JP5266622B2 - 新規なポリオレフィン系樹脂組成物及びその樹脂成形体 - Google Patents
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Description
これらアミド系化合物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、結晶化速度が速く、該組成物を射出成形した場合には成形サイクル時間が短縮に寄与する。又、得られる成形体は、透明性、機械特性(剛性など)が改善される。
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のR2は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物、及び
(B)成分:
一般式(2)
(M1 YM2 Z)1−X M3 X (OH)2 An・mH2O (2)
[式中、M1及びM2は、互いに異なって、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛の1価又は2価の金属を表す。M3は、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト又はインジウムの3価の金属を表す。Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9、Yは0〜0.9、Zは0.1〜1の数を表す。n及びmは、0又は正の数を表す。]
で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、x、A、n及びmは、一般式(2)におけると同義である。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩、
水酸化マグネシウム及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種である上記項1〜3の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
(A)成分:
一般式(1)
で表される少なくとも一種のアミド系化合物、及び
(B)成分:
一般式(2)
(M1 YM2 Z)1−X M3 X (OH)2 An・mH2O (2)
[式中、M1及びM2は、互いに異なって、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛の1価又は2価の金属を表す。M3は、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト又はインジウムの3価の金属を表す。Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9、Yは0〜0.9、Zは0.1〜1の数を表す。n及びmは、0又は正の数を表す。]
で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
を含有せしめることを特徴とするポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法。
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のR2は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物、及び
(B)成分:
一般式(2)
(M1 YM2 Z)1−X M3 X (OH)2 An・mH2O (2)
[式中、M1及びM2は、互いに異なって、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛の1価又は2価の金属を表す。M3は、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト又はインジウムの3価の金属を表す。Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9、Yは0〜0.9、Zは0.1〜1の数を表す。n及びmは、0又は正の数を表す。]
で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2 からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
を含有せしめることを特徴とするポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法。
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のR2は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物、及び
(B)成分:
一般式(2)
(M1 YM2 Z)1−X M3 X (OH)2 An・mH2O (2)
[式中、M1及びM2は、互いに異なって、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛の1価又は2価の金属を表す。M3は、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト又はインジウムの3価の金属を表す。Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9、Yは0〜0.9、Zは0.1〜1の数を表す。n及びmは、0又は正の数を表す。]
で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
を含有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分が溶融ポリオレフィン系樹脂に実質的に完全溶解させる工程を具備するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のR2は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物と、
(B)成分:
一般式(2)
(M1 YM2 Z)1−X M3 X (OH)2 An・mH2O (2)
[式中、M1及びM2は、互いに異なって、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅又は亜鉛の1価又は2価の金属を表す。M3は、アルミニウム、鉄、クロム、コバルト又はインジウムの3価の金属を表す。Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9、Yは0〜0.9、Zは0.1〜1の数を表す。n及びmは、0又は正の数を表す。]
で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物とからなるポリオレフィン系樹脂用核剤。
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、x、A、n及びmは、一般式(2)におけると同義である。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩、
水酸化マグネシウム及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種である上記項10〜12の何れかに記載のポリオレフィン系樹脂用核剤。
本発明に係る(A)成分は、上記一般式(1)で表される少なくとも一種のアミド系化合物である。
