JP5254165B2 - 多気筒内燃機関 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、多気筒内燃機関の部品点数を削減し、構造を簡単にできるようにすることを目的とする。
この構成によれば、隣接するクランク室の支持壁に沿ってオイル排出口を設け、支持壁を跨いでスカベンジングポンプの吸い込み口をクランク室外壁に直接設けたため、隣接する各クランク室のオイルは、オイル排出口から直接スカベンジングポンプに供給される。このため、複数のオイル流出孔から流れるオイルを集めてスカベンジングポンプに流すための部品が必要なく、部品点数を削減し、構造を簡単にできる。また、吸い込み口内にジャーナルボルトの取り付け面を形成したため、スカベンジングポンプを、支持壁を跨いでクランク室外壁に設けるに当たり、ジャーナルボルトが邪魔になる様な配置であっても、スカベンジングポンプを支持壁を跨いだ所望の位置に配置できる。また、オイル切り用リブによってクランクウエブに付着したオイルを取り除くことができるため、クランク軸の回転に対する抵抗を減少させることができる。
この場合、フィードポンプの吐出口からオイルフィルタに至る油路を、クランクケース壁内に形成したため、フィードポンプとオイルフィルタとを接続する部品が必要なく、部品点数を削減できる。
この場合、オイル切り用リブをクランクウエブに近接して設ける場合に、オイル切り用リブの長さを短くできると共に、傾斜面によりできた空間を利用して、フィードポンプの吐出口を接続する油路をクランクケースに形成できる。例えば、フィードポンプとオイルフィルタとを接続する油路を形成できる。
また、前記オイル切り用リブ(271)のオイルの掻き取り側に、掻き取ったオイルを受ける下方に傾斜して形成されたオイル受け部(271C)を設けた構成としても良い。
また、オイル切り用リブによってクランクウエブに付着したオイルを取り除くことができるため、クランク軸の回転に対する抵抗を減少させることができる。
また、オイル切り用リブをクランクウエブに近接して設ける場合に、オイル切り用リブの長さを短くできると共に、傾斜面によりできた空間を利用して、フィードポンプの吐出口を接続する油路をクランクケースに形成できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る多気筒内燃機関を備えた自動二輪車を示す側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
フロントバンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、リヤバンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管(不図示)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備えている。フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
フロントバンクBfとリヤバンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U,3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
また、各シリンダブロック3f,3rには、各シリンダブロック3f,3rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット8が、シリンダボア3aを囲うようにそれぞれ設けられている。
また、各シリンダヘッド4f,4rには、各シリンダヘッド4f,4rを冷却する冷却水が流れるウォータージャケット9が、吸気ポート21及び排気ポート22を囲うようにそれぞれ設けられている。
これらの吸気バルブ11および排気バルブ12は、各シリンダヘッド4f,4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25で駆動されるユニカム方式の動弁装置10によって開閉駆動される。
カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。
ロッカシャフト26に軸支されたロッカアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、他端には排気バルブ12の上端に当接するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。
