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JP5107140B2 - 流体搬送用ホース - Google Patents

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JP5107140B2 JP2008141688A JP2008141688A JP5107140B2 JP 5107140 B2 JP5107140 B2 JP 5107140B2 JP 2008141688 A JP2008141688 A JP 2008141688A JP 2008141688 A JP2008141688 A JP 2008141688A JP 5107140 B2 JP5107140 B2 JP 5107140B2
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Description

本発明は流体搬送用ホースに関し、更に詳しくは、内面ゴム層と内側補強層群が破断した際の外側補強層群の同時破断を防止するようにした流体搬送用ホースに関する。
マリンホースに代表される流体荷役用の大口径のホースにおいては、高圧で送り出される石油などの流体が、ホース外部へ漏洩して海水汚染の事故を生じないような構造にする必要がある。そのため、この種の流体搬送用ホースの内部構造は、流体に対する耐侵食性を有する内面ゴム層の外側に複数層からなる補強層群が配置され、その補強層群を内外に分離した内側補強層群と外側補強層群との間に、スポンジなどからなるバッファ層を設けたものが多く用いられている。上記のバッファ層は、内面ゴム層及び内側補強層群が破断して高圧の流体が急激に流入したとき、その高圧流体の圧力を緩和し、外側補強層群が破断しないようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、内側補強層群の破断によって短時間に急激かつ大量に流入する流体の圧力は非常に大きいため、バッファ層の厚さが薄いと圧力緩和機能が十分に作用せず、外側補強層群までもが同時に破断して、流体がホース外部へ漏洩してしまうおそれがある。この対策としては、バッファ層を厚くすることが必要であるが、バッファ層が厚くなるとホース外径をいたずらに大型化するだけでなく、ホース製造時に発泡材を巻回す作業が困難になるため、ホースの製造効率が低下してしまうという問題があった。
特開2004−125125号公報
本発明の目的は、バッファ層の厚さを増やすことなく、内側補強層群の破断により流入する高圧流体が外側補強層群まで破断しないようにした流体搬送用ホースを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の流体搬送用ホースは、内面ゴム層とカバーゴム層との間に複数層からなる補強層群を配置すると共に、これら補強層群が内外に分離された内側補強層群と外側補強層群との間に、発泡材からなるバッファ層を配置するようにした流体搬送用ホースにおいて、前記バッファ層を長尺板状の発泡材をホース軸方向に所定の間隔にスパイラルに巻回した構成にすると共に、該バッファ層の内周面及び外周面に、それぞれ前記発泡材に対してスライド可能な滑面層を配置し、前記内面ゴム層及び内側補強層群が破断して該バッファ層に流体が流入したときには、前記発泡材がホース軸方向へ移動することで前記流体の圧力を緩和することを特徴とするものである。
長尺板状の発泡材がホース軸方向に隣接する側面間の間隔Sは、長尺板状の発泡材のホース軸方向の幅Lの1/3〜1/2にすることが望ましい。
滑面層は樹脂フィルムから構成し、その樹脂フィルムとしてはポリエステルを用いることが好ましい。また、発泡材はゴム材料又は樹脂材料から構成し、そのゴム材料としては天然ゴムを、樹脂材料としてはポリエチレンを、それぞれ用いることが好ましい。
本発明の流体搬送用ホースは、石油搬送用のマリンホースに好適に用いられる。
本発明の流体搬送用ホースによれば、内側補強層群と外側補強層群の間に配置されたバッファ層を長尺板状の発泡材をホース軸方向に所定間隔で巻回した構成にすると共に、そのバッファ層の内外周面に滑面層を設けるようにしたので、内側補強層群が破断して高圧流体が急激にバッファ層に流入しても、バッファ層は発泡材が衝撃を吸収しながら滑面層間をスライドしてホース軸方向へ移動するので、バッファ層の厚さを大きくしなくても高圧流体の圧力を効果的に緩和し、外側補強層群が破断しないようにすることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態からなる流体搬送用ホースの一部断面を示す。
この流体搬送用ホースにおけるホース本体1の構造は、円筒状の内面ゴム層2とカバーゴム層8との間に、複数層からなる補強層群を配置することにより構成されている。複数の補強層群は、内面ゴム層2から順に、第1内側カーカス層3、スパイラルワイヤ補強層4、第2内側カーカス層5、バッファ層6、外側カーカス層7を積層したものとなっている。
内面ゴム層2はホース内を流れる流体への耐侵食性に優れた材質から構成されている。第1内側カーカス層3は、ホース軸方向にバイアスに配列した有機繊維コードからなる複数の補強層を、層間でコードが互いに交差するように積層して構成されており、それらの層の一部がホース本体1の端部でターンバックされている。第2内側カーカス層5は、ホース軸方向にバイアスに配列した有機繊維コードからなる複数の補強層を、層間でコードが互いに交差するように積層して構成されている。これら内側カーカス層3、5は、ホース本体1に主として軸方向の強度と適度な可撓性を付与する。
スパイラルワイヤ補強層4は、金属ワイヤを所定のピッチで第1内側カーカス層3の外周にスパイラル状に巻回することにより構成され、ホース本体1に主に周方向の強度を付与すると共に、ホース本体1が湾曲したときにキンクが発生するのを防止し、更に外圧によるホース本体1の潰れを防止する。
外側カーカス層7は、内側カーカス層3、5と同様に、ホース軸方向にバイアスに配列した有機繊維コードからなる複数の補強層を、層間でコードが互いに交差するように積層することにより構成されている。
バッファ層6は、主に発泡材から構成され、第2内側カーカス層5と外側カーカス層7との間に配置されている。このバッファ層6は、高圧流体により内面ゴム層2と内側カーカス層3、5とが破断したとき、バッファ層6の発泡材がつぶれることにより高圧流体の圧力を吸収緩和して、外側カーカス層7が破断しないようにするものである。
ホース本体1には、上記の構成部材のほか、外側カーカス層7とカバーゴム層8との間に、ホース本体1に浮力を与える浮力層を設けるようにしてもよい。
このようなホース本体1において、図2に示すように、バッファ層6は、長尺で板状の発泡材10をホース軸方向へ所定の間隔11を空けながらスパイラルに巻回すことにより構成されている。更に、このバッファ層6の内周面と外周面には、それぞれ樹脂フィルムからなる滑面層9A、9Bが設けられている。
発泡材10としては、ゴム材料や樹脂材料からなり、好ましくは天然ゴムスポンジやポリエチレンスポンジを用いることができる。また、滑面層9A、9Bは、カバーゴム層8の加硫温度でも溶融せず、かつ発泡材10に対する摩擦抵抗が小さい樹脂フィルムから構成されていることが好ましく、例えばポリエステルフィルムを用いることができる。
このようにバッファ層6を構成することにより、図3(a)のような正常状態から内面ゴム層2及び内側カーカス層3、5が破断して高圧流体12が急激に流入すると、バッファ層6の発泡材10がつぶれて縮小変形することに加えて、発泡材10がホース軸方向に押圧されるため、図3(b)に示すように、発泡材10が間隔11をなくすように滑面層9A、9B間を滑ってホース軸方向へ移動する。そのため、高圧流体12の圧力が低減され、外側カーカス層7やカバーゴム層8に加わる圧力を大幅に緩和するため、外側カーカス層7やカバーゴム層8が同時破断することを防止することができる。また、このようにして圧力緩和を行うので、バッファ層6の厚さを過度に大きくする必要はなくなる。
本発明において、バッファ層6における発泡材10が隣接する側面間の間隔11のホース軸方向長さSは、特に限定するものではないが、発泡材10のホース軸方向長さLの1/3〜1/2の範囲とすることが望ましい。これにより、ホース本体1への外圧によりカバーゴム層8の間隔11に対応する部分に凹みが生じることがないようにすることができる。
本発明の流体搬送用ホースは、用途は特に限定されるものではないが、流体荷役用の大口径ホースとして好ましく適用され、特に沖合のタンカーと陸部の備蓄タンク等との間で石油を搬送するマリンホースに好適に用いることができる。
本発明の実施形態からなる流体搬送用ホースの一部断面図である。 図1のホース中のバッファ層を構成する発泡材の巻回構造を示す説明図である。 本発明のホースによる漏洩流体の圧力緩和の効果を説明する一部断面図であって、(a)は正常状態を、(b)は内側カーカス層が破断して高圧流体が流入した状態を、それぞれ示す。
符号の説明
1 ホース本体
2 内側ゴム層
3 第1内側カーカス層
4 スパイラルワイヤ補強層
5 第2内側カーカス層
6 バッファ層
7 外側カーカス層
8 カバーゴム層
9A、9B 滑面層
10 発泡材
11 間隔
12 高圧流体

Claims (7)

  1. 内面ゴム層とカバーゴム層との間に複数層からなる補強層群を配置すると共に、これら補強層群が内外に分離された内側補強層群と外側補強層群との間に、発泡材からなるバッファ層を配置するようにした流体搬送用ホースにおいて、
    前記バッファ層を長尺板状の発泡材をホース軸方向に所定の間隔にスパイラルに巻回した構成にすると共に、該バッファ層の内周面及び外周面に、それぞれ前記発泡材に対してスライド可能な滑面層を配置し
    前記内面ゴム層及び内側補強層群が破断して該バッファ層に流体が流入したときには、前記発泡材がホース軸方向へ移動することで前記流体の圧力を緩和する流体搬送用ホース。
  2. 前記長尺板状の発泡材がホース軸方向に隣接する側面間の間隔Sを、該長尺板状の発泡材のホース軸方向の幅Lの1/3〜1/2にした請求項1に記載の流体搬送用ホース。
  3. 前記滑面層が樹脂フィルムである請求項1又は2に記載の流体搬送用ホース。
  4. 前記樹脂フィルムがポリエステルからなる請求項3に記載の流体搬送用ホース。
  5. 前記発泡材がゴム材料又は樹脂材料からなる請求項1〜4のいずれかに記載の流体搬送用ホース。
  6. 前記ゴム材料が天然ゴムであり、前記樹脂材料がポリエチレンである請求項5に記載の流体搬送用ホース。
  7. 石油搬送用のマリンホースである請求項1〜6のいずれかに記載の流体搬送用ホース。
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