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸[(シクロヘキシルアミド)ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、1,2,3−プロパントリカルボン酸[ジ(シクロヘキシルアミド)(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンのメチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
本発明に係る(B)成分は、上記一般式(2)で表され且つpH値が7.0〜14.0の範囲にある複合金属化合物、その複合金属化合物の焼成物及びMg3Si4O10(OH)2からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物である。
具体的にはMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・3H2O、Mg6Al2(OH)16CO3等が挙げられる。また、当該ハイドロタルサイトは、本発明の効果を損なわない限り、一般に入手可能な市販品を使用することもできる。例えば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)、Mg4.5Al2(OH)13CO3(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A2」)、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学工業社製、商品名「DHT−6」)などが例示される。
例えば、一般式(2)で表される化合物が「Mg0.692Al0.308(OH)2CO3・3.5H2O」の場合、仮にα=6.5では「Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O」(一般式(3)で表されるハイドロタルサイトの一種に相当)となる。両者の化合物は、互いに異なる係数で表されているようにみえるが、上記の通り、互いに同義の化合物である。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂等が例示される。
具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分及び必要に応じて下記の「その他の添加剤」(例えば、ポリオレフィン樹脂用改質剤など)をポリオレフィン系樹脂に配合することにより得ることができる。
(i)ポリオレフィン系樹脂(粉末、顆粒、フレーク又はペレット等の形態)、(A)成分、(B)成分及び必要に応じて「その他の添加剤」を所望の組成比となるように仕込み、次いで慣用の混合機(例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等)を用いて、粉体混合(ドライブレンド)して、ドライブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を得る方法、
(ii)上記ドライブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を、慣用の混練機(例えば、一軸又は二軸の押出し機等)を用いて、通常160〜300℃、好ましくは180〜280℃、特に好ましくは200℃〜260℃の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、得られたストランドをカッティングすることで、ペレットタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を得る方法などが例示される。
又、ペレットタイプとする方法の中には、(A)成分が1〜20重量%(好ましくは2〜15重量%)の高濃度マスターバッチペレットのポリオレフィン樹脂組成物を得る方法も含まれる。高濃度マスターバッチペレットのポリオレフィン系樹脂組成物は、適宜ポリオレフィン系樹脂で所望の組成比となるように希釈した後に成形工程で供されることが好ましい。
また、本発明に係る(A)成分と(B)成分との組成比(重量比)は、好ましくは(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10、より好ましくは1:0.05〜3、特に1:0.1〜2が推奨される。
これらの範囲内で配合することにより、特に本発明の効果の有意な向上が認められる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記(A)成分及び(B)成分の他に、使用目的やその用途に応じて適宜ポリオレフィン用改質剤などの「その他の添加剤」を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
上記ポリオレフィン用改質剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。
より具体的には、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾテトラアゾール系化合物等)、酸化防止剤(フェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩(Al,Ca,Mg,Zn)、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤の他、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、分散剤、有機系顔料、加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。その添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物をこの分野で慣用されている従来公知の成形方法に従って成形することにより得られる。
具体的には、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、シート成形、フィルム成形、サーモフォーミング等の成形方法が例示される。
当該成形温度(樹脂温度)としては、通常160〜300℃、好ましくは180〜280℃、特に好ましくは200〜260℃が推奨される。
具体的には、熱や放射線等により滅菌されるディスポーザブル注射器、輸液・輸血セット、採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅菌される食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するためのカップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャンプー用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車用部品等の素材として好適である。
本発明に係る無機化合物のpH値及び粒径は下記(1)及び(2)に記載の方法で測定した。また、ポリオレフィン系樹脂成形体の結晶性、剛性、耐熱性、透明性は下記(3)〜(6)に記載の方法で評価した。
100ml三角フラスコに50v/v%エタノール水溶液50mlを入れた後、無機化合物1gを加え、25℃の恒温槽中でマグネチックスターラーを用いて10分間攪拌して、無機化合物を分散させた。次に、pHメーター(堀場製作所製)を用いて、その分散液のpH値を測定した。
