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JP5123469B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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JP5123469B2
JP5123469B2 JP2005195690A JP2005195690A JP5123469B2 JP 5123469 B2 JP5123469 B2 JP 5123469B2 JP 2005195690 A JP2005195690 A JP 2005195690A JP 2005195690 A JP2005195690 A JP 2005195690A JP 5123469 B2 JP5123469 B2 JP 5123469B2
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Description

本発明は超音波流量計の改良に関する。
流体温度に影響されることなく基準温度における流速を求めることができ、ひいては流体の流量を正確に求めることができる超音波流速測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この測定方法では、超音波流速測定管を流れる計測流体の上流側と下流側にそれぞれ超音波振動子が配置され、前記各超音波振動子から相互に超音波を発生送信するとともに、送信された超音波を相互に受信し、
前記超音波の伝播時間の和に基づいて、伝播時間測定時の流体温度Tを導出するとともに、
前記超音波の伝播時間の差に基づいて、伝播時間測定時の流体温度Tにおける流速vを導出し、
前記流体温度Tと流速vを下式(1)に代入することによって、基準温度Tにおける流速vを求めている。
=(T×v)/T ・・・ (1)
:基準温度における流速
:基準温度(絶対温度)
v :伝播時間測定時の流体温度における流速
T :伝播時間測定時の流体温度(絶対温度)
また、流路内の流体に音波を送受信する送受信手段と、流体中の音波の伝播時間を計測する流量検出手段と、流量係数を定める流量係数設定手段と、前記流量係数と前記伝播時間とに基づいて流量を算出する流量演算手段と、流体の温度を計測する温度検出手段と、この計測された温度と伝播時間とに基づいて前記流量係数設定手段の流量係数を変更する係数補正手段とを備えた流量計側装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この流量計側装置では、流量係数設定手段で定める流量係数は、流体であるガスの種類毎に設定され、適用するガスの種類を選ぶガス種選択手段に基づいて、係数補正手段で変更される。
特開2000−221068号公報(2頁、図1) 特開2001−255186号公報(2頁、図1)
前記特許文献1の超音波流速測定方法では、被測定流体であるガスの種類に応じて超音波の速度を求める必要があり、ガスの種類毎に流体温度を算出する際の算出係数を切り替えて変更する必要があり、面倒であるという問題点があった。
また、流速変動があると、順方向と逆方向の伝播時間の測定タイミングでの流速が異なるため、導出した流体温度の誤差が大きくなるという問題点があった。
また、超音波振動子間の距離に個体差があると、導出した流体温度の誤差が大きくなるという問題点があった。
さらに、また、伝播時間の和に基づいて、流体温度を導出するため、導出した流体温度の誤差が大きくなるという問題点があった。
流体温度の誤差が大きくなると、当然のことながら、基準温度Tにおける流速vの誤差が大きくなってしまう。
前記特許文献2の流量計測装置では、流体の温度を検出する温度検出手段として専用の温度センサや、温度補正機能を有する電子回路を必要とするため、コスト高となるばかりでなく、電子回路基板の規模が大きくなり、電池の消費電流も増大するという問題点があった。
そこで、本発明は、これらの問題点を解消できる超音波流量計を提供することを目的とする。
本発明は、流れの上流側と下流側に超音波送受波器を配置して、超音波の順方向と逆方向の伝播時間の逆数差より流速、流量又は通過量を求める超音波流量計であって、順方向と逆方向の伝播時間の逆数和から流体温度を求め、別に定めた基準温度の状態に換算した流速、流量又は通過量を求めることを最も主要な特徴とする。通過量は流量に時間を乗じて算出したいわゆる積算流量である。
