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JP5199252B2 - 医学的な使用のための支持体を処理するための陽イオン性ポリマーのコロイド懸濁液の使用 - Google Patents

医学的な使用のための支持体を処理するための陽イオン性ポリマーのコロイド懸濁液の使用 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、支持体(support)を通した循環による血液または血漿の処理、または医学的な使用のための支持体を用いた敗血性症候群の治療のような、患者またはドナーからの生物学的な液体を処理するための医学的な使用のための支持体の分野に関する。
「敗血性症候群」という用語は、以下の一連の症状を意味する:
・全身性炎症反応症候群(SIRS):少なくとも2の以下の状態により特徴付けられる:
体温>38℃または<36℃;
心拍>90/分;
呼吸>20/分;
白血球数>12000/μlまたは<4000/μl;
・敗血症:感染を伴うSIRS;
・重篤な敗血症:低血圧および臓器機能不全を伴う敗血症;
・敗血症性ショック:目立った低血圧および臓器機能不全を伴う重篤な敗血症;
・多臓器不全。
この定義は、本明細書中に援用される「Consensus conference, Sepsis Handbook, R A Balk, Vanderbilt University Medical Center, 2001」から抽出される。
より詳細な技術分野
より詳細には、本発明は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む第1のポリマーにより本質的に構成される医学的な使用のための基礎支持体を処理するための懸濁液の使用に関し、前記懸濁液は、酸性媒質中に存在し、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を含む第2のポリマーを含んでなり、該第2のポリマーは、コロイドの形態である。
本発明は、生物学的な液体の処理のための基礎支持体(base support)を含んでなる複合支持体(composite support)にも関する:
・前記基礎支持体は、本質的に、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより構成され;
・前記基礎支持体の表面の少なくとも一部は、前記第1のポリマーにイオン結合した第2のポリマーでコートされ、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し;
前記第2のポリマーは、コロイド形態であり、該第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基と結合することにより、複合的な膜が、陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む少なくとも1の実体を吸着することを可能にすることを特徴とする。
この特定の支持体は、体外循環、特に、透析、血液ろ過、血液透析ろ過により、または血液交換療法により血漿を処理することにより、血液または血漿をろ過することができる複合的な半透膜により構成されてよい。この複合的な膜は、付加的にまたは別々に、処理される液体から望ましくない物質を吸着するように作用してもよい。
本発明は、
・第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを規定する支持枠(housing)と;
・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された第1のコンパートメントと;
・透析液およびろ液の循環が意図され、排出口および任意に注入口を備えた第2のコンパートメントと
を含んでなる交換体にも関し、前記2つのコンパートメントは、本発明による複合支持体により分離される。
本発明は、
・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環に向けられた支持枠と;
・本発明による複合支持体と
を含んでなる、生物学的な液体中に含まれる実体を吸着するための装置にも関する。
「半透膜」という用語は、平面状の半透膜または半透性の中空繊維の束を意味する。
「交換体」という用語は、体外循環による血液または血漿の処理のための交換体を意味し、一般的に、半透膜で分離された2つのコンパートメントを含んでなり、それぞれは2つのアクセスポイントを備え、第1のコンパートメントは、患者からの血液または血漿の循環に向けられ、第2のコンパートメントは、使用される液体(透析液、ろ液)の循環に向けられている。
