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JP5101822B2 - バドミントンラケット用補強部材 - Google Patents

バドミントンラケット用補強部材 Download PDF

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JP5101822B2 JP2006024475A JP2006024475A JP5101822B2 JP 5101822 B2 JP5101822 B2 JP 5101822B2 JP 2006024475 A JP2006024475 A JP 2006024475A JP 2006024475 A JP2006024475 A JP 2006024475A JP 5101822 B2 JP5101822 B2 JP 5101822B2
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Description

本発明は全般的にバドミントンラケットに関するものである。本発明は特にバドミントンラケットのフレームのフープ部分およびハンドル部分の連結を改善するための補強部材に関するものである。
バドミントンラケットはよく知られており、通常、管状のハンドル部分に管状のヘッド部分が取り付けられている。ヘッド部分はフープ形になっており、張力を加えたストリングの格子を支えている。ストリングの格子は、一般にストリングベッドと呼ばれ、ヘッド部分に取り付けられた複数の交差する主ストリング片及び交差ストリング片を含む。ハンドル部分はヘッド部分の下部から下方へ、かつ外方へ向かって延びており、略T字状の接続領域を形成している。ハンドル部分は通常、ハンドル部分の近位端に取り付けられたハンドルを備えている。ハンドルはグリップによって覆われている。
ラケットの性能、反応性、そしてコントロールを高め、ヘッド部分およびハンドル部分の接続領域の強度および耐久性を改善したいという要望は、絶えずある。バドミントンラケットは、たとえばテニスと比べると比較的小さいコート内で、プレーヤーが短い間隔でシャトルを打つために高速スウィングができるようにしなければならない。試合のスピードによって、バドミントンラケットが軽量でかつ扱いやすいよう満足のいく弾力性を持つよう造られることが必要となる。さらに、高速でスウィングする必要があるので、スウィング方向におけるバドミントンラケットの寸法が最小化されていなければならない。そのような構造で、バドミントンラケットの慣性モーメントおよび空気抵抗を望ましいレベルに維持することができる。また、ラケットの使用から生じる様々な衝撃荷重と同様、高速スウィングによる負担にも耐えるために、ラケットは高い機械的強さを有することが必要である。確実にこれらの設計上の必要条件全てを満たすのは非常に難しい。例えば、軽量で、非常に弾力性があり、最小限の空気抵抗で済むバドミントンは、機械強度が非常に低い場合もある。
バドミントンラケットのハンドル部分の断面サイズは一般に、他のスポーツラケット(例えばテニスまたはラケットボール)のそれと比較して非常に小さい。バドミントンラケットのヘッド部分の断面サイズもまた、他のスポーツラケットのそれより小さい。さらにまた、ヘッド部分は通常ハンドル部分に一箇所で接続しており、テニスラケットによくあるように二箇所以上で接続するのとは異なっている。この一箇所しかない接続点がバドミントンラケットに高いレベルの可撓性を与えている。ある側面において、例えばスウィング方向においては、ラケットの可撓性は望ましいのであるが、ねじれるほどに可撓性が高いラケット、あるいはあまり抵抗なくねじり方向に曲がるラケットは望ましくない。それはコントロールをしにくくし、精度を減少させ、性能を下げるからである。さらに、ヘッド部分およびハンドル部分のサイズが比較的小さいために、ヘッド部分およびハンドル部分の一箇所しかない接続部に多大な応力が加わる。その結果、バドミントンラケットが接続部で早期に故障してしまうのは珍しいことではない。
早期に故障してしまうという問題に対処するために、既存のバドミントンラケットの中にはヘッド部分とハンドル部分の間の接続にT字状のジョイントを使っているものがある。これらのジョイントには、通常細長い垂直ジョイント部があり、ラケットのハンドル部分内にかなりの距離まで延びている。その結果、ハンドル部材内のジョイント部の長さおよび断面サイズは、通常、そのようなラケットのヘッド部分内に位置するジョイント部の長さおよび断面サイズと同じくらいか、あるいはそれ以上に大きい。既存のT字状ジョイントのサイズがやや大きめであることは、ラケットの重さ、そしてその結果として、ラケットの使いやすさに、悪影響を与え得る。さらに、ラケットのハンドル部分内に細長く延びているということは、特にスウィング方向に対して、ラケットを硬くしたり、ラケットの可撓性を減らしたりする。そのようにラケットを硬くしてしまうことは、ラケットの反応性および使いやすさを減少させ得るので、望ましくない。