そこで、前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、流れの上流側と下流側に超音波送受波器を配置し、超音波が上流側から下流側へ伝播する順方向の伝播時間の逆数f と、超音波が下流側から上流側へ伝播する逆方向の伝播時間の逆数f 差より流速、流量又は通過量を求める超音波流量計であって、
順方向と逆方向の伝播時間の逆数和(f +f )と、超音波送受波器間の距離Lと、f +f =2C/Lより求まる音速Cから流体温度を求め、
前記流体温度と、前記流速、流量又は通過量を基にして、別に定めた基準温度における流速、流量又は通過量を演算し、
測定した前記逆数和と、伝播時間を測定する時の流体温度における理論逆数和から超音波送受波器間の距離を補正するセンサ間距離補正係数を外部から設定することを特徴とする超音波流量計である。
請求項記載の発明は、請求項1載の超音波流量計において、超音波を発信してから受信波を検知するまでの到達時間から、超音波送受波器の中を伝播する時間、及び、受信波の頭から第3波のゼロクロスまでの時間を有する遅れ時間を差し引いて伝播時間とすることを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1又は2載の超音波流量計において、予め設定した温度算出テーブルを用いて、伝播時間の逆数和から流体温度を求めることを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1又は2又は3記載の超音波流量計において、伝播時間の逆数和から音速を演算し、予め設定した音速値と比較して流体の種類を判別するとともに、該流体の温度を求めることを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項記載の超音波流量計において、流体の種類を判別するガス種判定値と温度算出テーブルのデータを外部から書き換えることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の超音波流量計において、1回の順方向の伝播時間測定と1回の逆方向の伝播時間測定からなる1回の測定毎に順方向と逆方向の測定順序を変え、かつ伝播時間の逆数和を平均化することを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の超音波流量計において、測定間隔をランダムにするとともに、かつ伝播時間の逆数和を平均化するように構成したことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の超音波流量計において、流速が零の状態から流れ出した場合には、前記平均化の対象データ数を減らすことを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の超音波流量計において、流体の流量が安定しているときだけ流体温度の算出を行なうことを特徴とするものである。
本発明の超音波流量計は、上述のように構成されていて、伝播時間の逆数和から対応する流体のガス種を識別するので、従来技術のように、被測定流体に応じて何らかの設定や切り替え操作で温度算出係数を変更するという面倒を要しない利点がある。
また、専用の温度センサや温度補正用の電子回路を要しないので、コストが低減できるばかりでなく、電子回路の規模が小さくてすみ、消費電力も減らせる。また、送受波器間距離の個体差を補正できる。
請求項の発明では、外部から書き換えることで、別の流体を測定することが可能となる。
請求項の発明では、単調な流量変化に対応して測定誤差を軽減できる。
請求項の発明では、周期的な流量変化に対して、測定誤差を軽減できる。
請求項の発明では、流体(ガス)の温度が変化することを想定し、温度測定の応答性を向上させることが可能である。
請求項の発明では、流量が安定しているときだけ流体温度の算出を行い、流量変化時の温度誤測定を防ぐことが出来る。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図の実施例に基づいて説明する。
図1において、流路1内を流れる被計測流体であるガスに、流体の上流側と下流側に配置した超音波送受波器2と3により超音波の送受信を行い、矢印Aに示す流れの順方向と、矢印Aと逆の逆方向との超音波の伝播時間を計測する。
