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JP5101815B2 - フルオロポリマー分散液の製造方法 - Google Patents

フルオロポリマー分散液の製造方法 Download PDF

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JP5101815B2 JP2005379657A JP2005379657A JP5101815B2 JP 5101815 B2 JP5101815 B2 JP 5101815B2 JP 2005379657 A JP2005379657 A JP 2005379657A JP 2005379657 A JP2005379657 A JP 2005379657A JP 5101815 B2 JP5101815 B2 JP 5101815B2
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Description

本発明は、実質的にフッ素化界面活性剤、特にフッ素系イオン性界面活性剤がないフルオロポリマー水性分散液の製造方法に関する。
より具体的には、本発明は、酸またはその塩の形態にあるペルフルオロオクタノエートが実質的にない、フルオロポリマーの水性分散液の製造方法に関する。
フッ素化アニオン性界面活性剤が実質的にないフルオロポリマーの水性分散液の状態にとっては、フルオロポリマー重量に対するフッ素化界面活性剤の含有量は、100ppmより下、とりわけ50ppmより下、更にとりわけ5ppmより下であることを意味する。
フッ素化ポリマーの製造にとって、2種類の異なる重合方法:懸濁重合と乳化重合があることが、先行技術では周知である。懸濁重合において、ミリメーターサイズを有するポリマー顆粒が得られる。乳化重合においては、数ナノメーターから、一般に10nmから、数百ナノメーターまで、100nm〜400nmのオーダーの粒径を有する、コロイド状水性分散液が得られる。
フルオロポリマー乳化重合法は、穏やかな撹拌で、かつ低分子量のフルオロポリマー、それ故の乏しい開会的特性を有することを得ることを避けるために連鎖移動剤として作用しない界面活性剤の存在下に行なわれる、該界面活性剤は非テロゲン性界面活性剤と呼ばれ、例えば米国特許第2,559,752号を参照されたい。ペルフルオロアルカン酸の塩、特にペルフルオロオクタン酸(以後PFOAと表示される)のアンモニウム塩および/またはアルカリ金属塩は、産業的には非常に多く使用されている。他のアニオン性(ペル)フッ素化界面活性剤もまた使用され、例えば米国特許第3,271,341号、米国特許第4,380,618号、米国特許第4,864,006号、米国特許第5,789,508号を参照されたい。
PFOAは、テロゲンではなく、従って高分子量を有するフッ素化ポリマーの分散液を得ることができ、また長時間安定な分散液を得ることができるから、乳化重合において、工業的に最も利用される界面活性剤である。コーティングあるいは繊維、特にガラス繊維の含浸としてのフルオロポリマー分散液の用途において、前記フッ素化界面活性剤は、例えば洗浄廃水を通して、あるいは乾燥および/または焼成工程中に大気中における分散で、環境に到達できることもまた知られている。
しかしながら、前記界面活性剤のいくつかは、ヒトの体内からの低い生物的排出速度で特徴付けられるので、環境に対して危険として分類されている。例えばPFOAは、ヒトにおいて長い残留時間を有し、環境にとって極めて危険な界面活性剤に属すると思われている。したがって、そのため、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がない、特にPFOAがないフルオロポリマー分散液の、ユーザーからの要求がある。
フルオロポリマー分散液は、分散液100重量部に対して、20%〜35重量%の間のフッ素化ポリマーの濃度を用いる乳化重合方法から得られる。
重合工程から得られるフルオロポリマー分散液は、75重量%に至るまで濃縮されたフルオロポリマー分散液を得るために、後処理の付され得る。その濃縮方法は、例えば米国特許第3,037,953号、米国特許第3,704,272号および米国特許第3,301,807号に開示されているように、例えばデカンテーション法により行なわれ得る。
フルオロポリマー分散液のもう一つの濃縮方法は、いわゆる限外ろ過法であり、例えば米国特許第4,369,266号および米国特許第6,136,893号に開示されている。米国特許第4,369,266号には、限外ろ過法の変法が開示されており、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がない、例えばPFOAがないフルオロポリマー水性分散液を得ることを可能にする。
この方法はフルオロポリマー分散液の透析に基づいており、浸透はアニオン性交換樹脂を用いることで、PFOAから精製される。この方法は、工業的に実施可能である。欠点は、特に、ポリマー重量に対して10ppmより低い、非常に低いPFOA含量のフルオロポリマー分散液を得るための透析方法が遅いことである。
非イオン性界面活性剤で安定化された分散液のアニオン性交換樹脂との直接接触により、実質的にPFOAがないポリマー性分散液を得るための方法も公知である。例えば米国特許第3,536,643号、欧州特許第1,155,055号、国際特許公開第03/051988号、米国特許公開第2003/0220442号を参照されたい。