かくして、耐久性と確実性が高く、また望ましいレベルの性能と使いやすさを持つバドミントンラケットは絶えず必要とされているのである。必要とされているのは、バドミントンラケットの全体の重さに悪影響を与えずして、早期の故障を防ぐことができる、改良されたラケット設計である。また他に必要なのは、特にスウィング方向に対する望ましい反応性を有し、耐久性のあるバドミントンラケットである。さらに、効率的かつ安定的に生産することができ、かなり使いやすく耐久性のあるラケットを提供することも有益であろう。
本発明は、ストリングベッドを支える管状のフープ部分および管状のハンドル部分を有するフレームを備え、長手方向軸線に沿って延びるバドミントンラケット用の補強部材を提供するものである。この補強部材は、略T字状で第一および第二セクションを有する本体部を備えている。第一セクションは、ストリングベッドに対し略直角に位置する長手方向断面に関して測定される第一断面積を画定する外面を有する。第二セクションは、長手方向で外方に向かって第一セクションから延びている。第二セクションは、横断面に関して測定される第二断面積を画定する外面を有する。第一断面積は、第二断面積より少なくとも50パーセント大きい。第一および第二セクションは、それぞれ、フレームのフープ部分およびハンドル部分内に位置するよう構成されている。
本発明の主な態様によれば、バドミントンラケットは管状のフープ部分および管状のハンドル部分を有するフレーム、ストリングベッド、ならびに略T字状の補強部材を備えている。ストリングベッドはフープ部分に支えられている。第一セクションは、ストリングベッドに対し略直角に位置する長手方向断面の周りで測定される第一断面積を定める外面を有する。第二セクションは、長手方向で外方に向かって第一セクションから延びている。第二セクションは、横断面の周りで測定される第二断面積を定める外周面を有する。第一断面積は、第二断面積より少なくとも50パーセント大きい。第一および第二セクションは、それぞれ、フレームのフープ部分およびハンドル部分内に位置するよう構成されている。
本発明の他の主な態様によれば、バドミントンラケットは長手方向軸線に沿って延び、シャトルに衝突するように、そしてラケットのねじり安定性試験の試験用支え内に位置するよう構成されている。ラケットはフレーム、ストリングベッド、そして略T字状の補強部材を備えている。フレームは、フープを画定する管状のフープ部分と管状のハンドル部分を備えている。フレームはヘッド部のサイズが約54.5平方インチ(35161mm)である。ハンドル部分は、6.75〜7.25mmの範囲内の外径を有する遠位端領域を有する。ストリングベッドはフープ部分によって支えられている。ストリングを張った状態でのラケットの重量は88.0〜93.5グラムの範囲内である。補強部材は、それぞれフレームのフープ部分及びハンドル部分内に位置するよう構成された第一および第二セクションを備えている。第二セクションは、長手方向方向で外方に向かって、第一セクションから延びている。ねじり安定性試験(ハンドル部分が試験用支えで固定的に支えられ、シャトルが時速約34マイル(54.71km)の入射速度でんで、フープ部分の幾何学的中心から左もしくは右に約1.25インチ(31.75mm)の位置でストリングベッドに衝突する試験)で測られた際、ラケットは、10.5度未満のねじれを有している。
この発明は、以下の詳細な説明と添付の図面から、より完全に理解されるであろう。図中、類似の参照番号は類似の部材を示している。
図1を参照する。バドミントンラケットが全体として符号10で示されている。ラケット10は、フープ部分12と、ラケット10の長手方向軸線16に沿ってフープ部分12から外方へ向かって延びるハンドル部分14とを有するフレームを備えている。ヘッド部分12は、張力を加えたストリングの実質的に平面状である格子(またはストリングベッド20とも称される)を支えるための曲線状の管状構造であり、略楕円形の開口18を画定するのが好ましい。他の好ましい実施例では、ヘッド部分12によって形成される開口を略涙滴状または略円状とすることができる。ヘッド部分12はハンドル部分14に連結している。好ましい一実施態様において、ヘッド部分12とハンドル部分14が一体に形成されている。
