[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5252827B2 - 記憶素子 - Google Patents

記憶素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5252827B2
JP5252827B2 JP2007108004A JP2007108004A JP5252827B2 JP 5252827 B2 JP5252827 B2 JP 5252827B2 JP 2007108004 A JP2007108004 A JP 2007108004A JP 2007108004 A JP2007108004 A JP 2007108004A JP 5252827 B2 JP5252827 B2 JP 5252827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductive layer
memory element
conductive
transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007108004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007318099A5 (ja
JP2007318099A (ja
Inventor
舜平 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2007108004A priority Critical patent/JP5252827B2/ja
Publication of JP2007318099A publication Critical patent/JP2007318099A/ja
Publication of JP2007318099A5 publication Critical patent/JP2007318099A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5252827B2 publication Critical patent/JP5252827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、記憶素子、当該記憶素子を備えた半導体装置に関するものである。
近年、絶縁表面上に複数の回路が集積され、さまざまな機能を有する半導体装置の開発が進められている。また、アンテナを設けることにより、無線によるデータの送受信が可能な半導体装置の開発が進められている。このような半導体装置は、無線チップ(IDタグ、ICタグ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグとも呼ばれる)とよばれ、既に一部の市場で導入されている。
現在実用化されているこれらの半導体装置の多くは、Si等の半導体基板を用いた回路(IC(Integrated Circuit)チップとも呼ばれる)と、アンテナと、を有し、当該ICチップは、記憶回路(メモリとも呼ぶ)や制御回路等から構成されている。特に、多くのデータを記憶可能な記憶回路を備えることによって、より高機能で付加価値が高い半導体装置の提供が可能となる。また、これらの半導体装置は、低コストで作製することが要求されている。近年では、記憶回路等に有機化合物を用いた有機メモリ等の開発が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
S.Moller他4名、NATURE、Vol426、p166−p199(2003)
しかしながら、非特許文献1のように、一対の電極間に有機化合物を含む層を設ける場合、書き込み電圧を下げるために有機化合物を含む層を薄く形成すると、初期状態において電極同士が短絡する恐れがある。また、このような記憶素子を有する半導体装置は、初期不良が生じてしまう。
また、一般的に半導体装置に設けられる記憶回路としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。このうち、DRAM、SRAMは揮発性の記憶回路であり、電源をオフするとデータが消去されてしまうため、電源をオンする度にデータを書き込む必要がある。FeRAMは不揮発性の記憶回路であるが、強誘電体層を含む容量素子を用いているため、作製工程が増加してしまう。マスクROMは、簡単な構造であるが、製造時にデータを書き込む必要があり、追記することはできない。EPROM、EEPROM、フラッシュメモリは、不揮発性の記憶回路ではあるが、2つのゲート電極を含む素子を用いているため、作製工程が増加してしまう。
上記問題を鑑み、本発明は、初期不良を低減した記憶素子および当該記憶素子を有する半導体装置を提供することを目的とする。また、本発明は、製造時以外にデータの追記が可能であり、書き換えによる偽造等を防止可能な不揮発性の記憶素子および当該記憶素子を有する半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の記憶素子は、第1の導電層と、第2の導電層と、第1の導電層と第2の導電層とに挟持される液晶性を示す化合物を含む層と、第1の導電層と第2の導電層とに挟持され、液晶性を示す化合物を含む層に接する有機化合物を含む層と、を有し、液晶性を示す化合物を含む層は第1の導電層に接して形成されており、少なくとも第1の相から第2の相へ相転移する層であることを特徴とする。
また、本発明の記憶素子の他の構成は、液晶性を示す化合物を含む層は、第1の導電層及び第2の導電層の間に電圧を印加することによって起きる温度変化により、第1の相から第2の相へ相転移することを特徴とする。
また、本発明の記憶素子の他の構成は、液晶性を示す化合物を含む層の第1の相は固体状態であり、第2の相は液晶状態又は液体状態であることを特徴とする。なお、本明細書において液晶性を示す化合物とは、相転移で液晶状態となりうる化合物を意味する。よって、相転移によって液晶状態となりうるが、固体状態や液体状態のときは液晶性を示さない化合物も範疇に含むものとする。
また、本発明の記憶素子の他の構成は、有機化合物を含む層は、有機樹脂を含む層、正孔輸送性を有する有機化合物を含む層又は電子輸送性を有する有機化合物を含む層であることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、複数のメモリセルがマトリクス状に設けられたメモリセルアレイと、複数のメモリセルのうち少なくとも一つを選択してデータを書き込む回路及び複数のメモリセルのうち少なくとも一つを選択してデータを読み出す回路と、を有し、複数のメモリセルにはそれぞれ少なくとも記憶素子が設けられ、記憶素子は、一対の導電層と、一対の導電層間に挟持され、一方の導電層に接する液晶性を示す化合物を含む層と、一対の導電層間に挟持され、液晶性を示す化合物を含む層に接する有機化合物を含む層と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の他の構成は、複数のメモリセルがマトリクス状に設けられたメモリセルアレイと、複数のメモリセルのうち少なくとも一つを選択してデータを書き込む回路及び複数のメモリセルのうち少なくとも一つを選択してデータを読み出す回路と、を有し、複数のメモリセルにはそれぞれ少なくとも記憶素子と、記憶素子に接続するトランジスタが設けられ、記憶素子は、一対の導電層と、一対の導電層間に挟持され、一方の導電層に接する液晶性を示す化合物を含む層と、一対の導電層間に挟持され、液晶性を示す化合物を含む層に接する有機化合物を含む層と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の他の構成は、液晶性を示す化合物を含む層は、一対の導電層間に電圧を印加することによって起きる温度変化により固体状態から液晶状態又は液体状態に相転移する層であることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の他の構成は、有機化合物を含む層は、有機樹脂を含む層、正孔輸送性を有する有機化合物を含む層又は電子輸送性を有する有機化合物を含む層であることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の他の構成は、ガラス基板上にメモリセルアレイ、データを書き込む回路及びデータを読み出す回路が設けられていることを特徴とする。
本発明により、初期不良が起こりにくい記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置を得ることができる。したがって、記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置の歩留まりを向上することができる。
また、本発明により、製造時以外にデータを書き込む(追記)ことが可能であり、且つ書き換えによる偽造を防止できる記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更しうることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の記憶素子の一例について、図1、図2を用いて説明する。本発明の記憶素子は、一対の導電層間に有機化合物を含む層(以下、有機化合物層ともいう)と、有機化合物層に接する液晶性を示す化合物を含む層(以下、液晶層ともいう)を有する構造とする。
図1に示す記憶素子110は、基板100上に第1の導電層102と、液晶層104と、有機化合物層106と、第2の導電層108と、が順次積層された構造を有する。液晶層104及び有機化合物層106は、第1の導電層と第2の導電層との間に挟持された構成である。すなわち、液晶層104は、第1の導電層102と有機化合物層106との間に接して設けられている。また、有機化合物層106は、液晶層104と第2の導電層108との間に接して設けられている。
基板100は、ガラス基板、可撓性基板、石英基板、半導体基板、金属基板、ステンレス基板、繊維質な材料からなる紙等を用いることができる。なお、可撓性基板とは、折り曲げることができる(以下、フレキシブルともいう)基板のことである。例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン等からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、熱可塑性を示すフィルム(ポリオレフィン、フッ素を含むポリオレフィン、ポリエステル類など)を用いることもできる。
なお、記憶素子110は、Si等の半導体基板上に形成された電界効果トランジスタ(FET)の上部や、ガラス等の基板上に形成された薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)の上部に設けることもできる。
第1の導電層102又は第2の導電層108は、金属若しくはその合金、又は金属化合物、或いは酸化物導電材料等を用いて形成することができる。具体的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金を用いることができる。また、当該金属の窒化物、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン等を用いることができる。その他、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらのいずれかを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることができる。
また、第1の導電層102又は第2の導電層108は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOと記す)等の透光性酸化物導電材料を用いることができる。その他、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに2重量%乃至20重量%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いたスパッタリング法により形成することもできる。
第1の導電層102又は第2の導電層108は、上述した材料を用いて、蒸着法、スパッタリング法、印刷法または液滴吐出法により単層構造又は積層構造で形成することができる。
液晶層104は、温度変化により少なくとも第1の相から第2の相へ相転移する液晶性を示す化合物を用いて形成することができる。なお、液晶性を示す化合物とは、相転移で液晶状態となりうる化合物を意味する。よって、相転移によって液晶状態となりうるが、固体状態や液体状態のときは液晶性を示さない化合物も範疇に含むものとする。つまり、液晶層104は、相転移により液晶性を示しうる化合物を用いて形成することができる。また、液晶層104は、温度変化により少なくとも第1の相から第2の相へ相転移し、且つ接する導電層(本実施の形態では第1の導電層102)と混合物を形成する化合物を用いて形成することができる。具体的には、下記構造式(1)〜(4)に示すような高分子液晶、下記構造式(5)〜(8)に示すような低分子液晶、下記構造式(9)〜(12)に示すようなフッ素含有液晶、下記構造式(14)、(16)及び下記一般式(13)、(15)に示すような金属錯体液晶、下記一般式(17)、(18)に示すような有機金属高分子液晶を用いることができる。
