JP5131795B2

JP5131795B2 - バルーンカテーテル

Info

Publication number: JP5131795B2
Application number: JP2001163601A
Authority: JP
Inventors: 宏行三橋
Original assignee: Kawasumi Laboratories Inc
Current assignee: SB Kawasumi Laboratories Inc
Priority date: 2001-05-31
Filing date: 2001-05-31
Publication date: 2013-01-30
Anticipated expiration: 2021-05-31
Also published as: JP2002355310A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばＰＴＣＡ（経皮的冠動脈形成術）等で使用されるバルーンカテーテルのガイドワイヤー誘導ルーメンの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
バルーンカテーテルを血管内に挿入し、ガイドワイヤー誘導ルーメンにガイドワイヤー（ＧＷ）を挿入する。
前記バルーンカテーテルを血管狭窄部にスムーズに配置する為に、バルーンの外周に親水性のポリマーをコーティングしたり、またＧＷの動きを良くする為にガイドワイヤー誘導ルーメンの内周面に滑りを良くする為の電解処置を施していた。
前記バルーンカテーテルのバルーンを血管内の狭窄部に配置し、バルーンを拡張させ狭窄部を拡張する。従来ガイドワイヤー誘導ルーメンの外周は前記バルーンを拡張する流体圧力に押圧されるのでこれに耐えうる硬い材質として、例えばポリアミド系やポリオレフィン系やポリイミド系の材質で形成されていた。
しかし前記のような硬い材質では、前記で述べたように、バルーンの配置やガイドワイヤーの動きをスムーズに行う為のコーティングが押圧力で勢いあまって滑ってしまい血管の狭窄部の位置からずれてしまうことが懸念される。
そこで本発明者は以上の課題を解決する為に鋭意検討を重ねた結果次の発明に達した。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
［１］本発明は、チューブ（３）と、ガイドワイヤー（ＧＷ）を挿入するガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、バルーン（４）とを有し、
前記チューブ（３）と、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、前記バルーン（４）とは、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記チューブ（３）と、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、前記バルーン（４）とは、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記チューブ（３）の遠位端側と前記バルーン（４）の近位端側とを、近位側接着部（４ａ）を介して装着し、
前記バルーン（４）の遠位端側と前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の遠位端側とを、遠位側接着部（４ｂ）を介して装着し、
前記チューブ（３）の遠位端側内腔に、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）を配置し、当該ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、内腔にガイドワイヤー誘導ルーメン（２）を有し、
当該ガイドワイヤー誘導ルーメン（２）は、先端開口部（２ＯＦ）と、後端開口部（２ＯＢ）とを有し、
前記先端開口部（２ＯＦ）は、前記バルーン（４）の内腔を経て前記バルーン（４）の遠位端側に配置され、
前記後端開口部（２ＯＢ）は、前記チューブ（３）の遠位端側内腔を経て当該チューブ（３）の遠位端側寄りの側部に配置され、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、遠位端側の前方部（２ＴＦ）と、近位端側の後方部（２ＴＢ）とを有し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、前記ガイドワイヤー誘導ルーメン（２）の先端開口部（２ＯＦ）から前記後端開口部（２ＯＢ）の近傍にわたって、連続して略同一径に形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前記前方部（２ＴＦ）は、前記後方部（２ＴＢ）よりも弾性力が強く且つ復元力が高い材質で形成し、当該後方部（２ＴＢ）は前記前方部（２ＴＦ）よりも硬い材質で形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前記前方部（２ＴＦ）と前記後方部（２ＴＢ）とを、前記近位側接着部（４ａ）近傍で接続し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前方部（２ＴＦ）を、前記近位側接着部（４ａ）と前記遠位側接着部（４ｂ）との間に配置し、前記バルーン（４）の近位端から当該バルーン（４）の内部を経て当該バルーン（４）の遠位端まで延設して、当該バルーン（４）の内部全域にわたって形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の遠位端側と、前記バルーン（４）の遠位端側との接着部（４ｂ）より、さらに遠位端側に、前記前方部（２ＴＦ）の遠位端側の先端部（７）を突設し、当該先端部（７）を前記後方部（２ＴＢ）と同様に前記前方部（２ＴＦ）よりも硬い材質で形成したバルーンカテーテル（１）を提供する。
［２］本発明は、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前方部（２ＴＦ）はポリウレタン系の材質で形成し、前記後方部（２ＴＢ）はポリアミド系またはポリオレフィン系またはポリイミド系の中から選ばれる材質で形成した[１]に記載のバルーンカテーテル（１）を提供する。
【０００４】
【発明の実施の形態】
図１は本発明のバルーンカテーテル１の断面図である。
前記バルーンカテーテル（以後「カテーテル」と略記する）１は、チューブ３と、ガイドワイヤーＧＷを挿入するガイドワイヤーチューブ２ＧＴと、バルーン４とを有する。
