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JP5132495B2 - 撮像装置、および、画像処理方法 - Google Patents

撮像装置、および、画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像にシェーディングを付加する技術に関する。
デジタルカメラにおいて、撮影時に用いられるレンズなどの光学系の特性により、撮影された画像の周辺部が中心部に比べて暗くなるシェーディングが生じることがある。近年のデジタルカメラの中には、特許文献1のように、暗くなった部分を修正して、シェーディングを補正する機能や、光学系の改良により、シェーディングの発生が抑えられたレンズを搭載するものがある。そのようなデジタルカメラを用いると、見た目ではシェーディングが生じていることがわからないような画像を撮影することができる。
一方で、シェーディングには、画像に立体感を生じさせる効果や、主要被写体を強調するような効果も生じさせる。そのため、同様な被写体を撮影した場合であっても、シェーディングが生じた画像には、シェーディングが生じていない画像とは異なる印象を、見る人に対して与える場合がある。
特開2005−277618号公報
一般的にシェーディングは、レンズなどの光学系の特性により生じる。そのため、シェーディングがあまり生じない光学系を有するデジタルカメラにおいては、シェーディングがあまり生じていない画像を撮影することはできる。しかしながら、印象的な画像を撮影するためにシェーディングを生じさせるためには、撮影時にレンズの前面にフィルターを配置するなど、光学系の変更を行わなければならなかった。
本発明は、光学系の変更を行うことなく、撮像された画像に対してシェーディングを付加することを目的とする。
本発明のある態様に係る撮像装置は、撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子から得られる画像データに対してホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、画像データに対してトリミング処理を行うトリミング処理部と、を備え、前記シェーディング処理部は、前記シェーディングが付加された画像データに対して前記トリミング処理が行われた場合に、前記シェーディングが付加された画像データに対して、前記トリミングが行われる前に行ったシェーディング付加処理とは異なるシェーディング付加処理を行うことを特徴とする。
本発明の別の態様に係る撮像装置は、撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子から得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、前記撮影レンズの焦点距離を取得する焦点距離取得部と、を備え、前記シェーディング処理部は、前記焦点距離取得部によって取得された撮影時における前記撮影レンズの焦点距離に応じて、前記画像データに付加するシェーディングの特性を変更することを特徴とする。
本発明のさらに別の態様に係る撮像装置は、撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子から得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、画像データに対してトリミング処理を行うトリミング処理部と、を備え、前記シェーディング処理部は、前記トリミング処理部でトリミング処理が行われた画像データに対してシェーディングを付加する場合には、トリミング処理が行われていない画像データに付加するシェーディングとは異なるシェーディングを付加することを特徴とする。
本発明によれば、光学系の変更を行わなくても、撮像された画像に対してシェーディングを付加することができる。
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態に係る撮像装置であるデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。図1に示すデジタルスチルカメラは、カメラ本体1と交換式レンズ2から構成される。
交換式レンズ2は、レンズ1010と、Flashメモリ1011と、マイクロコンピュータ1012と、ドライバ1013と、絞り1014と、を有している。交換式レンズ2は、I/F999を介して、カメラ本体1と通信可能に接続されている。
カメラ本体1は、メカシャッター101と、撮像素子102と、アナログ処理部103と、アナログ/デジタル変換部104(以下、A/D変換部104)と、バス105と、SDRAM106と、画像処理部107と、AE処理部108と、AF処理部109と、JPEG処理部110と、メモリインターフェース111(以下、メモリI/F111)と、記録媒体112と、LCDドライバ113と、LCD114と、マイクロコンピュータ115と、操作部116と、Flashメモリ117と、シェーディング処理部118とを有している。
レンズ1010は、被写体の光学像を撮像素子102に集光させる。レンズ1010は、単焦点レンズであってもよいし、ズームレンズであってもよい。Flashメモリ1011には、レンズ1010に関するシェーディング特性の情報が記憶されている。
マイクロコンピュータ1012は、I/F999、Flashメモリ1011、および、ドライバ1013と接続されていて、Flashメモリ1011に記憶されている情報の読み込み・書き込みを行うとともに、ドライバ1013を制御する。マイクロコンピュータ1012は、さらに、I/F999を介して、マイクロコンピュータ115と通信することができ、シェーディング特性やレンズの焦点距離情報などをマイクロコンピュータ115へ送信し、また、マイクロコンピュータ115から絞り値等の情報を受信する。
ドライバ1013は、マイクロコンピュータ1012の指示を受けて、レンズ1010を駆動させて、焦点距離やフォーカス位置の変更を行うとともに、絞り1014を駆動する。絞り1014は、レンズ1010の近傍に設けられ、被写体の光量を調節する。
メカシャッター101は、マイクロコンピュータ115の指示を受けて駆動し、撮像素子102に被写体を露光する時間を制御する。
撮像素子102は、各画素を構成するフォトダイオードの前面に、ベイヤー配列のカラーフィルタが配置された撮像素子である。ベイヤー配列は、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインとを有し、さらにその2つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。この撮像素子102は、レンズ1010により集光された光を、画素を構成するフォトダイオードで受光して光電変換することで、光の量を電荷量としてアナログ処理部103へ出力する。なお、撮像素子102は、CMOS方式のものでもCCD方式のものでも良い。