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
Figure 0005252827
(但し、式中、Rはアルキル基、アルコキシル基、アリール基またはシアノ基を表す。)
Figure 0005252827
Figure 0005252827
(但し、式中、Rはアルキル基、アルコキシル基、アリール基またはシアノ基を表す。Mはニッケル(Ni)または白金(Pt)を表す。)
Figure 0005252827
Figure 0005252827
(但し、式中、Mはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)を表す。)
Figure 0005252827
(但し、式中、Mはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)を表す。)
また、液晶層104は、液晶滴下法、インクジェット法、蒸着法又はスピンコート法により形成することができる。例えば、液晶層104は、第1の導電層102上にディスペンサー装置またはインクジェット装置を用いて液晶性を示す化合物、或いは溶融状態又は溶液状態とした液晶性を示す化合物を滴下して形成することができる。液晶性を示す化合物、或いは溶融状態又は溶液状態とした液晶性を示す化合物の滴下は、大気圧下または減圧下で行うことができる。液晶性を示す化合物、或いは溶融状態又は溶液状態とした液晶性を示す化合物を滴下する場合は、予め減圧して脱泡処理した液晶性を示す物質を用いてもよい。また、液晶性を示す化合物、或いは溶融状態又は溶液状態とした液晶性を示す化合物の滴下を行っている間、基板100を加熱してもよい。なお、本明細書での減圧下とは、大気圧よりも低い圧力下のことを示す。
有機化合物層106は、電気的作用により結晶状態、抵抗値、又は形状が変化する有機化合物を用いて、単層構造又は積層構造で形成することができる。具体的には、ポリイミド類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等の有機樹脂、正孔輸送性を有する有機化合物又は電子輸送性を有する有機化合物を用いることができる。
正孔輸送性を有する有機化合物としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、N,N’−ビス[4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル]−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。その他、フタロシアニン(略称:HPc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物を用いることもできる。ここに述べた化合物は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有するものである。
また、電子輸送性を有する有機化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料が挙げられる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料を用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた化合物は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有するものである。なお、有機化合物層106は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法又はスピンコート法により形成することができる。また、複数の材料を用いて有機化合物層106を形成する場合、各々の材料を同時に成膜することにより形成することができる。例えば、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。
本発明の記憶素子は、第1の導電層と第2の導電層とからなる一対の導電層間に電圧を印加することによって、有機化合物層の結晶状態、抵抗値、又は形状が変化し、液晶層は相転移する。具体的には、有機化合物層は所定値以上の電圧印加によって結晶状態、抵抗値、又は当該有機化合物層の形状が変化する。また、液晶層は、所定値及び所定期間以上の電圧印加によって起きる温度変化により、第1の相から第2の相への相転移を経て、接する導電層(本実施の形態では第1の導電層)と混合物を形成する。液晶層と第1の導電層とが混合物を形成した領域は、第1の導電層として機能する。すなわち、電圧印加前は液晶層として機能していた部分が、電圧を印加することによって導電層として機能する。そして、液晶層と当該液晶層と接する導電層が混合物を形成した領域を含む第1の導電層と第2の導電層とが短絡(以下、ショートともいう)する、或いは液晶層と当該液晶層と接する導電層が混合物を形成した領域を含む第1の導電層と第2の導電層との間の有機化合物層の抵抗値が変化することにより、記憶素子の電気抵抗が変化する。このように、本発明の記憶素子は、電圧の印加前後で電気抵抗が変化するため、電圧印加前の記憶素子を「初期状態」とし、電圧印加後の電気抵抗が変化した記憶素子を「書き込み状態」とすることで、2つの値を記憶させることができる。なお、液晶層の固体状態(又は結晶状態ともいう)を第1の相とし、液晶層の液晶状態又は液体状態(又は等方性液体状態ともいう)を第2の相とする。
次に、推定される本発明の記憶素子の動作原理について、図2を用いて詳細に説明する。
図2(A)に示す記憶素子110は、上述した図1の記憶素子110に相当する。すなわち、記憶素子110は、基板100上に第1の導電層102、液晶層104、有機化合物層106、第2の導電層108が順次積層された構造を有する。また、図2(A)に示す記憶素子110は電圧印加前の状態であり、液晶層104は固体状態である。なお、液晶層104の固体状態を第1の相とする。
図2(B1)、図2(B2)に示す記憶素子は、第1の導電層と第2の導電層との間に電圧を印加し、液晶層が第1の相から第2の相へと相転移した状態である。具体的には、液晶層が固体状態から液晶状態、又は固体状態から液体状態へと相転移した状態である。なお、電圧の印加により液晶層のみ変化した場合を図2(B1)に示す。一方、電圧の印加により液晶層が相転移し、且つ有機化合物層が変形した場合を図2(B2)に示す。本発明の記憶素子は、図2(B1)、図2(B2)のどちらの状態を経ても構わない。
図2(B1)に示す記憶素子は、液晶層114は液晶状態又は液体状態である。なお、液晶層114の液晶状態又は液体状態を第2の相とする。このとき、有機化合物層106の形状は変化していない。なお、有機化合物層106の結晶状態又は抵抗値は変化していてもよい。図2(B1)に示す記憶素子は、液晶層114が設けられているため、記憶素子自体の電気抵抗に大きな変化はない。
図2(B2)に示す記憶素子において、液晶層114は液晶状態又は液体状態である。なお、液晶層114の液晶状態又は液体状態を第2の相とする。また、電圧の印加により有機化合物層106の形状が変化している。さらに、有機化合物層106の形状変化にともなって第2の導電層108が変形し、第2の導電層108と液晶層114とが部分的に接する。このとき、第2の導電層108と第1の導電層102との間には液晶層114が存在するため、記憶素子の電気抵抗に大きな変化はない。なお、図2(B2)において、有機化合物層106は当該有機化合物層106の形状の変化に加えて結晶状態又は抵抗値が変化していてもよい。
図2(C1)に示す記憶素子は、第1の導電層102と第2の導電層108との間に所定値及び所定期間以上の電圧を印加し、液晶層が当該液晶層と接する第1の導電層と混合物を形成した状態である。液晶層と第1の導電層とが接する部分で混合物を形成した領域を混合物領域124とする。混合物領域124は第1の導電層122として機能する。また、電圧の印加により、有機化合物層106の結晶状態又は抵抗値は変化している。したがって、第1の導電層122と第2の導電層108との間には有機化合物層106のみが挟持された構成となり、有機化合物層106の結晶状態又は抵抗値の変化により記憶素子の電気抵抗が変化する。
図2(C2)に示す記憶素子は、第1の導電層102と第2の導電層108との間に所定値及び所定期間以上の電圧を印加し、液晶層が当該液晶層と接する第1の導電層と混合物を形成した状態である。液晶層と第1の導電層とが接する部分で混合物を形成した領域を混合物領域124とする。混合物領域124は第1の導電層122として機能する。また、電圧の印加により有機化合物層106の形状が変化している。したがって、混合物領域124を含む第1の導電層122と変形した第2の導電層108とが短絡し、記憶素子の電気抵抗が変化する。
以上のように、本発明の記憶素子は電気抵抗が変化し、その電気抵抗の変化を利用して、データを書き込むことが可能となる。本発明の記憶素子は、液晶層が第1の導電層と混合物を形成することで、第1の導電層と第2の導電層との間に有機化合物層のみが挟持される構成となり、該挟持された有機化合物層の結晶状態又は抵抗値の変化、又は第1の導電層と第2の導電層との短絡により、電気抵抗が変化する。したがって、本発明の記憶素子の電気抵抗の変化は液晶層の相転移によって制御されている。
なお、本発明の記憶素子は液晶層によって制御されるため、電圧の印加による有機化合物層106の変化の経緯は、図2に限定されるものではない。
本発明の記憶素子は、第1の導電層と第2の導電層との間に液晶層と有機化合物層とを設けることにより厚膜化でき、初期状態でのショート等の初期不良を防止することができる。
(実施の形態2)
本発明の記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置、代表的には記憶装置の例について、図3〜図5を用いて説明する。具体的には、パッシブマトリクス型の記憶装置の例について説明する。
図3(A)に示したのは本発明の記憶装置の一例であり、基板20上に設けられたメモリセルアレイ10、ビット線駆動回路32、ワード線駆動回路40及びインターフェース30を有している。
メモリセルアレイ10は、x方向に延在する複数のビット線Bx(1≦x≦m)と、x方向と直交するy方向に延在する複数のワード線Wy(1≦y≦n)とで構成されている。また、ビット線Bxとワード線Wyが交差する部分には、記憶素子14を有するメモリセル12が設けられている。メモリセル12は、メモリセルアレイ10において、マトリクス状に設けられている。
ビット線駆動回路32は、カラムデコーダ34と、読み出し/書き込み回路36と、セレクタ38と、を有する。また、ビット線駆動回路32は、ビット線Bx及びインターフェース30に接続されている。
ワード線駆動回路40は、ロウデコーダ42と、レベルシフタ44と、を有する。また、ワード線駆動回路40は、ワード線Wy及びインターフェース30に接続されている。
インターフェース30は、外部から入力される信号をビット線駆動回路32又はワード線駆動回路40に供給する、或いはビット線駆動回路32から出力される信号を外部に供給する回路である。
なお、図3(A)に示す構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ回路等の他の回路を有していてもよい。また、インターフェース30に書き込み回路を設けてもよい。
次に、メモリセル12について、図4を用いて詳細に説明する。図4(A)には、メモリセルアレイ10の上面図の一例を示す。また、図4(B)には、図4(A)の破線O−Pにおける断面図の一例を示す。なお、図4(A)では、第1の導電層と第2の導電層以外の構成は、一部省略している。
メモリセル12は、ビット線Bxを構成する第1の導電層22と、ワード線Wyを構成する第2の導電層28とが交差する部分に設けられている。また、メモリセル12は実施の形態1で示したような記憶素子14を有する。なお、記憶素子14は、少なくとも第1の導電層と、該第1の導電層に接する液晶層と、該液晶層に接する有機化合物層と、該有機化合物層に接する第2の導電層とが、順次積層された構造を有していればよい。したがって、記憶素子14は、図5に示すような構成とすることもできる。なお、図5に示す記憶素子は、図4(A)の破線O−P又は破線Q−Rにおける断面図に相当する。
例えば、図5(A)に示すように、第1の導電層22を介して有機化合物層26と反対側に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ショットキーダイオード、PN接合を有するダイオード、PIN接合を有するダイオード、あるいはゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタである。ここでは、第3の導電層52及び半導体層54で構成されるダイオード50を第1の導電層22に接して設ける。このとき、半導体層54は第1の導電層22と第3の導電層52とに挟持される構成とする。なお、第2の導電層28を介して有機化合物層26と反対側に整流性を有する素子を設けてもよい。このときも、半導体層は第2の導電層28と第3の導電層とに挟持される構成とする。また、有機化合物層26と第2の導電層28との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。ダイオードの代表例としては、PN接合ダイオード、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等が挙げられる。また、他の構成のダイオードを用いてもよい。このように、整流性がある素子を設けることにより、電流の流れる方向を一方向のみに制御することができる。したがって、誤差が減少し、読み出しの確実性が向上する。なお、隣接する記憶素子の間には、ダイオードを絶縁する絶縁層55が設けられている。
