JP5249888B2 - 刈取収穫機の走行変速装置 - Google Patents
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Description
このように、刈取収穫機の走行系の変速装置に、低速位置、中速位置、及び高速位置の変速段を備えさせるために、従来では、下記[1]に記載の構造のものが知られている。[1] コンスタントメッシュ型式の3組のギヤ対と、そのギヤ対による変速段を択一選択するための複数のシフトスリーブとを備え、これらを走行系の変速装置内で並列に配置して、シフトスリーブの操作による択一選択によって、高速、中速、低速の3段の変速段を得られるように構成したもの(特許文献1参照)。
また、この構造では、シフトスリーブの操作によるギヤ対の選択によって変速段を切り換えるものであり、機体を停止させた状態での変速操作が行なわれるものである。このため、通常の刈取作業中での変速操作を行う場合では特に問題はないが、例えば、機体を走行させながら圃場から畦へ出て高速で移動したい場合や、刈取作業途中で部分的に倒伏度合いが大きい箇所が点在する場合に、ごく短時間だけ一時的に低速刈取作業を行い、すぐに元の刈取作業速度に復帰させたい場合などにも、その都度、一旦機体を止めてから変速操作を行わなければならず、これを繰り返しながら何度も行うという煩わしさがある。
〔解決手段1〕
本発明における刈取収穫機の走行変速装置は、エンジンの動力を刈取部への伝動系と走行装置への伝動系の2系統に分岐させ、前記走行装置への伝動系に、走行主変速部と、走行副変速部と、を直列に備え、
前記走行主変速部として静油圧式無段変速装置を備え、前記走行副変速部として2段に変速自在な走行用の第1変速装置と、2段に変速自在な走行用の第2変速装置とを直列に備え、
前記第1変速装置を、人為操作具の操作で変速ギヤの咬合状態を選択切り換えすることにより変速可能なギヤ伝動機構によって構成するとともに、前記第2変速装置を、変速操作に伴って伝動上手側と伝動下手側との間に生じた速度差を自動的に漸減させて動力伝達を行うための速度差緩和手段を備えた変速装置によって構成し、
前記第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作されると、刈取作業速度が得られ、前記第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作されると、前記刈取作業速度よりも低速の低速刈取作業速度が得られるように構成し、
前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作されると、前記刈取作業速度よりも高速の移動速度が得られ、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作されると、前記移動速度よりも低速の刈取作業速度が得られるように構成してある。
上記解決手段1で示した構成によると、複数段に変速自在な走行用の第1変速装置と複数段に変速自在な走行用の第2変速装置とを直列に備えたものであるから、第1変速装置での変速段の伝動比と第2変速装置での変速段の伝動比との積によって出力される変速段の伝動比が決定されるので、第1変速装置又は第2変速装置の何れか一方のみによって所要の伝動比を得るように構成したものに比べ、個々の変速装置で設定される伝動比としては比較的小さなもので済み、各変速装置のギヤ対を小型化して、ミッションケース全体の小型化をも図ることができる。
このため、圃場から畦へ出てすぐに高速で移動したい場合に、機体を停止させずに変速操作を行ってスムースに移動させることが可能になる。また、刈取作業途中で部分的に存在している倒伏度合いが大きい穀稈を、一時的に低速刈取作業速度で刈り取って、すぐに元の刈取作業速度に復帰させるような一連の変速操作を、機体走行状態のまま行うことが可能となる。特に部分的に倒伏度合いの大きい箇所が多数点在しているような圃場で、その都度機体を完全に停止させるような、時間的ロスの生じる虞が少ないスムースな操作を行い易いものである。
