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JP5123579B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP5123579B2 JP2007165026A JP2007165026A JP5123579B2 JP 5123579 B2 JP5123579 B2 JP 5123579B2 JP 2007165026 A JP2007165026 A JP 2007165026A JP 2007165026 A JP2007165026 A JP 2007165026A JP 5123579 B2 JP5123579 B2 JP 5123579B2
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Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
従来、吸収性物品としての生理用ナプキンにおいて、排泄された経血等の液体が漏れ出ることを抑制するために表面シート側に凹状の防漏溝が形成された生理用ナプキンが提案されている。
例えば、透液性表面シートと不透液性裏面シートと、それら両シートの間に介在する吸収体とからなり、コアが位置する領域の上両面側に、コアの長さ方向へ延びる一対の圧搾条溝を有する生理用ナプキンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これらの圧搾条溝を備える生理用ナプキンは、透液性表面シートと吸収体を重ね合わせた状態で所望の成形型により高圧で圧搾することにより得られる。これらの圧搾条溝を備えることで、表面を流れる経血の漏れを抑制することができる。
また、これらの圧搾条溝を備えることで、表面シートを透過してコアに吸収された経血が幅方向外側に漏れ出ることを抑制できる。つまり、表面シートを透過してコアに吸収された経血が幅方向外側に移行した場合、コアにおける圧搾条溝の圧搾された部分である高密度部に経血が引き寄せられ、幅方向外側への漏れを抑制することができる。
また、これらの圧搾条溝が折れ起点として機能するので、生理用ナプキンにおける排泄部への適合密着性を向上させることができる。つまり、これらの圧搾条溝を折れ起点として、圧搾条溝に挟まれた領域が排泄部側に突出して、排泄部に密着するように変形される。
特許第3053561号公報
しかし、特許文献1の生理用ナプキンにおける圧搾条溝は、表面シートとコアとの双方を圧縮して形成されるため、コアに形成される圧搾条溝の高密度部に引き寄せられた経血が表面シート側に移行する。これにより、経血の赤色が表面シートを介して過度に視認されるので、使用者が不快感を感じる場合があった。
また、特許文献1の生理用ナプキンにおける圧搾条溝は、表面からみた経血の吸収可能領域を示す役割があるため、互いに一定の幅をあけて形成する必要があった。圧搾条溝同士の幅が狭い場合には、使用者が吸収量に対して不安を感じてしまうためである。これにより、排泄部側に突出するように変形される領域の幅が、排泄部の幅と一致しない場合があった。
本発明は、吸収体に形成される高密度領域が、少なくとも表面シートに形成される溝部に対して幅方向内側に形成されることで、吸収体に吸収された経血の隠蔽性に優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
(1) 少なくとも一部が液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、を備える縦長状の吸収性物品であって、前記吸収体に該吸収性物品の長手方向に延びるように形成されると共に、前記長手方向に連続的又は間欠的に形成される高密度部を有する一対の高密度領域と、少なくとも前記表面シートに前記長手方向に延びるように形成される一対の溝領域と、を備え、前記高密度領域は、該吸収性物品を幅方向に等分する中心線を挟んで形成され、前記溝領域は、前記幅方向において、前記高密度領域の外側に形成される吸収性物品。