また、絶縁性を有する基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を設けてその上に記憶素子14を設けてもよいし、絶縁性を有する基板の代わりにSi等の半導体基板やSOI基板を用いて基板上に電界効果トランジスタ(FET)を形成し、その上に記憶素子14を設けてもよい。なお、ここでは記憶素子14を薄膜トランジスタ上または電界効果トランジスタ上に形成する例を示したが、記憶素子と薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタを貼り合わせることによって設けることもできる。この場合、記憶素子と薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタは、別工程で作製し、その後、導電性フィルム、異方性導電接着剤等を用いて貼り合わせることによって設けることができる。また、薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタの構成は、公知のものであればどのような構成を用いてもよい。
また、隣接する各々の記憶素子間において横方向への電界の影響が懸念される場合は、各記憶素子に設けられた有機化合物層を分離するため、各記憶素子に設けられた有機化合物層の間に隔壁として機能する絶縁層(以下、隔壁層ともいう)を設けてもよい。また、各メモリセルごとに有機化合物層を選択的に設けた構成としてもよい。
例えば、図5(B)に示すように、第1の導電層22を覆って液晶層24及び有機化合物層26を設ける際に、隣接する第1の導電層22間に隔壁層56を設けてもよい。このような構成にすることで、第1の導電層22の段差により生じる液晶層24及び有機化合物層26の段切れや各メモリセル間における横方向への電界の影響を防止することができる。なお、隔壁層56の断面において、隔壁層56の側面は、第1の導電層22の表面に対して10度以上60度未満、好ましくは25度以上45度以下の傾斜角度を有することが好ましい。さらには、湾曲していることが好ましい。その後、第1の導電層22および隔壁層56を覆うように液晶層24、有機化合物層26及び第2の導電層28を形成する。
また、第1の導電層22上に液晶層24を形成した後、隔壁層56を形成してもよい。この場合、液晶層24を形成する材料とエッチングの選択比の取れる材料を用いて隔壁層56を形成することが好ましい。
また、図5(C)に示すように、基板20上に設けられたx方向に延在する第1の導電層22の一部を覆う層間絶縁層62及び該層間絶縁層62上に隔壁層64を設けてもよい。なお、層間絶縁層62は、少なくとも各記憶素子14ごとに開口部を有するものとする。また、隔壁層64は、層間絶縁層62の開口部が形成されていない領域上に、y方向に延在するように設ける。隔壁層64の断面は、層間絶縁層62表面に対して隔壁層64の側壁が、95度以上135度以下の傾斜角度を有することが好ましい。
隔壁層64の材料は特に限定されないが、例えば未露光部分が残存するポジ型感光性樹脂を用いて、フォトリソグラフィ法により形成することができる。この場合、隔壁層となるパターンの下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって好ましい傾斜角度を有する隔壁層を形成することができる。また、隔壁層64は、無機絶縁材料、有機絶縁材料等を用いて、フォトリソグラフィ法及びエッチング法により形成してもよい。
また、層間絶縁層62と隔壁層64の厚さは、液晶層24、有機化合物層26及び第2の導電層28の厚さより大きく設定する。この結果、基板20全面に有機化合物層26及び第2の導電層28を蒸着する工程のみで、電気的に独立した複数の領域に分離され、且つx方向と交差するy方向に伸長するストライプ状の有機化合物層26及び第2の導電層28を形成することができる。したがって、工程数を削減することが可能である。なお、隔壁層64上にも液晶層25、有機化合物層27及び第2の導電層29が形成されるが、これらは記憶素子14を構成する液晶層24、有機化合物層26及び第2の導電層28とは分断される。
次に、本発明の記憶装置におけるデータの書き込み動作の一例について説明する。例えば、図3(A)に示すメモリセルアレイ10に設けられた複数のメモリセル12のうち、x列目y行目に位置するメモリセル12にデータを書き込む場合は、まず、ロウデコーダ42、カラムデコーダ34、セレクタ38により、x列目のビット線Bxとy行目のワード線Wyとを選択して、当該ビット線Bxとワード線Wyとの交差部に位置するメモリセル12を選択する。そして、書き込み回路を用いて、選択したメモリセル12にデータを書き込む。
メモリセル12は、記憶素子14を有している。実施の形態1で説明したように、記憶素子14は電圧印加前後で電気抵抗が変化する。したがって、記憶素子の電気抵抗の変化を利用することにより、メモリセル12に選択的にデータを書き込むことができる。
以下に、本発明の記憶装置にデータの書き込みを行う際の具体的な動作について、図3を用いて説明する。なお、書き込みはメモリセルの電気抵抗等の電気特性を変化させることで行い、メモリセルの初期状態(電気的作用を加えていない状態)をデータ「0」、電気特性を変化させた状態を「1」とする。
メモリセル12にデータ「1」を書き込む場合、まず、図3(A)に示すロウデコーダ42、レベルシフタ44、カラムデコーダ34、セレクタ38によってメモリセル12を選択する。例えば、ビット線B3とワード線W3との交差部に位置するメモリセル12を選択する場合、ロウデコーダ42、レベルシフタ44によって、メモリセル12に接続されるワード線W3に所定の電圧V2を印加する。また、カラムデコーダ34、セレクタ38によって、メモリセル12に接続されるビット線B3を読み出し/書き込み回路36に接続する。そして、読み出し/書き込み回路36からビット線B3へ書き込み電圧V1を出力する。こうして、当該メモリセル12を構成する第1の導電層と第2の導電層の間に電圧Vw=V1−V2を印加する。印加する電圧Vwを適切に選ぶことで、記憶素子14の有する第1の導電層と液晶層が接する部分で混合物を形成させ、液晶層と第2の導電層との間に設けられた有機化合物層を物理的もしくは電気的に変化させ、データ「1」の書き込みを行うことができる。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比較して、大幅に小さくなるように変化させるとよい。例えば、(V1、V2)=(0V、5V〜15V)、あるいは(3V〜5V、−12V〜−2V)の範囲から適宜選べば良い。電圧Vwは5V〜15V、あるいは−5V〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。例えば、非選択のワード線および非選択のビット線を浮遊状態とすればよい。メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の層は、ダイオード特性など、選択性を確保できる特性を有する必要がある。
一方、メモリセル12にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル12には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、ロウデコーダ42、レベルシフタ44、カラムデコーダ34、及びセレクタ38によってメモリセル12を選択するが、読み出し/書き込み回路36からビット線B3への出力電位を、選択されたワード線W3の電位あるいは非選択ワード線の電位と同程度とし、メモリセル12を構成する第1の導電層と第2の導電層の間に、メモリセル12の電気特性を変化させない程度の電圧(例えば−5V〜5V)を印加すればよい。
続いて、有機メモリからデータの読み出しを行う際の具体的な動作について説明する。データの読み出しは、メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の実効的な電気抵抗(以下、単にメモリセルの電気抵抗と呼ぶ)が、読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルの電気抵抗を、読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路36は、読み出し部分の構成として、例えば、図3(B)に示す抵抗素子72と差動増幅器74を用いた回路を考えることができる。抵抗素子72は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。また、図3(C)に示すように抵抗素子72の代わりにトランジスタ76を用いてもよいし、差動増幅器の代わりにクロックドインバータ78を用いることも可能である。クロックドインバータ78には、読み出しを行うときにHigh、行わないときにLowとなる、信号φ又は反転信号φが入力される。勿論、回路構成は図3(B)、(C)に限定されない。
メモリセル12からデータの読み出しを行う場合、まず、ロウデコーダ42、レベルシフタ44、カラムデコーダ34、セレクタ38によってメモリセル12を選択する。具体的には、ロウデコーダ42、レベルシフタ44によって、メモリセル12に接続されるワード線Wyに所定の電圧Vyを印加する。また、カラムデコーダ34、セレクタ38によって、メモリセル12に接続されるビット線Bxを読み出し/書き込み回路36の端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、抵抗素子72(抵抗値Rr)とメモリセル12(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル12がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vy+(V0−Vy)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル12がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vy+(V0−Vy)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、図3(B)では、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、図3(C)では、クロックドインバータの変化点をVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutとして、データ「0」/「1」に応じて、Low/High(もしくはHigh/Low)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器74をVdd=3Vで動作させ、Vy=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHighが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLowが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
上記の方法によると、記憶素子14の電気抵抗の状態は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。勿論、読み出し方法は、この方法に限定されない。例えば、電気抵抗の差を利用する以外に、電流値の差を利用して読み出しても構わない。また、メモリセルの電気特性が、データ「0」と「1」とで、しきい値電圧が異なるダイオード特性を有する場合には、しきい値電圧の差を利用して読み出しても構わない。また、記憶素子の抵抗値を電流の大きさに置き換えて読みとる方法や、ビット線をプリチャージする方法を採用することも可能である。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明により、記憶素子の初期不良を低減することができ、当該記憶素子を有する半導体装置の製造の歩留まりを向上することができる。
また、本発明により、製造時以外にデータを書き込む(追記)ことが可能であり、且つ書き換えによる偽造を防止できる記憶素子を有する半導体装置を提供することができる。
(実施の形態3)
本発明の記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置、代表的には記憶装置の例について、図6〜図9を用いて説明する。具体的には、アクティブマトリクス型の記憶装置の例について説明する。
図6(A)に示したのは記憶装置の一例であり、基板620上に設けられたメモリセルアレイ610、ビット線駆動回路632、ワード線駆動回路640及びインターフェース630を有している。
メモリセルアレイ610は、x方向に延在する複数のビット線Bx(1≦x≦m)と、x方向と直交するy方向に延在する複数のワード線Wy(1≦y≦n)とで構成されている。また、ビット線Bxとワード線Wyが交差する部分には、トランジスタ680と記憶素子614を有するメモリセル612が設けられている。メモリセル612は、メモリセルアレイ610において、マトリクス状に設けられている。