図3に示すように、シリンダヘッド4rの各気筒には、シリンダボア3aの中心軸線であるシリンダ軸線C上に、プラグ差込孔15が形成されており、このプラグ差込孔15には点火プラグ16(右側の気筒の点火プラグは不図示)がその先端を燃焼室20内に臨ませて配置されている。
クランク軸2の一端側には、クランク軸2の回転を出力するカムシャフト駆動スプロケット17が設けられている。内燃機関1のカムシャフト駆動スプロケット17側には、各バンクBf,Br内で上下に延在するカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25と一体に回転する従動スプロケット36は、カムシャフト25の一端に固定されてカムチェーン室35内に位置している。従動スプロケット36とカムシャフト駆動スプロケット17とには、無端状のカムチェーン37が巻き回されており、カムシャフト25はカムチェーン37及び従動スプロケット36を介して、クランク軸2の回転の半分の回転速度で回転されるようになっている。
また、クランク軸2の他端側には、発電機としてのジェネレータ18が設けられている。
クランク軸2は、図3に示すように、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとの合わせ面3S上に配置されている。このクランク軸2の後方にメイン軸41が配置され、メイン軸41の後方にカウンタ軸42が配置されている。メイン軸41及びカウンタ軸42は、合わせ面3S上に配置されている。また、カウンタ軸42の前方かつ下方に出力軸43が配置されている。すなわち、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸心O1,O2は合わせ面3S上に前後に位置し、出力軸43の軸心O3は、メイン軸41の軸心O1の後方であって、カウンタ軸42の軸心O2の前方かつ下方に位置している。
ここで、図3は、リヤバンクBr、クランク軸2、メイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43を各々直線で結ぶ断面で切断した断面図である。
メイン軸側被動歯車41Aは、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられるとともに、クラッチ機構44に接続されており、このクラッチ機構44の作動によってクランク軸2とメイン軸41との間の動力の伝達が断続可能となっている。
また、メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ50(図2参照)を駆動するオイルポンプ駆動歯車41Bが設けられている。オイルポンプ駆動歯車41Bは、クラッチ機構44のオンオフとは無関係にメイン軸側被動歯車41Aと一体に回転し、図2に示すように、オイルポンプ50の駆動軸50Aに固定された被動歯車50Fに駆動チェーン45を介してクランク軸2の回転を伝達し、オイルポンプ50を駆動する。
シフタとなるメイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4と、カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6とを変速切換機構47(図2参照)によって移動して変速がなされる。
シフトドラム47Aは、メイン軸41及びカウンタ軸42の間、かつ、上方に配置されるとともに、その軸心O4が出力軸43の軸心O3より後方となるように配置されている。このシフトドラム47Aの前後には、フォーク軸47B,47Cがシフトドラム47Aに平行に配置されている。フォーク軸47Bは、シフトドラム47Aの前方に配置されるとともに、その軸心O5がシフトドラム47Aの軸心O4よりもやや下方になるように配置されている。フォーク軸47Cは、シフトドラム47Aの後方に配置されるとともに、その軸心O6がシフトドラム47Aの軸心O4と略同じ高さとなるように配置されている。
出力軸43の左端部には駆動傘歯車48が一体的に設けられ、この駆動傘歯車48は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト49の前端に一体に設けられた被動傘歯車49Aに噛み合う。これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト49に伝達される。
