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JP5101513B2 - 医療用誘導システム - Google Patents

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JP5101513B2
JP5101513B2 JP2008534402A JP2008534402A JP5101513B2 JP 5101513 B2 JP5101513 B2 JP 5101513B2 JP 2008534402 A JP2008534402 A JP 2008534402A JP 2008534402 A JP2008534402 A JP 2008534402A JP 5101513 B2 JP5101513 B2 JP 5101513B2
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Description

本発明は、体腔内に挿入される医療装置を誘導する医療用誘導システムに関する。
カプセル内視鏡等の医療装置を体腔内で誘導する方法として、医療装置に磁石を内蔵させ、外部から磁石に磁界を加えることにより、医療装置の位置および向きを制御する医療装置の磁気誘導技術が開発されている(例えば、特許文献1から3参照。)。
特開2006−075537号公報 特開2005−058430号公報 特開2006−149668号公報
上述の誘導制御を行う際には、磁石の磁化方向と、医療装置の配置位置における加えられた磁界の方向がそろうことが望ましい。
しかしながら、医療装置の向きを変化させるために磁石にトルクを発生させる場合や、医療装置と体腔組織との間の摩擦によりカプセルの動きが制約を受ける場合などのように、磁石の磁化方向と、加えられた磁界の方向が一致しない状況が生じることがあり、医療装置を意図する方向へ誘導できない可能性があるという問題があった。
これまでの位置検出部では、医療装置における長手軸線周りの位相が測定できなかった。そのため、医療装置の位置検出と、医療装置の周囲に形成された誘導磁界と、に基づいて長手軸線周りの位相を推定していた。
しかしながら、医療装置における長手軸線まわりの位相は、常に誘導磁界の方向と同一方向を向くわけではないため、実際の位相と推定された位相との間に位相差が生じていた。この位相差によって、医療装置を駆動する磁気引力が低下したり、医療装置を回転駆動する磁気トルクが低下したり、医療装置の誘導が不安定になったりするという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、医療装置の駆動力向上および制御性向上を図ることができる医療用誘導システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様は、体腔内の生体情報を取得する生体情報取得部と、体外から作用する磁界を受けて駆動力を発生する磁石と、を備えた医療装置と、体外から前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、前記磁石の磁化方向と、前記医療装置の位置における前記磁界発生部により発生された磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を検出するズレ量検出部と、が設けられ、前記ズレ量に基づいて、前記磁界発生部が制御される医療用誘導システムを提供する。
本発明の第2の態様は、体腔内の生体情報を取得する生体情報取得部と、体外から作用する磁界を受けて駆動力を発生する磁石と、を備えた医療装置の制御方法であって、前記磁石の磁化方向と、体外から前記磁石に作用させる磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を検出し、検出された前記ズレ量に基づいて、体外から前記磁石に作用させる磁界が制御される医療装置の制御方法を提供する。
本発明の第1の態様および第2の態様によれば、磁石の磁化方向と、体外から磁石に加えられる磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量に基づき、磁石に作用させる磁界の磁界方向が制御される。上記ズレ量により磁石に引力やトルク等が働き、医療装置が誘導される。
このように、上記ズレ量に基づき磁石に作用させる磁界の磁界方向を制御することで、磁化方向と磁界方向との不一致により、医療装置の誘導が不安定になることが回避される。つまり、上記ズレ量を所定範囲内に抑えることにより、医療装置を駆動する磁気引力の低下や、医療装置を回転駆動する磁気トルクの低下が防止され、医療装置が安定して誘導される。
上記ズレ量や磁石に作用させる磁界の強度等により医療装置に働く引力やトルクが決まるため、磁石に作用させる磁界を制御することで、医療装置に働く引力やトルクが制御でき、医療装置を安定して誘導できる。
上記発明の第1の態様においては、前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方を検出する位置検出部をさらに備え、前記磁界発生部が、前記ズレ量、および、前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方に基づいて制御されることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方を検出し、前記ズレ量、および、前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方に基づいて体外から前記磁石に作用させる磁界が制御されることが望ましい。
このようにすることにより、磁石に作用させる磁界の磁界方向は、上記ズレ量の他に、医療装置の位置および向きの少なくとも一方にも基づいて制御される。磁石は医療装置に備えられているため、医療装置の位置および向きを容易に磁石の位置および向きに変換できる。磁石に作用させる磁界の磁界方向は、磁石と、磁界が発生される場所、つまり磁界発生部との相対位置関係によっても変化する。そのため、医療装置の位置および向きの少なくとも一方に基づいて磁石に作用させる磁界の磁界方向を制御することで、医療装置の位置および向きの少なくとも一方に基づかない場合と比較して、磁石に作用させる磁界の磁界方向はより適切に制御され、医療装置は安定して誘導される。
医療装置の位置としては、例えば直交座標系であるX軸、Y軸、Z軸における座標値を例示することができ、方向としては上述のX軸、Y軸、Z軸周りの位相などを例示することができる。
上記発明の第1の態様においては、前記ズレ量検出部が、前記磁界発生部により前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度を検出する磁界検出部と、前記検出された磁界強度と、前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、を備えることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記ズレ量を検出する際に、前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度を検出し、該検出された磁界強度と、前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出することが望ましい。
このようにすることにより、磁界が、磁界強度を検出する感度軸に対して所定角度から入射すると、入射した磁界強度に対して余弦を乗じた値の磁界強度が検出される。そのため、検出された磁界強度、および、医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度が判れば、磁界の方向と感度軸とのなす角度が算出される。上記感度軸の方向と、磁石の磁化方向とは所定の位置関係にあるため、磁石の磁化方向と、体外から磁石に加えられる磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を算出できる。
上記発明の第1の態様においては、前記ズレ量検出部が、前記医療装置の外部において、前記磁石により形成される磁界を検出する外部磁界検出部と、該外部磁界検出部により検出された磁界情報から前記磁石の磁化方向を算出し、該算出された磁化方向に基づいて前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、を備えることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記ズレ量を検出する際に、前記医療装置の外部において、前記磁石により形成される磁界を検出し、該検出された磁界から前記磁石の磁化方向を算出し、該算出された磁化方向に基づいて前記ズレ量を算出することが望ましい。
このようにすることにより、磁石により医療装置の周囲に形成された磁界が検出され、検出された磁界情報に基づいて磁石の磁化方向が算出される。算出された磁化方向は磁石の磁化方向と略一致するため、算出された磁化方向に基づいて上記ズレ量を算出できる。
上記発明の第1の態様においては、前記ズレ量検出部が、外部から前記医療装置の動作領域に交番磁界を形成する交番磁界発生部と、前記医療装置において前記交番磁界の磁界強度を検出する交番磁界検出部と、前記検出された交番磁界の磁界強度と、前記医療装置における前記交番磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、を備えることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記ズレ量を検出する際に、外部から前記医療装置の動作領域に交番磁界を形成し、前記医療装置において前記交番磁界の磁界強度を検出し、該検出された交番磁界の磁界強度と、前記医療装置における前記交番磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出することが望ましい。
