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JP5123932B2 - 回動鏡を備えるカメラ利用6自由度標的計測装置及び標的追尾装置 - Google Patents

回動鏡を備えるカメラ利用6自由度標的計測装置及び標的追尾装置 Download PDF

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Description

本願は、2006年4月21日付米国暫定特許出願第60/793811号(この参照を以て本願に全内容を繰り入れるものとする)に基づく優先権の利益を享受する出願である。本発明は座標計測装置に関する。
座標計測装置の一種に、計測対象点にレーザビームを送ってその三次元座標値を計測する装置がある。この種の装置では、レーザビームを計測対象点そのものに入射させるか、或いはその点に接して設けた光反射性標的に入射させ、入射先までの距離及び二種類の角度を計測し、計測して得られた距離及び角度からその点の座標値を求める。距離の計測は距離計測装置、例えば絶対距離計や干渉距離計で行い、角度の計測は角度計測装置、例えば角度エンコーダで行う。レーザビームを計測対象点に向ける手段としては、内蔵するジンバル支持型ビーム駆動機構を使用する。こうした位置座標計測システムの例としては、特許文献1(発明者:Brown et al.)や特許文献2(発明者:Lau et al.)に記載のものがある。
例えばレーザトラッカはこの種の座標計測装置の一種であり、1本又は複数本のレーザビームを出射して光反射性標的を追尾する機能を有している。また、レーザトラッカによく似た座標計測装置としては、1本又は複数本のレーザビームで散光面上の諸部位を順次走査するレーザスキャナがある。
他の種類の座標計測装置としては、探触子(プローブ)に固定された輝点を1台又は複数台のカメラで捉えてその座標値を計測する装置がある。この種の装置では、輝点を捉えて得た画像から探触子端の位置を求める。カメラは複数台使用されることが多い。カメラは恒久装着してもよいし、着脱可能に装着してもよい。着脱可能ならば、行いたい計測の内容に応じカメラを1台毎にセットアップすることができるが、実計測の前又はさなかにそのカメラで距離校正を行ってスケールを画定する必要がある。このようにカメラを用いて輝点の位置座標を計測するシステムの例としては、特許文献3(発明者:Pettersen)に記載のものがある。
また、探触子に固着している輝点を1台のカメラで捉えて探触子端の座標値を調べる装置は、一般にはあまり精度がよくないとされているが、コストを抑えたい場合や狭い隙間から覗きたい場合には都合がよい。1台のカメラで探触子端の座標値を計測するシステムの例としては、特許文献4(発明者:Pettersen et al.)に記載のものがある。
更に、使用カメラ台数が1台であることによる距離精度の低さを克服するには、測距器(レンジファインダ)をカメラと併用すればよい。測距器としては、例えば距離計に1個又は複数個の回動鏡を付加した装置を使用する。その測距器で探触子上の反射器までの距離を測り、測距器のそばにあるカメラで探触子上の輝点の方向を測ることにより、距離及び方向の情報を取得して探触子端の座標値を求めることができる。また、測距器を構成する距離計から1個又は複数個の回動鏡を介して探触子上の反射器にレーザ光を照射し、その反射器による反射光を分岐させて一部を距離計にまた他の一部をカメラに導く構成にしてもよい。そのカメラで探触子上の輝点の方向を測り、得られた角度情報を距離情報と併用することで、探触子端の座標値を求めることができる。このようにカメラと測距器を併用して探触子端の座標値を求めるシステムの例としては、特許文献5(発明者:Pettersen et al.)に記載のものがある。
米国特許第4790651号明細書 米国特許第4714339号明細書 米国特許第5196900号明細書 米国特許第5440392号明細書 米国特許第5973788号明細書 欧州特許第1447644号明細書 仏国特許第2870594号明細書
しかしながら、上述したいずれの座標計測装置でも、自動生産設備で発生する多くの問題にうまく対処することができない。例えばレーザトラッカは、確かに高精度且つ高速ではあるが高価でもあり、数あるありふれた操作、例えばロボットの穿孔用エンドエフェクタの精密位置決めに用いることができない。加えて、レーザトラッカでは三次元座標値を計測できるだけで6自由度全てに亘る計測は行えない。もし、6自由度全てをレーザトラッカで調べるなら3個以上の標的を用いて多点計測を行わねばならないが、それには多数の標的と長い時間が必要になる。
また、複数台のカメラを利用した座標計測装置には、同様に高価であるという問題に加え、計測範囲に比し十分大きな間隔をとって複数台のカメラを配置しないと精度が保てないという寸法上の問題があり、狭い隙間から覗いて計測を行うのが難しい。その視野も狭いので、大きな計測対象物に付されている複数個の標的を漏れなく調べるには、何回も装置の位置を変えるという手間をかけねばならない。
そして、カメラが1台の座標計測装置は、確かに安価ではあるがその精度に問題があり、ロボット制御や自動生産設備で使用される小型標的までの伝搬距離を十分精密に計測することができない。測距器を付加すれば精度は高まるが、それでは高価になってしまってロボット用や自動生産設備用にほとんど使用できなくなる。
こうした問題点から考えると、今求められているのは、従来のカメラ利用システムよりも空間的制約が緩く、しかも低コスト且つ高精度な装置であるといえよう。
ここに、本発明の実施形態に係るカメラ利用標的座標計測システムは、計測対象物の位置を高水準の精度、即ち従来はより高価なレーザ式の装置でしか得られなかった精度で計測でき、また様々な形態で実施することができる。
まず、本発明の一実施形態に係るカメラ利用標的座標計測システムは、第1軸周り及び第2軸周りで回動可能な回動鏡と、回動鏡を第1軸周り及び第2軸周りで回動させる1個又は複数個のモータと、回動鏡の第1軸周り回動角及び第2軸周り回動角を計測する2個の角度計測装置と、そのうち2個を結ぶ線分の中点から回動鏡までと他の少なくとも1個から回動鏡までとが異なる距離になるよう所定の相対的三次元位置関係にてその上に配置された3個以上の輝点を有する標的であって計測対象物上又はその計測対象物を計測する装置上に配置された標的と、輝点に発し回動鏡で反射された光を受光できるよう配置されたカメラと、標的上にある輝点の像を捉えるべくカメラ内に設けられた光検知素子アレイと、モータに指令を与えるプロセッサであって最大三位置自由度及び三角度自由度に亘り標的を調べるプロセッサと、を備える。本システムでは、レーザ測距器を用いて距離を計測することなく計測対象物の位置を計測する。
本発明の一実施形態に係るカメラ利用座標計測システムは、所定の相対的三次元位置関係にて標的上に形成された3個以上の輝点と、第1軸周り及び第2軸周りで回動する1個又は複数個の回動鏡と、輝点に発し回動鏡で反射された光を受光できるよう配置されたカメラと、回動鏡の第1軸周り回動角及び第2軸周り回動角を計測する2個の角度計測装置と、最大三位置自由度及び三角度自由度に亘り標的を調べるプロセッサと、を備える。本システムでは、レーザ測距器を用いて距離を計測することなく、少なくとも一種類の基準座標系における標的の位置を計測する。
また、本発明の実施形態に係るカメラ利用標的座標計測方法及びその関連方法は、計測対象物の位置を計測することができ、その実施形態も多様である。
本発明の一実施形態に係るカメラ利用標的座標計測方法は、第1軸周り及び第2軸周りで回動鏡を回動させるステップと、輝点に発し回動鏡で反射された光を受光できるよう配置されたカメラを稼働させるステップと、そのうち2個を結ぶ線分の中点から回動鏡までと他の少なくとも1個から回動鏡までとが異なる距離になるよう所定の相対的三次元位置関係にてその上に配置された3個以上の輝点を有する標的を、計測対象物上又はその計測対象物を計測する装置上に、回動鏡を介しカメラで捉えうるよう配置するステップと、2個の角度計測装置を用い回動鏡の第1軸周り回動角及び第2軸周り回動角を計測するステップと、1個又は複数個のモータを用い回動鏡を第1軸周り及び第2軸周りで回動させるステップと、標的上にある輝点の像をカメラ内の光検知素子アレイで捉えるステップと、プロセッサ内で最大三位置自由度及び三角度自由度に亘り標的を調べるステップと、を有する。本方法では、レーザ測距器を用いて距離を計測することなく計測対象物の位置を計測する。