この内燃機関1では、クランク軸2の後方にメイン軸41を配置し、メイン軸41の後方にカウンタ軸42を配置したため、クランク軸2、メイン軸41、及びカウンタ軸42は、この順で前後に配置されるので、クランクケース3の上下長を短く抑えることができる。この構成では、メイン軸41に固定されるメイン軸側被動歯車41Aの直径が大きくても、メイン軸がクランク軸及びカウンタ軸の上方に配置される場合に比べ、メイン軸側被動歯車41Aが上方に突出せず、クランクケース3が上方に張り出すのを抑制することが可能となる。したがって、リヤバンクBrとクランクケース3の上面3bとの間に補機類を配置することも可能となる。
さらに、メイン軸41及びカウンタ軸42は、上下クランクケース3U,3Lの合わせ面3S上に配置されるので、メイン軸41及びカウンタ軸42の軸受41C,42Cの構造が単純化し、メイン軸41及びカウンタ軸42の組み付けが容易になる。
このように、クランクケース3の前後長を短く抑えたことで、ホイールベースが短くなるので、自動二輪車100(図1参照)をコンパクトにすることができるとともに、自動二輪車100の旋回性能も向上する。
シフトドラム47Aは、その軸心O4が出力軸43の軸心O3より後方となるように配置されているので、シフトドラムの軸心と出力軸の軸心が上下に並んで配置される場合に比べ、クランクケース3の上下長を短く抑えることができる。したがって、リヤバンクBrとクランクケース3の上面3bとの間に補機類を配置することも可能となる。
また、前シリンダブロック3fの下方には、下クランクケース3Lから膨出するように形成されたオイルフィルタ53A及びオイルクーラー53Bが設けられている。
オイルポンプ50は、クランク軸2や動弁装置10等にオイルを供給するフィードポンプ290と、クランク室255(図2参照)内のオイルを排出するスカベンジングポンプ291とを一体に設けて構成されている。フィードポンプ290及びスカベンジングポンプ291は、駆動軸50Aを互いに共用して同軸上に設けられたトロコイドポンプであり、車体右方向に延出された一本の駆動軸50Aによって駆動される。
また、オイルポンプ50の上面は、平面状の取り付け面50Bになっている。オイルポンプ50の上面の縁部には、取り付け面50Bを貫通する固定孔50Cが複数設けられており、オイルポンプ50は固定孔50Cに挿通される複数のボルト50D(図2参照)を介してクランク室255の下部に固定される。
フィードポンプ290は、その上面において、スカベンジング吸入口291Aよりも前方側かつ駆動軸50Aの延出側に、オイルパン3Gから吸い込んだオイルを吐出するフィード吐出口290A(吐出口)を有している。
また、クランク室255の上方において前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとの間の壁部には、各シリンダヘッド4f,4r内に連通する油路としてのサブギャラリ279が形成されている。サブギャラリ279は、クランク室255内の上部に設けられたピストンジェット280にも連通している。ピストンジェット280に供給されたオイルは、各ピストン6に吹き掛けられる。
クランクピン2Dは、一側クランク室255R及び他側クランク室255Lにそれぞれ1本ずつ設けられ、各クランクピン2Dの両端にはクランクウエブ2Eがそれぞれ設けられている。ジャーナル部2Cはクランクケース3の両端と中央とに位置し、クランクケース3に形成された各軸受部にそれぞれ回転自在に支持されている。また、クランク軸2は、ジャーナル部2Cとクランクピン2Dとを連通する軸内油路2Fを複数有している。
図5に示すように、下クランクケース3Lの上面は、上クランクケース3Uとの合わせ面3Sとなっており、図中上部において合わせ面3Sに囲まれた部分は、クランク室255の下半部であり、クランク室255の後方には、変速装置46を収容する変速機室259の下半部が設けられている。変速機室259は、前部に形成された開口259Aによって、オイルパン3Gに連通している。また、合わせ面3Sには、下クランクケース3Lを貫通するボルト孔263が複数形成されており、このボルト孔263に挿通されるボルト(不図示)によって下クランクケース3Lが上クランクケース3Uに締結固定される。
下クランクケース3Lのクランク室255は、平面視で略矩形に形成され、幅方向の中央に立設された支持壁257によって、一側クランク室255Rと他側クランク室255Lとに仕切られている。
また、各凹状部260の近傍には、各凹状部260を挟んで前後の位置に、下クランクケース3Lを上下に貫通するボルト孔261がそれぞれ形成されている。各ボルト孔261には、図2に示すように、クランク軸2の近傍で下クランクケース3Lと上クランクケース3Uとを締結することでクランク軸2を固定するクランク軸固定ボルト262(ジャーナルボルト)が挿通される。
また、クランク室255の下方には、下方に向けて枠状に立設されたオイルパン接続部266が設けられている。オイルパン接続部266の内側は、オイルポンプ50が収容されるポンプ収容部267となっている。