このようにすることにより、交番磁界が、磁界強度を検出する感度軸に対して所定角度から入射すると、入射した磁界強度に対して余弦を乗じた値の磁界強度が検出される。そのため、検出された磁界強度、および、医療装置の位置に形成された交番磁界の磁界強度が判れば、磁界の方向と感度軸とのなす角度が算出される。上記感度軸の方向と、磁石の磁化方向とは所定の位置関係にあるため、磁石の磁化方向と、体外から磁石に加えられる磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を算出できる。
上記発明の第1の態様においては、前記ズレ量検出部が、外部から前記医療装置の動作領域に交番磁界を形成する交番磁界発生部と、前記医療装置において前記交番磁界を検出する交番磁界検出部と、該交番磁界検出部により検出された交番磁界情報に基づいて前記磁石の向きを算出し、該算出された磁石の向きに基づいて前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、を備えることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記ズレ量を検出する際に、外部から前記医療装置の動作領域に交番磁界を形成し、前記医療装置において前記交番磁界を検出し、該検出された交番磁界情報に基づいて前記磁石の向きを算出し、該算出された磁石の向きに基づいて前記ズレ量を算出することが望ましい。
このようにすることにより、検出された交番磁界情報に基づいて磁石の磁化方向が算出される。算出された磁化方向は磁石の磁化方向と略一致するため、算出された磁化方向に基づいて上記ズレ量を算出できる。
上記発明の第1の態様においては、前記ズレ量に基づいて、前記磁界発生部から発生する磁界の強度が変更されることが望ましい。
上記発明の第2の態様においては、前記ズレ量に基づいて、体外から前記磁石に作用させる磁界の強度が変更されることが望ましい。
このようにすることにより、ズレ量に基づいて体外から前記磁石に作用させる磁界の強度の強度を変更することにより、医療装置に働く引力やトルクを制御することができ、医療装置は安定して誘導される。
本発明の医療用誘導システムおよび医療装置の制御方法によれば、磁石の磁化方向と、体外から磁石に加えられる磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量に基づき、磁石に作用させる磁界の磁界方向を制御することで、医療装置に働く引力やトルクが制御され、医療装置の駆動力向上および制御性向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るカプセル医療装置システムを示す全体構成図である。 図1のカプセル医療装置システムを示すブロック図である。 図1のカプセル医療装置を示すブロック図である。 図3のカプセル医療装置を示す縦断面図である。 図3のカプセル医療装置に内蔵される誘導信号処理部を示すブロック図である。 図1のカプセル医療装置システムの外部装置を示すブロック図である。 図1のカプセル医療システムにおけるカプセル医療装置の制御方法を説明するフローチャートである。 図1のカプセル医療システムにおけるカプセル医療装置の制御方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るカプセル医療装置を示すブロック図である。 図9のカプセル医療装置を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の第3変形例に係るカプセル医療装置システムのカプセル医療装置のブロック図が示されている。 本発明の第1の実施形態の第3変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。 本発明の第2の実施形態に係るカプセル医療装置のブロック図が示されている。 本発明の第2の実施形態に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。 本発明の第2の実施形態における磁化方向と磁界方向とのなす角の算出方法を説明するフローチャートである。 算出されたなす角θに基づく、ガイダンスコイルからの磁界の制御を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の変形例に係るカプセル医療装置のブロック図が示されている。 本発明の第2の実施形態の実施例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。 本発明の第2の実施形態の実施形態における磁化方向と磁界方向とのなす角の算出方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
1,201,301,401,501,601 カプセル医療装置システム(医療用誘導システム)
3,203,403,503,603 カプセル医療装置(医療装置)
9 撮像部(生体情報取得部)
13 磁気センサ(磁界検出部)
27 永久磁石(磁石)
79 位置検出用磁界発生部(交番磁界発生部)
91 位置方向計算部(位置検出部)
93 磁界−磁化方向角度差算出部(ズレ量検出部)
101 ガイダンスコイル(磁界発生部)
105 磁界−磁化ズレ判断部(ズレ量検出部)
213 磁化方向検出コイル(交番磁界検出部)
413 磁化方向検出コイル(磁界検出部)
568 磁界センサ(外部磁界検出部)
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態について図1から図8を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係るカプセル医療装置システムの全体構成図が示され、図2には、図1のカプセル医療装置システムのブロック図が示されている。
本実施形態に係るカプセル医療装置システム(医療用誘導システム)1は、図1および図2に示されるように、被検者(図示せず)の体腔内に投入されるカプセル医療装置3と、被検者の体外に配置される外部装置5とを備えている。
図3には、本実施形態に係るカプセル医療装置のブロック図が示され、図4には、図3のカプセル医療装置の縦断面図が示されている。
カプセル医療装置(医療装置)3は、図3および図4に示されるように、内部に各種の機器を収納する外装7と、体腔内の画像(生体情報)を取得する撮像部(生体情報取得部)9と、外装7内部の各種機器に動力を供給する電源部11と、磁界M2に応じて検出信号を発生する磁気センサ(磁界検出部)13と、検出信号を濾波するセンサフィルタ15と、磁界M1,M2に応じて誘導信号を発生する磁界センサコイル(以下、単にコイルと表記する。)17と、誘導信号を濾波するコイルフィルタ19と、誘導信号および検出信号を処理する磁界受信部21と、処理された誘導信号および検出信号を体外に向けて送信する無線送信機23と、電源部11、撮像部9、誘導信号処理部9および無線送信機23を制御する制御部25と、磁界M1,M2に応じて駆動力を発生する永久磁石(磁石)27とを備えている。
外装7は、カプセル医療装置3の長手軸Rを中心軸とする赤外線を透過する円筒形状のカプセル本体7aと、カプセル本体7aの前端を覆う透明で半球形状の先端部7bと、カプセル本体7aの後端を覆う半球形状の後端部7cとから形成され、水密構造で密閉されたカプセル容器を形成している。
外装7のカプセル本体7aの外周面には、長手軸Rを中心として断面円形の線材を螺旋状に巻いた螺旋部29が備えられている。
撮像部9は、被検者の体腔内を撮影して画像(生体情報)を取得するものである。撮像部9には、長手軸Rに対して略垂直に配置された基板31aの先端部7b側の面に配置されたイメージセンサ33と、被検者の体腔内面の像をイメージセンサ33に結像させるレンズ群35と、体腔内面を照明するLED(Light Emitting Diode)37とが備えられている。
イメージセンサ33は、先端部7bおよびレンズ群35を介して結像された光を電気信号(画像信号)に変換して制御部25へ出力している。このイメージセンサ33としては、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を用いることができる。
LED37は基板31aより先端部7bに配置された支持部材39に、長手軸Rを中心として周方向に間隔をあけて複数配置されている。
磁気センサ13は外部装置5から受ける磁界M2に応じて検出信号を発生するセンサであり、コイル17の内部に配置され、感度軸が長手軸Rに対して直交方向(例えば、図における上下方向)に沿うように配置されている。そのため、磁気センサ13は感度軸が永久磁石27の磁化方向に沿うように配置されている。磁気センサの検出信号は、センサフィルタ15に入力される。
なお、磁気センサ13としては、MIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)や、MR素子(磁気抵抗素子)や、GMRセンサ(巨大磁気抵抗センサ)や、フラックスゲートセンサや、ホール素子などの公知の磁気センサを用いることができ、特に限定するものではない。
