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JP5131079B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は各種電子機器に使用されるコンデンサの中で、特に、導電性高分子を固体電解質に用い、かつ、面実装対応としたチップ形固体電解コンデンサに関するものである。
電子機器の高周波化に伴って電子部品の一つであるコンデンサにも従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れたコンデンサが求められてきており、このような要求に応えるために電気伝導度の高い導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサが種々検討されている。
また、近年、パーソナルコンピュータのCPU周り等に使用される固体電解コンデンサには小型大容量化が強く望まれており、更に高周波化に対応して低ESR(等価直列抵抗)化や、ノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が要求されており、このような要求に応えるために種々の検討がなされている。
図6(a)、(b)はこの種の従来の固体電解コンデンサの構成を示した正面断面図とA−A線における側面断面図であり、図6において、11は素子を示し、この素子11は弁作用金属であるアルミニウム箔からなる陽極体12の表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層を形成した後に絶縁性のレジスト部13を設けて陽極電極部14と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部15を形成し、これにより長手方向に陽極電極部14と陰極電極部15が設けられた平板状の素子11が構成されているものである。
16は上記素子11の陽極電極部14に接続された陽極コム端子、16aはこの陽極コム端子16に設けられ、陽極電極部14が搭載される平面部、16bはこの平面部16aの両端を曲げ起こすことにより形成された接続部であり、複数枚積層した素子11の陽極電極部14を上記平面部16a上に搭載し、接続部16bを折り曲げて陽極電極部14に密着するように包み込み、この接続部16bの先端部分と素子11の陽極電極部14とをレーザー溶接することによって接合しているものである。
17は上記素子11の陰極電極部15に接続された陰極コム端子、17aはこの陰極コム端子17に設けられ、陰極電極部15が搭載される平面部であり、この平面部17aと陰極電極部15間、ならびに各素子11の陰極電極部15間の接合は導電性接着剤18を用いて行われているものである。
19は上記陽極コム端子16と陰極コム端子17の一部が夫々外表面に露呈する状態で上記複数枚の素子11を一体に被覆した絶縁性の外装樹脂であり、この外装樹脂19から表出した陽極コム端子16と陰極コム端子17の一部を夫々外装樹脂19に沿って底面へと折り曲げることにより、底面部に陽極端子部16dと陰極端子部17bを形成した面実装型の固体電解コンデンサが構成されているものである。
このように構成された従来の固体電解コンデンサは、陽極コム端子16に設けた接続部16bの先端と素子11の陽極電極部14に同時にレーザー光を照射してレーザー溶接を行うことにより、安定した溶接作業を行うことができるようになるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−289023号公報
しかしながら上記従来の固体電解コンデンサでは、複数枚の素子11を積層して外装樹脂19で一体に被覆するために陽極コム端子16と陰極コム端子17を用いた構成にしているため、部品点数と組み立て工数が増加してコストアップになるばかりでなく、小型化を図るのが困難であり、更に陽極端子部16dと陰極端子部17bまでの各引き出し距離や接続部の関係上、ESLの低減に自ずと限界があるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、部品点数と組み立て工数を削減してコストダウンと小型化を図り、かつ、各電極を最短距離で引き出すことによって低ESR化・低ESL化が実現できる、体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、陰極電極部と弁作用金属からなる陽極電極部とを有するコンデンサ素子と、上記陽極電極部の端面を露呈する状態で上記コンデンサ素子を被覆する絶縁性樹脂からなる外装体と、上記陽極電極部の端面及び上記絶縁性樹脂上に形成された下地電極と、上記下地電極上に形成された外部電極と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、コールドスプレー法により非弁作用金属粒子を200m/s以上かつ350m/s以下の衝突速度で上記外装体の端面に衝突させて、上記下地電極を形成しかつ前記非弁作用金属と前記弁作用金属との拡散層を上記陽極電極部の端面に形成する固体電解コンデンサの製造方法である。
以上のように本発明による体電解コンデンサの製造方法は、縁性樹脂で被覆して陽極電極部が露呈した端面が、陽極電極部弁作用金属箔に拡散層が形成され、この拡散層上ならび絶縁性樹脂上に非弁作用金属からなる下地電極を形成した構成とすることにより、積層されたそれぞれの弁作用金属箔と下地電極との接触界面が無いので接触抵抗を極めて低くすることができ、また、下地電極の密着強度も高めることができることから、外部電極間を最短距離で引き出すことによる低ESR化及び低ESL化をさらに低減することができるという効果が得られるものである。
