JP5260121B2 - 自然薯の増殖方法 - Google Patents
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Description
通常、むかごを用いて栽培する場合は、品質の保証された親株に生成されたむかごを採取し、翌年、そのむかごを蒔き、成長させる。その年は、むかごから成長した自然薯は10〜20g程度まで成長する。もちろん、この大きさでは、収穫して商品として出荷することはできない。そこで、翌年、その成長した自然薯を、移植して成長させる。その年に成長した自然薯は、直径2cm、長さ60cm、100〜200g程度まで成長する。
しかし、この大きさでも自然薯として商品出荷にするには小型である。そこで、さらに翌年、その自然薯を40〜50gの大きさに切断して種薯として植え付け、その年成長して400〜700g程度の大きさとなった自然薯を初めて商品として出荷することができた。
なお、むかごを用いた増殖方法としては、特許文献1に記載されている「山芋等の栽培方法」がある。
また、通常の栽培では、畑に多数の親株を植え付けておいて、むかごを採取するため、同一親株からのみむかごが採取できるとは限らず、他の株のむかごが混入してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、異なる株間でのむかごの混入を防止するとともに、むかごの生成から商品としての自然薯が収穫できるまでの年数を短縮化することのできる自然薯の増殖方法を提案することを目的とした。
また、前記自然薯の増殖方法において、前記親株の近傍に土を盛り上げた苗床を形成し、該苗床上に親株から成長した茎を這わせるとともに、茎の適当箇所を係止具を用いて苗床に係止させておくことを特徴とする。
また、前記自然薯の増殖方法において、茎の苗床への係止は、むかごが生成された直後であることを特徴とする。
また、前記自然薯の増殖方法において、前記むかごから成長した自然薯を翌年移植し、その年に成長して得られた自然薯をさらに翌年分割して種薯として植え付けることを特徴とする。
また、前記自然薯の増殖方法において、前記むかごから成長した自然薯を翌年移植するまでの間の降霜期に、自然薯の上方に霜除け用のシートを掛けておくことを特徴とする。
その結果、味、香りの優れた自然薯の親から、同一の種薯を大量生産することが可能となる。
また、自然薯の株ごとにむかごの根付けが行われて生育の管理がなされるため、異なる株間でのむかごの混入が防止される。
図1〜図9は本発明に係る自然薯の増殖方法の1年目の成長過程を示す図であり、図10は2年目の自然薯の成長過程を示す説明図である。図1において、先ず春先に、畑1に殖やしたい自然薯の種薯2を植え付けて成長させる。種薯2からは吸収根3等の根が出て成長するとともに、上端から芽が出て茎4や葉5が生成され、図2のように成長が進んでいく。やがて、7月20日頃になると花が咲きむかごが生成される。
なお、2年目に収穫された200〜400gの大きさの自然薯は種薯として自然薯生産農家向けに出荷することも可能である。
また、2年目に成長した自然薯を畑で越年させる場合は、必要に応じてシート等を掛けて霜除け対策をすることもある。
また、むかごの根付けの際は、自然薯の株ごとに苗床で管理されるため、異なる株間でのむかごの混入が避けられて、全ての自然薯を、親薯と同一遺伝子を有する第2世代の自然薯として育成できる。
2 種薯
3 吸収根
4 茎
5 葉
6 苗床
7 係止具
8 むかご
9 土
11 根
12 葉
13,14 自然薯
15 シート
Claims (5)
- 自然薯の親株から成長した茎を地面上に這わせ、生成されたむかご部分を土で覆い、むかごが茎に接続されている状態でむかごから吸収根および貯蔵根を発根させて自然薯を生育させることを特徴とする自然薯の増殖方法。
- 請求項1に記載の自然薯の増殖方法において、
前記親株の近傍に土を盛り上げた苗床を形成し、該苗床上に親株から成長した茎を這わせるとともに、茎の適当箇所を係止具を用いて苗床に係止させておくことを特徴とする自然薯の増殖方法。 - 請求項2に記載の自然薯の増殖方法において、
茎の苗床への係止は、むかごが生成された直後であることを特徴とした自然薯の増殖方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の自然薯の増殖方法において、
前記むかごから成長した自然薯を翌年移植し、その年に成長して得られた自然薯をさらに翌年分割して種薯として植え付けることを特徴とする自然薯の増殖方法。 - 請求項4に記載の自然薯の増殖方法において、
前記むかごから成長した自然薯を翌年移植するまでの間の降霜期に、自然薯の上方に霜除け用のシートを掛けておくことを特徴とする自然薯の増殖方法。
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