JP5199754B2

JP5199754B2 - 複数個のパンタグラフを設けたテレスコピックカバー

Info

Publication number: JP5199754B2
Application number: JP2008172075A
Authority: JP
Inventors: 義久鶴巻
Original assignee: TEKUTOWAN CORPORATION
Current assignee: TEKUTOWAN CORPORATION
Priority date: 2008-07-01
Filing date: 2008-07-01
Publication date: 2013-05-15
Anticipated expiration: 2028-07-01
Also published as: JP2010012527A

Description

本発明は、産業機器の主軸頭、ピストン、シリンダー等の移動機構を覆うように、産業機器に取り付けるテレスコピックカバーに関するものであり、このテレスコピックカバーに複数個のパンタグラフを取り付けて、産業機器の移動機構の移動に応じて摺動せるテレスコピックカバーに関するものである。

従来、産業機器の主軸頭、ピストン、シリンダー等の移動機構が露出していると、オイルの飛散等で周辺が汚染する問題があり、また、作業者の手足や衣服を挟む危険があるために、薄板状のパーツカバーの複数枚を摺動可能に積層して形成したテレスコピックカバーによって、産業機器の移動機構を覆っており、この場合、テレスコピックカバーの摺動を高めるために、テレスコピックカバーに複数個のパンタグラフを取り付けて、産業機器の移動機構の移動に応じて、テレスコピックカバーをパンタグラフと一体として摺動させていた。

たとえば、特開平８−１５５７８０号のテレスコピックカバー１は、図１のように、長方形の複数枚の薄板状のパーツカバー２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｅ、２ｆ、２ｇを摺動可能に積層して構成したものであって、このテレスコピックカバー１に水平に二列のパンタグラフ３ａと３ｂを間隔を置いて取り付けている。

特開平８―１５５７８０号

テレスコピックカバー１にパンタグラフ３ａと３ｂを取り付けるには、たとえば、図２に示すように、パンタグラフ３ａと３ｂの連結バー４の各交差部分５に回転可能に挿填した取付軸７を、各薄板状のパーツカバー２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｆ、２ｇの各軸受けにそれぞれ回転可能に挿填し、パーツカバー２ａに産業機器の摺動機構９を取り付け、パーツカバー２ｇに固定機構１０を取り付けている。

また、パンタグラフ３ａと３ｂを取り付けたテレスコピックカバー１は、図３に示すように、複数枚の薄板状のパーツカバー２ａ〜２ｇを摺動可能に積層したものを二組使用し、この二組のテレスコピックカバー１を向かい合わせに配置し、これらを枠体７内に装填するとともに、この二組の入り子式の伸縮カバー１の部分カバー２のうち、長さの一番長い突出部１１を設けた部分カバー２ａによって形成される空間部１２内に産業機器の摺動機構９を取り付けたものもある。

そして、産業機器の摺動機構９が一方の方向に摺動するときは、テレスコピックカバー１のパーツカバー２ａ〜２ｇの両側部は枠体８の内面に沿って摺動して伸展すると同時に、パンタグラフ３ａと３ｂも摺動して伸展し、また、産業機器の摺動機構９が他方の方向に摺動するときは、テレスコピックカバーのテレスコピックカバー１のパーツカバー２ａ〜２ｇの両側部は枠体８の内面に沿って摺動して収縮すると同時に、パンタグラフ３ａと３ｂも摺動して収縮し、以後この動作を繰り返し、そして、産業機器の摺動機構９を所定の距離の範囲内で任意の位置に往復して移動する際に、産業機器の摺動機構９の周辺をテレスコピックカバー１によって覆うようにしている。

しかし、前述したテレスコピックカバー１においては、パーツカバー２ａ〜２ｇやパンタグラフ３ａと３ｂの自重によって、テレスコピックカバー１全体が皿状にたわんで、パーツカバー２ａ〜２ｇやパンタグラフ３ａと３ｂの摺動性が均一的でなく、局部的に摩擦抵抗が高くなるために、テレスコピックカバーとしての全体の移動性と連動性が不安定になり、故障、金属騒音の発生、その他のトラブルの原因となっていた。

