JP5136035B2 - インクジェットインク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
2.前記一般式(1)のZが、カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩であることを特徴とする前記1に記載のインクジェットインク。
4.前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが、分子量6000以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
一般式(1)において、Xは、酸素原子または硫黄原子を表す。
本発明の光重合性組成物は、前記一般式(1)で表される化合物と、水及び活性エネルギー線を照射することにより重合または架橋するエチレン性不飽和基を有する化合物を含有することを特徴とする。
本発明においては、本発明に係る光開始剤の他に必要に応じて他の光開始剤を併用してもよい。
2)チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、及びそれらの塩、
3)エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、
4)アセトフェノン類、
5)ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、
6)2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、
7)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類、
8)ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類、
9)9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、
10)ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
11)4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、及びこれらのエチレンオキシド付加物。
本発明の光重合性組成物には光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
紫外線光源としては、光波長300〜380nmにかけての発光があれば特に制限されなく用いることができる。具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。しかしながら、本発明の光開始剤の紫外線吸収は、他の光開始剤と比べると特に320〜400nmまで吸収の裾野が延びているという特徴がある。本発明に係る光開始剤の性能を最大限に発揮して、装置を小型化することを意図すれば、光波長320〜380nmに主波長を有するLEDを用いるのが推奨される。特に、発光波長365nmのLEDと本発明に係る光開始剤を用いたインクジェットインクを用いれば、最もよい効果を得ることができる。
本発明のインクジェットインクに用いられる色剤としては、インクジェットインクで公知の各種染料または顔料を用いることができる。しかしながら、紫外線を照射すること、画像保存性の観点から顔料を使用することが好ましい。
本発明で用いることのできる染料としては特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。この中では、アニオン性染料が好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39
〈C.I.フードブラック〉
1、2。
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、アニオン性顔料が好ましい。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
本発明に用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
本発明に係る溶媒としては水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒がさらに好ましく用いられる。
本発明のインクジェットインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
本発明のインクジェット記録方法に用いられる記録媒体としては、記録用紙、各種フィルム、インクジェット用記録媒体が挙げられる。
紙には塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2当たりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2当たりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2当たりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙等を挙げることができる。
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものは全て使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等がある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙等も使用できる。
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
下記スキームにより合成した。
(S−1A)から(S−1B)の合成
ジクロロメタン20mlに塩化アルミニウム4.40g(33mmol)を加え、10℃以下になるように冷却した。そこに、2,6−ジメチルフェノキシアセト酢酸エチルエステル(S−1A)3.12g(20mmol)を滴下後、イソブチロリルクロリド1.75g(22mmol)を滴下した。滴下終了後、液温を室温に戻し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水300g中に加え、酢酸エチルで抽出、濃縮により、黄色オイル5.4gを得た。カラムクロマトグラフィーで目的物を単離精製し、無色透明オイルの(S−1B)を2.5g(収率61%)得た。
