JP5251880B2 - 内圧防爆構造のロボット - Google Patents
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Description
内圧防爆構造を有した従来のロボットのアーム構造は、気密室にモータを配置したものが開示されている(例えば特許文献1参照)。
ロボットのアームを駆動するモータをアームの側面に設けた気密室内に設け、そのモータに前端に減速機を設け、駆動することでロボットのアームを動作させる。またモータの給電線は、前記モータの反対面に取り付けられたケーブルカバー(気密室)を通しそれぞれモータに接続されている。
しかしながら、従来の内圧防爆構造のロボットでは、ロボットのアームを駆動するモータはアームの側面に設けた気密室内に配置され、そのモータの出力軸側に減速機を設けられ、モータを駆動することでロボットのアームを動作させる構成となっていた。
また、モータの給電線は、前記モータの反対面に取り付けられたケーブルカバー(気密室)、アームの中空部を通し、それぞれモータに接続されていた。
このような構成とされた内圧防爆構造のロボットでは、関節部の幅が広くなるために自動車フレームとの干渉が起こりやすくなるとともに、それを避けるために可動領域が狭くなるといった問題が生じていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、アーム幅が狭く可動領域の大きく取れる内圧防爆構造のロボットを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、各関節軸を駆動する複数のモータと、前記モータが配置される気密室とを備え、危険雰囲気に設置され、前記関節軸の少なくとも1つに減速機一体中空モータを備え、前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部の固定部に形成され、モータ内部と前記気密室とを連通させる貫通穴と、前記モータ部の前記固定部の減速機側に配置した軸受の両側にそれぞれ外側方向からの進入物を遮断する方向に配置された第1シール部材とが設けられたものである。
請求項2に記載の発明は、前記減速機一体中空モータの中空部に配線が通されたものである。
請求項3に記載の発明は、前記貫通穴は、前記モータ部の電磁部と前記減速機側に配置した第1シール部材との空間部にモータの軸と直交する方向に設けられたものである。
請求項4に記載の発明は、前記減速機一体中空モータのモータ部に、前記モータ部に設けられた前記減速機の出力軸の中空部と保護カバーの間に外部からの進入を防ぐ方向に第2シール部材をさらに設けたものである。
請求項5に記載の発明は、前記貫通穴は、前記モータの関節軸に、前記関節軸の軸方向に沿って設けられたものである。
請求項6に記載の発明は、各関節軸を駆動する複数のモータと、前記モータが配置される気密室とを備え、危険雰囲気に設置され、前記ロボットの上部のアームに備えられた前記気密室に配置される前記関節軸に減速機一体中空モータを備え、前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部の固定部に形成され、モータ内部と前記気密室とを連通させる貫通穴と、前記モータ部の前記固定部の減速機側に配置した軸受の両側にそれぞれ外側方向からの進入物を遮断する方向に配置された第1シール部材とが設けられたものである。
請求項7に記載の発明は、前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部に設けられた前記減速機の出力軸の中空部と保護カバーの間に外部からの進入を防ぐ方向に第2シール部材をさらに設けたものである。
また、減速機一体中空モータにモータ部に貫通穴が設けられるとともに、減速機とのシールド構造を形成することで、内圧防爆に適した構成となり、このモータを関節部に配置することで、従来必要であったモータを配置する気密室が不要となり、アーム幅を狭くすることができる。さらに減速機一体中空モータの中空部に配線することができるので、従来必要であった気密室が不要となり、アーム幅を狭くすることができる。
1a、1b、1c、1d、1e、1f モータ
4 電磁部
5 界磁永久磁石
6 中空径
7 回転軸
8 軸受
9 電磁ブレーキ
10 検出器用界磁永久磁石
11 磁気式検出器
12 カバー
13 中空減速機
14 フィルタ
15 保護カバー
16 固定部
17 オイルシール
18 貫通穴
18a、18b、18c、18d 貫通穴
19 カバー
21 ロボット
22 コントローラ
23 気体供給部
24 気体排気部
25 制御ケーブル
26 管路
27 管路
28 管路
29 通信ケーブル
30 管路接続部
31 フィルタ
32 圧力調整器
33 圧力調整器
34 圧力調整器
35 電磁弁
36 電磁弁
37 気密室
37a、37b、37c、37d 気密室
38 開放弁
39 フロースイッチ
40 圧力検出器
41 圧力調整弁
42 開放位置
43 管路
45 ケーブル
46 オイルシール
50 オイルシール
管路26は、ロボット21下部の管路接続部30を介してロボット21内部の管路43に接続される。管路43は、気密室37の先端部の解放位置42、すなわち各々の気密室37において、管路接続部30から最も遠い箇所保護気体を解放する。
一方、気密室37には管路27の一端が接続され、他端はエア排気部24に設置されている開放弁38へ接続されている。管路27の途中には、フロースイッチ39(取り付けられない場合もある)と、圧力検出器40と、圧力調整弁41が接続されている。フロースイッチ39と圧力検出器40とには通信ケーブル29の一端が接続され、その他端はコントローラ22に接続されている。通信ケーブル29は、これらフロースイッチ39と圧力検出器40の信号をコントローラへ伝達している。圧力検出器40は、気密室37の圧力が所定値よりも低くなるとコントローラ22に信号を伝達する。また、フロースイッチ39は、所定の気体流量が通過すると、コントローラ22に信号を伝達する。また、圧力調整弁41は、管路27の圧力、すなわち気密室37の内部圧力が、所定値よりも高くなった場合に、気体を排出し、気密室37の内部圧力を軽減させる。
一方、フィルタ31を通過した保護気体の3経路のうち更に1経路の保護気体は、圧力調整器34により、電磁弁36を動作させることができる程度の圧力に調整され、電磁弁36と管路28を介して開放弁38に接続されている。開放弁38は、電磁弁36から送出されてくる保護気体によって空圧作動し、管路27から排出されてくる気密室37内部の気体を排出させるか、または封止することができる。