本発明は、薄板状のパーツカバーの複数枚を摺動可能に積層して形成したテレスコピックカバーに複数個のパンタグラフを取り付けて、産業機器の移動機構の移動に応じて、パーツカバーとパンタグラフと一体として摺動させるについて、パーツカバーとパンタグラフを全体として平面状態に維持して、パーツカバーとパンタグラフの摩擦抵抗と摺動性を全体的に均一にすることによって、テレスコピックカバーの往復移動を安全、確実に、スムースに作動させることに目的とし、特に最近の産業機器の高速で複雑な動きに適切に対応する大型のテレスコピックカバーを提供することに目的がある。

本発明は、複数個のパンタグラフを設けたテレスコピックカバーに関するもので、薄板状のパーツカバーの複数枚を摺動可能に積層して形成したテレスコピックカバーに複数個のパンタグラフを取り付けて、産業機器の移動機構の移動に応じて、テレスコピックカバーをパンタグラフと一体として摺動させるについて、テレスコピックカバーに一方のパンタグラフを水平に取り付けて水平パンタグラフを形成するとともに、テレスコピックカバーに他方のテレスコピックカバーを垂直に取り付けて垂直パンタグラフを形成することによって、テレスコピックカバーを全体として平面状態に維持することに特徴がある。

また、本発明は、前述した複数個のパンタグラフを設けたテレスコピックカバーにおいて、テレスコピックカバーに設けた立上がり板にＬ字状の支持板を固定し、この支持板に垂直パンタグラフを取り付けることによって、垂直パンタグラフをより確実に、安定してテレスコピックカバーに取り付けることに特徴がある。

本発明は、テレスコピックカバーに水平パンタグラフを設けるとともに垂直パンタグラフを設けることによって、パーツカバーとパンタグラフの自重によって発生したテレスコピックカバーのたわみを解消し、テレスコピックカバー全体を平面状態に維持して、パーツカバーとパンタグラフの局部的な摩擦抵抗の高まりを無くし、摺動性を均一にして、テレスコピックカバーとしての全体の移動性と連動性を安定させることによって、テレスコピックカバーの故障、金属騒音の発生、その他のトラブルを防止する利点がある。

本発明のパンタグラフを設けたテレスコピックカバーの一例を産業機械に取り付けた場合について説明すると、図４に示すように、テレスコピックカバー１は、長方形の多数枚のステンレス等の金属薄板のパーツカバー２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ、２ｅ、２ｆを摺動可能に積層して形成し、このテレスコピックカバー１には、従来と同様、複数個のパンタグラフを取り付けて、一方のパンタグラフはテレスコピックカバー１に対して水平に取り付けて水平パンタグラフ３ｈを形成することには変わりがないが、異なる点は、他方のテレスコピックカバーはテレスコピックカバー１に対して垂直に取り付けて垂直パンタグラフ３ｐを形成することである。

水平パンタグラフ３ｈは、図２に示した従来の場合と同様に、連結バー４の各交差箇所５に回転可能に挿填した取付軸７を、１つ置きに、部分カバー２ａ〜２ｆに設けた各ピン受けに、それぞれ回転可能に挿填する。

垂直パンタグラフ３ｐについては、図４と５に示すように、パーツカバー２ａ〜２ｆの先端部分に設けた立上がり板１３にＬ字状の支持板１４を固定し、この支持板１４に設けた各ピン受けに、連結バー４の各交差箇所５に回転可能に挿填した取付軸７を、１つ置きに、それぞれ回転可能に挿填するが、パーツカバー２ａ〜２ｆに立上がり板１３を設けずに、Ｌ字状の支持板１４を直接にパーツカバー２ａ〜２ｆに固定してもよく、そして、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐとを設けたテレスコピックカバー１のパーツカバー２ａに産業機器の摺動機構９を取り付け、パーツカバー２ｆに固定機構１０を取り付ける。

産業機器の摺動機構９が一方の方向に摺動するとき、テレスコピックカバー１のパーツカバー２ａ〜２ｆは摺動して伸展すると同時に、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐも摺動して伸展し、また、産業機器の摺動機構９が他方の方向に摺動するときは、テレスコピックカバー１のパーツカバー２ａ〜２ｆも摺動して収縮すると同時に、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐも摺動して収縮し、以後この動作を繰り返すが、この際に、垂直パンタグラフ３ｐによって、パーツカバー２ａ〜２ｆと水平パンタグラフ３ｈの自重によって発生するテレスコピックカバーのたわみを防止して、テレスコピックカバー全体を平面状態に維持して、パーツカバー２ａ〜２ｆと水平パンタグラフ３ｈの局部的な摩擦抵抗の高まりを無くし、摺動性を均一にして、テレスコピックカバーとしての全体の移動性と連動性を安全、確実に、スムースにさせる。

