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JP5247338B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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JP5247338B2 JP2008258452A JP2008258452A JP5247338B2 JP 5247338 B2 JP5247338 B2 JP 5247338B2 JP 2008258452 A JP2008258452 A JP 2008258452A JP 2008258452 A JP2008258452 A JP 2008258452A JP 5247338 B2 JP5247338 B2 JP 5247338B2
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Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関し、特に、動画像から被写体パターンを検出するために用いて好適な技術に関する。
従来、動画像から所定の被写体パターンを自動的に検出する画像処理方法が提案されており、例えば人間の顔の判定に利用することができる。このような画像処理方法は、ビデオ会議、監視システム等に使用することができる。このように画像の中から所定の被写体パターンを検出する技術としては、例えば、テンプレートマッチングを利用することによって所定の被写体パターンを検出する方式が知られている。この方式に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
特開2007−25899号公報 特開2004−171490号公報 特開2003−235035号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、入力画像から複数の縮小画像をフレーム毎に生成した上で所定の被写体パターンとテンプレートマッチングを行うと、演算処理の負荷が大きくなる。したがって、高速処理に対応するハードウェアを用いなければ、特許文献2に記載されている方法により、演算処理が間に合う程度に一定フレーム間隔でテンプレートマッチングによる検出処理をする必要がある。この場合、例えば、所定の被写体をカメラでズームアップして撮影していた場合、非処理のフレームの間に所定の被写体がフレームアウトすると、パンやチルトによる追尾を行うことができないという問題がある。
また、特許文献2に記載されている技術では、一定フレーム間隔で通常の検出処理を行うとともに、その通常の検出処理を行うフレーム間に既に検出済みの被写体の座標近傍だけを検出するフレームを挿入する。これによってテンプレートマッチングの演算処理負荷を軽減しているが、被写体の移動速度によっては検出領域に被写体が入らずに、検出できないという問題が発生する。また、カメラでズームアップする、あるいは被写体とカメラとの距離が近づくという状況に対しても、前検出フレームの座標近傍だけの検出では対応できない場合がある。
また、特許文献3に記載の技術では、入力画像と背景画像との差分を取ってこの差分をテンプレートとして登録しておく。この時、テンプレートにおける所定の被写体は、元々入力画像内の所定の被写体と同じである。カメラのズーム制御を行った場合に、そのパラメータを元に、入力画像及びテンプレート双方の所定の被写体を同じ大きさにするように解像度変換することにより、被写体パターンの検出を可能にしている。しかしながら、入力画像に一度映った被写体を追尾するという用途にしか利用できず、被写体とカメラとの距離が変化するという状況にも対応できない。したがって、被写体とカメラとの距離が変化した場合には検出精度が劣るという問題がある。
本発明は前述の問題点に鑑み、被写体パターンを検出するための演算処理の負荷が大きくならないようにするとともに、被写体パターンの検出精度を維持できるようにすることを目的とする。
本発明の画像処理装置は、画像データから所定の対象物を検出する画像処理装置であって、撮像装置から前記画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段によって入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力手段と、前記所定の対象物を示す検出パターンを記憶する検出パターン記憶手段と、前記画像入力手段によって入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍手段と、前記画像変倍手段によって生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記検出パターン記憶手段に記憶された検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出手段とを有し、前記画像変倍手段は、前記画像入力手段によって入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力手段によって入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、画像データから所定の対象物を検出する画像処理方法であって、撮像装置から前記画像データを入力する画像入力工程と、前記画像入力工程において入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力工程と、前記画像入力工程において入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍工程と、前記画像変倍工程において生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記所定の対象物を示す検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出工程とを有し、前記画像変倍工程においては、前記画像入力工程において入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力工程において入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする。
本発明のプログラムは、画像データから所定の対象物を検出する画像処理装置を制御するためのプログラムであって、前記画像データを入力する画像入力手順と、撮像装置から前記画像入力手順において入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍手順と、前記画像入力手順において入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力手順と、前記画像変倍手順において生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記所定の対象物を示す検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出手順とをコンピュータに実行させ、前記画像変倍手順においては、前記画像入力手順において入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力手順において入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする。
本発明によれば、被写体パターンの検出精度を維持できるとともに、所定の被写体の検出を高速化することができるため、被写体パターンを検出するための演算処理の負荷が大きくならないようにすることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置1の構成例を示すブロック図である。まず、本実施形態の画像処理装置1の構成について説明する。
図1において、画像入力部11は、画像データを受信するためのものである。また、画像入力部11は、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信する必要がある場合を想定し、デコード処理機能を有している。なお、画像データは、撮像装置で撮影されて生成された撮影画像や、外部の記憶装置に記憶されている画像などのデータであり、出力元は特定の機器に限定されない。
画像メモリ12は、RAMなどの読み書き可能な記憶装置で構成されており、画像入力部11で受信した画像データや画像変倍部13で変倍処理した画像データを記憶する。画像変倍部13は、画像メモリ12に記憶された画像データを読み出し、縮小画像データ(変倍画像データ)を生成して画像メモリ12に書き込むためのものである。
照合対象パターン抽出部14は、画像メモリ12に記憶された縮小画像データ上で所定サイズの矩形領域を移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出して出力する。なお、オリジナル画像も1/1の縮小画像と解釈し、縮小画像に含むことができるものとする。
検出パターン記憶部15は、入力画像から検出したい所定のパターン(対象物)を検出パターンとして予め記憶しておくためのものである。パターン検出部16は、照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部15に記憶されている検出パターンとの照合を行う。検出情報記憶部17は、パターン検出部16によって所定のパターンが検出された時に使用された縮小画像の変倍倍率の倍率情報をパターン検出部16から受け取って記憶するためのものである。
次に、図1に示した各部の動作によってなされる処理について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。画像処理装置1は、所定のパターンの検出において通常検出モードと高速検出モードとの2種類の検出モードを有する。そこで、最初は、画像処理装置1は通常検出モードで動作するものとする。
図2(a)は、本実施形態において、通常検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
処理を開始すると、まず、ステップS101において、画像入力部11は、画像データを受信する。この時、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信した場合には、受信した画像データに対してデコード処理をする。
次に、ステップS102において、画像入力部11は、この処理結果を入力画像データとして画像メモリ12へ書き込む。なお、デコード処理が不要な場合は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ12へ書き込む。
次に、ステップS103において、画像変倍部13は、画像メモリ12に記憶されている入力画像データを読み出し、複数(n(n≧2)個)の縮小画像データを生成して画像メモリ12に書き込む。
例えば、入力画像がVGA(横640画素、縦480画素)であるものとする。これを横320画素、縦240画素に縮小して1個目の縮小画像A1のデータを生成して画像メモリ12に書き込む。さらに、この縮小画像A1のデータを画像メモリ12から読み出して、横、縦ともに0.8倍した2個目の縮小画像A2のデータを生成して画像メモリ12に書き込む。以後n個目の縮小画像Anのデータを生成するまで繰り返し縮小処理を行う。ここで、縮小画像データを生成する時の変倍倍率(入力画像から見た倍率)は一例である。また、nの値は入力画像サイズ、検出パターンサイズ等の条件から変更するようにしてもよく、値を固定しておいてもよい。以後、縮小画像A1〜Anのデータを生成した変倍倍率をそれぞれ倍率A1〜Anとする。
次に、ステップS104において、照合対象パターン抽出部14は、図3(a)に示すように、縮小画像A1〜Anの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部16に出力する。ここで所定サイズとは、例えば、検出パターンと同じサイズで図3に示しているが、縮小画像An以上のサイズで任意に定めることができる。なお、矢印で示されているような手順は一例であり、順次抽出する手順は同じである必要はない。
さらに、パターン検出部16は、照合対象パターン抽出部14で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部15に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。以上のように通常検出モードでは、n個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS105において、縮小画像A1〜Anにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、ステップS101に戻り、ステップS101〜S104の処理を繰り返す。一方、ステップS105の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS106へ進む。
例えば、ステップS105において、パターン検出部16が6個目の縮小画像である縮小画像A6で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS106において、検出情報記憶部17は、入力画像から見た変倍倍率である縮小画像A6の倍率A6の情報をパターン検出部16から受け取って記憶する。そして、検出情報記憶部17に変倍倍率の情報が記憶されると、画像処理装置1は通常検出モードを終了し、高速検出モードに移行する。
図2(b)は、本実施形態において、高速検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS107において、画像入力部11は、次の最新フレームの画像データを受信する。次に、ステップS108において、ステップS102と同様に画像入力部11は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ12へ書き込む。
次に、ステップS109において、画像変倍部13は、画像メモリ12に記憶されている入力画像データを読み出し、m(n>m≧1)個の縮小画像データを生成して画像メモリ12に書き込む。縮小画像データを生成するための縮小倍率は、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率から決定する。なお、検出情報記憶部17には、変倍倍率ではなく画像サイズの情報を記憶しておき、その画像サイズから縮小倍率を決定するようにしてもよい。なお、本実施形態では、所定のパターンを検出した縮小画像の変倍倍率が倍率A6であり、倍率A6の情報が検出情報記憶部17に記憶されているものとして説明する。
例えば、m=1とした時は、画像変倍部13は、検出情報記憶部17に記憶している倍率A6で、入力画像データから縮小画像B1(=縮小画像Bm)のデータを1個生成して画像メモリ12に書き込む。
また、m=3とした時は、画像変倍部13は、検出情報記憶部17に記憶している倍率A6の1.25倍の変倍倍率である倍率A5で、入力画像データから縮小画像B1のデータを生成して画像メモリ12に書き込む。そして、この縮小画像B1のデータを画像メモリ12から読み出し、横、縦ともに0.8倍した縮小画像B2のデータを生成して画像メモリ12に書き込む。なお、この変倍倍率は検出情報記憶部17に記憶している倍率A6と同じである。
続いて、この縮小画像B2のデータを画像メモリ12から読み出し、横、縦ともに0.8倍した縮小画像B3(=縮小画像Bm)のデータを生成して画像メモリ12に書き込む。この変倍倍率は倍率A7である。このようにm≠1の時は、n個の縮小画像データを生成した時のn個の変倍倍率において、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率を中心にし、それに近い変倍倍率を使用してm個の縮小画像データを生成する。
次に、ステップS110において、照合対象パターン抽出部14は、図3(b)に示すように、縮小画像B1〜Bmの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部16に出力する。パターン検出部16は、照合対象パターン抽出部14で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部15に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。縮小画像データの数がn個より少数のm個である点で、前述のステップS104の処理とは異なっている。以上のように高速検出モードでは、m個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS111において、縮小画像B1〜Bmにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、そのまま高速検出モードを終了する。そして、検出情報記憶部17は、記憶している倍率A6の情報を消去して、画像処理装置1は通常検出モードを開始する。一方、ステップS111の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS112へ進む。
例えば、ステップS111において、パターン検出部16がm=3で、3個目の縮小画像である縮小画像B3(=縮小画像Bm)で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS112において、検出情報記憶部17は記憶している倍率A6の情報を消去して、縮小画像B3の入力画像から見た変倍倍率である倍率B3の情報をパターン検出部16から受け取って新規に記憶する。そして、ステップS107に戻り、前述した手順と同様にステップS107〜S111の処理を実行する。
なお、パターン検出部16が既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理機能を有し、照合対象パターンに対してこれらの処理を行い、パターン検出部16による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。また、既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理を有する画像処理部を別途備えるようにして、入力画像又は縮小画像に対してこれらの処理を行い、パターン検出部16による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。
また、パターン検出部16による照合において、画像の輝度成分のみを使用する構成にしてもよい。この場合、画像変倍部13は、輝度成分のみを抽出して輝度成分のみの縮小画像データを生成するようにしてもよい。