上述のように、磁気センサ13は感度軸が1軸のものを用いてもよいし、2軸や3軸の磁気センサ13を用いてもよく、特に限定するものではない。このように、2軸や3軸の磁気センサ13を用いることで、磁界のズレ方向をより正確に検出することができ、以後の制御をより高度に行うことができる。
センサフィルタ15は、例えば、基板31a上に備えられていて、例えば、カットオフ周波数が、約1kHzの1次のハイパスフィルタである。センサフィルタ15には磁気センサ13から検出信号が入力され、センサフィルタ15からA/D変換器43に検出信号が出力されている。
コイル17は、外部装置5から受ける磁界M1,M2に応じて誘導信号を発生するものであり、外装7のカプセル本体7aの半径方向内方に円筒状に巻かれて配置されている。図中、符号41は、中心軸が長手軸Rと略一致する円柱形状に形成されたボビンである。ボビン41の外周面にはコイル17が巻きつけられている。
これにより、コイル17の開口方向は、永久磁石27の磁化方向に対して直交する方向に配置されている。その結果、永久磁石27により形成される磁界がコイル17の内部を通過することが防止され、永久磁石27の形成する磁界によりコイル17に発生する誘導信号に影響がないように構成されている。
コイル17において発生した誘導信号はコイルフィルタ19に入力されている。
コイルフィルタ19は、例えば、前記基板31a上に備えられていて、例えば、カットオフ周波数が、約1kHzの1次のハイパスフィルタである。コイルフィルタ19にはコイル17から誘導信号が入力され、コイルフィルタ19からA/D変換器43に誘導信号が出力されている。
磁界受信部21は、コイルフィルタ19およびセンサフィルタ15を通過した誘導信号および検出信号を処理するものである。磁界受信部21には、A/D変換器(図においてADCと表記する。)43と、A/D変換器制御部(図においてADC制御部と表記する。)45と、識別情報保持部47と、が備えられている。
A/D変換器43は、コイルフィルタ19およびセンサフィルタ15を通過した誘導信号および検出信号をデジタル信号に変換するものである。
A/D変換器制御部45は、A/D変換器43を制御するとともに、A/D変換器43から出力された誘導信号、検出信号およびイメージセンサ33により取得された画像信号を所定のタイミングで無線送信機23に引き渡すものである。
識別情報保持部47は、コイル17の位置、開口方向の相対角度、永久磁石27の磁化方向、コイル17と永久磁石27との相対位置等の情報を記憶しているものである。カプセル医療装置3が作動させられると、識別情報保持部47に記憶されている情報が、無線送信機23を介して、少なくとも1回、体外装置61に向けて送信されるようになっている。
図5には、図3のカプセル医療装置に内蔵される誘導信号処理部のブロック図が示されている。
さらに具体的には、A/D変換器制御部45は、図5に示されるように、タイミング生成回路49と、メモリ51と、マルチプレクサ53とを備え、制御部25に接続されている。
タイミング生成回路49は、制御部25から受信するクロック信号Clockおよび制御部25に入力された画像信号から得られる同期信号(例えば、垂直同期信号V−Sync)に基づいてタイミング信号を生成するものである。タイミング生成回路49は、A/D変換器43に対し、クロック信号AD ClockとA/D変換イネーブル信号とを出力するようになっている。
メモリ51は、A/D変換器43から出力されたデジタルの誘導信号を記憶するものである。
マルチプレクサ53は、該メモリ51、タイミング生成回路49および制御部25に接続され、制御部25からの画像信号と、メモリ51からの誘導信号とをタイミング生成回路49からのタイミング信号により切り替えて出力するものである。
制御部25は、基板31aから基板31dおよびフレキシブル基板55a,55bを介して電池57に電気的に接続されているとともに、基板31aを介してイメージセンサ33と電気的に接続され、基板31a、フレキシブル基板55aおよび支持部材39を介してLED37と電気的に接続されている。制御部25は、イメージセンサ33が取得した画像信号をA/D変換器制御部45に出力するとともに、イメージセンサ33およびLED37のオン・オフを制御している。
制御部25は、無線送信機23を制御して、A/D変換器制御部45のマルチプレクサ53から出力されてくる信号を外部に向けて送信させるようになっている。
すなわち、無線送信機23は、例えば、所定の長さを有する画像信号と誘導信号とを連続させたデータ形態で外部に向けて送信するようになっている。
永久磁石27は、外部装置5から受ける磁界M1,M2に応じて駆動力を発生するものである。永久磁石27は、無線送信機23の後端部7c側に配置されている。永久磁石27は、長手軸Rに対して直交方向(例えば、図における上下方向)に磁化方向(磁極)を有するように配置または着磁されている。
永久磁石27の先端部7b側には、基板31c上に配置されたスイッチ部59が備えられている。スイッチ部59は赤外線センサ59aを有し、電源部11と電気的に接続されているとともに、基板31cおよびフレキシブル基板55aを介して電池57と電気的に接続されている。
スイッチ部59は長手軸Rを中心として周方向に等間隔に複数配置されるとともに、赤外線センサ59aが直径方向外側に面するように配置されている。本実施形態においては、スイッチ部59が4つ配置されている例を説明するが、スイッチ部59の数は4つに限られることなく、その個数がいくつであってもよい。
スイッチ部59の先端部7b側には、電池57が基板31b、31cに挟まれて配置されている。
図6には、図1のカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
外部装置5は被検者の体外に配置され、カプセル医療装置3の位置検出、誘導を行い、カプセル医療装置3が撮像した映像を表示するものである。外部装置5には、図2および図6に示されるように、位置検出用の磁界M2を発生する体外装置61と、カプセル医療装置3の位置および向きを算出する外部制御部63と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部65と、外部制御部63から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67とが備えられている。
体外装置61は、カプセル医療装置3から送られてくる信号を受信し、位置検出用の磁界M2を発生するものである。体外装置61には、無線受信機69と、データ抽出部71と、画像データ圧縮部73と、データ合成部75と、メモリ77と、位置検出用磁界発生部79とが備えられている。
無線受信機69は、アンテナユニット81を介してカプセル医療装置3から送られてくる画像信号、誘導信号および検出信号を受信するものである。
データ抽出部71は、無線受信機69が受信した信号から誘導信号と検出信号とを抽出するものである。ここで、無線受信機69により受信される信号には、画像信号と誘導信号と検出信号とが含まれているが、画像信号は、所定の長さを有しているので、データ抽出部71は、画像信号とそれに続く誘導信号および検出信号とを容易に分離することができる。
画像データ圧縮部73は、データ抽出部71により分離された画像信号を圧縮するものである。
データ合成部75は、画像データ圧縮部73により圧縮された画像信号と分離された誘導信号とを合成するものである。
メモリ77は、データ合成部75により合成されたデータを記憶するものである。
位置検出用磁界発生部79は、無線受信機69により受信された信号に基づいて位置検出用の磁界M2を発生するものである。位置検出用磁界発生部79には、トリガ検出部83と、位置検出用信号発生部85と、複数の信号発生コイル87と、が備えられている。
トリガ検出部83は、画像情報に含まれるトリガ信号、例えば、垂直同期信号V−Syncを検出するものである。
位置検出用信号発生部85は、トリガ検出部83により検出されたトリガ信号を基準としたタイミングで位置検出用の信号を出力するものである。
信号発生コイル87は、位置検出用信号発生部85により出力された信号に基づいて位置検出用の磁界M2を発生させるものである。
外部制御部63は、体外装置61により受信された信号に基づいて画像を生成するとともにカプセル医療装置3の位置および向きを算出するものである。外部制御部63には、画像伸張処理部89と、位置方向計算部(位置検出部)91と、磁界−磁化方向角度差算出部(ズレ量検出部)93と、操作部95とが備えられている。
画像伸張処理部89は、体外装置61から送られてくる圧縮された画像信号を伸張して表示装置67に出力するものである。
位置方向計算部91は、体外装置61から送られてくる誘導信号に基づいてカプセル医療装置3の位置および向き等を算出し、表示装置67に出力するものである。位置方向計算部91は、送られてきた誘導信号を処理して、誘導信号から、位置検出用信号発生部85が発生させた位置検出用磁界M2の周波数と略同一の周波数の特定周波数信号を抽出し、抽出された特定周波数信号に基づいてカプセル医療装置3の位置および向きを算出するようになっている。
磁界−磁化方向角度差算出部93は、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向と永久磁石27の磁化方向とのズレ(なす角θ)を算出するものである。
操作部95は、表示装置67に表示された体腔内面の画像およびカプセル医療装置3の位置および向きに基づいてオペレータに、カプセル医療装置3の進行方向および/または進行速度を指示させるものである。
ガイダンス用磁界発生部65は、外部制御部63から出力されるカプセル医療装置3の位置および向きの情報に基づいてガイダンス用磁界M1を発生するものである。ガイダンス用磁界発生部65には、ガイダンス用磁界制御部97と、複数のガイダンスコイルドライバ99と、複数のガイダンスコイル(磁界発生部)101と、が備えられている。