順方向と逆方向の切り替えは、送受波器2と3の送信側(発信側)と受信側の役割を発受信切替部4で切替えて行なう。発信部5からの駆動信号により、順方向測定時には送受波器2から矢印Aの方向に超音波を発信し、送受波器3が超音波を受信し、受信信号を出力する。この受信信号を増幅部6で増幅する。比較部7は、増幅された受信信号波形のn番目(例えば1番目)の波高値とn+2番目の波高値との比率が規定値を超えたことを検知し、この規定値を満たしたn+2番目(例えば3番目)の波のゼロクロス点を検知する。この3番目のゼロクロス点を以下第3波のゼロクロス点と呼ぶ。
時間測定部8は、送信側の送受波器2の発信時点から受信信号の第3波のゼロクロス点までの到達時間を測定し、この到達時間から後述する遅れ時間を差し引いた伝播時間を伝播時間算出部9で算出する。(なお、シングアラウンド方式の場合(シングアラウンド測定の場合)は、時間測定部8はシングアラウンド回数目の受信波の第3波のゼロクロス点までの時間を測定する。)
伝播時間は順方向と逆方向の伝播時間があり、流量演算部10では、両伝播時間の逆数差から流量を算出する。また、温度演算部11では伝播時間の逆数和から温度を算出する。そして、温度補正流量演算部12では、流量と、温度と、基準温度から基準温度状態における流量を算出する。
到達時間と伝播時間を図2(a)(b)に基づいて以下に説明する。同図(a)に遅れ時間a、b、c、d、eと伝播時間及び到達時間の関係を、また、同図(b)に増幅後の受信波形を示す。
遅れ時間aは、発信から送受波器2のPZT素子までの切替回路4a内での遅れに相当する。
遅れ時間bは、送受波器2内の遅れに、また、遅れ時間cは、送受波器3内の遅れに相当する。そして、一般的にb=cの関係が成立する。
遅れ時間dは、切替回路4bと前記増幅部6の受信回路6a内での遅れに相当する。
また、遅れ時間eは、前記比較部7の受信波検知7aでの遅れに相当し、図2(b)の受信波形の検知したいポイントとしての受信波の先頭から検知可能なポイントとしての第3波のゼロクロス点までの遅れ時間eに相当する。
全遅れ時間は、a+b+c+d+eであるから、到達時間と伝播時間の関係は、次式であらわされる。
伝播時間 = 到達時間 ―(a+b+c+d+e)
伝播時間 = 到達時間 ― 全遅れ時間
なお、順方向測定時と逆方向測定時では、二つの送受波器の特性差や切替回路の特性差のために測定値に差が生じる。
これらの特性差を吸収して測定誤差を小さくするため、安定した温度下で、流量ゼロ時の到達時間を複数回測定し、この複数回の測定値の平均到達時間差を求める。
平均到達時間差 = 順方向の平均到達時間 ― 逆方向の平均到達時間
こうして算出した平均到達時間差を、順方向の到達時間から差し引いて順方向伝播時間を算出する。即ち、測定毎に算出する。
順方向伝播時間 = 順方向到達時間 − 全遅れ時間 − 平均到達時間差
逆方向伝播時間 = 逆方向到達時間 − 全遅れ時間
ところで、測定した到達時間は、順方向到達時間tと逆方向到達時間tになる。また、全遅れ時間は、順方向測定時と逆方向測定時ごとの全遅れ時間に前記順方向と逆方向での特性差による時間差(即ち前記平均到達時間差)を考慮した値となる。
順方向の全遅れ時間と平均到達時間差の和をτ、逆方向の全遅れ時間をτとすると、
順方向伝播時間 = t−τ ・・・ (1)
逆方向伝播時間 = t−τ ・・・ (2)
となる。
順方向伝播時間の逆数をf、逆方向伝播時間の逆数をfと表記すると、
=1/(t−τ) ・・・ (3)
=1/(t−τ) ・・・ (4)
順方向と逆方向の各伝播時間の逆数fとfは、流体の流速をV、流体中の超音波の音速をC、送受波器2と3の距離(間隔)をLとすると、
=(C+V)/L ・・・ (5)
=(C−V)/L ・・・ (6)
であるから、伝播時間の逆数差f−fは、(5)(6)式から、
−f=2V/L ・・・ (7)
となる。従って、次の(8)式で測定温度での流速Vを求めることが出来る。
V=(f−f)×L/2 ・・・ (8)
この流速Vは測定温度T[℃]における流速である。この流速Vに流路断面積を乗じて測定温度T[℃]における流量を算出する。さらに、流量に時間を乗じて通過量いわゆる積算流量を算出する。伝播時間t−τ、t−τから流速Vを算出し、更に流量や通過量を演算するのは図1の流量演算部10で実行する。
温度演算部11は、順方向と逆方向の伝播時間の逆数fとfの和f+fから流体温度を求める。
具体的には、ガス種に対応した逆数和と温度との関係を示すデータとし、例えば空気(AIR)の伝播時間の逆数和f+f[Hz]と温度[℃]の関係を示す図3のデータを温度演算部に記憶しておいて、f+fに対応する温度[℃]を図3のデータから読み取って流体温度T[℃]とする。