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項2に記載のように、前記静油圧式無段変速装置の左右一側に、前記静油圧式無段変速装置の出力軸の動力が伝達される第1軸が左右向きに備えられ、前記第1軸に、前記第1変速装置が備えられ、前記第1軸の下方に、前記第1軸の動力が伝達される第2軸が左右向きに備えられ、前記第2軸に、前記第2変速装置が備えられ、前記第2変速装置は、少なくともその一部が前記静油圧式無段変速装置と上下に重複するように前記静油圧式無段変速装置の下方に配置されていることである。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項3に記載のように、第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作された状態での伝動比と、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作された状態での伝動比とを、同じ伝動比に設定してあることである。
上記の解決手段3で示した構成によると、第1変速装置が低速位置で第2変速装置が高速位置である状態での伝動比と、第1変速装置が高速位置で第2変速装置が低速位置である状態での伝動比とが同じであることにより、低速の低速刈取作業速度から刈取作業速度への変速操作を行う場合も、高速の移動速度から刈取作業速度への変速操作を行う場合も、選択される刈取作業速度は同じ速度となる。
したがって、主な作業形態に応じて、低速側での作業速度が要望される可能性が高いときには、第1変速装置を低速位置にした状態で第2変速装置の高速位置で刈取作業速度を設定し、逆に、高速側での作業速度が要望される可能性が高いときには、第1変速装置を高速位置にした状態で第2変速装置の低速位置で刈取作業速度を設定しておけば、必要に応じて第2変速装置を切り換え操作して、所要の高速側又は低速側の速度と、適正な刈取速度として設定されている同じ伝動比の刈取作業速度とを任意に切り換え選択して、良好な刈取作業を行うことができる。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、請求項4に記載のように、第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作された状態での刈取作業速度よりも、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作された状態での刈取作業速度が高速であるように、前記第1変速装置及び第2変速装置の伝動比を設定してあることである。
上記の解決手段4で示した構成によると、第1変速装置が低速位置で第2変速装置が高速位置に操作された状態での刈取作業速度よりも、第1変速装置が高速位置で第2変速装置が低速位置に操作された状態での刈取作業速度が高速であるように、第1変速装置及び第2変速装置の伝動比を設定してある。
これにより、例えば、刈取条件によって、つまり刈取対象の穀稈の倒伏などが殆どない良好な条件では、高速側の刈取作業速度で能率の良い刈取作業を行い、それよりも多少条件の良くない場合に低速側の刈取作業速度で刈取作業を行うなどの使い分けができる。
したがって、主な作業形態として、低速側での作業速度が要望される可能性が高いときには、低速側での作業に特化した変速状態として良好な作業を行い、逆に、高速側での作業速度が要望される可能性が高いときには、より高速側での作業に特化した変速状態として良好な作業を行い易いという利点がある。
〔コンバインの全体構成〕
図1は、本発明に係る走行伝動装置20を装備したコンバインの全体側面図である。この図に示すように、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1、および運転座席2を有した走行機体と、この走行機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り前処理部10とを備え、前記機体フレーム3の後部側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置4と穀粒タンク5とを備えている。
すなわち、走行機体は、前記運転座席2の下方に設けたエンジン6(図2参照)と、前記機体フレーム3の前端部に設けた前記走行伝動装置20とを備え、前記エンジン6から出力された駆動力を前記走行伝動装置20によって変速して前記左右一対の走行装置1,1に伝達し、これによって前記左右一対の走行装置1,1を駆動して走行する。
図2は、エンジン6から出力された動力を、走行装置1,1、及び刈取前処理部10へ導く伝動系を示す線図である。図3は、前記走行伝動装置20の縦断正面図、図4は、走行伝動装置20の縦断側面図である。
