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JP5111768B2 - ステアリングホイールの芯金構造 - Google Patents

ステアリングホイールの芯金構造 Download PDF

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JP5111768B2 JP2006032907A JP2006032907A JP5111768B2 JP 5111768 B2 JP5111768 B2 JP 5111768B2 JP 2006032907 A JP2006032907 A JP 2006032907A JP 2006032907 A JP2006032907 A JP 2006032907A JP 5111768 B2 JP5111768 B2 JP 5111768B2
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本発明は、ステアリングホイールの芯金構造に関するものである。
車両のステアリングホイールは、強度部材である金属製の芯金を、表裏カバー又はパッド材により被覆した構造をしている。芯金は、垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両側端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端が前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有する構造をしている。
分岐アーム部は内側端から乗員側へ向けて互いに接近する形状を有し、内側端が最も左右両側に位置した状態で、ボス部の表面に結合されている。また、分岐アーム部には、その途中位置にコラムシャフトの方向性での段差が形成されている。
そして、車両衝突時に乗員腹部がリム部の乗員側端部に当たり、リム部の乗員側端部に対して衝撃が加わった際に、分岐アーム部が途中の段差部からコラムシャフトの方向性(面外方向)で変形し、衝撃を吸収して乗員を保護するようになっている。
リム部の垂直に対する角度は車種、或いは、コラムシャフトのチルト角度の調整等により変化する。従って、リム部に加わる衝撃の角度も変化する。リム部の対垂直角度が小さい場合(リム部を垂直に近づく方向へ傾けた場合)は、水平方向で加わる衝撃は、縦スポーク部を介して分岐アーム部に伝達され、該分岐アーム部を面外方向へ曲げるように作用する要素が大きい。リム部の対垂直角度が大きい場合(リム部を水平に近づく方向へ傾けた場合)は、水平方向で加わる衝撃は、縦スポーク部を介して分岐アーム部に伝達され、該分岐アーム部を面内方向で圧縮するように作用する要素が大きい。
前述のように、分岐アーム部の途中に段差部を形成する構造では、リム部の対垂直角度が大きい場合に、衝撃が分岐アーム部の面内方向で圧縮するように加わっても突っ張らず、段差部を起点として確実に面外方向でZ状に座屈変形する点において有利である。分岐アーム部が乗員側へ向けて互いに接近する形状を有しているため、縦スポーク部からの衝撃は一対の分岐アーム部の中央に集中するように作用し、必ず段差部から座屈変形するようになる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−277983号
しかしながら、このような従来の技術にあっては、分岐アーム部に段差部を形成し、リム部の対垂直角度を大きくした状態での車両衝突時に、その段差部から分岐アーム部を面外方向でZ状に座屈変形させて衝撃を吸収するようにした構造のため、Z状に座屈変形して面外方向へ突出した部分が、周辺構造(エアバッグモジュールやコラムカバー)と干渉するおそれがる。分岐アーム部が周辺構造と干渉すると、リム部の乗員側部位が十分に変形せず、乗員腹部に対するダメージを緩和する効果が低下することになる。そのため、従来は、乗員保護のため、ステアリングホイール全体を傾けるような他の構造対策も付加する必要があり、構造の複雑化及びコストの増大を招くおそれがある。
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、リム部の対垂直角度を大きくした状態での車両衝突時に、分岐アーム部が面外方向へ座屈変形しないステアリングホイールの芯金構造を提供するものである。