ビット線駆動回路632は、カラムデコーダ634と、読み出し/書き込み回路636と、セレクタ638と、を有する。また、ビット線駆動回路632は、ビット線Bx及びインターフェース630に接続されている。
ワード線駆動回路640は、ロウデコーダ642と、レベルシフタ644と、を有する。また、ワード線駆動回路640は、ワード線Wy及びインターフェース630に接続されている。
インターフェース630は、外部から入力される信号をビット線駆動回路632又はワード線駆動回路640に供給する、或いはビット線駆動回路632から出力される信号を外部に供給する回路である。
なお、図6(A)に示す構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ回路等の他の回路を有していてもよい。また、インターフェース630に書き込み回路を設けてもよい。
次に、メモリセル612について、図7を用いて詳細に説明する。図7(A)には、メモリセルアレイ610の上面図の一例を示す。また、図7(B)には、図7(A)の破線A−Bにおける断面図の一例を示す。なお、図7(A)では、トランジスタと第1の導電層以外の構成は、一部省略している。
メモリセル612は、ビット線Bx(1≦x≦m)に接続される電極(ソース電極又はドレイン電極)とワード線Wy(1≦y≦n)に接続される電極と、記憶素子614と、トランジスタ680とを有する。記憶素子614は、実施の形態1、2で示したような構成を有し、少なくとも第1の導電層と、該第1の導電層に接する液晶層と、該液晶層に接する有機化合物層と、該有機化合物層に接する第2の導電層とが、順次積層された構造を有している。また、トランジスタ680のゲート電極はワード線Wyと接続され、ソース電極もしくはドレイン電極のいずれか一方はビット線Bxと接続され、残る一方は記憶素子614の第1の導電層622と接続される、或いは第1の導電層622として機能する。記憶素子の第2の導電層628は共通電極(電位Vcom)と接続される。
例えば、図7(B)に示すように、記憶素子614はトランジスタ680が設けられた基板620上に形成することができる。記憶素子614は、実施の形態1又は2で説明した記憶素子と同様に、第1の導電層622と、液晶層624と、有機化合物層626と、第2の導電層628とが順次積層された構造を有する。また、隣接する第1の導電層間には、該第1の導電層622の端部を覆う隔壁層654が設けられている。さらに、本実施の形態では、記憶素子614上に保護層として機能する絶縁層656が設けられている。
トランジスタ680は、基板620上に下地絶縁層650を介して設けられている。また、トランジスタ680のソース電極又はドレイン電極として機能する導電層は、記憶素子614の第1の導電層622と接続している。
本実施の形態のトランジスタ680としては、様々なトランジスタを適用することができる。ここで、適用可能なトランジスタ680の例について、図8を用いて説明する。
例えば、図8(A)は、トップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)を適用する一例を示している。ここで示すトランジスタ(TFT)680は、下地絶縁層650上に設けられた半導体層1302と、該半導体層1302上に設けられたゲート絶縁層1303と、該ゲート絶縁層1303上に設けられたゲート電極1304とを有する。
また、半導体層1302、ゲート電極1304上には層間絶縁層として機能する絶縁層651、絶縁層652が設けられている。さらに、絶縁層651、652を介して半導体層1302と接続する導電層1312が設けられている。導電層1312は、トランジスタ680のソース電極又はドレイン電極として機能する。また、導電層1312の一方は、記憶素子614の第1の導電層622と接続している、或いは記憶素子614の第1の導電層622として機能する。
半導体層1302は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、非晶質若しくは微結晶質の半導体を、レーザ光の照射により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、珪素半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。
レーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1ピコ秒乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm/V・sec以上を実現することができる。
また、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いて結晶化する場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
なお、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱による結晶化工程を行い、半導体層1302を形成することもできる。代表的には、絶縁性基板に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700度以上で加熱して半導体層1302を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
また、半導体層1302は、チャネル形成領域1313と、ソース領域又はドレイン領域として機能する一対の高濃度不純物領域1311と、チャネル形成領域と高濃度不純物領域との間に位置する一対の低濃度不純物領域1310(LDD領域ともいわれる)を有する。高濃度不純物領域1311及び低濃度不純物領域1310は、一導電型の不純物が添加されており、高濃度不純物領域1311には、低濃度不純物領域1310よりも高い不純物濃度で不純物が添加されている。また、チャネル形成領域1313は、ゲート絶縁層1303を介してゲート電極1304と重なり、低濃度不純物領域1310は、ゲート絶縁層1303を介してサイドウォール1308と重なる。なお、本発明は特に限定されず、低濃度不純物領域はゲート電極と重なるように形成してもよいし、低濃度不純物領域を形成しない構成としてもよい。
ゲート絶縁層1303は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、酸化珪素、その他の珪素を含む絶縁層を単層又は積層構造で形成する。また、ゲート絶縁層1303を、液滴吐出法、塗布法、ゾルゲル法等を用い、絶縁性を有する溶液を用いて形成することもできる。絶縁性を有する溶液の代表例としては、無機酸化物の微粒子が分散された溶液、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、PSG(リンガラス)、BPSG(ボロンリンガラス)、シリケート材料、アルコキシシリケート材料、ポリシラザン材料、ポリメチルシロキサンに代表される、Si−CH結合を有するSiOを含む溶液を適宜用いることができる。
ゲート電極1304は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、当該金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、金属窒化物からなる第1層と金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層1303やその下層の半導体層1302に拡散することを防ぐことができる。
また、ゲート電極1304の側面には、サイドウォール(側壁スペーサ)1308が設けられている。サイドウォール1308は、ゲート電極1304を形成した後、CVD法により酸化珪素を含む絶縁層を形成し、該絶縁層をRIE(Reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法により異方性エッチングすることで形成することができる。なお、サイドウォール1308は、設けなくともよい。
絶縁層651、652は、酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁材料、又はアクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料で形成する。スピン塗布やロールコーター法など塗布法を用いる場合には、液状の絶縁材料を塗布した後、熱処理により酸化珪素で形成される絶縁層を用いることもできる。例えば、シロキサン結合を含む材料を塗布し、200乃至400度での熱処理することにより形成された酸化珪素を含む絶縁層を用いることができる。絶縁層651、652として、塗布法で形成する絶縁層やリフローにより平坦化した絶縁層を形成することで、その層上に形成する配線の断線を防止することができる。また、多層配線を形成する際にも有効に利用することができる。なお、ここでは層間絶縁層を2層構造としたが、特に限定されず、単層構造又は3層以上の積層構造とすることもできる。
絶縁層652上に形成される導電層1312の一方は、記憶素子614の第1の導電層622に接続される、或いは記憶素子614の第1の導電層622として機能する。ここでは、導電層1312と第1の導電層622を同一層で形成しており、導電層1312は第1の導電層622としても機能している。すなわち、導電層1312の一部分が第1の導電層622に該当している。なお、第1の導電層として機能する導電層1312はゲート電極1304と同じ層で形成される配線と交差して設けることが可能であり、多層配線構造を形成している。絶縁層652と同様の機能を有する絶縁層を複数積層して、その層上に配線を形成することで多層配線構造を形成することができる。導電層1312はアルミニウム(Al)のような低抵抗材料を含む層と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルを含む層との組み合わせで形成することが好ましい。例えば、チタン(Ti)を含む層とアルミニウム(Al)を含む層の積層構造、モリブデン(Mo)を含む層とアルミニウム(Al)を含む層との積層構造で形成することができる。
その他、トランジスタ680は、直列に接続された少なくとも2つ以上のチャネル形成領域を含んだ半導体層と、それぞれのチャネル形成領域に電界を印加する少なくとも2つ以上のゲート電極とを有するマルチゲート構造としてもよいし、半導体層を上下にゲート電極で挟むデュアルゲート構造とすることもできる。
図8(B)は、ボトムゲート型のTFTを適用する一例を示している。ここで示すトランジスタ(TFT)680は、下地絶縁層650上に設けられたゲート電極1304と、該ゲート電極1304上に設けられたゲート絶縁層1303と、該ゲート絶縁層1303上に設けられた半導体層1302と、該半導体層1302上に設けられたチャネル保護層1309とを有する。半導体層1302上には層間絶縁層として機能する絶縁層651、652が設けられている。さらに、絶縁層651、652を介して半導体層1302と接続する導電層1312が設けられている。導電層1312は、トランジスタ680のソース電極又はドレイン電極として機能する。また、導電層1312の一方は、記憶素子614の第1の導電層622と接続している、或いは記憶素子614の第1の導電層622として機能する。なお、ここでは導電層1312を絶縁層652及び絶縁層651を介して形成したが、絶縁層651のみを介して形成してもよい。また、ボトムゲート型のTFTの場合は、下地絶縁層650を形成しなくともよい。
また、基板620が可撓性を有する基板である場合、耐熱温度がガラス基板等の非可撓性基板と比較して低い。このため、可撓性を有する基板上にトランジスタを形成する場合は、有機半導体を用いることが好ましい。
図8(C)は、スタガ型の有機半導体トランジスタを適用する一例を示している。ここで示すトランジスタ680は、可撓性を有する基板1401上に設けられている。トランジスタ680は、ゲート電極1402と、該ゲート電極1402上に設けられたゲート絶縁層1403と、該ゲート絶縁層1403上に設けられた半導体層1404と、半導体層1404と接続する導電層1412を有する。導電層1412の一方は、記憶素子614の第1の導電層622と接続している、或いは記憶素子614の第1の導電層622として機能する。また、半導体層1404は、ゲート絶縁層1403及び導電層1412に一部挟持されている。
ゲート電極1402は、ゲート電極1304と同様の材料及び手法により、形成することができる。また、液滴吐出法を用い、乾燥、焼成してゲート電極1402を形成することができる。また、可撓性を有する基板上に、導電性微粒子を含むペーストを印刷法により印刷し、乾燥、焼成してゲート電極1402を形成することができる。導電性微粒子の代表例としては、金、銅、金と銀の合金、金と銅の合金、銀と銅の合金、金と銀と銅の合金のいずれかを主成分とする微粒子でもよい。また、インジウム錫酸化物(ITO)などの導電性酸化物を主成分とする微粒子でもよい。
ゲート絶縁層1403は、ゲート絶縁層1303と同様の材料及び手法により形成することができる。但し、液状の絶縁材料を塗布した後、熱処理により絶縁層を形成する場合、熱処理温度が可撓性を有する基板の耐熱温度より低い温度で行う。