これらの図に示すように、前記走行伝動装置20は、後述するポンプ軸21を入力軸として上端部に回転自在に備え、下端部に前記左右一対の走行駆動軸1a,1aを回転自在に有したミッションケース22と、このミッションケース22の上端部に収容された走行主変速部としての静油圧式無段変速装置23(以下、HST23と呼称する。)と、このHST23よりも走行機体下方側に位置させて前記ミッションケース22に収容された走行ミッション部30とを備えている。
そして、ポンプ軸21を介してミッションケース22に入力されたエンジン6の駆動力は、静油圧式無段変速装置23に入力され、この静油圧式無段変速装置23によって前進駆動力と後進駆動力とに変換され、かつ前進側においても後進側においても無段階に変速し得るように構成されている。
前記静油圧式無段変速装置23のモータ軸26からの出力は、走行ミッション部30の入力ギヤ31に入力され、入力ギヤ31の駆動力を走行副変速部32によって変速してセンタギヤ50に伝達し、このセンタギヤ50の駆動力を操向機構51によって左右一対の走行駆動軸1a,1aに伝達することによって左右一対の走行装置1,1が駆動される。
前記走行副変速部32は、図2乃至図5に示すように、複数段に変速自在な走行用の第1変速装置Aと、複数段に変速自在な走行用の第2変速装置Bとを直列に備えて構成されている。
前記第1変速装置Aは、運転座席2を有した搭乗運転部で操縦者が人為操作することが可能な人為操作具としての副変速レバー81(図10参照)の揺動操作で変速ギヤの咬合状態を選択切り換えすることにより変速可能なギヤ伝動機構によって構成してあり、前記第2変速装置Bは、変速操作に伴って伝動上手側と伝動下手側との間に生じた速度差を自動的に漸減させて動力伝達を行うための速度差緩和手段Cを備えた変速装置によって構成してある。
図7(a)に示すように、前記シリンダ部39a及び油圧ピストン39bが中間軸第1ギヤ40の横側部に押し当てられた状態では、シリンダ部39aの外周側のギヤ部分が、前記中間軸第1ギヤ40の横側部に形成された内歯状ギヤ部40aに係合するとともに、出力軸45の出力軸第1ギヤ44と噛合している。
このとき、前記中間伝動軸38の一端部に相対回転自在に支持された低速ギヤ41と前記中間伝動軸38とにわたって設けた摩擦クラッチ42はクラッチ切り状態にあり、中間伝動軸38の回転は低速ギヤ41に伝わらないように構成されている。
同時的に、前記中間伝動軸38の一端部に相対回転自在に支持された低速ギヤ41と前記中間伝動軸38とにわたって設けた摩擦クラッチ42が、油圧ピストン42bによって切り状態から入り状態に切り換え操作されるように構成されている。
つまり、摩擦クラッチ42のケース部42aが中間伝動軸38に固定してあり、図7(b)に示すように、供給された圧油によって油圧ピストン42bがケース部42aから離れる側へ移動し、低速ギヤ41との間で支持された摩擦板を押圧してクラッチ入り状態とすることより、中間伝動軸38の回転を低速ギヤ41に伝えられるように構成してある。
この中速状態は、前記シフトギヤ35が高速ギヤ36に噛み合い操作され、クラッチギヤ39が中間軸第1ギヤ40の横側部に係合操作された状態での中速状態と同じ速度となるように、走行副変速部32での伝動比を設定してある。
前記第2変速装置Bにおいて、変速操作に伴って伝動上手側と伝動下手側との間に生じた速度差を自動的に漸減させて動力伝達を行うために設けられる速度差緩和手段Cは、クラッチギヤ39と低速ギヤ41との中間位置の中間伝動軸38上に配置された油圧操作式の摩擦クラッチ42によって構成されている。
この摩擦クラッチ42は、中間伝動軸38に外嵌して固定されたケース部42aと、前記中間伝動軸38に対して相対回転のみ自在で軸線方向移動を阻止した状態に支持された低速ギヤ41と、このケース部42aと前記低速ギヤ41との間で支持された多数の摩擦板と、その摩擦板を前記低速ギヤ41との間で挟持するように低速ギヤ41側へ押し付け付勢可能な油圧ピストン42bとで構成されている。
また、前記クラッチギヤ39は、そのギヤ部分が、高速側及び低速側の何れの側に変速されても、前記出力軸45側の出力軸第1ギヤ44との噛合状態を維持し得る歯幅に設定されている。