テレスコピックカバー１の金属薄板のパーツカバー２の材質としては、ステンレス鋼を使用してもよいが、１７％Ｃｒ−２％Ｎｉを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼を使用することによって、パーツカバー２の物理的強度を一段と高めてもよい。

テレスコピックカバー１の金属薄板のパーツカバー２の枚数は３〜３０枚でよく、また、パーツカバー２の幅は５〜２００ｃｍ、長さは５〜５０ｃｍが適当であり、さらに、パーツカバー２の形状は前述した長方形以外に、正方形でもよい。

水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐの材質としては、ステンレス鋼を使用してもよいが、１７％Ｃｒ−２％Ｎｉを主成分として軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相と微細混合組織を有する高強度複層組織ステンレス鋼を用いることによって、パンタグラフ７の物理的強度を高めてもよい。

水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐの取付軸７の材質として、ステンレス鋼を使用してもよいが、浸粒窒化処理をしたステンレス鋼を使用すると、この取付軸７は、その表面が硬化されているために非常に摺動性と物理的強度に優れており、パーツカバー２ａ〜２ｆと水平パンタグラフ３ｈに過大な力がかかっても、取付軸７の表面が破損してガタが生じることがなく、かつ、取付軸７は内部までは硬化されていないために柔軟性があり、軸が曲がったり、折れたりすることがなく、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐの伸縮性、摺動性を向上させ、長期間に渡って安定して、円滑に作動させる。

以上のように形成したテレスコピックカバー１に、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐとを二列に間隔を置いて取り付けるが、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐは２列に限らず、テレスコピックカバー１が大きい場合、または安定した摺動性を求める場合には、４〜８列を取り付けてもよく、水平パンタグラフ３ｈと垂直パンタグラフ３ｐの間隔としては、３〜５０ｃｍが最適であり、また、パンタグラフとしては、一般に使用されている公知の構造のものを使用すればよい。

本発明は、産業機器の主軸頭、ピストン、シリンダー等の移動機構を覆うテレスコピックカバーとして利用でき、特に最近の大型化してテレスコピックカバーにおいては、そのパーツカバーとパンタグラフの自重が重くなるので、このような場合には、最適なテレスコピックカバーとして使用できる。

複数枚のパーツカバーよりなるテレスコピックカバーにパンタグラフを２列に設けて伸展した状態を示す従来のテレスコピックカバーの正面説明図である。複数枚のパーツカバーよりなるテレスコピックカバーにパンタグラフを設けて伸展した状態を示す従来のテレスコピックカバーの側面説明図である。向かい合わせにした二組のパーツカバーよりなるテレスコピックカバーにパンタグラフを２列に設け、一方のパーツカバーを伸展するとともに他方のパーツカバーを収縮した状態を示す従来のテレスコピックカバーの説明図である。テレスコピックカバーのパーツカバーに水平パンタグラフを設けるとともに垂直パンタグラフを設けた状態を示す本発明のテレスコピックカバーの斜視説明図である。連結バーの各交差部分の取付軸７を、パーツカバーの先端部分に設けた立上がり板にＬ字状の支持板に挿填した状態を示す本発明のテレスコピックカバーの側面断面図である。

符号の説明

１テレスコピックカバー
２パーツカバー
３ｈ水平パンタグラフ
３ｐ垂直パンタグラフ
４連結バー
５交差部分
７取付軸
９摺動機構
10 固定機構
13 立上がり板
14 Ｌ字状の支持板

Claims

薄板状のパーツカバーの複数枚を摺動可能に積層して形成したテレスコピックカバーに複数個のパンタグラフを取り付けて、産業機器の移動機構の移動に応じて、テレスコピックカバーをパンタグラフと一体として摺動させるについて、テレスコピックカバーに一方のパンタグラフを水平に取り付けて水平パンタグラフを形成するとともに、テレスコピックカバーに他方のテレスコピックカバーを垂直に取り付けて垂直パンタグラフを形成することによって、テレスコピックカバーを全体として平面状態に維持する複数個のパンタグラフを設けたテレスコピックカバー。
テレスコピックカバーに設けた立上がり板にＬ字状の支持板を固定し、この支持板に垂直パンタグラフを取り付ける請求項１記載の複数個のパンタグラフを設けたパンタグラフを設けたテレスコピックカバー。