有機半導体トランジスタの半導体層1404の材料としては、多環芳香族化合物、共役二重結合系化合物、フタロシアニン、電荷移動型錯体等が挙げられる。例えばアントラセン、テトラセン、ペンタセン、6T(ヘキサチオフェン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、PTCDA(ペリレンカルボン酸無水化物)、NTCDA(ナフタレンカルボン酸無水化物)などを用いることができる。また、有機半導体トランジスタの半導体層1404の材料としては、有機高分子化合物等のπ共役系高分子、カーボンナノチューブ、ポリビニルピリジン、フタロシアニン金属錯体等が挙げられる。特に骨格が共役二重結合から構成されるπ共役系高分子である、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチエニレン、ポリチオフェン誘導体、ポリ(3アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレン誘導体又はポリパラフェニレンビニレン誘導体を用いると好ましい。
また、有機半導体トランジスタの半導体層1404の形成方法としては、基板上に均一な膜厚で形成できる方法を用いればよい。膜厚は1nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下が望ましい。具体的な方法としては、蒸着法、塗布法、スピンコーティング法、オ−バーコート法、溶液キャスト法、ディップ法、スクリーン印刷法、ロールコーター法、又は液滴吐出法を用いることができる。
図8(D)は、コプレナー型の有機半導体トランジスタを適用する一例を示している。ここで示すトランジスタ680は、可撓性を有する基板1401上に設けられている。トランジスタ680は、ゲート電極1402と、該ゲート電極1402上に設けられたゲート絶縁層1403と、該ゲート絶縁層1403上に設けられた導電層1412と、該導電層1412の一部及びゲート絶縁層1403上に設けられた半導体層1404とを有する。導電層1412の一方は、記憶素子614の第1の導電層622と接続している、或いは記憶素子614の第1の導電層622として機能する。また、導電層1412は、ゲート絶縁層1403及び半導体層1404に一部挟持されている。
なお、図8(A)〜(D)に示す薄膜トランジスタや有機半導体トランジスタはスイッチング素子として機能し得るものであれば、どのような構成で設けてもよい。
また、単結晶基板やSOI基板を用いて、トランジスタを形成し、その上に記憶素子を設けてもよい。SOI基板はウェハの貼り合わせによる方法や酸素イオンをSi基板内に打ち込むことにより内部に絶縁層を形成するSIMOXと呼ばれる方法を用いて形成すればよい。ここでは、図7(C)に示すように、単結晶半導体基板660上に設けられた電界効果トランジスタ662に記憶素子614が接続されている。具体的には、電界効果トランジスタ662の不純物領域と接続する導電層663と第1の導電層622とが、絶縁層672を介して接続されている。言い換えると、電界効果トランジスタ662のソース電極又はドレイン電極として機能する導電層663を覆うように絶縁層672が設けられ、当該絶縁層672上に記憶素子614が設けられている。なお、電界効果トランジスタ662は、フィールド酸化膜661によって分離されている。
このような単結晶半導体で形成されるトランジスタは、応答速度や移動度などの特性が良好なために、高速な動作が可能なトランジスタを提供することができる。また、単結晶半導体で形成されるトランジスタは、その特性のバラツキが少ないために、高い信頼性を実現した半導体装置を提供することができる。
また、電界効果トランジスタ662上に絶縁層672を設けて記憶素子614を形成することによって、第1の導電層622を自由に配置することができる。つまり、図7(A)、(B)の構成では、トランジスタ680の上方を避けた領域に記憶素子614を設ける必要があったが、図7(C)のような構成とすることによって、例えば、トランジスタを有する層671に設けられたトランジスタ662の上方に記憶素子614を形成することが可能となる。
なお、図7(B)、(C)に示す構成において、有機化合物層626は基板全面に設けた例を示しているが、各メモリセルのみに選択的に設けてもよい。この場合、液滴吐出法等を用いて有機化合物を吐出し焼成して選択的に有機化合物層を設けることにより材料の利用効率を向上させることが可能となる。
記憶素子614の材料および形成方法は、上記実施の形態1、又は2で示した材料および形成方法のいずれかを用いて同様に行うことができる。
また、隔壁層654は、上記実施の形態2で示した隔壁層56、64と同様の材料および形成方法を用いて設けることができる。
また、図9に示すように、絶縁表面を有する基板上に剥離層を設け、剥離層上にトランジスタを有する層692及び記憶素子614を形成した後、トランジスタを有する層692及び記憶素子614を剥離層から剥離し、基板690上に接着層694を介してトランジスタを有する層692及び記憶素子614を貼り合わせても良い。なお剥離方法としては、(1)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として金属酸化物層を設け、当該金属酸化物層を結晶化により脆弱化して、当該トランジスタを有する層を剥離する方法、(2)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射により非晶質珪素膜の水素ガスを放出させて耐熱性の高い基板を剥離する方法、または剥離層として非晶質珪素膜を設け、エッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該トランジスタを有する層を剥離する方法、(3)トランジスタを有する層が形成された耐熱性の高い基板を機械的に削除する、又は溶液によるエッチングで除去する方法、(4)耐熱性の高い基板とトランジスタを有する層の間に剥離層として金属層及び金属酸化物層を設け、当該金属酸化物層を結晶化により脆弱化し、金属層の一部を溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化物層において物理的に剥離する方法等を用いればよい。
また、基板690としては、可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
次に、本発明の記憶装置にデータの書き込みを行う際の具体的な動作について、図6を用いて説明する。なお、書き込みはメモリセルの電気特性を変化させることで行うが、メモリセルの初期状態(電気的作用を加えていない状態)をデータ「0」、電気特性を変化させた状態を「1」とする。
ここでは、3列目3行目のメモリセル612にデータを書き込む場合について説明する。メモリセル612にデータ「1」を書き込む場合、まず、ロウデコーダ642、カラムデコーダ634およびセレクタ638によってメモリセル612を選択する。具体的には、ロウデコーダ642によって、メモリセル612に接続されるワード線W3に所定の電圧V22を印加する。また、カラムデコーダ634とセレクタ638によって、メモリセル612に接続されるビット線B3を読み出し/書き込み回路636に接続する。そして、読み出し/書き込み回路636からビット線B3へ書き込み電圧V21を出力する。
こうして、選択されたメモリセル612を構成するトランジスタ680をオン状態とし、記憶素子614に、ビット線を電気的に接続し、おおむねVw=Vcom−V21の電圧を印加する。なお、記憶素子614の一方の電極は電位Vcomの共通電極に接続されている。電位Vwを適切に選ぶことで、記憶素子614が有する第1の導電層と液晶層が接する部分で混合物を形成させ、液晶層と第2の導電層との間に設けられた有機化合物層を物理的もしくは電気的変化させ、データ「1」の書き込みを行うことができる。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比して、大幅に小さくなるように変化させるとよく、単に短絡(ショート)させてもよい。なお、電位は、(V21、V22、Vcom)=(5V〜15V、5V〜15V、0V)、あるいは(−12V〜0V、−12V〜0V、3V〜5V)の範囲から適宜選べば良い。電圧Vwは5V〜15V、あるいは−5V〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。具体的には、非選択のワード線には接続されるメモリセルのトランジスタをオフ状態とする電位(例えば0V)を印加し、非選択のビット線は浮遊状態とするか、Vcomと同程度の電位を印加するとよい。
一方、メモリセル612にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル612には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、ロウデコーダ642、カラムデコーダ634およびセレクタ638によってメモリセル612を選択するが、読み出し/書き込み回路636からビット線B3への出力電位をVcomと同程度とするか、ビット線B3を浮遊状態とする。その結果、記憶素子614には、小さい電圧(例えば−5〜5V)が印加されるか、電圧が印加されないため、電気特性が変化せず、データ「0」書き込みが実現される。
次に、電気的作用により、データの読み出しを行う際の動作について説明する。データの読み出しは、記憶素子614の電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路は、読み出し部分の構成として、例えば、図6(B)に示す抵抗素子673と差動増幅器674を用いた読み出し/書き込み回路636を考えることができる。抵抗素子は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。なお、図6(C)に示すように、抵抗素子673の代わりにトランジスタ676を用いても良いし、差動増幅器674の代わりにクロックドインバータ678を用いることも可能である。勿論、回路構成は図6(B)、(C)に限定されない。
x列目y行目のメモリセル612からデータの読み出しを行う場合、まず、ロウデコーダ642、カラムデコーダ634およびセレクタ638によってメモリセル612を選択する。具体的には、ロウデコーダ642によって、メモリセル612に接続されるワード線Wyに所定の電圧V24を印加し、トランジスタ680をオン状態にする。また、カラムデコーダ634とセレクタ638によって、メモリセル612に接続されるビット線Bxを読み出し/書き込み回路636の端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、VcomとV0が抵抗素子673(抵抗値Rr)と記憶素子614(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル612がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vcom+(V0−Vcom)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル612がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vcom+(V0−Vcom)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、図6(B)では、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、図6(C)では、クロックドインバータ678の変化点をVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutが、データ「0」/「1」に応じて、Low/High(もしくはHigh/Low)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器674をVdd=3Vで動作させ、Vcom=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とし、トランジスタ680のオン抵抗を無視できるとすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHighが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLowが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
上記の方法によると、記憶素子614の抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。勿論、読み出し方法は、この方法に限定されない。例えば、電気抵抗の差を利用する以外に、電流値の差を利用して読み出しても構わない。また、メモリセルの電気特性が、データ「0」と「1」とで、しきい値電圧が異なるダイオード特性を有する場合には、しきい値電圧の差を利用して読み出しても構わない。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明により、記憶素子の初期不良を低減することができ、当該記憶素子を有する半導体装置の製造の歩留まりを向上することができる。
