JP5132262B2 - 裏面入射型リニアイメージセンサ、その駆動方法、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の第1態様における裏面入射型リニアイメージセンサは、表面に電荷転送素子が列状に複数配列された半導体基板における裏面側に形成した光入射領域から入射した光により上記電荷転送素子に発生した信号電荷を送出する裏面入射型のTDI処理を実施するリニアイメージセンサであって、受光部と、水平転送部と、高速転送部と、駆動部とを備えたことを特徴とする。上記受光部は、上記光入射領域に対向して上記半導体基板の表面に沿って第1方向に配列された第一の電荷転送素子を有し、発生した上記信号電荷を上記第1方向に転送する。上記水平転送部は、上記裏面側において上記光入射領域以外の遮光領域に対向して上記表面に沿って第2方向に配列された第二の電荷転送素子を有し、上記信号電荷を第2方向に転送する。上記高速転送部は、上記表面に沿って上記受光部と上記水平転送部との間であり上記光入射領域と上記遮光領域との境界部にて上記第1方向に配列された第三の電荷転送素子を有し、ここで該第三の電荷転送素子は、上記受光部から供給される上記信号電荷を上記第1方向に転送しかつ光入射領域から入射した光が上記第三の電荷転送素子に入射してノイズ電荷を生成する。上記駆動部は、上記受光部に対して電荷転送を行わず上記高速転送部に対して電荷転送を行わせ、上記ノイズ電荷のみを排出させかつ上記受光部から転送された信号電荷を上記水平転送部へ転送させる高速転送動作制御を行う。
又、以下に説明する裏面入射型リニアイメージセンサでは、電荷転送素子としてCCD(電荷結合素子)を使用するが、これに限定されず、CMOSを使用することも可能である。又、リニアイメージセンサにおけるS/N比の改善を図るため、本実施形態の裏面入射型リニアイメージセンサにおいても、上述のTDI(Time Delay and Integration)方式を採り、FFT(フル・フレーム・トランスファ)型CCD、又はFT(フレーム・トランスファ)型CCDを使用する。
図1は、本発明の実施の形態1による裏面入射型イメージセンサ101の一例としての裏面入射型TDI−CCDの回路構成を示す素子平面図である。又、図1に示すA−A’線における、当該裏面入射型TDI−CCDの断面を模式的に図2に示す。
当該裏面入射型リニアイメージセンサ101は、基本的構成として、受光部50、高速転送部60、水平転送部70、及び駆動部80を備え、受光部50、高速転送部60及び水平転送部70を形成した半導体基板30の裏面つまりバルクSi基板12の裏面12aに設けた光入射領域19から入射した光により発生した信号電荷を送出する。尚、駆動部80は、受光部50、高速転送部60、及び水平転送部70等を形成する半導体基板とは別設される、又は当該半導体基板上に形成される構成部分である。又、駆動部80は、高速転送部60を構成するCCDを駆動する第1駆動部81と、受光部50を構成するCCDを駆動する第2駆動部82と、水平転送部70並びに後述の蓄積部6、蓄積制御ゲート7、及びリセットゲート8を駆動する第3駆動部83とを有する。
尚、図1では、受光部50について、TDI画素1を、5行8列にて図示しているが、これは勿論例示であり、複数行、一若しくは複数列にて配列することができる。
バルクSi基板12、BOX酸化膜13、Siエピタキシャル層14からなるSOI基板15の表面側に、転送チャネル16及びゲート電極17などで構成された読出し回路が形成されている。ここで、ゲート電極17に含まれる、17aはTDI転送ゲート、17bは垂直CCD転送ゲート、17cは蓄積ゲート、17dは蓄積制御ゲート、及び17eは水平CCD転送ゲートである。又、転送チャネル16に含まれる、16aはTDI画素1のチャネル部分、16bは垂直CCD3のチャネル部分、16cは蓄積部のチャネル部分、及び16eは水平CCD5のチャネル部分である。尚、TDI転送ゲート17a及びTDI画素1のチャネル部分16aにより受光部50を構成し、垂直CCD転送ゲート17b及び垂直CCD3のチャネル部分16bにより高速転送部60を構成し、蓄積ゲート17c、蓄積制御ゲート17d、及び蓄積部のチャネル部分16cにより蓄積部6及び蓄積制御ゲート7を構成し、水平CCD転送ゲート17e及び水平CCD5のチャネル部分16eにより水平転送部70を構成している。