(2) 前記高密度領域それぞれは、前記吸収体における前記表面シート側が窪んだ溝状に形成され、前記高密度部は、該溝状における底部に間欠的に形成される(1)に記載の吸収性物品。
(3) 前記溝領域それぞれは、前記表面シート及び前記吸収体が窪んで形成され、前記溝領域それぞれにおける底部には、前記表面シート及び前記吸収体が圧縮されてなる高密度積層部が間欠的に形成される(2)に記載の吸収性物品。
(4) 前記長手方向において、前記溝領域それぞれに形成される高密度積層部の間隔は、前記高密度領域それぞれに形成される高密度部の間隔よりも広い(3)に記載の吸収性物品。
本発明によれば、吸収体に形成される高密度領域が、少なくとも表面シートに形成される溝部に対して幅方向内側に形成されることで、吸収体に吸収された経血の隠蔽性に優れた吸収性物品を提供することができる。
以下、図に基づいて本発明の実施形態における吸収性物品としての生理用ナプキン1にいて説明する。
まず、図1から図3により、生理用ナプキン1の構造について説明する。図1は、生理用ナプキン1の平面図である。図2は、生理用ナプキン1のX−X断面図である。図3は、生理用ナプキン1を構成する吸収体4の平面図である。
図1に示すように、吸収性物品としての生理用ナプキン1は、略縦長状である。生理用ナプキン1は、液透過性の表面シート2と、液不透過性の裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に配置される吸収体4とを備える。また、生理用ナプキン1は、吸収体4に形成される高密度領域としての一対の第1圧搾溝5、5と、表面シート2及び吸収体4に形成される溝領域としての一対の第2圧搾溝6、6とを有する。
表面シート2と第1圧搾溝5、5が形成された吸収体4とは、吸収体4に表面シート2を積層した状態で形成された第2圧搾溝6、6及びホットメルト接着剤等により貼りあわされて固定される。また、裏面シート3と吸収体4は、ホットメルト接着剤等により貼り合わされ固定される。表面シート2と裏面シート3とは、ホットメルト接着剤及びヒートシールにより貼り合わされて接合される。
また、生理用ナプキン1には、下着に固定するためのウィング10、10及び不図示の固定部が形成される。不図示の固定部は、生理用ナプキン1における裏面シート3の中央に形成される。固定部が下着のクロッチ部における内側に固定されることで、生理用ナプキン1は、下着に固定される。ウィング10、10の図1における裏面側には、不図示の粘着部が形成される。該ウィング10、10を裏面シート3側に折り返して粘着部を下着の外側に貼り付けることで、生理用ナプキン1を下着に取り付けることができる。
次いで、生理用ナプキン1を構成する各構成要素について説明する。
表面シート2は、レーヨン等のセルロース繊維、合成繊維樹脂等から形成されたスパンレース不織布、PE、PP、PET等の合成樹脂繊維で形成された不織布、前記合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布等が用いられる。また、裏面シート3、吸収体4及びホットメルト粘着剤は、一般的に生理用ナプキンに使用されているものを用いることができる。ここで、本実施形態において、吸収体4には、表面シート2と該吸収体4との間に配置されるセカンドシート又はクッションシートと呼ばれる不織布も含まれる。
図1から図3に示すように、高密度領域としての第1圧搾溝5、5は、吸収体4に形成される。第1圧搾溝5、5は、吸収体4に中心線CLを挟んで幅方向Xに互いに離間して形成される。また、第1圧搾溝5、5は、長手方向Yに延びるように形成される。第1圧搾溝5、5は、吸収体4における表面シート2側が窪んだ溝状に形成される。