チューブ３と、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴと、バルーン４とは、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有する。チューブ３と、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴと、バルーン４とは、それぞれ長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ長手方向の後方側に近位端を有する。
チューブ３の遠位端側とバルーン４の近位端側とを、近位側接着部４ａを介して装着し、バルーン４の遠位端側とガイドワイヤーチューブ２ＧＴの遠位端側とを、遠位側接着部４ｂを介して装着している。
チューブ３の遠位側内腔に、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴを配置し、当該ガイドワイヤーチューブ２ＧＴは、内腔にガイドワイヤー誘導ルーメン２を有する。
ガイドワイヤー誘導ルーメン２は、先端開口部２ＯＦと、後端開口部２ＯＢとを有し、先端開口部２ＯＦは、バルーン４の内腔を経て前記バルーン４の遠位端に配置され、後端開口部２ＯＢは、チューブ３の遠位側内腔を経て当該チューブ３の遠位側寄りの側部に配置されている。
ガイドワイヤーチューブ２ＧＴは、遠位端側の前方部２ＴＦと、近位端側の後方部２ＴＢとを有し、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴは、ガイドワイヤー誘導ルーメン２先端開口部２ＯＦから後端開口部２ＯＢの近傍にわたって、連続して略同一径に形成している。
ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦは、後方部２ＴＢよりも弾性力が強く且つ復元力が高い材質で形成し、後方部２ＴＢは前方部２ＴＦよりも硬い材質で形成している。
ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦと後方部２ＴＢとを、近位側接着部４ａ近傍で接続部５を介して接続し、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦを、近位側接着部４ａと遠位側接着部４ｂとの間に配置している。
換言すれば、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前記前方部２ＴＦは、バルーン４の遠位端側から近位端側に亘って形成している。
【０００５】
前記ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦを後方部２ＴＢより弾性力が強く且つ復元力が強い材質を接続することで、「バルーン４を拡張する流体圧力とガイドワイヤーＧＷのグリップ効果」により、バルーン４の滑りによる狭窄部からの位置ずれを防止することができる。
前記「バルーン４を拡張する流体圧力とガイドワイヤーＧＷのグリップ効果」とは具体的に、ガイドワイヤーＧＷを挿入したカテーテル１のバルーン４を血管内の狭窄部で拡張した時、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦは弾力性があり、バルーン４を拡張する流体圧力とガイドワイヤーＧＷにより外周からの押圧力が適宜吸収、緩和されるのでこれらの押圧力により、従来のように勢いあまって血管の狭窄部の位置からすべることを防止することができ、前方部２ＴＦを適度に滑らないように挟持することができる。
従ってバルーン４の位置がずれることなく血管壁の狭窄部に安定して固定することができる。
さらに前記挟持された前方部２ＴＦに高い復元力を兼ねることで、拡張したバルーン４を減圧してバルーン４を移動させる時、前記前方部２ＴＦが元の形状に戻るのでガイドワイヤーＧＷの動きがスムーズになる。
【０００６】
前方部２ＴＦは例えばポリウレタン系の材質（一例としてポリウレタンエーテルウレア等）、またこれと同等の弾力性があり且つ復元力が高い材質を使用することができる。
前記後方部２ＴＢは例えばポリアミド系またはポリオレフィン系またはポリイミド系等の中から選ばれる硬い材質、またこれらと同等の硬い材質を使用することができる。
バルーンカテーテル１の先端の動きを誘導しやすくする為に、ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの遠位端側と、バルーン４の遠位端側との遠位側接着部４ｂより、さらに遠位端側に、前方部２ＴＦの遠位端側の先端部７を突設し、当該先端部７を前記後方部２ＴＢと同様に前方部２ＴＦよりも硬い材質で形成している。
ガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦと後方部２ＴＢとの接続は、遠位チューブ３の先端から近位側接着部４ａの間、または近位側接続部４ａから後端開口部（ガイドワイヤー挿入口）２ＯＢの間で行ってもよいが、より好ましくは近位側接着部４ａ後端またはこの前後で接続するのが望ましい。換言すればガイドワイヤーチューブ２ＧＴの前方部２ＴＦと後方部２ＴＢとを、近位側接着部４ａ近傍で接続部５を介して接続するのが好ましい。
なお前記接続部５をバルーン４内に形成すると、前方部２ＦＴの材質による弾性力並びに復元力の効果が薄れるので好ましくない。
【０００８】
【発明の作用効果】
本発明のバルーンカテーテル１に装着したガイドワイヤーチューブ２ＧＴ（ガイドワイヤー誘導ルーメン２）を前方部２ＴＦと後方部２ＴＢより形成し、前記前方部２ＴＦは後方部２ＴＢより弾性力が強く且つ復元力の高い材質を用いることで、バルーン４を拡張する際の流体の圧力とガイドワイヤーＧＷにより前方部２ＦＴを挟持する「バルーン４を拡張する流体圧力とガイドワイヤーＧＷのグリップ効果」を高めることができバルーン４の拡張位置のずれをなくすとともに、バルーン４を減圧した後、前方部２ＴＦの形状が復元しガイドワイヤーＧＷの操作性をスムーズにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のバルーンカテーテル１の断面図
【符号の説明】
１バルーンカテーテル
２ガイドワイヤー誘導ルーメン
２ＧＴガイドワイヤーチューブ
２ＴＦ前方部
２ＴＢ後方部
２ＯＦ先端開口部
２ＯＢ後端開口部（ガイドワイヤー挿入口）
３チューブ
４バルーン
４ａ近位側接着部
４ｂ遠位側接着部
５接続部
７先端部
ＧＷガイドワイヤー