ガイダンス用磁界制御部97は、外部制御部63から出力されてくるオペレータからの動作指令信号およびカプセル医療装置3の位置および向き等の情報に基づいて、ガイダンス用磁界M1の制御信号を発生するものである。ガイダンス用磁界制御部97には、操作情報判断部103と、磁界−磁化ズレ判断部(ズレ量検出部)105と、カプセル方向ズレ判断部107と、発生磁界計算部109と、が備えられている。
操作情報判断部103は、操作部95が出力した進行方向および進行速度に基づいて指令信号を検出するものである。
磁界−磁化ズレ判断部105は、磁界−磁化方向角度差算出部93により算出されたガイダンス用磁界M1の磁界方向と永久磁石27の磁化方向とのなす角θが、所定値以下か否かの判断を行うものである。
カプセル方向ズレ判断部107は、制御目標であるカプセル医療装置3の向きと、検出された現在のカプセル医療装置3の向きとのなす角αが、所定値以下か否かの判断を行うものである。
発生磁界計算部109は、ガイダンスコイル101から発生させるガイダンス用磁界M1の計算を行うものである。
ガイダンスコイルドライバ99は、ガイダンス用磁界制御部97からの制御信号に基づいて、ガイダンス用磁界M1をガイダンスコイル101から発生させる電流を供給するものである。
ガイダンスコイル101は、ガイダンスコイルドライバ99から供給された電流により、ガイダンス用磁界M1を発生させるものである。
このように構成された本実施形態に係るカプセル医療装置システム1およびカプセル医療装置3について、最初に作用の概略を説明し、その後に本実施形態の特徴について説明する。
本実施形態に係るカプセル医療装置システム1を用いて、被検者の体腔内の画像を取得するには、まず、図1に示されるように配列されたガイダンスコイル101によるガイダンス用磁界M1が作用する空間Sに被検者を配置する。
次いで、カプセル医療装置3の赤外線センサ59aに、赤外線発生装置(図示せず)で赤外線を当て、カプセル医療装置3の電源を入れる。そして、カプセル医療装置3を被検者の口部または肛門から体腔内に投入する。外部装置5においても体外装置61の電源スイッチ111を電池113により作動させて電源部115をオン状態に切り替えることにより、各ユニットの電源を供給する。
体腔内に投入されたカプセル医療装置3においては、所定時間後に撮像部9の作動が開始され、LED37からの照明光により照明された体腔内面の画像が、イメージセンサ33により取得される。取得された画像信号は、制御部25を介してA/D変換器制御部45に送られ、制御部25の生成するクロック信号Clockおよび垂直同期信号V−Syncに基づいてタイミング生成回路49により設定されたタイミングで、無線送信機23に引き渡され、無線送信機23を介して体外に送信される。
送信された画像信号は、体外装置61に設けられたアンテナユニット81を介して無線受信機69により受信される。受信された画像信号は、位置検出用磁界発生部79に入力され、垂直同期信号V−Syncのようなトリガ信号が検出される。そして、検出されたトリガ信号に基づいて、位置検出用信号発生部85が起動され、信号発生コイル87が励磁されて、被検者が配置されている空間Sに位置検出用磁界M2が発生する。
発生した位置検出用磁界M2がカプセル医療装置3に作用すると、位置検出用磁界M2がカプセル医療装置3内のコイル17内を通過することにより、コイル17に誘導信号が誘導される。一方、位置検出用磁界M2は磁気センサ13も通過し、磁気センサ13は、検出した磁界強度に基づく検出信号を出力する。
誘導信号および検出信号は、コイルフィルタ19およびセンサフィルタ15を介して磁界受信部21に入力され、タイミング生成回路49により設定されたタイミングに従ってA/D変換された後、メモリ51に記憶される。そして、タイミング生成回路49により設定されたタイミングで切り替えられるマルチプレクサ(図においてMUXと表記する。)53を介して無線送信機23に引き渡され、無線送信機23を介して体外に送信される。
送信された誘導信号および検出信号は、体外装置61に設けられたアンテナユニット81を介して無線受信機69により受信される。受信された誘導信号および検出信号は、データ抽出部71により画像信号から抽出、分離される。分離された誘導信号および検出信号は、そのまま外部制御部63に送られ、画像信号は画像データ圧縮部73において圧縮処理された後に外部制御部63に送られる。
誘導信号、検出信号および圧縮された画像信号はデータ合成部75において、相互に対応づけられた形態に合成され、メモリ77に記憶される。
外部制御部63に送られた画像信号は、画像伸張処理部89において伸張処理され、表示装置67に送られて表示される。
一方、外部制御部63に送られた誘導信号は、位置方向計算部91に送られて、カプセル医療装置3の位置および向きを算出するために使用される。外部制御部63に送られた検出信号は、磁界−磁化方向角度差算出部93に送られて、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出に用いられる。
算出されたカプセル医療装置3の位置および向きと、永久磁石27の磁化方向とガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度は、表示装置67に送られて表示される一方、ガイダンス用磁界発生部65に送られて、発生すべきガイダンス用磁界M1の算出に用いられる。
表示装置67に表示された体腔内面の画像およびカプセル医療装置3の位置および向きの情報を確認したオペレータは、外部制御部63の操作部95を操作することにより、カプセル医療装置3の進行方向および進行速度をガイダンス用磁界発生部65に入力する。ガイダンス用磁界発生部65は、操作部95から入力された進行方向および進行速度の指令信号、および、位置方向計算部91から入力されたカプセル医療装置3の位置および向きの情報に基づいて、発生すべきガイダンス用磁界M1の強度および方向が達成されるようにガイダンスコイルドライバ99を作動させる。
これにより、ガイダンスコイル101が励磁され、被検者の存在している空間Sに所望のガイダンス用磁界M1が発生する。
ガイダンス用磁界M1がカプセル医療装置3に作用すると、カプセル医療装置3内に配置されている永久磁石27が、その磁化方向をガイダンス用磁界M1の方向に一致させるようにカプセル医療装置3を回転させる駆動力が発生する。ガイダンス用磁界M1が永久磁石27の磁化方向に対して、カプセル医療装置3の長手軸Rに傾斜する方向に発生すると、カプセル医療装置3の向きが変更されるよう駆動力が発生する。一方、駆動力が、永久磁石27の磁化方向に対して、カプセル医療装置3の周方向に傾斜して発生すると、カプセル医療装置3が長手軸R回りに回転させられるよう駆動力が発生する。
カプセル医療装置3の外装の外周面には螺旋部29が設けられているので、駆動力によりカプセル医療装置3がその長手軸R回りに回転すると、螺旋部29により長手軸R方向に沿う推進力が発生する。これにより、カプセル医療装置3が長手軸R方向に推進されることになる。
つぎに、本実施形態の特徴である、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出方法、および、算出された角度に基づくカプセル医療装置3の制御方法について説明する。
図7には、図1のカプセル医療システムにおけるカプセル医療装置の制御方法を説明するフローチャートが示されている。
オペレータは、カプセル医療装置3の進行方向および進行速度を操作部95に入力し、操作部95は、入力された進行方向および進行速度に基づいて指令信号を出力する。ガイダンス用磁界発生部65の操作情報判断部103は出力された指令信号を検出する(ステップS1)。
操作情報判断部103で検出された進行方向および進行速度の指令信号は、発生磁界計算部109に入力され、発生磁界計算部109において制御目標とされるカプセル医療装置3の向き(長手軸Rの方向)が算出される。算出されたカプセル医療装置3の向き(制御目標)は、カプセル方向ズレ判断部107に入力される。一方、位置方向計算部91において算出されたカプセル医療装置3の位置および向きも、カプセル方向ズレ判断部107に入力される。
カプセル方向ズレ判断部107は、制御目標であるカプセル医療装置3の向きと、検出された現在のカプセル医療装置3の向きとのなす角αを算出する(ステップS2)。
磁界−磁化方向角度差算出部93は、磁気センサ13が検出した磁界の強度と、カプセル医療装置3の位置に形成されたガイダンス用磁界M1の磁界強度とに基づいて、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向と永久磁石27の磁化方向とのズレ(なす角θ)を算出する。
具体的には、磁界−磁化方向角度差算出部93は、下記の式(1)に基づいて、ガイダンス用磁界M1の磁界方向と永久磁石27の磁化方向とのなす角θを算出する。
BSENCE=Bint+Bextcosθ ・・・(1)
ここで、Bintは、永久磁石27が医療装置1の位置に形成する磁界の磁界強度である。Bextは、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界強度であり、θは、磁気センサ13の感度軸の方向とガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角であるため、Bextcosθは、磁気センサ13により検出されるガイダンス用磁界M1の磁界強度成分である。