また、本発明により、製造時以外にデータを書き込む(追記)ことが可能であり、且つ書き換えによる偽造を防止できる記憶素子を有する半導体装置を提供することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の記憶素子、当該記憶素子を有する半導体装置及びその作製方法、又は当該半導体装置の適用例について、図10〜図16を用いて説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としている。データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データの伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つはトランジスタおよび記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つはトランジスタおよび記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合がある。ここでは、半導体装置の断面の一部として、アンテナ、アンテナに接続される回路およびメモリ回路の一部を示す。
まず、複数の半導体素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合の半導体装置の構成例を図10を用いて説明する。
図10(A)に示す半導体装置は、基板1350上にトランジスタ1451、トランジスタ1452と、トランジスタを有する層1250と、トランジスタを有する層1250の上方に形成される記憶素子部1352及びアンテナとして機能する導電層1353とを有する。
なお、ここでは絶縁層1252の上方に記憶素子部1352及びアンテナとして機能する導電層1353を有する場合を示しているが、本発明は特に限定されない。例えば、記憶素子部1352またはアンテナとして機能する導電層1353を、トランジスタを有する層1250の下方や同一の層に有していてもよい。
記憶素子部1352は記憶素子1351a、記憶素子1351bを有する。また、記憶素子1351aは、絶縁層1252上に形成された第1の導電層1361aと、該第1の導電層1361a上に形成された液晶層1362aと、該液晶層1362a上に形成された有機化合物層1363aと、該有機化合物層1363a上に形成された第2の導電層1364aとを有する。同様に、記憶素子1351bは、絶縁層1252上に形成された第1の導電層1361bと、該第1の導電層1361b上に形成された液晶層1362bと、該液晶層1362b上に形成された有機化合物層1363bと、該有機化合物層1363b上に形成された第2の導電層1364bとを有する。
また、記憶素子1351a、1351b及びアンテナとして機能する導電層1353を覆って保護膜として機能する絶縁層1366が形成されている。記憶素子部1352は上記実施の形態で示した記憶素子と同様の材料または作製方法を用いて形成することができる。
ここでは、アンテナとして機能する導電層1353は第2の導電層1364a、1364bと同一の層で形成された導電層1360上に設けられている。なお、第2の導電層1364a、1364bと同一の層でアンテナとして機能する導電層を形成してもよい。アンテナとして機能する導電層1353はトランジスタ1451のソース用配線又はドレイン用配線に接続する。なお、トランジスタ1451は、アンテナに接続する回路の一部を構成する。
また、トランジスタ1452は、記憶素子部1352の動作を制御する駆動回路の一部を構成する。駆動回路には、複数のトランジスタが設けられており、例えば、デコーダ、バッファ等が設けられる。
アンテナとして機能する導電層1353の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、アンテナとして機能する導電層1353の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
トランジスタを有する層1250に含まれるトランジスタ1451、1452は、実施の形態3で示すトランジスタ680を適宜用いることができる。
また、基板上に剥離層、トランジスタを有する層1250、記憶素子部1352、及びアンテナとして機能する導電層1353を形成し、実施の形態3に示す剥離方法を適宜用いてトランジスタを有する層1250、記憶素子部1352、及びアンテナとして機能する導電層1353を剥離し、別の基板上に接着層を用いて貼り付けてもよい。別の基板としては、可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
図10(B)に、図10(A)に示したものとは異なる半導体装置の例を示す。なお、図10(B)については、図10(A)と異なる部分に関して説明する。
図10(B)に示す半導体装置は、基板1350上にトランジスタを有する層1250と、トランジスタを有する層1250の上方に記憶素子部1355及びアンテナとして機能する導電層1353とを有する。ここではトランジスタ1451、1452と同一の層に記憶素子部1355のスイッチング素子として機能するトランジスタ1453、トランジスタ1454を有し、トランジスタを有する層1250の上方に記憶素子部1355及びアンテナとして機能する導電層1353を有する場合を示す。なお、本発明は特に限定されず、記憶素子部1355やアンテナとして機能する導電層1353を、トランジスタを有する層1250の下方や同一の層に有しても可能である。
記憶素子部1355は、記憶素子1356a、記憶素子1356bを有する。また、記憶素子1356aは、絶縁層1252上に形成された第1の導電層1371aと、該第1の導電層1371a上に形成された液晶層1370と、該液晶層1370上に形成された有機化合物層1372と、該有機化合物層1372上に形成された第2の導電層1373とを有する。同様に、記憶素子1356bは、絶縁層1252上に形成された第1の導電層1371bと、該第1の導電層1371b上に形成された液晶層1370と、該液晶層1370上に形成された有機化合物層1372と、該有機化合物層1372上に形成された第2の導電層1373とを有する。また、記憶素子1356aの第1の導電層1371aの端部と記憶素子1356bの第1の導電層1371bの端部は、隔壁層1374によって覆われている。
なお、記憶素子1356a、1356bにおいて、液晶層1370,有機化合物層1372および第2の導電層1373は、共通する層が用いられている。すなわち、第1の導電層1371a、1371b及び当該第1の導電層1371a、1371bの端部を覆う隔壁層1374上に液晶層1370、有機化合物層1372、第2の導電層1373が、順次積層されて設けられている。
また、記憶素子1356aはトランジスタ1454に接続され、記憶素子1356bはトランジスタ1453に接続されている。具体的には、第1の導電層1371aは、トランジスタ1454のソース用配線又はドレイン用配線に接続されている。同様に、第1の導電層1371bは、トランジスタ1453のソース用配線又はドレイン用配線に接続されている。
また、記憶素子1356a、1356b及びアンテナとして機能する導電層1353を覆って保護膜として機能する絶縁層1366が形成されている。記憶素子部1355は上記実施の形態で示した記憶素子と同様の材料または作製方法を用いて形成することができる。
なお、記憶素子1356a、1356bは上記実施の形態1乃至3で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。
また、トランジスタを有する層1250、記憶素子部1355、アンテナとして機能する導電層1353は、上述したように蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。なお、各場所によって異なる方法を用いて形成してもかまわない。
基板上に剥離層、トランジスタを有する層1250、記憶素子部1355、及びアンテナとして機能する導電層1353を形成し、実施の形態3に示す剥離方法を適宜用いてトランジスタを有する層1250、記憶素子部1355、及びアンテナとして機能する導電層1353を剥離し、別の基板上に接着層を用いて貼り付けてもよい。別の基板としては、可撓性基板、熱可塑性を示すフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム等を用いることで、記憶装置の小型、薄型、軽量化を図ることが可能である。
なお、同一基板上にセンサ素子を設けてもよい。センサ素子としては、温度、湿度、照度、ガス(気体)、重力、圧力、音(振動)、加速度、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出する素子が挙げられる。センサ素子は、代表的には抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオード、静電容量型素子、又は圧電素子などの素子で形成される。
次に、本発明の記憶素子及び当該記憶素子を有する半導体装置の作製方法の例について、図11〜図14を用いて説明する。ここでは、図10(B)に示す半導体装置をICタグ、RFIDなどの半導体装置とする作製方法について説明する。
まず、基板1100の一表面に、剥離層1102を形成する(図11(A)参照)。基板1100は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁膜を形成したもの、或いは本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いることができる。また、剥離層1102は基板1100の全面に設けているが、本発明は特に限定されない。例えば、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて、選択的に剥離層1102を設けてもよい。さらに、基板1100に接するように剥離層1102を形成しているが、必要に応じて、基板1100に接する下地となる絶縁層を形成し、当該絶縁層に接するように剥離層1102を形成してもよい。
剥離層1102は、スパッタリング法やプラズマCVD法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、鉛(Pb)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
剥離層1102が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。または、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。また、タングステンの酸化物は、酸化タングステンと表記することがある。
剥離層1102が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。そして、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
なお、剥離層1102として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化珪素を含む層を形成することで、タングステン層と酸化珪素層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素、酸化珪素、その他の珪素を含む絶縁層を形成する。なお、タングステンを含む層を形成後に、その上層に形成する窒化珪素、酸化珪素、その他の珪素を含む絶縁層などは、後に下地となる絶縁層として機能する。
また、タングステンの酸化物は、WOxで表され、xは0以上3以下(但し0を除く)である。xが2の場合(WO)、xが2.5の場合(W)、xが2.75の場合(W11)、xが3の場合(WO)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたxの値に特に制約はなく、そのエッチングレートなどを基に決めるとよい。但し、エッチングレートの最も良いものは、酸素雰囲気下で、スパッタリング法により形成するタングステンの酸化物を含む層(WOx、0<X≦3)である。従って、作製時間の短縮のために、剥離層として、酸素雰囲気下でスパッタリング法によりタングステンの酸化物を含む層を形成するとよい。
次に、剥離層1102を覆うように、下地絶縁層1104を形成する。下地絶縁層1104は、スパッタリング法、プラズマCVD法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、酸化珪素、その他の珪素を含む絶縁層を、単層又は積層構造で形成する。下地絶縁層は、基板1100からの不純物の侵入を防止するブロッキング層として機能することもできる。
次に、上記実施形態3に示したトランジスタ680と同様に、トランジスタ1451、1452、1453、1454を形成する。(図11(B)参照)。なお、ここでは、図8(A)に示したトップゲート型の薄膜トランジスタを作製する。具体的には、下地絶縁層上に半導体層を形成し、該半導体層上にゲート絶縁層を形成し、該ゲート絶縁層上にゲート電極及びサイドウォールを形成し、半導体層、ゲート電極及びサイドウォールを覆う絶縁層を形成する。そして、半導体層に接続し、ソース用配線又はドレイン用配線として機能する導電層を形成する。
トランジスタ1451、1452、1453、1454には、一導電型の不純物元素を添加し、それぞれの半導体層にチャネル形成領域と、低濃度不純物領域(LDD領域ともいう)として機能する一対の第1の不純物領域と、ソース領域又はドレイン領域として機能する一対の第2の不純物領域と、を形成する。第2の不純物領域の不純物濃度は、第1の不純物領域の不純物濃度より大きい。なお、本発明は特に限定されず、第1の不純物領域は設けられなくともよい。