第1圧搾溝5、5それぞれは、長手方向Yに延びるように間欠的に形成される複数の高密度部5aを有して構成される。具体的には、第1圧搾溝5、5それぞれは、該第1圧搾溝5、5それぞれにおける底部に沿って間欠的に形成される複数の高密度部5aを有する。詳細には、図1及び図3に示すように、第1圧搾溝5、5それぞれは、第1圧搾溝5、5それぞれの底部に交互に形成される高密度部5aと、中密度部5bとを有して構成される。
第1圧搾溝5、5それぞれは、第1圧搾溝5、5の形状に対応して形成された凸状部が形成されたエンボスロールと、平ロールとの間に吸収体4を通すことで形成される。具体的には、第1圧搾溝5、5の表面に間欠的に突起部が形成されてなる凸状部と、平ロールとの間に吸収体4を通して圧搾(圧縮)処理することで形成される。ここで、吸収体4を圧搾(圧縮)処理する手段として、上述のようにエンボスローと平ロールとの組み合わせだけでなく、一方又は両方が板状の型であってもよく、凸状部が形成されない側の表面に該凸状部に対応した凹部が形成されてもよい。
高密度部5aは、強く圧縮(圧搾)された部分であり、中密度部5bは、弱く圧縮された部分である。高密度部5aは、上述の凸状部における突起部に吸収体4の一部を強く圧搾されて形成された部分であり、吸収体4を構成する材料の密度が高くなるように構成された部分である。具体的には、吸収体4における第1圧搾溝5、5に隣接する領域(圧縮されていない領域)の密度を基準として密度が高くなるように構成される。この高密度部5aは、中密度部5bよりも密度が高くなるように形成される。
中密度部5bは、上述のように弱く圧縮された部分であり、吸収体4を構成する材料の密度が隣接する領域よりも高くなるように形成された領域である。中密度部5bは、凸状部における突起部と隣接する突起部との間に対応する部分であり、隣接する高密度部5aと高密度部5aとが強く圧縮されたことで、結果として弱く圧縮された領域である。中密度部5bは、隣接する領域よりも吸収体4を構成する材料の密度が高く、高密度部5aよりも密度が低くなるように形成される。
第1圧搾溝5、5は、中心線CLに対して線対称に形成される。そして、第1圧搾溝5、5は、互いに幅方向Xに20mmから50mm、好ましくは25mmから45mmだけ離間して形成される。第1圧搾溝5、5における幅方向Xの離間距離が20mmより小さい場合、第1圧搾溝5、5の間に形成される中央領域としての中央部20における密度が高くなることで剛性が必要以上に高くなる場合がある。つまり、排泄部側に突出するように変形する際に、好適に変形できない場合がある。また、装着状態において、中央部20が必要以上に硬くなり装着性が低下する場合がある。逆に、第1圧搾溝5、5における幅方向Xの離間距離が50mmより大きい場合、排出部の幅よりも中央部20の幅が広すぎるので排泄部に対して適切な適合性が得られない場合がある。
第1圧搾溝5、5の幅方向Xにおける長さである幅寸法は、0.5mmから10mm、好ましくは1mmから5mmである。第1圧搾溝5、5の幅寸法が0.5mmより小さい場合、製造時や使用時に吸収体4が第1圧搾溝5、5に沿って切れてしまう場合がある。また、経血を十分に引き寄せることができず、経血が幅方向X外側に漏れることを抑制できない場合がある。また、十分な剛性が得られないため、中央部20が排泄部側に突出するように変形する場合における折れ起点として機能しない場合がある。逆に、第1圧搾溝5、5の幅寸法が10mmより大きい場合、第1圧搾溝5、5の剛性が過剰に高くなるので、装着時におけるフィット性や使用感が低下する場合がある。
ここで、第1圧搾溝5、5の剛さは、300mg/inchから3000mg/inch、好ましくは500mg/inchから2500mg/inchである。第1圧搾溝5、5の剛さが300mg/inchより小さい値の場合、装着時において、生理用ナプキン1の幅方向X両側に対して両太腿部から加えられる幅方向X内側への力を吸収体4に伝達させることが出来ないため、中央部20を排泄部側に突出するよう変形させることができない場合がある。逆に、第1圧搾溝5、5の剛さが3000mg/inchより大きな値である場合、剛性が高すぎて装着時におけるフィット性や使用感が低下する場合がある。ここで、第1圧搾溝5、5の剛さは、JIS L−1096 8.20.1 A法(ガーレー法)の規定に沿って測定される。