前記操向機構51は、図2、3、6、及び図8に示すように、左右一対の走行装置1,1を直進状態と大半径旋回状態と小半径旋回状態とに切り換え操作するためのものである。この操向機構51は、左右一対の操向クラッチギヤ52,52、これに一体成形された油圧ピストン52a,52a、前記操向クラッチギヤ52,52が係合する内歯部を備えたセンタギヤ50、前記センタギヤ50の小径ギヤ部に噛み合った減速ギヤ57と中間伝動軸58とにわたって設けた減速伝動クラッチ59、前記中間伝動軸58からの動力を前記操向クラッチギヤ52,52に対して断続切り操作する左右の伝動クラッチ54,56を備えて構成されている。
これにより、操向機構51は、左右一対の走行駆動軸1a,1aを同一の駆動速度で駆動し、左右一対の走行装置1,1を同じ駆動方向に同じ駆動速度で駆動して走行機体を直進走行させる。
これにより、操向機構51は、左右一対の走行駆動軸1a,1aの一方を駆動し、他方の走行駆動軸1aを遊転状態にし、左右一対の走行装置1,1の一方のみを駆動して走行機体を大旋回半径で旋回走行させる。
これにより、操向機構51は、左右一対の走行駆動軸1a,1aの一方を直進走行時と同じ駆動速度で駆動し、他方の走行駆動軸1aを直進走行時よりも低速で駆動し、左右一対の走行装置1,1を同じ駆動方向に異なる駆動速度で駆動して走行機体を小旋回半径で旋回走行させる。
上記伝動系の制御形態について説明する。
つまり、前記油圧ポンプ71は、前記ポンプ軸21によって駆動され、前記ミッションケース22の内部に貯留されている潤滑油を吸引して圧油を吐出し、吐出した圧油を前記各油圧ピストン39b,42b,52a,54a,56a,59aに供給して走行ミッション部30の切り換え操作を行わせる。
そして、前記パイロット操作弁V7,V8のうち、一方のパイロット操作弁V7は前記操向用電磁弁V3,V4のうちの、左側の伝動クラッチ54を操作する操向用電磁弁V4から供給されるパイロット圧で作動するように構成してあり、他方のパイロット操作弁V8は前記操向用電磁弁V3,V4のうちの、右側の伝動クラッチ56を操作する操向用電磁弁V3から供給されるパイロット圧で作動するように構成してある。
同様に、前記他方のパイロット操作弁V8に接続される第8油路L8は、右側の操向クラッチギヤ52と右側の伝動クラッチ56との双方に対して圧油を供給するように接続してあり、かつ、伝動クラッチ56に対しては、絞りS3を介して伝動クラッチ56が操向クラッチギヤ52よりも緩やかに作動するように構成してある。
また、アキュムレータ77を介して圧油が供給されるので、副変速用電磁弁V1の切換操作に伴って急速に圧油が供給された場合にも、アキュムレータ77の緩衝効果で、摩擦クラッチ42の摩擦板が急激に圧接されることを回避できる。
そして、この弁機構V6では、クラッチギヤ39に圧油が供給されてシリンダ部39aが中間第1ギヤ40から離れる側へ移行すると、前記絞りS1がシリンダ部39bで閉塞されて前記第6油路L6の開放状態を阻止した状態に切り替わり、アキュムレータ77側から供給される圧で摩擦クラッチ42をクラッチ入り側へ操作するように構成してある。このとき、前記第5油路L5も開閉弁V5で閉じられている。
図10で旋回モード切り換えスイッチ84が「信地」の位置に操作されていると、制動制御用電磁弁V2は図9に図示される状態から切り換えられて、第1油路L1からのパイロット圧が制動切換弁V10側に作用する状態となり、制動切換弁V10が操向ブレーキ6を操作する側に切り換えられる。
すなわち、操向レバー83が中立位置Nに位置している状態では、操向用電磁弁V3,V4の何れもが作用しない機体直進状態となっている。
操向レバー83が右側の旋回位置R1に操作されると、操向用電磁弁V3,V4のうち、右側の操向クラッチギヤ52と右側の伝動クラッチ56との双方を操作する右用のパイロット弁V8に対して圧油を供給する右用の操向用電磁弁V3が入り側に操作されて、右の走行装置1が遊転状態となり、操向レバー83が右側の旋回位置R2に操作れると、右の操向装置1が直進走行時よりも低速で駆動される(又は、ブレーキが掛かる)。
操向レバー83が左側の旋回位置L1に操作されると、操向用電磁弁V3,V4のうち、左側の操向クラッチギヤ52と左側の伝動クラッチ54との双方を操作する左用のパイロット弁V7に対して圧油を供給する右用の操向用電磁弁V4が入り側に操作されて、左の走行装置1が遊転状態となり、操向レバー83が左側の旋回位置L2に操作されると、左の走行装置1が直進走行時よりも低速で駆動される(又は、ブレーキが掛かる)。