ここでは、トランジスタ1451に、チャネル形成領域1106と、一対の第1の不純物領域1108と、一対の第2の不純物領域1110を形成する。トランジスタ1452は、異なる一導電型の不純物元素が添加された2つのトランジスタから構成されており、それぞれのトランジスタにチャネル形成領域1112、一対の第1の不純物領域1114、及び一対の第2の不純物領域1116、又はチャネル形成領域1118、一対の第1の不純物領域1120、及び一対の第2の不純物領域1122を形成する。なお、トランジスタ1452において、第1の不純物領域1114及び第2の不純物領域1116と、第1の不純物領域1120及び第2の不純物領域1122は、異なる導電型の不純物元素を添加して形成する。トランジスタ1453は、チャネル形成領域1124と、一対の第1の不純物領域1126と、一対の第2の不純物領域1128を形成する。トランジスタ1454は、チャネル形成領域1130と、一対の第1の不純物領域1132と、一対の第2の不純物領域1134を形成する。
次にトランジスタ1451、1452、1453、1454のソース用配線又はドレイン用配線として機能する導電層上に絶縁層1136、絶縁層1252を積層して形成する(図12(A)参照)。絶縁層1136、絶縁層1252は、酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁材料、又はアクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料で形成する。スピン塗布やロールコーターなど塗布法を用いる場合には、液状の絶縁材料を塗布した後、熱処理により酸化珪素で形成される絶縁層を用いることもできる。例えば、シロキサン結合を含む材料を塗布し、200乃至400度での熱処理により酸化珪素を含む絶縁層を用いることができる。絶縁層1136、1252として、塗布法で形成する絶縁層やリフローにより平坦化した絶縁層を形成することで、その層上に形成する配線(ここでは記憶素子の第1の導電層及びアンテナとして機能する導電層とトランジスタとを接続する導電層)の断線を防止することができる。なお、ここでは層間絶縁層を2層構造としたが、特に限定されず、単層構造又は3層以上の積層構造とすることもできる。また、トランジスタの導電層に接する絶縁層1136を酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁材料を用いて形成すると、保護層として機能させることができる。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁層1136、1252をエッチングして、トランジスタ1451、1453、1454のソース用配線又はドレイン用配線として機能する導電層を露出させるコンタクトホールを形成する。そして、絶縁層1252上に、コンタクトホールを充填するように導電層を形成する。導電層は、スパッタリング法、印刷法または液滴吐出法を用いて、金属若しくはその合金、又は金属化合物、或いは酸化物導電材料により形成する。具体的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等の金属、又はその合金、或いはリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらのいずれかを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金を用いることができる。また、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン等の金属化合物を用いることができる。さらに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)等の酸化物導電材料を用いることができる。また、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに2〜20重量%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いたスパッタリング法により形成することもできる。
上記のように形成された導電層を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて加工し、記憶素子を構成する第1の導電層1371a及び第1の導電層1371bと、導電層1138を形成する。第1の導電層1371aは、トランジスタ1454のソース用配線又はドレン用配線に接続される。第1の導電層1371bは、トランジスタ1453のソース用配線又はドレイン用配線に接続される。また、導電層1138は、トランジスタ1451と後に形成されるアンテナとを接続する配線として機能する。
次に、第1の導電層1371a、第1の導電層1371b、導電層1138を覆って絶縁層を形成する。当該絶縁層は、酸化珪素、窒化珪素などの無機絶縁材料、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、その他レジスト材料などの有機絶縁材料、又はシロキサン結合を含む材料を用いて形成する。絶縁層は、用いる材料に応じて、スパッタリング法、CVD法、塗布法等により形成する。
次に、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて絶縁層をエッチングし、第1の導電層1371a、第1の導電層1371bを露出させる。ここで残存する絶縁層を隔壁層1374とする。隔壁層1374は、第1の導電層1371a、第1の導電層1371bの端部を覆うように形成する。また、導電層1138上の絶縁層については、配線が形成できる程度のコンタクトホールを形成し、導電層1138の一部を露出させる。なお、絶縁層として未露光部分が残存するポジ型の感光性樹脂を用いる場合は、フォトリソグラフィ法のみで形成できるため、工程の短縮を図ることが可能である。
次に、第1の導電層1371a、第1の導電層1371b上に液晶層1370を形成する。液晶層1370は、液晶性を示す化合物を用いて、液晶滴下法、インクジェット法、蒸着法又はスピンコート法により形成する。ここで用いる液晶性を示す化合物は、少なくとも温度変化により第1の相から第2の相へと相転移する化合物である。また、液晶性を示し、且つ接する第1の導電層1371a、1371bと混合物を形成する化合物である。
次に、液晶層1370上に有機化合物層1372を形成する。有機化合物層1372は、電気的作用により結晶状態、抵抗値、又は当該有機化合物層の形状が変化する有機化合物を用いて、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法又はCVD法により形成する。具体的には、ポリイミド類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等の有機樹脂や、正孔輸送性を有する有機化合物又は電子輸送性を有する有機化合物を用いることができる。また、複数の材料を用いて有機化合物層1372を形成する場合、各々の材料を同時に成膜することにより形成することができる。例えば、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。
次に、有機化合物層1372上に第2の導電層1373を形成する。第2の導電層1373は、スパッタリング法、印刷法または液滴吐出法を用いて、金属若しくはその合金、又は金属化合物、或いは酸化物導電材料により形成する。具体的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等の金属、又はその合金、或いはリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらのいずれかを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Er)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金を用いることができる。また、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン等の金属化合物を用いることができる。さらに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)等の酸化物導電材料を用いることもできる。また、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに2〜20重量%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いたスパッタリング法により形成することもできる。
また、第2の導電層1373と同時に、導電層1360を形成する。導電層1360は、導電層1138が露出するように形成されたコンタクトホールを充填するように形成する。
なお、ここでは、液晶層1370、有機化合物層1372及び第2の導電層1373は、第1の導電層1371a、1371b、及び当該第1の導電層1371a、1371bの端部を覆う隔壁層1374上に、共通する層として順次積層して設けているが、第1の導電層1371a、第1の導電層1371b上にそれぞれ選択的に設けてもよい。
次に、導電層1360に接し、アンテナとして機能する導電層1353を形成する。導電層1353は、蒸着法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法を用いて、導電性材料により形成する。具体的には、導電層1353は、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。
次に、第2の導電層1373、隔壁層1374、導電層1360及び導電層1353上に絶縁層1366、絶縁層1140を形成する。ここで、絶縁層1366は保護層として機能し、絶縁層1366上に形成される絶縁層1140は、平坦化層として機能する。絶縁層1366、絶縁層1140は、酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁材料、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料、又はシロキサン結合を含む材料を用いて、スパッタリング法、CVD法、塗布法により形成する。なお、絶縁層1366は、酸化珪素及び酸化窒化珪素などの無機絶縁材料を用いて形成することが好ましい。絶縁層1140は、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂などの有機絶縁材料、又はシロキサン結合を含む材料を用いて形成することが好ましい。なお、下地絶縁層1104よりも上方に形成されたトランジスタ1451、1452、1453、1454、記憶素子1356a、1356b及びアンテナとして機能する導電層1353等を含む層を素子層1141とする。
次に、基板1100から素子層1141を剥離する。例えば、レーザ光(例えばUV光)を照射することによって開口部1142、開口部1144を形成後(図13(A)参照)、物理的な力を用いて基板1100から素子層1141を剥離することができる(図13(B)参照)。また基板1100から素子層1141を剥離する前に、開口部1142、1144にエッチング剤を導入して、剥離層1102を除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、素子層1141は、基板1100から剥離された状態となる。なお、剥離層1102は、全て除去せず一部分を残存させてもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処理時間を短縮することが可能となる。また、剥離層1102の除去を行った後にも、基板1100上に素子層1141を保持しておくことが可能となる。また、素子層1141が剥離された基板1100は、コストの削減のために、再利用することが好ましい。
次に、素子層1141の一方の面を、第1の基体1146に接着させて、基板1100から完全に剥離する。続いて、素子層1141の他方の面を、第2の基体1148に接着させ、その後加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行って、素子層1141を、第1の基体1146と第2の基体1148により封止する(図14参照)。第1の基体1146と第2の基体1148は、熱可塑性を示すフィルム(ポリオレフィン、フッ素を含むポリオレフィン、ポリエステル類など)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。
フィルムは、被処理体と熱圧着により接着される。加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、第1の基体1146と第2の基体1148の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
以上の工程により、本発明の記憶素子およびアンテナを有する半導体装置を作製することができる。なお本実施形態は上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明により、記憶素子の初期不良を低減することができ、当該記憶素子を有する半導体装置の製造の歩留まりを向上することができる。
また、本発明により、製造時以外にデータを書き込む(追記)ことが可能であり、且つ書き換えによる偽造を防止できる記憶素子を有する半導体装置を提供することができる。