ヘッド部分12及びハンドル部分14は、軽量で、可撓性で、かつ耐久性のある材料、好ましくは炭素繊維複合材料で作られる。あるいは、ヘッド部分12及びハンドル部分14は他の材料、例えば他の非炭素繊維複合材料、アルミニウム、金属合金、熱可塑性材料、熱硬化性材料、およびそれらの組合せで作られる。ラケット10はストリングのない状態で約79.0〜95.0グラムの範囲内、ストリングを張った状態で約82.0〜98.0グラムの範囲内の質量を有することが好ましい。特に好ましい実施態様においては、ラケットのストリングを張った状態での質量は89.0〜92.0グラムの範囲内にある。他の好ましい実施例において、ラケットは、上に列挙した質量範囲より小さいまたはより大きい質量で作られる。
ヘッド部分12は、ストリングベッド20を受容し支えるための複数のストリング穴(図示せず)を備えているのが好ましい。ストリングベッド20は複数の主ストリング片22と複数の交差ストリング片24を交互に編むことによって形成されている。主ストリング片22は、軸線16と略平行な方向に開口18を横切って延び、交差ストリング片は長手方向軸線16に対して略直角をなし、あるいはこれを横切るように、開口18を横切って延びる。ヘッド部分12は、位置Aとして示されている幾何学的中心を有する。ラケットのヘッド部分のサイズ、または、ストリングベッド20のサイズは、48.0〜60.0平方インチ(30968〜38710mm)の範囲内とすることができる。好ましい一実施態様においては、ラケットのヘッド部分のサイズは、54.0〜56.0平方インチ(34839〜36129mm)の範囲内とすることができ、特に好ましい実施態様において、ヘッド部分のサイズは、約54.5平方インチ(35161mm)とすることができる。また代替的なヘッド部分のサイズは、約60.0平方インチ(38710mm)であることもある。
ハンドル部分14は、遠位端領域26及び近位端領域28を有する細長い管状部材である。ハンドル部分14の遠位端領域26は、フープ部分14に直接接続しているのが好ましい。ハンドル部分14の遠位端領域26は6−10mmの範囲内の外径を有するのが望ましい。特に好ましい一実施態様においては、遠位端領域26の外径は、6.75〜8.0mmの範囲内にある。特に好ましい他の実施態様においては、遠位端領域26の外径は、6.75〜7.25mmの範囲内にある。さらに他の特に好ましい実施態様においては、遠位端領域26の外径は、6.95〜7.05mmの範囲内にある。他の好ましい実施態様においては、近位端領域の外径は、約7.5mmとすることができる。
ハンドルのグリップ組立体30は、ハンドル部分14の近位端領域28に取り付けられている。ハンドル部分14はグリップ組立体をヘッド部分12から離間させており、ラケットに所望の長さを与えている。グリップ組立体は、ユーザーが握るために構成されており、パレット32、端キャップ34、およびグリップ36を備えているのが好ましい。パレット32は、ハンドル部分14の近位端領域28の外面上を滑動するか、または近位端領域28に取り付けられるよう構成される管状部材である。あるいは、パレットはハンドル部分と一体に形成される。端キャップ34は保護部材であり、全体としてハンドル部分14およびパレット32の近位端を覆う。グリップ36は、実質的にパレット32と端キャップ34の少なくとも一部をカバーする細長い帯状材料である。
図1〜4を参照し、ヘッド部分12が、より詳細に示されている。管状ヘッド部分12は、ヘッド部12(図2参照)の中間部から下部へ向かって漸増するのが好ましい。図2〜4は、3つの異なる場所でのヘッド部分のサイズおよび外側断面積の増加を示す。他の好ましい実施態様においては、ヘッド部分12のサイズは、ヘッド部分12の中央および下部に沿って略一定のままとすることができる。図1及び4を参照し、特に好ましい実施態様においては、装飾カバー38は、ヘッド部分12下端の上部に固定されている。カバー38は、ラケット10にユニークな美的デザインを提供し、またヘッド部分12の構造的完全性を増すために用いることもできる。
図5および6を参照し、ヘッド部分12およびハンドル部分14の接合をより詳細に示す。ヘッド部分12およびハンドル部分14は、一体に形成されるか、またはお互いに接続されているのが好ましい。略T字状の補強部材40は、ヘッド部分12及びハンドル部分14の接合点でフレーム内に位置するのが好ましい。補強部材40は強く、軽量の材料、好ましくは炭素繊維複合材料で作られる。あるいは、ヘッド部分12およびハンドル部分14は他の材料例えば他の非炭素繊維複合材料、アルミニウム、金属的合金、ポリウレタン、ナイロン、他の熱可塑性材料、他の熱硬化性材料、木材およびそれらの組合せで作られる。
