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JP5111288B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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本発明は、例えば電磁誘導加熱調理器に係わり、脱臭・排煙装置を備えたグリルを有する加熱調理器に関するものである。
従来の電磁誘導加熱調理器においては、ロースタ部使用時に、ロースタ内部の煙を外へ排出するために排気ダクトが設けられている。この排気ダクトは、脱臭・排煙性能を向上させるために風路上にシロッコファンなどを設けて強制的に排気を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−208359号公報(第4頁、図1−図5)
前述した従来の電磁誘導加熱調理器では、シロッコファンを風路上に設けているため高温となり、耐熱性を確保するためにシロッコファンをステンレスなどの金属製にする必要があった。また、金属製のファンを回転させるために、トルクの強いくまとりモータが用いられることがある。そのため、必然的に構造も複雑になり、コストも大幅に高くなるという課題がある。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、風路上にファンを設けなくとも効率よく排煙が行え、構造の簡素化、低コスト化を図ることのできる加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明に係る加熱調理器は、調理器本体の筐体内に収納されたグリルと、グリルと連通し、グリルにより加熱された被加熱物からの煙を外部に排出するための排煙ダクトと、内部に送風ファンを有し、送風ファンの回転により筐体に設けられた貫通穴から空気を吸引して排煙ダクト内に送り込んで外部に排出し、その空気の流れによりグリル内の煙を誘引して外部に排出させる煙誘引装置とを備え、煙誘引装置は、ほぼS字状の風路が形成され、その風路の入口が前記貫通穴と接合され、風路の出口がスペーサを介して排煙ダクトの下面に通風可能に接合され、風路内に送風ファンが設けられたケースを有し、排煙ダクトの下面およびスペーサに、送風ファンの回転方向に沿って一方の辺が他方の辺に斜めに接近する三角形状の通風口がそれぞれ設けられている。
本発明によれば、煙誘引装置の送風ファンの回転により、筐体に設けられた貫通穴から空気を吸引して排煙ダクト内に送り込んで外部に排出し、その空気の流れによりグリル内の煙を誘引して外部に排出させるようにしたので、送風ファンの耐熱性が不要になり、そのため、金属製のファンではなく一般に市販されている樹脂製の送風ファンの使用が可能になり、構造の簡略化、低コストを図ることができる。
図1は本発明の実施の形態に係る加熱調理器を側面から見て示す断面図、図2は実施の形態に係る加熱調理器の脱臭・排煙装置の排煙ダクトを示す斜視図、図3は脱臭・排煙装置の煙誘引装置を示す断面図および上面図である。
実施の形態の加熱調理器は、図1に示すように、調理器本体の筐体1の上部に耐熱強化ガラスより形成された天板2が取り付けられている。この天板2には、鍋やフライパンなどの載置位置を示す例えば3口の加熱部が配置されている。各加熱部は、筐体1に収納された2個の誘導加熱コイル4a、その誘導加熱コイル4aより径の小さい誘導加熱コイル4b又はラジエントヒータと対向している。天板2の前端側には、グリル5や加熱部の操作、動作状態などを表示するための上面操作・表示部が配置され、後端側には、排気口3が設けられている。また、筐体1の前面側には、筐体1に収納されたグリル5の扉6が開閉可能に設けられ、この扉6に隣接して前面操作・表示部が配置されている。この前面操作・表示部には、本調理器の電源スイッチ、各加熱部の火力調節用のダイヤルなどが配置されている。
前述のグリル5は、前面開口の金属製の筐体により構成された加熱室7を有している。この加熱室7の上部には上ヒータ8aが配置され、下部には下ヒータ8bが配置されている。また、グリル5の背面には、被加熱物である魚などの調理中に発生する煙や臭いなどを除去する脱臭・排煙装置10が設けられている。この脱臭・排煙装置10は、一端である吸込口11a側がグリル5の筐体の背面に接合され、排出口11b側が前述の排気口3に連結された排煙ダクト11と、排煙ダクト11内に配置された触媒ヒータ(例えばシーズヒータ)および脱臭触媒(例えばパラジウム触媒)と、排煙ダクト11の下面の下側に設置された煙誘引装置12とを備えている。
排煙ダクト11は、図2に示すように、立体形状がほぼL字状に形成され、板金によって構成されている。その下面11cは、吸込口11aの中心軸方向に水平に延びて上方に鈍角を有して折れ曲がっており、上面11dは、同一中心軸方向に延びるに従って上方に傾斜し、さらに、排出口11bが吸込口11aより小さくなるように下面11cと同様に上方に鈍角を有して折れ曲がっている。また、排煙ダクト11の排出口11b側の下面11cには、三角形状の通風口11eが設けられている。
煙誘引装置12は、図3に示すように、例えば、樹脂材により一体に成形され、内部にほぼS字状の風路(矢印で示す)が形成されたケース12aと、このケース12aの風路内のほぼ中央に防振部材(図示せず)を介在して嵌合された軸流ファン13(送風ファン)と、板金よりなるスペーサ12dとを備えている。ケース12aの風路の入口は四辺形に形成され(以下、「空気吸引口12b」という)、ケース12aの風路の出口は、前記と同様に四辺形に形成されている(以下、「開口部12c」という)。このケース12aは、空気吸引口12b側の両側壁の外側に設けられた取付部12kによって筐体1の底部に固定されている。この場合、ケース12aの空気吸引口12bの中心と筐体1の底部に設けられた貫通穴9の中心とがほぼ同じ軸上にある。前述の軸流ファン13は、一般に市販されているファンモータで、DCモータが使用されている。
また、ケース12aの開口部12c側の下方の底部には、ケース12aの幅方向に延びてなる板状の水流出防壁部12fおよび溝部12iが設けられ、その溝部12iには、水抜き用穴12jが設けられている。さらに、ケース12aの開口部12c側の両側壁には、内側から外方に凹んで形成された凸状リブ12gが設けられている。この凸状リブ12gのグリル5側の面には、それぞれ空気誘引穴12hが設けられている。この空気誘引穴12hは、加熱調理器の使用時に誘導加熱コイル4a、4bやグリル5、回路基板から発生する熱で温められた筐体1内の空気を吸い込むための穴である。
また、ケース12aの開口部12c側の両側壁には、その開口部12cを覆うスペーサ12dを支持する支持片部12mが設けられている。スペーサ12dには、排煙ダクト11の下面11cに設けられた通風口11eと同じサイズの三角形状の通風口12eが設けられている。スペーサ12dに排煙ダクト11を載せて所定位置に設置した場合、双方の通風口11e、12eが対向する。図3(b)において、通風口11e、12eの形状が手前から奧に行くに従って一方の辺が他方の辺に斜めに接近して小さくなっているのは、軸流ファン13の回転方向(グリル5側から見て反時計方向)によるものである。即ち、その方向に回転する軸流ファンからの風量をバラツキなく効率よく通過させるためである。なお、排煙ダクト11は、スペーサ12d上に接着剤で固定されている。
加熱調理器の使用時に鍋から吹き溢れたお湯などや、何らかの原因で多量の水が排気口3に流れ込んだ場合、排煙ダクト11から通風口11e、12eを介してケース12内に流入するが、ケース12内に設けられた水抜き用穴12jにより筐体1内に排水され、ケース12内の水流出防壁部12fによって軸流ファン13への流出が防止される。なお、筐体1内に流れた水は、筐体1の底部に設けられた貯留用の凹みに流れ込み自然乾燥する。
次に、前記のように構成された加熱調理器において、グリル内の煙を外部に排出させるときの動作について説明する。
グリル5使用時に、例えば脱臭・排煙装置10の触媒ヒータによって脱臭触媒が所定の高温になると、煙誘引装置12の軸流ファン13が回転する。この軸流ファン13の回転により、空気が筐体1の貫通穴9およびケース12下部の空気吸引口12bから流入し、ケース12内の風路内に流れ込む。その風路に導かれた空気は、ケース12上部のスペーサ12dに設けられた三角形状の通風口12eおよび排煙ダクト11の下面に設けられた三角形状の通風口11eを抜けて排煙ダクト11内に流入し、上方の排気口3から排出される。
この時、ケース12の風路内を流れる空気により、加熱調理器の筐体1内の温かい空気が、ケース12の凸状リブ12gにそれぞれ設けられた空気誘引穴12fに流入し、風路内を流れる空気と共に、三角形状の通風口12e、11eを通って上方の排気口3から排出される。また、排煙ダクト11内に流入して排気口3側に流れる空気により、排煙ダクト11内の脱臭触媒側の空気が誘引されて排気口3側に流れ、さらに、この空気の流れによりグリル内の煙が誘引され、脱臭触媒を介して排煙ダクト11内に流入する。そして、前記と同様に上方の排気口3から排出される。
以上のように実施の形態によれば、排煙ダクト11の下側に軸流ファン13内蔵の煙誘引装置12を設置して、そのファン13により空気を排煙ダクト11内に送り込んで加熱室7内の煙を誘引し排気口3から排出させるようにしたので、耐熱性の不要な軸流ファン13を使用でき、そのため、金属製のファンではなく市販されている安価な軸流ファン13を用いることが可能になり、低コスト化を図ることができる。
また、軸流ファン13の回転方向に沿って、ケース12a上部のスペーサ12dの通風口12eと排煙ダクト11の下面に設けた通風口11eを三角形状にしたので、軸流ファン13の回転による風量をバラツキなく効率よく各通風口11e、12eを通過させることができ、そのため、グリル5内の煙を容易に誘引することができる。