流量演算部10で求めた流量Vと、温度演算部で求めた流体温度T[℃]を基にして、シャルルの法則に則り、基準温度T[℃]における流量Vを温度補正流量算出部12で演算する。
=(273+T)・V/(273+T)・・・(9)
なお、伝播時間算出部9で算出した順方向と逆方向の各伝播時間の逆数fとfの和f+fは、
+f=2C/L ・・・ (10)
となり、音速Cと相関関係があるので前記図3のデータから、流体温度を読み取ることが出来るものである。
次に、伝播時間t−τ、t−τの逆数和に基づいて流体の温度を算出する実施例2の温度演算部の手順を図4のブロック図で説明する
順方向と逆方向の伝播時間t−τとt−τの逆数fとfは前記(5)(6)式で表わされるので、伝播時間t−τとt−τの逆数和は
+f=2C/L ・・・ (10)
となり、間隔Lは固定の既知の値であるため、逆数和f+fが音速Cに相関する値となる。
ところで、伝播時間の逆数の単位は[Hz]となる。従って、順方向と逆方向の伝播時間の逆数和を縦軸にとり、温度[℃]を横軸にとって両者の関係を示すと図5のように、流体(ガス)が13Aの場合とAIR(空気)の場合とLPGの場合との3本の線B、C、Dとなり、この関係を使って、逆数和f+fの値に基づいて、B、C、Dのどの線の範囲に逆数和があるかによって、ガス種が13A、AIR又はLPGのどれであるか判定できる。こうすることで、図5は、図4におけるガス種1判定値11cとガス種2判定値11dとガス種3判定値11eに相当し、これらの判定値に基づいて、図4のガス種判定部11bが機能する。つまり、図5で、縦軸の逆数和はf+fであるから、例えば逆数和演算部11aで算出した逆数和が8000[Hz]であれば、図5に基づいて、ガス種判定部11bが、流体のガス種をガス種1の13Aと判定する。
ガス種を判定するのに、図5の代りに、図6のような音速と温度の関係を用いることもできる。この場合は、前記(10)式を変形して
C=(f+f)L/2 ・・・ (11)
から、逆数和f+fに基づいて音速Cを求め、この音速Cが、図6の13A、AIR又はLPGのどの範囲にあるかによって、ガス種が13AかAIRかLPGかを判定する。
なお、都市ガスの13A、空気(AIR)、LPG(LPガス)では、音速Cや、逆数和は、図6や図5に示すように、流量計の使用温度範囲の−20℃〜60℃においては、線(曲線)が互いに重なることがないため、ガス種が何れであるか確実に判定できる。
その他のガス種であるとか、使用温度範囲が広いなど音速のカーブ(曲線)が図7のように互いに重なることがある場合は、重なる領域を脱したときに予め設定した音速Cのデータと比較することによりガス種を識別(判定)し、ガス種情報を切り替えて、誤判定を防ぐようにする。
次に実施例3について説明する。例えば図8のように、温度が0℃、20℃、40℃における3点の逆数和データ(温度ポイントデータ、 tp0、tp20、tp40)と、4つの温度算出係数データkm20、k0、kp20、kp40を温度算出テーブルに記憶しており、以下の式により温度を算出する。なお、全体のブロック図は図1、要部は図9に示す。
逆数和がtp20〜tp40の範囲内の場合について説明する。
T=(f+f−tp20)×kp20+20[℃]
但し、T[℃] :流体温度
:順方向伝播時間の逆数
:逆方向伝播時間の逆数
tp20[Hz] :20℃、空気(AIR)における逆数和
kp20[℃/Hz]:温度算出係数
なお、上記温度算出テーブルを[表1]と[表2]に示す。[表1]は温度ポイントデータで単位は[Hz]、[表2]は温度算出係数データで図7の折線の傾配に当り、単位は[℃/Hz]である。
Figure 0005123469
Figure 0005123469
この実施例3では、符号11hで示す温度算出テーブル1は、前記[表1]のガス種がAIRの欄のデータと、[表2]のガス種がAIRのデータを電子回路のメモリに記憶したテーブルで構成される。また、符号11iの温度算出テーブル2は同様に[表1]の13A欄のデータと[表2]の13A欄のデータとで、又、符合11jの温度算出テーブルは同様に[表1]のLPGの欄と[表2]のLPGの欄のデータとで構成される。そして、11h、11i、11jの各温度算出テーブル1、2、3のデータをテーブル選択部11gで選択して、演算部11fで温度T[℃]を算出する。