補強部材40は、第一セクション42及び第二セクション44を備え、略T字状の本体部を有する。第一セクション42はヘッド部分12の下端内に位置するよう構成され、したがって長手方向軸線16を略横断する形で延びている。第二セクション44は、第一セクション42の下面から外方かつ下方に延びており、ハンドル部分14の遠位端領域26内に位置するように構成されている。第二セクション44は、軸線16と略平行に延びている。補強部材40は、中実の連続した部材として作られるのが好ましい。あるいは、第一セクション42および第二セクション44の一方または両方を中空とすることができる。さらに他の実施態様では、補強部材40は、一緒に接続して補強部材40を形成する2つ以上の副次的部材から作ることができる。
第一セクション42は、中心部50から外方へ向かって延びる左突端部46と右突端部48を備えている。複数のストリング穴52はヘッド部分12の中に作られている。そしてまた、離間した2つのストリング穴52が、第一セクション42の中に(左突端部46と右突端部48のそれぞれに一つ)作られているのが好ましい。ストリング穴52は、ラケットストリングがヘッド部分12を貫きその周りに延びてストリングベッド22を形成しこれを支えることを可能にしている。
図6を参照し、ヘッド部分12は、ヘッド部12の下端の上側の内面に形成される凹部54を備えているのが好ましい。凹部54は、補強部材40の第一セクション42の中心部50から上方かつ外方へ向かって延びる凸部56を受容する大きさとすることが有利である。凸部56が凹部54を実質的に満たすのが好ましい。凸部56とヘッド部12の下端との嵌合が、ラケット10のフレーム内での補強部材40の適正な位置決めを容易にし確実にしている。
図6〜10を参照し、補強部材40をより詳細に示す。第一セクション42は、第二セクション44より大きな寸法で構成される。補強部材の第一セクション42の左右それぞれの突端部は、外面58を有し、この外面58はストリングベッド22によって画定された面に対して略直角に位置する長手方向面に関して測定された第一断面積を画定する(図9を参照)。補強部材40の第二セクション44は、横断面に沿って測定される第二断面積を画定する外面60を有する(図10を参照)。好ましい一実施態様では、第一断面積は、第二断面積より少なくとも50パーセント大きい。特に好ましい実施態様において、第一断面積は第二断面積より少なくとも100パーセント大きく、また他の特に好ましい実施態様では、第一断面積は第二断面積より少なくとも150パーセント大きい。
さらに、左突端部46から右突端部48までの第一セクション42の長さは、長手方向軸線16に沿って測定した第二セクション44の長さよりもかなり長い。好ましい一実施態様では、第一セクション42の長さは、第二セクション44の長さより少なくとも30パーセント長い。特に好ましい実施態様では、第一セクション42の長さは第二セクション44の長さより少なくとも50パーセント長く、他の特に好ましい実施態様では、第一セクション42の長さは第二セクション44の長さより少なくとも80パーセント長い。
好ましい一実施態様において、第一断面積は24〜34mmの範囲内に、そして、第二断面積は5〜10mmの範囲内にある。特に好ましい一実施態様において、第一断面積は27〜31mmの範囲内に、第二断面積は7〜8mmの範囲内にある。第一セクション42は18〜24mmの範囲内の長さを有し、第二セクション44は4〜10mmの範囲内の長さを有する。特に好ましい一実施態様において、第一セクション42は21〜23mmの範囲内の長さを有し、第二セクション44は8〜9mmの範囲内の長さを有する。他の好ましい実施例において、第一および第二断面積と第一および第二セクションの長さには、他の寸法を用いることができる。
補強部材40は、ラケット10のヘッド部分12とハンドル部分14の間の接続を強化する。このことにより、ラケットの性能およびに使いやすさに悪影響を及ぼすことなく、確実性および耐久性を高めている。第一セクション42と比べて第二セクション44の大きさおよび長さを減らすことによって、不必要な質量を補強部材から排除し、スウィング方向におけるラケットの可撓性が悪影響を受けない。
補強部材40は、拡大した第一セクション42と共に、従来のバドミントンラケットよりもラケット10のねじり安定性およびねじり強さを顕著に高くする。ねじり安定性の増加は、ラケット10のコントロールおよび使いやすさを改善する。ラケット10のねじり安定性は、バドミントンラケットの高速ビデオ衝突試験において検証することができる。
図11を参照し、ねじり方向の曲げに対するラケットの耐久性は、ねじり安定性試験を通じて実証される。試験の際は、ハンドル部分14がグリップ36にてテストスタンド70内に固定される。固定した後、ラケットの長手方向軸線16が、フープ部分12の下方に位置するハンドル部分14と垂直となるように、ラケット10を配置する。例えば、カリフォルニア州トルーカのLobster Sports, Inc.製Model No.101等の空気砲72を、軌道に沿ってシャトル74を射出あるいは発射するよう配置し、シャトル74がストリングベッドに直角な方向から、キャップ端が前方を向いた形で、ラケットのフープ部分によって画定されるストリングベッドの幾何学的中心から左あるいは右へ約1.25インチ(31.8mm)の場所(図1の位置Bを参照)に衝突するようにする。空気砲はラケットのヘッド部分から約2フィート(610mm、図11の距離d)の位置に配置され、シャトル74が時速約34マイル(54.7km)の速度でストリングベッドに衝突するように、シャトル74を射出する。