第1圧搾溝5、5を構成する高密度部5a同士の長手方向Yにおける間隔は、0.5mmから10mm、好ましくは2mmから5mmである。高密度部5a同士の長手方向Yにおける間隔が0.5mmより小さい場合、第1圧搾溝5、5の剛性が高くなり、装着時におけるフィット性や使用感が低下する場合がある。逆に、高密度部5a同士の長手方向Yにおける間隔が10mmより大きい場合、高密度部5a同士の間隔が広すぎて後述する経血の幅方向X外側からの漏れを抑制できない場合がある。
第1圧搾溝5、5それぞれは、表面シート2を透過して吸収体4に吸収された経血が幅方向X外側に漏れることを抑制する防漏部として機能する。具体的には、第1圧搾溝5、5は、主に該第1圧搾溝5、5を構成する複数の高密度部5aが、表面シート2を透過して吸収体4における中央部20に吸収された経血であって幅方向X外側に移行した経血を引き寄せることで、幅方向X外側に経血が漏れることを抑制する。
また、第1圧搾溝5、5それぞれは、中央部20を排泄部側に突出するように変形させる折れ起点として機能する。具体的には、第1圧搾溝5、5は、後述する2圧搾溝6、6よりも幅方向Xにおける長さが短い(幅が狭い)領域である中央部20を突出させて排泄部に当接させる。
第1圧搾溝5、5それぞれは、吸収体4のみに形成される。言い換えると、後述する第2圧搾溝6、6とは異なり、第1圧搾溝5、5それぞれは、表面シート2や裏面シート3と積層された状態で形成されない。つまり、表面シート2における第1圧搾溝5、5に対応する(覆う)領域には、密度が高くなるように調整された高密度部や下記の第2圧搾溝6、6に相当する溝領域は形成されていない。また、第1圧搾溝5、5を構成する高密度部5aそれぞれは、表面シート2から離間している。また、第1圧搾溝5、5それぞれは、表面シート2に直接的に接合されていない。具体的には、高密度部5aそれぞれは、表面シート2に圧着されていない。
ここで、生理用ナプキン1において、第1圧搾溝5、5それぞれにおける幅方向外側には、第2圧搾溝6、6が形成される。
溝領域としての第2圧搾溝6、6ぞれぞれは、表面シート2と吸収体4とが窪んだ溝状に形成された領域である。第2圧搾溝6、6それぞれは、表面シート2と吸収体4とを積層させた状態で圧縮(圧搾)処理をすることで形成される。第2圧搾溝6、6は、全体的に瓢箪状の環状である防漏溝60の一部を構成する部分であり、上述の第1圧搾溝5、5の幅方向X外側に形成される部分である。ここで、第2圧搾溝6、6は、幅方向Xにおいて表面シート2の上面から見て最も内側に形成される圧搾溝である。
第2圧搾溝6、6それぞれは、長手方向Yに延びるように間欠的に形成される複数の高密度積層部6aを有して構成される。具体的には、第2圧搾溝6、6それぞれは、該第2圧搾溝6、6それぞれにおける底部に沿って間欠的に形成される複数の高密度積層部6aを有する。詳細には、図1に示すように、第2圧搾溝6、6それぞれは、第2圧搾溝6、6それぞれの底部に交互に形成される高密度積層部6aと、中密度積層部6bとを有して構成される。
第2圧搾溝6、6は、上述の第1圧搾溝5、5と同様に形成できる。つまり、第2圧搾溝6、6は、表面シート2と第1圧搾溝5、5が形成された吸収体4とを積層した状態で第2圧搾溝6、6に対応した凸状部が形成されたエンボスロールと平ロールとの間を通して圧縮(圧搾)処理することで形成できる。ここで、第2圧搾溝6、6を形成する手段として、エンボスロールと平ロールとの組み合わせに限定されない点も上述と同様である。