また、陽極電極部端面に直接外部電極を形成することによって端面集電電極を構成したことにより、部品点数と組み立て工数を削減してコストダウンと小型化を図ることができるものである。
上記陽極電極部の端面に形成される下地電極は、非弁作用金属粒子の衝突速度を200m/s以上、かつ350m/s以下で外装体の端面に衝突させて形成された金属間結合した非弁作用金属層からなる構成とすることにより、箔厚の薄い弁作用金属箔の破壊や絶縁性樹脂の欠落を起こすことなく、弁作用金属箔と拡散層を形成し、この拡散層上並びに素子間に埋設された絶縁性樹脂上にも堆積され、均一で酸化していない金属間結合した非弁作用金属層を形成することができるので、接触抵抗の極めて低い、密着強度も高い下地電極を得ることができ、更なる低ESR化を実現することができるという効果が得られる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜3に記載の発明について説明する。
図1(a)、(b)は本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図とA−A線における断面を示した正面断面図、図2(a)〜(c)は同チップ形固体電解コンデンサの電極形成前の状態を示した斜視図と正面断面図と側面図、図3(a)、(b)は同チップ形固体電解コンデンサの下地電極を示した正面断面図と要部拡大断面図である。
図1〜図3において、1は素子を示し、この素子1は弁作用金属箔であるアルミニウム箔(厚み:0.1mm)からなる陽極体2の表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層を形成した後に絶縁性のレジスト部(図示せず)を設けて陽極電極部3と陰極形成部(図示せず)に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に導電性高分子からなる固体電解質層、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層を順次積層形成することにより陰極電極部4を形成し、これにより長手方向に陽極電極部3と陰極電極部4が設けられた平板状の素子1(縦横:5.6×3.4mm)が構成されているものである。
5は上記素子1を複数枚(本実施の形態においては4枚であるが、本発明はこれに限定されるものではない)積層した素子積層体を一体に被覆した絶縁性樹脂からなる外装体であり、このように素子積層体を被覆した外装体5の対向する端面には、素子積層体の陽極電極部3の端面と陰極電極部4の端面が夫々露呈した状態になるものである。
6は上記外装体5の対向する一方の端面に露呈した陽極電極部3に接続されて端面を被覆するように形成された下地電極であり、この下地電極6は、亜鉛層からなるものである。
7は上記外装体5の対向する他方の端面に露呈した陰極電極部4に接続されて端面を被覆するように形成されると共に、上記陽極電極部3側に形成された下地電極6の表面上に形成された中間電極であり、この中間電極7は導電性銀ペースト等を用いて形成されたものである。
8は上記中間電極7の表面上に形成された外部電極であり、この外部電極8は溶融半田めっき等を用いて形成されたものである。
次に、このように構成された本実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの製造方法について説明すると、まず、図2に示すように、複数枚の素子1を積層した素子積層体の陽極電極部3の端面と陰極電極部4の端面が夫々対向する端面に露呈するようにした状態で絶縁性樹脂からなる外装体5により一体を被覆する。なお、外装体5の絶縁性樹脂は、素子1の陽極電極部3と陽極電極部3の間にも埋設されている。また、絶縁性樹脂としては、シリカ(SiO2)からなる無機フィラーを80〜90%含有したエポキシ樹脂を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
続いて、図3に示すように、上記外装体5の対向する一方の端面に露呈した陽極電極部3に接続されると共に、この端面全体を被覆するように下地電極6を形成する。この下地電極6の形成は、非弁作用金属である亜鉛粒子を衝突速度が200m/s以上、かつ音速以下で外装体の端面に衝突させて形成された金属間結合した亜鉛層を形成したものであり、上記亜鉛層は、例えば、財団法人機械システム振興協会が平成17年3月に発行した、システム技術開発調査研究16−R−17「高速粒子衝突を利用した革新部材創製に関する調査研究報告書−要旨−」の、3.調査研究成果の要約、第1章 高速粒子衝突技術、(3)高速粒子衝突を利用した重厚皮膜成形、直接造形技術の欄に紹介されている技術であり、金属粒子を超音速で加速して基材に衝突させることにより、金属粒子が衝突時の塑性変形のエネルギーで溶融し、これにより金属粒子を基材に付着させるようにするものであり、強固な付着強度が得られるものである。
また、上記高速粒子衝突技術による形成される下地電極6は、陽極電極部3を構成する陽極体2であるアルミニウムと腐食電位が近い材料である亜鉛や真鍮または銅を用いるのが好ましいことから、本実施の形態においては亜鉛を用いた構成にしたものであり、図3(b)の要部拡大断面図に示すように、亜鉛粒子が陽極電極部3のアルミニウムと拡散層5aを形成するとともに、外装体5の絶縁性樹脂の表面に喰い込んだ状態になっているものである。なお、陽極電極部3を構成する材料がタンタルの場合には、タンタルと腐食電位が近い材料である銅やニッケルを用いるのが好ましいものである。