次に実施例4について説明する。なお、全体のブロック図は図1に、要部は図10に示す。この実施例4では、設定器13でガス種判定値11c〜11eと、温度算出テーブル1〜3(符号11h〜11j)の内容を外部から書き換えることができ、書き換える前とは違うガス種の測定を行なうようにすることができるものである。
一般に被測定流体のガス種によって、音速が異なるため、実施例4のガス種判定値や温度算出テーブルは、測定流体の種類毎に定める必要がある。これらの値を外部から設定器13によって設定可能とすることで、ガス種の誤判定、温度測定誤差の発生を容易に回避することができる。こうして、想定外の異なるガス種でも上記不具合を容易に避けられる。
次に実施例5について説明する。なお、この実施例の全体ブロック図は図1と同じで、その要部のブロック図を図11に示す。
この実施例5では、更に送受波器2と3、即ちセンサ距離補正部11kの補正係数を外部の設定器13Aで設定可能にしたものである。
例えば、送受波器間の距離、即ちセンサ間距離Lが100mmの場合、距離Lが個体間誤差で0.2mmずれた場合の測定誤差は空気約20℃においては、以下のように1℃の誤差となる。
空気20℃付近における逆数和の傾きは、音速カーブの図5からおよそ12Hz/℃である。
前述の(9)式より、L=100mmとL=100.2mmの逆数和は、空気23℃の音速345m/sとすると、次のようになる。
L=100mmの場合
+f=2C/L=2×345/0.1=6900[Hz]
L=100.2mmの場合
+f=2C/L=2×345/0.1002=6886[Hz]
で両者の差は、14[Hz]となり、約1℃の誤差に相当する。
従ってL=100.2mmの流量計に対しては、100.2/100のセンサ間距離補正係数をf+fの6886[Hz]に乗じることで、センサ間距離の個体差を補正して、正しい値のf+f=6900を求められるようになる。
センサ間距離補正係数の設定手順を以下に示す。
(1)温度一定の環境条件で、流量ゼロの状態の伝播時間を複数回測定し、順方向と
逆方向それぞれの平均伝播時間を算出する。
(2)順方向、逆方向それぞれの平均伝播時間の逆数をとり、順逆それぞれの逆数の平均値をとる。
(3)順逆各逆数の平均値の和を算出する。
(4)伝播時間を測定する時の流体温度における理論逆数和と、測定した各逆数和の平均値とから、センサ間距離補正係数を算出する。(センサ間距離補正係数=理論逆数和÷(各逆数の平均値の和))。なお、理論逆数和とは、伝搬時間測定時の流体温度における音速及びセンサ間距離の狙い値(設定値)から算出した伝搬時間の逆数和をいう。
(5)算出したセンサ間距離補正係数を流量計に設定し、記憶する。
量変動があると、図12に示すように、順方向の測定と逆方向の測定とで捉える流速が異なる値のVとVになる。即ち、n回目の順方向測定でV、逆方向測定でVとなる。n+1回目には、順方向測定値と逆方向測定値がV’とV’になる。従って、n回目の測定では、
=(C+V)/L ・・・ (5’)
=(C−V)/L ・・・ (6’)
+f=(2C+V−V)/L・・・(7’)
そこで、本実施例6では、伝播時間測定の順序を測定毎に変え、かつ、逆数和を平均化することで、測定誤差を低減することができる。式(7’)のV−Vが図13のn回目とn+1回目の測定の平均でほぼ零になるので測定誤差が低減する。
本実施例6の全体のブロック図を図14(a)に、その温度演算部の詳細を図14(b)に示す。同図(a)に示す測定順序制御部14と同図(b)に示す平均化部11mが他の実施例に比較して追加されている。測定順序測定部14は順方向と逆方向の測定順序を切り替える。
期的に変動する流量変化の場合には、測定間隔をランダムにすることで、前記式(7’)のV−Vが平均的にみて略零になるので、測定誤差を小さくできる。
図15は測定間隔をランダム化したときの説明図で、流速Vが周期的に正弦波状に変動している場合に測定間隔をランダムにすることで、測定誤差の平均値をほぼ零に近づけることを示す。
なお、流れが止まっていて流速が零の状態から流れ出した場合には平均化の対象データ数を減らすことによって、温度測定の応答性を上げることができる
図16のブロック図は実施例7と8の全体を示すブロック図で、流量変化判定部16を設け、流体が零の状態から流れ出した場合には平均化部11mで扱う平均化の対象データ数を減らす。また、測定間隔制御部17を設けて、実施例7で述べた測定間隔のランダム化等の制御を行なうものである。
図17のブロック図は実施例9の図で、流量変動判定部18を設けて、流量変動の有無を判定し、流量変動があるときは、温度の誤測定を防ぐため、流量が安定するまで温度算出をしないようにした
