12、探索回路13、キズ判定回路(キズ判定手段)14及びセレクタ15を有する。ラインメモリ11は、4ライン(4H)の信号を保持し、垂直方向の遅延(ライン遅延)を施す。ラインメモリ11は、保持している4ライン(L1、L2、L3、L4)と、本線の1ライン(L5)との合計5ラインのうち、注目画素及び周辺画素を含む3ライン(L1、L3、L5)の信号を水平遅延線12へ出力する。
図4は、水平遅延線12の構成を示すブロック図である。フリップフロップ(FF)は、画素ごとの信号レベルを保持する。水平遅延線12は、ラインごとに4画素の信号を保持し、水平方向の遅延を施す。水平遅延線12は、注目画素及び8個の周辺画素についての信号を同時刻化する。水平遅延線12は、注目画素についての信号をキズ判定回路14及びセレクタ15へ出力する。水平遅延線12は、周辺画素についての信号を探索回路13へ出力する。
図5は、探索回路13の構成を示す概念図である。図示する円は、二つの入力信号のレベルを比較する比較器を表し、円の左側へ入る方向を指す矢印は入力信号、円の右側から出る方向を指す矢印は出力信号を表すものとする。また、一つの比較器からの出力信号を示す二つの矢印のうち、上段はレベルが大きいほうの出力信号、下段はレベルが小さいほうの出力信号を表すものとする。
探索回路13は、探索木の1段目で2画素×4組の画素値を比較し、大きいほうを探索木の上位へ、小さいほうを探索木の下位へ移動させ、2段目及び3段目でも同様の処理を繰り返す。探索回路13は、探索木の3段目において最上位の2画素と最下位の2画素とでそれぞれ画素値を比較することにより、周辺画素の画素値の最大値(Pmax1)及び最小値(Pmin1)を得る。また、探索回路13は、探索木の4段目において、Pmax1の次にレベルが大きい2画素と、Pmin1の次にレベルが小さい2画素とでそれぞれ画素値を比較することにより、周辺画素の画素値のうち2番目に大きい値(Pmax2)及び2番目に小さい値(Pmin2)を得る。このように、探索回路13は、周辺画素のPmax1、Pmax2、Pmin2及びPmin1を探索する。
キズ判定回路14は、注目画素の画素値と複数の周辺画素の画素値とに基づいて、注目画素がキズであるか否かを判定するキズ判定手段として機能する。セレクタ15は、キズ判定回路14によるキズ判定の結果に応じて、注目画素に割り当てる画素値を選択し、出力する。セレクタ15は、注目画素に割り当てる画素値として、水平遅延線12から入力された注目画素の画素値と、キズ判定回路14から入力された置き換え元画素の画素値と、のいずれかを選択する。置き換え元画素は、複数の周辺画素のうち注目画素への画素値の置き換え元となる画素とする。
信号対ノイズ比(Signal to Noise Ratio;SNR)推定器16は、画像信号のSNRを推定する信号対ノイズ比推定手段として機能する。SNR推定器16は、例えば、画像信号のアナログゲインに応じてSNRを推定する。
図6は、SNR推定器16におけるSNRの推定について説明する概念図である。図中、横軸はアナログゲイン、縦軸はキズ補正回路5の検出能力及び補正能力を表している。SNRの高低は、アナログゲインの高低とは逆となるように推定される。SNRの高低は、高領域、中領域、低領域の三段階に分けられている。SNR推定器16は、推定されたSNRがいずれの領域に該当するかを検知する。SNR推定器16には、SNRの高領域及び中領域の境界が領域指定Aとして、中領域及び低領域の境界が領域指定Bとして、予め設定されている。
SNR推定器16は、推定されたSNRが含まれる領域に応じて、検出能力及び補正能力を切り替えるためのモード切り替え信号を出力する。例えば、推定されたSNRが高領域に含まれる場合、SNR推定器16は、1画素検出1画素補正モードとするモード切り替え信号を出力する。推定されたSNRが中領域に含まれる場合、SNR推定器16は、2画素検出1画素補正モードとするモード切り替え信号を出力する。推定されたSNRが低領域に含まれる場合、SNR推定器16は、2画素検出2画素補正モードとするモード切り替え信号を出力する。
SNR推定器16は、例えば、以下に示す2ビットのモード切り替え信号により、三つのモードについて切り替えを実施する。
00h:1画素検出1画素補正モード
01h:2画素検出1画素補正モード
10h:2画素検出2画素補正モード