アナログ処理部103は、撮像素子102から読み出された電気信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるように、ゲインアップを行う。A/D変換部104は、アナログ処理部103から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号(以後、画像データという)に変換する。
バス105は、デジタルカメラ内部で発生した各種データをデジタルカメラ内の各部に転送するための転送路である。バス105は、A/D変換部104と、SDRAM106と、画像処理部107と、AE処理部108と、AF処理部109と、JPEG処理部110と、メモリI/F111と、LCDドライバ113と、マイクロコンピュータ115と、シェーディング処理部118とに接続されている。
A/D変換部104から出力される画像データは、バス105を介して一旦SDRAM106に記憶される。SDRAM106は、A/D変換部104において得られた画像データや、画像処理部107、JPEG処理部110において処理された画像データ等の各種データが一時的に記憶される記憶部である。
画像処理部107は、ホワイトバランス補正部1071(以下、WB補正部1071)、同時化処理部1072、色再現処理部1073、および、ノイズ低減処理部1074(以下、NR処理部1074)を含み、SDRAM106から読み出した画像データに対して様々な画像処理を施す。WB補正部1071は、画像データのホワイトバランスを補正する処理を行う。同時化処理部1072は、ベイヤー配列による画像データから、1画素あたりR、G、Bの情報からなる画像データへ同時化する処理を行う。色再現処理部1073は、画像の色味を変化させる色再現処理を行い、NR処理部1074は、ノイズを低減する処理を行う。ノイズ低減処理後の画像データは、SDRAM106に記憶される。
シェーディング処理部118は、画像処理部107によって様々な画像処理が行われて、SDRAM106に一旦記憶された画像データを読み出して、画像の中心部に対して、周辺部が暗くなるようにシェーディングを付加する処理を行う。
AE処理部108は、画像データから被写体輝度を算出する。被写体輝度を算出するためのデータは、専用の測光センサの出力であってもよい。AF処理部109は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、AF(Auto Focus)積算処理により、合焦評価値を取得する。
JPEG処理部110は、画像データの記録時には、SDRAM106から画像データを読み出し、読み出した画像データをJPEG圧縮方式に従って圧縮して、圧縮したJPEG画像データを、SDRAM106に一旦記憶する。マイクロコンピュータ115は、SDRAM106に記憶されたJPEG画像データに対して、JPEGファイルを構成するために必要なJPEGヘッダを付加してJPEGファイルを作成し、作成したJPEGファイルを、メモリI/F111を介して記録媒体112に記録する。記録媒体112は、例えばカメラ本体1に着脱可能なメモリカードからなる記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
LCDドライバ113は、LCD114に画像を表示させる。記録媒体112に記録されたJPEGファイルを再生する場合、JPEG処理部110は、記録媒体112に記録されているJPEGファイルを読み出して伸張処理を施した上で、伸張した画像データを一旦SDRAM106に記憶させる。LCDドライバ113は、伸張された画像データをSDRAM106から読み出し、読み出した画像データを映像信号へ変換した後でLCD114へ出力して、画像の表示を行う。
制御部としての機能を有するマイクロコンピュータ115は、デジタルカメラ本体1の各種シーケンスを統括的に制御する。マイクロコンピュータ115には、操作部116およびFlashメモリ117が接続されている。
操作部116は、電源ボタン、レリーズボタン、各種入力キー等の操作部材である。ユーザによって、操作部116の何れかの操作部材が操作されることにより、マイクロコンピュータ115は、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源ボタンは、当該デジタルカメラの電源のオン/オフ指示を行うための操作部材である。電源ボタンが押されたときに、マイクロコンピュータ115は、当該デジタルカメラの電源をオン又はオフする。レリーズボタンは、ファーストレリーズスイッチとセカンドレリーズスイッチの2段スイッチを有して構成されている。レリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされた場合に、マイクロコンピュータ115は、AE処理やAF処理等の撮影準備シーケンスを行う。また、レリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされた場合に、マイクロコンピュータ115は、撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
Flashメモリ117は、ホワイトバランス補正値やローパスフィルタ係数、シェーディングの特性を決めるシェーディングテーブル等のデジタルカメラの動作に必要な各種パラメータや、デジタルスチルカメラを特定するための製造番号などを記憶している。また、Flashメモリ117は、マイクロコンピュータ115にて実行する各種プログラムも記憶している。マイクロコンピュータ115は、Flashメモリ117に記憶されているプログラムに従い、またFlashメモリ117から各種シーケンスに必要なパラメータを読み込み、各処理を実行する。
図2は、第1の実施形態に係る撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。
ステップS201では、撮影を行う。撮影に関しては、従来から用いられている手法と同様である。レリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされた場合に、被写体の像が最も鮮明になるように、図示していないレンズ駆動機構を駆動させるAF処理、および、被写体輝度に基づいて、Flashメモリ117に記憶された絞り値およびシャッター速決定テーブルを参照することにより、絞りとシャッター速を算出するAE処理を行う。そして、レリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされた場合に、I/F999を介して、算出した絞り値をマイクロコンピュータ1012に送信する。ドライバ1013は、マイクロコンピュータ1012の指示に基づいて、算出された絞り値になるように絞り1014を駆動させる。そして、算出したシャッター速に基づいて、メカシャッター101を制御して撮影を行い、画像データを得る。
ステップS202では、ステップS201で得られた画像データに対して、画像処理部107にて、ホワイトバランス補正処理、色変換処理および色再現処理や、ノイズ低減処理等の画像処理などを行い、同時化された画像データを得る。
