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JP5108100B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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JP5108100B2 JP2010517846A JP2010517846A JP5108100B2 JP 5108100 B2 JP5108100 B2 JP 5108100B2 JP 2010517846 A JP2010517846 A JP 2010517846A JP 2010517846 A JP2010517846 A JP 2010517846A JP 5108100 B2 JP5108100 B2 JP 5108100B2
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Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、例えば超音波トランスデューサのように、セルアレイが行列状に配置されて、比較的面積が大きい半導体チップの製造に適用して有効な技術に関するものである。
超音波トランスデューサは、例えば人体内の腫瘍の診断装置などに用いられている。これまでは、主として圧電体の振動を利用した超音波トランスデューサが用いられてきた。しかし、近年のMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術の進歩に伴い、現在、上下の2層電極の間に空洞を挟み込んだ構造を有する振動部をシリコン基板上に形成した容量検出型超音波トランスデューサ(CMUT:Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)が開発されている。
CMUTは、圧電体を用いたトランスデューサと比較して、使用できる超音波の周波数帯域が広いまたは高分解能であるなどの利点を有している。また、CMUTは、LSI(Large Scale Integration)加工技術を用いて製造されるので微細加工が可能である。特に、1つの超音波素子をアレイ状に並べて、それぞれの超音波素子を独立に制御する場合には、CMUTは必須となると考えられる。何故ならば、各超音波素子への配線が必要であることからセルアレイ内の配線数が膨大な数になることが考えられるが、CMUTはLSI加工技術を用いて製造されるので、それらの配線が容易だからである。また、超音波送受信部からの信号処理回路を1つの半導体チップに混載することも、CMUTでは可能だからである。
例えば米国特許第6271620B1号明細書(特許文献1)に、超音波トランスデューサに係る技術が開示されている。
米国特許第6271620B1号明細書
本発明者の検討によれば、CMUTについては、以下に説明する種々の技術的課題が存在することが分かった。
本発明者が検討したCMUTの基本的な構造および動作を図29〜図31を用いて説明する。図29は、本発明者が検討したCMUTを構成する1つの超音波素子(以下、CMUTセルと記す)の要部断面図、図30は、本発明者が検討したCMUTを搭載する半導体チップの全体を示す要部平面図、図31は、本発明者が検討したCMUTの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。
図29に示すように、半導体基板101の表面上に形成された第1絶縁膜102の上層にCMUTセルの下部電極103が形成されている。下部電極103の上層には第2絶縁膜104を介して空洞部105が形成されている、また、空洞部105を囲むように第3絶縁膜106が形成され、この第3絶縁膜106の上層に上部電極107が形成されている。また、上部電極107の上層には第4絶縁膜108および第5絶縁膜109が順次形成されている。
また、空洞部105および上部電極107が形成されていない領域の第2、第3、第4および第5絶縁膜104,106,108,109には、下部電極103に達するパッド開口部(図示は省略)が形成されており、このパッド開口部を介して下部電極103へ電圧を供給することができる。また、第4および第5絶縁膜108,109には、上部電極107に達するパッド開口部(図示は省略)が形成されており、このパッド開口部を介して上部電極107へ電圧を供給することができる。CMUT駆動時に振動するメンブレンMは第3絶縁膜106と上部電極107、さらにその上部にある第4および第5絶縁膜108,109とで構成される。
次に、超音波を発信する動作および送信する動作について説明する。上部電極107と下部電極103との間に交流電圧および直流電圧を重畳すると、上部電極107と下部電極103との間に静電気力が働き、メンブレンMが、印加した交流電圧の周波数により振動して、超音波を発信する。
逆に、超音波を受信する場合は、メンブレンMの表面に到達した超音波の圧力により、メンブレンMが振動する。この振動により、上部電極107と下部電極103との間の距離が変化するので、上部電極107と下部電極103との間の電気容量の変化として超音波を検出することができる。すなわち、上部電極107と下部電極103との間の距離が変化することによって、上部電極107と下部電極103との間の電気容量が変わり、電流が流れる。この電流を検知することにより超音波を検出することができる。
図30および図31に示すように、CMUTでは、所定数のCMUTセルCを第1方向(X方向)と、第1方向と直交する第2方向(Y方向)にアレイ状に配置してブロックBと呼ばれる単位を構成している。さらに、所定数のブロックBを第1方向(X方向)と、第2方向(Y方向)にアレイ状に配置して、1つの半導体チップ110を構成している。半導体チップ110の長手方向(第2方向(Y方向))の長さは、上部電極107の数とブロックBのピッチdとで決まる。ピッチdは、例えばCMUTセルCの送信音の波長λの概ね半分である。
また、十分な送信音圧を確保した上で半導体チップ110の面積を小さく抑えるために、CMUTセルCの平面形状は通常六角形であり、また、CMUTセルCを高密度に配置するため、CMUTセルCはハニカム状に配置されている。CMUTを、例えば頚動脈や甲状腺など比較的体表に近い部位の診断に用いる場合には、例えば5〜10MHz程度の周波数領域が用いられる。この場合、六角形のCMUTセルCは、その内接円の直径を、例えば50μm程度とする。これを長手方向(第2方向(Y方向))に4個、短方向(第1方向(X方向))に8個配置して1つのブロックBを構成する(図31では、簡略のため、1つのブロックB内のセル数を4×4として表示している)。これを第2方向(Y方向)に192個、第1方向(X方向)に16個配置して半導体チップ110を構成する。なお、ブロックBを第1方向(X方向)に16個並べた単位を上部電極チャネルまたは上部電極配線、ブロックBを第2方向(Y方向)に192個並べた単位を下部電極チャネルまたは下部電極配線と称する場合がある。上部電極チャネルには4×8×16=512個のCMUTセルCが存在している。半導体チップ110の面積は、例えば4cm×1cmである。