キズ判定回路14は、SNR推定器16で推定されたSNRの高低に応じたキズ判定を実施する。セレクタ15は、キズ判定回路14により注目画素がキズである旨の判定があった場合に、SNRの高低に応じて画素値を出力する。これにより、キズ補正回路5は、SNRの高低に応じて適切に検出能力及び補正能力を配分する。アナログゲインが高くSNRが低いほど、キズ補正回路5の検出能力及び補正能力は高くなるように設定されている。
次に、各モードにおけるキズ補正回路5のキズ判定及びキズ補正の手順を説明する。キズ判定の対象となるキズには、画素の輝度が正常に機能する場合より低くなる、いわゆる黒キズと、画素の輝度が正常に機能する場合より高くなる、いわゆる白キズと、がある。ここでは、注目画素が白キズであるか否かを判定する場合を例として説明する。
図7は、1画素検出1画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャートである。1画素検出1画素補正モードでは、キズ補正回路5は、8個の周辺画素にはキズが存在しないことを前提として、キズ検出及びキズ補正に8個の周辺画素全ての情報を使用する。
キズ判定回路14は、注目画素の画素値(Pa)とPmax1とを比較する(ステップS1)。キズ判定回路14は、注目画素と8個の周辺画素の中で、Paが最大であるか否かを判定する。PaがPmax1以下である場合(ステップS1、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。
PaがPmax1より大きい場合(ステップS1、Yes)、キズ判定回路14は、Pa及び平均値(Pb)の差分(Pa−Pb)と、予め設定された第1の閾値(Th1)とを比較する(ステップS2)。ここで、Pbは、8個の周辺画素の画素値の平均値とする。
Pa−PbがTh1以下である場合(ステップS2、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。Pa−PbがTh1より大きい場合(ステップS2、Yes)、キズ判定回路14は、Pmax1及びPmin1の差分(Pmax1−Pmin1)と、予め設定された第2の閾値(Th2)とを比較する(ステップS3)。
キズ判定回路14は、Pmax1−Pmin1をエッジ成分とみなしている。キズ判定回路14は、ステップS1及びステップS2によりキズである可能性が高いと判断された注目画素がエッジ部分にあるか否かを、ステップS3にて判断する。Pmax1−Pmin1がTh2以上である場合(ステップS3、No)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分にあってキズ補正の対象外とする旨を判定し、処理を終了する。Pmax1−Pmin1がTh2より小さい場合(ステップS3、Yes)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分に含まれずキズ補正の対象とする旨と判定する。
キズ判定回路14は、SNR推定器16からのモード切り替え信号に応じて、複数の周辺画素のうち注目画素への画素値の置き換え元となる画素を切り替える。キズ判定回路14は、1画素検出1画素補正モードとするモード切り替え信号に応じて、置き換え元画素の画素値としてPmax1を選択し、セレクタ15へ入力する。
キズ判定回路14は、注目画素が白キズであってキズ補正の対象とする旨を判定した場合、PaからPmax1へ注目画素の画素値の置き換えを指示する補正信号を出力する。セレクタ15は、キズ判定回路14からの補正信号に応じてPmax1を選択し、出力する。このようにして、キズ補正回路5は、注目画素の画素値をPmax1に置き換える(ステップS4)ことによりキズ補正を実施し、処理を終了する。
1画素検出1画素補正モードでは8個の周辺画素にキズが無いことを前提とすることで、多くの情報をキズ補正に使うことが可能であるため、良好なキズ検出が可能となる。また、置き換え元画素の画素値としてPmax1を使用できるため、誤補正による偽色発生、解像度劣化を比較的少なくすることができる。ただし、これらの利点は、注目画素のほか周辺画素のいずれかがキズである2画素キズが存在する場合は2画素のキズが残留してしまうことと、トレードオフの関係にある。本モードは、SNRが良好で2画素キズがほとんど生じない場合に選択することが望ましい。2画素キズが稀に出現するような場合、次に説明する2画素検出1画素補正モードを選択することが望ましい。
