JP5269109B2 - 真空バルブ及びタンク形真空遮断器 - Google Patents
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Description
(1)真空インタラプタ1が真空破壊しても一般的に真空監視装置が無いことが多く、真空破壊に気づかない。この状態でタンク形真空遮断器の開放操作を行うと、タンク形真空遮断器をループ系統で使用している場合には、タンク形真空遮断器開放操作後も真空インタラプタ1の内部シールド6を通して負荷電流が流れることで内部シールド6が溶損して急激な真空インタラプタ1の内部圧力の上昇を招き、真空容器であるセラミック筐体2が破壊され、アークがタンク上部へ伸び、最終的に地絡事故に進展して大規模停電に移行する虞がある。
(2)負荷電流(ループ電流)が少ない場合やSF6ガス式のタンク形真空遮断器では電流を遮断できる可能性も残ることから、真空インタラプタ1の筐体破壊(破壊するまで内圧が上昇しないケース)まで進展しなければタンク形真空遮断器故障(真空破壊)に気が付かないケースもある。
(3)真空インタラプタ1が物理的に破壊される場合は、真空インタラプタ1が爆発状態となることから破片が周囲に散乱して二次的な故障が発生する可能性がある。
(4)真空インタラプタ1が破壊してもタンク形真空遮断器を停電して導通試験や絶縁抵抗測定を行うか開閉特性測定を行わないと真空インタラプタ1の破壊判断ができない。即ち、真空インタラプタ1に開いた穴は極めて小さいことから判断が困難である一方、小穴から抜ける気体の流れに伴う内圧上昇は抑制し難く、急激な内圧上昇から筐体破壊に進展する虞がある。
なお、封止を解除するときの圧力は、真空容器が内部圧力に耐えられる強度よりも低く設定しておくものとする。ここで、機械的な状態変化とは、機械的な変位・変形を意味する。
図1に示すように、タンク形真空遮断器10は、架台11に設置されて電気的に接地された外部タンク12と、外部タンク12の両端に固定された支持板13と、外部タンク12の上面に支持された一対のブッシング変流器14と、ブッシング変流器14の上端に支持されたブッシング15と、ブッシング変流器14とブッシング15とを貫通して下端が外部タンク12の内部に臨む高電圧導体16,17と、高電圧導体16,17の上端に設けられたブッシング端子18と、外部タンク12の内部に設けられた真空バルブ(以下、「真空インタラプタ」という。)19と、を備えている。尚、ブッシング変流器14、ブッシング15、高電圧導体16,17、ブッシング端子18は、公知のものが用いられているため、ここではその詳細な説明は省略する。
真空インタラプタ19は、図2(A)に示すように、外部タンク12に包囲されて内部を真空状態にした真空容器(筐体)26と、真空容器26の内部で接離可能に配置された可動電極22と固定電極23との各他端に設けられた可動接点22a及び固定接点23aと、各接点22a,23aの可動範囲を含むように離間状態で真空容器26の内部に配置された内部シールド27と、可動電極22の軸線方向に沿う変位を真空容器26の内部真空状態を維持するように許容する蛇腹状のベローズ支持体28と、を備えている。さらに、真空インタラプタ19は、図2に示すように、真空容器26の真空状態を維持するように連通して真空容器26の外側に配置されると共に真空容器26の内部圧力の上昇に伴って機械的に状態変化する内圧上昇検出機構部29と、真空容器26の内部圧力の上昇に伴って内圧上昇検出機構部29が機械的に状態変化したことを電気的に検出して真空容器26に異常が発生したことを検出する部分破壊検出部30と、を備えている。
内圧上昇検出機構部29は、真空容器26の固定電極23の下方寄りの底壁部26aに設けられており、底壁部26aにおいてシールド27直下から外れた位置に形成された穴26bと、穴26bを密閉するように接着剤31を介して底壁部26aの外面で固定された栓32と、栓32に一端が接続された棒状の検出体33と、を備えている。
部分破壊検出部30は、外部ケース12の外側に設けられた金属製のケース35と、ケース35の内部に設けられた機械的可動接点方式のリミットスイッチ36と、リミットスイッチ36の接点をON(メーク)方向に付勢するコイルスプリング37と、ケース35に固定された絶縁性のブッシング38と、を備えている。尚、ブッシング38は、リミットスイッチ36が電気的に接続される接点(図示せず)を保持しており、この接点を介して警報ランプや警報ブザー等の報知手段あるいは遠方監視制御装置の信号入力端子と電気的に接続される。