CMUTを、例えば循環器や内臓、胎児などの比較的体表から離れた深部の診断に用いる場合には、例えば3MHz程度の周波数領域が用いられる。この場合、六角形のCMUTセルCの内接円の直径は、例えば75μmとなり、前述した5〜10MHz程度の周波数領域で使用されるCMUTセルCの内接円の直径よりも増加する。このため、前述した5〜10MHz程度の周波数領域で使用される場合と同様に192列×16列のアレイ配置とすると、半導体チップ110の面積は、例えば6cm×1.5cmとなる。
ところで、このような比較的面積が大きい半導体チップでは、歩留りの低下という問題をもたらす。一般に、半導体チップの面積Aと歩留りYとの間には
Y=exp(−DA) 式(1)
なる関係が成り立つ。ここでDは欠陥密度、Aは半導体チップの面積である。式(1)から欠陥密度が一定の場合、半導体チップの面積が増加するに従って歩留りは指数関数的に低下する。CMUTでは、上部電極と下部電極との間に電圧を印加することに起因した静電力によるメンブレンの振動と、振動による上部電極と下部電極との間の電気容量変化とを利用して、超音波の発信および受信を行う。一般的に、直流電圧と交流電圧とを合せると、上部電極と下部電極との間に印加される電圧は100V以上という高い電圧となるため、上部電極と下部電極との間の絶縁膜(例えば図29で示した第2絶縁膜104および第3絶縁膜106)の欠陥密度に起因した歩留り低下には特に留意する必要がある。
比較的面積が大きい半導体チップの歩留りを向上させる方法として、CSP(Chip Size Package)技術がある。これは、良品選別された複数の半導体チップを互いに隣接させて接着することにより合成チップを作成するものである。半導体チップ同士は、例えば、架橋配線により接続される。CSP技術では、接続される個々の半導体チップはそれぞれ周辺回路を有している。従って個々の半導体チップが単独であっても動作が可能である。
これに対し、CMUTにおいては、前述したように、セルアレイのみで半導体チップを形成している。このため、CSP技術をCMUTのセルアレイに適用するためには、セルアレイ内でさらに半導体チップを分割する必要がある。CSP技術においては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)のように、複数のセルアレイを有する半導体チップを実装して合成チップを形成する場合はあるが、セルアレイ内での半導体チップの分割や切断については、これまで何ら記載がなされていない。
本発明の目的は、半導体装置(容量検出型超音波トランスデューサ)の製造歩留まりを向上させることのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態を簡単に説明すれば、次のとおりである。
この実施の形態は、容量検出型超音波トランスデューサの製造方法である。まず、半導体ウエハの表面に超音波の送信と受信を行う機能を有する複数のCMUTセルが形成された相対的に面積が小さい複数の第1チップを製造し、各々の第1チップの良品/不良品の判定を行った後、半導体ウエハを複数の第1チップに個片化する。次に、半導体ウエハの表面に配線層が形成された相対的に面積が大きい複数の第2チップを製造し、各々の第2チップの良品/不良品の判定を行った後、半導体ウエハを複数の第2チップに個片化する。次に、隣接する第1チップのそれぞれの裏面に露出する貫通電極を、第2チップの表面に形成された配線層を介して電気的に接続して、良品と判定された第2チップの表面に、良品と判定された複数の第1チップを、第2方向に沿って隣接して平面的に配置する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
半導体装置(容量検出型超音波トランスデューサ)の製造歩留まりを向上させることができる。
本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサを説明する要部平面図である。(a)は合成チップの全体を示す要部平面図、(b)は第1チップの全体を示す要部平面図および(c)は第2チップの全体を示す要部平面図である。 図1(a)のA−A′線に沿った要部断面図である。 (a)および(b)は本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。 (a)および(b)は本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサ(第1チップ)の製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図4に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図5に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図6に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図7に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図8に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図9に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図10に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図11に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサ(第2チップ)の製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図13に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 (a)および(b)は図14に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 図15に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサ(合成チップ)の工程フローの説明図である。 本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサ(合成チップ)の製造工程中における要部断面図である。 図18に続く容量検出型超音波トランスデューサの製造工程中における要部断面図である。 本発明の実施の形態1による第1チップの良品、不良品の判定結果を示すウエハマップ図である。 本発明の実施の形態1による第1チップの組合せ方の説明図である。 本発明の実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサを適用した超音波診断装置のプローブの外観図である。 本発明の実施の形態2による容量検出型超音波トランスデューサを説明する要部平面図である。