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の実施形態に関し説明する。但し、これは本発明の技術的範囲を何ら制約するものではない。また、同様の部材には同様の参照符号を付すこととする。
図1に、本発明の一実施形態に係る6自由度トラッカ1000を示す。このトラッカ1000は、追尾式カメラ装置100及びコンピュータ300で標的付物体400を追尾する装置である。ここでいう6自由度とは、例えば物体400のx座標、y座標、z座標、ピッチ角、ロール角及びヨー角のことである。
追尾式カメラ装置100は、大まかには回動鏡110、第1軸アセンブリ120、第2軸アセンブリ130、カメラ140及びプロセッサ150から構成されている。
第1軸アセンブリ120は、図示しない第1軸シャフト上に角度計122及びモータ124を装着した構成である。角度計122は例えば角度エンコーダ、モータ124はサーボモータである。第1軸126は第1軸シャフトの回動中心になる軸であり、例えばゼニス軸を以て第1軸126とする。第1軸126は空間内の一点で第2軸136と交差しいわゆるジンバルポイントを形成する。
第2軸アセンブリ130は、図示しない第2軸シャフト上に角度計132及びモータ134を装着した構成である。角度計132は例えば角度エンコーダ、モータ134はサーボモータである。第2軸136は第2軸シャフトの回動中心になる軸であり、例えばアジマス軸を以て第2軸136とする。
回動鏡110は第1軸アセンブリ120上に実装されており、その第1軸アセンブリ120は回動鏡110と共に第1軸126周りで回動可能である。また、第1軸アセンブリ120は第2軸アセンブリ130上に実装されており、その第2軸アセンブリ130は第2軸136周りで支持部に対し回動可能である。
また、図中のカメラ140は周知のものでよい。重要なのは、回動鏡110を計測対象空間内のあらゆる方向に向かせることができ、その空間内に存する計測対象物の像をカメラ140で捉えられることである。どのような軸周りであれ回動鏡110を二軸回動させることで、狙った標的200Bの像をカメラ140で捉えることができる。
また、図示例の標的付物体400は標的付エンドエフェクタであり、エンドエフェクタ410に1個又は複数個の標的例えば200Bを付した構成を有している。このエフェクタ400はロボットアームや工作機械の作用端に実装されるものであり、工具412例えばドリルビット、ミルその他のアタッチメントを有している。なお、図示例は一例に過ぎず、採りうる形態は他にも数多くある。
また、カメラ140を設けたのは、その内部の光検知素子アレイによって標的200Bの像を捉え、解析対象となるデータを取得するためである。そのデータの解析結果を利用することで、工具412の位置を精密に制御することができる。その際、標的200Bが見えさえすれば工具412を制御できるので、工具412それ自体はカメラ140から見えなくてもかまわない。
そして、プロセッサ150は、カメラ140を構成する各光検知素子(画素)から得られる受光強度データと、角度計122及び132から得られる角度データとに基づき、6自由度に亘り標的付物体400を調べる。プロセッサ150は、また、モータ124及び134に制御信号を送り、回動鏡110を所要方向に向けさせる。
その撮影方向制御モードには、(1)自動追尾モード、(2)ユーザ指示モード及び(3)マニュアル設定モードの三モードがある。いずれを実行するかはユーザが選択できる。例えば自動追尾モードを選択すると、カメラ140内に1個又は複数個ある光検知素子アレイのほぼ中心に標的200Bの像が映り続けるよう、プロセッサ150によってモータ124及び134が制御される。ユーザ指示モードを選択すると、ユーザが指定した方向が捉えられるよう、プロセッサ150によって回動鏡110が制御される。マニュアル設定モードを選択するとモータ124及び134が停止されるので、ユーザは、自力で回動鏡110を回して所望方向に向けることができる。
図2に標的の例200A及び200Bを示す。これらの図示例は、所定の固定的相互位置関係にて3個以上の輝点を設けることによって、広い距離範囲に亘り高い距離精度を概ね確保できるようにしたものである。例えば第1例の標的200Aは輝点210〜212、支柱220及び基軸230を備えている。輝点210〜212は例えばLED(発光ダイオード)で形成するのが望ましいが、他種能動光源で形成することや、受動光源例えば反射鏡で形成することもできる。受動光源で形成するなら例えばフォトグラメトリックスポットを使用する。6自由度トラッカ1000の近傍に設けたフラッシュ光源でこの種のスポットを照らすことで、これを輝かせて受動型の輝点にすることができる。
また、第2例の標的200Bは7個の輝点240〜246、5本の支柱250〜254及び基軸260を備えている。この標的200Bでは、6自由度トラッカ1000のカメラ140からその標的200Bまでの伝搬距離が稼働中に離れてきたとき、点す輝点の個数を増やすことができる。即ち、標的200Bがトラッカ1000の近くにあるときには輝点242〜244を輝かせ、若干遠くに離れたら輝点241及び245も輝かせ、更に遠くに離れたら輝点240及び246も輝かせる、といったことが可能である。また、輝点自体は7個全て輝かせておき、カメラ140に曝す輝点の個数を距離増大につれて増やすようにしてもよい。
更に、基軸230,260は他の物体、即ち6自由度計測の対象物への取付に使用される支持部であり、支柱220,250〜254はカメラ140でその物体までの伝搬距離を高精度計測できるよう輝点配置を設定する支柱である。例えば、その出射光軸が支柱軸とほぼ平行になるよう支柱上に光源を配置し、図1に示したようにカメラ140を用いその標的例えば200Bの像を捉えるようにすればよい。カメラ140の光軸は回動鏡110で折り曲げられていて、そこから先は支柱軸に対しほぼ平行になっている。支柱軸に対し±45°の範囲内に収まるのであれば、その部分の光軸は支柱軸に対して“ほぼ平行”であると見なすことができる。後に「システム精度」の欄で説明する通り、この角度が0°のときに計測精度が最良になる。
輝点210〜212,240〜246を形成するための光源としては、その出射光が広角に拡がるLED、例えば容易に入手できる出射角範囲=110〜120°のLEDを用いるのが望ましい。輝点付支柱の高さは、低背支柱上から出射される光が高背支柱によって阻まれないよう、また計測精度が十分に高くなるよう十分高く、設定するとよい。大雑把には、輝点210と輝点211を結んだ線が基軸230に対し、或いは輝点240〜243を互いに結んだ線が基軸260に対し、20°以上の角度をなすよう支柱高を設定すれば十分である。このように輝点配列角を大きめに採ることの利点は、後に「システム精度」の欄で説明する。
また、標的200A及び200Bでは、輝点付支柱のうち高背のものを中央に配置し低背のものを端寄りに配置しているが、高背支柱を端寄りに配置し低背支柱を中央に配置するようにしてもかまわない。即ち、その実施に当たっては、少なくとも、各標的に輝点例えば光源を3個以上設け、輝点同士の位置関係を所定の三次元的位置関係で固定し、輝点のうち2個を結ぶ線分Sの中点Mから回動鏡110までと他の少なくとも1個から回動鏡110までとが異なる距離になるようにし、そして計測対象物又はそれを計測する装置上に配置できるよう標的を構成するとよい(図2参照)。
更に、標的200A上の輝点210〜212は互いに同一の面上にあり、標的200B上の輝点240〜246も互いに同じ面上にあるので、見る方向によってはどちらの標的200A,200Bも直線状に見える。こうした輝点配置パターンを示したのは動作原理の説明が容易だからであり、精度が損なわれない輝点配置パターンはこの他にも数多くある。即ち、全ての輝点を同一面上に配置する必要はなく、特定の方向から見て直線状になるようにする必要もない。