第1圧搾溝5、5の高密度部5aと同様に、高密度積層部6aは、強く圧搾(圧縮)された部分であり、中密度積層部6bは、弱く圧縮された部分である。高密度積層部6aは、表面シート2及び吸収体4の一部を強く圧搾(圧縮)して形成された部分であり、表面シート2を構成する材料の密度が高くなると共に、吸収体4を構成する材料の密度が高くなるように構成された部分である。この高密度積層部6aは、中密度積層部6bよりも表面シート2及び吸収体4それぞれの密度が高くなるように形成される。
中密度積層部6bは、上述のように弱く圧縮された部分であり、表面シート2及び吸収体4を構成する材料の密度が隣接する領域よりもそれぞれ高くなるように形成された領域である。中密度積層部6bは、隣接する高密度積層部6aと高密度積層部6aとが強く圧搾されたことで、結果として弱く圧縮された領域である。中密度積層部6bは、隣接する領域よりも表面シート2及び吸収体4それぞれを構成する材料の密度が高く、高密度部5aよりもそれぞれの密度が低くなるように形成される。
第2圧搾溝6、6は、中心線CLに線対称に形成される。また、第2圧搾溝6、6は、幅方向Xにおいて、第1圧搾溝5、5よりも外側に形成される。具体的には、第2圧搾溝6、6それぞれは、第1圧搾溝5、5それぞれから幅方向X外側に1.5mmから20mm、好ましくは3mmから10mmだけ離間して形成される。第2圧搾溝6、6それぞれと第1圧搾溝5、5それぞれとの距離が1.5mmより小さい場合、第1圧搾溝5、5に引き寄せられた経血を第2圧搾溝6、6の高密度積層部6aが引き寄せてしまう場合がある。つまり、表面シート2に被覆され隠蔽された状態である第1圧搾溝5、5の高密度部5aに引き寄せられた経血が高密度積層部6aに引き寄せられることで、経血の赤色が外部に露出される場合がある。また、後述する中央部20を立ち上げるように変形させることが困難である。逆に、第2圧搾溝6、6それぞれと第1圧搾溝5、5それぞれとの距離が20mmより大きい場合、中央部20の幅が狭くなる場合がある。この場合、表面シート2を透過した経血を吸収しきれず、経血が第1圧搾溝5、5を越えて幅方向X外側に漏れ出す場合がある。この場合にも、経血が高密度積層部6aに移行して、経血の赤色が外部に露出される場合がある。
第2圧搾溝6、6の幅方向Xにおける長さである幅寸法は、0.5mmから10mm、好ましくは1mmから5mmである。第2圧搾溝6、6の幅寸法が0.5mmより小さい場合、製造時や使用時に表面シート2及び吸収体4が第2圧搾溝6、6に沿って切ってしまう場合がある。表面シート2の表面を伝って流れる経血を十分に捕集することができない場合がある。また、経血を十分に引き寄せることができず、経血が幅方向X外側に漏れることを抑制できない場合がある。逆に、第2圧搾溝6、6の幅寸法が10mmより大きい場合、第2圧搾溝6、6の剛性が過剰に高くなるので、装着時におけるフィット性や使用感が低下する場合がある。
ここで、第2圧搾溝6、6における高密度積層部6a同士の間隔は、第1圧搾溝5、5における高密度部5a同士の間隔よりも広くなるよう形成される。第1圧搾溝5、5における高密度部5aは、吸収体4の内部を幅方向X外側に移行する経血が外側に漏れないように短時間で引き寄せる必要があるために互いに近接して形成される必要がある。これに対し、第2圧搾溝6、6は、表面シート2の表面を伝う経血の流れを止めるため凹状に形成されていればよく、高密度積層部6aは凹部に流れた経血を所定時間内に引き寄せることができる程度に形成されていればよい。具体的には、高密度積層部6aの長手方向Yにおける間隔は、2mmから20mm、好ましくは5mmから15mmである。高密度積層部6aの長手方向Yにおける間隔が2mmより小さい場合、第2圧搾溝6、6の剛性が向上して装着時に身体にフィットするように変形しない場合がある。逆に、高密度積層部6aの長手方向Yにおける間隔が20mmより大きい場合、表面シート2の表面を伝って第2圧搾溝6、6に落ち込んだ経血を引き寄せることができない場合がある。この場合、第2圧搾溝6、6に落ち込んだ経血が吸収体4に移行する前に、更に表面シート2の表面を伝って生理用ナプキン1の幅方向X外側に漏れ出す場合がある。