本発明の実施例1のブロック図。 本発明の実施例2における到達時間と伝播時間を設定する図で、(a)は両時間の対応関係を示す図、(b)は受信波形を示す図。 本発明の実施例における逆数和と流体温度の関係を示す図。 図1のブロック図の温度演算部11の詳細を示すブロック図。 本発明の実施例における流体温度と逆数和の関係を示す図。 本発明の実施例における流体温度と音速の関係を示す図。 本発明の実施例における流体温度と音速の関係を示す図。 本発明の実施例における逆数和と流体温度の関係を示す図。 本発明における温度演算部のブロック図。 本発明における温度演算部のブロック図。 本発明における温度演算部のブロック図。 本発明における測定毎の流速変化を説明する図。 本発明における測定毎の流速変化を説明する図。 本発明の実施例の全体のブロック図(a)と、温度演算部のブロック図(b)。 流速が正弦波状に変動するときの測定タイミングを説明する図。 本発明の実施例のブロック図。 本発明の実施例のブロック図。
符号の説明
1 流路
2、3 送受波器(センサ)
T 流体温度
基準温度
V、V 流速
8 時間測定部
9 伝播時間算出部
10 流量演算部
11 温度演算部
12 温度補正流量演算部
順方向到達時間
逆方向到達時間
順方向伝搬時間の逆数
逆方向伝搬時間の逆数
+f 逆数和
11 温度演算部
11a 逆数和演算部
11b ガス種判定部
11f 演算部
11g テーブル選択部
11h、11i、11j 温度算出テーブル
13、13A 設定器
11k センサ間距離補正部
14 測定順序制御部
11m 平均化部
17 測定間隔制御部
16 流量変化判定部
18 流量変動判定部

Claims (9)

  1. 流れの上流側と下流側に超音波送受波器を配置し、超音波が上流側から下流側へ伝播する順方向の伝播時間の逆数f と、超音波が下流側から上流側へ伝播する逆方向の伝播時間の逆数f 差より流速、流量又は通過量を求める超音波流量計であって、
    順方向と逆方向の伝播時間の逆数和(f +f )と、超音波送受波器間の距離Lと、f +f =2C/Lより求まる音速Cから流体温度を求め、
    前記流体温度と、前記流速、流量又は通過量を基にして、別に定めた基準温度における流速、流量又は通過量を演算し、
    測定した前記逆数和と、伝播時間を測定する時の流体温度における理論逆数和から超音波送受波器間の距離を補正するセンサ間距離補正係数を外部から設定することを特徴とする超音波流量計。
  2. 超音波を発信してから受信波を検知するまでの到達時間から、超音波送受波器の中を伝播する時間、及び、受信波の頭から第3波のゼロクロスまでの時間を有する遅れ時間を差し引いて伝播時間とすることを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  3. 予め記憶した温度算出テーブルを用いて、伝播時間の逆数和から流体温度をもとめることを特徴とする請求項1又は2記載の超音波流量計。
  4. 伝播時間の逆数和から音速を演算し、予め設定した音速値と比較して流体の種類を判別するとともに、該流体の温度を求めることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の超音波流量計。
  5. 流体の種類を判別するガス種判定値と温度算出テーブルのデータを外部から書き換えることを特徴とする請求項4記載の超音波流量計。
  6. 1回の順方向の伝播時間測定と1回の逆方向の伝播時間測定からなる1回の測定毎に順方向と逆方向の測定順序を変え、かつ伝播時間の逆数和を平均化することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の超音波流量計。
  7. 測定間隔をランダムにするとともに、かつ伝播時間の逆数和を平均化するように構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の超音波流量計。
  8. 流速が零の状態から流れ出した場合には、前記平均化の対象データ数を減らすことを特徴とする請求項6又は7の何れか1項に記載の超音波流量計。
  9. 流体の流量が安定しているときだけ流体温度の算出を行なうことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の超音波流量計。
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