米国特許第6,794,550号には、1〜3の間のpHを有する分散液の蒸留によって、実質的にPFOAがない分散液を得るための方法が記載されている。この方法は、分散液の強い不安定性および凝塊形成の高い可能性をもたらすという欠点を持っている。その上、工業的方法の操作の間に問題を生じる、著しい泡の量が形成されるという欠点がある。
エマルジョンまたはマイクロエマルジョン重合方法によって得られるフルオロポリマー分散液は、一般に、以下の特徴:
− 10nm〜400nm、好ましくは20nm〜300nmの粒径;
− 10%〜45重量%、好ましくは20%〜35%のフルオロポリマー濃度;
− ポリマー重量に対して800ppm〜200,000ppm、好ましくは1,200ppm〜6,000ppmの範囲にあるフッ素化アニオン性界面活性剤の量;
を有する。
工業的観点から、乳化重合方法によって得ることができるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液は、典型的には180nm〜400nm、好ましくは200nm〜300nm、更により好ましくは220nm〜280nmの平均粒径を有する。フッ素化アニオン性界面活性剤の量は、ポリマー重量に対して約2,500ppm〜約5,000ppm、好ましくは3,000ppm〜4,000ppmである。
例えばマイクロエマルジョン重合によって、10nm〜100nm、好ましくは20nm〜80nm、更に好ましくは30nm〜70nmの直径を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を得る方法は、先行技術で公知である。例えば米国特許第6,297,334号を参照されたい。典型的に前記分散液は、ポリマー重量に対して約800ppm〜約200,000ppm、好ましくは1,200ppm〜40,000ppmのフッ素化アニオン性界面活性剤の量を含有する。
工業的用途のため、前記分散液は、例えば非イオン性界面活性剤の存在下、加熱によって、または限外ろ過によって、フルオロポリマーの固形分含量75%に至るまで濃縮される。上記の文献を参照されたい。
上記の特許に記載されているPFOAを除去するための方法を用いて、前述のように、非イオン性界面活性剤、一般にエトキシル化アルキルフェノールまたはエトキシル化アリファティック アルコールが添加される。例えばトリトン(登録商標)X100およびゲナポール(登録商標)X−080が用いられる。
これらの分散液の欠点は、フルオロポリマー分散液、特にPTFEの分散液で用いられる通常の方法では、凝固できないということである。
実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がなく、凝固可能な、有用なフルオロポリマー分散液を入手できるための、切実な要求があった。
本発明者らによって、上述の技術的問題を解決する方法が見出された。
本発明によるフルオロポリマー分散液は、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がなく、表面のコーティング用、繊維の含浸用、キャストフィルム成形用およびポリマーまたは無機材料の添加用に有用である。
本発明の目的は、 以下の工程:
a) フルオロポリマー分散液への、1以上の非フッ素化アニオン性界面活性剤の添加;
b) 分散液とアニオン交換体との接触;
c) アニオン交換体からの分散液の分離と、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がない分散液の回収;
を含む、フルオロポリマー分散液からの、フッ素化アニオン性界面活性剤を実質的に除去する方法である。
好ましくは、工程a)の前に、フルオロポリマー分散液のpH値が、7〜12、好ましくは8〜10の範囲に調節される。使用される塩基は、強または弱塩基、有機または無機塩基であり得;無機塩基、更により好ましくは、アンモニア水溶液が好適に用いられる。
本発明の方法において用いられるフルオロポリマー分散液は、エマルジョンあるいはマイクロエマルジョン重合方法によって得られる。フルオロポリマー濃度は、一般に10%〜45%、好ましくは20%〜35%の範囲である。
本発明の方法の工程a)において使用可能な非フッ素化アニオン性界面活性剤は、直鎖または分枝鎖状構造を有し、1以上、好ましくは1つのアニオン性の基を持つ、アニオン性界面活性剤である。一般に、その界面活性剤は、分子量/(界面活性剤中に存在するアニオン性の基の数)で定義される350より高い、好ましくは600より高い当量を有する。一般に、本発明の方法で用いられ得るアニオン性界面活性剤の当量は、5,000より低く、より好ましくは3,000より低く、更により好ましくは1,500より低い。
アニオン性界面活性剤の分子量は350より高く、好ましくは400より高く、更により好ましくは600より高いく。一般に、前記アニオン性界面活性剤の分子量は5,000より低く、より好ましくは3,000より低く、更により好ましくは1,500より低い。
前記界面活性剤の分子中に存在するアニオン性の基は、好ましくはカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩:好ましくはカルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩から選択される。