キズ判定回路14は、注目画素が黒キズであるか否かの判定の場合も、輝度の大小を逆とする以外は、白キズの判定の場合と同様の手順とする。黒キズ判定の場合、キズ判定回路14は、ステップS1にてPaとPmin1とを比較する。PaがPmin1より小さい場合、キズ判定回路14は、ステップS2にてPb−PaとTh1とを比較する。キズ補正回路5は、注目画素が黒キズであると判定した場合、注目画素の画素値をPmin1に切り替える。
図8は、2画素検出1画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャートである。2画素検出1画素補正モードでは、キズ補正回路5は、2画素キズの発生時に、1画素の補正を可能とする。キズ補正回路5は、キズ検出には8個の周辺画素全ての情報を使用する。
キズ判定回路14は、PaとPmax1とを比較する(ステップS11)。キズ判定回路14は、注目画素及び8個の周辺画素の中で、Paが最大であるか否かを判定する。PaがPmax1以下である場合(ステップS11、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。
PaがPmax1より大きい場合(ステップS11、Yes)、キズ判定回路14は、Pa及びPbの差分(Pa−Pb)と、Th1とを比較する(ステップS12)。ここで、Pbは、8個の周辺画素の画素値の平均値とする。
Pa−PbがTh1以下である場合(ステップS12、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。Pa−PbがTh1より大きい場合(ステップS12、Yes)、キズ判定回路14は、Pmax1及びPmin1の差分(Pmax1−Pmin1)と、Th2とを比較する(ステップS13)。
Pmax1−Pmin1がTh2以上である場合(ステップS13、No)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分にあってキズ補正の対象外とする旨を判定し、処理を終了する。Pmax1−Pmin1がTh2より小さい場合(ステップS13、Yes)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分に含まれずキズ補正の対象とする旨と判定する。
キズ判定回路14は、2画素検出1画素補正モードとするモード切り替え信号に応じて、置き換え元画素の画素値としてPmax2を選択し、セレクタ15へ入力する。キズ判定回路14は、注目画素が白キズである旨を判定した場合、PaからPmax2へ注目画素の画素値の置き換えを指示する補正信号を出力する。セレクタ15は、キズ判定回路14からの補正信号に応じてPmax2を選択し、出力する。このようにして、キズ補正回路5は、注目画素の画素値をPmax2に置き換える(ステップS14)ことによりキズ補正を実施し、処理を終了する。
2画素キズの場合、注目画素の画素値をPmax1に置き換えたとしても、隣接するキズ同士で画素値が置き換わるだけで、キズが残留してしまうことになる。置き換え元画素の画素値としてPmax2を使用することで、2画素キズのうちの1画素を補正することが可能となる。このモードでは、基本的に2画素キズの発生頻度が小さいものとして、キズ検出に使用する情報は8個の周辺画素全ての情報としている。
本モードは、2画素キズの場合、キズを含む情報を基にキズ検出することとなるため、2画素キズへの対処の積極性は小さいものといえる。ステップS12及びステップS13でのキズ判定における計算にはキズの情報が含まれることとなるため、周辺画素のキズを含めても閾値を超えるように、2画素キズの可能性が高い場合でなければ、キズである旨の判定がなされないことになる。2画素キズが散見される場合は、2画素キズへの対処としては積極的な2画素検出2画素補正モードを選択することが望ましい。
キズ判定回路14は、注目画素が黒キズであるか否かの判定の場合も、輝度の大小を逆とする以外は、白キズの判定の場合と同様の手順とする。キズ補正回路5は、注目画素が黒キズであると判定した場合、注目画素の画素値をPmin2に切り替える。
図9は、2画素検出2画素補正モードによるキズ判定及びキズ補正の手順を説明するフローチャートである。2画素検出2画素補正モードでは、キズ補正回路5は、8個の周辺画素には一つのキズが存在することを前提として、キズである可能性がある画素の画素値を、キズ検出及びキズ補正に使用する情報から除外する。