また、標的200Bにおける輝点増減の利点を理解するには、次のように考えればよい。まず、カメラ140内の光検知素子アレイがその全面に亘り明点で覆われることはほとんどない。即ち、光検知素子アレイの左縁から右縁まで或いは下縁から上縁まで漏れなく明点になることはまれであり、明点になるのは普通はアレイの一部にとどまる。見方を変えると、所与方向に沿って光検知素子アレイの端から端まで、受光可能な画素が全て明点になっているようでは、そのアレイで像を捉えているとはいえない。後に「システム精度」の欄で説明する通り、6自由度トラッカ1000における伝搬距離計測値の相対的不確かさ(計測精度)は明点比率、即ちカメラ140内光検知素子アレイの画素数に対する標的像明点の画素数の比率に比例している。標的例えば200Bがトラッカ1000から離れるにつれこの比率が低下しそれに比例して計測精度が低まるので、標的200Bがトラッカ1000から離れていく途中で新たな輝点を点すことにより、下がってきていた計測精度を再び高めることができる。標的200Bにおける輝点間隔は、例えば、点す輝点の個数が2個増えるとカメラ140で捉えた像に2個の明点が加わり見かけ上の標的サイズが二倍になるよう、設定しておく。
例えば、6自由度トラッカ1000から1m離した状態で標的200Bの輝点242〜244例えばLEDを点すと、光検知素子アレイのほぼ全幅が照らされるとする。この標的200Bを例えば約2mの距離まで引き離すと、後に「システム精度」の欄で説明する通り計測精度は例えば5ppmから10ppmへと劣化する。そこで、標的200Bが2m超の距離まで離れたら輝点241及び245も点し、それによって計測精度を5ppmまで回復させる。同様に、標的200Bが4m超の距離まで離れたら輝点240及び246も点す。このようにすることで、5〜10ppmの伝搬距離計測精度を1〜8mの範囲に亘り保つことができる。
図3に標的の用例を幾通りか示す。まず、図中の標的付エンドエフェクタ400は、エンドエフェクタ410に上述の標的200Bを1個又は複数個付加したものであり(但し標的200Aも遜色なく使用可)、例えばロボットアームや工作機械に装着することができる。エフェクタ410には、工具412として例えばドリルビット、ミル等のアタッチメントを装着できる。
次に、図中の標的付探触子500は、本体510、シャフト520及び探触子端530を備える探触子に1個又は複数個の標的200Aを付加したものである(但し標的200Bのように3点以上の計測が可能なものでも遜色なく使用可)。6自由度トラッカ1000では、標的200A上の輝点による像を解析することで、探触子端530の座標値を算出することができる。また、探触子端530が孔の中や物体の陰に入っていてカメラ140から見えないときでも、トラッカ1000ではその座標値を算出できる。探触子500はどのような向きに傾けてもよいし、またどのような形状に曲げてもよい。探触子500の形状やその本体510の長さに特に制限はない。
更に、ツーリングホール標識600も標的の用例の一つである。ツーリングホール標識とは、工具やワーク片に穿たれた図示しないツーリングホールに差し込まれ、一種の標識点乃至基準点として使用されるもののことである。その役割は、そのツーリングホールの座標値を求められるようにすることである。ツーリングホールの位置が決まればツールやワーク片が準拠する大域基準座標系と計測機器内局所基準座標系の関係がわかり、また熱膨張その他の現象でワーク片に生じた変化もチェックできる。
図示例のツーリングホール標識600のうち第1例610は、ツーリングホールに差し込まれる柄612、その本体614、並びに縦長に配置された標的200Aを有している。第2例620は、柄622、その本体624、並びに横長に配置された標的200Aを有している。そして、第3例630は、半球部632、その座640並びに標的200Cを有している。標的200Cは標的200Aと似た構成であるが、その支柱が中央ではなく突端に設けられている点で異なっている。座640の底面にある図示しない柄をツーリングホールに差し込んだ状態では、半球部632が回動しても、半球部632の球面中心に位置する輝点即ち中央輝点の座標値は変化しない。6自由度トラッカ1000の視角という点では、タイプが違う三種類の標識600を併設するのが望ましいが、何個のまた何種類のツーリングホール標識を設けるかは、用途に応じ随意に決めることができる。
そして、球殻標的700は、球殻部712上に複数個の輝点714を設け、更に球殻部712が回動しても動かないよう球殻部712の球面中心直下に中央輝点716を設けた構成である。この標的700は任意の物体上で移設することができ、それによって面全体に亘る位置座標計測や複数の面に跨る位置座標計測を行うことができる。即ち、標的700の球面中心から接触先面までの距離が所定の一定値であるので、中央輝点716の座標値から当該接触先面の座標値を求めることができ、それによって集めたデータから、その計測対象物の性状例えば平坦度、直交度、直径等を求めることができる。また、その座800を接触先面上の任意の場所に取り付け、ツーリングホールに代わる簡便な位置標識として使用することができる。また、この標的700では、球殻部712の上部端面上に光源を配して4個の輝点714を形成している。そのうち2個の輝点714と中央輝点716があれば、球面中心の距離及び方向を計測するには十分である。更に2個の輝点714を設けてある(即ち2個ではなく4個ある)のは精度を高めるためである。更に、2個の輝点714と1個の中央輝点716があれば標的700のピッチ角、ロール角及びヨー角を計測できるが、輝点716が球面中心直下にあるので、標的700でピッチ角、ロール角及びヨー角を計測する必要はあまりない。
図4に標的の変形例1200を示す。この標的1200は、基台1210、支柱1271〜1274及び1281〜1284、並びに輝点1220、1231〜1234、1241〜1244、1251〜1254及び1261〜1264を備えている。基台1210並びに支柱1271〜1274及び1281〜1284は、低熱膨張率素材例えばInvar(商標)で形成するのが望ましい。輝点1220、1231〜1234、1241〜1244、1251〜1254及び1261〜1264は点光源、例えばLEDで形成するのが望ましい。そのLEDとしては、ガラス、エポキシ等の被覆材や光を妨げるボンディングワイヤを伴わず、その出射光が広角に拡がるものを用いるとよい。また、輝点1220、1231〜1234、1241〜1244、1251〜1254及び1261〜1264として点光源以外のもの、例えば外部光源で照らされ輝くフォトグラメトリックスポットを用いることもできる。更に、それらの輝点は円1230又は1250に沿って並んでいる。標的1200が追尾式カメラ装置100からやや遠い位置にあるときには、外円1250上の輝点1251〜1254及び1261〜1264並びに中央の輝点1220を点す。標的1200が6自由度トラッカ1000に近すぎ、そのトラッカ1000内の光検知素子アレイで外円1250上の輝点を漏れなく捉えることができないときには、内円1230上の輝点1231〜1234及び1241〜1244を点す。このように標的200A〜200Cに比べ多数の輝点を有することから、この標的1200を用いることでカメラ装置100の計測精度を高めることができる。即ち、標的200A〜200Cの対応部分には高々2個しか輝点がないのに対し、標的1200では円1230上に8個、円1250上に8個の輝点がある。計測精度は輝点個数の平方根にほぼ比例して高まるので、輝点の個数が4倍だと計測精度は約2倍になる。言い換えれば、標的1200使用時の計測精度は標的200A〜200C使用時のそれの約2倍良好になるものと見なせる。また、標的1200上の円1230の内側や円1250の外側に更なる円を設定してその上にLED等を配することにより、カメラ装置100で高精度計測可能な距離範囲を更に拡げることができる。