Claims

チューブ（３）と、ガイドワイヤー（ＧＷ）を挿入するガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、バルーン（４）とを有し、
前記チューブ（３）と、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、前記バルーン（４）とは、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記チューブ（３）と、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）と、前記バルーン（４）とは、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記チューブ（３）の遠位端側と前記バルーン（４）の近位端側とを、近位側接着部（４ａ）を介して装着し、
前記バルーン（４）の遠位端側と前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の遠位端側とを、遠位側接着部（４ｂ）を介して装着し、
前記チューブ（３）の遠位端側内腔に、前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）を配置し、当該ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、内腔にガイドワイヤー誘導ルーメン（２）を有し、
当該ガイドワイヤー誘導ルーメン（２）は、先端開口部（２ＯＦ）と、後端開口部（２ＯＢ）とを有し、
前記先端開口部（２ＯＦ）は、前記バルーン（４）の内腔を経て前記バルーン（４）の遠位端側に配置され、
前記後端開口部（２ＯＢ）は、前記チューブ（３）の遠位端側内腔を経て当該チューブ（３）の遠位端側寄りの側部に配置され、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、遠位端側の前方部（２ＴＦ）と、近位端側の後方部（２ＴＢ）とを有し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）は、前記ガイドワイヤー誘導ルーメン（２）の先端開口部（２ＯＦ）から前記後端開口部（２ＯＢ）の近傍にわたって、連続して略同一径に形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前記前方部（２ＴＦ）は、前記後方部（２ＴＢ）よりも弾性力が強く且つ復元力が高い材質で形成し、当該後方部（２ＴＢ）は前記前方部（２ＴＦ）よりも硬い材質で形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前記前方部（２ＴＦ）と前記後方部（２ＴＢ）とを、前記近位側接着部（４ａ）近傍で接続し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前方部（２ＴＦ）を、前記近位側接着部（４ａ）と前記遠位側接着部（４ｂ）との間に配置し、前記バルーン（４）の近位端から当該バルーン（４）の内部を経て当該バルーン（４）の遠位端まで延設して、当該バルーン（４）の内部全域にわたって形成し、
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の遠位端側と、前記バルーン（４）の遠位端側との接着部（４ｂ）より、さらに遠位端側に、前記前方部（２ＴＦ）の遠位端側の先端部（７）を突設し、当該先端部（７）を前記後方部（２ＴＢ）と同様に前記前方部（２ＴＦ）よりも硬い材質で形成したことを特徴とするバルーンカテーテル（１）。
前記ガイドワイヤーチューブ（２ＧＴ）の前方部（２ＴＦ）はポリウレタン系の材質で形成し、前記後方部（２ＴＢ）はポリアミド系またはポリオレフィン系またはポリイミド系の中から選ばれる材質で形成したことを特徴とする請求項１に記載のバルーンカテーテル（１）。