JP5258370B2 - リセドロン酸の工業的製造方法 - Google Patents
リセドロン酸の工業的製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5258370B2 JP5258370B2 JP2008122531A JP2008122531A JP5258370B2 JP 5258370 B2 JP5258370 B2 JP 5258370B2 JP 2008122531 A JP2008122531 A JP 2008122531A JP 2008122531 A JP2008122531 A JP 2008122531A JP 5258370 B2 JP5258370 B2 JP 5258370B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- reaction
- organic solvent
- phosphorus
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
例えば、特許文献2(特表2007−502810号公報)では反応溶媒としてスルホランの使用を提案しているが、スルホラン自体が高価なものであり、工業的には不向きである。
また、特許文献3(国際公開WO2006/134603)では反応溶媒としてオクタン、あるいはジオキサンを使用する提案がなされているが、オクタン自体の安全性、ジオキサンの毒性に問題点がある。
また、特許文献5(アメリカ特許公開2006−0258625)では反応溶媒としてジフェニルエーテルを使用し、特許文献6(ヨーロッパ特許第1243592号)ではフルオロベンゼンを反応溶媒に使用した製造方法が提案されているが、いずれの場合も安全性とコスト的な面で十分なものとはいえない。
なお、特許文献4においては反応溶媒としてトルエンを使用した方法も報告されているが、反応液の粘着・固化の点を改善するまでには至っていない。
また、これらの報告のほとんどは、反応試薬として三塩化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三臭化リン、オキシ臭化リンなどリンハロゲン化合物を多量に用いているため、反応で大量のハロゲン化水素ガスが発生し、工業的に生産する上では大規模な排ガス処理装置が必要となる問題点があった。
本発明方法によれば、反応が終結するまで反応内容物が粘着・固化されることがなく、十分に攪拌することが可能であり、操作性に何らの支障がない。
また、有害なハロゲン化水素の発生は、原料として3−ピリジル酢酸としてその塩酸塩を用いた場合には等モル分の塩化水素は発生するものの、反応試薬としてリンハロゲン化物を用いないため、反応での過剰なハロゲン化水素が副生することがない。
これまでの報告では3倍モルのオキシ塩化リン又は三塩化リンを用いて反応しているものであり、その場合は基質に対して10倍モルの塩化水素(塩酸ガス)が発生することとなる。
その点からみれば、本発明の製造方法では塩酸ガスの発生を1/10までに低減することができ、大規模な排ガス処理装置をなんら必要としない、工業的に優れた製造方法となる点で、その利点は多大なものである。
反応に使用する3−ピリジル酢酸は、その塩の形態、なかでも塩酸塩の形態、すなわち3−ピリジル酢酸塩酸塩を使用するのが好ましい。
これまでの報告では、スルホラン、オクタン、ジオキサン、シリコンオイル、ジフェニルエーテル或いはフルオロベンゼン等の特異的溶媒を使用したものであるが、これらの溶媒では安全性の面、或いは価格の面で問題があるが、本発明方法では工業的に汎用されてトルエン又は酢酸エチルを使用するものであり、安全性の面、或いは価格の面での問題点はない。
なお、用いる有機溶媒の使用量は、一概に限定できないが、反応を進行させるに十分な量であればよく、3−ピリジル酢酸塩酸塩1モル当量に対して、0.5〜1L程度使用すれば十分であり、状況に応じて適宜増減することができる。
なお、本発明にあっては、反応試薬としてポリリン酸のみ、あるいは五酸化リンだけであっても目的とするリセドロン酸を得ることができる。しかしながら、ポリリン酸のみであると反応液の流動性は良いが収率の点で好ましいものではなく、また五酸化リンのみでは反応液の流動性が悪く、また収率も良いものではない。本発明者等の検討によれば、ポリリン酸にさらに五酸化リン加えることにより、反応液の流動性もよく、反応がより促進することが判明した。
3−ピリジル酢酸塩酸塩を汎用される有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸エチル、より好ましくはトルエン)中に懸濁させ、ポリリン酸(3−ピリジル酢酸塩酸塩に対して2〜5倍重量、好ましくは3倍重量)と亜リン酸を室温で加えて溶解する。
この段階で、反応液は有機溶媒の相(上層)と原料混合物の相(下層)に分離するが、両相とも非常に流動性が良く、攪拌にはなんら問題は無いものであった。
この状態でも目的とする反応は進行するが、反応を促進するために五酸化リンを加え、更に加熱(反応温度は室温〜溶媒の沸点、好ましくは溶媒の沸点より少し低い温度)して反応を進行させる。
その状態で5〜24時間、好ましくは15〜20時間反応させたのち、反応後に水を滴下し、加熱攪拌を続行すると、下層成分(反応物)は水に分散していき、均一に懸濁された反応液となる。
反応液を冷却後、反応液中にエタノールを加えると、結晶が析出するので、濾取した後、エタノール及び水で洗浄し、乾燥させることにより、目的をするリセドロン酸(通常、1水和物の形態)で得ることができる。
4径フラスコにトルエン350mL、3−ピリジル酢酸塩酸塩100g(0.58モル)、116%ポリリン酸300g、亜リン酸141.7g(1.73モル)及び五酸化リン245g(1.73モル)をいれ、95℃で16時間反応した。反応終了後水400mLを滴下し、90℃で5時間加熱した。反応液を室温まで冷却後エタノール1200mLを加え、析出した結晶を濾取して、エタノールと水で十分に洗浄・乾燥することによりリセドロン酸(通常1水和物の形態)を105.8g(61%)を得た。
実施例1において、溶媒として酢酸エチルを使用し、同様に反応を行い、目的とするリセドロン酸を58%の収率で得た。
Claims (4)
- 反応促進剤としてポリリン酸及び/又は五酸化リン使用することを特徴とする、有機溶媒中で3−ピリジル酢酸と亜リン酸とを反応させることからなる1−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルエチリデンジホスホン酸の製造方法。
- 有機溶媒中、3−ピリジル酢酸、亜リン酸及びポリリン酸を混合し、更に五酸化リンを添加して反応させることを特徴とする請求項1に記載の1−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルエチリデンジホスホン酸の製造方法。
- 有機溶媒が、トルエン又は酢酸エチルである請求項1又は2に記載の1−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルエチリデンジホスホン酸の製造方法。
- 反応温度が、室温〜有機溶媒の沸点温度までの範囲である請求項1、2又は3に記載の1−ヒドロキシ−2−ピリジン−3−イルエチリデンジホスホン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008122531A JP5258370B2 (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | リセドロン酸の工業的製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008122531A JP5258370B2 (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | リセドロン酸の工業的製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009269867A JP2009269867A (ja) | 2009-11-19 |