本発明の方法で使用可能なアニオン性界面活性剤は、好ましくは、以下の化合物のクラス:
− 以下の一般式:
Y'−(P1)n−CH(Y)−(P2)n'−Y'' (1)
[式中、
Y、Y'またはY''の少なくとも1つがアニオン性の基であり、残りのY、Y'またはY''の少なくとも1つが非イオン性の基であるという条件付きで、Y、Y'およびY''はアニオン性または非イオン性の基であり;
1およびP2は、等しいか異なって、可能であれば任意に1以上の不飽和を含有してもよく、可能であれば1〜10、好ましくは1〜6の炭素原子の数を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基であり;
nおよびn'は,等しいか異なって、0または1である]
を有するアニオン性界面活性剤;
− 以下の一般式:
T−(O)n6−[(CH2)n3−CH2CH2O]n4−(CH2)n5−X (2)
[式中、
TはC4-18アルキル基か、または1以上の水素原子がC4-18、好ましくはC6-12脂肪族鎖で置換されたアリール基であり;
n3、n6は、互いに等しいか異なって、0または1に等しい整数であり;
n4は整数で、0〜100、好ましくは1〜50、更により好ましくは2〜30を範囲とし;
n5は0〜10、好ましくは0または1の整数であり;
Xは、n5=0の場合、X=SO3 -であるという条件で、COO-、SO3 -から選択されるアニオン性の基である]
を有するアニオン性界面活性剤:
から選択される。
式(1)の界面活性剤における好ましいアニオン性の基は、SO3 -、HPO3 -、COO-から選択される。対応するカチオンは、一般にH+から、またはアルカリ金属のカチオン、アンモニウムイオンまたは置換アンモニウムのものから選択される;最も好ましいアニオン性の基は、アルカリ金属のカチオン、アンモニウムイオンまたは置換アンモニウムで塩化されたSO3 -である。
式(1)の界面活性剤における好ましい非イオン性の基は、以下から選択される:
COOR、CONHR、CONH2、CONRR'、
[式中、
− RおよびR'は、等しいか異なって、以下の:
− 飽和または少なくとも1つの不飽和、好ましくはエチレン型を含有する、直鎖状または分枝鎖状のC2-20、好ましくはC5-15、より好ましくはC7-15水素化アルキル基であり;そのアルキル基が少なくとも6の炭素原子数を持つとき、1以上の芳香環を含有でき;そのアルキル基において、1以上の水素原子は、フッ素または塩素原子で置換され得、水素化(炭化水素)アルキル基が好ましい;
− アルキルシロキサン基(ここで、そのアルキルは炭素原子1〜7を含有し、好ましくはアルキルはメチルである);
の意味を有する]
から選択される。
式(1)の界面活性剤において、非イオン性の基の中ではCOORが好ましく、ここでRは上記の通りであり;式(1)の化合物において、2個の非イオン性の基COORが存在するとき、それぞれのCOOR基におけるアルキル基は、互いに等しいかまたは異なり得る。
式(1)において、好ましくはYはアニオン性の基であり、Y'、Y''は互いに等しいかまたは異なって非イオン性の基であり;nおよびn'の間の一つは1の値を有し、もう一つはゼロの値を有し;nまたはn'がゼロとは異なる場合、P1またはP2はメチレンである。
式(1)の界面活性剤の中で、以下の構造を持つものが好ましい:
− C1021OOC−CH2−CH(SO3 -)−COOC1021
ジ-イソデシルスルフォサクシネート ナトリウム塩、商標エマルゾゲン(EMULSOGEN、登録商標)SB10(クラリアント(Clariant、登録商標))で公知である;
− C1327OOC−CH2−CH(SO3Na)−COOC1327
ジ-イソトリデシルスルフォサクシネート ナトリウム塩、商標ポリロール(POLIROL、登録商標)TR/LNA(セサルピニア(CESALPINIA、登録商標)ケミカルズ)で公知である。
式(2)の界面活性剤の対イオンは、一般に上記の式(1)のアニオン性界面活性剤のための上記のものである。
式(2)の界面活性剤の中では、以下の構造を持つものが好ましい:
− (C917)2−C63−O−[CH2CH2O]15-20−(CH2)−COOH
カルボキシリック ジノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル酸、商標マーロウェット(Marlowet、登録商標)4530(サソール)で公知である;
− (C12-1425-29)−O−[CH2CH2O]10−(CH2)−COONa
12−C14−アルコール ポリエチレングリコール エーテル(10EO)カルボキシメチル化ナトリウム塩、商標マーリナット(Marlinat、登録商標)105/80(サソール)で公知である;
− (C12-1425-29)−O−[CH2CH2O]3−SO3Na
12−C14−アルコール ポリエチレングリコール エーテル(3EO)ナトリウム塩サルフェート、商標コスマコール(Cosmacol、登録商標)AES−27−3−24NE(サソール)で公知である。
本発明において、上記のクラスの1以上の界面活性剤が用いられ得る。