(a)は合成チップの全体を示す要部平面図、(b)は第1チップの全体を示す要部平面図および(c)は第2チップの全体を示す要部平面図である。 図23(a)のB−B′線に沿った要部断面図である。 (a)および(b)は本実施の形態2による容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。 (a)および(b)は本実施の形態3による第1例の容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。 (a)および(b)は本実施の形態3による第2例の容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。 (a)および(b)は本実施の形態4による容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。 本発明者が検討した容量検出型超音波トランスデューサを構成する1つの超音波素子の要部断面図である。 本発明者が検討した容量検出型超音波トランスデューサを搭載する半導体チップの全体を示す要部平面図である。 本発明者が検討した容量検出型超音波トランスデューサの一部を拡大して示す要部平面図である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。また、以下の実施の形態において、ウエハと言うときは、Si(Silicon)単結晶ウエハを主とするが、それのみではなく、SOI(Silicon On Insulator)ウエハ、集積回路をその上に形成するための絶縁膜基板等を指すものとする。その形も円形またはほぼ円形のみでなく、正方形、長方形等も含むものとする。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1による半導体装置を図1〜図3を用いて説明する。本実施の形態1では、本発明者によってなされた発明を、その背景となった利用分野であるMEMS技術を用いて製造された容量検出型超音波トランスデューサに適用した場合について説明する。図1(a)、(b)および(c)は容量検出型超音波トランスデューサの全体を示す要部平面図、図2は図1(a)のA−A′線に沿った要部断面図、図3(a)および(b)は容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。
容量検出型超音波トランスデューサは、上層を第1チップ(相対的に面積が小さい半導体チップ)1とし、下層を第2チップ(相対的に面積が大きい半導体チップ)2として、第1チップ1と第2チップ2とを積層した合成チップ3から構成されている。図1(a)は第1チップ1と第2チップ2とを積層した合成チップを表面側から見た要部平面図であり、図1(b)および(c)はそれぞれ、第1チップ1および第2チップ2を表面側から見た要部平面図である。
図1(b)に示す第1チップ1は、超音波の送信と受信を行う機能を有している。上部電極(上部電極配線、上部電極チャネル)4と下部電極(下部電極配線、下部電極チャネル)5との交点はブロックBと呼ばれる単位を構成する。ブロックBには、複数のCMUTセルCが行列上に配置されており、例えばX方向(第1方向)に8個、X方向と直交するY方向(第2方向)に4個配置されている。図3では簡略のため、1つのブロックBのCMUTセルCのセル数を4×4として表示している。さらに、このブロックBをX方向に16個、Y方向に48個配置してセルアレイからなる第1チップ1を構成する。従って、X方向に延在するブロックB(上部電極4)には、4×8×16=512個のCMUTセルCが存在することになる。さらに、本実施の形態1では、Y方向に4個の第1チップ1を平面的に隣接して配置し、Y方向に48×4=192個のブロックB(上部電極4)を有する合成チップ3を構成する。また、X方向に延在するブロックBおよびY方向に延在するブロックBの端部にはそれぞれ、第1チップ1の基板の裏面に達する貫通電極6が接続されている(図1(a)に示す合成チップ3を表面側から見た要部平面図および図1(b)に示す第1チップを表面側から見た要部平面図では貫通電極6を記載しているが、実際には、表面側からは見ることはできない)。
図1(c)に示す第2チップ2は、隣接する第1チップ1のY方向の端部に位置する下部電極5同士を接続する、あるいは第1チップ1のX方向の端部に位置する上部電極4の端部からワイヤボンディング用のパッドP1,P2を取り出すための配線層7を有している。
図2に示すように、第1チップ1と第2チップ2とは第1チップ1に形成された貫通電極6と第2チップ2に形成された配線層7とが電気的に接続するように、バンプ8を介して接続される。これにより、複数の第1チップ1を隣接して並べて配置すると、第1チップ1の下部電極5同士が長手方向(Y方向)に接続されて、あたかも相対的に大きい面積を有する1つの半導体チップとして機能することができる。
図3(a)および(b)は、第1チップ1の接続部分を拡大したものである。ここでは簡略のため、1つのブロックBのCMUTセルCのセル数を4×4個として表示している。
図3(a)は、第1チップ1を構成する各層を実線で示し、第2チップ2を構成する各層を点線で示している。Y方向に延在する下部電極5が切断されている切断部Jが、隣接して配置された第1チップ1の接続箇所となる。従って、1つの半導体チップとして見た場合、Y方向に延在する下部電極5は切断部Jで分断されているが、この切断部Jにおいて下部電極5を接続するために、下部電極5毎に、基板の裏面に達する貫通電極6が形成されている。切断部Jは六角形のCMUTセルCに沿ってジグザグ状とすることで、切り代を小さくすることができる。
図3(b)は、第1チップ1を構成する各層を点線で示し、第2チップ2を構成する各層を実線で示している。ここでは簡略のため、CMUTセルCは下部電極5の端部にのみ存在するものを点線で表示している。隣接する下部電極5が長手方向(Y方向)に接続するように、貫通電極6の直下に当たる位置に配線層7は配置されている。
次に、本実施の形態1による容量検出型超音波トランスデューサの製造方法を図4〜図19を用いて工程順に説明する。まず、本実施の形態1による第1チップ1の製造方法を図4〜図12に示す第1チップ1の要部断面図を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体薄板)11を用意する。半導体基板11は、例えばシリコン単結晶からなり、厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する第1主面(上面、表面)11Saおよび第2主面(下面、裏面)11Sbを有している。続いて、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に、例えば酸化シリコン膜からなる第1絶縁膜12を形成する。第1絶縁膜12の厚さは、例えば0.8μmとすることができる。
次に、図4(b)に示すように、第1絶縁膜12の表面から半導体基板11の方向へ、例えば深さ70μmの孔13を異方性ドライエッチング法により形成する。