JP5258370B2 true JP5258370B2 (ja) | 2013-08-07 |
Family
ID=41436757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008122531A Expired - Fee Related JP5258370B2 (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | リセドロン酸の工業的製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5258370B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
PH27078A (en) * | 1984-12-21 | 1993-02-01 | Procter & Gamble | Pharmaceutical compositions containing geminal diphosphonates |
PE20011065A1 (es) * | 2000-02-01 | 2001-11-21 | Procter & Gamble | Proceso para fabricar bisfosfonatos geminales |
ITMI20020908A1 (it) * | 2002-04-29 | 2003-10-29 | Chemi Spa | Processo di preparazione di sodio alendronato |
DE60331724D1 (de) * | 2002-05-17 | 2010-04-29 | Teva Pharma | Verwendung von bestimmten lösungsmitteln zur herstellung von bisphosphonsäuren |
ATE451380T1 (de) * | 2003-08-21 | 2009-12-15 | Sun Pharmaceuticals Ind Ltd | Verfahren zur herstellung von bisphosphonsäureverbindungen |
EP2016084A2 (en) * | 2006-05-11 | 2009-01-21 | Ind-Swift Laboratories Limited | Process for the preparation of pure risedronic acid or salts |
-
2008
- 2008-05-08 JP JP2008122531A patent/JP5258370B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009269867A (ja) | 2009-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI353356B (en) | Phosphonium and imidazolium salts and methods of t | |
JP4642762B2 (ja) | ビスホスホン酸化合物の製造方法 | |
CN1665825A (zh) | 用一定的稀释剂制备双膦酸 | |
CN102639545B (zh) | 制备氨基羟基二膦酸的方法 | |
US20080194525A1 (en) | Process of Making Geminal Bisphosphonic Acids and Pharmaceutically Acceptable Salts and/or Hydrates Thereof | |
CN103339130B (zh) | 制备hiv附着抑制剂前药化合物的方法及中间体 | |
EP2881365B1 (en) | Method for producing bis(halosulfonyl)amine | |
CN104812763B (zh) | 用于合成n-(膦酰基甲基)甘氨酸的方法 | |
JP5015006B2 (ja) | 〔1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)エチリデン〕ビスホスホン酸及びその2.5水和物モノナトリウム塩の製造方法 | |
KR101249361B1 (ko) | 고순도 트리스(트리알킬실릴)포스파이트의 제조 방법 | |
JP5258370B2 (ja) | リセドロン酸の工業的製造方法 | |
TWI328010B (en) | Process for the preparation of monohydroperfluoroalkanes, bis(perfluoroalkyl) phosphinates and perfluoroalkylphosphonates | |
JP2010508376A (ja) | ビホスホン酸、及びその塩の製造方法 | |
Schull et al. | Synthesis of symmetrical triarylphosphines from aryl fluorides and red phosphorus: scope and limitations | |
KR20010102162A (ko) | 알렌드론산을 제조하는 신규한 방법 | |
JP6707668B2 (ja) | カチオン性ケイ素(ii)化合物およびその製造方法 | |
EA007947B1 (ru) | Промышленный способ получения 2-замещенных 1-(гидроксиэтилиден)-1,1-бисфосфоновых кислот и их солей высокой чистоты | |
WO2007068678A1 (en) | Process for the preparation of 3-pyridyl-1-hydroxyethylidene-1,1-biphosphonic acid and hydrated forms thereof | |
PL213599B1 (pl) | Sposób otrzymywania kwasu [1-hydroksy-2-(1H-imidazol-1-ilo)-etylideno] bisfosfonowego | |
JP3751713B2 (ja) | トリアリールボランホスフィン錯体の製造法 | |
JP2001064291A (ja) | テトラキス(ピロリジノ/ピペリジノ)ホスホニウム塩を含んでなる混合物 | |
JP3385208B2 (ja) | ヘテロ環ビス(フォスフォン酸)誘導体の新規製造法 | |
WO2008157050A1 (en) | Processes for manufacturing bisphosphonic acids | |
JP2014005214A (ja) | アリールジクロロホスフィンの製造方法 | |
JP5496180B2 (ja) | 不飽和ジホスフィンモノオキシド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130405 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130417 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130423 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |