JP5138733B2 - 高分子化合物およびその製造方法と使用法 - Google Patents
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Description
(2) 式(1)中のX1およびX2が、ピリジン環を構成する窒素である上記(1)の高分子化合物。
(3) 式(1)中のYが、O、S、N=N、またはR11N−CO−NR12(但し、R11およびR12は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である上記(1)または(2)の高分子化合物。
(4) 分子量が、重量平均分子量で1000以上である上記(1)〜(3)のいずれかの高分子化合物。
(5) 式(2)で示される上記(1)〜(4)のいずれかの高分子化合物。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの高分子化合物を、下記式(3)で示されるジハロゲン化合物を脱ハロゲン化して重合することにより得る高分子化合物の製造方法。
(7) 脱ハロゲン化重合が、銅またはゼロ価ニッケル化合物の存在下で行われる上記(6)の高分子化合物の製造方法。
(8) 上記(1)〜(5)のいずれかの高分子化合物を、エレクトロクロミック材料または電池用活物質として使用する高分子化合物の使用法。
実施例1(合成)
高分子化合物P−2(ポリ(ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン−3,8−ジイル))の合成高分子化合物P−2の反応スキームを以下に示す。
2−クロロ−3−ニトロピリジン(1)(10g,63.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(30cm3)、および銅ブロンズ粉末(12g)を100℃で2時間、オイルバス中で撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過物にアンモニア水を加えた。沈殿物を濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤CHCl3)。真空下で蒸発乾固し、薄黄色の目的物の粉末を得た(4.93g,収率64%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)
3,3’−ジニトロ−2,2’−ビピリジル(2)(0.25g,1.0mmol)を水(7.2cm3)中にNa2S・9H2O(2.2g,9.2mmol)を溶解した溶液を加え、室温で4.5時間撹拌した。この溶液をクロロホルム(100cm3)で2回抽出し、抽出物を水で洗い、乾燥し、蒸発乾固した。明黄色の残渣をエタノールから再結晶し、目的物の明黄色針状結晶を得た(0.16g,収率89%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−3)3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(4)
ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)(1.6g,8.6mmol)、濃HBr(70cm3)、およびBr2(41.4g,259mmol)を100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却後、沈殿物を濾別し、水とエタノールで洗った。沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤エチルアセテート)。蒸発乾固により、薄黄色の目的物の粉末を得た(2.7g,収率92%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−2:ポリ(ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン−3,8−ジイル)、PDpyPd(8)
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.86,3.1mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.41g,2.6mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.45cm3、11.8mmol)を加えた。1時間撹拌後、3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(4)(0.41g,1.21mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDPyPd(0.154g,収率70%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C52.23%、H4.19%、N24.37%計算値:(C10H4N4・2.8H2O)n:C52.08%、H4.20%、N24.30%IR(KBr法)の結果を、ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)および3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジンとともに図1に示す。図1からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
実施例2(合成)
高分子化合物P−1(ポリ(ベンゾ[c]シンノリン−3,8−ジイル))の合成高分子化合物P−1の反応スキームを以下に示す。
DMF(100cm3)中の1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン(5)(12g,43mmol)を銅ブロンズ(8.2g)とともに4時間環流させた。反応混合物を濾過し、濾過物にアンモニア水を加えた。沈殿物を濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤CHCl3/ヘキサン=1/1)。真空下で蒸発乾固し、薄黄色の目的物の粉末を得た(3.32g,収率39%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)
4,4−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6)(1.2g,3.0mmol)、ドライエーテル(50cm3)およびベンゼン(50cm3)を、ドライエーテル(70cm3)とLiAlH4の混合物に加えた。室温で2時間撹拌し、15分間ウォーターバスで温め、その後冷却した。水を加えて、過剰なLiAlH4を分解し、混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をシリカクロマトグラフィーを使用してクロロホルムで分離精製した。真空下で溶媒を蒸発させ、薄黄色の目的物を得た(0.88g,収率88%)。元素分析、IR(KBr法)、1HNMRで同定した。
2)高分子化合物P−1:ポリ(ベンゾ[c]シンノリン−3,8−ジイル)、PBC(9)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.72,2.6mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.34g,2.2mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.3cm3、10.2mmol)を加えた。1時間撹拌後、3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)(0.35g,1.0mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPBC(0.18g,収率約100%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、実測値と計算値に少々差があるのは、このポリマーの熱的安定性が高いためと考えられる。
実測値:C74.78%、H4.63%、N13.79%、Br0.0%計算値:(C12H6N2・0.85H2O)n:C74.49%、H4.01%、N14.48%IR(KBr法)の結果を、1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン(5)、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6)および3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)とともに図1に示す。図1からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
実施例3(測定)
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた結果を表1に示す。表1より、PDpyPdは、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン(DMI)のような極性有機溶媒に対しては一部溶解し、ギ酸、硫酸のような酸性溶媒に対しては良好な溶解性を示すことがわかった。これに対し、PBCは、N数が少ないためか、PDpyPdに比べて、有機溶媒、酸性溶媒のいずれに対しても溶解性が劣った。なお、表中のTHFはテトラヒドロフランである。
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.1mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。結果を図7に示す。図中a)は、掃引速度が50mVs-1であり、b)、c)は100mVs-1であり、スキャニングは、a)は2.3〜−2.1V(vs.Ag+/Ag)、b)、c)は0〜−2.5V(vs.Ag+/Ag)の範囲で行った。なお、a)に示すように、電位変化に伴い、暗茶色(dark brown)から茶色(brown)の色の変化がみられた。
高分子化合物P−3(ポリ(ジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン−3,7−ジイル))の合成高分子化合物P−3の反応スキームを以下に示す。
5,5−ジブロモ−3,3’−ジニトロ−2,2’−ビピリジン(1)(4.60g,11.4mmol)を、SnCl2・2H2O(24.5g,106mmol)の濃HCl(40cm3)溶液に加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出した。抽出物を水洗し、MgSO4で乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤クロロホルム)で精製した。溶媒留去後、黄色の目的物の粉末が得られた(3.88g,収率99%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン(3)
3,3’−ジアミノ−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(2)(0.52g,1.5mmol)を80%ギ酸(2cm3)に溶解し、これに、0〜5℃で、濃硫酸(1.5cm3)のNaNO2(0.15g,12.2mmol)溶液を滴下した。この混合物をガス放出がなくなるまで、50〜60℃で撹拌し、その後、さらに90℃で10分間撹拌した。20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤クロロホルム)で精製した。溶媒を留去すると、黄色の目的物の粉末が得られた(0.12g,収率25%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−3(ポリ(ジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン−3,7−ジイル))、PDpyFu(4)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.25,0.91mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.12g,0.77mmol)と1,5−シクロオクタジエン(0.43cm3、350mmol)を加えた。10分撹拌後、3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン(3)(0.114g,0.35mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDTA・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDpyFu(0.44g,収率75%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C64.11%、H3.49%、N15.14%、O14.20%計算値:(C10H4N2O・0.95H2O)n:C64.25%、H3.18%、N14.99%、O16.69%IR(KBr法)の結果を、3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フランとともに図8に示す。図8からモノマーにおいて1074cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDpyFu)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた。この結果を表4に示す。
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDpyFu)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDdyFu)のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.10mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。掃引速度は100mVs-1である。結果を図11に示す。
高分子化合物P−4(ポリ(ジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル))の合成高分子化合物P−4の反応スキームを以下に示す。なお、次の実施例11の高分子化合物P−5のものも併せて示す。
実施例2の1−1)と同様にして合成した。
1−2)2,2’−ジアミノ−ジブロモビフェニル(3a)
4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(2a)(2.8g,7.0mmol)を、SnCl2・2H2O(15g,6.5mmol)の濃HCl(30cm3)溶液に加えた。この混合物を60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出した。抽出物を水洗し、MgSO4で乾燥した(溶融剤クロロホルム)。溶媒留去の後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒留去により青味がかった黄色の目的物の粉末が得た(2.1g,収率87%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−3)3,7−ジブロモジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン(4a)
2,2’−ジアミノ−4,4’−ジブロモビフェニル(3a)(0.51g,1.5mmol)と尿素(0.30g,5.0mmol)をDMF(15cm3)に加え、12時間還流した。この混合物を冷却し、水(10cm3)で希釈した。沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥すると、白色の目的物の粉末が得られた(0.52g,収率95%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−4:ポリ(ジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル)、PDBDAz(5a)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.93g,3.4mmol)を室温で乾燥DMF(40cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.47g,3.0mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.7cm3、14mmol)を加えた。10分間撹拌後、3,9−ジブロモジベンゾジアゼピン−6−オン(4a)(0.50g,1.4mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDT・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDBDAz(0.26g,収率91%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。
実測値:C72.58%、H4.97%、N12.73%、O9.16%計算値:(C13H8N2O・0.41H2O)n:C72.42%、H4.12%、N12.99%、O10.46%IR(KBr法)の結果を、3,9−ジブロモジベンゾジアゼピン−6−オンとともに図12に示す。図12からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
高分子化合物P−5:ポリ(ジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル)の合成反応スキームは前述のとおりである。
1)モノマーの合成1−1)3,3’−ジアミノ−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(3b)
実施例6の1−1)と同様にして合成した。
1−2)3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン(4b)
5,5’−ジブロモ−3,3’−ジアミノ−2,2’−ビピリジン(3b)(0.18g,0.52mmol)と尿素(0.22g,3.7mmol)をDMF(5cm3)に加え、12時間還流した。この混合物を冷却し、水(10cm3)で希釈した。沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥すると、明茶色の目的物の粉末が得られた(0.19g,収率100%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−2(ポリ(ジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−3,9−ジイル))、PDpyDAz(5b)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.28,1.0mmol)を室温で乾燥DMF(15cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.14g,0.9mmol)と1,5−シクロオクタジエン(0.51cm3、4.1mmol)を加えた。10分間撹拌後、3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン(4b)(0.15g,0.41mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDTA・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDPyDAz(0.025g,収率30%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C56.42%、H3.95%、N23.56%、O17.05%計算値:(C11H6N4O・1.4H2O)n:C56.12%、H3.77%、N23.80%、O16.31%IR(KBr法)の結果を、3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オンとともに図13に示す。図13からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
実施例10、11で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた。この結果を表6に示す。
実施例10、11で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
実施例1、2で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)のサイクリックボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.1mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。掃引速度は100mVs-1である。結果を各々図19、20に示す。
実施例1、2、6、10、11で合成した高分子化合物(ポリマー)も含めて、以下の高分子化合物の酸化還元特性を比較した。
Claims (8)
- 下記式(3)で示されるジハロゲン化合物を脱ハロゲン化して重合することにより得られる、式(2)で示される高分子化合物。
[式(2)において、X1およびX2は、ベンゼン環を構成する炭素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1、2または3である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表し、N=N、またはR 11 N−CO−NR 12 (但し、R 11 およびR 12 は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である。nは重合度を表し、5〜1000である。]
[式(3)において、X1およびX2は、ベンゼン環を構成する炭素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1、2または3である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表し、N=N、またはR 11 N−CO−NR 12 (但し、R 11 およびR 12 は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である。Z1およびZ2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、ハロゲンを表す。] - 粉末である、請求項1に記載の高分子化合物。
- 分子量が、重量平均分子量で1000以上である、請求項1又は2に記載の高分子化合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物からなる、電池用活物質。
- 有機ELデバイス又は有機FETデバイスに用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物からなる、電子受容性化合物。
- 請求項1〜3のいずれかの高分子化合物を、下記式(3)で示されるジハロゲン化合物を脱ハロゲン化して重合することにより得る高分子化合物の製造方法。
[式(3)において、X1およびX2は、ベンゼン環を構成する炭素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1、2または3である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表し、N=N、またはR 11 N−CO−NR 12 (但し、R 11 およびR 12 は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である。Z1およびZ2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、ハロゲンを表す。] - 脱ハロゲン化重合が、銅またはゼロ価ニッケル化合物の存在下で行われる請求項6の高分子化合物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物を、エレクトロクロミック材料または電池用活物質として使用する高分子化合物の使用法。
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