JP5135277B2 - 回転型位置検出装置 - Google Patents
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Description
更に下記特許文献1においては、交流信号で励磁されたコイルのインピーダンス変化に基づき位置検出信号を得るようにした位置検出装置が示されている。しかし、位置検出装置は、一体物として形成されたステータコアに複数のコイルを装備する構成からなっており、ステータ全体のサイズあるいは形状が異なれば、それに応じたステータコアをそれぞれ製作しなければならず、汎用性に欠け、かつ、コスト高となる。
本発明によれば、コイル部における個々のコイルはそれぞれ独立の磁性体コアに装着されていて、それぞれのコイル及び磁性体コアの組が他の組から物理的に分離された構成からなっており、該コイル及び磁性体コアの各組を所定の相対的位置関係で固定用部材に固定配置してなる構成であるから、回転型位置検出装置のステータの形状あるいはサイズが異なっていても、同じタイプのコイル及び磁性体コアの組を使い回すことができる。すなわち、異なる構成の固定用部材に対して、同じタイプのコイル及び磁性体コアの組を取り付け配置することができ、汎用性に富み、共用化と量産化によって、回転型位置検出装置の製造コストを大きく下げることができる。加えて、コイル部は、コイル及び磁性体コアの各組を所定の相対的位置関係で、検出対象回転軸の1回転に満たない所定の一部の回転角度範囲内のサイズからなる固定用部材に対して固定配置した構成からなっているため、既存の機械内に本発明に係る回転型位置検出装置を後から設置するような場合に有効である。例えば、検出対象回転軸における所定の角度範囲においては既に障害物が存在していて、1回転フルにわたるステータコイルの設置が不可能なような場合、障害物が存在していない角度範囲の場所に、所定の一部の回転角度範囲内のサイズからなる固定用部材に複数コイルを固定配置したコイル部を設置することができる、という優れた効果を奏する。
この実施例に示す回転型位置検出装置は、モータの回転角を検出するために検出対象とする回転体(例えば、ロータ)の適宜の位置に配置することのできる分離型のセンサヘッドを具えた回転型位置検出装置である。該回転型位置検出装置はモータM等の駆動に伴って回転動作するように回転軸MJに取りつけられた回転体たる本体プレートPの回転角を検出するものであり、センサ用コイルL1〜L4を各々含む複数個の検知部S1〜S4を具えたコイル部たる分離型のセンサヘッドSHと、シールドリングSRと共に取付ねじT等で前記本体プレートPに一体的に取りつけられる所定形状の磁気応答部材(例えば、センサロータプレートRPを鉄のような磁性体からなる磁気応答部材で構成する)とを含んで構成されている。すなわち、この回転型位置検出装置では、本体プレートPと共に回転軸MJを中心にして回転動作するセンサロータプレートRPの回転をセンサヘッドSHの複数個の検知部S1〜S4で同時に検知することによって、モータMの回転軸MJの回転角を検出できるようになっている。
以上のことから、センサロータプレートRPの形状について重要なことは、センサロータプレートRP、つまり、磁気応答部材の所定の形状が如何なる形状であるかということではなく、要するに、センサロータプレートRPの回転位置の変化に応じた各センサ用コイルL1〜L4のインダクタンス変化つまりインピーダンス変化が、理想的なサイン関数のカーブと同じようになるようにできるだけ適切な形状に設計されていればよい。
また、センサロータプレートRPを挟み込むようにしてセンサヘッドSHの各極毎に2個ずつセンサ用コイルL1〜L4を対向配置した例を示したが、センサ用コイルL1〜L4をセンサヘッドSHの同一側面側に各極毎に1個ずつ配置するようにしてもよい。しかし、上記のようにセンサロータプレートRPを挟み込むようにしてセンサヘッドSHの各極毎に2個ずつセンサ用コイルL1〜L4を対向配置した方が、キャリブレーションの発生によるセンサロータプレートPのぶれの影響に伴う磁束の変動を相殺することができることから好ましい。
なお、本体プレートPは鉄のような磁性体で構成するとよい。こうすると、本体プレートPがモータM側で発生する磁束を遮蔽することになり、センサヘッドSH側にモータM側で発生した磁束が漏れることがない。すなわち、センサヘッドSHのセンサ用コイルL1〜L4はモータM側で発生する磁束の影響を受けることがないことから、回転位置の検出を正確に行うことができるようになり好ましい。
また、シールドリングSRは金や銅あるいは銀のような反磁性の性質を具える反磁性体材料で構成するのが好ましい。こうすると、各センサ用コイルL1〜L4から発生した磁束がモータ側Mに漏れることがなくなるので、正確な回転角の検出を行うことができるようになる。
A(θ)=P0+Psinθ
B(θ)=P0+Pcosθ
と表せる。
A’(θ)=P0−Psinθ
B’(θ)=P0−Pcosθ
と表せる。
なお、Pは1とみなして省略しても説明上不都合はないので、以下の説明ではこれを省略することにする。
Vs=A(θ)sinωt=(P0+sinθ)sinωt