ステップS203では、シェーディングを付加する必要があるか否かの判定を行う。この判定は、ユーザによる操作部116の操作結果に基づいて行う。すなわち、ユーザは、操作部116の操作によって、画像にシェーディングを付加するか否かを予め設定することができ、その設定結果はFlashメモリ117に記録される。Flashメモリ117に記録されている、シェーディング付加に関する設定結果に基づいて、シェーディングを付加する必要があると判定するとステップS204に進み、付加しないと判定すると、ステップS205に進む。
ステップS204において、シェーディング処理部118は、ステップS202において同時化された画像データに対して、画像の中心部に対して周辺部が暗くなるようにシェーディングを付加する処理を行い、シェーディングが付加された画像データを作成する。シェーディング付加の処理に関する詳細については、後述する。
ステップS205では、LCDドライバ113を制御して、画像データをLCD114に表示させる。この処理は、記録媒体112に記録される画像データを一時的にユーザに見せるための処理である。
ステップS206では、画像データをJPEG処理部110でJPEG圧縮して、JPEG画像データを得るとともに、JPEGヘッダを作成して、SDRAM106に記憶する。ステップS207では、JPEG画像データとJPEGヘッダを1つのファイルとして構成し、記録媒体112に記録する。
図3は、第1の実施形態に係るシェーディング付加時の処理フロー、すなわち、図2に示すフローチャートのステップS204における処理の内容を示すフローチャートである。
ステップS301では、予めFlashメモリ117に記憶されている、シェーディングの特性を決めるシェーディングテーブルを読み込む。
シェーディングテーブルは、例えば、図4に示すように、基準点からの距離に応じて、補正係数が1から徐々に減少するような特性の連続データを、一定間隔でサンプリングしたものである。基準点は、例えば、画像データにおける光軸中心に対応する位置とし、ここでは、画像の中心位置とする。なお、図4では、画像の中心位置から最も遠い位置における距離が1となるように正規化している。
上述したように、シェーディング処理部118によるシェーディングの付加は、WB補正部1071によるホワイトバランス補正処理が行われた後に行われる。一般的に、撮影された画像データは、適切な明るさであることが多いので、画像の基準となる中心は、適切な明るさとしたまま、周辺部を徐々に暗くするのが好ましい。よって、補正係数を1以下としている。補正係数は、撮影レンズ1010の光学特性よりも強調したシェーディングが付加されるような値とする。
なお、シェーディングテーブルにおいて、サンプリング間隔を大きくすると、データ量は小さくなるが、図4に示すような特性の再現性が悪くなる。逆に、サンプリング間隔を小さくすると、図4に示すような特性の再現性は良くなるが、データ量は大きくなる。
ここで、画像中心からの距離を算出するためには、平方根を求める必要がある。一般に、平方根を求めると演算量が増加してしまうため、シェーディングテーブルを、基準点からの距離の2乗に応じた補正係数を格納したデータテーブルとしてもよい。図5は、横軸を基準点からの距離の2乗とした場合の補正係数の特性の一例を示す図である。ただし、図4と同様に、画像の中心位置から最も遠い位置における距離が1となるように正規化している。この場合のシェーディングテーブルは、基準点からの距離の2乗に応じて、補正係数が1から徐々に減少するような特性の連続データを、一定間隔でサンプリングしたものとなる。図5に示すような特性のシェーディングテーブルを用いることにより、図4に示すような特性のシェーディングテーブルを用いる場合に比べて、少ない演算量で高速に、補正係数を求めることができる。
ステップS302では、ステップS301で取得したシェーディングテーブルに基づいて、基準点である画像の中心位置が1であり、画像の中心位置からの距離に応じて値が小さくなる補正係数を求める。すなわち、画像の中心からの距離に基づいて、シェーディングテーブルを参照することにより、画像の各画素位置における補正係数を算出する。
このとき、シェーディングを付加する画像データのサイズ情報に基づいて、画像の中心位置からの距離が最大になる点(中心位置から最も遠い点)が、シェーディングテーブルにおける最も遠い位置の補正係数となるように正規化する。一般的には、画像の四隅の位置が中心位置から最も遠いため、四隅の位置の補正係数がシェーディングテーブルにおける最も小さい補正係数となる。これにより、記録する画像データのアスペクト比が異なる場合でも、画像の四隅は常に同じような輝度になる補正係数を算出することができる。
また、シェーディングテーブルにおけるデータのサンプリング間隔が大きい場合には、線形補完などの補完手法を用いて補完することで、画像の中心位置からの距離に応じてなめらかに補正係数を変化させることができる。
ステップS303では、画像を構成する画素の値に、ステップS302で算出した、その画素位置に対応する補正係数を乗じることによって、シェーディングを付加する処理を行う。
ここでは、RGB形式の画像データを輝度成分(例えば、Y)と色差成分(例えば、CbとCr)に分離した画像データに変換し、輝度成分のデータのみに補正係数を乗算することで、輝度を変更する。例えば、画像処理部107において、RGB形式の画像データを輝度成分および色差成分のデータに変換し、変換後のデータを一旦SDRAM106に記憶させる。シェーディング処理部118は、SDRAM106に記憶されている輝度成分および色差成分のデータを読み出して、輝度成分のデータのみに対して、補正係数を乗算することにより、シェーディングを付加する処理を行う。画像データがRGB形式のデータである場合、R、G、B全てに同じ補正係数を乗算することで輝度を変更することができるが、輝度成分のデータのみに補正係数を乗算する方法によれば、R、G、Bのそれぞれに補正係数を乗算する場合に比べて、乗算量が3分の1になるため、演算処理を高速化することができる。
図6(a)は、シェーディングを付加する前の画像の一例を示す図であり、図6(b)は、シェーディング処理部118によってシェーディングが付加された画像の一例を示す図である。図6(b)に示すように、シェーディングが付加された画像では、画像の中心から遠い位置になるほど、暗くなっている。なお、図6(a)および図6(b)において、符号61で示されている被写体は、模式的に表された人物の上半身を示している。
以上、第1の実施形態における撮像装置によれば、画像データに対して画像処理を施すことにより、撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加することができる。特に、ホワイトバランス補正が行われた画像データに対してシェーディングを付加する処理を行うので、適切な明るさに調整された画像データに基づいて、シェーディングを付加することができる。これに対して、ホワイトバランス補正が行われる前の画像データに対してシェーディングを付加する画像処理を行うと、ホワイトバランス補正が行われた後の画像で色づきが発生する可能性がある。また、ホワイトバランス補正が行われた画像を、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離し、分離した輝度成分のデータに対してシェーディングを付加するので、シェーディング付加時の演算量を低減することができる。