例えば、カリフォルニア州サンディエゴのMotion Pro 製Model HS−4等の高速ビデオ装置76は、ラケットの上方に配置されて、ラケットの長手方向軸線に沿ってラケットの最上部を撮影するような方向に向けられる。高速ビデオ装置は、毎秒5000コマの速さで、画像を収集し、衝突前、衝突中、衝突後のシャトルおよびラケットを撮影する。高速ビデオ装置によって、シャトルの速度と同時に、シャトルの衝突に対するラケットのねじり方向および長手方向の曲げ量を測定することが可能となる。
試験の間、ラケットおよび空気砲は、上記の通りに配置される。シャトルは、時速約34マイル(54.7km)の入力速度で、ストリングベッド22へ向かって、キャップ端が前を向いた形で、空気砲から発射される。空気砲の方向から見た場合、シャトルはストリングベッドの幾何学的中心から右に(あるいは左に)約1.25インチ(31.8mm)のところでラケットに衝突するように発射される。高速ビデオカメラは、シャトルの衝突に反応して、ラケットのねじり方向および長手方向の曲げ量を記録する。
ねじり安定性試験を2種類の異なるバドミントンラケットに対して行った。第1のラケット(ヨネックス株式会社製ArmortecTM 800 Offensiveモデル)は、高性能のバドミントンラケットの代表であり、ヘッド部分及びハンドル部分の接合点でラケット内に位置する、従来略T字状の結合支持材を含む。第1ラケットは、ストリングを張った状態での質量が90.8グラムで、ヘッド部分のサイズが約54.5平方インチ(35161mm)である。第1ラケットのハンドル部分の遠位端領域は、約7.0mmの外径を有する。第2ラケット(ウィルソン(R) nCode(R) 1)は、本発明の実施態様に従って作られており、補強部材が炭素繊維複合材料で作られている。第2ラケットは、ストリングを張った状態での重量が約90.8グラムで、ヘッド部分のサイズが約54.5平方インチ(35161mm)である。第2ラケットのハンドル部分の遠位端領域もまた、約7.0mmの外径を有する。
ストリングベッドから2フィート(610mm)の位置に配置された(図11の距離d)空気砲からシャトルを射出した。ラケットの入力速度、長手方向の曲がりおよびねじり方向の曲がりを測定した。具体的には、ねじり安定性は、シャトルの衝突に対するラケットのねじり方向の曲がりすなわちよじれの量と相関関係にある。ねじり方向の曲がり、すなわちよじれは、ラケットの長手方向に対しての角度で測定される。第1ラケット(ヨネックスArmotec 800)に衝突する前のシャトルの入力速度は時速33.42マイル(53.8km)であり、第2ラケット(ウィルソン(R) nCode(R) 1)に衝突する前のシャトルの入力速度は時速33.82マイル(54.4km)であった。第1ラケット(ヨネックスArmotec 800)のねじり方向の曲がりは11.5度と測定され、第2ラケット(ウィルソン(R) nCode 1(R))のねじり方向の曲がりは9.3度と測定された。
したがって、ねじり安定性試験は、ストリングを張った状態での質量とヘッド部分のサイズが実質的に同じであり、ハンドル部分の遠位端領域の外径が実質的に同じである2つのバドミントンラケットから顕著に異なるねじり安定性の結果が得られることを示している。具体的には、ねじり安定性試験は、本発明の一実施態様に従って作られたラケットであるウィルソン(R) nCode 1(R)が、従来の略T字状の補強部材を有するラケットであるヨネックスArmotec 800より20パーセント以上もねじり方向に安定していることを示している。ねじり安定性試験で測定した場合に、第2ラケットは10.5度未満のねじり方向曲がりを呈した。また、第2ラケットのねじり方向曲がりは、10.0度未満および9.5度未満でもあった。
本発明のラケット等の高レベルのねじり安定性を有するラケットは、ねじり安定性のレベルが低いラケットよりもコントロールしやすく、正確性も改善されている。また、ねじり安定性が改善されたラケットは、通常、プレーヤーが良好な感触およびより楽しいプレーを経験することを可能にする。
本発明は、ラケットの性能、使いやすさ、操作性に悪影響を与えることなく、ラケットの耐久性および確実性を改善するものである。本発明は、ラケットの質量に悪影響を及ぼすことなく、そして、スウィング方向におけるラケットの可撓性に悪影響を及ぼすこともなく、これらの利点を提供するものである。更に、本発明は、ラケットの複雑さやコストを顕著に増大させることなく、容易に生産され得るものである。
本発明の好ましい実施態様を説明し図示してきたが、当業者によって、そこから多数の発展が考察され得る。従って本発明は、前述の説明によって限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲および精神によってのみ限定されるものである。
本発明の好ましい実施態様に従うバドミントンラケットを正面図である。 図1の線2−2に沿って得たフレームのヘッド部分の断面図である。 図1の線3−3に沿って得たフレームのヘッド部分の断面図である。 図1の線4−4に沿って得たフレームのヘッド部分の断面図である。 図5は、ラケットのストリングのない状態での、図1のバドミントンラケットの一部の分解図である。 ラケットのストリングのない状態での、図1のバドミントンラケットの一部の長手方向断面図である。 組み立て前の、図1のバドミントンラケットの補強部材を上面斜視図である。 図7の補強部材の側面図である。 図8の線9−9に沿って得た補強部材の長手方向断面図である。 図8の線10−10に沿って得た補強部材の横断面図である。 バドミントンラケットの方へ射出されたシャトルを含む、ねじり安定性試験組立体の側面図である。
符号の説明
10 ラケット
12 管状ヘッド部分
14 ハンドル部分
14 ハンドル部分
20 ストリングベッド
22 主ストリング片
22 主ストリング片
26 遠位端領域
28 近位端領域
30 グリップ組立体
32 パレット
36 グリップ
38 装飾カバー

Claims (23)

  1. ストリングベッドを支える管状のフープ部分および管状のハンドル部分を有するフレームを備え、長手方向軸線に沿って延びるバドミントンラケット用の補強部材において、該補強部材は、
    略T字状で、第一および第二セクションを有する本体部を備え、
    前記第一セクションは、ストリングベッドに対し略直角に位置する長手方向断面に関して測定される第一断面積を画定する外面を有しており、
    前記第二セクションは、長手方向で外方に向かって第一セクションから延び、横断面に関して測定される第二断面積を画定する外面を有しており、
    第一および第二セクションは、それぞれ、フレームのフープ部分およびハンドル部分内に位置するよう構成されており、
    第一断面積は、第二断面積より少なくとも100パーセント大きく、
    フープ部分の上側の内面に凹部を備え、補強部材の前記第一セクションの中心部の一部のみが、少なくとも一部が前記第二セクションと反対側に向かって延びて、凹部を満たす大きさの凸部を備えることを特徴とする補強部材。
  2. 本体部が中空である、請求項1に記載の補強部材。
  3. 本体部が連続しており実質的に中実の構造を有する、請求項1に記載の補強部材。
  4. 第一セクションが左端部、右端部および左端部から右端部までを測定した第一の長さを有し、第二セクションが長手方向軸線に沿って測定した第二の長さを有し、第一の長さが第二の長さよりも少なくとも30パーセント大きい、請求項1に記載の補強部材。
  5. 第一の長さが第二の長さよりも少なくとも50パーセント大きい、請求項1に記載の補強部材。
  6. 管状フープ部分および管状ハンドル部分を含むフレームと
    フープ部分で支えられるストリングベッドと
    略T字状の補強部材を備え、該補強部材は、
    第一および第二セクション含み、
    前記第一セクションは、ストリングベッドに対し略直角に位置する長手方向断面に関して測定される第一断面積を画定する外面を有しており、
    前記第二セクションは、長手方向で外方に向かって第一セクションから延び、横断面に関して測定される第二断面積を画定する外面を有しており、
    第一および第二セクションは、それぞれ、フレームのフープ部分およびハンドル部分内に位置するよう構成されており、
    第一断面積は、第二断面積より少なくとも100パーセント大きく、
    フープ部分の上側の内面に凹部を備え、補強部材の前記第一セクションの中心部の一部のみが、少なくとも一部が前記第二セクションと反対側に向かって延びて、凹部を満たす大きさの凸部を備えることを特徴とするバドミントンラケット。