図5に標的1200の用例を幾通りか示す。まず、図中の標的付エンドエフェクタ1300はエンドエフェクタ1310に標的1200を付した構成であり、例えばロボットアームや工作機械に装着することができる。このエフェクタ1310には、工具1312として例えばドリルビット、ミル等のアタッチメントを装着できる。
次に、図中の標的付探触子1400は、本体1410、シャフト1420及び探触子端1430を備える探触子に標的1200を付した構成である。6自由度トラッカ1000では、標的1200上の輝点による像を解析することで、探触子端1430の座標値を算出することができる。また、探触子端1430が孔の中や物体の陰に入っていてカメラ140から見えないときでも、トラッカ1000でその座標値を算出することができる。探触子500はどのような向きに傾けてもよいし、またどのような形状に曲げてもよい。探触子500の形状や探触子本体510の長さに特に制限はないが、長さは決めておいた方がよい。
更に、ツーリングホール標識1500も標的1200の用例の一つである。この標識1500は、工具やワーク片に穿たれた図示しないツーリングホールに差し込まれ、一種の標識点乃至基準点として使用される。その役割は、そのツーリングホールの座標値を求められるようにすることである。ツーリングホールの座標値が決まればツールやワーク片が準拠する大域基準座標系と計測機器内局所基準座標系の関係がわかり、熱膨張その他の現象でワーク片に生じた変化もチェックできる。
図示したツーリングホール標識1500のうち第1例1510は、ツーリングホールに差し込まれる柄1512、その本体1514、並びに縦長に配置された標的1200を備えている。また、第2例1520は、柄1522、その本体1524、並びに横長に配置された標的1200を備えている。そして、第3例1530は半球部1532、座1540及び標的1200を備えている。図5Eでは隠れていて見えないが、半球部1532は図3E中の半球部632と同形状である。座1540の底面にある図示しない柄をツーリングホールに差し込んだ状態では、標的1200の半球部1532が回動しても、その半球部1532の球面中心に配置されている中央輝点の座標値は変化しない。6自由度トラッカ1000の視角という点では、タイプの違う三種類の標識1500を併設するのが望ましい。
そして、球殻標的1600は球殻部1612及び標的1200を備えている。その中央輝点1220は球殻部1612の球面中心直下に配置されているので、球殻部1612が回動しても位置が変わらない。また、この球殻標的1600は任意の物体上で移設することができ、それによって面全体に亘る位置座標計測や複数の面に跨る位置座標計測を行うことができる。即ち、標的1600の球面中心から接触先面までの距離が所定の一定値であるので、中央輝点1220の座標値から当該接触先面の座標値を求めることができ、それによって集めたデータから、その計測対象物の性状例えば平坦度、直交度、直径等を求めることができる。また、その座1700を接触先面上の任意の場所に取り付け、ツーリングホールに代わる簡便な位置標識として使用することができる。
図6に標的1200の用例を示す。この図に示す標的付ハンドヘルドスキャナ1800は、ハンドル1820付の本体1810の一面又は多面上に、1個又は複数個の標的1200を配した構成である。使用時には、オペレータがハンドル1920を握ってスキャナ1800を操り、検査対象物1900方向に向ける。スキャナ1800から出射されたレーザ光1830は検査対象物1900によって散乱反射され、その散乱反射光はスキャナ1800内の図示しない光電検知素子によって検知される。スキャナ1800では、その検知結果に基づき且つスキャナ1800内局所基準座標系に従い、その検査対象物1900の三次元凹凸を求める。これと並行して、6自由度トラッカ1000では、そのスキャナ1800を対象に6自由度計測を行い、取得した所要情報に基づき座標変換を行う。即ち、スキャナ1800で得られたスキャナ1800内局所基準座標系準拠のデータを大域基準座標系準拠のデータへと変換する。従って、オペレータは、トラッカ1000の可回動範囲内の所要方向にスキャナ1800を向けることで、検査対象物1900の全凹凸を大域基準座標系準拠で求めることができる。
また、スキャナ本体1810に標的1200(或いはその他の標識例えば200A〜200C)を載せる形態ではなく、点光源用マウントをスキャナ本体1810そのものと一体に設けてもよい。例えば、炭素繊維複合材を成型してスキャナ本体1810を形成すれば、その熱膨張率(CTE)が非常に低い安定なマウントを比較的低コストで実現できるだけでなく、張り出している点光源用支柱を好適に補強することができる。
なお、標的1200及び200A〜200Cにおける輝点配置はいずれも一例に過ぎず、スキャナ本体1810の表面上に輝点を好適に配置できる形態乃至手法は他にも数多く考えられること、従って以上説明した例を以て本発明の要旨を限定解釈すべきでないことを了解されたい。
また、図6に示したハンドヘルドスキャナは、スキャナとしての仕組みはそのままで、把持使用型の装置からロボット機構装着用の装置へと変形することができる。例えば、ロボットアームのエンドエフェクタのような多自由度型ロボット機構に装着することもできるし、単線運動型ロボット機構、例えば一次元的に動く単純な動力レールや二乃至三次元的に動くガントリ機構に装着することもできる。多自由度型ロボット機構であれ単線運動型ロボット機構であれ、装着先のロボット機構上に輝点が形成される以上、スキャナを用いて検査データを収集しそれを大域基準座標系準拠の値に変換することができる。また、輝点付スキャナをロボット機構に装着する手法としては、図6に例示した手法を援用することができる。但し、スキャナハンドル1820は不要である。標的1200をロボット機構に直接取り付けてもよい。
図7に、標的1200の他の用例を示す。この図に示す腕関節付座標計測機(CMM)2000はCMM本体2010に標的1200を付加した構成である。CMM本体2010は固定型の基部2012、複数個の可回動部分2014A〜2014F、探触子端2016及び複数個の角度エンコーダ2018から構成されている。但し、角度エンコーダ2018は内蔵部品であるので図面に現れていない。このCMM2000を使用する際には、オペレータの操作で探触子端2016を動かし、図示しない検査対象物に接触させる。すると、個々の関節に組み込まれている角度エンコーダ2018によって可回動部分2014A〜2014Fの角度が計測され、得られた角度に基づき探触子端2016の位置が高精度算出される。ただ、CMM2000のリーチは本体2010を組成している可回動部分2014A〜2014Fの合計長で上限制限されるので、大きな検査対象物を計測するにはCMM2000の位置を随所随所に動かす必要がある。従来既知の方法でこれを行うとしたら、複数個の標的をピギーバック式に配置して計測することとなるが、それでは時間や手間がかかってしまう。そうした問題をなくすには、図示の通りCMM2000に標的1200を設け、その標的1200からの光を6自由度トラッカ1000で捉えて像を得るようにすればよい。像が得られると、トラッカ1000は直ちにそのCMM2000の位置及び動きを6自由度に亘り調べ、計測結果特に三次元座標値を、大域基準座標系での値に変換する。
図8に、図1に示したカメラ140の内部構造例900を示す。この内部構造900は、フィルタ914、ビームスプリッタ916、直角反射器917、アパーチャ920A及び920B、円柱レンズ(シリンドリカルレンズ)930A及び930B並びに光検知素子アレイ940A及び940Bを備えている。図中、点で示されている光源902は、標的上にある本物の輝点210、211、212等々ではなく、それを回動鏡110に映してカメラ140から見たもの、即ち輝点の虚像である。この光源902からの光912はフィルタ914に通され、信号対雑音比が高まるよう不要波長光が除去される。フィルタ914を通過した光のうち一部は、ビームスプリッタ916、アパーチャ920A及びレンズ930Aを通過し、入射先のアレイ940A上に線像954Aを形成する。また、フィルタ914を通過した光のうち他の一部は、ビームスプリッタ916で1回、反射器917で更に1回反射され、アパーチャ920B及びレンズ930Bを通過し、そして入射先のアレイ940B上に線像954Bを形成する。レンズ930A及び930Bはレンズ素子複数個の組合せで実現することもできる。アパーチャ920A及び920Bは、レンズ930A及び930Bのどちらの面に形成してもよいし、レンズ930A及び930Bを組成するレンズ素子内に形成してもよい。