Bintは、永久磁石27と磁気センサ13との相対位置関係で求まる所定の一定値である。Bextは、カプセル医療装置3と信号発生コイル87との相対位置関係で求まる値である。カプセル医療装置3の位置は位置方向計算部91により求められているため、Bextは求められる値である。
そのため、磁界−磁化方向角度差算出部93は、式(1)からcosθを算出し、cosθからθを求めることができる。
なす角αおよびなす角θが算出されると、カプセル方向ズレ判断部107は、なす角αが所定値以下か否かを判断する(ステップS4)。
なす角αが所定値以下の場合には、磁界−磁化ズレ判断部105はさらになす角θが所定値以下か否かを判断する(ステップS5)。ここで、所定値としては、30°を例示することができる。
なす角αおよびなす角θが共に所定値以下である場合には、発生磁界計算部109はガイダンスコイル101から発生させるガイダンス用磁界M1の計算を行う(ステップS6)。
なす角αが所定値以下であり、なす角θが所定値より大きい場合には、発生磁界計算部109は、発生させるガイダンス用磁界M1の磁界強度を大きく設定し(ステップS7)、ガイダンス用磁界M1の計算を行う(ステップS6)。
図8には、図1のカプセル医療システムにおけるカプセル医療装置の制御方法を説明するフローチャートが示されている。
なす角αが所定値より大きい場合には、ステップS5と同様に、磁界−磁化ズレ判断部105はさらになす角θが所定値以下か否かを判断する(ステップS8)。
なす角αが所定値より大きく、なす角θが所定値以下の場合には、発生磁界計算部109は、発生磁界計算部109で設定するカプセル医療装置3の向き情報を、位置方向計算部91で検出したカプセル医療装置3の向きに更新する。つまり、なす角αの値を0とし(ステップS9)、ガイダンスコイル101から発生させるガイダンス用磁界M1の計算を行う(ステップS6)。
なす角αおよびなす角θが共に所定値よりも大きく、なす角θがなす角αと同程度の場合には、発生磁界計算部109は、発生させるガイダンス用磁界M1の磁界強度を大きくする(ステップS10)。このようにすることで、カプセル医療装置3に働くトルクを増やすことができる。
その後、ステップS1からステップS3と同様に、操作部95の入力を検出し(ステップS11)、なす角αを算出し(ステップS12)、なす角θを算出する(ステップS13)。
なす角αがステップS2で求めた値より減少した場合には、発生磁界計算部109は、制御を継続し、ガイダンスコイル101から発生させるガイダンス用磁界M1の計算を行う(ステップS14)。
なす角αがステップS2で求めた値より減少しない場合には、発生磁界計算部109は、ガイダンス用磁界M1の発生を停止し(ステップS15)、カプセル医療装置3の誘導に必要な各パラメータ等の初期化を行う(ステップS16)。
パラメータ等の初期化が行われた後は、再び上述の制御がステップS1から繰り返される。
上記の構成によれば、永久磁石27の磁化方向と、体外から永久磁石27に加えられるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角θに基づき、ガイダンス用磁界M1の磁界方向が制御される。なす角θにより永久磁石27に引力やトルク等が働き、カプセル医療装置3が誘導される。
このように、なす角θに基づきガイダンス用磁界M1の磁界方向を制御することで、磁化方向と磁界方向との不一致により、カプセル医療装置3の誘導が不安定になることが回避される。つまり、なす角θを所定範囲内(例えば30°以内)に抑えることにより、カプセル医療装置3を駆動する引力の低下や、カプセル医療装置3を回転駆動するトルクの低下が防止され、カプセル医療装置3が安定して誘導される。
なす角θやガイダンス用磁界M1の強度等によりカプセル医療装置3に働く引力やトルクが決まるため、ガイダンス用磁界M1を制御することで、カプセル医療装置3に働く引力やトルクが制御でき、カプセル医療装置3を安定して誘導できる。
ガイダンス用磁界M1の磁界方向は、なす角θの他に、カプセル医療装置3の位置および向きにも基づいて制御される。永久磁石27はカプセル医療装置3に備えられているため、カプセル医療装置3の位置および向きを容易に永久磁石27の位置および向きに変換できる。ガイダンス用磁界M1の磁界方向は、永久磁石27と、ガイダンスコイル101との相対位置関係によっても変化する。そのため、カプセル医療装置3の位置および向きの少なくとも一方に基づいてガイダンス用磁界M1の磁界方向を制御することで、カプセル医療装置3の位置および向きの少なくとも一方に基づかない場合と比較して、ガイダンス用磁界M1の磁界方向はより適切に制御され、カプセル医療装置3は安定して誘導される。
磁気センサ13は、ガイダンス用磁界M1が磁気センサ13の感度軸に対して所定角度から入射すると、入射した磁界強度Bextに対して余弦を乗じた値の磁界強度Bextcosθを出力する。そのため、検出された磁界強度BSENCE、および、カプセル医療装置3の位置に形成された磁界の磁界強度Bextが判れば、磁界の方向と感度軸とのなす角θが算出される。磁気センサ13の感度軸の方向と、磁石の磁化方向とは所定の位置関係にあるため、磁界−磁化方向角度差算出部93において磁石の磁化方向と、ガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角θを算出できる。
なお、上述の実施形態で説明したように、ガイダンスコイル101から発生するガイダンス用磁界M1の磁界強度を制御してもよいし、ガイダンス用磁界M1の磁界強度をコントロールする上で次のように制御してもかまわない。
例えば、カプセル医療装置3を長手軸R周りに回転させる場合に、回転が継続している場合は、ガイダンス用磁界M1の磁界強度を、入力装置からの出力に対して弱めに設定する。これにより発生させるガイダンス用磁界M1の磁界強度を弱くでき、ガイダンス用磁界M1を発生させるのに用いるエネルギを削減することができる。
入力装置からの入力が小さくなってきた際には、ガイダンス用磁界M1の磁界強度を強くする。このように制御することで、ガイダンス用磁界M1の磁界方向と、カプセル医療装置3の永久磁石27の磁化方向と間のずれを小さくすることができる。これにより低速回転におけるカプセル医療装置3の制御性を上げることができる。
さらに、ガイダンス用磁界M1の回転を止める際にも、一旦、ガイダンス用磁界M1の磁界強度を強くし、カプセル医療装置3の回転が止まってからガイダンス用磁界M1の磁界強度を落とす操作を行う。このように操作することで、カプセル医療装置3に設けられた永久磁石27の磁化方向を、ガイダンスコイル101が形成したガイダンス用磁界M1の磁界方向とほとんど一致させてカプセル医療装置3の運動を止めることができる。そのため、カプセル医療装置3を再度動作させるときの制御性を向上させることができる。
カプセル医療装置3の方向を変える動作を行う際にも同様の制御をすることで同様の効果を得ることができる。
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図9から図11を参照して説明する。
本変形例のカプセル医療装置システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、カプセル医療装置に搭載された永久磁石の磁化方向の検出方法が異なっている。よって、本変形例においては、図9から図11を用いてガイダンス用磁界M1の検出方法周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図9には、本変形例に係るカプセル医療装置のブロック図が示され、図10には、図9のカプセル医療装置の縦断面図を示すものである。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例のカプセル医療装置システム(医療用誘導システム)201のカプセル医療装置(医療装置)203は、図9および図10に示されるように、外装7と、撮像部9と、電源部11と、磁化方向検出コイル(交番磁界検出部)213と、磁化方向検出コイル213の検出信号を濾波するセンサフィルタ15と、コイル17と、コイルフィルタ19と、誘導信号および検出信号を処理する磁界受信部21と、無線送信機23と、制御部25と、永久磁石27とを備えている。
磁化方向検出コイル213は、第1の実施例の磁気センサ13と同様に、永久磁石27の磁化方向に沿う磁界方向を有する磁界を検出するコイルである。
図11には、本変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
外部装置205には、図11に示されるように、位置検出用の磁界M2を発生する体外装置261と、カプセル医療装置3の位置および向きを算出する外部制御部63と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部65と、外部制御部63から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67とが備えられている。
体外装置261は、カプセル医療装置203から送られてくる信号を受信し、位置検出用の磁界M2を発生するものである。体外装置261には、無線受信機69と、データ抽出部271と、画像データ圧縮部73と、データ合成部75と、メモリ77と、位置検出用磁界発生部(交番磁界発生部)79とが備えられている。
データ抽出部271は、無線受信機69が受信した信号からコイルからの信号である誘導信号と検出信号とを抽出するものである。ここで、無線受信機69により受信される信号には、画像信号と誘導信号と検出信号とが含まれているが、画像信号は、所定の長さを有しているので、データ抽出部271は、画像信号とそれに続く誘導信号および検出信号とを容易に分離することができる。