裏面入射型イメージセンサ101において、撮像時には、光を裏面12a側から入射させる。光入射領域19は、バルクSi12が除去されてエピタキシャル層14の膜厚部分まで薄膜化されており、エピタキシャル層14の膜厚は10〜20μm程度である。よって、受光部50では、入射光に応じて信号電荷が発生し、発生した信号電荷がTDI画素1のチャネル16aに集積される。一方、蓄積部6や水平CCD5は、膜厚が数100μmのバルクSi12によって遮光されており光電荷を発生しない。両者の間に位置する高速転送部60では、高速転送部60に対応した箇所のSi膜厚が10μmから数百μmまで連続的に変化するため、可視光に対する透過率も連続的に変化する。よって、高速転送部60でも光電荷が発生し、高速転送部60に入射した光によって発生した光電荷は、転送チャネル16bに集積される。
図3は、本発明の実施の形態1による裏面入射型TDI−CCD101のポテンシャル図であり、転送チャネル16のポテンシャルの模様を時系列に表している。以下、図3及び図9を用いて本発明の実施の形態1による裏面入射型TDI−CCD101の駆動方法について説明する。該駆動方法は、要約すると、1撮像周期ごとに受光部50で1段のTDI転送を行い、1撮像周期ごとに高速転送部60では受光部50から転送された信号電荷22の水平CCDへの高速転送を行うとともに、信号電荷22の高速転送の直前に、高速転送部60にて発生したノイズ電荷23の排出を行うものである。尚、このような駆動方法は、上記駆動部80にて制御され、受光部50、高速転送部60、蓄積部6、蓄積制御ゲート7、リセットゲート8、及び水平転送部70に対して実行される。
又、このとき、図3の(a)に示す時点で受光部50の最終段にあった信号電荷22eは、高速転送部60の垂直CCD3の内、蓄積部6の1段手前の垂直CCD3に保持される。以上の図3の(b)から(d)への一連の転送動作を高速に行うことで、つまり第1駆動部81から高速転送部60へ供給するクロックの周波数を、通常の電荷転送動作に使用する周波数よりも上げる(高速にする)ことで、この期間中に高速転送部60で発生するノイズ電荷(スミア)を抑制する。
次いで、図3の(f)に示すように、高速転送部60に対して1段分の電荷転送を行い、信号電荷22eを蓄積部6へ転送する。さらに蓄積制御ゲート7を開け、図3の(g)に示すように、信号電荷22eを水平転送部70の水平CCD5へ転送する(図9のステップS3)。
以上の高速転送動作を完了した後、第3駆動部83により、蓄積制御ゲート7を閉じ、水平CCD5を駆動して、出力アンプ9より信号電荷22eを時系列に1撮像周期分の信号として読み出す。
図4は、本発明の実施の形態2による裏面入射型イメージセンサ102の一例としての裏面入射型TDI−CCDの回路構成を示す素子平面図である。実施の形態2における裏面入射型TDI−CCDのイメージセンサ102は、実施の形態1にて説明した高速転送部60に代えて高速転送部61を備え、これに伴い、上述のリセットゲート8を削除した構成を有する。その他の構成は、実施の形態1におけるイメージセンサ101の構成に同じであり、同一構成部分については説明を省略する。
実施の形態1のイメージセンサ101における受光部50と同様に、当該イメージセンサ102における受光部50でも、TDI画素1では信号電荷22が集積され、TDI画素1の段数に比例して信号電荷22a、22b、・・・、22eの順に信号電荷量は多くなる。又、高速転送部61の各垂直CCD24にも、ノイズ電荷23が集積されている。