以上のように本実施形態においては、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率が存在しない時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが不明な条件下で所定のパターンを検出するために十分なn(n≧2)個の縮小画像を使用する。
ここで、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率が存在しない時とは、最初のフレームを画像入力部11が受信した時を含むこととする。一方で、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率が存在する時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが既に判明していることを利用して、所定のパターンを検出するためにm(n>m≧1)個の縮小画像を使用する。
このように、検出情報記憶部17に記憶している変倍倍率から縮小画像データを生成するための変倍倍率を限定しているため、生成する縮小画像データを少なくするとともに、所定のパターンを検出することができる。そのため、変倍処理数及び照合回数の減少によって演算処理負荷を軽減して、所定の被写体の検出を高速化することができる。
また、変倍処理数を減少させてもm>1にすることによって、所定の被写体の入力画像における大きさが変化した場合においても、検出精度を維持することできる。また、本実施形態の画像処理装置1は外部から画像データを受信する構成で説明したが、撮像装置等の画像データ出力元を画像処理装置1と一体に構成しても、本発明の効果を得ることができるのは言うまでもない。
(第2の実施形態)
以下、本実施形態について説明する。図4は、本実施形態の画像処理装置20の構成例を示すブロック図である。まず、本実施形態の画像処理装置20の構成について説明する。
図4において、画像入力部21は、外部の撮像装置2から画像データを受信するためのものである。また、画像入力部21は、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信する必要がある場合を想定し、デコード処理機能を有している。
撮像装置2は、撮影画角を変更可能なズームレンズを通して入射される光をCCD、CMOS等で光電変換してデジタルデータで構成される撮影画像データを生成する汎用のカメラである。撮像装置2は撮影画像データと共に少なくともズーム倍率を含む撮影パラメータを画像処理装置20に対して出力する。そして、撮影パラメータ記憶部28は、撮像装置2から出力された撮影パラメータを受信してパラメータ情報として記憶する。また、撮像装置2と画像処理装置20との間のデータ送受信には、Local Area Network(LAN)のような汎用的なネットワーク回線や専用ケーブルなどが使用される。
画像メモリ22は、RAMなどの読み書き可能な記憶装置で構成されており、画像入力部21で受信した画像データや画像変倍部23で変倍処理した画像データを記憶する。画像変倍部23は、画像メモリ22に記憶された画像データを読み出し、縮小画像データ(変倍画像データ)を生成して画像メモリ22に書き込むためのものである。
照合対象パターン抽出部24は、画像メモリ22に記憶された縮小画像データ上で所定サイズの矩形領域を移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出して出力する。なお、オリジナル画像も1/1の縮小画像と解釈し、縮小画像に含むことができるものとする。
検出パターン記憶部25は、入力画像から検出したい所定のパターン(対象物)を検出パターンとして予め記憶しておくためのものである。パターン検出部26は、照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部25に記憶されている検出パターンとの照合を行う。検出情報記憶部27は、パターン検出部26によって所定のパターンが検出された時に使用された縮小画像の変倍倍率の倍率情報をパターン検出部26から受け取って記憶するためのものである。
次に、図4に示した各部の動作によってなされる処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。画像処理装置20は、所定のパターンの検出において通常検出モードと高速検出モードとの2種類の検出モードを有する。そこで、最初は、画像処理装置20は通常検出モードで動作する。
図5(a)は、本実施形態において、通常検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
処理を開始すると、まず、ステップS201において、画像入力部21は画像データを撮像装置2から受信し、撮影パラメータ記憶部28はその画像データに関する撮影パラメータを受信する。
次に、ステップS202において、画像入力部21は、入力画像データを画像メモリ22へ書き込む。この時、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データを受信した場合には、画像入力部21はマーカーコードを除去するなどのデコード処理をして、この処理結果を入力画像データとして画像メモリ22へ書き込む。また、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信した場合も、受信した画像データに対して伸長処理等のデコード処理をして、この処理結果を入力画像データとして画像メモリ22へ書き込む。デコード処理が不要な場合は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ22へ書き込む。また、撮影パラメータ記憶部28は受信した撮影パラメータを記憶する。
次に、ステップS203において、画像変倍部23は、画像メモリ22に記憶されている入力画像データを読み出し、n(n≧2)個の縮小画像データを生成して画像メモリ22に書き込む。
例えば、入力画像がVGA(横640画素、縦480画素)であるものとする。これを横320画素、縦240画素に縮小して1個目の縮小画像A1のデータを生成して画像メモリ22に書き込む。さらに、この縮小画像A1のデータを画像メモリ22から読み出して、横、縦ともに0.8倍した2個目の縮小画像A2のデータを生成して画像メモリ22に書き込む。以後、n個目の縮小画像Anのデータを生成するまで繰り返し縮小処理を行う。ここで、縮小画像データを生成する時の変倍倍率(入力画像から見た倍率)は一例である。またnの値は入力画像サイズ、検出パターンサイズ等の条件から変更するようにしてもよく、値を固定しておいてもよい。以後、縮小画像A1〜Anのデータを生成した変倍倍率をそれぞれ倍率A1〜Anとする。
次に、ステップS204において、照合対象パターン抽出部24は、図6(a)に示すように縮小画像A1〜Anの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部26に出力する。ここで所定サイズとは、例えば、検出パターンと同じサイズで図6に示しているが、縮小画像An以上のサイズで任意に定めることができる。なお、矢印で示されているような手順は一例であり、順次抽出する手順は同じである必要はない。
さらに、パターン検出部26は、照合対象パターン抽出部24で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部25に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。以上のように通常検出モードでは、n個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS205において、縮小画像A1〜Anにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、ステップS201に戻り、ステップS201〜S204の処理を繰り返す。一方、ステップS205の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS206へ進む。
例えば、ステップS205において、パターン検出部26が6個目の縮小画像である縮小画像A6で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS206において、検出情報記憶部27は、入力画像から見た変倍倍率である縮小画像A6の倍率A6の情報をパターン検出部26から受け取って記憶する。そして、検出情報記憶部27に変倍倍率の情報が記憶されると、画像処理装置20は通常検出モードを終了し、高速検出モードに移行する。
図5(b)は、本実施形態において、高速検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS207において、画像入力部21は次の最新フレームの画像データを撮像装置2から受信し、撮影パラメータ記憶部28はその画像データに関する撮影パラメータを受信する。次に、ステップS208において、ステップS202と同様に画像入力部21は受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ22へ書き込む。さらに、撮影パラメータ記憶部28は1つ前のフレームの撮影パラメータに追加するように、最新フレームの撮影パラメータを記憶する。
次に、ステップS209において、画像変倍部23は、画像メモリ22に記憶されている入力画像データを読み出し、m(n>m≧1)個の縮小画像データを生成して画像メモリ22に書き込む。縮小画像データを生成するための縮小倍率は、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率と、撮影パラメータ記憶部28に記憶している撮影パラメータ(撮像装置2のズーム倍率)とから決定する。なお、本実施形態では、所定のパターンを検出した縮小画像の変倍倍率が倍率A6であり、倍率A6の情報が検出情報記憶部27に記憶されているものとして説明する。
まず、一例として、m=1の時の動作を説明する。検出情報記憶部27に記憶している倍率A6が0.4倍、1つ前のフレームのズーム倍率が2倍、最新フレームのズーム倍率が5倍であるとする。この時、最新フレームの縮小画像生成用の変倍倍率A6´は下記の式で求める。
A6´=A6×(1つ前のフレームのズーム倍率)÷(最新フレームのズーム倍率)
=0.4×2÷5
=0.16[倍]
画像変倍部23はこの倍率A6´で入力画像データから縮小画像B1(=縮小画像Bm)のデータを1個生成して画像メモリ22に書き込む。なお、画像変倍部23が固定倍しか処理できない構成である時は、倍率A6´とは異なるが、近い値を代用しても構わない。
次に、m=3である時の例について説明する。検出情報記憶部27に記憶している倍率A6が0.4倍、1つ前のフレームのズーム倍率が2倍、最新フレームのズーム倍率が5倍であるとする。まず、前述したm=1の時の例と同様の手順で倍率A6´を求める。そして、画像変倍部23は、この倍率A6´の1.25倍の変倍倍率で入力画像データから縮小画像B1のデータを生成して画像メモリ22に書き込む。次に、この縮小画像B1のデータを画像メモリ22から読み出し、横、縦ともに0.8倍した縮小画像B2のデータを生成して画像メモリ22に書き込む。この変倍倍率は倍率A6´と同じである。
続いて、この縮小画像B2のデータを画像メモリ22から読み出し、横、縦ともに0.8倍した縮小画像B3(=縮小画像Bm)のデータを生成して画像メモリ22に書き込む。このようにm≠1の時は、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率と撮影パラメータ記憶部28に記憶している撮影パラメータとから決定した変倍倍率を中心にし、それに近い変倍倍率を使用してm個の縮小画像データを生成する。
次に、ステップS210において、照合対象パターン抽出部24は、図6(b)に示すように、縮小画像B1〜Bmの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部26に出力する。パターン検出部26は、照合対象パターン抽出部24で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部25に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。縮小画像データの数がn個より少数のm個である点で、前述のステップS204の処理とは異なっている。以上のように高速検出モードでは、m個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS211において、縮小画像B1〜Bmにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、そのまま高速検出モードを終了する。そして、検出情報記憶部27は、記憶している倍率A6の情報を消去して、画像処理装置20は通常検出モードを開始する。一方、ステップS211の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS212へ進む。
例えば、ステップS211において、パターン検出部26がm=3で、3個目の縮小画像である縮小画像B3(=縮小画像Bm)で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS212において、検出情報記憶部27は記憶している倍率A6の情報を消去して、縮小画像B3の入力画像から見た変倍倍率である倍率B3の情報をパターン検出部26から受け取って新規に記憶する。そして、前述した手順と同様にステップS207〜S211の処理を実行する。
本実施形態では、撮影パラメータ記憶部28に2つの撮影パラメータを記憶するものとして説明したが、両撮影パラメータ間の変化量を記憶するようにしてもよい。例えば、1つ前のフレーム及び最新フレームのズーム倍率がそれぞれ2倍と5倍とである時、その変化分である2.5倍という値を記憶するようにしてもよい。その場合は、最新フレームの縮小画像生成用の変倍倍率は(記憶している変倍倍率)÷(変化分)という計算式で求めることができる。
なお、パターン検出部26が既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理機能を有し、照合対象パターンに対してこれらの処理を行い、パターン検出部26による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。また、既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理を有する画像処理部を別途備えるようにして、入力画像又は縮小画像に対してこれらの処理を行い、パターン検出部26による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。
また、パターン検出部26による照合において、画像の輝度成分のみを使用する構成にしてもよい。この場合、画像変倍部23は、輝度成分のみを抽出して輝度成分のみの縮小画像データを生成するようにしてもよい。
以上のように本実施形態においては、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率が存在しない時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが不明な条件下で所定のパターンを検出するために十分なn(n≧2)個の縮小画像を使用する。
ここで、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率が存在しない時とは、最初のフレームを画像入力部21が受信した時を含むこととする。一方で、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率が存在する時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが既に判明していることを利用して、所定のパターンを検出するためにm(n>m≧1)個の縮小画像を使用する。
この時、検出情報記憶部27に記憶している変倍倍率と撮影パラメータ記憶部28に記憶している撮影パラメータ(ズーム倍率)とから縮小画像データを生成するための変倍倍率を限定する。そのため、撮像装置2のズーム動作によって入力画像における被写体の大きさが変化した場合においても、生成する縮小画像データを少なくするとともに、所定のパターンを検出することができる。さらに、変倍処理数及び照合回数の減少によって演算処理負荷を軽減して、所定の被写体の検出を高速化することができる。
また、変倍処理数を減少させてもm>1にすることによって、所定の被写体と撮像装置との距離の変化によって入力画像における大きさが変化した場合においても、検出精度を維持することできる。また、本実施形態の画像処理装置20と撮像装置2とが汎用的なネットワーク回線や専用ケーブルなどが使用して接続される構成で説明したが、画像処理装置20と撮像装置2とを一体に構成しても、本発明の効果を得ることができるのは言うまでもない。
(第3の実施形態)
以下、本実施形態について説明する。図7は、本実施形態の画像処理装置30の構成例を示すブロック図である。まず、本実施形態の画像処理装置30の構成について説明する。
図7において、画像入力部31は、外部の撮像装置2から画像データを受信するためのものである。また、画像入力部31は、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信する必要がある場合を想定し、デコード処理機能を有している。
撮像装置2は、撮影画角を変更可能なズームレンズを通して入射される光をCCD、CMOS等で光電変換してデジタルデータで構成される撮影画像データを生成する汎用のカメラである。撮像装置2は撮影画像データと共に少なくともズーム倍率を含む撮影パラメータを画像処理装置30に対して出力する。そして、撮影パラメータ記憶部38は、撮像装置2から出力された撮影パラメータを受信してパラメータ情報として記憶する。撮像装置2と画像処理装置30との間のデータ送受信には、Local Area Network(LAN)のような汎用的なネットワーク回線や専用ケーブルなどが使用される。
画像メモリ32は、RAMなどの読み書き可能な記憶装置で構成されており、画像入力部31で受信した画像データや画像変倍部33で変倍処理した画像データを記憶する。画像変倍部33は、画像メモリ32に記憶された画像データを読み出し、縮小画像データ(変倍画像データ)を生成して画像メモリ32に書き込む。
照合対象パターン抽出部34は、画像メモリ32に記憶された縮小画像データ上で所定サイズの矩形領域を移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出して出力する。なお、オリジナル画像も1/1の縮小画像と解釈し、縮小画像に含むことができるものとする。
検出パターン記憶部35は、入力画像から検出したい所定のパターン(対象物)を検出パターンとして予め記憶しておくためのものである。パターン検出部36は、照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部35に記憶されている検出パターンとの照合を行う。検出情報記憶部37は、パターン検出部36によって所定のパターンが検出された時に使用された縮小画像の変倍倍率の倍率情報と照合対象パターンの位置情報とをパターン検出部36から受け取って記憶する。さらに、検出情報記憶部37は、照合対象パターンの位置情報を撮像装置2に送信する。
次に、図7に示した各部の動作によってなされる処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。画像処理装置30は、所定のパターンの検出において通常検出モードと高速検出モードとの2種類の検出モードを有する。そこで、最初は、画像処理装置30は通常検出モードで動作するものとする。
図8(a)は、本実施形態において、通常検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
処理を開始すると、まず、ステップS301において、画像入力部31は画像データを撮像装置2から受信し、撮影パラメータ記憶部38はその画像データに関する撮影パラメータを受信する。
次に、ステップS302において、画像入力部31は、入力画像データを画像メモリ32へ書き込む。この時、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データを受信した場合には、画像入力部31はマーカーコードを除去するなどのデコード処理をして、この処理結果を入力画像として画像メモリ32へ書き込む。また、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信した場合も、受信した画像データに対して伸長処理等のデコード処理をして、この処理結果を入力画像データとして画像メモリ32へ書き込む。デコード処理が不要な場合は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ32へ書き込む。また、撮影パラメータ記憶部38は受信した撮影パラメータを記憶する。
次に、ステップS303において、画像変倍部33は、画像メモリ32に記憶されている入力画像データを読み出し、n(n≧2)個の縮小画像データを生成して画像メモリ32に書き込む。
例えば、入力画像がVGA(横640画素、縦480画素)であるものとする。これを横320画素、縦240画素に縮小して1個目の縮小画像A1のデータを生成して画像メモリ32に書き込む。さらに、この縮小画像A1のデータを画像メモリ32から読み出して、横、縦ともに0.8倍した2個目の縮小画像A2のデータを生成して画像メモリ32に書き込む。以後n個目の縮小画像Anのデータを生成するまで繰り返し縮小処理を行う。ここで、縮小画像データを生成する時の変倍倍率(入力画像から見た倍率)は一例である。また、nの値は入力画像サイズ、検出パターンサイズ等の条件から変更するようにしてもよく、値を固定しておいてもよい。以後、縮小画像A1〜Anのデータを生成した変倍倍率をそれぞれ倍率A1〜Anとする。
次に、ステップS304において、照合対象パターン抽出部34は、図6(a)に示すように、縮小画像A1〜Anの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部36に出力する。ここで所定サイズとは、例えば、検出パターンと同じサイズで図6に示しているが、縮小画像An以上のサイズで任意に定めることができる。なお、矢印で示されているような手順は一例であり、順次抽出する手順は同じである必要はない。
さらに、パターン検出部36は、照合対象パターン抽出部34で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部35に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。以上のように通常検出モードでは、n個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS305において、縮小画像A1〜Anにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、ステップS301に戻り、ステップS301〜S304の処理を繰り返す。一方、ステップS305の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS306へ進む。
例えば、ステップS305において、パターン検出部36が6個目の縮小画像である縮小画像A6で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS306において、検出情報記憶部37は、入力画像から見た変倍倍率である縮小画像A6の倍率A6と照合対象パターンの位置との情報をパターン検出部36から受け取って記憶する。
次に、ステップS307において、検出情報記憶部37は、縮小画像A6における照合対象パターンの位置と倍率A6とから、入力画像における所定のパターンの位置を算出して、算出結果を検出情報として撮像装置2へ送信する。そして、検出情報記憶部37に変倍倍率の情報が記憶され、検出情報が撮像装置2へ送信されると、画像処理装置30は通常検出モードを終了し、高速検出モードに移行する。
図8(b)は、本実施形態において、高速検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS308において、画像入力部31は次の最新フレームの画像データを撮像装置2から受信し、撮影パラメータ記憶部38はその画像データに関する撮影パラメータを受信する。次に、ステップS309において、ステップS302と同様に画像入力部31は受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ32へ書き込む。さらに、撮影パラメータ記憶部38は1つ前のフレームの撮影パラメータに追加するように、最新フレームの撮影パラメータを記憶する。
次に、ステップS310において、画像変倍部33は、画像メモリ32に記憶されている入力画像データを読み出し、m(n>m≧1)個の縮小画像データを生成して画像メモリ32に書き込む。縮小画像データを生成するための縮小倍率は、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率と、撮影パラメータ記憶部38に記憶している撮影パラメータ(撮像装置2のズーム倍率)とから決定する。なお、本実施形態では、所定のパターンを検出した縮小画像の変倍倍率が倍率A6であり、倍率A6の情報が検出情報記憶部37に記憶されているものとして説明する。
まず、一例としてm=1の時の動作を説明する。検出情報記憶部37に記憶している倍率A6が0.4倍、1つ前のフレームのズーム倍率が2倍、最新フレームのズーム倍率が5倍であるとする。この時、最新フレームの縮小画像生成用の変倍倍率A6´は下記の式で求める。
A6´=A6×(1つ前のフレームのズーム倍率)÷(最新フレームのズーム倍率)
=0.4×2÷5
=0.16[倍]
画像変倍部33はこの倍率A6´で入力画像データから縮小画像B1(=縮小画像Bm)のデータを1個生成して画像メモリ32に書き込む。なお、画像変倍部33が固定倍しか処理できない構成である時は、倍率A6´とは異なるが、近い値を代用しても構わない。
次に、m=3である時の例について説明する。検出情報記憶部37に記憶している倍率A6が0.4倍、1つ前のフレームのズーム倍率が2倍、最新フレームのズーム倍率が5倍であるとする。まず、前述したm=1の時の例と同様の手順で倍率A6´を求める。そして、画像変倍部33は、この倍率A6´の1.25倍の変倍倍率で入力画像データから縮小画像B1のデータを生成して画像メモリ32に書き込む。次に、この縮小画像B1のデータを画像メモリ32から読み出し、横、縦ともに0.8倍して縮小画像B2のデータを生成して画像メモリ32に書き込む。この変倍倍率は倍率A6´と同じである。
続いて、この縮小画像B2のデータを画像メモリ32から読み出し、横、縦ともに0.8倍した縮小画像B3(=縮小画像Bm)のデータを生成して画像メモリ32に書き込む。このようにm≠1の時は、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率と撮影パラメータ記憶部38に記憶している撮影パラメータとから決定した変倍倍率を中心にし、それに近い変倍倍率を使用してm個の縮小画像データを生成する。
次に、ステップS311において、照合対象パターン抽出部34は、図6(b)に示すように、縮小画像B1〜Bmの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部36に出力する。パターン検出部36は、照合対象パターン抽出部34が抽出した照合対象パターンが検出パターン記憶部35に記憶されている検出パターンに該当するかどうかについて、順次照合を行う。縮小画像データの数がn個より少数のm個である点で、前述のステップS304の処理とは異なっている。以上のように高速検出モードでは、m個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS312において、縮小画像B1〜Bmにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、そのまま高速検出モードを終了する。そして、検出情報記憶部37は、記憶している倍率A6の情報を消去して、画像処理装置30は通常検出モードを開始する。一方、ステップS312の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS313へ進む。
例えば、ステップS312において、パターン検出部36がm=3で、3個目の縮小画像である縮小画像B3(=縮小画像Bm)で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS313において、検出情報記憶部37は記憶している倍率A6と照合対象パターンの位置との情報を消去する。そして、縮小画像B3の入力画像から見た変倍倍率である倍率B3と照合対象パターンの位置との情報をパターン検出部36から受け取って新規に記憶する。
次に、ステップS314において、検出情報記憶部37は、縮小画像B3における照合対象パターンの位置と倍率B3とから、入力画像における所定のパターンの位置を算出して、算出結果を検出情報として撮像装置2へ送信する。そして、ステップS308に戻り、前述した手順と同様にステップS308〜S312の処理を実行する。
本実施形態では、撮影パラメータ記憶部38に2つの撮影パラメータを記憶するものとして説明したが、両撮影パラメータ間の変化量を記憶するようにしてもよい。例えば、1つ前のフレーム及び最新フレームのズーム倍率がそれぞれ2倍と5倍とである時、その変化分である2.5倍という値を記憶するようにしてもよい。その場合は、最新フレームの縮小画像生成用の変倍倍率は(記憶している変倍倍率)÷(変化分)という計算式で求めることができる。
なお、パターン検出部36が既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理機能を有し、照合対象パターンに対してこれらの処理を行い、パターン検出部36による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。また、既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理を有する画像処理部を別途備えるようにして、入力画像又は縮小画像に対してこれらの処理を行い、パターン検出部36による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。
また、パターン検出部36による照合において、画像の輝度成分のみを使用する構成にしてもよい。この場合、画像変倍部33は、輝度成分のみを抽出して輝度成分のみの縮小画像データを生成するようにしてもよい。
以上のように、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率が存在しない時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが不明な条件下で、検出パターン記憶部35に記憶されている検出パターンを検出するために十分なn(n≧2)個の縮小画像を使用する。
ここで、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率が存在しない時とは、最初のフレームを画像入力部31が受信した時を含むこととする。一方で、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率が存在する時は、入力画像上における所定の被写体の大きさが既に判明していることを利用して、検出パターンを検出するためにm(n>m≧1)個の縮小画像を使用する。
この時、検出情報記憶部37に記憶している変倍倍率と撮影パラメータ記憶部38に記憶している撮影パラメータ(ズーム倍率)とから縮小画像データを生成するための変倍倍率を限定する。そのため、撮像装置2のズーム動作によって入力画像における被写体の大きさが変化した場合においても、生成する縮小画像データを少なくするとともに、検出パターンを検出することができる。さらに、変倍処理数及び照合回数の減少によって演算処理負荷を軽減して、所定の被写体の検出を高速化することができる。
また、変倍処理数を減少させてもm>1にすることによって、所定の被写体と撮像装置との距離の変化によって入力画像における大きさが変化した場合においても、検出精度を維持することできる。
また、所定の被写体を検出して撮像装置2へ入力画像(撮影画像)における所定のパターンの位置の情報を検出情報として送信することによって、撮像装置2による所定の被写体の追尾動作を可能にする。ここで、追尾動作とは、パン機構、チルト機構、ズーム機構、画像切り出し処理等の撮像装置2が有する機能を使用して所定パターンを撮影画像内に捕らえ続けることである。
追尾動作時、所定の被写体をズームアップすると画角が狭くなり、通常検出モードのままでは、検出に多くの時間がかかって所定の被写体がフレームアウトしてしまう可能性がある。しかしながら、最初に所定のパターンを検出した後で追尾を行うため、既に高速検出モードで所定パターンの検出を行って検出情報を送信して、撮像装置2は所定パターンを撮影画像内に捕らえ続けることができる。
また、本実施形態の画像処理装置30と撮像装置2とが汎用的なネットワーク回線や専用ケーブルなどが使用して接続される構成で説明したが、画像処理装置30と撮像装置2とを一体に構成しても、本発明の効果を得ることができるのは言うまでもない。また、第1の実施形態のように、撮影パラメータ記憶部を有しない画像処理装置であっても、入力画像データの送信先が特定できる場合には、所定のパターンの位置情報を送信先に送信してもよい。
(第4の実施形態)
以下、本実施形態について説明する。図9は、本実施形態の画像処理装置40の構成例を示すブロック図である。まず、本実施形態の画像処理装置40の構成について説明する。
図9において、画像入力部41は、画像データを受信するためのものである。また、画像入力部11は、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信する必要がある場合を想定して、画像入力部41にデコード処理機能を有している。なお、画像データは、撮像装置で撮影されて生成された撮影画像や、外部の記憶装置内に記憶されている画像などのデータであり、出力元は特定の機器に限定されない。
画像メモリ42は、RAMなどの読み書き可能な記憶装置で構成されており、画像入力部41で受信した画像データや画像変倍部43で変倍処理した画像データを記憶する。画像変倍部43は、画像メモリ42に記憶された画像データを読み出し、縮小画像データ(変倍画像データ)を生成して画像メモリ42に書き込むためのものである。
照合対象パターン抽出部44は、画像メモリ42に記憶された縮小画像データ上で所定サイズの矩形領域を移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出して出力する。なお、オリジナル画像も1/1の縮小画像と解釈し、縮小画像に含むことができるものとする。
検出パターン記憶部45は、入力画像から検出したい所定のパターン(対象物)を検出パターンとして予め記憶しておくためのものである。パターン検出部46は、照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部45に記憶されている検出パターンとの照合を行う。さらに、検出した所定のパターンから得られる画素について、画素毎にYUV値に変換する。検出情報記憶部47は、パターン検出部46によって所定のパターンが検出された時に使用された縮小画像の変倍倍率の情報及び色情報をパターン検出部46から受け取って記憶する。
次に、図9に示した各部の動作によってなされる処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。画像処理装置40は、所定のパターンの検出において通常検出モードと高速検出モードとの2種類の検出モードを有する。そこで、最初は、画像処理装置40は通常検出モードで動作するものとする。
図10(a)は、本実施形態において、通常検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
処理を開始すると、まず、ステップS401において、画像入力部41は、画像データを受信する。この時、特定の通信方式に準拠したマーカーコード付きのプロトコルに適合させた画像データや、JPEG/MPEG4等の圧縮処理された画像データを受信した場合には、受信した画像データに対してデコード処理をする。
次に、ステップS402において、この処理結果を入力画像データとして画像メモリ42へ書き込む。なお、デコード処理が不要な場合は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ42へ書き込む。
次に、ステップS403において、画像変倍部43は、画像メモリ42に記憶されている入力画像データを読み出し、n(n≧2)個の縮小画像データを生成して画像メモリ42に書き込む。
例えば、入力画像がVGA(横640画素、縦480画素)であるものとする。これを横320画素、縦240画素に縮小して1個目の縮小画像A1のデータを生成して画像メモリ42に書き込む。さらに、この縮小画像A1のデータを画像メモリ42から読み出して、横、縦ともに0.8倍した2個目の縮小画像A2のデータを生成して画像メモリ42に書き込む。以後n個目の縮小画像Anのデータを生成するまで繰り返し縮小処理を行う。ここで、縮小画像データを生成する時の変倍倍率(入力画像から見た倍率)は一例である。また、nの値は入力画像サイズ、検出パターンサイズ等の条件から変更するようにしてもよく、値を固定しておいてもよい。以後、縮小画像A1〜Anのデータを生成した変倍倍率をそれぞれ倍率A1〜Anとする。
次に、ステップS404において、照合対象パターン抽出部44は、図3(a)に示すように、縮小画像A1〜Anの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部46に出力する。ここで所定サイズとは、例えば、検出パターンと同じサイズで図3に示しているが、縮小画像An以上のサイズで任意に定めることができる。なお、矢印で示されているような手順は一例であり、順次抽出する手順は同じである必要はない。
さらに、パターン検出部46は、照合対象パターン抽出部44で抽出した照合対象パターンが所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部45に記憶されている検出パターンとの照合を順次行う。以上のように通常検出モードでは、n個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS405において、縮小画像A1〜Anにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、ステップS401に戻り、ステップS401〜S404の処理を繰り返す。一方、ステップS405の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS406へ進む。
例えば、ステップS405において、パターン検出部46が6個目の縮小画像である縮小画像A6で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS406において、検出情報記憶部47は、入力画像から見た変倍倍率である縮小画像A6の倍率A6の情報をパターン検出部46から受け取って記憶する。さらに、パターン検出部46は、検出した所定のパターンから得られる画素について、画素毎にYUV値に変換する。そして、検出情報記憶部47は、色差情報であるU及びV値の上限及び下限からなる色情報をパターン検出部46から受け取って記憶する。そして、検出情報記憶部47に変倍倍率の情報と色情報とが記憶された時、画像処理装置40は通常検出モードを終了し、高速検出モードに移行する。
図10(b)は、本実施形態において、高速検出モードにおける所定のパターンを検出する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS407において、画像入力部41は次の最新フレームの画像データを受信する。次に、ステップS408において、ステップS402と同様に画像入力部41は、受信した画像データを入力画像データとして画像メモリ42へ書き込む。
次に、ステップS409において、画像変倍部43は、画像メモリ42に記憶されている入力画像データを読み出し、m(n>m≧1)個の縮小画像データを生成して画像メモリ42に書き込む。縮小画像データを生成するための縮小倍率は、検出情報記憶部47に記憶している変倍倍率から決定する。なお、検出情報記憶部47には、変倍倍率ではなく画像サイズの情報を記憶しておき、その画像サイズから縮小倍率を決定するようにしてもよい。なお、本実施形態では、所定のパターンを検出した縮小画像の変倍倍率が倍率A6であり、倍率A6の情報が検出情報記憶部47に記憶されているものとして説明する。
例えば、m=1とした時は、画像変倍部43は、検出情報記憶部47に記憶している倍率A6で、入力画像データから縮小画像B1(=縮小画像Bm)のデータを1個生成して画像メモリ42に書き込む。
また、m=3とした時は、画像変倍部43は、検出情報記憶部47に記憶している倍率A6の1.25倍の変倍倍率である倍率A5で、入力画像データから縮小画像B1のデータを生成して画像メモリ42に書き込む。そして、この縮小画像B1のデータを画像メモリ42から読み出し、横、縦ともに0.8倍して縮小画像B2のデータを生成して画像メモリ42に書き込む。なお、この変倍倍率は検出情報記憶部47に記憶している倍率A6と同じである。
続いて、この縮小画像B2のデータを画像メモリ42から読み出し、横、縦ともに0.8倍して縮小画像B3(=縮小画像Bm)のデータを生成して画像メモリ42に書き込む。この変倍倍率は倍率A7である。このようにm≠1の時は、n個の縮小画像データを生成した時のn個の変倍倍率において、検出情報記憶部47に記憶している変倍倍率を中心にし、それに近い変倍倍率を使用してm個の縮小画像データを生成する。
次に、ステップS410において、照合対象パターン抽出部44は、図3(b)に示すように、縮小画像B1〜Bmの上で所定サイズの矩形領域を矢印で示す方向に移動させながら、この矩形に含まれる部分(画素群)を照合対象パターンとして順次抽出する。そして、パターン検出部46に出力する。そして、パターン検出部46は、照合対象パターンに対して順次下記の処理を行う。
まず、照合対象パターンにおいて検出情報記憶部47に記憶している色情報のUおよびV値の上限及び下限に含まれる画素を検出する。ここで、UおよびV値の上限及び下限に含まれる画素が一定の割合に満たない照合対象パターンは検出パターン記憶部45に記憶されている検出パターンとの照合を行わないようにする。そして、UおよびV値の上限及び下限に含まれる画素が一定の割合以上の照合対象パターンのみ、所定のパターンに該当するかどうかについて、検出パターン記憶部45に記憶されている検出パターンとの照合を行う。縮小画像データの数がn個より少数のm個である点で、前述のステップS404の処理とは異なっている。以上のように高速検出モードでは、m個の縮小画像データを生成して照合を行う。
次に、ステップS411において、縮小画像B1〜Bmにおける照合の結果、所定のパターンを検出したかどうかを判定する。この判定の結果、所定のパターンを検出しなかった場合は、そのまま高速検出モードを終了する。そして、検出情報記憶部47は記憶している倍率A6の情報と色情報とを消去して、画像処理装置40は通常検出モードを開始する。一方、ステップS411の判定の結果、所定のパターンを検出した場合は、ステップS412へ進む。
例えば、ステップS110において、パターン検出部46がm=3で、3個目の縮小画像である縮小画像B3(=縮小画像Bm)で所定のパターンを検出したものとする。この場合、ステップS412において、検出情報記憶部47は記憶している倍率A6の情報と色情報とを消去する。そして、縮小画像B3の入力画像から見た変倍倍率である倍率B3の情報と、検出した所定のパターンから得られるUおよびV値の上限及び下限からなる色情報とをパターン検出部46から受け取って新規に記憶する。そして、ステップS407に戻り、前述した手順と同様にステップS407〜S411の処理を実行する。
本実施形態では、検出した所定のパターンから得られるUおよびV値の上限及び下限からなる色情報を検出情報記憶部47に記憶するようにした。一方、輝度やRGBの色情報を記憶しておき、これらを用いて、検出パターンと照合する照合対象パターンを限定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、パターン検出部46に既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理機能を有し、照合対象パターンに対してこれらの処理を行い、パターン検出部46による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。また、既知の輝度補正処理、濃度補正処理や背景除去処理を有する画像処理部を別途備えるようにして、入力画像又は縮小画像に対してこれらの処理を行い、パターン検出部46による照合の精度をさらに高めるようにしてもよい。
また、パターン検出部46による照合において、画像の輝度成分のみを使用する構成にしてもよい。この場合、画像変倍部43は、輝度成分のみを抽出して輝度成分のみの縮小画像データを生成するようにしてもよい。
以上のように本実施形態では、第1の実施形態と同様に、検出情報記憶部47に記憶している変倍倍率から縮小画像データを生成するための変倍倍率を限定している。これにより、生成する縮小画像データを少なくするとともに、所定のパターンを検出することができる。したがって、変倍処理数及び照合回数の減少によって演算処理負荷を軽減して、所定の被写体の検出を高速化することができる。
さらに、本実施形態では、検出情報記憶部47は検出した所定のパターンから得られるUおよびV値の上限及び下限からなる色情報を記憶する。そして、UおよびV値の上限及び下限に含まれる画素が一定の割合以上の照合対象パターンのみ、検出パターン記憶部45に記憶されている検出パターンとの照合を行うことによって、さらに照合回数が減少する。そのため、演算処理負荷をより軽減して、所定の被写体の検出をさらに高速化することができる。