キズ判定回路14は、キズである可能性がある画素について、画素値の置き換えを実施する。キズ判定回路14は、Pmax1をPmax1’(=Pmax2)に、Pmin1をPmin1’(=Pmin2)に、それぞれ置き換える(ステップS21)。
キズ判定回路14は、PaとPmax1’とを比較する(ステップS22)。キズ判定回路14は、注目画素と、周辺画素のうちPmax1の画素及びPmin1の画素を除いた6個の画素との中で、Paが最大であるか否かを判定する。PaがPmax1’以下である場合(ステップS22、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。
PaがPmax1’より大きい場合(ステップS22、Yes)、キズ判定回路14は、Pa及び平均値(Pb’)の差分(Pa−Pb’)とTh1とを比較する(ステップS23)。ここで、Pb’は、ステップS21での置き換え後における、8個の周辺画素の画素値の平均値とする。
Pa−Pb’がTh1以下である場合(ステップS23、No)、キズ判定回路14は、注目画素がキズではないと判定し、処理を終了する。Pa−Pb’がTh1より大きい場合(ステップS23、Yes)、キズ判定回路14は、Pmax1’及びPmin1’の差分(Pmax1’−Pmin1’)とTh2とを比較する(ステップS24)。
Pmax1’−Pmin1’がTh2以上である場合(ステップS24、No)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分にあってキズ補正の対象外とする旨を判定し、処理を終了する。Pmax1’−Pmin1’がTh2より小さい場合(ステップS24、Yes)、キズ判定回路14は、注目画素はエッジ部分に含まれずキズ補正の対象とする旨と判定する。
キズ判定回路14は、2画素検出2画素補正モードとするモード切り替え信号に応じて、置き換え元画素の画素値としてPmax1’を選択し、セレクタ15へ入力する。キズ判定回路14は、注目画素が白キズである旨を判定した場合、PaからPmax1’へ注目画素の画素値の置き換えを指示する補正信号を出力する。セレクタ15は、キズ判定回路14からの補正信号に応じてPmax1’を選択し、出力する。このようにして、キズ補正回路5は、注目画素の画素値をPmax1’、即ちPmax2に置き換える(ステップS25)ことによりキズ補正を実施し、処理を終了する。
キズ判定回路14は、ステップS21で画素値を置き換えることで、1画素検出1画素補正モードの場合と同じ処理によるキズ判定及びキズ補正が可能となる。このため、キズ判定回路14は、簡易な回路構成とすることができる。なお、キズ判定回路14は、2画素検出2画素補正モードにおいて、Pmax1の画素及びPmin1の画素を除外して、周辺画素を6個として処理することとしても良い。
2画素検出2画素補正モードでは、キズを除外した情報を基にキズ検出することで、2画素キズに対して積極的な対処が可能となる。ただし、周辺画素2個の情報を除外する分、キズ補正に使われる情報を減少させることとなるため、検出精度が低下することとなる。本モードは、置き換え元画素の画素値としてPmax1’(Pmax2)を使用することで、誤補正による偽色発生や解像度劣化をある程度許容して使用することとなる。本モードは、解像度の維持よりもノイズの減少が求められることとなるような、SNRが低い場面で選択することが望ましい。
キズ判定回路14は、注目画素が黒キズであるか否かの判定の場合も、輝度の大小を逆とする以外は、白キズの判定の場合と同様の手順とする。黒キズ判定の場合、キズ判定回路14は、ステップS22にてPaとPmin1’とを比較する。PaがPmin1’より小さい場合、キズ判定回路14は、ステップS23にてPb’−PaとTh1とを比較する。キズ補正回路5は、注目画素が黒キズであると判定した場合、注目画素の画素値をPmin1’、即ちPmin2に切り替える。
例えば、階調が低レベルである場合、言い換えるとSNRが低い場合に、各モードについてキズ補正を実施したとする。2画素キズは、1画素検出1画素補正モードではいずれも残留し、2画素検出1画素補正モードでは1画素が補正され、2画素検出2画素補正モードではいずれも補正されることとなる。SNRが低い場面では、検出能力及び補正能力を高くすることにより、適切なキズ補正がなされるといえる。