次に、駆動部80は、受光部50に対しては電荷の転送を行わず、高速転送部61に対してのみ電荷を垂直方向に順次転送する(図10のステップS13)。この状態を図5の(d)〜(f)に示す。図5の(d)〜(f)の一連の転送動作を高速に行うことで、上記信号電荷22eは、蓄積部6へ転送される。
図6は、本発明の実施の形態3による裏面入射型TDI−CCDのイメージセンサ103の回路構成を示す平面図である。当該イメージセンサ103は、上述した実施の形態1におけるイメージセンサ101に対して、遮光材料からなる遮光膜27をさらに加えた構成を有する。その他の構成は、イメージセンサ101の構成と変わる部分はない。よって以下には、遮光膜27についてのみ説明を行う。尚、図6に示す符号26は、遮光膜27の縁を示している。又、図7は、図6に示すB−B’部分の断面の構造を模式的に示す素子断面図である。
又、当該実施の形態3では、上述のように、実施形態1のイメージセンサ101に遮光膜27を設けた構成であるが、勿論、実施形態2のイメージセンサ102に遮光膜27を設けた構成を採ることも可能である。
尚、当該実施の形態3におけるイメージセンサ103の動作については、上述した実施の形態1におけるイメージセンサ101の駆動方法に同じであるので、ここでの説明は省略する。
基板ウェハとして、図8の(a)に示すように、バルクSi12、BOX酸化膜13、Siエピタキシャル層14からなるSOI基板15を用いる。標準的なSiプロセスを用いて、図8の(b)に示すように、SOI基板15の表面側に、転送チャネル16や転送ゲート17などを有するCCD、つまり受光部50、高速転送部60、水平転送部70等を形成する。
尚、図8の(d)以降では、裏面12aが図面上方となるように図示している。このとき基板裏面12aは、平坦であるため、エッチングマスク21のパターニングには通常のSiプロセスが利用できる。
即ち、遮光膜27を設けたことで、遮光膜27を設けない場合に比べて蓄積部6、蓄積制御ゲート7、リセットゲート8、及び水平転送部70に対する遮光性を向上させることができる。
又、遮光膜27は、エッチング等の加工工程が不要で露光工程のみでパターニングできるため、製造歩留が向上するとともに、光入射領域19の底面19aだけをパターニングすればよい。よって、光入射領域19のような段差の高低差が比較的大きい構造に対する露光機のフォーカス合わせが容易になりパターニング精度が向上する。
7 蓄積制御ゲート、 8 リセットゲート、 12 バルクSi、
12a 裏面、 16 転送チャネル、 17 ゲート電極、 19 光入射領域、
19c 遮光領域、 22 信号電荷、 23 ノイズ電荷、 24 垂直CCD、
25 オーバーフロー部、 27 遮光膜、
50 受光部、 60、61 高速転送部、 70 水平転送部、 80 駆動部、
101〜103 裏面入射型リニアイメージセンサ。
Claims (7)
- 表面に電荷転送素子が列状に複数配列された半導体基板における裏面側に形成した光入射領域から入射した光により上記電荷転送素子に発生した信号電荷を送出する裏面入射型のTDI処理を実施するリニアイメージセンサであって、
上記光入射領域に対向して上記半導体基板の表面に沿って第1方向に配列された第一の電荷転送素子を有し、発生した上記信号電荷を上記第1方向に転送する受光部と、
上記裏面側において上記光入射領域以外の遮光領域に対向して上記表面に沿って第2方向に配列された第二の電荷転送素子を有し、上記信号電荷を第2方向に転送する水平転送部と、
上記表面に沿って上記受光部と上記水平転送部との間であり上記光入射領域と上記遮光領域との境界部にて上記第1方向に配列された第三の電荷転送素子を有し、ここで該第三の電荷転送素子は、上記受光部から供給される上記信号電荷を上記第1方向に転送しかつ光入射領域から入射した光が上記第三の電荷転送素子に入射してノイズ電荷を生成する、高速転送部と、