また、本実施の形態の半導体装置は、記憶素子及びアンテナを有し、非接触でデータのやりとりを行うことができる。さらに、上記工程により、可撓性を有する半導体装置を得ることができる。
次に、図14に示すような非接触でデータの読み出しと書き込みが可能である本発明の半導体装置を無線チップに適用する例について、図15、図16を用いて説明する。
本発明の半導体装置を用いた無線チップ9210は、様々な用途に用いることが可能である。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図15(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図15(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図15(B)参照)、乗物類(自転車等、図15(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図15(E)、図15(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。また、動物類、人体に貼り付けたり、埋め込んだりすることができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
本発明の半導体装置は、プリント基板に実装する、物品の表面に貼る、或いは物品に埋め込むことで、物品に固定することができる。例えば、本なら紙に埋め込む、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込むことによって、各物品に固定することができる。本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明の半導体装置を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、筐体2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2705を有する(図16参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されており、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(CPU、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用することができる。
また、本発明の半導体装置は、外部からの電圧印加により変化する有機化合物層と、外部からの電圧印加により相転移する液晶性を示す化合物を含む層が一対の導電層間に挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。また、本発明の半導体装置は高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
また、本発明の半導体装置が有する記憶素子は、外部からの電圧印加によりデータの書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴とする。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施の形態に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
本発明の記憶素子の一例を示す図。 本発明を説明する概念図。 本発明の半導体装置の例を示す図。 本発明の半導体装置の例を示す上面図及び断面図。 本発明の半導体装置の例を示す断面図。 本発明の半導体装置の例を示す図。 本発明の半導体装置の例を示す上面図及び断面図。 本発明の半導体装置の例を示す断面図。 本発明の半導体装置の例を示す断面図。 本発明の半導体装置の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の作製方法の例を示す図。 本発明の半導体装置の例を示す図。 本発明の半導体装置の例を示す図。
符号の説明
100 基板
102 第1の導電層
104 液晶層
106 有機化合物層
108 第2の導電層
110 記憶素子
114 液晶層
122 第1の導電層
124 混合物領域

Claims (5)

  1. 第1の導電層と、
    第2の導電層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層とに挟持される液晶性を示す化合物を含む層と、
    前記第1の導電層と前記第2の導電層とに挟持され、前記液晶性を示す化合物を含む層に接する有機化合物を含む層と、を有し、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加することにより、前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間の電気抵抗が変化する記憶素子であって、
    前記液晶性を示す化合物を含む層は前記第1の導電層に接して形成されており、少なくとも温度変化によって第1の相から第2の相へ相転移する層であり、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加する前には、前記液晶性を示す化合物を含む層は、固体状態であり、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加する前には、前記液晶性を示す化合物を含む層及び有機化合物を含む層は、絶縁体であり、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加することにより、前記液晶性を示す化合物を含む層と前記第1の導電層とで混合物が形成され、前記混合物は導電性を示すことを特徴とする記憶素子。
  2. 請求項1において、
    前記液晶性を示す化合物を含む層の前記第1の相は固体状態であり、前記第2の相は液晶状態又は液体状態であることを特徴とする記憶素子。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加することにより、前記液晶性を示す化合物を含む層は前記第1の相から前記第2の相へ相転移することを特徴とする記憶素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記第1の導電層及び前記第2の導電層の間に電圧を印加することにより、前記有機化合物を含む層の形状が変化し、前記第1の導電層と前記第2の導電層が短絡することを特徴とする記憶素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、
    前記有機化合物を含む層は、有機樹脂を含む層、正孔輸送性を有する有機化合物を含む層又は電子輸送性を有する有機化合物を含む層であることを特徴とする記憶素子。
JP2007108004A 2006-04-28 2007-04-17 記憶素子 Expired - Fee Related JP5252827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007108004A JP5252827B2 (ja) 2006-04-28 2007-04-17 記憶素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125238 2006-04-28
JP2006125238 2006-04-28
JP2007108004A JP5252827B2 (ja) 2006-04-28 2007-04-17 記憶素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007318099A JP2007318099A (ja) 2007-12-06
JP2007318099A5 JP2007318099A5 (ja) 2010-05-20
JP5252827B2 true JP5252827B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=38851649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007108004A Expired - Fee Related JP5252827B2 (ja) 2006-04-28 2007-04-17 記憶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5252827B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2107571B1 (en) * 2008-04-03 2012-04-25 Semiconductor Energy Laboratory Co, Ltd. Semiconductor device
CN112885958B (zh) * 2019-11-29 2022-07-29 天津大学 具有有机磁阻效应的分子电子器件及其应用
CN112885959B (zh) * 2019-11-29 2022-07-29 天津大学 具有有机磁阻效应的分子电子器件的制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2975502B2 (ja) * 1993-05-19 1999-11-10 シャープ株式会社 不揮発性記録装置の記録の読み出し方法
JP4074719B2 (ja) * 1999-01-08 2008-04-09 大日本印刷株式会社 情報記録媒体
JP2001156264A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Dainippon Printing Co Ltd 非破壊読み取り型強誘電体メモリ
JP2001291594A (ja) * 2000-04-07 2001-10-19 Canon Inc 導電性液晶素子
JP2002170685A (ja) * 2000-11-29 2002-06-14 Canon Inc 導電性液晶素子及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5089074B2 (ja) * 2005-04-28 2012-12-05 株式会社半導体エネルギー研究所 記憶装置
CN101223650A (zh) * 2005-07-14 2008-07-16 国立大学法人山梨大学 液晶性有机半导体材料及使用其的半导体元件或信息记录介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007318099A (ja) 2007-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8088654B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7700984B2 (en) Semiconductor device including memory cell
US20080246025A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing the same
US7956352B2 (en) Memory element comprising an organic compound and an insulator
JP2020021734A (ja) 発光装置
JP5632945B2 (ja) 半導体装置
US8212238B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
JP5121183B2 (ja) 半導体装置及びその作製方法
WO2006057417A1 (en) Semiconductor device
US7551471B2 (en) Memory element and semiconductor device
JP5046524B2 (ja) 記憶素子、記憶装置、及び電子機器
JP5354884B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5252827B2 (ja) 記憶素子
JP5063084B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5089074B2 (ja) 記憶装置
JP5377839B2 (ja) 半導体装置
JP5201853B2 (ja) 半導体装置
JP5459894B2 (ja) 半導体装置
JP4926597B2 (ja) 記憶装置及び半導体装置
JP2006352093A (ja) 半導体装置
JP4974555B2 (ja) 記憶素子
JP5230119B2 (ja) 半導体装置及びその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100406

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100406

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5252827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees