JP5246934B2 - Injection molding machine - Google Patents
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Description
本発明は、固定金型と可動金型の間に形成され真空化されたキャビティ内に射出装置から溶融材料を射出する射出成形機に関する。 The present invention relates to an injection molding machine that injects a molten material from an injection device into a vacuum cavity formed between a fixed mold and a movable mold .
成形金型の固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティ内を真空状態として射出を行うものは、特許文献1、特許文献2等に記載のものが公知である。前記特許文献1、特許文献2等では、キャビティ内において溶融樹脂材料がスムーズに流れ、成形不良を回避することができるという効果がある。しかし真空状態のキャビティ内に溶融樹脂材料を射出した場合、溶融樹脂材料から急激にガスが発生しやすく、表面或いは内部に気泡が発生しやすいという問題があった。 As for what inject | emits by making the inside of the cavity formed between the stationary metal mold | die of a shaping die and a movable mold into a vacuum state, the thing of patent document 1, patent document 2, etc. is well-known. In Patent Document 1, Patent Document 2, and the like, there is an effect that the molten resin material flows smoothly in the cavity and molding defects can be avoided. However, when the molten resin material is injected into the cavity in a vacuum state, there is a problem that gas is easily generated from the molten resin material and bubbles are easily generated on the surface or inside.
一方、スクリュが配設された加熱筒内を真空手段により真空状態(減圧状態)として成形材料を可塑化するものは、特許文献3、特許文献4等に記載のものが公知である。特許文献3、特許文献4等では、原料を可塑化する際に発生するガスを除去して成形品の表面に発生するシルバーストリーク等の不良を防止することができるという効果がある。しかしながら両者を組み合わせることは従来行われていなかった。また両者を単に組み合わせ出来たとしても真空状態のキャビティ内での気泡の発生をなくすことは難しかった。 On the other hand, the ones described in Patent Document 3, Patent Document 4 and the like are known in which the inside of the heating cylinder in which the screw is disposed is made into a vacuum state (depressurized state) by a vacuum means to plasticize the molding material. In Patent Document 3, Patent Document 4, and the like, there is an effect that gas such as silver streak generated on the surface of a molded product can be prevented by removing gas generated when plasticizing the raw material. However, combining them has not been done in the past. Moreover, even if the two could be simply combined, it was difficult to eliminate the generation of bubbles in the vacuum cavity.
本発明では上記の問題を鑑みて、キャビティ内を真空化して溶融材料の流動を良好にするとともに、キャビティ内に射出された溶融材料からのガス等の発生を抑えることのできる射出成形機を提供することを目的とする。 In view of the above problems, the present invention provides an injection molding machine that can evacuate the cavity to improve the flow of the molten material and suppress the generation of gas from the molten material injected into the cavity. The purpose is to do.
本発明の射出成形機は、固定金型と可動金型に間に形成され真空化されたキャビティ内に射出装置から溶融材料を射出する射出成形機において、射出装置の加熱筒内を真空化する真空ポンプを備えた真空手段が配設されるとともに、キャビティ内を真空化する真空ポンプと真空レギュレータを備えた真空手段が配設され、前記真空化されたキャビティ内に前記前記キャビティ内の真空度よりも真空度が高く真空化された加熱筒内で可塑化された溶融材料を射出することを特徴とする。 An injection molding machine according to the present invention evacuates the inside of a heating cylinder of an injection apparatus in an injection molding machine that injects a molten material from an injection apparatus into a vacuum cavity formed between a fixed mold and a movable mold. A vacuum means having a vacuum pump is disposed , a vacuum pump for evacuating the cavity and a vacuum means having a vacuum regulator are disposed, and the degree of vacuum in the cavity is within the evacuated cavity. It is characterized by injecting the plasticized molten material in a heated cylinder having a higher degree of vacuum than that of the vacuum tube.
本発明の射出成形機は、固定金型と可動金型に間に形成され真空化されたキャビティ内に射出装置から溶融材料を射出する射出成形機において、射出装置の加熱筒内を真空化する真空ポンプを備えた真空手段が配設されるとともに、キャビティ内を真空化する真空ポンプと真空レギュレータを備えた真空手段が配設され、前記真空化されたキャビティ内に前記前記キャビティ内の真空度よりも真空度が高く真空化された加熱筒内で可塑化された溶融材料を射出するので、キャビティ内の溶融材料の流動を良好にするとともに溶融材料からのガス等の発生を抑えることができる。 An injection molding machine according to the present invention evacuates the inside of a heating cylinder of an injection apparatus in an injection molding machine that injects a molten material from an injection apparatus into a vacuum cavity formed between a fixed mold and a movable mold. A vacuum means having a vacuum pump is disposed, a vacuum pump for evacuating the cavity and a vacuum means having a vacuum regulator are disposed, and the degree of vacuum in the cavity is within the evacuated cavity. Since the plasticized molten material is injected in a heated cylinder having a higher degree of vacuum than that of the vacuum, it is possible to improve the flow of the molten material in the cavity and suppress the generation of gas from the molten material. .
本発明の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の射出成形機の概略説明図である。 An embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 1 is a schematic explanatory diagram of an injection molding machine according to the present embodiment.
本発明の射出成形方法に用いられる射出成形機10は、射出装置11と図示しない型締装置からなり、型締装置の固定盤には成形金型12のうちの一方の固定金型13が、可動盤には成形金型12のうちの他方の可動金型14が取付けられている。射出装置11の加熱筒15の先端側には、シリンダヘッド16が固定され、シリンダヘッド16にはノズル17が固定されている。加熱筒15およびノズル17には図示しないヒータが配設されている。そして各ヒータ毎または各ゾーン毎に設けられた図示しない熱電対により温度が測定制御され、加熱筒温度およびノズル温度のゾーン別コントロールが可能となっている。加熱筒15内には、図示しない射出用サーボモータと計量用サーボモータによって前後進および回転駆動するスクリュ18が配設されている。そして加熱筒15の後部側には、スクリュ18の中心軸19の基部19aがシール部材20によりシールされている。またスクリュ18の前方には逆流防止弁21とスクリュヘッド22が設けられている。加熱筒15の後部に固定されるハウジング部23が設けられている。そして加熱筒15の投入口15aとハウジング部23の投入口23aが同じ位置に設けられている。ハウジング部23の上面の投入口23aの周囲には、上方に向けて筒部24が設けられ、筒部24の上部にはモータ25により回転制御されるフィードスクリュ26が格納されたフィード装置27が水平方向に設けられている。本発明でフィード装置27は、加熱筒15内へ成形材料を調節して供給可能な供給手段に相当する。なお供給手段についてはフィード装置27に限定されず材料供給装置28のようなシャッタ式(ロータリシャッタを含む)の供給装置や、筒部から投入口への通路の断面積を絞って、加熱筒15内の樹脂材料Mが飢餓状態となるように送り量を調節するものでもよい。
An
前記フィード装置27における後方上部に設けられた投入口の上方には、バッチ式の材料供給装置28が設けられている。材料供給装置28は上下2段の密閉構造のシャッタ29,30により上部室31、中間室32と、フィード装置27に連通する下部室33に区分されている。そしてフィード装置27は、前記材料供給装置28によって外部から常時密閉可能な構造となっている。前記フィード装置27には吸引用の管路34が接続され、電磁開閉弁35や図示しないフィルタ等を介して真空手段である真空ポンプ36に接続されている。また材料供給装置28の中間室32にも吸引用の管路34aが接続され、電磁開閉弁37を介して前記管路34に接続されている。また前記管路34、フィード装置27内(筒部24内を含む)、および加熱筒15内のいずれかには、前記領域の真空度を検出する真空計38が設けられている。
A batch-type
本実施形態で真空ポンプ36は、ポンプの潤滑油が飛散せず結露も発生しにくいルーツ型のドライポンプが使用されており、排気速度は910L/min、到達真空度は−101kPa(絶対圧≒0.33kPa)である。なお真空ポンプ36の能力をこれ以上高真空としても成形材料からガスや水分を吸引する効果は少しづつしか向上しないので、コストの点から上記能力の真空ポンプが望ましい。
In this embodiment, the
加熱筒15内に配設されるスクリュ18は、後部のスクリュ基部19aから、逆流防止弁21が固着される前端まで、軸方向の位置に応じて直径が変化する中心軸19の外周に、主フライト39と副フライト40が同一ピッチで螺旋状に突出して巻着され、全てのフライト39,40の外周径が同一で加熱筒15の内孔41の内径より僅か小さくなるような形態に形成されている。そして、前記スクリュ18は、前記中心軸19の直径が、投入口15aに対応する部分から前方に向けて大径、小径、大径の順に滑らかに形成されている。スクリュ18の各部については、後方から前方へ向けて順に、前記中心軸19の径が一定の小径に保たれるとともに主フライト39の高さも一定に保たれた第1フィードゾーンFZ1、前記中心軸19の径がテーパー状に拡径されるとともにフライトの高さが徐々に低くなるよう設けられた第1コンプレッションゾーンCZ1、前記中心軸19の径が一定の大径に保たれるとともにフライトの高さが低く保たれた第1メータリングゾーンMZ1、第1メータリングゾーンMZ1の前方に隣接して前記中心軸19の径がテーパー状に縮径されるとともにフライト高さが第1メータリングゾーンMZ1のフライト高さよりも短距離の間に高くなるように形成されたデコンプレッションゾーンDZ、前記中心軸19の径が一定の小径に保たれるとともに主フライト39の高さも一定に保たれた第2フィードゾーンFZ2、前記中心軸19の径がテーパー状に拡径されるとともにフライトの高さが徐々に低くなるよう設けられた第2コンプレッションゾーンCZ2、および前記中心軸19の径が一定の大径に保たれるとともにフライトの高さが低く保たれた第2メータリングゾーンMZ2が、中心軸19の径の変化を伴って形成されている。
The
スクリュ18の副フライト40は、第1フィードゾーンFZ1の中間から第2フィードゾーンFZ2の中間まで設けられている。そして副フライト40のピッチおよび外径は、主フライト39と同一に設けられている。副フライト40が設けられている部分における主フライトのピッチP1に対して、副フライト40の前方側における主フライト39との間に形成される溝42の幅P2は、主フライトのピッチP1距離の10〜50%に設定されている。なおスクリュ18の前方側ほど溝42の幅P2が広くなるようにしてもよい。また副フライト40の開始位置は、投入口15aよりも前方の第1フィードゾーンFZ1内であればよく、副フライト40の終了位置も第2フィードゾーンFZ2内であればよい。
The
スクリュ18は、フィードゾーンFZ1,FZ2、コンプレッションゾーンCZ1,CZ2、及びメータリングゾーンMZ1,MZ2を二段に備えるとともにデコンプレッションゾーンDZと副フライト40を有するので、第1フィードゾーンFZ1の後端から第2メータリングゾーンMZ2の前端までのスクリュ長さを主フライト39の直径で除算したL/Dは、28となっている。本実施形態ではL/Dの長いスクリュ18を用いることにより、スクリュ回転数が同じ場合の成形材料の加熱筒15内における滞留時間が長くなり、成形材料が真空下に晒される時間が長くなるのでより一層良好にガスや水分の吸引が行える。なお前記スクリュのL/Dは、24〜34の間が望ましく、より望ましくは、26〜32である。
The
次に型締装置の固定盤および可動盤に取付けられる成形金型12とそのキャビティ内を真空化する機構について説明する。本実施形態では可動金型14のパーティング面51の凹溝にはシール用のOリング52が、キャビティ53の周囲を取囲むように設けられている。また可動金型14の前記Oリング52よりも内側のパーティング面51には真空吸引用の開口部54が設けられ、開口部54は金型内部の通路55および成形金型外部の管路56を経て前記真空ポンプ36に接続されている。そして前記通路55には真空計57が配設され、前記管路56には電磁開閉弁58、真空レギュレータ59が配設されている。なお真空計57は真空レギュレータ59と兼用のものでもよい。また真空ポンプ36を制御するために制御装置60が設けられている。制御装置60は、前記電磁開閉弁35,37,58、材料供給装置28のシャッタ29,30を開閉作動させるシリンダへのエア通路に配設された電磁開閉弁(図示せず)、フィード供給装置27のモータ25などを制御している。また制御装置60は、射出成形機10の図示しない制御装置に接続されるかまたは一体に形成されている。
Next, the
本実施形態では1台の射出成形機10に対して、加熱筒15内とキャビティ53内を真空吸引して真空状態(減圧状態)とする真空ポンプ36が1台設けられているが、複数台の射出成形機10に対して、真空度の要求を満たす1台の真空ポンプを設けてもよく、加熱筒15内とキャビティ53内を、射出装置11側の方が高真空になるよう真空ポンプ36の種類を変えるか、或いは同じ能力の真空ポンプ36,36により真空化するようにしてもよい。なお成形金型12に設けられる前記開口部54はキャビティ53内を真空化できる位置であればどこでもよく、キャビティ53に直接望むものや、固定金型13側に設けられたものでもよい。
In the present embodiment, one
次に、本実施形態の射出成形機10を用いた射出成形方法について説明する。成形に用いられる成形材料は、透明や半透明(着色されて半透明のものを含む)のアクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)等であり、未乾燥ペレットの状態で供給される。成形品としては、導光板、光ディスク、レンズ等の光学製品の成形に好適に用いられる。樹脂材料Mの供給は、下部のシャッタ30が閉鎖された状態で、上部のシャッタ29が開放され上部室31から樹脂材料Mが中間室32に貯留されると、上部のシャッタ29も閉鎖される。そして電磁開閉弁37を開き、真空ポンプ36により中間室32内の吸引が行われる。その後、下部のシャッタ30のみが開放されてフィード装置27内に樹脂材料Mが供給されることにより、フィード装置27内は常時気密状態が保たれるようになっている。
Next, an injection molding method using the
フィード装置27内および加熱筒15内は、真空ポンプ36により常時真空に吸引されている。本実施形態では、前記フィード装置27内および加熱筒15内は、−98kPa(絶対圧≒3.33kPa)になるように真空吸引されている。なおこの真空度については、−95kPa以下とすることが望ましく、真空ポンプのコストも考慮すると現実的には−95kPa〜−101kPa(絶対圧≒6.33kPa〜0.33kPa)とすることが溶融材料である溶融樹脂材料Mmから発生するガスや水分等を吸引し、シルバーストリークやボイド等のない成形品を成形する上で望ましい。なお本実施形態では、未乾燥の樹脂材料Mをそのまま供給しても成形を行うが、無論のことながら乾燥した樹脂でもよく、その場合は、−85kPa以下であれば良好にガス抜きが行え、それよりも真空度の低いキャビティ53内に良好に射出ができる。また樹脂材料Mは、バージンペレット以外に再生材を未乾燥または乾燥して用いても良い。
The inside of the
また加熱筒15の各ゾーンの温度は、使用される樹脂材料Mの種類により相違するが、第1フィードゾーンFZ1の後方側において溶融樹脂材料Mmの溶融が起き始めるようになっている。そして第1コンプレッションゾーンCZ1に対応するゾーンの温度は、第1フィードゾーンFZ1に対応するゾーンよりも高温となっており、第2コンプレッションゾーンCZ2に対応するゾーンと同温か、後方の第1コンプレッションゾーンCZ1に対応するゾーンの方が0℃〜20℃の範囲で高温となっている。また第1コンプレッションゾーンCZ1の前方側に隣接する第1メータリングゾーンMZ1に対応するゾーンは、第1コンプレッションゾーンCZ1に対応するゾーンよりも高温であり、第2メータリングゾーンMZ2と同度か、後方の第1メータリングゾーンMZ1に対応するゾーンの方が0℃〜20℃の範囲で高温となるように設定されている。従って加熱筒15の温度カーブは後方から前方に向けて2つの山を描くように設定され、場合によっては後方の山の方が高くなっている。加熱筒15の温度が後方の方が高い場合の理由は、樹脂材料Mを後方で溶融させ、前方へ向けて移動している間に後方からガスや水分の吸引をするためである。なおインラインスクリュ式の射出装置11においては、可塑化時にスクリュ18が加熱筒15内を後退するので、スクリュ18のゾーンと加熱筒15の温度制御ゾーンの対応関係は厳密に対応していないが、上記は射出完了位置の対応関係を基準にして記載している。
Moreover, although the temperature of each zone of the
供給手段であるフィード装置27では、制御装置60からの指令によりモータ25が駆動することによりフィードスクリュ26が回転し、樹脂材料Mの送り量が調節されて加熱筒15内へ送られる。本実施形態では、加熱筒15内の樹脂材料Mの供給量を絞った飢餓成形が行われるので、加熱筒15内に樹脂材料Mが詰まっておらず、加熱筒15内の樹脂材料Mからガスや水分等の発生が促進されるとともに前記ガスや水分を後方から吸引しやすい。本実施形態ではフィードスクリュ26の回転数は、スクリュ18の可塑化時における設定回転数に基づいて設定されるが、スクリュ18を回転させる計量用モータのトルク値(電流値)等や、投入口23aにセンサを設けて直接に加熱筒15内の樹脂材料Mの量を検出し、前記検出値を用いて制御してもよい。
In the
可塑化工程においては、前記計量用サーボモータが回転駆動され、フィード装置27から筒部24を経由して真空化された加熱筒15に供給された樹脂材料Mは、フライト高さが比較的高くピッチ溝容積の比較的大きくて一定な第1フィードゾーンFZ1で加熱筒15やスクリュ18から熱量を受けつつスクリュ18が回転されて前方へ搬送される。第1フィードゾーンFZ1の中間位置から主フライト39のピッチ間の前方寄りに副フライト40が形成されているが、この位置の近傍から樹脂材料Mは溶融され始める。樹脂材料Mが溶融された溶融樹脂材料Mmは、未溶融の樹脂材料Mとともに主フライト39の前方側の側面(主フライト39のピッチ溝で見ると後方側の部分)に偏在する。副フライト40の溝42の幅P2は、前記したように主フライトのピッチP1距離の10〜50%に設定されているので、樹脂材料Mがフィード装置27からの供給量が制限されている場合には、樹脂材料M及び溶融樹脂材料Mmは、溝42に浸入することは殆んどない。すなわち、溝42内には、通常の成形における可塑化時には、樹脂材料M及び溶融樹脂材料Mmが殆んど存在せずガスや水分等が容易に流通可能となっている。このように、溝42はガスや水分等の通路であるから、その幅P2は狭い方が主フライト39と副フライト40との主フライトのピッチP1の後方側における幅が広くなり、樹脂材料Mの可塑化能力の低下が防止できる点で好ましい。しかしながら、樹脂材料Mの種類や色を変換するためにスクリュ3を洗浄するときには、樹脂材料Mをフィード装置27で供給量を制限せず投入口15a,23aが充満されるように供給して、溝42内にも樹脂材料M及び溶融樹脂材料Mmが存在して搬送されるようにする必要がある。そのため、溝42の幅P2は、洗浄効果を考慮してある程度の距離が必要であることから、前記のように、主フライトのピッチP1距離の10〜50%に設定されているのである。
In the plasticizing process, the resin material M supplied to the
第1フィードゾーンFZ1の前方側に隣接する第1コンプレッションゾーンCZ1は、前記中心軸19の径がテーパー状に拡径され、相対的にフライト高さが第1フィードゾーンFZ1から前方へ向けて低くなるように形成されている。第1コンプレッションゾーンCZ1では、樹脂材料M及び溶融樹脂材料Mmは、ピッチ溝の容積が減少していくことから圧縮され、溶融が促進される。そして、樹脂材料M及び溶融樹脂材料Mmは、溶融樹脂材料Mmの割合が多くなり主フライト39の前方側の全側面に付着して混錬されつつ搬送される。また、この過程で放出したガスや水分は、第1コンプレッションゾーンCZ1と第1フィードゾーンFZ1の溝42の空隙を流動して後方へ排出される。第1コンプレッションゾーンCZ1の前方側に隣接する第1メータリングゾーンMZ1は、フライト高さが第1コンプレッションゾーンCZ1の最前端から前方へ一定に形成されており、ピッチ溝の容積が最も小さくなっていることから、第1メータリングゾーンMZ1では、樹脂材料Mは全て溶融され溶融樹脂材料Mmのみとなる。
In the first compression zone CZ1 adjacent to the front side of the first feed zone FZ1, the diameter of the
第1メータリングゾーンMZ1の前方側に隣接するデコンプレッションゾーンDZは、前記中心軸19の径がテーパー状に縮径されるのに伴いフライト高さが第1メータリングゾーンMZ1から前方へ一ピッチ程度の短距離の間に高くなるように形成されている。デコンプレッションゾーンDZでは、ピッチ溝の容積が急激に拡大されていることにより、圧縮されていた溶融樹脂材料Mmが減圧され、溶融樹脂材料Mmに包含されていたガスや水分が効果的に放出される。デコンプレッションゾーンDZの前方に隣接する第2フィードゾーンFZ2は、フライト高さがデコンプレッションゾーンDZの最前端のものから前方へ一定に形成されている。第1フィードゾーンFZ1の中間から形成された副フライト40は、第2フィードゾーンFZ2の中間(より好ましくは第2フィードゾーンFZ2の後方側一ピッチ位置近傍)まで連続している。副フライト40をデコンプレッションゾーンDZの最前端で終端させないで、第2フィードゾーンFZ2の中間まで延長させているのは、デコンプレッションゾーンDZで急激に減圧されて膨張した溶融樹脂材料Mmが溝42内へ逆流して浸入しないようにするためである。デコンプレッションゾーンDZで放出されたガスや水分は、樹脂材料Mや溶融樹脂材料Mmの殆んど存在しない螺旋状の溝42内を容易に流通してスクリュ18の後部へ流動する。スクリュ18の後部における加熱筒15の投入口15a付近に到達したガスや水分は、フィード装置27に設けられた管路34の開口部を通じて真空ポンプ36で強制的に大気中へ排気される。
The decompression zone DZ adjacent to the front side of the first metering zone MZ1 has a flight height one pitch forward from the first metering zone MZ1 as the diameter of the
第2フィードゾーンFZ2の前方側に隣接する第2コンプレッションゾーンCZ2は、スクリュ18の中心軸19の径がテーパー状に拡径されるに伴いフライト高さが第2フィードゾーンFZ2から前方へ向けて低くなるように形成されているから、前記第2コンプレッションゾーンCZ2では、溶融樹脂材料Mmは、ピッチ溝の容積が減少に伴い圧縮され、再度溶融が促進・実施される。第2コンプレッションゾーンCZ2の前方側に隣接する第2メータリングゾーンMZ2は、フライト高さが第2コンプレッションゾーンCZ2の最前端から前方へ向けて一定に形成され低くなっており、また対応する加熱筒15のゾーンの温度も再び高くなっているので、溶融樹脂材料Mmは完全に溶融され、ガスや水分が包含されない良質な溶融樹脂材料Mmとしてスクリュ18の前方へ押出される。射出成形機10においては、加熱筒15の前部に溶融樹脂材料Mmを所定量貯留され、スクリュ18は背圧に抗して後退する。次に射出工程では射出装置11の射出用サーボモータを作動させ、スクリュ18を射出前進させることにより、固定金型13と可動金型14に間に形成され真空化されたキャビティ53内に射出装置11から溶融材料である溶融樹脂材料Mmを射出(射出・充填)する。
In the second compression zone CZ2 adjacent to the front side of the second feed zone FZ2, the flight height increases from the second feed zone FZ2 to the front as the diameter of the
この可塑化の際のスクリュ回転数は、使用される樹脂やスクリュ径によっても相違するが周速度(フライト端部が回転する速さ)が、10〜25cm/sec程度、あるいは通常の成形の30〜80%程度と遅くすることが望ましい。そして成形品の冷却時間に対して計量時間をあまり短くしないで40%〜100%に範囲内とすることが望ましい。またスクリュにかける背圧は、2MPa〜8MPaとし、あまり背圧を高くしないことが望ましい。 The screw rotation speed at the time of plasticization varies depending on the resin used and the screw diameter, but the peripheral speed (speed at which the flight end rotates) is about 10 to 25 cm / sec, or 30 in normal molding. It is desirable to slow down to about 80%. And it is desirable to make it into the range of 40%-100% without making measurement time very short with respect to the cooling time of a molded article. Further, it is desirable that the back pressure applied to the screw is 2 to 8 MPa, and the back pressure is not so high.