一方、階調が高レベルである場合、言い換えるとSNRが高い場合は、1画素検出1画素補正モード、2画素検出1画素補正モード、2画素検出2画素補正モードの順に、ハイライト部分での誤補正による色付きが目立つこととなる。SNRが高い場面では、検出能力及び補正能力を低くすると、適切なキズ補正がなされるといえる。検出能力及び補正能力の拡大は、誤補正による影響を拡大させることにもなる。
キズ補正回路5は、推定されたSNRに応じて検出能力及び補正能力を適切に配分することで、場面に応じたキズ補正が可能となる。画像処理装置4は、キズ補正回路5による適切なキズ補正により、高品質な画像を得ることが可能となる。SNRの領域分けは、高領域、中領域、低領域の三つである場合に限られない。SNRの領域分けは、少なくとも複数であれば良く、例えば二つであっても良い。
SNR推定器16は、画像信号のアナログゲインに応じてSNRを推定するものである場合に限られず、いずれの手法によりSNRを推定するものであっても良い。SNR推定器16は、例えば、センサ部2のオプティカルブラック(OB)領域における信号レベルを基に、SNRを推定することとしても良い。
OB領域は、遮光された光電変換素子を備える画素セルが並列され、最低階調を示す黒レベル信号を出力する。回路起因のノイズ等は、有効画素信号と黒レベル信号とに同等に含まれる。SNR推定器16は、OB領域における信号レベルから計算されたノイズ成分を基に、SNRを推定しても良い。この他、SNR推定器16は、例えば、カメラモジュールの露光時間を基にSNRを推定しても良い。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
4 画像処理装置、5 キズ補正回路、14 キズ判定回路、15 セレクタ、16 SNR推定器。

Claims (3)

  1. 注目画素の画素値と、前記注目画素と同色用の画素であって前記注目画素の周辺に位置する複数の周辺画素の画素値とに基づいて、前記注目画素がキズであるか否かを判定するキズ判定手段と、
    前記キズ判定手段による判定結果に応じて、前記注目画素に割り当てる画素値を選択する選択手段と、
    画像信号の信号対ノイズ比を推定する信号対ノイズ比推定手段と、を有し、
    前記キズ判定手段は、前記信号対ノイズ比推定手段にて推定された前記信号対ノイズ比の高低に応じたキズ判定を実施し、
    前記キズ判定手段により前記注目画素がキズである旨の判定があった場合に、前記選択手段は、前記信号対ノイズ比の高低に応じた画素値を出力し、
    前記信号対ノイズ比の高低を複数に領域分けするような領域設定がなされ、
    前記信号対ノイズ比推定手段は、推定された前記信号対ノイズ比が含まれる領域を表すモード切り替え信号を出力し、
    複数に領域分けされたうち最も高い領域であることを示す前記モード切り替え信号に応じて、前記キズ判定手段は、全ての前記周辺画素の情報を使用する前記キズ判定を実施し、前記選択手段は、キズであると判定された前記注目画素に割り当てる画素値として前記周辺画素の画素値の最大値か最小値を選択し、
    複数に領域分けされたうち最も低い領域であることを示す前記モード切り替え信号に応じて、前記キズ判定手段は、前記周辺画素のうち画素値が最大である画素及び画素値が最小である画素に対する画素値の置き換えを実施することで、前記キズ判定に使用する情報から前記最大値及び前記最小値を除外し、前記選択手段は、キズであると判定された前記注目画素に割り当てる画素値として前記最大値以外の値か前記最小値以外の値を選択することを特徴とする画像処理装置。
  2. 複数に領域分けされたうち前記最も低い領域と前記最も高い領域との中間の領域であることを示す前記モード切り替え信号に応じて、前記キズ判定手段は、全ての前記周辺画素の情報を使用する前記キズ判定を実施し、前記選択手段は、キズであると判定された前記注目画素に割り当てる画素値として前記最大値以外の値か前記最小値以外の値を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記信号対ノイズ比推定手段は、前記画像信号のアナログゲインに応じて前記信号対ノイズ比を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
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