また、上記高速粒子衝突技術により形成される下地電極6は、陽極電極部3が弁作用金属であるアルミニウムにより構成されているため、このアルミニウムと拡散層5aを形成するものでないとアルミニウムと下地電極6とに境界部分が存在し低ESR化を図ることができなくなるので、これを防止するためには非弁作用金属を用い、この非弁作用金属に置換することが必要なものであり、上記亜鉛に限定されるものではない。
また、上記高速粒子衝突技術による下地電極6の形成は、非弁作用金属である亜鉛粒子の衝突速度を200m/s以上、かつ音速の速さ以下で外装体5の端面に衝突させて形成するようにしたものであるが、外装体5の対向する一方の端面は陽極電極部3の側端面部が露呈しており、その面積が約0.3mm2と極めて小さいため、音速を超えた超音速で亜鉛粒子を衝突させるコールドスプレー法を用いると、亜鉛粒子が陽極電極部3の側端面部を削り取ってしまい、拡散層5aが形成されず、下地電極6である亜鉛層も均一に積層されなくなる。一方、200m/s未満で亜鉛粒子を衝突させると亜鉛層は形成されるものの、衝突の衝撃が弱いので拡散層5aを形成することができず、チップ形固体電解コンデンサの低ESR化を図ることができないので好ましくない。なお、亜鉛粒子の平均粒径は5〜30μmの範囲のものが好ましい。
さらに、外装体5の端面から露呈する陽極電極部3の面積が小さいため、陽極電極部3の素子1間に絶縁性樹脂を埋設することにより、亜鉛粒子を衝突させたときの陽極電極部3の露呈部分を保護する役目があり、陽極電極部3の露呈部分を維持してアルミニウムと亜鉛粒子との拡散層5aを形成し、均一な亜鉛層を形成することができる。
続いて、上記外装体5の対向する他方の端面に露呈した陰極電極部4に接続されると共に、この端面全体を被覆するように中間電極7を形成すると共に、上記下地電極6の表面上にも中間電極7を形成する。なお、この中間電極7としては導電性銀ペーストを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、銅−ニッケル合金粒子や銅粒子に銀めっきした粒子を用いたペースト等、コスト的に安価なものも使用可能である。
続いて、上記中間電極7の表面上に外部電極8を形成する。なお、この外部電極8としては溶融半田めっきを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なめっきであっても良い。
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、平板状の素子1を積層した素子積層体の陽極電極部3、陰極電極部4の各端面に直接電極を形成することによって端面集電電極を構成したことにより、部品点数と組み立て工数を削減してコストダウンと小型化を図り、かつ、各電極を最短距離で引き出すことによって低ESL化を図ることができるという格別の効果を奏するものである。
更に、上記陽極電極部3に接続される下地電極6は高速粒子衝突技術による金属間結合した非弁作用金属層を形成した構成により、陽極電極部3の表面に形成された酸化皮膜層を破壊して弁作用金属箔からなるアルミニウムと拡散層5aを形成し、これにより高い強度で非弁作用金属を付着させると共に、露呈したアルミニウムの表面に酸化皮膜層が形成されないようにすることができるため、高いコンタクト性と接続抵抗の低減を図り、更なる低ESR化を実現することができるという格別の効果も奏するものである。
なお、本実施の形態においては、上記外装体5の一方の端面に露呈した陽極電極部3に接続されるように下地電極6を端面全体に形成し、この下地電極6上に中間電極7を形成し、更にこの中間電極7上に外部電極8を形成する構成で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中間電極7を無くし、下地電極6上に直接外部電極8を形成することも可能なものである。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例)
弁作用金属箔であるアルミニウム箔(厚み:0.1mm)の表面を粗面化して誘電体酸化皮膜層を形成した後に絶縁性のレジスト部を設けて陽極電極部と陰極形成部に分離し、この陰極形成部の誘電体酸化皮膜層上に電解重合法によるポリピロールからなる導電性高分子層、カーボン層と銀ペースト層からなる陰極層を順次積層形成して陰極電極部を形成し、これにより長手方向に陽極電極部と陰極電極部が設けられた平板状の素子(縦横:5.6×3.4mm)を得た。
次に、上記素子を4枚積層して素子積層体を形成し、素子の上下面と、陽極電極部と陽極電極部との間を絶縁性樹脂で被覆して外装体を得た。この外装体の陽極電極部の端面と陰極電極部の端面が夫々露呈した状態にある。
次に、上記外装体の対向する一方に陽極電極部が露呈した端面に、高速粒子衝突技術により、亜鉛粒子(平均粒径10μm)を150m/s、200m/s、250m/s、300m/s、350m/s、400m/sのそれぞれの衝突速度で衝突させ、下地電極(厚さ5μm)を形成した。その後、導電性銀ペーストを用いて中間電極を形成した。続いて、外装体の対向する他方の端面に露呈した陰極電極部にも導電性銀ペーストを用いて形成した。最後に、上記各中間電極の表面上に溶融半田めっきを用いて外部電極を形成してチップ形固体電解コンデンサを作製した(定格6.3V 47μF)。
(比較例)
上記実施例において、下地電極の代わりに、外装体の両端面に銀ペーストを塗布した後、外部電極として溶融半田めっきしたチップ形固体電解コンデンサを作製した。また、従来例として、図6に示した陽陰極コム端子を用いたチップ形固体電解コンデンサを作製した(定格6.3V 47μF)。