また、ユーザの設定によりシェーディングの付加を行うかどうかを設定することができるので、光学系の変更を行うことなく設定の変更のみで、シェーディングが付加されていない画像データと、シェーディングが付加された画像データの両方を作成することができる。
−第2の実施形態−
第2の実施形態における撮像装置の構成は、第1の実施形態における撮像装置の構成と同じである。第2の実施形態における撮像装置では、撮影時の撮影方法、および、シェーディング付加時の処理方法が第1の実施形態と異なる。なお、シェーディング付加時の処理方法が異なるため、シェーディング処理部の符号を118Aと表す。
図7は、第2の実施形態に係る撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
ステップS203において、画像データにシェーディングを付加する処理を行わないと判定すると、ステップS201に進み、通常の撮影処理を行う。一方、ステップS203において、画像データにシェーディングを付加する処理を行うと判定すると、ステップS701に進む。
ステップS701では撮影を行う。ここでは、まず、ステップS201と同様に、レリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされた場合に、被写体の像が最も鮮明になるように、図示しないレンズ駆動機構を駆動させるAF処理、および、被写体輝度に基づいて、Flashメモリ117に記憶された絞り値およびシャッター速決定テーブルを参照することにより、絞りおよびシャッター速を算出するAE処理を行う。
続いて、露光時間が、例えば4分の1になるように、算出されたシャッター速を修正する。そして、レリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされた場合に、I/F999を介して、算出した絞り値をマイクロコンピュータ1012に送信する。ドライバ1013は、マイクロコンピュータ1012の指示に基づいて、算出された絞り値になるように絞り1014を駆動させる。そして、算出したシャッター速に基づいて、メカシャッター101を制御して撮影を行い、画像データを得る。ステップS201における処理との差は、シャッター速を変更して、アンダーに撮影されるようにする点である。
ステップS701で撮影を行うと、ステップS704に進む。ステップS704において、シェーディング処理部118Aは、撮影されて、SDRAM106に一旦記憶された画像データを読み出して、シェーディングを付加する処理を行う。この時点では、画像処理部107による画像処理が行われていないため、ホワイトバランス補正も行われていない。また、上述したように、シャッター速を遅くしているため、1以上の補正係数を用いて、シェーディングを付加する処理を行う。
図8は、第2の実施形態において用いられるシェーディングテーブルの特性を示す図である。横軸は、基準点(画像の中心位置)からの距離であり、縦軸は補正係数である。ここでも、図4および図5と同様に、画像の中心位置から最も遠い位置における距離が1となるように正規化している。上述したように、露光時間が4分の1になるように制御したため、基準位置での補正係数を4とし、基準位置からの距離が最も遠い位置における補正係数を1としている。
シェーディング処理部118Aは、画像の中心からの距離に基づいて、図8に示すような特性を有するシェーディングテーブルを参照することにより、画像の各位置における補正係数を算出し、算出した補正係数を用いて、各画素の画素値を補正する処理を行う。これにより、基準となる中心位置での露出は適正になり、画像の中心から遠くなるに従って暗くなる画像が得られる。
ステップS201において、撮影処理を行うか、または、ステップS704において、画像データにシェーディングを付加する処理を行うと、ステップS202に進む。ステップS202において、画像処理部107は、画像データに対して、既に説明したような様々な画像処理を行う。その後の処理は、図2のフローチャートと同じである。
第2の実施形態における撮像装置によれば、撮影直後の画像データに対してシェーディングを付加することができる。
−第3の実施形態−
第3の実施形態における撮像装置の構成は、第1の実施形態における撮像装置の構成と同じである。第3の実施形態における撮像装置では、撮影時の焦点距離に応じて、画像に付加するシェーディングの特性を変更する。なお、シェーディング付加時の処理方法が異なるため、シェーディング処理部の符号を118Bと表す。
図9は、第3の実施形態に係る撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。図2に示すフローチャートと異なるのは、画像処理済みの画像データに対してシェーディングを付加するステップS904の処理である。ステップS904の処理の詳細を、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
図10は、第3の実施形態におけるシェーディング付加時の処理フロー、すなわち、シェーディング処理部118Bによって行われる処理フローを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
ステップS1001では、I/F999およびマイクロコンピュータ115を介して、撮影時のレンズの焦点距離をマイクロコンピュータ1012から取得する。
ステップS1002では、I/F999およびマイクロコンピュータ115を介して、予めFlashメモリ1011に記憶されている焦点距離に対するシェーディング特性の中から、ステップS1001で取得した焦点距離に最も近い焦点距離に対するシェーディング特性を取得する。
図11は、レンズ1010の異なる焦点距離に応じたシェーディング特性の一例を示す図である。横軸は、基準点(画像の中心位置)からの距離であり、縦軸は、基準点の光量を1とした場合の光量比である。ここでも、図4等と同様に、画像の中心位置から最も遠い位置における距離が1となるように正規化している。
一般的に、焦点距離が短いほど、シェーディングの影響は大きくなる。すなわち、図11に示すように、基準点である画像の中心位置からの距離が同じであれば、焦点距離が短いほど、光量比が小さくなり、焦点距離が長いほど、光量比が大きくなる。図11では、最長焦点、中間焦点、最短焦点の3つの焦点距離に応じたシェーディング特性しか示していないが、異なる焦点距離に応じて、Flashメモリ1011に記憶しておくシェーディング特性データの数を4つ以上としてもよい。
なお、ステップS1001で取得した焦点距離と一致する焦点距離に対するシェーディング特性がFlashメモリ1011に記憶されていなかった場合には、線形補完などの補完手法を使用して、撮影時の焦点距離に応じたシェーディング特性を算出するようにしてもよい。