こうして光検知素子アレイ940A上に形成される線像954Aの位置はその輝点のz座標値に対するy座標値の比率を表しており、同じく光検知素子アレイ940B上に形成される線像954Bの位置はその輝点のz座標値に対するx座標値の比率を表している。
図9に、図1に示したカメラ140の他の内部構造例1100を示す。この内部構造1100は、球面光学系によって面状光検知素子アレイ上に像を形成する撮像ブロックとして構成されている。
図示例に係るカメラ140乃至その内部構造1100は、フィルタ1114、アパーチャ1120、レンズ1130及び光検知素子アレイ1140を備えている。光源1102、例えば標的200A上にある本物の輝点210、211、212等々を回動鏡110に映したもの即ち輝点の虚像の位置から光1110が到来すると、その光1110はアパーチャ1120及びレンズ1130を通過し、アレイ1140上の点1153にスポット像を形成する。多くの場合、アレイ1140上には、輝点個数(少なくとも3個)と同個数のスポット像が形成される。なお、レンズ1130をレンズ素子複数個の組合せで実現してもよい。アパーチャ1120はレンズ1130のどちらの面に形成してもよいし、或いはレンズ1130を組成するレンズ素子内に形成してもよい。
図10に、カメラ140の更に他の内部構造例2100を示す。この内部構造2100は、ビームスプリッタ2110、ミラー2112、2114、2116及び2118、球面レンズ2122及び2124並びに光検知素子アレイ2132及び2134を備えている。図示例の場合、輝点に発した光2140はまずビームスプリッタ2110に入射する。そのうち一部はビームスプリッタ2110によって反射され、ミラー2112によって更に1回反射された後、レンズ2122によってアレイ2132上に結像される。他の一部はビームスプリッタ2110を通過し、レンズ2124によって合焦され、更にミラー2114、2116及び2118で反射された後に、アレイ2134に入射する。従って、図示例の場合、レンズ2124の焦点距離はレンズ2122の焦点距離の約4倍になる。
内部構造2100の長所は、広い距離範囲に亘りカメラ計測の精度を高く保てる割に、使用する標的サイズが小さめでよいことである。例えば、レンズ2122の焦点距離が150mm、レンズ2124の焦点距離が600mmであるとする。また、各光検知素子アレイ2132,2134の画素数が縦横各1000個、各画素のサイズが縦横共5μmであるとする。この場合、直径50mm(約2インチ;1インチ=約25mm)の標的の像が光検知素子アレイ2132の端から端まで占めるようにするには、レンズ2122についてのカメラ原点から1.5mの場所に標的があればよい。この1.5mという距離は、標的直径×焦点距離÷アレイ2132の幅、という計算により求めることができる。即ち、50mm・150mm/5mm=1.5mという計算で得られる。アレイ2132の差し渡し画素数に対する像内画素数の比が50〜100%あれば十分だとすれば、これは、50mmサイズ標的の両縁に輝点を配置することで1.5〜3mの距離範囲をカバーできるということである。更に、輝点が2個の同心円上に並ぶ標的1200を使用すれば、この内部構造2100のカメラ140が役に立つ距離範囲は0.75〜3mに拡がる。また、レンズ2124の焦点距離はレンズ2122の焦点距離の4倍であるので、レンズ2124を使用することで同範囲を4倍に拡げること、即ち50mmサイズ標的1200を使用して0.75〜12mの距離範囲をカバーすることができる。そして、標的1200に直径100mmの円を追加しその上に輝点を形成すれば、同範囲の上限は24mにもなる。なお、そうした遠距離にある輝点をカメラ140で捉えて計測するには、近距離にある輝点をカメラ140で捉えて計測する場合に比べ、出射光が強い点光源が必要になる。
撮影方向制御モード
前述した通り、トラッカ1000における撮影方向制御モードには自動追尾、ユーザ指示及びマニュアル設定の三モードがある。そのうち自動追尾モードでは、標的がカメラ140で追尾されるようジンバル支持式追尾機構で回動鏡110を二軸回動させる。この機構は、例えば中央輝点211,243等の所定輝点の像が光検知素子アレイのほぼ中心に映り続けるように動作する。但し、中央輝点の像を光検知素子アレイ中心に正確に位置決めする必要はない。重要なのは、必要な輝点の像が光検知素子アレイ上に常在するようその中央に十分近いところで標的を捉えることである。
標的上の中央輝点の像がカメラ視野のほぼ中央に映り続けるようにするには、次に示す手順でトラッカ1000を動作させればよい。まず、光検知素子アレイ上にある各明点の重心位置をカメラ140からプロセッサ150に知らせる。プロセッサ150では、中央輝点に対応する明点の重心位置から光検知素子アレイの実効中心までの画素数を求める。実効中心とはカメラ140の光軸が光検知素子アレイと交わる位置のことである。プロセッサ150は、求めた画素数と、角度計122及び132からもたらされる角度とに基づき、図示しない第1軸シャフト及び図示しない第2軸シャフトをどの程度回せばよいか、即ちその角度をどの程度変化させればその明点を光検知素子アレイの実効中心に動かせるかを計算する。
自動追尾モードの長所は、ユーザが標的の位置を動かすとその動きに6自由度トラッカ1000が自動追従するので、ユーザ自らトラッカ1000やコンピュータ300に指令しミラー110を所要方向に向けさせる必要がないことである。こうした長所が際だつのは、例えば、オペレータが探触子500、ツーリングホール標識600、球殻標的700等の標的の位置を動かし、検査対象装置乃至部品の性状を調べるときである。自動追尾モードを発動させると多量のデータが迅速収集及び自動解析され、性状例えば表面凹凸、孔若しくは突起の位置、孔、球若しくは円柱の直径、表面平坦度、隣接面間直交度、CAD設計値からの面のずれ等が求められる。
第2のモードはユーザ指示モードである。このモードでは、標的のおおよその座標値かミラー110を向けるべき方向をユーザが指示する。“ユーザ”といっても実際にはコンピュータ300であることが多い。その場合、コンピュータ300は、計測すべき座標値をプログラムに従い指令する。ユーザ指示モードが役に立つ第1の場面は、ロボットのエンドエフェクタの位置を計測する場合のように、正確な計測値が得られるよう回動鏡110を動かしたいときである。エンドエフェクタの位置はロボットそれ自体の動作でほぼ所望の位置にすることができるので、コンピュータ300で回動鏡110を駆動しその位置に向けることはたやすい。ユーザ指示モードが役に立つ第2の場面は、標識用標的(例えばツーリングホール標識600を伴うもの)や、図示しない再現性標的を、多数計測したいときである。再現性標的は標識用標的と似ているが、孔や座に入れられるのではなく面に接着されることが多い点で異なっている。標識用標的は、検査対象装置乃至部品の基準座標系を迅速画定する目的で計測されることが多い。これら、標識用標的及び再現性標的のいずれも、工具、装置乃至部品の熱的及び機械的安定性の検証によく用いられる。
第3のモードはマニュアル設定モードである。このモードでは、モータ124及び134の動作を停止させ、ユーザが回動鏡110を人力で所望方向に向ける。更に、カメラ140でおおよそ正しい方向を捉えた上で、モータ124及び134を稼働させる。そのときカメラ140の視野内に標的が入っていれば、モータ124及び134の動作により比較的短時間で、その像をカメラ視野の中心にもってくることができる。また、標的上の輝点がカメラ140の視野から外れていても、モータ124及び134による探索手順を実行しカメラ140を例えば螺旋状に動かすことで、それらの輝点を迅速に見つけることができる。マニュアル設定モードは、しばしば、追尾に失敗していて標的の基準座標値もわからない場面で役立つ。
