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JP5132737B2 - 溶接鋼管の水圧試験装置 - Google Patents

溶接鋼管の水圧試験装置 Download PDF

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JP5132737B2 JP2010193235A JP2010193235A JP5132737B2 JP 5132737 B2 JP5132737 B2 JP 5132737B2 JP 2010193235 A JP2010193235 A JP 2010193235A JP 2010193235 A JP2010193235 A JP 2010193235A JP 5132737 B2 JP5132737 B2 JP 5132737B2
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Description

本発明は、中径スパイラル鋼管などの溶接鋼管の製造工程における水圧試験装置に関する。
中径スパイラル鋼管などの溶接鋼管は、製造工程の終盤において、耐圧試験を実施して性能を確認する。一般には両端をヘッドストック、テールストックで挟持して内部に水を充満させ、所定時間加圧保持して、圧力変動がない、すなわち水漏れがないことで良否を判定する。
水圧試験装置の構成を図3の概念図により説明する。1はテストパイプTの一端を保持するヘッドストック、11は図示しない水圧源からヘッドストック1の内部に送り込まれた圧力水を封止するための締め切り弁、12はテストパイプTを保持するホルダ、13はシール部分のメインパッキン、2は水圧に対する反力としてヘッドストック1を外側から押圧するメインシリンダ(油圧シリンダ)、21はそのラム、4は図示しない油圧源からの油を封止する遮断弁である。ヘッドストック1の内部に封止した圧力水は、油圧を用いた図示しない増圧機構により所望の圧力に増圧する。なお、実際の水圧試験装置ではテストパイプTの反対側にこれとほぼ同様の構成で逆向きのテールストックが設けられ、テストパイプTの長さが大きいことから油圧ポンプを含めた油圧機器は別個のものが設置されるのが普通である。以下、ヘッドストック1を例にして説明を進める。
検査時の力のバランスは、ヘッドストック1の内部に封じ込められた水圧をP、テストパイプTの断面積をAとすれば、図3においてヘッドストック1に作用する左向きの推力Fは、
=A×P ・・・(1)
である。一方、ラム21の断面積をA、メインシリンダ内の油圧をPとすれば、同じく図3において右向きの押力Fは、
=A×P ・・・(2)
であり、Pを調整することにより、
=F ・・・(3)
となったときバランスが保たれる。
しかしメインシリンダ2における油圧Pが高圧、大面積であるため、作動油が圧縮され、わずかながらヘッドストック1が移動してメインパッキン13のシール面にすべりが発生する。作動油自身もわずかながら圧縮性であり、さらに作動油中に溶け込んだ空気や作動時の混入空気などによって若干の圧縮性を示すのである。
図4は管径毎の試験圧力(P、単位MPa)とプレッシングロード(前記のA、単位kN)との関係を示すグラフで、26、24・・・はテストパイプの管径(外径)を示す。
中径スパイラル鋼管に限ったことではないが、鋼管には同じ管径に対して圧力などの使用条件に応じてさまざまな板厚のものが必要である。ところで、試験圧力Pはつぎの式によって与えられる。
=2×σ×0.95×t/D×1000 ・・・(4)
ただしσは鋼管の材料の降伏点(kg/mm)、tは管の板厚、Dは管の外径(いずれもmm)である。
したがって、管径が同じであっても板厚によって試験圧力を変えねばならない。すなわち図4において、従来、斜線で示した試験圧力34.3MPa、プレッシングロード6860kNまでの範囲で使用していた水圧試験装置を、板厚の大きいものを製造することに対応して試験圧力、プレッシングロードともにアップしなければならなくなる。例えば図4でA印で示した油井管用26板厚21.0mmのものは試験圧力において28.2MPa、プレッシングロードは9659kNが必要である。またB印で示した油井管用12.75板厚15.9mmのものは試験圧力において49MPaを必要とする。水圧、油圧系のポンプ、バルブ等の圧力対応もさることながら、試験圧力を高めることによって前記のメインパッキン部分におけるすべりが増加し、シールパッキンの寿命が低下するという問題点が発生する。
作動油の圧縮によるヘッドストック1の移動量Δhを計算で求めてみる。
Δh=F×h×β/A ・・・(5)
βは油の圧縮率で、圧力の変化に対する単位体積当たりの容積変化である。
まず水圧による推力Fは、(1)式でP=34.3MPaと26の鋼管の断面積Aを代入すると、F=6860kNとなる。よってストロークh=300cm、油の圧縮率β=6.8×10−5(cm/kg)、メインシリンダのラムの径を65cmとして(5)式で計算すると、Δh=4.3cm、すなわち43mmとなる。ところが他の条件を変えずにFのみを9800kNとすると、Δhは61mmとなる。つまりメインパッキン位置における移動量が約50%増加する。
図5はメインパッキン13の一例を示すヘッドストックの部分断面図である。矢印の方向に水圧が作用するものとすると、FEM解析によれば符号Cで示した反圧力側に応力が集中するが、実際の操業においてもこの部分に破損が発生している。材質はウレタンゴムなどの合成ゴムであるが、例えば26鋼管であればパッキンも内径が683mm、外径が813mm、幅が78mmというように寸法が非常に大きいこと、作用する圧力が高いことなどからきわめて厳しい設計条件のパッキンであり、損耗が激しいとメンテナンスコストにも大きく影響する問題部分である。