ステップS1003では補正係数を算出する。基準とする位置を画像データにおける光軸中心(一般的には画像中心)として、基準とする位置からの距離と、ステップS1002で取得したシェーディング特性を使用して、画像データの各画素に対する補正係数を算出する。ここでは、画像上のある点において、基準である画像の中心位置からの距離を算出し、シェーディング特性よりその距離に応じた光量比を得る。そして、光量比を2乗した値をその点の補正係数とする。
撮影した画像データには、レンズ1010の撮影時の焦点距離におけるシェーディングの特性により、シェーディングがかかった状態であるが、さらに2乗した補正係数を用いてシェーディングを付加することで、レンズ1010の撮影時の焦点距離におけるシェーディングの特性の3乗に相当するシェーディングが付加されることになる。
なお、レンズの焦点距離に応じた光量比をそのまま補正係数として用いてもよい。また、レンズの焦点距離と補正係数とを対応付けたテーブルを予め用意して用いるようにしてもよい。
図12(a)は、シェーディングを付加する前の画像の一例を示す図であり、図12(b)および図12(c)は、シェーディング処理部118Bによってシェーディングが付加された画像の一例を示す図である。ただし、図12(b)は、短焦点側でシェーディングを付加した例であり、図12(c)は、長焦点側でシェーディングを付加した例である。上述したように、基準点である画像の中心位置からの距離が同じであれば、焦点距離が短いほど、光量比が小さくなるため、補正係数も小さくなる。すなわち、焦点距離が長い場合(図12(c)参照)に比べて、焦点距離が短い場合(図12(b)参照)の方がシェーディング付加の効果が視覚的に分かりやすくなる。
以上、第3の実施形態における撮像装置によれば、撮影時の焦点距離における使用したレンズのシェーディング特性を用いて、撮影した画像データにシェーディングを付加することができる。そのため、レンズや焦点距離によるシェーディングの差がシェーディングを付加する量に反映されるため、より自然なシェーディングの付加が可能となる。
−第4の実施形態−
第4の実施形態における撮像装置では、シェーディング付加処理が行われた画像の一部を切り取るトリミングが行われた場合に、トリミングされた画像に対して、再度、適切なシェーディングを付加する処理を行う。
図13は、第4の実施形態に係る撮像装置であるデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図であり、図1に示す構成に対して、トリミング処理部120が追加されている。トリミング処理部120は、シェーディング処理部118でシェーディングが付加された画像データに対して、ユーザによる操作部116の操作に応じて、トリミング処理を行う。
図14は、第4の実施形態に係る撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。図2に示すフローチャートと異なるのは、画像データに対してシェーディングを付加するステップS204の処理の後に、ステップS1301の処理が追加されていること、および、画像データを記録媒体112に記録するステップS1302の処理である。
ステップS1301では、ステップS204でシェーディング付加処理を行う際に算出した補正係数に、8ビットの輝度値で表示するための値255を乗じて、それぞれの画素に対応する位置に配置してできる画像を作成する。そして、作成された画像を、例えば10分の1のサイズに縮小したものを、補正係数画像とする。図15は、補正係数に基づいて作成された補正係数画像の一例を示す図である。
ステップS1302では、ステップS203の判定でシェーディングを付加した場合には、JPEG画像データとJPEGヘッダと補正係数画像を、シェーディングを付加しなかった場合には、JPEG画像データとJPEGヘッダを1つのファイルとして構成し、記録媒体112に記録する。
図16は、既に記録されているJPEGファイルを基に、アスペクトの変換などで行うトリミング処理におけるフローを示すフローチャートである。なお、図14に示すフローチャートの処理と同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
ステップS1501では、記録媒体112に記録されているトリミングする対象のJPEGファイルを選択して、記録媒体112から読み込み、JPEGヘッダからサイズ情報などの必要なデータを読み込むとともに、JPEG画像データをJPEG処理部110で解凍して画像データを得る。ここでは、例えば、記録媒体112に記録されているJPEGファイルの一覧をLCD114に表示し、操作部116をユーザが操作することで対象のJPEGファイルを決定する。図17(a)は、トリミング対象の画像データの一例を示す図であり、画像のアスペクト比は、例えば4:3である。
ステップS1502では、JPEGファイルに補正係数画像が存在するか否か、すなわち、図14に示すフローチャートの処理において、シェーディングを付加する処理を行ったか否かを判定する。補正係数画像が存在すると判定するとステップS1503に進み、存在しないと判定すると、ステップS1505へ進む。
ステップS1503では、ステップS1501で読み込んだJPEGファイルにおける補正係数画像のデータを、画像データと同じサイズになるように拡大して、補正係数を得る。例えば、図14に示すフローチャートのステップS1301において、補正係数画像のサイズを10分の1に縮小した場合には、10倍に拡大する。このとき、必要に応じて、線形補完などの補完手法を用いるのが望ましい。図17(b)は、画像データと同じサイズになるように拡大された補正係数画像を示す図である。
ステップS1504では、画像データのシェーディングを除去する。画像データの各画素に対応する、ステップS1503で得た補正係数で、各画素の値を除算することにより、シェーディングを除去することができる。図17(c)は、図17(a)に示す画像から、シェーディングが除去された画像を示している。
ステップS1505では、トリミング処理部120によってトリミング処理を行う。この処理は、従来から行われている一般的な処理であり、概要は、画像データにおける不要な部分を削除し、必要な部分のみを残す処理である。図17(d)は、図17(c)に示す画像に基づいて、画像の中央部分を正方形に切り抜くトリミングが行われた画像を示している。
ステップS203以降の処理は、図14に示すフローチャートと同じである。ステップS204では、トリミングされた画像データに対してシェーディングを付加する処理が行われる。シェーディングを付加する処理方法は、トリミング前の画像データに対してシェーディングを付加する処理方法と同じである。図17(e)は、図17(d)に示すトリミングされた画像に対して、シェーディングが付加された画像を示している。
ステップS1301では、補正係数画像を作成する。図17(f)は、作成された補正係数画像を示している。