また、例えばロボット制御等の用途なら標的付物体400の向き等が予めわかるが、他の用途例えばユーザの手中にある標的付の面を計測するといった用途では、探触子500、ツーリングホール標識600、球殻標的700、標的1200等といった標的の位置を前もって知ることができない。この性質即ち標的方向の180°曖昧性を打ち破るには、1個又は複数個の所与光源をフラッシュ発光させるのが至便であろう。例えば、計測開始時に、輝点210を点さないまま輝点211及び212をフラッシュさせれば、180°不明が打破されまた標的200A上の輝点が識別される。
数学的原理
次に、回動鏡110による計測の原理を数学的に説明する。
ここでは、3個の輝点210〜212を有する標的200Aを利用し、それに対して固定的な位置関係にある他の点、例えば工具412の先端の位置を計測する場合を考える。工具412の先端とは、例えばロボットアームに装着されたドリルビットの先端や、ハンドヘルド探触子の先端のことである。球殻標的の中心や標識用標的の下にある孔の中心等の位置も、同様の手段で計測することができる。
また、追尾用のカメラ140の内部構造を図9に示した球面レンズ型内部構造1100とし、そのレンズ1130の入射瞳にカメラ140の光軸1112が交差する点を以てカメラ側基準静止座標系の原点とする。入射瞳とはレンズ1130の正面から捉えた見かけ上のアパーチャ絞りのことであり、この例ではアパーチャ1120がレンズ1130の正面側にあるのでアパーチャ1120がまさに入射瞳となっている。近軸光学(小角光学)の式からするとこの入射瞳内に全光線が集まるはずであるが、実際には近軸条件が成り立たないので、下記の通り近軸条件からのずれを補正する必要がある。
回動鏡110が介在しているので、カメラ140が捉えるのは本物の輝点の像ではなく輝点の虚像である。いま、それら3個の虚像の座標値を、カメラ側基準静止座標系に従い順に(X1V,Y1V,Z1V)、(X2V,Y2V,Z2V)及び(X3V,Y3V,Z3V)と表すこととする。また、それら虚像同士の距離をL12、L23及びL13と表すこととする。
ここでの計算は、まずカメラ140の光検知素子アレイ1140上に現れる3個の明点それぞれの重心を計算し、次いでその計算結果に対し誤差補償用補正値を適用する、という段取りで行う。適用する補正値は、カメラ原点から個々の輝点210〜212までの伝搬距離及びそのカメラ140の視界角から求めることができる。
その補正値の導出は多数回計測の結果に基づき工場段階で行う。使用するレンズ1140が概ね対称形であるので、視界角(光軸を基準とした角度)の奇数乗の項を含む多項式を用いることで、その補正値を効率的に導出することができる。
この補正計算で得られるのは、輝点210〜212が光検知素子アレイ1140上に投ずる明点の座標をカメラ側基準静止座標系上で表した3個の明点座標値(x1,y1)、(x2,y2)及び(x3,y3)である。これらから9通りの未知座標値{Xi,Yi,Zi},i=1,2,3を求めるには、次に示す9個の式を解かねばならない。
即ち、レンズ1130の実効焦点距離をf、光検知素子アレイ1140に対する光軸の交点を(x0,y0)として
(1) xi−x0=−fXiV/ZiV,i=1,2,3
(2) yi−y0=−fYiV/ZiV,i=1,2,3
(3) (XiV−XjV2+(YiV−YjV2+(ZiV+ZjV2=Lij,i<j
と表される9個の式を解く必要がある。
これら9個の式は、線形幾何学の標準的な手法により解くことができる。3個の輝点210〜212に対し多数回の計測を行うのは、自乗誤差値が最小になる輝点座標値を標準的な数学的解法で求めるためである。多数回計測を行う代わりに、より輝点個数が多い標的を用いて最小自乗誤差法を実行することもできる。
カメラ側基準静止座標系準拠座標値が得られたら、回転変換行列を用いて座標変換を行い、回動鏡側基準回動座標系準拠座標値に変換する。例えば、第1軸126がゼニス軸(y軸)、第2軸136がアジマス軸(z軸)で、カメラ140の光軸1112がゼニス軸とアジマス軸の交点即ちジンバルポイント又はその近傍を通っており、回動鏡110の前面(反射面)がジンバルポイント上にあるとする。この構成下では、カメラ側基準静止座標系から回動鏡側基準回動座標系への変換に当たり、z軸、y軸、x軸の順でオイラー角変換を施す回転変換行列を導出する。この変換におけるz軸周り回動角rz、(回動後)y軸周り回動角ry及び(回動後)x軸周り回動角rxは角度計122及び132から得ることができる。レンズ1130の入射瞳の中心をカメラ側基準静止座標系の原点(カメラ原点)、ジンバルポイントを回動鏡側基準回動座標系の原点(ミラー原点)、レンズ1130の焦点距離とレンズ1130の入射瞳からジンバルポイントまでの距離の和をdとすると、カメラ原点を基準としたミラー原点の座標値(tx,ty,tz)はほぼ(0,0,d)になる。また、回動鏡側基準回動座標系のz軸を、回動鏡110の前面(反射面)に直交しその面から離れる方向を正とするようにとり、同座標系のx軸及びy軸を、回動角rx、ry及びrzが全て0のときに回動鏡側基準回動座標系の三軸とトラッカ側基準静止座標系の三軸とが一致することとなるようとることとする。この場合、コサイン関数を大文字C、サイン関数を大文字Sで表し、それらの関数に代入する角度をそれらの文字C,Sへの添え字で表すこととすると、回転変換行列は
Figure 0005123932
となる。
他方、回動鏡側基準回動座標系準拠の輝点虚像座標値(X1VM,Y1VM,Z1VM)、(X2VM,Y2VM,Z2VM)及び(X3VM,Y3VM,Z3VM)に基づき更に次の行列
Figure 0005123932
を定める。
回動鏡側基準回動座標系準拠輝点虚像座標値は次の式
(7) VVM=RCMV
で求めることができる。
回動鏡側基準回動座標系からトラッカ側基準静止座標系へと座標値を変換する際には、上述の回転変換とは逆の効果を有する回転変換行列を使用する。この回転変換行列は、
Figure 0005123932
と表せる。
更に、次の行列
Figure 0005123932
を定義する。
行列VMI中の負号は、取り扱っている点が真の輝点ではなくその虚像であるという事実を反映している。3個ある(真の)輝点のトラッカ側基準静止座標系準拠座標値(X1T,Y1T,Z1T)、(X2T,Y2T,Z2T)及び(X3T,Y3T,Z3T)を求めるには、次の式
(11) VT=RMTMI
の計算を行えばよい。
そして、本欄冒頭の段落で説明した目的に従い、輝点に対する位置関係が固定的な他の点の位置を求めるには、3個の輝点に対するその点の位置を求めればよい。その際には、大筋、計測したい点を巻き込んで幾通りかの動作(計測、穿孔等々)を実行し、その結果と輝点座標値とを関連づける、という処理からなる補償手順を実行する。輝点に対する計測対象点の位置が判明したら、標準的な変換手法を用い、(トラッカ側)基準静止座標系における計測対象点の座標値を求める。
システム精度
概観
従来、カメラ利用計測システムで伝搬距離及び角度の計測精度を共に高めるには、複数台のカメラを十分な相互間隔で配置することが必須であった。これに対し、本発明の好適な実施形態では、光検知素子アレイが標的像でほぼ覆われるよう視野を狭めることにより、高い精度を1台のカメラ140で実現している。その役に立ったのは、ジンバル支持型のビーム駆動機構と、高精度角度エンコーダ等の角度計である。このジンバル/エンコーダ併用機構によれば、更に、従来の多カメラシステムに比べかなり広角に亘り計測することができ、また従来の多カメラシステムではアクセスできなかった狭い隙間も覗くことができる。
これから説明する通り、光検知素子アレイが標的像でほぼ覆われるよう視野を狭めることは、伝搬距離計測精度、角度計測精度の両面に亘り重要なことである。本発明の実施形態に係るシステムによれば、その設計が適切でさえあれば、伝搬距離及び角度の双方について約10ppmという高精度を達成できる。この精度はレーザトラッカと肩を並べる精度、即ち現今入手可能な大型可搬式座標計測機器との対比で最高水準と見なされる精度である。