100ml用三口フラスコに、(S−1B)2.2g(8mmol)、ジクロロメタン20mlを加え、水冷により、液温を20〜25℃にした。臭素1.3g(8mmol)をゆっくり滴下すると、臭化水素の発泡とともに、反応が始まった。反応終了後、水で洗浄後、ジクロロメタンを濃縮し、無色透明オイルの(S−1C)を2.6g(収率92%)得た。
(S−1C)2.5g(7mmol)をエタノール20mlに溶解し、水酸化カリウム1.0g(17mmol)、水2mlに溶解した溶液を加え、1時間還流した。反応終了後、水50mlを加え、濃塩酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を濃縮して、例示化合物S−1を1.7g(収率93%)得た。
〔例示化合物S−3の合成〕
例示化合物S−1の合成において、(S−1A)から(S−1B)の合成で用いた、2,6−ジメチルフェノキシアセト酢酸エチルエステル(S−1A)の代わりに、3,5−ジメチルフェノキシアセト酢酸エチルエステル(S−1A)を用いる他は、同様にして例示化合物S−3を得た。得られた例示化合物S−3は、核磁気共鳴スペクトルで構造を確認した。
下記スキームにより合成した。
下記スキームにより合成した。
ジクロロメタン20mlに塩化アルミニウム7.3g(55mmol)を加え、10℃以下になるように冷却した。そこに、2,6−キシレノール3.0g(25mmol)をジクロロメタン10mlに溶解した溶液を滴下後、オキザリルクロリド1.6g(13mmol)を滴下した。直ちに赤色になるので、液温を室温に戻し、塩化水素ガスの発生が止むまで攪拌して反応終了後、反応液を氷水300g中に加え、酢酸エチルで抽出、濃縮し、黄色オイル5.4gを得た。カラムクロマトグラフィーで目的物を単離精製し、淡黄色結晶の(S−13B)を2.5g(収率67%)得た。
(S−13B)1.4g(4.6mmol)、クロロ酢酸メチル1.10g(10mmol)、炭酸カリウム1.6g(12mmol)、アセトン30mlを混合し、10時間還流した。冷却後、水に空け、析出した黄色結晶をろ過により採取し、(S−13C)を1.9g(収率94%)得た。
(S−13C)4.42g(10mmol)、オルトギ酸トリメチル10.6g(100mol)。メタノール3.2g(100mmol)、トルエン50mlを加え、還流中に、トリフルオロスルホン酸0.3g(2mmol)を加え2時間還流を続けた。冷却後、酢酸エチルを加えた後、炭酸水素ナトリウムの水溶液で洗浄後濃縮し、クロマトグラフィーで単離精製し、(S−13D)を白い粉末として、1.9g(収率39%)得た。
(S−13D)4.9g(10mmol)をメタノール30mlに溶解し、水酸化ナトリウム0.84g(21mmol)の水溶液を加えた。直ちに溶液が黄色に変化するので、還流を10分行った後に、冷却、濃縮した。エタノールを加えて、結晶化させた後、ろ過により取り出し、黄色粉末の例示化合物S−13を3.4g(収率67%)得た。
〔例示化合物S−15の合成〕
下記スキームにより合成した。
(S−15B)以下は、(S−13B)以降の合成と同様に行い、例示化合物S−15を淡黄色結晶として得た。得られた例示化合物S−15は、核磁気共鳴スペクトルで構造を確認した。
《インクの調製》
(シアン顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、水で希釈してシアン顔料の含有量が10%のシアン顔料分散液を調製した。このシアン顔料分散液に含まれるシアン顔料粒子の平均粒径は123nmであった。なお、粒径測定はマルバーン製ゼータサイザ1000HSにより行った。
高分子分散剤(スチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレートの共重合体、重量平均分子量15000、ガラス転移点70℃) 3部
グリセリン 15部
イオン交換水 60部
〔シアンインクAタイプの調製〕
シアン顔料分散液 30部
A−400(新中村化学製、ポリエチレンオキシアクリレート、分子量500)
5部
光開始剤(表1参照) 1部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.4部
水酸化ナトリウム溶液または塩酸でpHを8.2に調整した後、純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過しインクを得た。これをシアンインクAタイプとする。
シアン顔料分散液 30部
UA−W2A(新中村化学製、水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー) 5部
光開始剤(表1参照) 1部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.4部
水酸化ナトリウム溶液または塩酸でpHを8.2に調整した後、純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過しインクを得た。これをシアンインクBタイプとする。
シアン顔料分散液 30部
アクリル基含有ポリビニルアルコール(重合度500、変性率3%、濃度10%)
30部
光開始剤(表1参照) 1部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.4部
水酸化ナトリウム溶液または塩酸でpHを8.2に調整した後、純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過しインクを得た。これをシアンインクCタイプとする。
表1に記載の組成でシアンインク101〜148を調製した。
〔画像形成〕
〈LEDランプを用いる場合〉