図17(g)は、図17(a)に示す画像から、シェーディングを除去せずに、画像の中央部分を正方形に切り抜くトリミングが行われた画像を示している。シェーディングが付加された画像からトリミングを行っただけの図17(g)に示す画像に比べて、トリミングされた画像に対してシェーディングを付加した図17(e)に示す画像では、シェーディングの効果がはっきりと表れている。
なお、図16のステップS204では、予めFlashメモリ117に記憶されているシェーディングテーブルを用いて補正係数の算出を行うが、第3の実施形態で説明したように、レンズ1010の撮影時の焦点距離におけるシェーディング特性を使用して、補正係数を算出するようにしてもよい。
以上、第4の実施形態における撮像装置によれば、シェーディングが付加された画像データに対してトリミング処理が行われた場合に、シェーディングが付加された画像データに対して、トリミングが行われる前に行ったシェーディング付加処理とは異なるシェーディング付加処理を行う。特に、シェーディングが付加された画像データからシェーディングを除去した後、トリミングが行われた画像データに対してシェーディングを再び付加するので、トリミングが行われた画像データのサイズに応じた適切なシェーディングを付加することができる。
また、シェーディングが付加された画像データと、シェーディングを付加する処理を行う際に用いられた補正係数とを対応付けて記録するので、トリミング時に適切なシェーディングの付加および除去が可能となる。
−第5の実施形態−
第5の実施形態における撮像装置の構成は、第4の実施形態における撮像装置の構成と同じである。第5の実施形態における撮像装置では、シェーディング付加処理が行われた画像の一部を切り取るトリミングが行われた場合に、第4の実施形態における撮像装置が行う方法とは異なる方法にて、トリミングされた画像に対して、再度、適切なシェーディングを付加する処理を行う。なお、撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローは、図14に示すフローチャートの処理フローと同じである。
図18は、第5の実施形態におけるトリミング処理の処理フローを示すフローチャートである。なお、図3、図14および図16に示すフローチャートの処理と同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して、詳しい説明は省略する。
ステップS1502の判定を否定した後に進むステップS1701では、画像データと同じサイズで、かつ、全て1である補正係数を作成する。
ステップS203の判定を肯定した後に進むステップS1702では、ステップS301の処理と同様に、Flashメモリ117からシェーディングテーブルを読み込む。
ステップS1703では、ステップS1702で読み込んだシェーディングテーブルに基づいて、トリミングされた画像のサイズに応じた補正係数を算出する。補正係数の算出方法は、図3に示すフローチャートのステップS302における補正係数の算出方法と同様である。そして、ステップS1701またはステップS1503で既に得られている補正係数で、ステップS302同様に得られた補正係数を除算する。これにより、トリミングする画像にシェーディングが付加されていても、そのシェーディング特性とトリミングされた画像に対して付加するシェーディング特性の差分からなる補正係数を算出できる。
第4の実施形態における撮像装置の処理方法と、第5の実施形態における撮像装置の処理方法との違いを簡単にまとめておく。第4の実施形態における撮像装置では、画像にシェーディングを付加する際に用いた補正係数で、シェーディングが付加された画像の各画素の値を除算してシェーディングを除去し、その後、トリミングされた画像の大きさに応じた補正係数を用いて、シェーディングを付加する処理を行った。一方、第5の実施形態における撮像装置では、画像にシェーディングを付加する際に用いた補正係数で、トリミングされた画像の大きさに応じた補正係数を除算し、除算して得られた補正係数を用いて、シェーディングが付加された画像に対して、さらにシェーディングを付加する処理を行う。
なお、図18のステップS1702およびステップS1703では、予めFlashメモリ117に記憶されているシェーディングテーブルを用いて補正係数の算出を行ったが、第3の実施形態で説明したように、レンズ1010の撮影時の焦点距離におけるシェーディング特性を使用して、補正係数を算出するようにしてもよい。
以上、第5の実施形態における撮像装置によれば、シェーディングが付加された画像データに対してトリミング処理が行われた場合に、トリミング処理が行われた画像データに対して、トリミングが行われる前に行ったシェーディング付加処理とは異なるシェーディング付加処理を行う。特に、トリミング処理が行われる前の画像データのサイズに応じた第1の補正係数を算出するとともに、トリミング処理が行われた後の画像データのサイズに応じた第2の補正係数を算出し、算出した第1の補正係数および第2の補正係数と、トリミング処理が行われた後の画像データとに基づいて、トリミング処理が行われた後の画像データに対して、シェーディングを付加する処理を行う。これにより、シェーディングが付加された画像データから、シェーディングを除去する処理を行わなくても、トリミングが行われた画像データのサイズに応じた適切なシェーディングを付加することができる。
−第6の実施形態−
第6の実施形態における撮像装置の構成は、第1の実施形態における撮像装置の構成と同じである。第6の実施形態における撮像装置では、シェーディングを付加する際に用いる補正係数が異なる。なお、撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローは、図2に示すフローチャートの処理フローと同じである。また、シェーディング付加時の処理フローは、図3に示すフローチャートの処理フローと同じであるが、ステップS302の補正係数の算出処理が異なる。補正係数の算出方法について、以下で詳しく説明する。
第1の実施形態では、基準点(画像の中心位置)からの距離と補正係数とを対応付けたシェーディングテーブルを予め用意しておき、基準点からの距離に基づいてシェーディングテーブルを参照することにより、補正係数を算出した。本実施形態では、例えば、画像上の基準点からの横方向(x方向)および縦方向(y方向)それぞれの距離に対するシェーディングテーブルの値をそれぞれ求め、求めた値の積を補正係数とする。このとき、それぞれの方向の最大距離がシェーディングテーブルの最大距離の値に対応するように正規化して、補正係数を求める。これにより、同心円状ではないシェーディングを付加することができる。
なお、基準点からの横方向の距離に応じた補正係数を定めたシェーディングテーブルと、基準点からの縦方向の距離に応じた補正係数を定めたシェーディングテーブルの2種類のシェーディングテーブルを予め用意するようにしてもよい。
図19(a)は、基準点からの距離が同じであれば補正係数も同じ値である同心円状補正係数を用いて付加されるシェーディングの一例を示す図である。また、図19(b)は、基準点からの横方向の距離に応じて求められる横方向補正係数と、基準点からの縦方向の距離に応じて求められる縦方向補正係数とを乗算して得られる補正係数を用いて付加されるシェーディングの一例を示す図である。