上記の構成によれば、真空容器26の内部圧力(気圧)が一定値以上(真空容器26の破壊圧力より低い値)となった場合、真空インタラプタ19が部分的に破壊される部位を設けて真空容器26そのものの大規模破壊を抑制している。なお、本実施の形態では、部分的に破壊される部位として、真空インタラプタ19の内部の各接点22a,23aの間から外れた位置に設置すると共に、内圧噴出方向も真空インタラプタ19の下側としている。また、真空インタラプタ19の部分的に破壊される部位から検出体33を通じてリミットスイッチ36を動作させる構造とすることで外部から真空インタラプタ19の内圧上昇による部分破壊の発生を容易に判断することが可能となっている。
(1)真空インタラプタ19の破壊時の地絡事故進展に至るまでの時間延伸
真空容器26の破壊を抑制することができ、地絡事故へと進展するまでの時間を延ばすことが可能となり、地絡事故の抑制効果を向上することができる。なお、地絡事故までの延伸時間や電流遮断可否は、流通電流の大きさや真空インタラプタ19の内部に充填された気体(例えば、乾燥空気やSF6ガス)によって異なる。
(2)真空インタラプタ19の爆発的な破壊を抑制
真空インタラプタ19が爆発的に破壊し難く、栓32の抜けのみですむため、栓32や検出体33を除く真空インタラプタ19の構成部材が飛散するといった二次被害を抑制することができる。尚、栓32が抜ける動作圧力を低く設定(例えば、接着面積や接着剤31の種類等で調整可能)すれば、二次被害の抑制効果を一層向上することができる)。
(3)真空インタラプタ19の破壊を把握
真空インタラプタ19の破壊を容易に把握することができ、警報を出力することから事故対応(事故発生したタンク形真空遮断器10を系統から切り離す)を容易に行うことができ、事故箇所の誤判断による波及事故も抑制することができる。
(4)真空インタラプタ19の破壊検出機能を長寿命化
真空インタラプタ19の破壊検出機能に、赤外センサや振動センサといったように電気的に状態変化を検出するセンサを採用せず、検出体33や機械的接点(リミットスイッチ36)といった簡素な物品で構成したことにより、タンク形真空遮断器10と同程度の寿命を期待することができ、タンク形真空遮断器10を更新(交換)するまで、保守管理を不要とすることができる(乾燥空気やSF6ガス部にリミットスイッチ36(接点等)等の主要部品を設置する場合)。
19…真空バルブ(真空インタラプタ)
22…可動電極
23…固定電極
26…真空容器
26a…底壁部
26b…穴
29…内圧上昇検出機構部
30…部分破壊検出部
Claims (7)
- 外部タンクに包囲されて内部を真空状態にした真空容器と、該真空容器内に接離可能に配置された一対の電極と、を備えた真空バルブであって、
前記真空容器の壁面には穴が形成されており、前記真空容器の真空状態を維持するように前記真空容器の外側から前記穴を封止する一方、前記真空容器内の圧力が一定値以上になると前記封止を解除すると共に機械的に状態変化する内圧上昇検出機構部と、
前記内圧上昇検出機構部が機械的に状態変化したことを検知して、外部に警報を出力する部分破壊検出部と、
を備えたことを特徴とする真空バルブ。 - 前記内圧上昇検出機構部は前記一対の電極のうち固定側電極付近の下方に配置され、前記部分破壊検出部は前記内圧上昇検出機構部の直下から前記外部タンクの軸線方向に沿ってズレた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
- 前記内圧上昇検出機構部は、前記真空容器の内部を密閉するように前記穴を封止する栓と、該栓と前記部分破壊検出部との間に架設された検出体と、該検出体の中途部に設けられて該検出体の他の部分に比べて破断し易い破断部と、を備え、
前記真空容器の内部圧力が上昇して前記栓が抜ける際に加わる荷重によって前記破断部が破断したときに前記部分破壊検出部がON又はOFFすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空バルブ。 - 前記検出体は前記栓の抜け方向に対して軸線がズレるように傾斜状態で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の真空バルブ。
- 前記部分破壊検出部は前記外部タンクの外側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の真空バルブ。
- 前記部分破壊検出部は前記検出体の状態変化に連動してON又はOFFする可動接点方式のリミットスイッチであり、該リミットスイッチが前記真空容器の真空度低下に伴ってON又はOFFした際には外部報知器を作動させることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の真空バルブ。
- 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の真空バルブを備えていることを特徴とするタンク形真空遮断器。
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