次に、図5(a)に示すように、熱酸化法により孔13の側壁を酸化して、酸化シリコン膜14を形成する。酸化シリコン膜14は、後の工程で孔13に充填する導体膜と半導体基板11とを電気的に分離する機能を有する。
次に、図5(b)に示すように、孔13の内部を含む第1絶縁膜12上に導体膜15を形成する。導体膜15は、例えばスパッタリング法により堆積したアルミニウム(Al)膜からなる。アルミニウム膜はアルミニウム単体膜またはアルミニウム合金膜など、アルミニウムを主成分とする導電体膜からなる。また導体膜15としては、この他に窒化チタン(TiN)膜や銅(Cu)膜などを用いることができる。その形成方法としては、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法またはめっき法などを例示することができる。
次に、図6(a)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により第1絶縁膜12の表面が露出するまで導体膜15を研磨して、平坦化することにより、孔13の内部を導体膜15により埋め込む。
次に、図6(b)に示すように、第1絶縁膜12および導体膜15上に、下部電極形成用の導体膜5aを形成する。導体膜5aは、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に形成される。導体膜5aは、金属膜または金属的な電導を示す膜からなり、例えば下から順に形成された窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜からなる。このアルミニウム膜はアルミニウム単体膜またはアルミニウム合金膜など、アルミニウムを主成分とする導電体膜からなる。導体膜5aは、例えばスパッタリング法を用いて形成することができる。また、導体膜5aを窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜とする場合、アルミニウム膜は下部電極5の主導体膜となるため、アルミニウム膜の厚さは窒化チタン膜の厚さよりも厚く、例えばアルミニウム膜の厚さは0.6μm程度、アルミニウム膜の上下の各窒化チタン膜の厚さは0.05μm程度とすることができる。また、窒化チタン膜の代わりに、チタン(Ti)膜および窒化チタン膜の積層膜、あるいはタングステン(W)膜などを用いることもできる。
次に、図7(a)に示すように、導体膜5aを、例えばリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングする。パターニングされた導体膜5aにより、下部電極5が形成される。続いて、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に、下部電極5を覆うように、酸化シリコン膜などの絶縁膜(図示は省略)を、例えばプラズマCVD法を用いて形成する。この際、隣り合う下部電極5のスペースが上記絶縁膜で十分に埋め込まれるような厚さで、絶縁膜を堆積させる。次に、例えばCMP法またはエッチバック法により、下部電極5の表面上の絶縁膜を除去して下部電極5の表面を露出させるとともに、隣り合う下部電極5の間に絶縁膜を残存させる。
次に、図7(b)に示すように、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に(すなわち、下部電極5および隣り合う下部電極5の間の絶縁膜上に)、第2絶縁膜16を形成する。第2絶縁膜16としては、例えばプラズマCVD法により形成した酸化シリコン膜または窒化シリコン膜、あるいはその積層膜を用いる。下部電極5としてタングステンなどの高融点金属を用いる場合は、プラズマCVD法と比べてより緻密な膜を成膜することのできるLPCVD法を用いてもよい。
次に、図8(a)に示すように、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に(すなわち、第2絶縁膜16上に)、例えばアモルファスシリコン膜からなる犠牲膜17aを、例えばプラズマCVD法を用いて形成する。
次に、図8(b)に示すように、犠牲膜17aを、例えばリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、犠牲膜パターン(空洞部形成用の犠牲膜パターン)17を形成する。犠牲膜パターン17は、絶縁膜16を介して下部電極5の上方に形成される。犠牲膜パターン17は、空洞部を形成するためのパターンであり、犠牲膜パターン17の平面形状は、空洞部と同じ平面形状に形成される。従って、空洞部が形成される予定領域に、犠牲膜パターン17は形成される。
次に、図9(a)に示すように、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に、犠牲膜パターン17の表面を覆うように第3絶縁膜18を形成する。第3絶縁膜18は第2絶縁膜16と同様に、例えばプラズマCVD法により形成した酸化シリコン膜または窒化シリコン膜、あるいはその積層膜を用いることができる。
次に、図9(b)に示すように、第3絶縁膜18上に、上部電極形成用の導体膜4aを形成する。導体膜4aは、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に形成される。導体膜4aは、金属膜または金属的な電導を示す膜からなり、例えば下から順に形成された窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜からなる。このアルミニウム膜はアルミニウム単体膜またはアルミニウム合金膜など、アルミニウムを主成分とする導電体膜からなる。導体膜4aは、例えばスパッタリング法を用いて形成することができる。また、上部電極形成用の導体膜4aの厚さは、下部電極形成用の導体膜5aの厚さよりも薄く、例えば0.4μm程度とすることができる。また、導体膜4aを窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜とする場合、アルミニウム膜は上部電極4の主導体膜となるため、アルミニウム膜の厚さは窒化チタン膜の厚さよりも厚く、例えばアルミニウム膜の厚さは0.3μm程度、アルミニウム膜の上下の各窒化チタン膜の厚さは0.05μm程度とすることができる。また、窒化チタン膜の代わりに、チタン膜および窒化チタン膜の積層膜あるいはタングステン膜などを用いることもできる。
次に、図10(a)に示すように、導体膜4aを、例えばリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングする。パターニングされた導体膜4aにより、上部電極4が形成される。
次に、図10(b)に示すように、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に、上部電極4を覆うように、第4絶縁膜20を形成する。第4絶縁膜20は、例えば窒化シリコン膜などからなり、例えばプラズマCVD法を用いて形成することができる。また、第4絶縁膜20の厚さは、例えば0.5μm程度とすることができる。
次に、図11(a)に示すように、リソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて犠牲膜パターン17に到達して犠牲膜パターン17の一部を露出するような孔(開口部)21を第3および第4絶縁膜18,20に形成する。孔21は犠牲膜パターン17に平面的に重なる位置に形成され、孔21の底部に犠牲膜パターン17の一部が露出する。
次に、図11(b)に示すように、孔21を通じて、犠牲膜パターン17を、例えばフッ化キセノン(XeF)を用いたドライエッチング法などを用いて選択的にエッチングする。これにより、犠牲膜パターン17が選択的に除去され、犠牲膜パターン17が存在していた領域が空洞部22となり、第2絶縁膜16と第3絶縁膜18との間に空洞部22が形成される。すなわち、下部電極5と上部電極4との対向面の間(犠牲膜パターン17の除去領域)に空洞部22が形成される。フッ化キセノン(XeF)を用いたドライエッチング法の他に、ClFを用いたドライエッチング法などにより犠牲膜パターン17を除去して空洞部22を形成することもできる。
次に、図12(a)に示すように、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に(すなわち第4絶縁膜20上に)、第5絶縁膜23を形成する。これにより、第5絶縁膜23の一部を孔21の内部に埋め込み、孔21を塞ぐことができる。第5絶縁膜23は、例えば窒化シリコン膜からなり、プラズマCVD法などを用いて形成することができる。また、絶縁膜23の厚さは、例えば0.8μm程度とすることができる。その後、図には示していないが、半導体基板11の第1主面11Sa上の全面に(すなわち絶縁膜23上に)、ポリイミド膜を形成し、これを加熱処理して保護膜とする。
次に、図12(b)に示すように、半導体基板11の第2主面11Sb側を機械的に研磨して、孔13の内部に埋め込まれた導体膜15を露出させることにより、導体膜15からなる貫通電極(導体膜15が半導体基板11を貫いて配置されるので、孔13の内部に充填された導体膜15を貫通電極と称している)6を形成する。上記研磨により、半導体基板11の厚さを、例えば50μmとして、前述した図4(b)に示した孔13の深さ70μmよりも薄く加工される。このようにして、容量検出型超音波トランスデューサのセルアレイ(第1チップ1)が形成される。
次に、本実施の形態1による第2チップ2の製造方法を図13〜図16に示す第2チップ2の要部断面図を用いて説明する。
まず、図13(a)に示すように、半導体基板(この段階では半導体ウエハと称する平面略円形状の半導体薄板)31を用意する。半導体基板31は、例えばシリコン単結晶からなり、厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する第1主面(上面、表面)31Saおよび第2主面(下面、裏面)31Sbを有している。続いて、半導体基板31の第1主面31Sa上の全面に、例えば酸化シリコン膜からなる第6絶縁膜32を形成する。第6絶縁膜32の厚さは、例えば0.8μm程度とすることができる。
次に、図13(b)に示すように、第6絶縁膜32上に、隣接する第1チップ1の下部電極5同士を接続する配線形成用の導体膜33を形成する。導体膜33は、半導体基板31の第1主面31Sa上の全面に形成される。導体膜33は、金属膜または金属的な電導を示す膜からなり、例えば、下から順に形成された窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜からなる。このアルミニウム膜はアルミニウム単体膜またはアルミニウム合金膜など、アルミニウムを主成分とする導電体膜からなる。導体膜33は、例えばスパッタリング法を用いて形成することができる。また、導体膜33を窒化チタン膜、アルミニウム膜および窒化チタン膜の積層膜とする場合、アルミニウム膜の厚さは窒化チタン膜の厚さよりも厚く、例えばアルミニウム膜の厚さは0.6μm程度、アルミニウム膜の上下の各窒化チタン膜の厚さは50nm程度とすることができる。
次に、図14(a)に示すように、導体膜33を、例えばリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングする。パターニングされた導体膜33により、配線層7が形成される。
次に、図14(b)に示すように、半導体基板31の第1主面31Sa上の全面に、配線層7を覆うように、酸化シリコン膜などの第7絶縁膜34を、例えばプラズマCVD法を用いて形成する。この際、第7絶縁膜34の厚さは、隣り合う配線層7の間隔が第7絶縁膜34によって十分に埋め込まれるように設定される。
次に、図15(a)に示すように、CMP法により第7絶縁膜34の表面を研磨し、配線層7の表面を露出させるとともに、その表面を平坦化する。続いて、図15(b)に示すように、半導体基板31の第2主面31Sa上の全面に、配線層7および第7絶縁膜34を覆うように、酸化シリコン膜などの第8絶縁膜35を、例えばプラズマCVD法などを用いて形成する。
その後、図16に示すように、例えばリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて第8絶縁膜35をパターニングし、開口部36を形成する。この開口部36は第1チップ1の貫通電極6と配線層7とを接続するためのバンプを配置する、あるいは配線層7と第2チップ2の外部の配線とを接続するためのワイヤボンディングのパッド(例えば前述した図1(c)のパッドP1,P2)として使用される。以上の製造工程により容量検出型超音波トランスデューサの第2チップ2が形成される。
次に、本実施の形態1による第1チップ1および第2チップ2を積層して合成チップ3を形成する方法について図17〜図19を用いて説明する。図17は工程フロー図、図18および図19はそれぞれ第2チップ2の要部断面図および合成チップ3の要部断面図である。
まず、第1チップ1を含む半導体基板(半導体ウエハ)11において、完成したセルアレイの特性を各上部電極4または各下部電極5について検査する。検査の内容は、各上部電極4の容量−電圧特性、上部電極4と下部電極5との間の絶縁耐圧、隣接する上部電極4間のショートチェック、隣接する下部電極5間のショートチェックなどである。検査の結果、異常が確認できなかった第1チップ1は良品、異常が確認された第1チップ1は不良品とし、例えば不良品第1チップ1にマークを入れるまたは記録するなどして良品/不良品チップを明らかにしておく。
その後、前述した図3に示した下部電極5が分断された領域Jで、半導体基板(半導体ウエハ)11をダイシングして複数の第1チップ1に分離する。ここで、ダイシングの際、必ず切り代が必要となる。切り代が大きくなり、この部分の上部電極4のピッチが変化すると、グレーティングローブと呼ばれる所望の送信音以外の音波が発せられて、これが虚像を形成してしまう可能性がある。このため、切り代はブロックBのピッチ(前述した図1(b)に示すd(例えば送信波の波長λの1/2))に対して十分小さい、例えば10%以下とする。これによって、診断装置の良好な画像を得ることができる。切り代をできるだけ小さくする方法としては、レーザー光を用い、半導体基板11の内部のみを溶融させて微小領域でダイシングを行うステルスダイシングと呼ばれる方法が有効である。その後、良品第1チップ1のみを選別し、ピックアップする。
一方、配線層7が形成されている第2チップ2に関しても同様に、断線またはショートなどの検査を行い、良品/不良品チップを判別し、記録する。その後、半導体基板(半導体ウエハ)31をダイシングして、良品第2チップ2のみを選別し、ピックアップする。
次に、図18に示すように、良品と判断されピックアップされた第2チップ2に対し、その開口部36にバンプ8を形成する。バンプ8の形成には金線を用いたスタッドバンプ法または半田リフロー法などを用いる。
次に、図19に示すように、第1チップ1の貫通電極6が第2チップ2のバンプ8と接するようして、複数の第1チップ1と単品の第2チップ2とを金型内に配置し、圧力をかけて接着する。この際、第1チップ1の半導体基板11の第2主面11Sb側と第2チップ2の半導体基板31の第1主面31Sa側との間に封止樹脂37を配置し、接着封止を行う。
このようにして、前述した図1(a)および図2に示したように、上層に、複数の第1チップ1が平面的に隣接して配置され、下層に、隣接する第1チップ1間の下部電極5同士を接続するための配線層7が形成された第2チップ2を有する合成チップ3が略完成する。
本実施の形態1による合成チップ3から構成される容量検出型超音波トランスデューサは、従来の1つの半導体チップから構成される容量検出型超音波トランスデューサに比べて製造歩留りが向上した。これは、良品として判定された相対的に面積が小さい第1チップ1のみを選別し、これらを接続して形成しているためである。なお、第2チップ2は従来の1つの半導体チップから構成される容量検出型超音波トランスデューサと同程度の相対的に大きい面積を有しているが、1層の配線層7のみで構成されているため、歩留りへの寄与は無視できるほど小さい。
ところで、前述した合成チップ3を形成する工程フローの説明では、半導体ウエハ(半導体基板11)から第1チップ1を取得する際、第1チップ1をダイシングにより分割するとしたが、必ずしも全ての第1チップ1をダイシングにより個々に分割しなくてもよい。
図20は、半導体ウエハSWに形成された複数の第1チップを検査した際の、良品、不良品の判定結果を示したマップの一例である。図中、○印は良品の第1チップ1、×印は不良品の第1チップ1を示している。ここでは合成チップ3が4つの第1チップ1から構成されている場合を例に説明する。図20に示すように、検査により判定された良品第1チップ1はY方向に1個、2個、3個、4個、あるいはそれ以上連続して存在する。
図21(a)に示すように、良品第1チップ1が4個連続して取得された場合には、この4個連続した良品第1チップ1(CP4)を1つの固まりとして分割して、合成チップ3の形成に利用することが可能である。また、図21(b)または(c)に示すように、良品第1チップ1が3個連続して取得された場合は、この3個連続した良品第1チップ(CP3)を1つの固まりとして分割し、1つの3個連続した良品第1チップ(CP3)と1つの良品第1チップ1(CP1)とを組合せて合成チップ3を形成すればよい。また、図21(d)〜(g)に示すように、良品第1チップ1が2個連続して取得された場合は、この2個連続した良品第1チップ(CP2)を1つの固まりとして分割し、2個連続した良品第1チップ(CP2)を2つ組み合わせる、または1つの2個連続した良品第1チップ(CP2)と2つの良品第1チップ(CP1)とを組合せて合成チップ3を形成すればよい。なお、図21(h)に示すように、良品第1チップ1の連続の有無にかかわらず、4つの良品第1チップ(CP1)を組合せて合成チップ3を形成しても良い。
次に、本実施の形態1による半導体装置(容量検出型超音波トランスデューサ)を、例えば超音波診断装置に適用した場合について説明する。
超音波診断装置は、音波の透過性を利用し、外から見ることのできない生体内部を、可聴音領域を越えた超音波を用いてリアルタイムで画像化して目視可能にした医療用診断装置である。この超音波診断装置のプローブ(探触子)の外観図を図22に示す。
プローブ41は超音波の送受信部である。図22に示すように、プローブ41を形成するプローブケース42の先端面には前述した合成チップ3がその第1チップ1の第1主面11Saを外部に向けた状態で取り付けられている。さらに、この合成チップ3の第1主面11Sa側には、音響レンズ43が取り付けられている。合成チップ3はケーブル44を介して診断装置本体システムに接続されている。
超音波診断に際しては、プローブ41の先端(音響レンズ43側)を体表(体の表面)に当てた後、これを徐々に微少位置ずつずらしながら走査する。この時、体表に当てたプローブ41から生体内に数MHzの超音波パルスを送波し、音響インピーダンスの異なる組織境界からの反射波を受波する。これにより、生体組織の断層像を得て、対象に関する情報を知ることができるようになっている。超音波を送波してから受波するまでの時間間隔によって反射体の距離情報が得られる。また、反射波のレベルまたは外形から反射体の存在または質に関する情報が得られる。
このような超音波診断装置のプローブ41に本実施の形態1による合成チップ3を用いることにより、プローブ41の製造歩留りを向上させることができる。
このように、本実施の形態1によれば、検査により良品と判定されたセルアレイから構成され、相対的に面積が小さい複数の第1チップ1を、配線層7が形成された第2チップ2の表面に平面的に配置することによって、複数の第1チップ1が電気的に接続された1つの容量検出型超音波トランスデューサを形成しているので、容量検出型超音波トランスデューサの製造歩留りを向上させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2による半導体装置(MEMS技術を用いて製造された容量検出型超音波トランスデューサ)は、前述した実施の形態1と同様であり、セルアレイが配置された第1チップと、配線層が形成された第2チップとを積層して形成される合成チップにより構成されるものであるが、第1チップの分割場所が前述した実施の形態1と相違する。
本実施の形態2の容量検出型超音波トランスデューサについて図23〜図25を用いて説明する。図23(a)、(b)および(c)は超音波トランスデューサの全体を示す平面図、図24は図23(a)のB−B′線に沿った要部断面図、図25(a)および(b)は容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図である。
前述した実施の形態1では、第1チップ1の分割場所JはブロックB(4本のセル列で構成される上部電極4)が互いに隣接するスペース部である。これに対して、本実施の形態2では、分割場所および接続場所JはブロックB(4本のセル列で構成される上部電極4)の中央部となっている。接続場所Jにおいて上部電極4の取り出しをセル2列ずつとし、それぞれの取り出し部50に貫通電極6を配置し、これを第2チップ2の配線層7にバンプ8を介して接続することによって、X方向に延在するブロックBの上部電極4のCMUTセルC全てに同電位が同時に印加されるようになっている。それ以外の構造及び形成プロセスは前述した実施の1の形態と同様である。
このように、本実施の形態2においても、従来の相対的に面積が大きい1つの半導体チップにより構成された容量検出型超音波トランスデューサに比べて製造歩留りが向上し、前述した実施の形態1と同様の効果が得られる。また、前述した実施の形態1では、分割場所JがブロックBとブロックBとの間に位置しているので、分割場所Jを挟んだブロックB間の互いの電位が変動して、例えば超音波診断装置の画像のつなぎが悪くなる可能性があるが、本実施の形態2では、このような問題を回避することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3による半導体装置(MEMS技術を用いて製造された容量検出型超音波トランスデューサ)は、前述した実施の形態1と同様であり、セルアレイが配置された第1チップと、配線層が形成された第2チップとを積層して形成される合成チップにより構成されるものであるが、第1チップの隣接するブロック間にX方向に沿って切り代と同程度の幅の補正領域が配置されている点が前述した実施の形態1と相違する。
本実施の形態3による容量検出型超音波トランスデューサの第1例について図26(a)および(b)に示す容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図を用いて説明する。
第1チップ1の切断においては、必ず切り代が必要となるが、この切り代はブロックBのY方向のピッチdに比べて十分小さくする必要がある。しかしながら、特に高周波向けの容量検出型超音波トランスデューサにおいては、高い周波数の音波を送信するために、そのセルサイズを低周波向けの容量検出型超音波トランスデューサに比べて小さくする必要がある。これにより半導体チップの面積が減少し、製造歩留りは向上する傾向にあるが、ブロックBのY方向に沿ったピッチdに対して、切り代が無視できなくなる可能性がある。切り代が大きくなり、この部分のブロックBのY方向に沿ったピッチdが変化すると、グレーティングローブが発生して、これが虚像を形成してしまう。
本実施の形態3の第1例では、図26(a)に示すように、Y方向に沿って配置されたブロックB間に、X方向に沿って切り代と同程度の補正領域Rを配置する。これにより、グレーティングローブの発生を抑制できて、虚像の形成を防ぐことができる。なお、それ以外の構造及び形成プロセスは前述した実施の1の形態と同様である。
本実施の形態3による超音波トランスデューサの第2例について図27(a)および(b)に示す容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図を用いて説明する。
本実施の形態3の第2例では、図27(a)に示すように、第1チップ1のダイシングをジグザク状ではなく直線状としている。この場合、従来のブレードを用いダイシングを適用することが可能である。
なお、補正領域Rの配置により、補正領域Rを配置しなかった場合に比べて、同一チップ面積におけるセル数が減少し、送信音圧が低下すると推定される。送信音圧が不十分な場合には、超音波プローブ内またはコネクタ部、あるいは診断装置システム内にアンプを配置して受波を増幅し、受信感度を増大するなどの対策をとることができる。
このように、本実施の形態3においても、従来の相対的に面積が大きい1つの半導体チップにより構成された容量検出型超音波トランスデューサに比べて製造歩留りが向上し、前述した実施の形態1と同様の効果が得られる。また、グレーティングローブの発生を抑制して、虚像の形成を防ぐことができるので、例えば超音波診断装置において良好な画像を得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4による半導体装置(MEMS技術を用いて製造された超音波トランスデューサ)は、前述した実施の形態1と同様であり、セルアレイが配置された第1チップと、配線層が形成された第2チップとを積層して形成される合成チップにより構成されるものであるが、第1チップのY方向に沿って配置されたブロックBの数が前述した実施の形態1と相違する。
本実施の形態4による容量検出型超音波トランスデューサについて図28(a)および(b)に示す容量検出型超音波トランスデューサの一部(接合部分)を拡大して示す要部平面図を用いて説明する。
前述した実施の形態1では、1つの第1チップ1に、複数のブロックBがY方向に沿って配置されていたが、本実施の形態4では、第1チップ1のY方向に沿って配置されるブロックBは1つである。この場合、下部電極5はブロック毎に分割されるため、ブロック毎に貫通電極6を形成することにより、各々のブロック間の下部電極5を接続する。また、貫通電極6と第2チップ2の配線層7とが電気的に接続するよう、ブロック毎にバンプ8を形成する。それ以外の構造及び形成プロセスは前述した実施の形態1と同様である。
このように、本実施の形態4においても、従来の相対的に面積が大きい1つの半導体チップにより構成された容量検出型超音波トランスデューサに比べて製造歩留りが向上し、前述した実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、前記実施の形態1〜4において示したCMUTセルを構成する材料は、その組み合わせの一つを示したものである。また、前記実施の形態1〜4において示したCMUTセルの形状は六角形であるが、形状はこれに限られたものではなく、例えば円形でも四角形でもよい。
また、第1チップ1(セルアレイ)の分割方法または接続方法としては、前記実施の形態1〜4で示した、セルアレイを上部電極4に沿った方向に切断し、第2チップ2を介して下部電極5を接続する方法に代えて、セルアレイを下部電極5に沿った方向に切断し、第2チップ2を介して上部電極4を接続する方法でもよい。また、両者の組合せであってもよい。
また、本実施の形態1〜3においては、合成チップ3を医療用の超音波診断装置のプローブに適用した場合を例示している。このため、CMUTセルは超音波の送信および受信の両方の機能を有している。しかしながら本願発明はこれに限定されるものではなく、CMUTセルは送信あるいは受信の一方の機能のみを有していても構わない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の半導体装置は、超音波探触子を用いる各種医療診断機器、機械内部の欠陥検査装置、超音波による各種イメージング機器システム(妨害物の検知等)、位置検知システム、温度分布計測システム等に利用することができる。
1 第1チップ
2 第2チップ
3 合成チップ
4 上部電極
4a 導体膜
5 下部電極
5a 導体膜
6 貫通電極
7 配線層
8 バンプ
11 半導体基板
11Sa 第1主面(上面、表面)
11Sb 第2主面(下面、裏面)
12 第1絶縁膜
13 孔
14 酸化シリコン膜
15 導体膜
16 第2絶縁膜
17 犠牲膜パターン
17a 犠牲膜
18 第3絶縁膜
20 第4絶縁膜
21 孔(開口部)
22 空洞部
23 第5絶縁膜
31 半導体基板
31Sa 第1主面(上面、表面)
31Sb 第2主面(下面、裏面)
32 第6絶縁膜
33 導体膜