また、第1圧搾溝5、5における高密度部5aの面積率Pと、第2圧搾溝6、6における高密度積層部6aの面積率Qは、面積率P>面積率Qである。第2圧搾溝6、6における高密度積層部6aの面積率Qが高い場合、第2圧搾溝6、6全体における密度が上昇するので、第1圧搾溝5、5に引き込まれた経血を第2圧搾溝6、6に引き込みやすくなる。これにより、外部に経血の赤色が露出される場合がある。
第2圧搾溝6、6それぞれは、表面シート2の表面を伝って流れる経血が幅方向X外側に漏れ出すことを抑制する防漏溝として機能する。具体的には、第2圧搾溝6、6は、表面シート2の表面を伝って流れる経血を凹部により捕集すると共に、該凹部における底部に形成される高密度積層部6aが該捕集された経血を吸収体4側に引き寄せることで、経血が幅方向X外側に漏れ出すことを抑制する。
また、第2圧搾溝6、6それぞれは、第2圧搾溝6、6同士に挟まれた領域30を排泄部側に突出するように変形させる折れ起点として機能する。具体的には、第1圧搾溝5、5と協働して中央部20を排泄部に当接させるように変形させる。
また、第2圧搾溝6、6それぞれは、外部から視認できる防漏溝であって経血を吸収できる領域を示す目印として機能する。つまり、第2圧搾溝6、6により、使用者に漏れ不安を安心させることができる。この点からも、第2圧搾溝6、6は、幅方向Xにある程度の間隔をあけて形成される必要がある。
次いで、図4及び図5により、生理用ナプキン1の表面に排泄された経血の流れについて説明する
図4(A)及び図4(B)は、生理用ナプキン1の表面に排泄された経血の流れを説明する図である。図5(A)から図4(C)は、生理用ナプキン1の表面に過剰に排泄された経血の流れを説明する図である。
生理用ナプキン1の表面に通常量の経血Lが排泄された場合における経血Lの流れについて説明する。
まず、図4(A)に示すように、生理用ナプキン1の表面に経血Lが滴下されるよう排泄される。表面シート2の表面に排泄された経血Lは、表面シート2を透過して吸収体4に吸収される。そして、吸収体4に吸収された経血Lは、幅方向X外側に広がるように移行する。
次いで、図4(B)に示すように、吸収体4の内部において幅方向X外側に移行した経血Lは、第1圧搾溝5、5の高密度部5aに引き寄せられる。そして、引き寄せられた経血Lは、高密度部5aに隣接する中密度部5bに拡散するように移行される。このようにして、経血Lが幅方向X外側に漏れ出すことが抑制される。更に、第1圧搾溝5、5における高密度部5aの面積率Pが、第2圧搾溝6、6に形成される高密度積層部6aの面積率Qよりも高くなるように、言い換えると、第1圧搾溝5、5の密度が第2圧搾溝6、6の密度よりも高くなるよう構成されるので、第1圧搾溝5、5に引き寄せされた経血が第2圧搾溝6、6に引き寄せられる可能も少ない。
ここで、図4(B)の状態において、生理用ナプキン1を表面シート2側から見た場合、経血Lが引き寄せられた第1圧搾溝5、5の高密度部5aが表面シート2に被覆されるので、経血Lの赤色は外部から隠蔽されている。
生理用ナプキン1の表面に過剰量の経血Lが排泄された場合における経血Lの流れについて説明する。
まず、図5(A)に示すように、上述と同様に、生理用ナプキン1の表面に経血Lが滴下されるよう排泄される。表面シート2の表面に排泄された経血Lは、表面シート2を透過して吸収体4に吸収される。そして、吸収体4に吸収された経血Lは、幅方向X外側に広がるように移行する。
次いで、図5(B)に示すように、吸収体4の内部において幅方向X外側に移行した経血Lは、第1圧搾溝5、5の高密度部5aに引き寄せられる。そして、引き寄せられた経血Lは、高密度部5aに隣接する中密度部5bに拡散するように移行される。このようにして、経血Lが幅方向X外側に漏れ出すことが抑制される。また、図5(B)に示すように、過剰量の経血Lが表面シート2に排泄された場合、経血Lは表面シート2の表面を伝って幅方向X外側に流れるように移行する。