工程a)において、アニオン性界面活性剤は、フルオロポリマー重量に対して重量パーセントで、一般に1%〜10%の間、好ましくは2%〜5%の間、更により好ましくは2.5%〜4%の間に含まれる量で添加される。一般に、界面活性剤量は、用いられるアニオン性界面活性剤のタイプに依存する。実質的な凝固現象なしに、本発明の結果を得るに充分な最小量が、普通の試験で簡単に決定される。
本発明の方法の工程b)において使用できるアニオン性交換樹脂(アニオン交換体)のうち、「Kirk -Othmer - Encyclopedia of Chemical Technology」第14巻、第737〜783頁、J. Wiley & Sons、1995、に記載のアニオン性交換樹脂が挙げられる。好ましいアニオン性交換樹脂のうち、第三級または第四級アンモニウム基を含有する樹脂が挙げられる。好ましい市販の樹脂の中では、アンバージェット(Amberjet、登録商標)4400 OH(ローム&ハース)およびダウエックス(Dowex、登録商標)MSA1−C(ダウ)が挙げられる。本発明の方法において使用されるイオン交換樹脂は、強塩基性、中塩基性、弱塩基性型であり得る。好ましくは、強塩基性樹脂が用いられる。
工程b)は連続的または非連続的方法、好ましくは非連続的方法で行なわれ得る。例えば工程b)は、約300〜400μmのサイズを有する顆粒の形成下に、アニオン交換体の添加により、遂行され得る。一般に、添加される量は、分散液重量に対して、1%〜10重量%のオーダーである。
非連続的方法において、本発明の界面活性剤を含むフルオロポリマー分散液とイオン交換樹脂とで形成された混合物は、例えばタンクの中で、例えば5ppmより低い所望の値に至るまで、フッ素化界面活性剤を取り除くのに充分な時間の間撹拌され、次いで、例えばろ過法により、樹脂からフルオロポリマー分散液が分離される。
発明の方法のもう一つの態様は、工程b)のイオン交換樹脂で充填したカラムに、
フルオロポリマー分散液を通過させることである。この態様においては、連続的方法が好ましく用いられる。
連続的方法において、フッ素化界面活性剤が除去されるべきフルオロポリマー分散液は、イオン交換樹脂で充填されたカラム通すか、または連続するより多くのカラムを通して供給される。この方法は、所望のフッ素化界面活性剤の値になるまで、1回以上繰り返され得る。半連続的方法で操作することも可能であるが、そこでは、撹拌下にタンク内に供給される本発明のフルオロポリマーの分散液とイオン交換樹脂とで形成された混合物は、所望の値でのフッ素化界面活性剤を除去するのに充分な時間の間、撹拌下に維持される。次いで、フルオロポリマー分散液は、タンクから排出され、例えばろ過により、樹脂から同時に分離され、そして処理されるべき新しい分散液がタンクに添加される。
工程b)において、ポリマー性分散液とアニオン性交換体の接触時間は、一般に24時間より短く、好ましくは8時間より短く、更により好ましくは4または2時間より短い。
本発明の方法は、一般に5℃〜45℃の間の温度で行なわれる。
本発明の方法が、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がないフルオロポリマー分散液を得ることを可能にすることが、驚くべきことに、かつ意外なことに本発明者らによって見出された。その上、生産性が高い。本発明の方法において、驚くべきことに凝固の形成が原因の実質的なフルオロポリマーの損失は無い。用いられたアニオン性界面活性剤は、フルオロポリマー分散液の中に実質的に残存している。
本発明の方法を用いて得られる結果は、アニオン性界面活性剤は、アニオン性交換樹脂との接触の間に分散液から除去され、それ故に、分散液の凝固が得られると予期されていたから、驚くべきことであり、予期できないことである。
上記のように、本発明の方法での、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がない、特に酸または塩の形態のパーフルオロオクタノエートがない水性フルオロポリマー分散液が得られる。実質的にフッ素化界面活性剤がないフルオロポリマー水性分散液にとっては、フッ素化界面活性剤の含量が、フルオロポリマー重量に対して100ppmより低い、特に50ppmより低い、更にとりわけ5ppmより低いことを意味する。
本発明の方法において使用できるフルオロポリマー分散液を得るための重合方法は、エマルジョンまたはマイクロエマルジョン重合方法である。
そのエマルジョン重合方法は、以下の特許:米国特許第2,559,752号、米国特許第4,380,618号、米国特許第5,789,508号、米国特許第6,479,591号、米国特許第6,576,703号、および米国公開特許第2003/01534674号
に記載されている。
マイクロエマルジョン重合方法は、本出願人の名前で以下の:米国特許第4,864,006号および米国特許第6,297,334号、に記載されている。マイクロエマルジョン重合方法の中で使用されるマイクロエマルジョンは、米国特許第4,864,006号および米国特許第4,990,283号に記載されている。
本発明の方法において使用される分散液フルオロポリマー類は、例えば:
− テトラフルオロエチレン(TFE)ホモポリマー類、および、エチレンタイプの少なくとも1つの不飽和を有するモノマーとのTFEコポリマー類;
− PFA、MFA、FEPおよびETFEのようなTFEに基づく熱加工可能なフルオロポリマー類(溶融状態から)
− VDFを基本とするホモポリマー類およびコポリマー類;
− CTFEを基本とするホモポリマー類およびコポリマー類、例えばPCTFEおよびE/CTFEコポリマー;
− VDFを基本とするフルオロエラストマー類:
−任意にエチレンおよびプロピレンのような水素化オレフィン類を含有しても良い;ペルフルオロビニルエーテル類および/またはペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類から選択される、任意にTFEおよび/またはビニルエーテル類を含有してもよいVDF/HFP;
− TFEを基本とする(ペル)フルオロエラストマー類:
− ペルフルオロアルキルビニルエーテル類および/またはペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル類から選択される、ビニルエーテルとのTFEコポリマー類;特に、TFE/PMVE、TFE/PEVE、TFE/PPVE;
− 水素化オレフィン類、好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンとの、TFEコポリマー類;
− 5〜7原子を有するジオキソール環を含む、TFEおよび/またはVDF非晶性および/または結晶性フルオロポリマー類、特に(ペル)フルオロジオキソール類、または環化によりジオキソール環を生じるジエン性モノマー類との共重合のより得られるもの;
である。
エチレンタイプの少なくとも1つの不飽和を有するモノマー類とのテトラフルオロエチレン(TFE)コポリマー類は、水素化およびフッ素化タイプのコモノマー類を含む。このコモノマー量は、非熱加工性コポリマー類を得るためには、好ましくは3重量%より低く、好ましくは1重量%より低い(いわゆる改質PTFE)。
水素化コモノマー類、すなわち、フッ素を含有しないコノモマー類のうち、エチレン、プロピレン、アクリルモノマー類、例えばメチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチレンアクリレート、スチレンモノマー類、例えばスチレンが挙げられる。
フッ素化コモノマーのうち:
− ヘキサフルオロプロペン(HFP)のような、C3−C8ペルフルオロオレフィン類;
− ビニルフルオライド(VF)、ビニリデンフルオライド(VDF)、トリフルオロエチレン、CH2=CH−Rf0ペルフルオロアルキルエチレン(ここで、Rf0はC1−C6ペルフルオロアルキルである)のような、C2−C8水素化ペルフルオロオレフィン類;
− クロロトチフルオロエチレン(CTFE)のような、C2−C6塩化-および/または臭化-および/またはヨウ化-フルオロオレフィン類;
− CF2=CFORf0(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル類(PAVE)(ここで、Rf0はC1−C6(ペル)フルオロアルキル、例えばCF3、C25、C37である);
− CF2=CFOX0(ペル)フルオロオキシアルキルビニルエーテル類(ここで、X0はC1−C12アルキル、またはC1−C12オキシアルキル、または1以上のエーテル基を有するC1−C12(ペル)フルオロオキシアルキル、例えばペルフルオロ−2−プロポキシプロピルである);
− フルオロジオキソール類、好ましくはペルフルオロジオキソール類;
が挙げられ得る。
本発明の方法で使用可能な、エマルジョンまたはマイクロエマルジョン重合により得ることができる分散液の好ましいフルオロポリマー類は、TFEコポリマー類またはTFEホモポリマー類である。本発明の方法で除去されるフッ素化アニオン性界面活性剤は、好ましくはPFOAである。
出発する分散液は、単頂性または2頂性または多頂性であり得る。2頂性または多頂性分散液については、例えば米国特許第6,576,703号、米国特許第6,518,352号の本出願人名義の特許を参照されたい。
上記のように、本発明の方法は、高い生産性と実質的にフルオロポリマーの損失がないことにより特徴付けられる。
本発明の方法で得られる、本質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がないフルオロポリマー分散液は、良好な貯蔵安定性で特徴付けられ、通常のフルオロポリマー用途において用いられ得る。本発明の方法で得ることのできる本分散液は、そのままであるいは処方されて、有機および/または無機ポリマー類、金属またはセラミック類の表面のコーティング用;繊維、好ましくはガラス繊維の含浸用、キャストフィルムの製造用、ポリマーまたは無機物質用の添加剤用などに使用することもできる。
本発明の方法によって得ることのできる分散液は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤と一緒に;有機もしくは無機化合物および/または例えば無機タイプの充填剤と一緒に;溶媒;揺変性剤;殺生物剤;樹脂、例えばアクリル、シリコン、ポリアミドイミド樹脂;ポリエチレングリコール、およびその他の当業者に公知の添加剤と一緒に処方され得る。
本発明の方法で得ることのできる分散液は、例えば限外ろ過やクラウディング(clouding)方法による濃縮のような、従来の後処理方法に付され得る。米国特許第4,369,266号、米国特許第3,037,953号、米国特許第3,704,272号、米国特許第3,301,807号の特許を参照されたい。
本発明の更なる目的は、本発明による非フッ素化アニオン性界面活性剤を含み、本発明の方法で得ることのでき、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がないフルオロポリマー分散液である。これらの分散液は安定である。エトキシル化アルキルフェノール類およびエトキシル化アルコール類のような非イオン性界面活性剤は、たとえ必要がなくても任意に添加され得る。これらの分散液は、上記のように処方することができる。
以下の実施例は、非制限的な目的で、本発明を説明する。
実施例で記載されているパーセントは、別に示していなくても重量パーセント(%)である。非フッ素化アニオン性界面活性剤の溶液は、対応する市販品から出発して、通常の実験室手法により調製される。商品名マーロウェット(Marlowet、登録商標)4530で公知のアニオン性界面活性剤の特別な場合は、溶液はアンモニアでの中和により調製された。
PFOAはガスクロマトグラフによって決定される。
実施例1
エマルジョン重合
100g/リットルの濃度のアンモニウム ペルフルオロオクタノエート水溶液11gと、厳密に脱気した脱塩水31リットルを、機械的撹拌器を備え、予め真空下に置かれた50リットルのオートクレーブ中に導入する。この反応器中に、52℃〜54℃の間の軟化点を有するパラフィン140gも予め導入しておいた。このオートクレーブを機械的撹拌下に、68℃の温度で、20バールに至るまでTFEで加圧した。この時点で、(NH4)228(APS)400mgとジスクシニック ペルオキシド(DSAP)2,000mgに相当する、APSとDSAPの溶液500mlを、オートクレーブの中に供給する。
反応器の中の圧力が0.5バール下がったら、反応器内が20バールの一定圧力を保つようにコンプレッサーを用いてTFEの供給を開始する。その間、反応器の内部温度を、0.5℃/分の速度で78℃まで昇温する。反応の間、アンモニウム ペルフルオロオクタノエートの100g/リットルの水溶液50.6gをオートクレーブ内に供給する。90分後に、TFEの供給を中断し、15,800gのTFEが反応した時、反応器を通気して冷却した。排出されたラテックスは、30重量%に等しい固形分含有量を有し、pHは3.9に等しい。
レーザー光散乱(LLS)により測定されたポリマー一次粒子の平均直径は240nmに等しい。
POAF含有量は、ポリマーに対し3,900ppmである。
実施例2(比較例)
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gに、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(Amberjet、登録商標)4400 OHを添加した。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機により穏やかな撹拌に付す。処理を始めて1時間後には既に、分散液に凝固が現れる。
実施例3
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから出発し、コスマコール(Cosmacol、登録商標)AES27−3−24の5%水溶液とともに、ビーカー中で混合して、PTFEに対してコスマコール(登録商標)AES27−3−24を4%を含む分散液試料を調製する。このようにして得た試料のPTFE含有量は24.2重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機により4時間穏やかな撹拌下に保持する。最後に、フルオロポリマー凝固がないと思われる分散液を、150μmメッシュのネットでのろ過により、樹脂から分離する。得られた分散液のPTFE含有量は24.2重量%に等しい。PTFE重量に対するPFOA含有量は、5ppmより低い。
実施例4
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてマーリナート(Marlinat、登録商標)105/80の5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してマーリナート(登録商標)105/80を2%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、26.8重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて8時間穏やかな撹拌下に保持する。最後に、フルオロポリマー凝固がないと思われる分散液を、150μmメッシュのネットでのろ過により、樹脂から分離する。得られた分散液のPTFE含有量は26.8重量%に等しい。PTFE重量に対するPFOA含有量は、5ppmより低い。
実施例5
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてマーロウェット(登録商標)4530の5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してマーロウェット(登録商標)4530を2%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、26.8重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて2時間穏やかな撹拌下に保持する。最後に、フルオロポリマー凝固がないと思われる分散液を、150μmメッシュのネットでのろ過により、樹脂から分離する。得られた分散液のPTFE含有量は26.8重量%に等しい。PTFE重量に対するPFOA含有量は、5ppmより低い。
実施例6
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてマーロウェット(登録商標)4530の5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してマーロウェット(登録商標)4530を1%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、28.3重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて8時間穏やかな撹拌下に保持する。最後に、フルオロポリマー凝固がないと思われる分散液を、150μmメッシュのネットでのろ過により、樹脂から分離する。得られた分散液のPTFE含有量は28.3重量%に等しい。PTFE重量に対するPFOA含有量は、5ppmより低い。
実施例7
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてポリロール(登録商標)TR/LNAの5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してポリロール(登録商標)TR/LNAを2.5%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、26.1量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて2時間穏やかな撹拌下に保持する。最後に、フルオロポリマー凝固がないと思われる分散液を、150μmメッシュのネットでのろ過により、樹脂から分離する。得られた分散液のPTFE含有量は26.1重量%に等しい。PTFE重量に対するPFOA含有量は、5ppmより低い。
実施例8(比較例)
本発明の限界より低い当量を有するアニオン性界面活性剤の存在下におけるポリマー分散液の樹脂での処理
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてドデシル硫酸ナトリウムの5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してドデシル硫酸ナトリウムを1.5%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、27.5重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて穏やかな撹拌下に保持する。処理開始してから1時間後には既に、分散液には凝固が現れる。
実施例9(比較例)
実施例1により得られ、アンモニア水でpHを約9に調節した分散液500gから、そしてドデシル硫酸ナトリウムの5%水溶液から出発して、PTFE重量に対してドデシル硫酸ナトリウムを3%含有する分散液試料をビーカー中で撹拌して調製する。こうして得られた試料中のPTFE含有量は、25.4重量%に等しい。この試料に、試料重量に対して5重量%のイオン交換樹脂アンバージェット(登録商標)4400 OHを添加する。この混合物を、二枚羽根の機械的撹拌機を用いて穏やかな撹拌下に保持する。処理開始してから1時間後には既に、分散液には凝固が現れる。
本発明によれば、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がないフルオロポリマー分散液は、表面のコーティング用、繊維の含浸用、キャストフィルム成形用およびポリマーまたは無機材料の添加用に有用である。

Claims (16)

  1. 以下の工程:
    a) フッ素化アニオン性界面活性剤を含むフルオロポリマー分散液への、1以上の非フッ素化アニオン性界面活性剤の添加;
    b) 分散液とアニオン交換体との接触;
    c) アニオン交換体からの分散液の分離と、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がない分散液の回収;
    を含み、
    非フッ素化アニオン性界面活性剤が、直鎖状または分枝鎖状構造を有し、1以上のアニオン性の基を有する界面活性剤であり、
    非フッ素化アニオン性界面活性剤が、分子量/(界面活性剤中に存在するアニオン性の基の数)として定義される350より高い当量を有する、
    フルオロポリマー分散液からの、フッ素化アニオン性界面活性剤を実質的に除去する方法。
  2. 工程a)の前に、フルオロポリマー分散液のpH値が、7〜12の範囲に調節される、請求項1に記載の方法。
  3. 非フッ素化アニオン性界面活性剤の分子量が350より高い請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記非フッ素化アニオン性界面活性剤の分子中に存在するアニオン性の基が、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩から選択される、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
  5. 非フッ素化アニオン性界面活性剤が、以下の化合物のクラス:
    − 以下の一般式:
    Y'−(P1)n−CH(Y)−(P2)n'−Y'' (1)
    [式中、
    Y、Y'またはY''の少なくとも1つがアニオン性の基であり、残りのY、Y'またはY''の少なくとも1つが非イオン性の基であるという条件付きで、Y、Y'およびY''はアニオン性または非イオン性の基であり;
    1およびP2は、等しいか異なって、110の炭素原子の数を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基であり;
    nおよびn'は、等しいか異なって、0または1である]
    を有する界面活性剤;
    − 以下の一般式:
    T−(O)n6−[(CH2)n3−CH2CH2O]n4−(CH2)n5−X (2)
    [式中、
    TはC4-18アルキル基か、または1以上の水素原子がC4-18 肪族鎖で置換されたアリール基であり;
    n3、n6は、互いに等しいか異なって、0または1に等しい整数であり;
    n4は整数で、0〜100を範囲とし;
    n5は0〜10の整数であり;
    Xは、n5=0の場合、X=SO3 -であるという条件で、COO-、SO3 -から選択されるアニオン性の基である]
    を有する界面活性剤:
    から選択される、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
  6. 式(1)の界面活性剤のアニオン性の基が、SO3 -、HPO3 -、およびCOO-から選ばれる、請求項に記載の方法。
  7. 式(1)の界面活性剤中の非イオン性の基が、以下:
    COOR、CONHR、CONH2、CONRR'、
    [式中、
    − RおよびR'は、等しいか異なって、以下の:
    − 飽和または少なくとも1つの不飽和を含有する、直鎖状または分枝鎖状のC2-20 素化アルキル基であり;そのアルキル基が少なくとも6の炭素原子数を持つとき、1以上の芳香環を含有でき;そのアルキル基において、1以上の水素原子は、フッ素または塩素原子で置換され得
    − アルキルシロキサン基(ここで、そのアルキルは炭素原子1〜7を含有する);
    の意味を有する]
    から選択される、請求項またはに記載の方法。
  8. 式(1)の界面活性剤の非イオン性の基がCOOR基(ここで、Rは上記で定義したとおりである)である、請求項のいずれか一つに記載の方法。
  9. 式(1)の界面活性剤が、以下の:
    − C1021OOC−CH2−CH(SO3 Na)−COOC1021
    ジ−イソデシルスルフォサクシネート ナトリウム塩;
    − C1327OOC−CH2−CH(SO3Na)−COOC1327
    ジ−イソトリデシルスルフォサクシネート ナトリウム塩;
    から選択される、請求項のいずれか一つに記載の方法。
  10. 式(2)の界面活性剤が、以下の:
    − (C917)2−C63−O−[CH2CH2O]15-20−(CH2)−COOH
    カルボキシリックジノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル酸;
    − (C12-1425-29)−O−[CH2CH2O]10(CH 2 )−COONa
    12-14−アルコール ポリエチレングリコール エーテル(10EO)カルボキシメチル化ナトリウム塩;
    − (C12-1425-29)−O−[CH2CH2O]3−SO3Na
    12-14−アルコール ポリエチレングリコール エーテル(3EO)ナトリウム塩サルフェート;
    から選択される、請求項に記載の方法。
  11. 工程a)において、非フッ素化アニオン性界面活性剤が、フルオロポリマー重量に対して重量パーセントで、1%〜10%を含む量で添加される、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 例えば工程b)が、300〜400μmのサイズを有する顆粒の形成下に、アニオン交換体の添加で遂行され、この添加される量が、分散液重量に対して1%〜10重量%であり、工程b)が、連続的あるいは非連続的方法で行なわれる、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. フルオロポリマーが、TFEホモポリマーであるか、またはエチレン型の少なくとも1つの不飽和を有し、かつ水素化およびフッ素化型のコモノマーを含有するモノマーで変成されたTFEコポリマーである、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. フッ素化アニオン性界面活性剤がPFOAである、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法を用いて得ることができる、実質的にフッ素化アニオン性界面活性剤がないフルオロポリマー分散液。
  16. 表面のコーティング用、繊維の含浸用、キャストフィルム成形用およびポリマーまたは無機材料の添加用の、請求項15に記載のフルオロポリマー分散液の使用。
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