上記受光部に対して電荷転送を行わず上記高速転送部に対して電荷転送を行わせ、上記ノイズ電荷のみを排出させかつ上記受光部から転送された信号電荷を上記水平転送部へ転送させる高速転送動作制御を行う駆動部と、
を備えたことを特徴とする裏面入射型リニアイメージセンサ。 - 上記ノイズ電荷の排出を行う部分であり、上記遮光領域に対向して上記表面に沿って上記高速転送部と上記水平転送部との間に配置され、上記駆動部の上記高速転送動作制御により上記高速転送部から転送される上記ノイズ電荷を蓄積して排出しかつ上記受光部から転送された信号電荷を上記水平転送部へ転送する蓄積制御部をさらに備えた、請求項1記載の裏面入射型リニアイメージセンサ。
- 上記高速転送部は、当該高速転送部に備わるそれぞれの上記第三の電荷転送素子に配置され当該第三の電荷転送素子で生成した上記ノイズ電荷の排出を行うオーバーフロー部を備え、上記駆動部は、一撮像周期の終了後に上記オーバーフロー部に対して上記ノイズ電荷の排出を行わせる、請求項1記載の裏面入射型リニアイメージセンサ。
- 上記光入射領域は、上記半導体基板の上記裏面に形成した凹状の領域であり、当該裏面入射型リニアイメージセンサは、光が入射する開口を上記凹部の底面に有し上記裏面を覆う遮光膜をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の裏面入射型リニアイメージセンサ。
- 請求項1又は2に記載の裏面入射型リニアイメージセンサの駆動方法であって、
受光部及び高速転送部に配列された全ての第一の電荷転送素子及び第三の電荷転送素子に対して第1方向へ一段分のみ電荷転送を行い、上記受光部における最終段の上記第一の電荷転送素子に存在する信号電荷を上記高速転送部に転送し、
上記信号電荷の転送後、上記受光部に対して電荷転送を停止する一方、上記高速転送部のみに対して電荷転送を行い上記高速転送部の上記第三の電荷転送素子にて生成したノイズ電荷を排出させ、
上記ノイズ電荷の排出後、上記受光部から上記高速転送部に転送された上記信号電荷を水平転送部に転送する、
ことを特徴とする裏面入射型リニアイメージセンサの駆動方法。 - 請求項3に記載の裏面入射型リニアイメージセンサの駆動方法であって、
一撮像周期の終了後、高速転送部の全ての第三の電荷転送素子に対して、生成されたノイズ電荷を排出させ、
上記ノイズ電荷の排出後、受光部に備わる全ての第一の電荷転送素子、及び上記高速転送部に備わる全ての上記第三の電荷転送素子に対して第1方向へ一段分のみ電荷転送を行い、上記受光部における最終段の第一の電荷転送素子に存在する信号電荷を上記高速転送部に転送し、
上記受光部に対して電荷転送を停止する一方、上記高速転送部のみに対して電荷転送を行い上記信号電荷を水平転送部に転送する、
ことを特徴とする裏面入射型リニアイメージセンサの駆動方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の裏面入射型リニアイメージセンサの製造方法であって、
受光部、高速転送部、及び水平転送部を形成した半導体基板の裏面に凹状の光入射領域を形成し、ここで、上記受光部は上記光入射領域に対応して位置し、上記高速転送部は上記光入射領域と該光入射領域以外の遮光領域との境界部に位置し、
上記光入射領域及び上記遮光領域を覆って遮光膜を形成し、
上記光入射領域における上記遮光膜を除去して開口を形成するとき、該開口形成用マスクのアライメントは、上記受光部又は上記高速転送部における電荷転送素子のパターンに対して位置合わせを行う、
ことを特徴とする裏面入射型リニアイメージセンサの製造方法。
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