また、「視野を狭める」とか「光検知素子アレイが標的の像でほぼ埋まる」とかいってもどの程度のものか、疑問に思う向きもあろう。そこで、以下の例では、その辺の長さが5mmで画素数が1000×1000個の光検知素子アレイを想定する。これを使用したカメラ140の視野角は、レンズ・光検知素子アレイ間距離が100mmなら5mm/100mm=0.05rad即ち約3°という狭さになる。また、この光検知素子アレイは、カメラ140から1m離して配置した長さ50mmの標的の像で、一方向に沿って(例えば左右方向や上下方向に沿って)全画素が覆われてしまう狭さである。このときの距離計測精度は後述の通り約5ppmとなり、また角度エンコーダの精度に左右される角度計測精度は約10ppmとなる。同じ標的200をカメラ140から2mの距離まで離すと、角度計測精度は約10ppmのままでほぼ変わらないが、距離計測精度は10ppmに低下する。その標的をそのトラッカ1000から更に引き離すと、角度計測精度は約10ppmのままで保たれるものの、距離計測精度は更に低下する。
このように距離計測精度が低下(不確かさが増大)する現象に対処するには、トラッカ1000から標的までの距離が増すのに応じて点す輝点の個数を増やせるタイプの標的例えば200Bを使用すればよい。点す輝点の個数を増やすことで標的長を延ばすことができ、既に詳示した通り距離計測精度を回復させることができる。例えば50mmから100mmへと標的長を延ばせば10ppm精度計測範囲が2mから4mに拡がり、更に200mmに延ばせば8mに拡がる。また、標的サイズを抑えつつ高精度を達成したいのであれば、カメラ140におけるレンズ・光検知素子アレイ間距離を長めにとればよい。例えば、レンズ・光検知素子アレイ間距離を100mmから400mmに延ばせば、その長さが50mmしかない標的を8m離して配置したときでも10ppmの精度を得ることができる。その場合の視野は、5mm/400mm=0.0125rad即ち約0.7°まで狭まる。
伝搬距離計測精度
一般に、1台だけのカメラで伝搬距離を計測しても十分な精度にならず度量衡グレードの計測を行えない、といわれているが、次に示す諸条件を満たしつつ本発明を好適に実施すれば高精度計測を達成できる。その条件とは、カメラ140の視野が狭いため光検知素子アレイでカバーできる角度範囲が狭いこと、光検知素子アレイを構成する画素の大部分に亘り像が拡がること、カメラ140のフィルファクタが100%で各辺の長さが少なくとも1000画素あること、カメラ140のレンズが良質でその被覆により不要波長の光を阻止できること、並びに誤差補償の適用でカメラシステムの収差を抑圧できることである。但し、これとは若干異なる条件又は構成でも高精度計測は可能である。本発明の技術的範囲にはそうした変形例も含まれる。
視野が狭いカメラ140で広い範囲を観察するには、随意の方向に向くよう回動鏡110を回動させうることと、その時々にカメラ140が捉えている方向を高精度計測できることとが必要である。それらの条件を達成できれば、伝搬距離の計測精度は非常に高くなる。
まず、光検知素子アレイ例えば1140の一辺に沿って並ぶ画素の個数をNT、光検知素子アレイ1140上に結像している任意の明点間の最大画素数をNとする。また、レンズ1130のアパーチャ1120から計測対象輝点までの平均距離をR、アパーチャ1120から最も外側の輝点までの距離、特に光検知素子アレイ1140の対向辺上に明点を形成しているときの距離をR0とする。その場合、次の式
(12) R=R0T/N
が成り立つので、その微分即ち距離不確かさ
(13) |dR|=(R0T/N2)|dN|
=(R2/(NT0))|dN|
を求め、更に距離Rとの比を求めることで、距離計測精度
(14) |dR|/R=(R/(NT0))|dN|
を得ることができる。
式(10)から読み取れるように、この距離計測精度は伝搬距離Rに比例している。こうした性質は既存の計測装置ではほとんど見られないものである。例えば角度エンコーダ、干渉計、高性能絶対距離計等の装置では、距離計測精度が距離によらず一定である。
高性能カメラシステムで輝点を捉えた場合、光検知素子アレイ1140上での像位置の不確かさは1/100画素以下というサブ画素レベルの精度になる。2個の輝点をカメラ140で捉えて距離を求める場合、各明点の位置に個別にランダムノイズが含まれるので、その距離計測精度は画素数で1/70.7画素になる。標的として標的1200又はそれに類するものを用いると、距離計測に使用できる輝点が4倍+1個(中央輝点)になるので、距離計測精度は概算で41/2=2倍に高まり、画素数で表した実効計測精度dNは1/141個になる。使用している光検知素子アレイ1140が1000画素サイズのCCDアレイであり、標的1200の像がそのアレイ1140の一辺全体(1000画素)に亘り拡がっており、距離R0が1m、またレンズ1130のアパーチャ1120から標的1200までの距離Rも1mであるとすると、伝搬距離計測値の合計の不確かさは
(15) |dR|=(R2/(NT0))|dN|
=((1m)2/(1000・1m))(1/141)
=7μm
となる。
従って、距離計測精度は、式(10)の関係から7μm/1m=7ppmとなる。また、内円1230上にある輝点を使用して上述の結果が得られている場合、その標的1200を6自由度トラッカ1000から2mの距離まで動かし、外円1250上にある輝点を点したときの距離計測精度も、やはり7ppmになる。標的1200を更に動かしトラッカ1000から4mの場所に移すと、距離計測精度は14ppmに下がる。
また、計測する点を静止させておき、撮影方向を僅かずつずらして複数回、その点を繰り返し計測することで、計測精度を高めることができる。像位置の誤差はランダムであるので、この手法即ちずらし撮り法による計測誤差抑圧効果は、少なくとも計測回数が少ない領域では計測回数の平方根倍になる。例えば、1〜2秒の間にトラッカ位置を4回に亘り少しずつ変化させ、各位置にて6自由度トラッカ1000により標的を計測した場合、4mで14ppmの計測精度を呈する上掲の例なら計測精度をその41/2=2倍に高め7ppmにすることができる。
なお、上掲の式(10)については、モンテカルロシミュレーションにより総合的な検証を行い、広範囲の状況に適用できることを確かめてある。
回動角計測精度
標的を回動してその向きを変えるとき、その向きは三軸周り回動角θx、θy及びθzで表すことができる。これらの回動角はピッチ角、ヨー角及びロール角とも呼ばれる角度であり、それらを使用して相直交する三軸周りでの回動を記述することができる。ここではカメラ140の光軸を以てz軸とする。これら三種類の回動角θx、θy及びθzの計測精度は、標的が取り付けられている位置、ひいては探触子や工具の先端の位置の計測精度に大きく影響する。
回動角計測値の不確かさを調べるため、ここでは3個の輝点210〜212を有する標的200Aを用いることとし、またそれらの輝点211、210及び212の位置が順に(0,0,0)、(a,0,b)及び(−a,0,b)であるとする。この標的200Aをz軸に沿ってカメラ140で捉えると、それらの輝点210〜212が一直線に並んで見え、また輝点211が輝点210と輝点212の中間に見える。この状態から標的をx軸周りで角度θxに亘り回動させると、原点(0,0,0)にある輝点の位置は変わらないが、他の2点が回動してその座標値が(a,−b・sinθx,b・cosθx)及び(−a,−b・sinθx,b・cosθx)に変化する。即ち、それらの2点は、カメラ140から見て元の位置からy軸沿いに−b・sinθxだけ移動したように見える。例えば、一辺の長さLが5mmでその辺の画素数NTが1000の光検知素子アレイが、カメラ原点からの距離gが100mmになるようカメラ140内に配置されているとする。また、そのカメラ原点から標的200Aまでの距離hを1000mm、探触子400の奥行き寸法bを25mmとする。そして、前掲の例に倣い、画素数で表した実効計測精度dNが1/141画素というサブ画素レベルの精度になるよう標的200Aに代え標的1200を用いたとする。この場合、標的1200のx軸周り回動角θxの不確かさはおよそ