34 第7絶縁膜
35 第8絶縁膜
36 開口部
37 封止樹脂
41 プローブ
42 プローブケース
43 音響レンズ
44 ケーブル
50 取り出し部
101 半導体基板
102 第1絶縁膜
103 下部電極
104 第2絶縁膜
105 空洞部
106 第3絶縁膜
107 上部電極
108 第4絶縁膜
109 第5絶縁膜
110 半導体チップ
B ブロック
C CMUTセル
CP1,CP2,CP3,CP4 分割チップ
d ピッチ
J 接続部(分割部)
M メンブレン
P1,P2 パッド
R 補正領域
SW 半導体ウエハ

Claims (19)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法;
    (a)第1半導体ウエハを用意する工程、
    (b)前記第1半導体ウエハの表面に、第1方向および前記第1方向と直交する第2方向に沿って所定数のブロックがそれぞれ配置され、
    前記ブロックに、前記第1方向および前記第2方向に沿って上部電極と下部電極とを有する所定数のセルがそれぞれ配置され、
    前記第1方向に沿って配置された前記ブロックの複数のセルの前記上部電極が電気的に接続され、
    前記第2方向に沿って配置された前記ブロックの複数のセルの前記下部電極が電気的に接続され、
    前記第1半導体ウエハの裏面に、前記下部電極と電気的に接続する貫通電極が露出した相対的に面積が小さい複数の第1チップを形成する工程、
    (c)複数の前記第1チップの良品または不良品の判定を行う工程、
    (d)前記第1半導体ウエハをダイシングして、前記第1半導体ウエハを複数の前記第1チップに個片化する工程、
    (e)第2半導体ウエハを用意する工程、
    (f)前記第2半導体ウエハの表面に、配線層が形成された相対的に面積が大きい複数の第2チップを形成する工程、
    (g)複数の前記第2チップの良品または不良品の判定を行う工程、
    (h)前記第2半導体ウエハをダイシングして、前記第2半導体ウエハを複数の前記第2チップに個片化する工程、
    (i)隣接する前記第1チップのそれぞれの前記裏面に露出する前記貫通電極を、前記第2チップの前記表面に形成された前記配線層を介して電気的に接続して、良品と判定された前記第2チップの前記表面に良品と判定された複数の前記第1チップを積層する工程。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(i)工程では、複数の前記第1チップは、前記第2方向に沿って隣接して平面的に配置されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(i)工程では、前記第2方向に沿って配置された複数の前記第1チップの前記下部電極が、前記第2方向に沿って電気的に接続されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記セルは、半導体基板と、
    前記半導体基板上に第1絶縁膜を介して形成された前記下部電極と、
    前記下部電極を覆うように形成された第2絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜上に、上面から見て、前記下部電極と重なるように形成された空洞部と、
    前記空洞部を覆うように形成された第3絶縁膜と、
    前記第3絶縁膜上に、上面から見て、前記空洞部と重なるように形成された前記上部電極と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記セルは、超音波の送信または受信の少なくとも一方を行う超音波トランスデューサのアレイを構成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第1チップの前記裏面に露出する前記貫通電極と、前記第2チップの前記表面に形成された前記配線層とはバンプを介して電気的に接続されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(d)工程では、隣接する前記ブロックの間で分離されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(d)工程において、前記ブロック内の前記第1方向に沿って配置された前記セル列の間で分離されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、隣接する前記第1チップの間の幅は、隣接する前記ブロックのピッチの10%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第2方向に沿って隣接する前記ブロックの間に、隣接する前記第1チップの間の幅と同等の幅を有する補正領域を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記貫通電極は、前記第1チップの前記第2方向の端部に位置する前記ブロックの前記下部電極に接続していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記貫通電極は、前記第1チップの前記第1方向の端部に位置する前記ブロックの前記下部電極に接続していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(d)工程では、前記第2方向に沿って配置する複数の前記第1チップを1つの固まりとして、前記第1半導体ウエハから分離することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項13記載の半導体装置の製造方法において、1つの固まりとして分離した複数の前記第1チップを、前記第2チップの前記表面に積層することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記(d)工程では、レーザー光を用いて前記第1半導体ウエハをダイシングすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記セルの前記上部電極の形状は六角形であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項16記載の半導体装置の製造方法において、前記(d)工程では、前記上部電極の前記六角形の形状に沿って分割されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記ブロック内には、前記第1方向に8個、前記第2方向に4個の前記セルが配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 請求項18記載の半導体装置の製造方法において、前記第1チップ内には、前記第1方向に16個、前記第2方向に48個の前記ブロックが配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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