本発明は、溶接鋼管の製造において、特に試験圧力を向上させた場合にヘッドストック、テールストックの移動を抑制し、メインパッキンの損耗を軽減して寿命を延長することのできる溶接鋼管の水圧試験装置を実現することを目的とする。
本発明は、溶接鋼管の両端をヘッドストック(1)、テールストックで挟持して、該ヘッドストック(1)およびテールストックと前記テストパイプの外周面とにパッキンを介在させてシールを形成し、内部に水を充満させ、外側から油圧シリンダ(2)で押圧するとともに増圧機構(7)により前記溶接鋼管内を所定時間加圧保持して該溶接鋼管の内部圧力変動を検出する溶接鋼管の水圧試験装置において、前記溶接鋼管内部の水圧を検出する圧力検出器(3)と、この圧力検出器(3)の圧力信号により相応の作動油を前記油圧シリンダ(2)内に送り込む弁装置(4a)とを有し、前記油圧シリンダ(2)内の油圧Pが前記圧力検出器(3)により検出される水圧Pに対し、次(6)式
=P×A/A ‥‥(6)
(ここで、P:油圧シリンダ内の油圧、P:水圧、A溶接鋼管の断面積、A:油圧シリンダのラムの断面積)
を満足するように前記弁装置(4a)を制御する、フィードバックシステムを備えたことを特徴とする溶接鋼管の水圧試験装置。
本発明によればパッキン部分のヘッドの移動量が10分の1以下に激減し、メインパッキンの寿命もこれまでの5倍以上に延長され、パッキンそのもののコストが削減されると同時にパッキン交換に伴う設備停止、取替え工数などが削減されて生産性が大きく向上するという、すぐれた効果を奏する。
本発明の実施例の構成を示す概念図である。 本発明の実施例におけるヘッドストックとメインシリンダの一部を示す部分正面図である。 本発明に係わる水圧試験装置の構成を示す概念図である。 管径毎の試験圧力とプレッシングロードとの関係を示すグラフである。 本発明に係わるヘッドストックの部分断面図である。
本発明においては、溶接鋼管内部の水圧を検出する圧力検出器と、この圧力検出器の圧力信号により相応の作動油を前記油圧シリンダ内に送り込む弁装置とを有するフィードバックシステムを備えることによって、油圧シリンダ内の油柱が反力によって圧縮されようとしたとき、これを押し返すように油圧シリンダ内に作動油を送り込むことによってテストパイプとメインパッキンとのずれを抑制するので、メインパッキンの損傷を防止することができる。
本発明の実施例を図1により説明する。各符号はこれまでと同じものを使用する他、3は圧力検出器、4aは比例電磁弁、5は油圧ポンプである。この実施例では、ヘッドストック1内の、すなわちテストパイプT内の水圧を検出する圧力検出器3と、その圧力信号により相応の作動油をメインシリンダ2(油圧シリンダ)内に送り込む比例電磁弁4a(弁装置)とを有するフィードバックシステムを備えている。
例えば前記の26の鋼管の場合、(5)式でFを9800kNとすると、ヘッドストックの移動量Δhは61mmであるが、このときのメインシリンダ内の作動油の体積の縮小量は約21リットルである。テストパイプT内の水圧が約で15秒間で上昇するものとすると、15秒間で約21リットル、すなわち毎分で21×60/15=84リットル以上の吐出量を有する油圧ポンプを使用し、メインシリンダ2内の油圧Pを、検出された水圧Pに対して前記(1)、(2)、(3)式から導かれる
=P×A/A ・・・(6)
となるよう、比例電磁弁4aを制御すれば、圧縮された体積に相当する作動油がメインシリンダ内に供給されるので、ヘッドストックの移動量Δhをほぼ0とすることができる。
図2は、ヘッドストック1とメインシリンダ2の一部を示す部分正面図で、6はヘッドストック1とメインシリンダ2との間の相対移動量(前記のΔh)を検出するために設けたワイヤ式のリニアスケール(移動量検出手段)である。両者が接近するとワイヤがリールに巻き取られ、離反するとくり出され、リールの回転量により移動量を検出する。これを設けることにより、実際のずれが発生していないかどうか監視することができる。リニアスケール6は、ヘッドストック、テールストックそれぞれに設ける。
1 ヘッドストック
2 メインシリンダ(油圧シリンダ)
3 圧力検出器
4 遮断弁
4a 比例電磁弁(弁装置)
5 油圧ポンプ
6 リニアスケール(移動量検出手段)
7 増圧機構
11 締め切り弁
12 ホルダ
13 メインパッキン
21 ラム
T テストパイプ

Claims (1)

  1. 溶接鋼管の両端をヘッドストック(1)、テールストックで挟持して、該ヘッドストック(1)およびテールストックと前記溶接鋼管の外周面とにパッキンを介在させてシール部分を形成し、内部に水を充満させ、外側から油圧シリンダ(2)で押圧するとともに増圧機構(7)により前記溶接鋼管内を所定時間加圧保持して該溶接鋼管の内部圧力変動を検出する溶接鋼管の水圧試験装置において、前記溶接鋼管内部の水圧を検出する圧力検出器(3)と、この圧力検出器(3)の圧力信号により相応の作動油を前記油圧シリンダ(2)内に送り込む弁装置(4a)とを有し、前記油圧シリンダ(2)内の油圧Pが前記圧力検出器(3)により検出される水圧Pに対し、下記(6)式を満足するように前記弁装置(4a)を制御する、フィードバックシステムを備えたことを特徴とする溶接鋼管の水圧試験装置。
    =P×A/A ‥‥(6)
    ここで、P:油圧シリンダ内の油圧、P:水圧、
    溶接鋼管の断面積、A:油圧シリンダのラムの断面積
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