このように構成された本実施形態に係るカプセル医療装置システム201およびカプセル医療装置203における、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置203の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出方法は、磁化方向検出コイル213が検出した磁界の強度を用いて算出する点が第1の実施形態と異なるだけであり、その他の作用については第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
上記の構成によれば、磁化方向検出コイル213は、交番磁界であるガイダンス用磁界M1が感度軸に対して所定角度から入射すると、入射した磁界強度に対して余弦を乗じた値の磁界強度を出力する。そのため、検出された磁界強度、および、カプセル医療装置203の位置に形成されたガイダンス用磁界M1の磁界強度が判れば、磁界の方向と感度軸とのなす角度が算出される。磁化方向検出コイル213の感度軸の方向と、永久磁石27の磁化方向とは所定の位置関係にあるため、磁界−磁化方向角度差算出部93は、永久磁石27の磁化方向と、ガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角θを算出できる。
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図12を参照して説明する。
本変形例のカプセル医療装置システムの基本構成は、第1変形例と同様であるが、第1変形例とは、磁化方向検出コイルにおいて検出する磁界が異なっている。よって、本変形例においては、図12を用いてカプセル医療装置に搭載された永久磁石の磁化方向の検出方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12には、本変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
なお、第1の実施形態の第1変形例と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例のカプセル医療装置システム(医療用誘導システム)301の外部装置305には、図12に示されるように、位置検出用の磁界M2を発生する体外装置361と、カプセル医療装置3の位置および向きを算出する外部制御部63と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部365と、外部制御部63から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67とが備えられている。
体外装置361は、カプセル医療装置203から送られてくる信号を受信し、位置検出用の磁界M2を発生するものである。体外装置361には、無線受信機69と、データ抽出部271と、画像データ圧縮部73と、データ合成部75と、メモリ77と、位置検出用磁界発生部379と、が備えられている。
位置検出用磁界発生部379には、画像情報に含まれるトリガ信号を検出するトリガ検出部83と、位置検出用の信号を出力するとともに、カプセル医療装置に搭載された永久磁石27の磁化方向検出用の信号を出力する位置検出用信号発生部385と、位置検出用の磁界M2を発生させる複数の信号発生コイル87と、が備えられている。
ガイダンス用磁界発生部365は、外部制御部63から出力されるカプセル医療装置203の位置および向きの情報に基づいてガイダンス用磁界M1を発生するものである。ガイダンス用磁界発生部365には、ガイダンス用磁界制御部97と、複数の交流信号発生部397と、複数のガイダンスコイルドライバ99と、ヘルムホルツコイルからなる複数のガイダンスコイル(交番磁界発生部)101と、が備えられている。
交流信号発生部397は、位置検出用信号発生部385からの信号に基づいて、ガイダンスコイル101から永久磁石27の磁化方向検出に用いるガイダンス用磁界M1を発生させるものである。
このように構成されたガイダンス用磁界発生部365における、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置203の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出時の作用について説明する。
位置検出用信号発生部385は、位置検出用磁界M2を信号発生コイル87から発生させるタイミングとは異なるタイミングで、ガイダンスコイル101から交流信号(1kHz以上)をガイダンス用磁界M1に重畳させて発生させる。ガイダンスコイル101は、3軸の異なる方向に磁界を発生する3軸ヘルムホルツコイルの構成を有しているため、場所にかかわらず均一な平行磁界を形成する。
このように、ガイダンス用磁界M1を均一な平行磁界として形成することができるため、より確実に磁化方向検出コイル213の向きを検出することができ、永久磁石27の磁化方向を検出できる。
なお、本変形例のカプセル医療装置システム301における、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置3の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出方法、および、算出された角度に基づくカプセル医療装置3の制御方法は、第1変形例と同様であるので、その説明を省略する。
上記の構成によれば、磁化方向検出コイル213により検出された交番磁界情報に基づいて永久磁石27の磁化方向が算出される。算出された磁化方向は永久磁石27の磁化方向と略一致するため、磁界−磁化方向角度差算出部93は、算出された磁化方向に基づいてなす角θを算出できる。
〔第1の実施形態の第3変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第3変形例について図13および図14を参照して説明する。
本変形例のカプセル医療装置システムの基本構成は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるが、第1の実施形態の第2変形例とは、磁化方向検出コイルにおいて検出する磁界が異なっている。よって、本変形例においては、図13および図14を用いてカプセル医療装置に搭載された永久磁石の磁化方向の検出方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図13には、本変形例に係るカプセル医療装置システムのカプセル医療装置のブロック図が示されている。
なお、第1の実施形態の第1変形例と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例のカプセル医療装置システム(医療用誘導システム)401のカプセル医療装置(医療装置)403は、図13に示されるように、外装7と、撮像部9と、電源部11と、磁化方向検出コイル413と、磁化方向検出コイル413とLC共振回路を構成するコンデンサ415と、コイル17と、コイルフィルタ19と、誘導信号および検出信号を処理する磁界受信部21と、無線送信機23と、制御部25と、永久磁石27とを備えている。
磁化方向検出コイル413は、第1の実施例の磁気センサ13と同様に、永久磁石27の磁化方向に沿う磁界方向を有する磁界を検出するコイルである。磁化方向検出コイル413とコンデンサ415とはLC共振回路を構成し、共振周波数と等しい周波数の磁界に対して共振するものである。
図14には、本変形例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
外部装置405には、図14に示されるように、カプセル医療装置403から送られてくる信号を受信し、その位置および向きを算出するのに必要なデータを外部制御部463に送信する体外装置461と、カプセル医療装置3の位置および向きを検出する位置検出部462と、カプセル医療装置3の位置および向きを算出する外部制御部463と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部465と、外部制御部463から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67と、が備えられている。
体外装置461には、無線受信機69と、データ抽出部71と、画像データ圧縮部73と、データ合成部75と、メモリ77と、が備えられている。
位置検出部462には、複数の磁界受信回路471と、位置方向計算部473と、交流信号発生回路475と、切替回路477と、複数のドライブコイル479X,479Y,479Zと、が備えられている。
磁界受信回路471は、ドライブコイル479X,479Y,479Zから発生された位置検出用の交番磁界M3と、磁化方向検出コイル413から発生された共振磁界M4とを検出するものである。磁界受信回路471は、カプセル医療装置403の動作範囲の周囲に複数配置されている。
位置方向計算部473は、永久磁石27の磁化方向を算出するとともに、交番磁界M3を発生させる指示信号を出力するものである。具体的には、位置方向計算部473は、磁界受信回路471から入力される検出信号から共振磁界M4に関する信号を抽出し、磁化方向検出コイル413のコイル軸線方向、つまり、永久磁石27の磁化方向を算出する。
位置方向計算部473においては、コイル17からの共振磁界に関する検出信号に基づいて、カプセル医療装置403の位置および方向を算出している。ここで算出されるのは、長手軸R周りの位相以外の5つの値である。
交流信号発生回路475は、位置方向計算部473から入力された指示信号に基づいて、例えば、LC共振回路の共振周波数を有する交流信号を生成するものである。
切替回路477は、位置方向計算部473から入力された指示信号に基づいて、交流信号をドライブコイル479X,479Y,479Zのうちの所定のコイルに入力させるものである。
ドライブコイル479X,479Y,479Zは、入力された交流信号に基づいてLC共振回路の共振周波数と同一の周波数を有する位置検出用の交番磁界M3を生成するものである。ドライブコイル479X,479Y,479Zはヘルムホルツコイル構成を有したコイルであり、3つのドライブコイル479X,479Y,479Zで3軸ヘルムホルツコイルを構成している。
このように構成された本実施形態に係るカプセル医療装置システム401について、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置403の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角度の算出方法、および、算出された角度に基づくカプセル医療装置3の制御方法について説明する。なお、カプセル医療装置システム1およびカプセル医療装置3における作用の概略は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
位置検出部462は、位置検出用の交番磁界M3の発生を指示する指示信号を交流信号発生回路475に出力する。交流信号発生回路475は、指示信号に基づいて交流信号を生成し、交流信号を切替回路477に出力する。切替回路477は、指示信号に基づいて交流信号を所定のドライブコイル479X,479Y,479Zに入力させる。ドライブコイル479X,479Y,479Zは入力された交流信号により、カプセル医療装置403の動作範囲に位置検出用の交番磁界M3を形成する。
カプセル医療装置403における磁化方向検出コイル413とコンデンサ415とからなるLC共振回路は共振を起こし、共振磁界M4を発生する。
磁界受信回路471は位置検出用の交番磁界M3および共振磁界M4を検出し、検出信号を位置方向計算部473に出力する。位置方向計算部473は検出信号から共振磁界M4に係る信号を抽出し、共振磁界M4に係る信号から永久磁石27の磁化方向を算出する。算出された永久磁石27の磁化方向は、ガイダンス用磁界発生部465に出力される。
なお、永久磁石27の磁化方向の算出方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
以後のガイダンス用磁界発生部465におけるなす角の算出方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
上記の構成によれば、カプセル医療装置403における永久磁石27の磁化方向を検出するために、外部のコイルを新たに設ける必要がない。永久磁石27の磁化方向を求めるアルゴリズムが単純なので、効率のよいカプセル医療装置403の制御を行うことができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図15から図18を参照して説明する。
本実施形態のカプセル医療装置システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、カプセル医療装置に搭載された永久磁石の磁化方向の検出方法が異なっている。よって、本実施形態においては、図15から図18を用いて永久磁石の磁化方向の検出方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図15には、本実施形態に係るカプセル医療装置のブロック図が示されている。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
カプセル医療装置システム(医療用誘導システム)501のカプセル医療装置(医療装置)503は、図15に示されるように、外装7と、撮像部9と、電源部11と、コイル17と、コイルフィルタ19と、磁界受信部21と、無線送信機23と、制御部25と、永久磁石27とを備えている。
図16には、本実施形態に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
外部装置505には、図16に示されるように、位置検出用の磁界M2を発生する体外装置61と、カプセル医療装置503の位置および向きを算出する外部制御部63と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部65と、外部制御部63から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67と、カプセル医療装置503の永久磁石27の磁界方向を検出する磁界センサ(外部磁界検出部)568と、が備えられている。
磁界センサ568は、永久磁石27の磁界強度およびガイダンス用磁界M1の磁界強度を検出するものであり、カプセル医療装置503の動作範囲の周囲に複数配置されている。
なお、上述のように、カプセル医療装置503の動作範囲の周囲に複数の磁界センサ568が配置されていてもよいし、1個の3軸の磁界センサ568を用いてもよく、特に限定するものではない。
このように構成された外部装置505における、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置503の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角の算出方法について説明する。
図17は、本実施形態における磁化方向と磁界方向とのなす角の算出方法を説明するフローチャートである。
まず、カプセル医療装置503の電源を入れた後、カプセル医療装置503を被検者の口部または肛門から体腔内に投入する(ステップS101)。
その後、外部装置505によりカプセル医療装置503の位置および向き(初期位置情報)が取得される(ステップS102)。なお、カプセル医療装置503の位置等の検出方法は第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
カプセル医療装置503が動作範囲内に配置されると、磁界センサ568は下記の式(2)で表される磁界Btotalを検出し、磁界Btotalの強度に基づいた検出信号を出力する(ステップS103)。
Btotal=Bint+Bext ・・・(2)
ここで、Bintは永久磁石27が形成する磁界強度であり、Bextはガイダンスコイル101が形成するガイダンス用磁界M1の磁界強度である。
磁界センサ568の出力信号は、外部制御部63の磁界−磁化方向角度差算出部93に入力され、永久磁石27が形成する磁界Bintが算出される(ステップS104)。この段階で、ガイダンスコイル101からガイダンス用磁界M1は発生されていないため、Bext=0であり、式(2)はBint=Btotalとなる。
そして、第1の実施形態と同様に、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置203の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角θが、磁界−磁化方向角度差算出部93において算出される。
算出されたなす角θは、取得されたカプセル医療装置503の位置等の情報と同様にガイダンス用磁界発生部65に出力される。
ガイダンス用磁界発生部65の発生磁界計算部109は、入力された位置等の情報となす角θとに基づき、必要とされるガイダンス用磁界M1の磁界Bextを算出する(ステップS105)。
図18は、算出されたなす角θに基づく、ガイダンスコイルからの磁界の制御を説明するフローチャートである。
発生磁界計算部109は、算出した磁界Bextのガイダンス用磁界M1を発生させる指令信号をガイダンスコイルドライバ99に出力し、ガイダンスコイル101からガイダンス用磁界M1を発生させる(ステップS106)。
その後、磁界センサ568は、磁界センサ568の位置に形成された磁界Btotalを検出する(ステップS107)。
磁界センサ568の検出信号は、磁界−磁化方向角度差算出部93に入力され、下記の式(3)に基づいて永久磁石27が形成する磁界Bintが求められる(ステップS108)。
Bint=Btotal−Bext ・・・(3)
そして、再び外部装置505によりカプセル医療装置503の位置および向き(初期位置情報)が取得される(ステップS109)。
磁界−磁化方向角度差算出部93は、ステップS108で算出した磁界BintとステップS109で取得したカプセル医療装置503の位置などの情報に基づき、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置503の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角θを算出する(ステップS110)。
操作部95に入力されたカプセル医療装置503の進行方向および進行速度の情報は、カプセル方向ズレ判断部107に出力される(ステップS111)。
カプセル方向ズレ判断部107は、入力されたカプセル医療装置503の進行方向等の情報と位置および方向の情報とに基づいて、カプセル医療装置503の進行方向(制御目標方向)と、カプセル医療装置503の長手軸Rの方向とのなす角αを算出する。発生磁界計算部109は、算出されたなす角αと、入力されたカプセル医療装置503の進行方向等の情報とにより必要とされるガイダンス用磁界M1の磁界Bextを算出し、更新する(ステップS112)。