本実施例では、全ての関節軸にモータ1が配置された形態を用いて説明したが、気密室37dに配置された3つのモータ1d〜fの関節軸に配置されていても良く、そのような構成を取ることで気密室37dのアーム部の幅は狭くすることができるので、被塗装物との干渉を抑制することができる。
本発明では、以上で構成されたモータに対して、前記固定部16の減速機13側に配置した軸受8の両側にそれぞれ外側方向からの進入物を遮断する方向にオイルシール17を設けている。このような構成にすることで、モータ部と減速機13を切り離すことができ、減速機13からの油脂成分のモータ部への進入を防止するものである。また前記固定部16には、複数の貫通穴18を設けている。貫通穴18aは、前記オイルシール17と成形樹脂にてモールド成型された電磁部4と界磁永久磁石5の間に設けられ、ブレーキ9の側面に貫通穴18bが設けられている。また、検出器用界磁永久磁石10により回転角および速度を検出する磁気式検出器11を保護するカバー12にも、貫通穴18cと18dが設けられている。このような構成にすることで、掃気動作をする際に、モータ内部とエンコーダ部は気体置換され、減速機13の内部は油脂成分を充填された状態を保持することができるものである。貫通穴18の直径は、本実施例では10mm程度としている。貫通穴18には、フィルタ14がカバー19で固定されている。フィルタ14は、貫通穴18からモータ内部に異物が侵入することを防ぐものであるが、フィルタ14によって上記の掃気動作による気体置換が妨げられないよう、メッシュサイズに留意する。ここでは、2〜7ml/cm2・secのサイズを使用している。図1記載の大きさのモータでは、上記のメッシュサイズのフィルタ14を4箇所の貫通穴に設置している。また、中空減速機13の出力軸の中空部と保護カバー15の間に外側からの進入を防ぐ向きにオイルシール46を設けている。また、回転軸7の反負荷側端と保護カバー15の間にもオイルシール50を設けている。
次に掃気動作について説明する。まず、コントローラ22の電源を供給すると、コントローラ22より電磁弁36の切り換え命令がだされ、圧力調整器33により通常運転時の圧力より更に高い圧力に調整された保護気体が、管路26を介して、気密室37に導入される。このとき、コントローラ22内の図示しないタイマーは時間のカウントを開始する。また、このとき開放弁38は閉の状態である。
管路26は、各々のモータの近傍で保護気体を開放しており、さらに各々のモータは、上述のように所定の貫通穴を備えているため、モータ内部空間の気体が確実に保護気体に置換される。
そして、タイマーが所定の時間を計測し終わると、コントローラ22から電磁弁36に切り換え命令がだされ、開放弁38を開の状態にする。ここで、タイマーの計測する時間は、気密室の圧力が所定の圧力になるまでの時間であって、予め試験等で計測しておく。そして、開放弁38の開放と同時にフロースイッチ39により、気密室37から排出される気体の流量測定を開始する。所定量の流量が流出すると、フロースイッチ39の信号によって、コントローラ22は電磁弁36へ切り換え命令を送出し、開放弁38が閉の状態になり、掃気が完了する。そして、モータへの電源供給が可能となり、上述した通常運転状態としてロボット動作が可能となる。
なお、圧力検出器40は、これら掃気動作中においても、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くなった場合を検知し、圧力調整弁41は、気密室の圧力が高くなりすぎた場合に圧力を開放する。フロースイッチ39が設けられない場合には、圧力検出器40の掃気動作時の圧力監視において、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くならないことで代用する場合も有る。
Claims (7)
- 各関節軸を駆動する複数のモータと、前記モータが配置される気密室とを備え、危険雰囲気に設置され、
前記関節軸の少なくとも1つに減速機一体中空モータを備え、
前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部の固定部に形成され、モータ内部と前記気密室とを連通させる貫通穴と、前記モータ部の前記固定部の減速機側に配置した軸受の両側にそれぞれ外側方向からの進入物を遮断する方向に配置された第1シール部材とが設けられたことを特徴とする内圧防爆構造のロボット。 - 前記減速機一体中空モータの中空部に配線が通されたことを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
- 前記貫通穴は、前記モータ部の電磁部と前記減速機側に配置した第1シール部材との空間部にモータの軸と直交する方向に設けられたことを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
- 前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部に設けられた前記減速機の出力軸の中空部と保護カバーの間に外部からの進入を防ぐ方向に第2シール部材をさらに設けたことを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
- 前記貫通穴は、前記モータの関節軸に、前記関節軸の軸方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。
- 各関節軸を駆動する複数のモータと、前記モータが配置される気密室とを備え、危険雰囲気に設置され、
前記ロボットの上部のアームに備えられた前記気密室に配置される前記関節軸に減速機一体中空モータを備え、
前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部の固定部に形成され、モータ内部と前記気密室とを連通させる貫通穴と、前記モータ部の前記固定部の減速機側に配置した軸受の両側にそれぞれ外側方向からの進入物を遮断する方向に配置された第1シール部材とが設けられたことを特徴とする内圧防爆構造のロボット。 - 前記減速機一体中空モータのモータ部には、前記モータ部に設けられた前記減速機の出力軸の中空部と保護カバーの間に外部からの進入を防ぐ方向に第2シール部材をさらに設けたことを特徴とする請求項6記載の内圧防爆構造のロボット。
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