界面活性剤を用いて水に無機化合物を均一分散させて、無機化合物の分散液を調製した。得られた分散液をレーザ回析/散乱式粒度分布測定装置(機種名「LA−910」、堀場製作所製)を用いて、メジアン径(μm)を測定した。得られた数値が小さい程、粒径が小さいことを示す。
示差走査熱量計(機種名「Diamond DSC」、パーキンエルマー社製)を用いて、JIS K 7121に準じて、発熱ピークを求めた。得られた発熱ピークのピークトップを結晶化温度(℃)とした。結晶化温度が高い程、結晶性に優れる。
結晶化温度が高くなることは、結晶化速度が速くなることを意味し、射出成形時の成形サイクル時間の短縮に寄与する。
万能試験機(機種名「インストロン」、インストロン ジャパン カンパニイ リミテッド製)を用いて、JIS K 7203(1982)に準じて、曲げ弾性率 (MPa)を測定した。
尚、試験温度は25℃、試験速度は10mm/分とした。曲げ弾性率の値が大きい程、剛性に優れる。
HDT試験装置(機種名「HDT TESTER 3M-2」、東洋精機社製)を用いて、ASTM D648に準じて、荷重たわみ温度 (℃)を測定した。
尚、エッジワイズ法を用い、曲げ応力は0.45MPaとした。荷重たわみ温度が高い程、耐熱性に優れる。
ヘイズ測定器(機種名「ヘイズガードII」、東洋精機製作所製)を用いて、ASTM D1003に準じて、ヘイズ値(%,厚さ1mm)を測定した。得られた数値が小さい程、透明性に優れる。
攪拌機、温度計、冷却管及びガス導入口を備えた500mlの4ツ口フラスコに1,2,3−プロパントリカルボン酸9.7g(0.055モル)とN−メチル−2−ピロリドン100gを秤取り、窒素雰囲気下、室温にて攪拌しながら1,2,3−プロパントリカルボン酸を完全に溶解させた。続いて、2−メチルシクロヘキシルアミン(トランス体:シス体=74.3:25.7、GLC面積%)20.5g(0.1815モル)、亜リン酸トリフェニル56.3g(0.1815モル)、ピリジン14.4g(0.1815モル)及びN−メチル−2−ピロリドン50gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら100℃で4時間反応を行った。冷却後、反応溶液をイソプロピルアルコール500mlと水500mlの混合溶液中にゆっくり注ぎ込み、約40℃で1時間攪拌後、析出した白色沈殿物を濾別した。更に、得られた白色固体を約40℃のイソプロピルアルコール500mlで2回洗浄した後、100℃、133Paにて6時間乾燥した。
得られた乾燥物を乳鉢で粉砕し、目開き106μmの標準篩い(JIS Z−8801規格)に通して、本発明に係る1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(以下、「PTC−2MeCHA」と略記する。)18.8g(収率74%)を得た。
2−メチルシクロヘキシルアミンに代えて、シクロヘキシルアミンを用いた以外は、製造法1と同様に行い、本発明に係る1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド(以下、「PTC−CHA」と略記する。)17.3g(収率75%)を得た。
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂(MFR=30g/10分,以下、「h−PP」と略記する。)100重量部に、(A)成分として製造例1で調製したPTC−2MeCHA0.15重量部と、(B)成分としてMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)0.05重量部を添加し、更にその他の添加剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1010」)0.05重量部及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGAFOS168」)0.05重量部を添加して、ヘンシェルミキサーで1000rpm、5分間ドライブレンドして、ドライブレンドタイプの本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
次に、直径20mmの一軸押出機を用いて、そのブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を樹脂温度240℃で溶融混練して、押し出されたストランドを水冷し、得られたストランドを切断して、ペレットタイプの本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
次に、得られたペレットを樹脂温度250℃、金型温度40℃の条件下で射出成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
尚、予め樹脂温度240℃でPCT−2MeCHA0.15重量部がh−PP100重量部に溶解することを確認した。
(B)成分の種類を表1に記載の種類に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
実施例1,実施例8〜10,実施例12,比較例2,比較例8,比較例11;Mg4.5Al2(OH)13CO3:協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」
実施例2;Mg4.5Al2(OH)13CO3:協和化学工業社製、商品名「DHT−4A2」
実施例3;Li2Al4(OH)12CO3・3H2O:水澤化学工業社製、商品名「ミズカラックL」
実施例4;Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O:協和化学工業社製、商品名「DHT−6」
実施例5;Mg0.7Al0.3O1.15:協和化学工業社製、商品名「キョーワード2100」
実施例6,実施例11;Mg3Si4O10(OH)2:日本タルク社製、商品名「ミクロエースP−6」
実施例7;Mg(OH)2:協和化学工業社製、商品名「マグサラットF」
(A)成分及び(B)成分の添加量を表1に記載の添加量に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(A)成分の種類を上記製造例2で調製したアミド系化合物に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
尚、予め樹脂温度240℃でPCT−CHA0.15重量部がh−PP100重量部に溶解することを確認した。
(B)成分を用いない他は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(A)成分を用いない他は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(B)成分の代わりに、本発明外の無機化合物である活性白土(化学組成;「SiO2=71.6%、Al2O3=14.3%、Fe2O3=3.7%、MgO=2.4%、CaO=1.0%、Ig−Loss=6.7%」,水澤化学工業社製、商品名「ミズカエース#400」)0.05重量部を用いた他は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(B)成分を用いない他は、実施例8と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(B)成分を用いない他は、実施例9と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表1に示した。
(A)成分及び(B)成分を用いない他は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表1に示した。
h−PPをポリプロピレンブロックコポリマー(MFR=18g/10分,以下、「b−PP」と略記する。)に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表2に示した。
尚、予め樹脂温度240℃でPCT−2MeCHA0.15重量部がb−PP100重量部に溶解することを確認した。
(B)成分の種類を表1に記載の種類に変更した以外は、実施例10と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表2に示した。
(B)成分を用いない他は、実施例10と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度を測定し、それら測定結果を表2に示した。
(A)成分を用いない他は、実施例10と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表2に示した。
(A)成分及び(B)成分を用いない他は、実施例10と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度を測定し、それら測定結果を表2に示した。
h−PPをポリプロピレンランダムコポリマー(MFR=20g/10分,以下、「r−PP」と略記する。)に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表3に示した。
尚、予め樹脂温度240℃でPCT−2MeCHA0.15重量部がr−PP100重量部に溶解することを確認した。
(B)成分:無機化合物を用いない他は、実施例12と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表3に示した。
(A)成分を用いない他は、実施例12と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表3に示した。
(A)成分及び(B)成分を用いない他は、実施例12と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表3に示した。
Claims (6)
- ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。R 2 は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B)成分:
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、及び
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9の数を表す。n及びm は、0又は正の数を表す。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩
からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機系化合物0.01〜1重量部
を含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。 - (A)成分と(B)成分との重量比が、(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10の範囲である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られるポリオレフィン系樹脂成形体。
- ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。R 2 は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B)成分:
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、及び
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9の数を表す。n及びm は、0又は正の数を表す。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩
からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機系化合物0.01〜1重量部
を含有せしめることを特徴とするポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法。 - ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。R 2 は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B)成分:
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、及び
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9の数を表す。n及びm は、0又は正の数を表す。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩
からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機系化合物0.01〜1重量部
を含有せしめることを特徴とするポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法。 - ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A)成分:
一般式(1)
[式中、R1は、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。R 2 は、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。kは、3又は4の整数を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B)成分:
一般式(3)
MghAl2(OH)2h+4CO3・pH2O (3)
[式中、hは、h≧3を表す。pは、0又は正の数を表す。]
で表されるハイドロタルサイト、そのハイドロタルサイトの焼成物、及び
一般式(4)
Li1−X AlX (OH)2 An・mH2O (4)
[式中、Aは、OH−、F−、Cl−、Br−、NO3 −、CO3 2−、SO4 2−、Fe(CN)6 3−、CH3COO−、O2−,シュウ酸イオン又はサリチル酸イオンを表す。Xは0〜0.9の数を表す。n及びm は、0又は正の数を表す。]
で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩
からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機系化合物0.01〜1重量部
を含有するポリオレフィン系樹脂を製造する方法であって、(A)成分が溶融ポリオレフィン樹脂に実質的に完全溶解させる工程を具備するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
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