また成形金型12の側では、前記射出装置11による可塑化と平行して、図示しない型締装置により固定金型13に対して可動金型14が当接され、Oリング52によりシールされたキャビティ53が形成される。この際固定金型13のパーティング面61と可動金型14のパーティング面51が僅かに開かれているが、Oリング52によるシールは完全になされた状態でキャビティ53内の真空化が行われる。なおキャビティ53の真空引きの際には可塑化の完了した射出装置11のノズル17がスプルブッシュ62に当接して、キャビティ53のスプル側を気密状態に保っている。なおキャビティ53のスプル側はホットランナや別のバルブ機構により気密状態とするようにしてもよい。
On the
キャビティ53内の真空引きは、電磁開閉弁58を開いて真空ポンプ36とキャビティ内を連通させ、予め真空度が設定された真空レギュレータ59により真空度が−95kPaとなるまで行われる。この際のキャビティ53の真空度は、加熱筒15内の真空度よりも低いことが望ましく、−50kPa〜−95kPaとすることが望ましい。そして成形される樹脂材料Mや成形品の種類により真空レギュレータ59の設定を調整してキャビティ53内の真空度を調整する。キャビティ53内の真空度を加熱筒15内の真空度よりも低く調整する理由は、キャビティ53内の方が真空度が高いと、キャビティ53内に射出された溶融樹脂材料Mmが急減圧され、内在する添加剤、水分などの沸点がさらに低くなることにより気体化するからである。本実施形態では、加熱筒15内において溶融樹脂材料Mmから殆どのガスや水分が吸引されているが、特に未乾燥の樹脂材料Mではまだ完全に全てのガス等が無くなっているとは言えない。またPC、PMMA、ABS、ASAなどのガスが発生しやすい樹脂材料Mほどこの気泡が発生する傾向は顕著であるので本発明が効果を発揮する。そして透明や半透明の成形品では、加熱筒15内とキャビティ53内の真空化を上記の範囲で行うことにより、より一層、ガス等の影響の少ない成形品を成形することができる。
The evacuation in the
そしてパーティング面が完全に閉じていない状態で真空吸引した場合は、型締装置により成形金型12を完全に型締してから射出を行う。本発明では、射出時はキャビティ53内が真空状態になっているので、次のいずれかのような効果がある。(1)溶融樹脂材料Mmがスムーズに流れるのでガス薄肉成形品や流動長の長い成形品の成形に有利である。(2)キャビティ内に残存する空気による欠肉やガス焼けを生じることがない。(3)転写を行う導光板、ディスク、レンズ等では転写面に忠実な転写ができる。(4)キャビティ内の空気やガスが無いのでウエルドラインが明確にならない。(5)成形品から発生するガスによりキャビティ内が結露したり汚れが付着することが無くなる。
When vacuum suction is performed in a state where the parting surface is not completely closed, injection is performed after the molding die 12 is completely clamped by the clamping device. In the present invention, since the inside of the
キャビティ53からの真空吸引は、射出後、保圧時、型開完了まで続けられる。そしてキャビティ53の溶融樹脂材料Mmから発生するガスや水分を吸引し続ける。また型開時には、Oリング52の厚みD分によりキャビティ53内の真空が保たれる位置まで可動金型14を僅かに移動させた後に一旦停止し、離型するまで真空吸引を続けるようにしてもよい。またその位置で可動金型14を一旦停止し、型開するまでの間にエジェクタ装置のエジェクタピン63により成形品の離型を行ってもよい。
Vacuum suction from the
次に図2により別の実施形態について説明する。なお先の図1に示される本実施形態に対し図2に示される別の実施形態の説明では、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとし、相違点を中心に説明する。図2では、射出成形機50の加熱筒15内のスクリュ64には、主フライト39のみが設けられ、副フライト40が設けられていない点が相違し、後方から前方へ向けて、第1フィードゾーンFZ1、第1コンプレッションゾーンCZ1、第1メータリングゾーンMZ1、デコンプレッションゾーンDZ、第2フィードゾーンFZ2、第2コンプレッションゾーンCZ2、および第2メータリングゾーンMZ2が設けられ、L/Dが24〜34に設けた点で共通する。なお本発明では、ベントアップによる詰まりやメンテナンスが複雑となるという点はあるが、デコンプレッションゾーンDZや第1フィードゾーンFZ1の部分から直接真空引きをするようにしてもよく、加熱筒15後端とスクリュ64の中心軸19の基部19aとの間から真空引きをするようにしてもよい。またスクリュ64は、通常のように後方から順にフィードゾーン、コンプレッションゾーン、メータリングゾーンがそれぞれ1ゾーンだけ設けられたものやL/Dも通常のように16〜24程度のものであっても、加熱筒15内およびキャビティ53内をそれぞれ真空化することによる本発明の相乗効果を得ることができる。