基準点からの横方向または縦方向の距離に対応した補正係数を全て1としたシェーディングテーブルを用いることもできる。図19(c)は、基準点からの横方向の距離に対応した補正係数を全て1とした場合に得られるシェーディングの一例を示す図である。
なお、補正係数の算出に用いるシェーディングテーブルは、第3の実施形態で説明したように、レンズ1010の撮影時の焦点距離におけるシェーディング特性に応じたものを用意して使用してもよい。
−第7の実施形態−
第7の実施形態における撮像装置の構成は、第1の実施形態における撮像装置の構成と同じである。第7の実施形態における撮像装置では、シェーディングを付加する際に用いる補正係数が異なる。なお、撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローは、図2に示すフローチャートの処理フローと同じである。また、シェーディング付加時の処理フローは、図3に示すフローチャートの処理フローと同じであるが、ステップS302の補正係数の算出処理が異なる。補正係数の算出方法について、以下で詳しく説明する。
第1の実施形態においては、基準点からの距離に応じて補正係数を算出した。本実施形態では、第1の実施形態と同一方法で算出された補正係数を、トリミングされた画像のアスペクト比に応じて、縦方向および横方向に拡大・縮小することで補正係数を算出する。
図20(a)は、本実施形態における撮像装置によって、4:3の画像に対する同心円状の補正係数を、16:9の画像に対する補正係数になるように拡大・縮小した補正係数を用いて、シェーディングを付加した画像を示している。16:9の画像に対応させるために、拡大・縮小した補正係数を用いることにより、画像のサイズに応じたより適切なシェーディングを付加することができる。
一方、図20(b)は、第1の実施形態における撮像装置によって、アスペクト比が4:3の画像データにシェーディングを付加する処理が行われた後、幅は変えずに16:9のアスペクト比になるようにトリミングした画像を示している。
以上、複数の実施形態を挙げて説明したが、算出した補正係数はSDRAM106や、Flashメモリ117などに記憶し、2回目以後の処理で使用するようにしてもよい。また、シェーディングを付加する画像データの高さと幅を入れ替えた形の画像データに対する補正係数がSDRAM106や、Flashメモリ117などに記憶されている場合には、その補正係数を90度右回転または左回転した補正係数を使用してもよい。
上述した第1〜第7の実施形態では、画像データにおける光軸中心に対応する位置、すなわち、画像の中心位置を基準としてシェーディングを付加する処理を行ったが、シェーディング付加処理を行う際の基準位置は、画像上の任意の位置とすることができる。
なお、上述した各実施形態の説明では、デジタルスチルカメラを例に挙げて説明したが、各実施形態で説明した処理を実現するためのプログラムをコンピュータが実行する構成とすることもできる。すなわち、CPU、RAM等の主記憶装置、各実施形態で説明した処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えたコンピュータにおいて、CPUが上記記憶媒体に記憶されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の撮像装置と同様の処理を実現させる。
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、上述したプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータがプログラムを実行するようにしても良い。
本願発明には、以下のような態様の撮像装置および画像処理プログラムも含まれる。
(1)補正係数算出部は、画像上の各位置における補正係数の値を、画像上の任意の基準位置からの距離に応じて設定することを特徴とする撮像装置。
(2)シェーディングを付加するための1以下の補正係数を算出する補正係数算出部をさらに備え、
補正係数算出部は、トリミング処理が行われる前の画像データのサイズに応じた第1の補正係数を算出するとともに、トリミング処理が行われた後の画像データのサイズに応じた第2の補正係数を算出し、
シェーディング処理部は、トリミング処理が行われた後の画像データと、第1の補正係数および第2の補正係数とに基づいて、トリミング処理が行われた後の画像データに対して、シェーディングを付加する処理を行うことを特徴とする撮像装置。
(3)シェーディング処理部は、第2の補正係数を第1の補正係数で除算して得られる第3の補正係数を用いて、トリミング処理が行われた後の画像データに対してシェーディングを付加する処理を行うことを特徴とする撮像装置。
(4)シェーディングが付加された画像データと、シェーディングを付加する処理を行う際に用いられた補正係数とを対応付けて記録する記録部をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
(5)撮影レンズの焦点距離に応じたシェーディング特性のデータを記憶するシェーディング特性データ記憶部をさらに備え、
シェーディング処理部は、焦点距離取得部によって取得された撮影時における撮影レンズの焦点距離に応じたシェーディング特性のデータをシェーディング特性データ記憶部から読み出して用いることを特徴とする撮像装置。
(6)撮影レンズを通して撮像素子で受光した被写体光を光電変換することにより得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うステップと、
ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するステップと、
分離された輝度成分のデータに対して、撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するステップと、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
本発明は、上述した第1〜第7の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