発生磁界計算部109は、更新された磁界Bextに基づいて、ガイダンスコイル101からガイダンス用磁界M1を発生させる(ステップS106)。
以後、上述の制御が繰り返し行われる。
上記の構成によれば、カプセル医療装置503の永久磁石27の磁化方向を検出することで、カプセル医療装置503のガイダンス用磁界M1と永久磁石27の磁化方向とのズレ(なす角θ)を修正することができる。その結果、最適なガイダンス用磁界M1と内部の永久磁石27とを設定することができるため、ガイダンス用磁界発生部65の消費電力を抑えることや、カプセル医療装置503の内部の永久磁石27を小型化することができ、カプセル医療装置503の安定した制御も可能となる。
永久磁石27によりカプセル医療装置503の周囲に形成された磁界が磁界センサ568に検出され、検出された磁界情報に基づいて永久磁石27の磁化方向が算出される。算出された磁化方向は永久磁石27の磁化方向と略一致するため、磁界−磁化方向角度差算出部93は、算出された磁化方向に基づいてなす角θを算出できる。
〔第2の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図19から図21を参照して説明する。
本変形例のカプセル医療装置システムの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、カプセル医療装置に搭載された永久磁石の磁化方向の検出方法が異なっている。よって、本変形例においては、図19から図21を用いて永久磁石の磁化方向の検出方法のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図19には、本変形例に係るカプセル医療装置のブロック図が示されている。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
カプセル医療装置システム(医療用誘導システム)601のカプセル医療装置(医療装置)603は、図19に示されるように、外装7と、撮像部9と、電源部11と、磁化方向信号発信部613と、信号フィルタ615と、コイル17と、コイルフィルタ19と、磁界受信部21と、無線送信機23と、制御部25と、永久磁石27とを備えている。
磁化方向信号発信部613は、永久磁石27の磁化方向にかかる信号を生成し、無線送信機23から磁化方向にかかる信号(電磁波)を送信させるものである。
なお、上述のように、無線送信機23が磁化方向にかかる信号を送信してもよいし、別の送信機を設けて磁化方向にかかる信号を送信させてもよく、特に限定するものではない。別の送信機を設ける場合には、永久磁石27の磁化方向と、磁化方向にかかる信号の送信方向が平行であることが好ましい。このように配置することで、磁化方向の算出が容易になるからである。
カプセル医療装置システム601から出力される磁化方向にかかる信号は電磁波であってもよいし、光による信号であってもよいし、熱による信号であってもよいし、音による信号であってもよいし、超音波による信号であってもよく、特に限定するものではない。
これらにあわせて、カプセル医療装置システム601から信号を出力する機器は、無線送信機23であってもよいし、発光部であってもよいし、発熱部であってもよいし、スピーカ部であってもよいし、超音波発振部であってもよく、特に限定するものではない。
図20には、本実施例に係るカプセル医療装置システムの外部装置のブロック図が示されている。
外部装置605には、図20に示されるように、位置検出用の磁界M2を発生する体外装置61と、カプセル医療装置603の位置および向きを算出する外部制御部63と、ガイダンス用磁界M1を発生するガイダンス用磁界発生部65と、外部制御部63から出力される画像信号に基づいて画像を表示する表示装置67と、カプセル医療装置603の永久磁石27の磁界方向にかかる信号を受信する磁化方向信号受信部668と、が備えられている。
磁化方向信号受信部668は、無線送信機23から送信された磁化方向にかかる信号を受信するものである。
なお、上述のように磁化方向信号受信部668は、電磁波を受信する受信機であってもよいし、カプセル医療装置603から送信される信号の種類に応じて、光や、熱や、音や、超音波などからなる信号を受信するものであってもよく、特に限定するものではない。
このように構成された外部装置605における、永久磁石27の磁化方向と、カプセル医療装置603の位置におけるガイダンス用磁界M1の磁界方向とのなす角の算出方法について説明する。
図21は、本実施形態における磁化方向と磁界方向とのなす角の算出方法を説明するフローチャートである。
まず、カプセル医療装置603の電源を入れた後、カプセル医療装置603を被検者の口部または肛門から体腔内に投入する(ステップS201)。
その後、外部装置605によりカプセル医療装置603の位置および向き(初期位置情報)が取得される(ステップS202)。なお、カプセル医療装置603の位置等の検出方法は第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
その後、カプセル医療装置603の磁化方向信号発信部613は、永久磁石27の磁化方向にかかる信号を生成する。生成された信号は、信号フィルタ615に出力されノイズ等が除去される。信号フィルタ615を通過した信号は、磁化方向信号受信部668を介して無線送信機23に入力される。無線送信機23は、入力された信号に基づいて電磁波を送信する。
無線送信機23から送信された電磁波は、外部装置605の磁化方向信号受信部668に受信される(ステップS203)。
カプセル医療装置603の進行方向および進行速度の情報は、操作部95から入力される(ステップS204)。
発生磁界計算部109は、上述のカプセル医療装置603の位置等の情報、永久磁石27の磁化方向にかかる情報、および、カプセル医療装置603の進行方向等の情報に基づき、ガイダンスコイル101から発生させるガイダンス用磁界M1の磁界Bextを算出する(ステップS205)。
発生磁界計算部109は、算出された磁界Bextに基づいて、ガイダンスコイル101からガイダンス用磁界M1を発生させる(ステップS206)。
その後、再びステップS201に戻り、カプセル医療装置603の位置および向きの取得を行い、上述の制御を繰り返す。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、本発明をカプセル型医療装置に適用して説明を行ったが、無線通信を行うカプセル型医療装置に限らず、例えば内視鏡やカテーテルの先端に永久磁石を設け体腔内を推進させたり、誘導したりする医療装置システムにも応用可能である。

Claims (4)

  1. 体腔内の生体情報を取得する生体情報取得部と、体外から作用する磁界を受けて駆動力を発生する磁石と、を備えた医療装置と、
    体外から前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁石の磁化方向と、前記医療装置の位置における前記磁界発生部により発生された磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を検出するズレ量検出部と、
    が設けられ、
    前記ズレ量に基づいて、前記磁界発生部が制御され
    前記ズレ量検出部が、
    前記磁界発生部により前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度を検出する磁界検出部と、
    前記検出された磁界強度と、前記医療装置の位置に形成された磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、
    を備える医療用誘導システム。
  2. 体腔内の生体情報を取得する生体情報取得部と、体外から作用する磁界を受けて駆動力を発生する磁石と、を備えた医療装置と、
    体外から前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁石の磁化方向と、前記医療装置の位置における前記磁界発生部により発生された磁界の磁界方向とのなす角度であるズレ量を検出するズレ量検出部と、
    が設けられ、
    前記ズレ量に基づいて、前記磁界発生部が制御され
    前記ズレ量検出部が、
    外部から前記医療装置の動作領域に交番磁界を形成する交番磁界発生部と、
    前記医療装置において前記交番磁界の磁界強度を検出する交番磁界検出部と、
    前記検出された交番磁界の磁界強度と、前記医療装置における前記交番磁界の磁界強度とに基づいて、前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、
    を備える医療用誘導システム。
  3. 前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方を検出する位置検出部をさらに備え、
    前記磁界発生部が、前記ズレ量、および、前記医療装置の位置および向きの少なくとも一方に基づいて制御される請求項1または2に記載の医療用誘導システム。
  4. 前記ズレ量検出部が、
    前記医療装置の外部において、前記磁石により形成される磁界を検出する外部磁界検出部と、
    該外部磁界検出部により検出された磁界情報から前記磁石の磁化方向を算出し、該算出された磁化方向に基づいて前記ズレ量を算出するズレ量算出部と、
    を備える請求項1から3のいずれかに記載の医療用誘導システム。
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