さらに、煙誘引装置12のケース12aを樹脂材で一体成形しているので、気密性が向上し、部品点数を抑えることができ、そのため、部品点数の削減による構造の簡素化が可能になっている。
また、ケース12aの底部に水抜き用穴12jと水流出防壁部12fを設けているので、水の流入による軸流ファン13の浸水を防止できる。
また、軸流ファン13をケース12aの風路内のほぼ中央に防振部材を介在して嵌合させているので、軸流ファン13の回転時に発生する振動を抑制することができる。
また、ケース12aの風路の出口側の両側壁に、軸流ファン13の回転による風路内を流れる空気により筐体1内の空気を誘引する空気誘引穴12hを設けているので、加熱調理器内を冷却することが可能になる。
さらに、板金により構成された排煙ダクト11の下面と樹脂材のケース12aとの間に、板金で形成されたスペーサ12dを介在させているので、排煙ダクト11からのケース12aへの熱伝導を抑制することが可能になる。
また、排煙ダクト11の曲がり角度を鈍角としているので、排煙ダクト11内を流れる空気による煙の誘引性が向上し、この場合、調理器本体の筐体1の背面から離れた状態となり、そのため、排煙ダクト11からの放熱による筐体1の温度上昇を抑えることが可能になっている。
なお、実施の形態では、排煙ダクト11の下面11cに設けられた通風口11eおよびスペーサ12dに設けられた通風口12eの形状が三角形になっていることを述べたが、これに限定されるものではなく、例えば長方形状の穴でもよいし、複数個の丸穴でもよい。
本発明の実施の形態に係る加熱調理器を側面から見て示す断面図である。 実施の形態に係る加熱調理器の脱臭・排煙装置の排煙ダクトを示す斜視図である。 脱臭・排煙装置の煙誘引装置を示す断面図および上面図である。
符号の説明
1 調理器本体の筐体、2 天板、3 排気口、5 グリル、6 扉、7 加熱室、
8a 上ヒータ、8b 下ヒータ、10 脱臭・排煙装置、11 排煙ダクト、
11a 吸込口、11b 排出口、11c 下面、11d 上面、11e 通風口、
12 煙誘引装置、12a ケース、12b 空気吸引口、12c 開口部、12d スペーサ、12e 通風口、12f 水流出防壁部、12g 凸状リブ、12h 空気誘引口、12i 溝、12j 水抜き用穴、12k 取付部、12m 支持片部、13 軸流ファン。

Claims (6)

  1. 調理器本体の筐体内に収納されたグリルと、
    該グリルと連通し、前記グリルにより加熱された被加熱物からの煙を外部に排出するための排煙ダクトと、
    内部に送風ファンを有し、該送風ファンの回転により前記筐体に設けられた貫通穴から空気を吸引して前記排煙ダクト内に送り込んで外部に排出し、その空気の流れにより前記グリル内の煙を誘引して外部に排出させる煙誘引装置とを備え
    前記煙誘引装置は、
    ほぼS字状の風路が形成され、その風路の入口が前記貫通穴と接合され、前記風路の出口がスペーサを介して前記排煙ダクトの下面に通風可能に接合され、前記風路内に前記送風ファンが設けられたケースを有し、
    前記排煙ダクトの下面および前記スペーサに、前記送風ファンの回転方向に沿って一方の辺が他方の辺に斜めに接近する三角形状の通風口がそれぞれ設けられていることを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記ケースは、
    前記風路の出口側の下方の底部に設けられた水抜き用穴と、
    前記水抜き用穴の近傍底部に設けられ、前記通風口から流入する水の前記風路の入口側への流出を防止する水流出防壁部と
    を備えていることを特徴とする請求項記載の加熱調理器。
  3. 前記ケースは、前記風路の出口側の両側壁に、前記送風ファンの回転による前記風路内を流れる空気により前記筐体内の空気を誘引する空気誘引穴を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理器。
  4. 前記排煙ダクトは、一端が前記グリルの背面に通風可能に接合され、その一端から前記筐体の背面側に延びて上方に鈍角を有して折れ曲がって断面四辺形の金属で構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記ケースは、樹脂材より一体成形され、前記スペーサは、板状の金属で形成されていることを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の加熱調理器。
  6. 前記送風ファンのモータケースの外周および前記風路との間に防振部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の加熱調理器。
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