また、変倍処理数を減少させてもm>1にすることによって、所定の被写体と撮像装置との距離の変化によって入力画像における大きさが変化した場合においても、検出精度を維持することできる。また、本実施形態の画像処理装置40は外部から画像データを受信する構成で説明したが、撮像装置等の画像データ出力元を画像処理装置40と一体に構成しても、本発明の効果を得ることができるのは言うまでもない。さらに、第2及び第3の実施形態の画像処理装置と組み合わせてもよい。
(本発明に係る他の実施形態)
本発明の目的は前述した実施例の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体に接続したコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。コンピュータは撮像装置等の画像データ出力元と接続して画像データの受信を行う構成としてもよいし、画像データ出力元と一体に構成してもよい。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリにまず書きこまれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置において、所定のパターンを検出するための処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態において、様々なサイズの縮小画像について照合対象パターンと検出用パターンとを照合する処理を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置において、所定のパターンを検出するための処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態において、様々なサイズの縮小画像について照合対象パターンと検出用パターンとを照合する処理を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置において、所定のパターンを検出するための処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置において、所定のパターンを検出するための処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像処理装置
11 画像入力部
12 画像メモリ
13 画像変倍部
14 照合対象パターン抽出部
15 検出パターン記憶部
16 パターン検出部
17 検出情報記憶部

Claims (10)

  1. 画像データから所定の対象物を検出する画像処理装置であって、
    撮像装置から前記画像データを入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段によって入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力手段と、
    前記所定の対象物を示す検出パターンを記憶する検出パターン記憶手段と、
    前記画像入力手段によって入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍手段と、
    前記画像変倍手段によって生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記検出パターン記憶手段に記憶された検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出手段とを有し、
    前記画像変倍手段は、前記画像入力手段によって入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力手段によって入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出された場合、前記画像変倍手段は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とから算出した倍率を中心として、互いに倍率の異なる複数の第2の変倍画像データを生成することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  3. 前記所定の対象物が検出された変倍画像データにおける前記所定の対象物の位置情報を、前記入力された画像データを生成した撮像装置へ送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手段によって前記所定の対象物が検出されなかった場合は、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データと同数の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 画像データから所定の対象物を検出する画像処理方法であって、
    撮像装置から前記画像データを入力する画像入力工程と、
    前記画像入力工程において入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力工程と、
    前記画像入力工程において入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍工程と、
    前記画像変倍工程において生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記所定の対象物を示す検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出工程とを有し、
    前記画像変倍工程においては、前記画像入力工程において入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力工程において入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出された場合、前記画像変倍工程においては、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とから算出した倍率を中心として、互いに倍率の異なる複数の第2の変倍画像データを生成することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出工程において前記所定の対象物が検出されなかった場合は、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データと同数の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方法。
  8. 画像データから所定の対象物を検出する画像処理装置を制御するためのプログラムであって、
    前記画像データを入力する画像入力手順と、
    撮像装置から前記画像入力手順において入力された画像データから互いに倍率の異なる複数の変倍画像データを生成する画像変倍手順と、
    前記画像入力手順において入力された前記画像データに関する前記撮像装置のズーム倍率を入力するズーム倍率入力手順と、
    前記画像変倍手順において生成された複数の変倍画像データから一部の領域を抽出し、前記抽出した一部の領域と、前記所定の対象物を示す検出パターンとを照合して前記所定の対象物を検出する検出手順とをコンピュータに実行させ、
    前記画像変倍手順においては、前記画像入力手順において入力された第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出された場合は、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第1の画像データの次に前記画像入力手順において入力された第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とに基づいて、前記第2の画像データから第2の変倍画像データを生成するための倍率を決定するとともに、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出されなかった時よりも少数の1つ以上の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とするプログラム。
  9. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出された場合、前記画像変倍手順においては、前記第1の画像データに関するズーム倍率から前記第2の画像データに関するズーム倍率への変化率と、前記第1の画像データから前記第1の変倍画像データを生成するための倍率とから算出した倍率を中心として、互いに倍率の異なる複数の第2の変倍画像データを生成することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
  10. 前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データから前記検出手順において前記所定の対象物が検出されなかった場合は、前記第1の画像データから生成された第1の変倍画像データと同数の第2の変倍画像データを前記第2の画像データから生成することを特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
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