更に、図5(C)に示すように、表面シート2の表面を伝って幅方向X外側に移行した経血Lは、第2圧搾溝6、6に流れ込んで捕集される。第2圧搾溝6、6に流れ込んだ経血Lは、まず、高密度積層部6aに引き寄せられると共に、中密度積層部6bに拡散するよう移行される。そして、高密度積層部6aに引き寄せられた経血Lは、吸収体4側に移行される。このようにして、経血が幅方向X外側に漏れ出すことが抑制される。
続けて、図6(A)から図6(C)により、装着時における生理用ナプキン1の変形状態について説明する。図6(A)から図6(C)は、装着時における生理用ナプキン1の変形状態を説明する図である。
まず、図6(A)に示すように、装着前の生理用ナプキン1は、厚さ方向Zに扁平状である。図6(A)に示す生理用ナプキン1は、上述の固定部及び折り返されたウィングにより不図示の下着に取り付けられる。
次いで、図6(B)に示すように、不図示の下着を引き上げることで生理用ナプキン1を装着される。このように生理用ナプキン1を装着することで、両足大腿部により、生理用ナプキン1の幅方向X両側に幅方向X内側へ向かう力F、Fが加えられる。この力F、Fを受けることで、生理用ナプキン1は、幅方向Xの長さが短くなるように変形される。
具体的には、吸収体4の中央領域としての中央部20は、幅方向X中央が厚さ方向Zにおける不図示の排泄部側(図6における上方側)に突出するように変形する。更に、中央部20は、該中央部20の幅方向X両側に形成される第1圧搾溝5、5を折れ起点として排泄部側に突出するように変形する。つまり、第2圧搾溝6、6同士の間の領域30よりも幅狭であって排泄部の幅に近い中央部20が排泄部に当接するように、かつ、排泄部の形状に対応して変形する。
続けて、図6(C)に示すように、生理用ナプキン1の幅方向X両側から更に力F、Fが加えられた場合、第2圧搾溝6、6を折れ起点として、領域30が厚さ方向Zにおける排泄部側に突出するように変形する。この場合、第1圧搾溝5、5と第2圧搾溝6、6とがそれぞれ折れ起点として機能することで、図6(C)に示すように、第1圧搾溝5、5と第2圧搾溝6、6との間の細長領域31、31が中央部20の下側に該中央部20を支持するように配置される。これにより、中央部20は、より排泄部に密着するように当接される。このように中央部20が排泄部に密着するように当接されることで、排泄部から排泄された経血は、好適に生理用ナプキン1に吸収される。
本実施形態によれば、吸収体4に吸収された経血を表面シート2が被覆するので、吸収体4に吸収された経血を外部から隠蔽することができる。これにより、経血の赤色が外部から視認されることによる不快感を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第2圧搾溝6、6より幅狭の中央部20を排泄部に当接するように変形させることができる。これにより、生理用ナプキン1における排泄部への密着性を向上させることができる。また、これにより、生理用ナプキン1は、排泄部から排泄される経血を好適に吸収することができる。
また、本実施形態によれば、第1圧搾溝5、5よりも幅方向X外側に形成される第2圧搾溝6、6が防漏溝として機能すると共に外部から視認可能であるので、使用者に対して広い範囲で経血を吸収可能であることを知らせることができる。これにより、使用者が感じる漏れ不安を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第2圧搾溝6、6における高密度積層部6a同士の間隔が広いので、生理用ナプキン1の長手方向Yにおける折れ曲がり剛性を低くすることができる。これにより、装着状態において、生理用ナプキン1を身体の形状に沿うように柔軟に変形させることができる。これにより、装着時におけるフィット性等が向上される。