Vsa=A’(θ)sinωt=(P0−sinθ)sinωt
Vc=B(θ)sinωt=(P0+cosθ)sinωt
Vca=B’(θ)sinωt=(P0−cosθ)sinωt
演算回路31では、下記のように、各コイル対毎に各センサ用コイルL1,L2,L3,L4の端子間電圧の差をそれぞれ取り出し、所定の周期的振幅関数を振幅係数として持つ交流出力信号を各コイル対毎に生成する。すなわち、各センサ用コイルL1,L2,L3,L4の出力電圧Vs,Vc,Vsa,Vcaは演算回路31に入力され、下記演算式に従って演算されることで、該演算回路31から検出対象位置θに応じたサイン及びコサイン関数特性を示す振幅をそれぞれ持つ2つの交流出力信号(つまり互に90度位相のずれた振幅関数特性を持つ2つの交流出力信号)が生成される。
Vs−Vsa=(P0+sinθ)sinωt−(P0−sinθ)sinωt
=2sinθsinωt
Vc−Vca=(P0+cosθ)sinωt−(P0−cosθ)sinωt
=2cosθsinωt
図4(A)は、図1に示すような複数の検知部S1〜S4(図4では単にSで示す)を含むセンサヘッドSH全体を磁性体からなるハウジングKでカバーした実施例を示す断面略図である。この場合、外部からの磁気の磁気回路がハウジングKの磁性体を通って形成され、内部の検知部Sには外部磁気が侵入しないように遮蔽することができる。この場合更に、各検知部Sの磁性体コアC全体を反磁性体(銅、アルミニウム、真鍮等の非磁性良導電体)Aでカバーするように構成するとよい。外部からの磁気が反磁性体(非磁性良導電体)の個所で渦電流損により減衰されることで、検知部S内部に漏洩する外部磁気が減衰される。したがって、正確な回転位置の検出を行うことができるようになる。図4(B)は、磁性体コイルCの変形例を示す断面略図であり、センサ用コイルLに独立した磁性体コアCを配置した例を示す。図4(B)に示すように、磁性体コアCとして、「C」の字型(図1(C)参照)に形成した磁性体コアCを用いることなく、単に円筒形あるいは直方体形などの形状に形成した磁性体コアCを用いるようにしてもよく、こうすると、センサヘッドSHをより小型に、かつ、シンプルに構成することができることから、狭い場所への設置により有利な回転型位置検出装置とすることができる、という利点がある。
なお、1回転未満の回転範囲で揺動する動きの回転位置を検出するタイプのものにおいては、上記各実施例において、磁気応答部材(上述の実施例においては、センサロータプレートRP)の方を固定し、センサ用コイルL1,L2,L3,L4を配置したセンサヘッドSHの方を検出対象の変位に応じて移動させるようにしてもよい。
また、上記実施例では、出力交流信号の数(相数)はサインとコサインの2相(つまりレゾルバタイプ)であるが、これに限らないのは勿論である。例えば、3相(各相の振幅関数が例えばsinθ,sin(θ+120),sin(θ+240)のようなもの)であってもよい。
なお、この発明において、コイルに生じる電圧若しくはコイルの端子間電圧とは、必ずしも電圧検出タイプの回路構成に限定されるものではなく、広義に解釈されるべきであり、電流検出タイプの回路構成を採用するものも範囲に含まれる。要するにコイルのインピーダンス変化に応じたアナログ電圧または電流を生じ、これを検出することのできる回路構成であればよい。
S,S1,S2,S3,S4 検知部
L,L1,L2,L3,L4 センサ用コイル
C,C1,C2,C3,C4 磁性体コア
P 本体プレート
RP センサロータプレート(磁気応答部材)
T 取付ねじ
M モータ
MJ 回転軸
K ハウジング
SR シールドリング
20 回転軸
21 ロータ
22 磁気シールド部材
23 ステータ
30 交流発生源
31 演算回路
32 位相検出回路
Claims (1)
- 交流信号で励磁される複数のコイルを含むコイル部であって、個々の前記コイルはそれぞれ独立の磁性体コアに装着されていて、それぞれのコイル及び磁性体コアの組が他の組から物理的に分離された構成からなっており、前記コイル及び磁性体コアの各組を所定の相対的位置関係で、検出対象回転軸の1回転に満たない所定の一部の回転角度範囲内のサイズからなる固定用部材に対して固定配置してなる前記コイル部と、
前記コイル部に対して相対的に変位するよう前記回転軸に設けられた磁気応答部材であって、前記回転軸の回転位置に応じて該磁気応答部材と前記コイル部との相対的位置が変化し、この相対的位置に応じて前記各コイルのインピーダンスを変化させる形状からなる前記磁気応答部材と
を備え、前記各コイルのインピーダンスに応じた出力電圧に基づき前記回転軸の回転位置検出データを得ることを特徴とする回転型位置検出装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2009105742A JP5135277B2 (ja) | 2009-04-23 | 2009-04-23 | 回転型位置検出装置 |
Related Parent Applications (1)
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