請求項1記載の発明は、垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端に前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有するステアリングホイールの芯金構造であって、前記分岐アーム部が、衝撃が作用した時に、面内方向で圧縮するように内側端を中心に回転して平坦な板形状で且つ内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしていて、車両衝突時に面外方向へ座屈しないことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端に前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有するステアリングホイールの芯金構造であって、前記分岐アーム部の内側端の近くに脆弱部が形成されていると共に分岐アーム部が、平坦な板形状で且つ内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしていて、車両衝突時に面外方向へ座屈しないことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、分岐アーム部が平坦な板形状のため、面外方向への座屈の起点となる段差部が存在しない。また、分岐アーム部は内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしている。従って、リム部の対垂直角度が大きくて、衝撃が分岐アーム部を面内方向で圧縮するように作用しても、分岐アーム部は内側端を中心に回転して、左右両側へ広がりながら、ボス部の表面上を反乗員側へ向けて変形するだけで、面外方向へは座屈せず、周辺構造と干渉しない。分岐アーム部が、周辺構造と干渉せず、反乗員側へ向けて確実に面内方向で変形することにより、衝撃を吸収することができる。
請求項2記載の発明によれば、分岐アーム部が、平坦な板形状のため、面外方向への座屈の起点となる段差部が存在しない。また、分岐アーム部は内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしている。従って、リム部の対垂直角度が大きくて、衝撃が分岐アーム部を面内方向で圧縮するように作用しても、分岐アーム部は内側端を中心に回転して、左右両側へ広がりながら、ボス部の表面上を反乗員側へ向けて変形するだけで、面外方向へは座屈せず、周辺構造と干渉しない。分岐アーム部が、周辺構造と干渉せず、反乗員側へ向けて確実に面内方向で変形することにより、衝撃を吸収することができる。また、分岐アーム部の内側端の近くに脆弱部が形成されているため、分岐アーム部が、
内側端を中心に回転しやすい。
本発明は、リム部の対垂直角度を大きくした状態での車両衝突時に、分岐アーム部が面外方向へ座屈変形しないステアリングホイールの芯金構造を提供するという目的を、垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端に前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有するステアリングホイールの芯金構造であって、前記分岐アーム部が、衝撃が作用した時に、面内方向で圧縮するように内側端8aを中心に回転して平坦な板形状で且つ内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしていて、車両衝突時に面外方向へ座屈しないことで、実現した。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図8は、本発明の一実施例を示す図である。以下の説明では、ステアリングホイールが操舵基準位置(直進操舵状態)として説明する。車両のステアリングホイールは、強度部材である金属製の芯金1を、図示せぬ表裏カバー又はパッド材により被覆した構造をしている。芯金1は、図示せぬインストルメントパネルから所定角度の斜め方向で車室内側に延びるコラムシャフト2の上端に取付けられる。コラムシャフト2はコラムカバー3により覆われている。
芯金1は、ボス部4、リム部6、横スポーク部7、縦スポーク部8とから形成されている。ボス部4はコラムシャフト2の上端に固定され、コラムシャフト2と一体的に回転する。ボス部4の上部には、図示せぬブラケットにより、ボス部4を覆う状態でエアバッグモジュール10が支持されている。
リム部6はリング状で、運転者が手でつかんで回転操作するところであり、コラムシャフト2の方向でボス部4よりも上方に位置している。このリム部6は、コラムシャフト2のチルト角度に応じて、垂直に対する角度θが大きく設定されている(約60度)。
コラムシャフト2の方向性で位置が異なるボス部4とリム部6とを連結するのが、横スポーク部7と縦スポーク部8である。横スポーク部7は2本あり、それぞれ内側端7aがボス部4に結合され、左右両側に向けて立ち上がりながら、外側端7bがリム部6の左右両側端部に結合されている。