上記実施例及び比較例並びに従来例のチップ形固体電解コンデンサについて、容量、ESR、ESL、漏れ電流(LC)の特性を測定した。その結果を(表1)に示す。
Figure 0005131079
上記(表1)から明らかなように、下地電極の形成が亜鉛粒子の衝突速度を200m/s未満にするとESR特性が悪くなり、衝突速度が400m/sと音速を超えた超音速になるとLCが悪くなり、好適な範囲は200m/s以上で、かつ音速以下である。この範囲にすることにより、ESR特性、ESL特性、LC特性を比較例及び従来例よりも低減させることができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1〜図3を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの素子の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図4は本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの電極形成前の状態を示した正面断面図であり、図4において、9は素子1の陽極電極部3の表面に形成された絶縁性の樹脂層であり、この樹脂層9を設けることにより陽極電極部3の厚みと陰極電極部4の厚みが略同じ厚みになるように構成されたものである。なお、本実施の形態においては上記樹脂層9としてエポキシ樹脂を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、素子1の陽極電極部3の表面に絶縁性の樹脂層9を設けることによって陽極電極部3の厚みと陰極電極部4の厚みが略同じになるようにした構成により、素子積層体を形成した段階で陽極電極部3間に隙間がなくなるため、この素子積層体を絶縁性の樹脂からなる外装体5で一体に被覆する際に、陽極電極部3が樹脂の射出圧力で変形したりすることがなくなり、寸法精度ならびに品質共に安定したモールド成形を行うことができるようになるという格別の効果を奏するものである。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項5に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1〜図3を用いて説明したチップ形固体電解コンデンサの素子積層体の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図5は本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した正面断面図であり、図5において、10は素子積層体の底面に配設された絶縁性の基板であり、本実施の形態においてはこの基板10としてガラスエポキシ基板を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
このように構成された本実施の形態によるチップ形固体電解コンデンサは、素子積層体の底面に絶縁性の基板10を配設した構成により、小さい寸法の製品に外装体5を構成する絶縁性の樹脂を均一に流し込むのが難しく、不安定になり易いという課題を解決し、樹脂の回り込みを均一化し、寸法精度ならびに品質共に安定したモールド成形を行うことができるようになるという格別の効果を奏するものである。
本発明によるチップ形固体電解コンデンサは、コストダウンと小型化を図り、かつ、低ESL化も実現できるという効果を有し、あらゆる分野のコンデンサとして有用である。
(a)本発明の実施の形態1によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した斜視図、(b)同A−A線における正面断面図 (a)同チップ形固体電解コンデンサの電極形成前の状態を示した斜視図、(b)同正面断面図、(c)同側面図 (a)同チップ形固体電解コンデンサの下地電極を示した正面断面図、(b)同要部拡大断面図 本発明の実施の形態2によるチップ形固体電解コンデンサの電極形成前の状態を示した正面断面図 本発明の実施の形態3によるチップ形固体電解コンデンサの構成を示した正面断面図 (a)従来の固体電解コンデンサの構成を示した正面断面図、(b)同A−A線における側面断面図
符号の説明
1 素子
2 陽極体
3 陽極電極部
4 陰極電極部
5 外装体
6 下地電極
7 中間電極
8 外部電極
9 樹脂層
10 基板

Claims (3)

  1. 陰極電極部と弁作用金属からなる陽極電極部とを有するコンデンサ素子と、
    上記陽極電極部の端面を露呈する状態で上記コンデンサ素子を被覆する絶縁性樹脂からなる外装体と、
    上記陽極電極部の端面及び上記絶縁性樹脂上に形成された下地電極と、
    上記下地電極上に形成された外部電極と、を備えた固体電解コンデンサの製造方法であって、
    コールドスプレー法により非弁作用金属粒子を200m/s以上かつ350m/s以下の衝突速度で上記外装体の端面に衝突させて、上記下地電極を形成しかつ前記非弁作用金属前記弁作用金属との拡散層を上記陽極電極部の端面に形成する固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記弁作用金属は、アルミニウムである請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記非弁作用金属は、亜鉛である請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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