オイル流出孔268R、268Lは、下部支持壁257Aに沿ってクランク室255の中央に設けられると共に、前後方向には略同一の位置に形成され、下部支持壁257Aの下方で合流し、ポンプ収容部267側にオイルを排出するオイル排出口269となっている。また、各オイル流出孔268R、268Lの車幅方向外側の端は、下部支持壁257Aの両側に近接する各クランクウエブ2Eにおける車幅方向外側の端よりも内側に位置している。
図7に示すように、オイルパン3Gが取り外された状態では、オイルパン接続部266の内側に、クランク室255の底部255Cの外壁272(クランク室外壁)が露出する。オイルパン接続部266内の外壁272には、オイルポンプ50(図2参照)が取り付けられるオイルポンプ取り付け面273が形成されている。オイルポンプ取り付け面273には、オイル流出孔268R、268Lと連通し、下部支持壁257Aを車幅方向に跨る吸い込み口274が形成されている。この吸い込み口274には、スカベンジングポンプ291のスカベンジング吸入口291Aが接続され、吸い込み口274を介してクランク室255内のオイルがスカベンジングポンプ291に吸い込まれる。
本実施の形態では、スカベンジングポンプ291によってクランク室255内のオイルが吸い出され、クランク室255内にオイルが溜まらない、いわゆるドライサンプ潤滑方式が用いられており、クランクウエブ2Eとオイルとの衝突が避けられているため、内燃機関1の効率及び出力を向上できる。
図8に示すように、クランク室255の底部255Cには、下方に窪んだ凹部275が形成され、オイル排出口269は、凹部275内に設けられている。前壁255Aは後ろ下がりに傾斜し、凹部275は、底部255Cの最も低い位置に設けられているため、クランク室255内に付着したオイルは、凹部275に効率良く集められる。
ここでは、オイル流出孔268L近傍のオイル切り用リブ271について説明したが、他のオイル切り用リブ271についても同様に構成されている。
また、オイルポンプ取り付け面273は、前部273Aが前下がりに傾斜して形成されている。これにより、オイルポンプ取り付け面273の前部273Aの上方に空間Qが確保され、この空間Qを利用することで、オイルポンプ取り付け面273の上方に油路等を形成できる。
図9に示すように、円柱状に形成されたオイルフィルタ53Aは、下クランクケース3Lの側壁3Iに取り付けられ、フィルタ用油路277に接続されている。側壁3I内には、オイルクーラー53Bに繋がるクーラー用油路278が設けられている。クーラー用油路278はフィルタ用油路277に隣接して設けられ、オイルフィルタ53Aを通過したオイルは、クーラー用油路278を通ってオイルクーラー53Bに至る。
このように、下クランクケース3Lの壁部285内に孔を設けてフィルタ用油路277を形成したため、フィードポンプ290とオイルフィルタ53Aとを接続するパイプ等の部品が必要なく、部品点数を削減できる。
また、フィード吐出口290Aをオイルポンプ取り付け面273の下方側に設け、油路入口276を低い位置に設けたため、油路入口276の上方に空間Q(図8参照)を確保でき、壁部285内にフィルタ用油路277を形成できる。
フィードポンプ290によってオイルパン3Gから吸い上げられたオイルは、フィード吐出口290A(図9)から吐出され、フィルタ用油路277を通ってオイルフィルタ53Aに至り浄化され、クーラー用油路278を経てオイルクーラー53Bに達して冷却される。また、クーラー用油路278は変速装置46に繋がる分岐油路(不図示)を有し、クーラー用油路278を通過するオイルの一部は上記分岐油路を通って変速装置46周辺に供給される。
各シリンダヘッド4f,4r、各ピストン6、及び、クランク軸2等に供給されたオイルは、各部を潤滑した後に流下して一側クランク室255R及び他側クランク室255Lをそれぞれ流れ、底部255Cの各凹部275に集まり、オイル流出孔268R、268Lを経てオイル排出口269で合流し、スカベンジング吸入口291Aに吸い込まれる。
また、オイルポンプ50が、外壁272のオイルポンプ取り付け面273に直接取り付けられるため、オイルポンプ50の組み付け性を向上できる。すなわち、オイルポンプ50を取り付ける手順としては、オイルポンプ50の取り付け面50Bをオイルポンプ取り付け面273に直接当接させ、複数のボルト50Dを締め込むだけで良い。
また、オイル切り用リブ271によってクランクウエブ2Eに付着したオイルを取り除くことができるため、クランクウエブ2Eがオイルに衝突して抵抗を受けることを防止でき、内燃機関1の効率及び出力を向上できる。