縦スポーク部8は、その内側が左右一対の分岐アーム部5にて形成されている。分岐アーム部5との境界部には、縦スポーク部8を覆う表裏カバー又はパッド材(図示せず)の端末部内に位置するフランジ9が形成されている。縦スポーク部8は乗員側に向けて立ち上がりながら、その外側端8bがリム部6の乗員側端部に結合されている。
分岐アーム部5は平坦な板形状で、その先端である内側端8aは、ボス部4の表面に結合されている。ボス部4の表面と分岐アーム部5との間には僅かな隙間S(図5参照)が設けられている。分岐アーム部5は、内側端8aから左右両側に張り出した湾曲形状している。分岐アーム部5の内側端8aの近くには、反乗員側に「脆弱部」としての切欠部11がそれぞれ形成されている。
この実施例のように、リム部6の対垂直角度θを大きく(約60度)した状態で車両の衝突が起こると、乗員腹部がリム部6の乗員側端部に対して水平に当たり、その衝撃Fが縦スポーク部8を介して分岐アーム部5を面内方向で圧縮するように作用し、従来ならばZ状に座屈して周辺構造(エアバッグモジュール10やコラムカバー3)と干渉するところであるが、この実施例では前述のように、分岐アーム部5が、平坦な板形状のため、面外方向への座屈の起点となる段差部が存在しない。また、分岐アーム部5は内側端8aから左右両側に張り出した湾曲形状をしている。
従って、衝撃Fが分岐アーム部5を面内方向で圧縮するように作用しても、図3,図6に示すように、分岐アーム部5は内側端8aを中心に回転して、左右両側へ広がりながら、ボス部4の表面上を反乗員側へ向けて変形するだけで、面外方向へは座屈せず、周辺構造と干渉しない。特に、分岐アーム部5が内側端8aを中心に回転する際、分岐アーム部5の内側端8aの近くに切欠部11が形成されているため、回転しやすい。このように分岐アーム部5が、周辺構造と干渉せず、反乗員側へ向けて確実に面内方向で変形することにより、衝撃Fを吸収して、乗員に対するダメージを緩和することができる。
以上の各実施例では、ボス部4から左右両側へ真っ直ぐ延びる横スポーク部7を例にしたが、乗員側又は反乗員側に傾いた角度をもっていても良い。また、横スポーク部7も左右に2本づつあっても良い。また、脆弱部として切欠部11を例にして説明したが、これに限定せず、薄肉部であっても良い。
本発明の一実施例に係るステアリングホイールの芯金構造を示す斜視図。 芯金構造をコラムシャフトの方向性で上から見た図。 衝撃を受けてリム部が変形した状態を示す図2相当の図。 図1のボス部及び分岐アーム部を示す斜視図。 図4の内側端を中心に図3で示す変形時に回転する分岐アーム部の先端を示す拡大斜視説明図。 図3で示す変形時に内側端を中心に回転する分岐アーム部を示す平面図。 図1の芯金構造を示す側面図。 図3の芯金構造の衝撃による変形状態を示す側面図。
符号の説明
1 芯金
2 コラムシャフト
3 コラムカバー(周辺構造)
4 ボス部
5 分岐アーム部
6 リム部
7 横スポーク部
7a 横スポーク部の内側端
7b 横スポーク部の外側端
8 縦スポーク部
8a 分岐アーム部の内側端
8b 縦スポーク部の外側端
10 エアバッグモジュール(周辺構造)
11 切欠部
θ リム部の対水垂直角度
F 衝撃
S 隙間

Claims (2)

  1. 垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端に前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有するステアリングホイールの芯金構造であって、
    前記分岐アーム部が、衝撃が作用した時に、面内方向で圧縮するように内側端8aを中心に回転して平坦な板形状で且つ内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしていて、車両衝突時に面外方向へ座屈しないことを特徴とするステアリングホイールの芯金構造。
  2. 垂直に対して所定の角度を有して配設されてなるコラムシャフトの上端に取付けられるボス部と、該ボス部よりもコラムシャフトの方向で上側に位置すると共に該コラムシャフトに面直なリング状のリム部と、外側端が該リム部の左右両端部付近に結合され且つ内側端が前記ボス部に結合される一対の横スポーク部と、外側端に前記リム部の乗員側端部付近に結合され且つ内側に形成された左右一対の分岐アーム部の内側端がボス部の表面に結合される縦スポーク部と、を有するステアリングホイールの芯金構造であって、
    前記分岐アーム部の内側端の近くに脆弱部が形成されていると共に分岐アーム部が、平坦な板形状で且つ内側端から左右両側に張り出した湾曲形状をしていて、車両衝突時に面外方向へ座屈しないことを特徴とするステアリングホイールの芯金構造。
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