(17) dθx =(hL/(gbNT))dN
=(1000mm・5mm)/(100mm・25mm・1000)・(1/141)
=14μrad
となり、従ってx軸周り回動角θxの不確かさは14ppmになる。
また、標的をy軸周りで角度θyに亘り回動させた場合も、同じ理由で、原点にある輝点の位置は変わらず原点以外にある2点が移動したように見え、そのx軸沿い移動幅はほぼb・sinθyとなる。これは、原点所在の輝点に対応する明点と、それら2個の輝点に対応する明点との距離が、カメラ側xy平面上では等しくなくなる、ということである。また、この場合のy軸周り回動角θyの不確かさも、x軸周り回動角θxのそれとほぼ同じで約14μradとなる。
そして、標的がz軸周りで角度θzに亘り回動した場合、光検知素子アレイが1000画素サイズのCCDアレイであり、標的像がそのアレイの一辺全体(1000画素)に亘り拡がっており、距離R0が1m、またレンズ1130のアパーチャ1120から標的までの距離Rも1mであるとすると、z軸周り回動角θzの計測値の不確かさは
(18) dθz =(2R/(NT0))dN
=(2・1m)/(1000・1m)・(1/141)
=14μrad
となる。即ち、x軸周り回動角θxやy軸周り回動角θyのそれと同じ値になる。
これらの回動角(ピッチ角、ロール各及びヨー角)計測値の不確かさに対し、標的原点から注目位置、例えば探触子や工具(ドリル等)の先端までの距離を乗ずると、回動により生じる注目位置の計測誤差がわかる。例えば、標的200Bの中心からエンドエフェクタ400に沿って下方に200mm離れた場所にドリルの先端が位置している場合、標的200Bに対するドリル端の位置の計測値の不確かさは、約14ppm×0.2m=約2.8μmとなる。
そして、回動角の不確かさがこのように小さいということは、工具や探触子の先端からやや離れた場所に標的を装着しても、さほど精度を落とすことなく計測を行えるということである。以下、説明の簡明化のため、標的に対する工具端乃至探触子端の位置の不確かさのことを、相対端位置不確かさと呼ぶこととする。
標的方向計測精度
工具端、探触子端、標識用標的等の座標値(x,y,z)を求めるには、例えば、目的とする点の位置を任意の原点を基準にして求め、最適当てはめ計算を実行してその原点までの距離及び三種類の回動角θx、θy及びθzを求め、そしてその情報を使用して工具端、探触子端、標識標的等の位置を計算する、という手法を使用するのが便利である。
標的上にある原点の方向を求める際には、角度計122及び132例えば角度エンコーダから得られる角度計測値に対し、カメラ内アレイ上の画像パターンに基づく角度補正を施す。この角度補正における不確かさ(φFOV/NT)dNは、その視野サイズφFOVが0.05rad(約3°)、アレイサイズNTが1000画素、実質計測精度dNが1/141なるサブ画素精度の標的1200を使用すれば、0.35μradという非常に小さな値になる。ここに、ジンバルシステムにおける角度計測値の不確かさには、この角度補正由来成分の他に角度エンコーダ由来成分、ベアリング由来成分及び運動補償由来成分があるが、高性能角度エンコーダ及び高品質ベアリングを用い且つ運動補償を適正に行えば、それらの合計の角度計測誤差は5〜10μrad、即ち5〜10μm/m乃至5〜10ppmという角度計測精度になる。こうした状況下では、角度補正由来の不確かさ成分は無視することができる。
総合精度
標的に対する位置関係が固定的な点の座標値には、総じて(1)伝搬距離不確かさ、(2)角度不確かさ、(3)運動不確かさ及び(4)相対端位置不確かさという不確かさがある。運動不確かさとは運動パラメタに関する不確かさ、例えばジンバルポイントから計測対象物上の基準点までの距離R0、機械軸間の最接近距離即ち軸間隔、機械軸同士の交差角と90°との差即ち軸非直交度等といったパラメタに関する不確かさのことである。標的の構成、電気系、機械系及び光学系の構成並びに補償処理の内容が適切であれば、これらの不確かさ成分のうち(1)伝搬距離不確かさは約7〜14ppm、(2)角度不確かさは端間距離で約5〜10ppm、(3)運動不確かさは約1〜2ppmとなる。相対端位置不確かさは約14ppmであるが、これには標的からトラッカ1000までの距離ではなく標的から探触子端までの距離が乗ぜられるので、大抵の場合、相対端位置不確かさは非常に小さくなり無視することができる。また、伝搬距離不確かさと角度不確かさがほぼ等しいことから、空間内不確かさ領域は、その半径が約7〜14ppmの球形になる。
更に、このように比で表された不確かさ(相対的不確かさ)を絶対値(絶対的不確かさ)に換算する際には、標的までの距離の計測値例えば3mに、その計測の相対的不確かさ例えば10ppmを乗ずればよい。標的位置についての不確かさをこの計算で求めると3m・10μm/m=30μm即ち0.001インチ弱となる。穿孔ロボットを制御する際の不確かさは、大抵は150〜200μmの水準に達していれば十分であるので、その不確かさが30μmなら精度上の問題なしにこの用途に使用することができる。更に、かつてないことに、その仕組みがシンプルであるため度量衡グレードの装置を低コストで実現することができる。
本発明の一実施形態に係る三次元計測装置及びシステムを示す斜視図である。 標的の例200A及び200Bを示す斜視図である。 標的の例200A〜200C及び700を示す斜視図である。 標的の例1200を示す斜視図及び正面図である。 標的1200の用例を示す斜視図である。 ハンドヘルドスキャナ1800への実装例を示す斜視図である。 腕関節付CMM2000への実装例を示す斜視図である。 円柱レンズ付カメラ140の一例内部構造を示す斜視図である。 球面レンズ付カメラ140の一例内部構造を示す斜視図である。 球面レンズ付カメラ140の一例内部構造及び2本あるビーム経路を示す模式図である。

Claims (2)

  1. 第1軸周り及び第2軸周りで回動鏡を回動させるステップと、
    輝点に発し回動鏡で反射された光を受光できるよう配置されたカメラを稼働させるステップと、
    そのうち2個を結ぶ線分の中点から回動鏡までと他の少なくとも1個から回動鏡までとが異なる距離になるよう所定の相対的三次元位置関係にてその上に配置された3個以上の輝点を有する標的を、計測対象物上又はその計測対象物を計測する装置上に、回動鏡を介しカメラで捉えうるよう配置するステップと、
    2個の角度計測装置を用い回動鏡の第1軸周り回動角及び第2軸周り回動角を計測するステップと、
    1個又は複数個のモータを用い回動鏡を第1軸周り及び第2軸周りで回動させるステップと、
    標的上にある輝点の像をカメラ内の光検知素子アレイで捉えるステップと、
    プロセッサ内で最大三位置自由度及び三角度自由度に亘り標的を調べるステップと、
    を有し、カメラまでの伝搬距離が増したため精度を高める必要があるときに、標的上にある他の輝点を点し、レーザ測距器を用いて距離を計測することなく計測対象物の位置を計測するカメラ利用標的座標計測方法
  2. 所定の相対的三次元位置関係にて標的上に形成された3個以上の輝点と、
    第1軸周り及び第2軸周りで回動する1個又は複数個の回動鏡と、
    輝点に発し回動鏡で反射された光を受光できるよう配置されたカメラと、
    回動鏡の第1軸周り回動角及び第2軸周り回動角を計測する2個の角度計測装置と、
    最大三位置自由度及び三角度自由度に亘り標的を調べるプロセッサと、
    を備え、その標的が、回動鏡までの伝搬距離が増したため精度を高める必要があるときに点される他の輝点を備え、レーザ測距器を用いて距離を計測することなく、少なくとも一種類の基準座標系における標的の位置を計測するカメラ利用座標計測システム
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