上記の実施形態では、第1変速装置Aが低速位置に操作され且つ第2変速装置Bが高速位置に操作された状態での伝動比と、前記第1変速装置Aが高速位置に操作され且つ第2変速装置Bが低速位置に操作された状態での伝動比とを、同じ伝動比に設定したが、これに限らず、刈取作業を行うに可能な範囲であれば、前記伝動比を互いに異なる値に設定してもよい。
この場合、第1変速装置Aが低速位置に操作され且つ第2変速装置Bが高速位置に操作された状態での刈取作業速度よりも、前記第1変速装置Aが高速位置に操作され且つ第2変速装置Bが低速位置に操作された状態での刈取作業速度が高速であるように、前記第1変速装置A及び第2変速装置Bの伝動比を設定すると、高速側での刈取作業と移動を行う可能性が高い場合と、低速側での刈取作業と、倒伏状態の低速刈取作業を行う可能性が高い場合との夫々に応じた使用形態を選択し易い。
速度差緩和手段Cとしては、上記実施形態で示したように、油圧操作式の摩擦クラッチ42を採用したものに限らず、例えばシンクロメッシュ式の機械的なギヤ伝動装置や、このギヤ伝動装置を操作する油圧シリンダ等のアクチュエータ、流体を介して伝動する機構を採用するなど、適宜の構造を採用することができる。要は、機体走行中における変速操作が、伝動効率の大きな低下や変速ショックを招く度合いを少なくした状態で行える変速装置であればよい。
26 モータ軸(出力軸)
32 走行副変速部
34 入力軸(第1軸)
38 中間伝動軸(第2軸)
39 クラッチギヤ
42 摩擦クラッチ
80 変速レバー
81 副変速レバー
82 変速操作具(操作ボタン)
83 操向レバー
A 第1変速装置
B 第2変速装置
C 速度差緩和手段
V1 操作バルブ
Claims (4)
- エンジンの動力を刈取部への伝動系と走行装置への伝動系の2系統に分岐させ、前記走行装置への伝動系に、走行主変速部と、走行副変速部と、を直列に備え、
前記走行主変速部として静油圧式無段変速装置を備え、前記走行副変速部として2段に変速自在な走行用の第1変速装置と、2段に変速自在な走行用の第2変速装置とを直列に備え、
前記第1変速装置を、人為操作具の操作で変速ギヤの咬合状態を選択切り換えすることにより変速可能なギヤ伝動機構によって構成するとともに、前記第2変速装置を、変速操作に伴って伝動上手側と伝動下手側との間に生じた速度差を自動的に漸減させて動力伝達を行うための速度差緩和手段を備えた変速装置によって構成し、
前記第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作されると、刈取作業速度が得られ、前記第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作されると、前記刈取作業速度よりも低速の低速刈取作業速度が得られるように構成し、
前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作されると、前記刈取作業速度よりも高速の移動速度が得られ、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作されると、前記移動速度よりも低速の刈取作業速度が得られるように構成してある刈取収穫機の走行変速装置。 - 前記静油圧式無段変速装置の左右一側に、前記静油圧式無段変速装置の出力軸の動力が伝達される第1軸が左右向きに備えられ、前記第1軸に、前記第1変速装置が備えられ、
前記第1軸の下方に、前記第1軸の動力が伝達される第2軸が左右向きに備えられ、前記第2軸に、前記第2変速装置が備えられ、
前記第2変速装置は、少なくともその一部が前記静油圧式無段変速装置と上下に重複するように前記静油圧式無段変速装置の下方に配置されている請求項1記載の刈取収穫機の走行変速装置。 - 第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作された状態での伝動比と、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作された状態での伝動比とを、同じ伝動比に設定してある請求項1又は2記載の刈取収穫機の走行変速装置。
- 第1変速装置が低速位置に操作され且つ第2変速装置が高速位置に操作された状態での刈取作業速度よりも、前記第1変速装置が高速位置に操作され且つ第2変速装置が低速位置に操作された状態での刈取作業速度が高速であるように、前記第1変速装置及び第2変速装置の伝動比を設定してある請求項1又は2記載の刈取収穫機の走行変速装置。
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