JP5119212B2 - アンモニア濃度検出方法 - Google Patents
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Description
尿素添加SCRシステムは、排気管に設けられた選択還元型のNOx浄化触媒(SCR触媒)の上流側において、還元剤としての尿素を添加する。そして、NOx浄化触媒において、添加した尿素が分解して生じたアンモニアにより、NOxを選択的に還元して排ガスを浄化する。
ここで、被測定ガス(例えば、排ガス)中のアンモニア濃度を検出する方法としては、従来から様々な方法が提案されている。
また、特許文献2では、プロトン伝導体を用いて、基準となる参照電極と測定電極との間に発生する電位を測定する混成電位方式によってアンモニア濃度を検出する方法が開示されている。
上記被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分の発火点及び水素の発火点よりも高く、かつ、アンモニアの発火点よりも低い温度に保持された上記被測定ガス室に、上記被測定ガスを導入することにより、該被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分及び水素を燃焼させるガス燃焼工程と、
上記被測定ガス側電極と上記基準ガス側電極との間に電圧を印加し、上記プロトン伝導性固体電解質体を介して両電極間に流れる電流の大きさに基づいて、上記被測定ガス中のアンモニア濃度を検出する濃度検出工程とを有することを特徴とするアンモニア濃度検出方法にある(請求項1)。
この場合には、上記被測定ガス中のアンモニア濃度を選択的かつ直接的に精度良く検出することができるという本発明の効果をより一層発揮することができる。
この場合には、上記被測定ガス中のアンモニア濃度を選択的かつ直接的に精度良く検出することができるという本発明の効果をより一層発揮することができる。
この場合には、上記被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分及び水素を十分かつ確実に燃焼させ、上記被測定ガス中のアンモニア濃度をより一層精度良く検出することができる。
この場合には、上記被測定ガス中のアンモニア濃度をより一層精度良く検出することができる。
この場合には、上記ガス燃焼工程において、上記被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分及び水素を十分かつ確実に燃焼させることができる。これにより、上記被測定ガス中のアンモニア濃度の検出精度をより一層高めることができる。
この場合には、上記被測定ガス室内の温度調整を上記発熱体によって迅速かつ容易に行うことができる。これにより、上記ガス燃焼工程における上記被測定ガスの燃焼を良好に行うことができる。
この場合には、上記プロトン伝導性固体電解質体は、優れた耐熱性を有するものとなる。そのため、上記被測定ガス室内を高温とする本発明のアンモニア濃度検出方法において、特に有効である。
すなわち、ディーゼルエンジンの排ガス中には、酸素が十分に存在する。そのため、上記ガス燃焼工程における上記被測定ガスの燃焼を良好に行うことができる。
本発明の実施例にかかるアンモニア濃度検出方法について、図を用いて説明する。
本例のアンモニア濃度検出方法は、図1、図2に示すガスセンサ素子1を用いて行う。ガスセンサ素子1は、プロトン伝導性固体電解質体13と、プロトン伝導性固体電解質体13の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極14及び基準ガス側電極15と、被測定ガス側電極14に面して被測定ガスGを導入する被測定ガス室140と、基準ガス側電極15に面して基準ガスを導入する基準ガス室150とを備えている。
以下、このガスセンサ素子1について詳説する。
また、被測定ガス室形成層12におけるプロトン伝導性固体電解質体13とは反対側の面には、電気的絶縁性を有し、かつ緻密でガスを透過させないアルミナセラミックスよりなる遮蔽層11が積層されている。
本例のアンモニア濃度検出方法は、以下のガス燃焼工程と濃度検出工程とを有する。
ガス燃焼工程では、被測定ガスG中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分の発火点及び水素の発火点よりも高く、かつ、アンモニアの発火点よりも低い温度に保持された被測定ガス室140に、被測定ガスGを導入することにより、被測定ガスG中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分及び水素を燃焼させる。
濃度検出工程では、被測定ガス側電極14と基準ガス側電極15との間に電圧を印加し、プロトン伝導性固体電解質体13を介して両電極14、15間に流れる電流の大きさに基づいて、被測定ガスG中のアンモニア濃度を検出する。
以下、これを詳説する。
このとき、両電極14、15間に流れる電流の大きさは、被測定ガスG中のアンモニア濃度に依存する。よって、この電流の大きさを測定し、被測定ガスG中のアンモニア濃度を検出する。
また、本例のアンモニア濃度検出方法は、被測定ガスGである排ガス中のアンモニア濃度を精度良く検出することができる。そのため、このアンモニア濃度検出方法をディーゼルエンジンの排ガス中のNOx(窒素酸化物)を浄化する尿素添加SCRシステムに適用することが特に有効である。
本例は、本発明のアンモニア濃度検出方法の有効性を確認するための試験を行ったものである。
本例では、まず、図3に示すごとく、対象となるガスのうちの1種を含む被測定ガスについて、その被測定ガス中の酸素濃度と限界電流値との関係から各ガスの燃焼状態を確認した。
対象となるガスは、アンモニア(NH3、発火点:約651℃)、水素(H2、発火点:約500℃)、アンモニア以外の水素含有ガス成分である炭化水素のうちのエチレン(C2H4、発火点:約450℃)である。
なお、被測定ガスGに含まれる各ガス(アンモニア(NH3)、水素(H2)、エチレン(C2H4))の濃度は、図3に示すとおりである。