また、オイル切り用リブ271を後部273Cが後ろ上がりに傾斜したオイルポンプ取り付け面273の上に設け、底上げされた高い位置に設けたため、オイル切り用リブ271の長さを短くすることができ、オイル切り用リブ271の強度を向上できる。加えて、オイルポンプ取り付け面273は、前部273Aが前下がりに傾斜して形成されており、オイルポンプ取り付け面273の上方に空間Qが確保されるため、この空間Qを利用することで、オイルポンプ取り付け面273の上方の壁部285内にフィルタ用油路277を形成でき、油路を効率的に配置できる。
上記実施の形態では、一側クランク室255Rと他側クランク室255Lとを仕切る下部支持壁257Aに跨るように吸い込み口274を設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、他側クランク室255Lに隣接して別のクランク室を設け、このクランク室と他側クランク室255Lとを仕切る下部支持壁を跨るように吸い込み口を設け、この吸い込み口に別のスカベンジポンプを設けても良い。
2 クランク軸
2E クランクウエブ
3 クランクケース
53A オイルフィルタ
255 クランク室
255C 底部(下部内壁)
255L 他側クランク室(独立したクランク室)
255R 一側クランク室(独立したクランク室)
256、257、258 支持壁
261A 座面(取り付け面)
262 クランク軸固定ボルト(ジャーナルボルト)
268L オイル流出孔
268R オイル流出孔
269 オイル排出口
271 オイル切り用リブ
272 外壁(クランク室外壁)
273 オイルポンプ取り付け面
274 吸い込み口
275 凹部
277 フィルタ用油路(油路)
290 フィードポンプ
290A フィード吐出口(吐出口)
291 スカベンジングポンプ
Claims (4)
- クランクケース(3)に一体に設けられクランク軸(2)を支持する複数の支持壁(256,257,258)によってクランクケース(3)が仕切られて複数の独立したクランク室(255R,255L)が形成され、該複数のクランク室(255R,255L)にそれぞれ連通して前記各クランク室(255R,255L)からオイルを排出する複数のオイル流出孔(268L,268R)を備えた多気筒内燃機関において、
隣接する前記クランク室(255R,255L)を仕切る支持壁(257)の下部支持壁(257A)に沿ってオイル流出孔(268L,268R)をそれぞれ設け、前記オイル流出孔(268L,268R)は前記下部支持壁(257A)の下方で合流してオイル排出口(269)となり、クランク室外壁(272)に前記下部支持壁(257A)を跨いで前記クランク室(255R,255L)内のオイルを排出するスカベンジングポンプ(291)の吸い込み口(274)を設け、
前記スカベンジングポンプ(291)の前記吸い込み口(274)内に、前記クランク軸(2)を前記クランクケース(3)に固定するためのジャーナルボルト(262)の取り付け面(261A)を形成し、
前記クランクケース(3)の下部内壁(255C)には、前記オイル排出口(269)を含む凹部(275)を設けると共に、クランクウエブ(2E)の位置に対応して前記凹部(275)の底部から上方に突出し先端が前記クランクウエブ(2E)の周面(2E1)に近接するオイル切り用リブ(271)を設けたこと、を特徴とする多気筒内燃機関。 - 前記スカベンジングポンプ(291)と同軸上に設けられ、オイルパン(3G)のオイルをオイルフィルタ(53A)を介して各給油箇所に送るフィードポンプ(290)が設けられ、前記フィードポンプ(290)の吐出口(290A)から前記オイルフィルタ(53A)に至る油路(277)をクランクケース壁内に形成したこと、
を特徴とする請求項1記載の多気筒内燃機関。 - オイルポンプ取り付け面(273)は、前記クランクケース(3)の下部で前後方向に対して傾斜した傾斜面に形成され、前記オイル切り用リブ(271)は前記傾斜面の上方側に、前記フィードポンプ(290)の前記吐出口(290A)は前記傾斜面の下方側に設けられていること、
を特徴とする請求項2記載の多気筒内燃機関。 - 前記オイル切り用リブ(271)のオイルの掻き取り側に、掻き取ったオイルを受ける下方に傾斜して形成されたオイル受け部(271C)を設けたことを特徴とする請求項3記載の多気筒内燃機関。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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