  7. フープ部分の径方向断面積が、フープ部分がハンドル部分につながる位置またはそれに隣接する位置で最大となる、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  8. 補強部材が中空である、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  9. 補強部材が連続した中実の構造を有する、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  10. 第一セクションが少なくとも2つの離間したストリング穴を備える、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  11. 補強部材が炭素繊維複合材料で作られる、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  12. 補強部材が、非炭素繊維複合材料、アルミニウム、ポリウレタン、ナイロン、高分子材料およびそれらの組合せからなる群より選択される材料で作られる、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  13. 第一セクションが左端部、右端部および左端部から右端部までを測定した第一の長さを有し、第二セクションが長手方向軸線に沿って測定した第二の長さを有し、第一の長さが第二の長さより少なくとも30パーセント大きい、請求項6に記載のバドミントンラケット。
  14. 第一の長さが第二の長さより少なくとも50パーセント大きい、請求項13に記載のバドミントンラケット。
  15. 長手方向軸線に沿って延び、シャトルに衝突するように、そしてねじり安定性試験の試験用支え内に位置するよう構成されているバドミントンラケットにおいて、該ラケットが、
    フープを画定する管状のフープ部分と管状のハンドル部分を備え、ヘッド部のサイズが約54.5平方インチ(35161mm)であり、ハンドル部分は、6.75〜7.25mmの範囲内の外径を有する遠位端領域を有するフレームと、
    フープ部分によって支えられており、ストリングを張った状態でのラケットの重量が88.0〜93.5グラムの範囲内となるストリングベッドと、
    略T字状の補強部材とを備え、該補強部材は、
    第一セクションおよび第一セクションから長手方向で外方に延びる第二セクションを含み、
    第一および第二セクションがそれぞれフレームのフープ部分およびハンドル部分内に位置するよう構成されており、ラケットは、ハンドル部分を試験用支えで固定し、時速約34マイル(54.71km)の入射速度で飛行するシャトルがフープ部分の幾何学的中心から左または右に約1.25インチ(31.75mm)の位置でストリングベッドに衝突するねじり安定性試験で測った際に、ねじり方向曲がりが10.5度未満であり、
    第一および第二セクションそれぞれが外面を有し、第一セクションの外面が、ストリングベッドに略直角に位置する長手方向断面に関して測定された第一断面積を画定し、第二セクションの外面が、横断面に関して測定された第二断面積を画定し、第一断面積が第二断面積よりも少なくとも100パーセント大きく、
    フープ部分の上側の内面に凹部を備え、補強部材の前記第一セクションの中心部の一部のみが、少なくとも一部が前記第二セクションと反対側に向かって延びて、凹部を満たす大きさの凸部を備えることを特徴とするバドミントンラケット。
  16. 遠位端領域の外径が6.95〜7.05mmの範囲内にある、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  17. ストリングを張った状態でのラケットの質量が89〜92グラムの範囲内にある、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  18. ねじり安定性試験で測った際に、ラケットのねじり方向曲がりが10度未満である、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  19. ねじり安定性試験で測った際に、ラケットのねじり方向曲がりが9.5度未満である、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  20. ねじり安定性試験で測った際に、ラケットのねじり方向曲がりが10度未満である、請求項16に記載のバドミントンラケット。
  21. 補強部材が中空である、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  22. 補強部材が連続した中実の構造を有する、請求項15に記載のバドミントンラケット。
  23. 第一セクションが左端部、右端部および左端から右端までを測定した第一の長さを有し、第二セクションが長手方向軸線に沿って測定した第二の長さを有し、第一の長さは第二の長さより少なくとも30パーセント大きい、請求項15に記載のバドミントンラケット。
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