第1の実施形態に係る撮像装置であるデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るシェーディング付加時の処理フローを示すフローチャートである。 基準点からの距離に応じた補正係数の特性の一例を示す図である。 基準点からの距離の2乗に応じた補正係数の特性の一例を示す図である。 図6(a)は、シェーディングを付加する前の画像の一例を示す図であり、図6(b)は、シェーディングが付加された画像の一例を示す図である。 第2の実施形態における撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。 第2の実施形態において用いられるシェーディングテーブルの特性を示す図である。 第3の実施形態における撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるシェーディング付加時の処理フローを示すフローチャートである。 レンズの異なる焦点距離に応じたシェーディング特性の一例を示す図である。 図12(a)は、シェーディングを付加する前の画像の一例を示す図、図12(b)は、短焦点側でシェーディングが付加された画像の一例を示す図、図12(c)は、長焦点側でシェーディングが付加された画像の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る撮像装置であるデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。 第4の実施形態における撮影およびJPEGファイル生成時の処理フローを示すフローチャートである。 補正係数画像の一例を示す図である。 既に記録されているJPEGファイルを基に、アスペクトの変換などで行うトリミング処理におけるフローを示すフローチャートである。 図17(a)は、トリミング対象の画像データの一例を示す図、図17(b)は、画像データと同じサイズになるように拡大された補正係数画像を示す図、図17(c)は、図17(a)に示す画像から、シェーディングが除去された画像を示す図、図17(d)は、図17(c)に示す画像に基づいて、画像の中央部分を正方形に切り抜くトリミングが行われた画像を示す図、図17(e)は、図17(d)に示すトリミングされた画像に対して、シェーディングが付加された画像を示す図、図17(f)は、作成された補正係数画像を示す図、図17(g)は、図17(a)に示す画像から、シェーディングを除去せずに、画像の中央部分を正方形に切り抜くトリミングが行われた画像を示す図である。 第5の実施形態におけるトリミング処理の処理フローを示すフローチャートである。 図19(a)は、同心円状補正係数を用いて付加されるシェーディングの一例を示す図、図19(b)は、横方向距離および縦方向距離に応じて求まる補正係数を用いて付加されるシェーディングの一例を示す図、図19(c)は、基準点からの横方向の距離に対応した補正係数を全て1とした場合に得られるシェーディングの一例を示す図である。 図20(a)は、4:3の画像に対する同心円状の補正係数を、16:9の画像に対する補正係数になるように拡大・縮小した補正係数を用いて、シェーディングを付加した画像を示す図であり、図20(b)は、アスペクト比が4:3の画像データにシェーディングを付加する処理が行われた後、幅は変えずに16:9のアスペクト比になるようにトリミングした画像を示す図である。
符号の説明
1…カメラ本体、2…交換式レンズ、101…メカシャッター、102…撮像素子、103…アナログ処理部、104…アナログ/デジタル変換部、105…バス、106…SDRAM、107…画像処理部、108…AE処理部、109…AF処理部、110…JPEG処理部、111…メモリインターフェース、112…記録媒体、113…LCDドライバ、114…LCD、115…マイクロコンピュータ、116…操作部、117…Flashメモリ、118…シェーディング処理部、120…トリミング処理部、999…I/F、1010…レンズ、1011…Flashメモリ、1012…マイクロコンピュータ、1013…ドライバ、1014…絞り、1071…ホワイトバランス補正部、1072…同時化処理部、1073…色再現処理部、1074…ノイズ低減処理部

Claims (5)

  1. 撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子から得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、
    前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、
    前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、
    画像データに対してトリミング処理を行うトリミング処理部と、
    を備え、
    前記シェーディング処理部は、前記シェーディングが付加された画像データに対して前記トリミング処理が行われた場合に、前記シェーディングが付加された画像データに対して、前記トリミングが行われる前に行ったシェーディング付加処理とは異なるシェーディング付加処理を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子から得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、
    前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、
    前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、
    前記撮影レンズの焦点距離を取得する焦点距離取得部と、
    を備え、
    前記シェーディング処理部は、前記焦点距離取得部によって取得された撮影時における前記撮影レンズの焦点距離に応じて、前記画像データに付加するシェーディングの特性を変更することを特徴とする撮像装置。
  3. 前記画像データの各画素の位置に応じて、前記シェーディングを付加する処理で用いる補正係数を1以下の値として算出する補正係数算出部をさらに備え、
    前記シェーディング処理部は、前記画像データの各画素の位置ごとに、その画素位置の画素値の輝度成分に前記1以下の補正係数を乗ずることにより、シェーディングを付加した画像データを得ることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記補正係数算出部は、画像上の各位置における補正係数の値を、画像上の任意の基準位置からの第1の方向における距離と、前記第1の方向とは異なる第2の方向における距離とに応じて設定することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 撮影レンズを通して受光した被写体光を光電変換する撮像素子と、
    前記撮像素子から得られる画像データに対して、ホワイトバランス補正を行うホワイトバランス補正部と、
    前記ホワイトバランス補正が行われた画像データを、輝度成分のデータと色成分のデータとに分離するデータ分離部と、
    前記データ分離部で分離された前記輝度成分のデータに対して、前記撮影レンズの光学特性よりも強調したシェーディングを付加するシェーディング処理部と、
    画像データに対してトリミング処理を行うトリミング処理部と、
    を備え、
    前記シェーディング処理部は、前記トリミング処理部でトリミング処理が行われた画像データに対してシェーディングを付加する場合には、トリミング処理が行われていない画像データに付加するシェーディングとは異なるシェーディングを付加することを特徴とする撮像装置。
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