Next, another embodiment will be described with reference to FIG. In the description of another embodiment shown in FIG. 2 with respect to the present embodiment shown in FIG. 1, the same reference numerals are given to the same or corresponding parts, and differences will be mainly described. In FIG. 2, the
別の実施形態また成形金型12の側では、エジェクタ装置のエジェクタピン63の孔65に対して真空ポンプ36に連通された通路66が開口され、エジェクタピン63が後退時にキャビティ53内に前記通路66が連通してキャビティ53内の真空化(減圧)がなされるようになっている。またはエジェクタピン63がキャビティ形成面67と同じ面にある場合もエジェクタピン63と孔65の間から真空引きを行うようにしてもよい。そして射出時にはエジェクタピン63をキャビティ形成面67まで前進させた状態で射出を行う。そしてまた冷却固化が進んでから型開までの間でキャビティ53内を真空化したい場合もエジェクタピン63を後退して真空引きを行う。なおキャビティ53内の真空化は、固定金型13と可動金型14の間の空間全体を真空化するようにしてもよい。その場合、キャビティ53の形成前から真空化されていると言える。
In another embodiment or the
図1、図2に示される実施形態では、射出装置11の加熱筒15に内蔵されるスクリュ18,64は、射出と可塑化の両方を行うインラインタイプのものであるが、可塑化用のスクリュと射出用のプランジャがそれぞれ別の加熱筒に設けられ、プランジャにより成形金型12のキャビティ53内に可塑化された溶融樹脂材料Mmを射出する射出装置を備えたものでもよい。また成形方法については、射出後にキャビティの容積が変更される射出圧縮成形を行ってもよい。更に本発明に用いられる成形材料については、樹脂材料の他、金属材料、有機物質、無機物質、それらの混合物等、種類を問わず、溶融材料としてキャビティ53内に射出されるものであればよい。
In the embodiment shown in FIGS. 1 and 2, the
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を付加して実施することができる。 The present invention is not limited to the embodiments described above, and various modifications can be added and implemented without departing from the spirit of the invention.
10,50 射出成形機
11 射出装置
12 成形金型
13 固定金型
14 可動金型
15 加熱筒
15a,23a 投入口
18,64 スクリュ
19 中心軸
27 フィード装置(供給手段)
36 真空ポンプ
39 主フライト
53 キャビティ
M 樹脂材料
Mm 溶融樹脂材料
DESCRIPTION OF
36 Vacuum pump 39
Claims (2)
射出装置の加熱筒内を真空化する真空ポンプを備えた真空手段が配設されるとともに、
キャビティ内を真空化する真空ポンプと真空レギュレータを備えた真空手段が配設され、
前記真空化されたキャビティ内に前記前記キャビティ内の真空度よりも真空度が高く真空化された加熱筒内で可塑化された溶融材料を射出することを特徴とする射出成形機。 In an injection molding machine for injecting a molten material from an injection device into a vacuum cavity formed between a fixed mold and a movable mold,
A vacuum means having a vacuum pump for evacuating the inside of the heating cylinder of the injection device is disposed,
A vacuum means equipped with a vacuum pump and a vacuum regulator for evacuating the cavity is disposed,
An injection molding machine characterized in that a plasticized molten material is injected into a vacuumed heating cylinder having a degree of vacuum higher than the degree of vacuum in the cavity.
The injection molding machine according to claim 1 , wherein the vacuum pump for evacuating the inside of the cavity and the inside of the heating cylinder is the same vacuum pump.
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