以上、本形態の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。本実施形態において、第1圧搾溝5、5は、高密度部5aが間欠的に形成されてなるが、これに限定されず、高密度部5aが連続的に形成されていてもよい。
また、本実施形態において、第1圧搾溝5、5及び第2圧搾溝6、6それぞれは一対で形成されるが、これに限定されず、それぞれ3本以上形成されていてもよい。
また、本実施形態において、第2圧搾溝6、6における高密度積層部6aは、四角、円状、ハート形状等の任意の形状であってよい。
また、本実施形態において、第2圧搾溝6、6は、第1圧搾溝5、5に沿うように形成されると共に、防漏溝60全体として瓢箪状に形成されるが、これに限定されず、全体として、楕円状、両側が長手方向Yに波状を有する形状等の任意の形状であってもよい。
また、本実施形態において、第2圧搾溝6、6は、表面シート2及び吸収体4を窪ませて形成しているが、これに限定されず、表面シート2のみを窪ませて形成してもよい。
また、本実施形態において、第1圧搾溝5、5における高密度部5aは等間隔で形成されるが、これに限定されない。図7に示すように、高密度部5aは、第1間隔で複数形成された後、第1間隔よりも広い第2間隔をあけて形成されてもよい。つまり、高密度部5aは、規則的に第1間隔と第2間隔をあけて間欠的に形成されてもよい。この場合において、第1間隔の領域には中密度部5bが形成され、第2間隔の領域には中低密度部5cが形成される。この中低密度部5cは、隣接する領域よりも吸収体4を構成する材料の密度が高く、中密度部5bよりも吸収体4を構成する材料の密度が低い領域である。
生理用ナプキン1の平面図である。 生理用ナプキン1のX−X断面図である。 生理用ナプキン1を構成する吸収体の平面図である。 生理用ナプキン1の表面に排泄された経血の流れを説明する図である。 生理用ナプキン1の表面に過剰に排泄された経血の流れを説明する図である。 装着時における生理用ナプキン1の変形状態を説明する図である。 他の実施形態である生理用ナプキン1Aの平面図である。
符号の説明
1 生理用ナプキン
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 第1圧搾溝
5a 高密度部
5c 中密度部
6 第2圧搾溝
6a 高密度積層部
6b 中密度積層部
CL 中心線

Claims (3)

  1. 少なくとも一部が液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される液保持性の吸収体と、を備える縦長状の吸収性物品であって、
    前記吸収体に該吸収性物品の長手方向に延びるように形成されると共に、前記長手方向に間欠的に形成される高密度部を有する一対の高密度領域と、
    少なくとも前記表面シートに前記長手方向に延びるように形成される一対の溝領域と、を備え、
    前記高密度領域は、該吸収性物品を幅方向に等分する中心線を挟んで形成されると共に前記吸収体における前記表面シート側が窪んだ溝状に形成され、
    前記高密度部は、該溝状における底部に間欠的に形成され、
    前記溝領域は、前記幅方向において、前記高密度領域の外側に形成される吸収性物品。
  2. 前記溝領域それぞれは、前記表面シート及び前記吸収体が窪んで形成され、
    前記溝領域それぞれにおける底部には、前記表面シート及び前記吸収体が圧縮されてなる高密度積層部が間欠的に形成される請求項に記載の吸収性物品。
  3. 前記長手方向において、
    前記溝領域それぞれに形成される高密度積層部の間隔は、前記高密度領域それぞれに形成される高密度部の間隔よりも広い請求項に記載の吸収性物品。
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