同図に示すごとく、水素(H2)及びエチレン(C2H4)は、酸素濃度が高くなればなるほど限界電流値が低くなっている、つまり濃度が低くなっている。これは、水素(H2)及びエチレン(C2H4)が燃焼していることを示している。
なお、酸素濃度が0ppmの場合の限界電流値は、酸素濃度が750ppm以上の領域の限界電流値に比べて少し高くなっているが、これは電極として用いている白金(Pt)の触媒作用が影響しているものと考えられる。つまり、酸素が存在する雰囲気においては、電極付近に存在する測定温度(600℃)より発火点(約651℃)が高いアンモニアが、上記の電極の触媒作用により酸化され、アンモニア濃度が低下するが、酸素濃度0ppmの雰囲気下においては、このようなことがないため、上記の現象が生じているものと考えられる。
具体的には、各種被測定ガスGを所定温度(600℃)に保持した被測定ガス室140に導入し、その限界電流値を測定した。そして、測定した限界電流値を比較することによって、アンモニア濃度の検出精度を確認した。
なお、各種被測定ガスG(試料A1〜A3、試料B1〜B3)に含まれるガス種及びその濃度は、図4、図5に示すとおりである。
図4に示すごとく、試料A1と試料A2とを比較すると、試料A2の限界電流値が試料A1に比べて低くなっている。これは、試料A2に含まれている酸素(O2)によって、被測定ガスG中の水素(H2)が燃焼していることを示している。
そして、試料A2と試料A3とを比較すると、限界電流値がほぼ同じ値となっている。ここで、試料A3は、水素(H2)が含まれていない被測定ガスG中のアンモニア(NH3)の濃度を測定したものである。したがって、試料A2は、被測定ガスG中の水素(H2)がほぼすべて燃焼しており、その燃焼後の被測定ガスG中から燃焼せずに残ったアンモニア(NH3)の濃度が精度良く検出されていることを示している。
そして、試料B2と試料B3とを比較すると、限界電流値がほぼ同じ値となっている。ここで、試料B3は、水素含有ガス成分であるエチレン(C2H4)が含まれていない被測定ガスG中のアンモニア(NH3)の濃度を測定したものである。したがって、試料B2は、被測定ガスG中のエチレン(C2H4)がほぼすべて燃焼しており、その燃焼後の被測定ガスG中から燃焼せずに残ったアンモニア(NH3)の濃度が精度良く検出されていることを示している。
具体的には、各種被測定ガスGを所定温度(600℃)に保持した被測定ガス室140に導入し、その限界電流値を測定した。そして、測定した限界電流値を比較することによって、アンモニア濃度の検出精度を確認した。
なお、各種被測定ガスG(試料C1〜C3)に含まれるガス種及びその濃度は、図6に示すとおりである。アンモニア(NH3)の濃度は、300ppm、500ppm、700ppm、1000ppmとした。
同図に示すごとく、試料C1〜C3を比較すると、被測定ガスG中のアンモニア(NH3)の濃度が変化しても、それぞれ測定される限界電流値がほぼ同じ値となっている。ここで、試料C1は、水素含有ガス成分であるエチレン(C2H4)及び水素(H2)が含まれていない被測定ガスG中のアンモニア(NH3)の濃度を測定したものである。したがって、試料C2、C3は、それぞれに含まれている酸素(O2)によって、被測定ガスG中の水素(H2)又はエチレン(C2H4)がほぼすべて燃焼しており、その燃焼後の被測定ガスG中から燃焼せずに残ったアンモニア(NH3)の濃度が精度良く検出されていることを示している。
また、限界電流値とアンモニア(NH3)濃度との関係がリニアである(比例している)。そのため、限界電流値を測定することにより、アンモニア(NH3)の濃度を精度良く検出できる。
また、プロトン伝導性固体電解質体を用いてアンモニア(NH3)に依存して流れる電流の大きさ(限界電流値)を測定することによって、被測定ガスG中のアンモニア(NH3)の濃度を直接的に精度良く検出できることがわかった。
13 プロトン伝導性固体電解質体
14 被測定ガス側電極
140 被測定ガス室
15 基準ガス側電極
150 基準ガス室
G 被測定ガス
Claims (5)
- プロトン伝導性固体電解質体と、該プロトン伝導性固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けられた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極に面して被測定ガスを導入する被測定ガス室と、上記基準ガス側電極に面して基準ガスを導入する基準ガス室とを備えたガスセンサ素子を用いて、上記被測定ガス中のアンモニア濃度を検出する方法であって、
上記被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分の発火点及び水素の発火点よりも高く、かつ、アンモニアの発火点よりも低い温度に保持された上記被測定ガス室に、上記被測定ガスを導入することにより、該被測定ガス中におけるアンモニア以外の水素含有ガス成分及び水素を燃焼させるガス燃焼工程と、
上記被測定ガス側電極と上記基準ガス側電極との間に電圧を印加し、上記プロトン伝導性固体電解質体を介して両電極間に流れる電流の大きさに基づいて、上記被測定ガス中のアンモニア濃度を検出する濃度検出工程とを有することを特徴とするアンモニア濃度検出方法。 - 請求項1において、上記被測定ガス室内の温度は、600℃以上に保持しておくことを特徴とするアンモニア濃度検出方法。
- 請求項1又は2において、上記被測定ガス室内の温度は、上記ガスセンサ素子に備えられた通電により発熱する発熱体により調整することを特徴とするアンモニア濃度の検出方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記プロトン伝導性固体電解質体は、SrZrO3、SrCeO3、SrTiO3及びCaZrO3のいずれか一種以上を基本構造とする材料からなることを特徴とするアンモニア濃度検出方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記被測定ガスは、ディーゼルエンジンの排ガスであることを特徴とするアンモニア濃度検出方法。
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