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、ピエゾ型ヘッドの両端に発光波長365nmのLED(日亜化学製)を配置し、最大記録密度が720×720dpiであるオンデマンド型インクジェットプリンターを用意した。LEDの光量100mJ/cm2になるように照射しながら、アート紙上にシアンのベタ画像を作成し、ドライヤーにより1分間温風乾燥した後、24時間自然乾燥した。
(出射安定性)
上記、インクジェット画像の形成条件により、40℃、30%RH、及び20℃、70%RHの環境下でそれぞれアート紙に線画、及びベタ画像を間隔を空けて、連続9枚プリントを行い、10分間印字を停止した後、10枚目のプリントを行った。10枚目のプリント時のノズルの出射状態を目視観察し、下記の基準でインクの出射安定性の評価を行った。
○:1、2個数%のノズルで斜め出射が見られるが、インク欠がない
△:インク欠が3〜10個数%未満のノズルで発生
×:インク欠が10個数%以上のノズルで発生。
上記作成した各シアンベタ画像の画像部及び非画像部を目視観察し、下記の基準で光沢均一性の評価を行った。
△:印字部、非印字部の間にやや光沢差が認められるが、ほぼ均一性のある画像である
×:光沢感もしくは凹凸感について、印字部と非印字部の間に違和感があり、不均一な画像である
−:シアンのベタ画像の濃度が不均一なため評価できない。
上記作成した各シアンのベタ画像中の濃度が均一か否かを目視で評価し、下記の基準で画像均一性の評価を行った。
△:ベタ画像中の濃度が目立たない程度に不均一である
×:ベタ画像中の濃度が不均一である。
シアンインクをアート紙上にワーヤーバーNo.5を用いて作成した未露光のベタ画像と、未露光のベタ画像を上記LED光源で200mJ/cm2で露光定着したベタ画像の二つを目視で比較した。
△:未露光のベタ画像に比べて、わずかに露光定着したベタ画像の方が黄色に見える
×:未露光のベタ画像に比べて露光定着したベタ画像が、明らかに黄色くなっている。
上記作製した各シアンインク20mlを50mlビーカーに入れ、上部50cmより100Wの蛍光灯を24時間照射し、インク保存性の評価を行った。
△:表面の一部がゲル化している
×:不溶物がある。
《インクの調製》
実施例1のシアン顔料分散液(濃度10%)を用い、表2の組成のシアンインク201〜215を調製した。表2に使用する材料は以下の通りである。
A−900:新中村化学製、ポリエチレンオキシドジアクリレート、分子量1000
A−Gly−9E:新中村化学製、エトキシ化グリセリントリアクリレート、分子量5000
A−Gly−20E:新中村化学製、エトキシ化グリセリントリアクリレート、分子量10000
PVA200:アクリル基含有ポリビニルアルコール(重合度200、変性率3%、濃度10%)
PVA300:アクリル基含有ポリビニルアルコール(重合度300、変性率3%、濃度10%)
PVA500:アクリル基含有ポリビニルアルコール(重合度500、変性率3%、濃度10%)
UA−W2A:新中村化学製、水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー
PY:ピロリドン
DEG:ジエチレングリコール
E1010:オルフィンE1010、日信化学製
評価は実施例1に記載の方法を用いて行った。評価の結果を表3に示す。
《インクセットの調製》
〔イエロー顔料分散液、マゼンタ顔料分散液、シアン顔料分散液、ブラック顔料分散液の調製〕
実施例1のシアン顔料分散液の調製において、ピグメントブルー15:3に代えてC.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントレッド122、カーボンブラックを用いた以外は同様にして、各濃度10%のイエロー顔料分散液、マゼンタ顔料分散液、ブラック顔料分散液を調製した。この各色の顔料分散液を用いて、実施例1のシアンインクBタイプと同じ組成のインクを調製し、各インクから表4に示すインクセット1〜5を作製した。
〔画像形成及び画像評価〕
上記作製した各インクセットについて、実施例1と同様にして、各色カラー画像を形成し、出射安定性、光沢均一性、ビーディング及び保存性の評価を行った。また、下記の方法でブリード耐性及び色再現性の評価を行った。
上記作成した各マゼンタ細線画像を目視観察し、下記の基準でブリード耐性の評価を行った。
△:境界部にややにじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である。
高精細カラーデジタル標準データ「N3・果物かご」(財団法人 日本企画協会 1995年12月発行)を印刷した画像Aと、インクジェット専用紙(エプソン社製 フォトプリント紙)に印刷し、露光しなかった画像Bを目視で比較した。
△:画像Aが画像Bに比べて黄変がわずかに認められる
×:画像Aが画像Bに比べて黄変が認められる。
Claims (7)
- 前記一般式(1)のZが、カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
- 前記一般式(1)で表される光開始剤が、下記一般式(2)または(3)で表される光開始剤であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットインク。
- 前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが、分子量6000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
- 前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも一つは、親水性主鎖を有し、該親水性主鎖が複数の側鎖を有し、該側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェットヘッドから記録媒体上に吐出した後、紫外線を照射し、画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記紫外線を照射する光源が320〜380nmに主波長を有するLEDであることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
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