「コロイド性懸濁液」という用語は、連続相、好ましくは水中に分散した第2のポリマーの粒子を含んでなる懸濁液を意味し、前記懸濁液は、液体中における懸濁液に、大きさ500nm以下の粒子の形態の前記ポリマーを含む。
「コロイド形態のポリマー」という用語は、500nm未満の大きさの粒子の形態のポリマーを意味する。
このタイプの交換体は、
・慢性腎不全に罹患している患者;および/または
・腎不全に罹患しているかまたは罹患していない、集中治療の患者;および/または
・敗血性症候群の患者
の治療のために使用されてよい。
本発明は、トロンビン、IRCに関する疾患および集中治療の患者の苦痛を治療する手段を作り上げるために本発明の複合的な膜および支持体を使用することも想定する。
交換体は、慢性的な治療および間欠的または連続的な急性の治療の2つのタイプの腎不全の治療に使用され得る。
慢性的な治療は、通常、移植を待っており、腎臓が機能しない患者に向けられる。そのような患者は、1週間に3〜4回、1回当り4〜5時間にわたるセッションを受ける。引用される使用される交換体の例は、GAMBROグループにより販売されるものであり、AN69(登録商標)ST型の膜を含んでなり、Nephral(登録商標)ST(200, 300, 400および500)系(210/253μmの大きさ、1.0;1.3;1.6および2.1m2の交換表面を有する中空繊維)の一部を形成する。
間欠のまたは継続的な急性治療は、外傷、中毒、敗血性症候群等の重篤な疾患に罹患している患者に対して行われる。引用される急性の継続的な透析に対して使用される交換体の例は、GANBROグループにより販売されるものであり、Prisma(登録商標)および/またはPrismaflex(登録商標)セットにおけるマルチフロー(Multiflow)(60, 100および150)系に属する(240/340μmの大きさ、0.6;1.0および1.5m2の交換表面を有する中空繊維)。
前記交換体は、陰性に荷電した半透膜を有する。
前記膜における特に血液の循環は、望ましくない接触する相の活性化を引き起こし得ることが観察されている。本願の出願人の欧州特許出願EP-A-0 925 626において開示されている内容は、結合した負電荷を有するポリアクリロニトリルに基づく半透膜を含んでなる体外循環による血液または血漿の処理のための交換体を用いて、負に荷電した半透膜と接触する血液または血漿の接触相活性化を減少させることに向けられている。その発明は、体外循環による血液または血漿の処理のための装置に関し、結合性の負電荷を有するポリアクリロニトリルに基づく半透膜を含んでなり、前記膜の形成の前または後に、少なくとも1の中性または陽イオン性のポリマーが、膜の全体の電気運動指数およびイオン容量を制御するような適切な量で、適切な様式で膜に組み込まれる。前記ポリマーは、陽イオン性であり、ポリアミン、好ましくはポリエチレンイミンから選択されてよい。
同時に、半透膜交換体を含んでなる体外血液回路が使用される尿毒症の患者からの血液または血漿の処理に関して直面する凝固についての問題があることが観察されている。この問題を克服するために、本願出願人の国際特許出願WO-A-0154802では、体外循環による治療の間に血液または血漿に浸出することなく抗凝固活性を発揮することができる抗凝固剤を本質的にアクリロニトリルの共重合体ならびに少なくとも1の陰イオン性および陰イオン化可能なモノマーにより構成される半透膜の表面に安定な態様で結合することを開示しており、体外の血液処理セッションの間に患者において全身性に使用される抗凝固剤の量を低下させることができる。
本発明は、体外循環による血液または血漿の処理に適した、半透性の支持膜および抗凝固剤を含んでなる半透性の複合的な膜に関し、前記半透性の支持膜は、本質的に、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有するポリアクリロニトリルにより構成され、血液または血漿と接触することが意図された前記半透性の支持膜の表面は、連続して、
・ポリアクリロニトリルの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る陽イオン性の基を有する陽イオン性ポリマーであって、半透性の支持膜を通過しないだけの十分なサイズの鎖を含んでなる陽イオン性ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン,PEI);および
・前記陽イオン性ポリマーの陽イオン性の基とイオン結合を形成することができる陰イオン性の基を有する抗凝固剤(例えば、ヘパリン画分その他)
でコートされる。
さらに、血液または血漿のような生物学的な液体の処理の間、ある患者が敗血性の症候群に罹患し得ることが観察された。前記敗血性症候群は、必ずしも腎不全に付随しない。
敗血性症候群の起源は、内毒素(リポ多糖)を放出する細菌(主にグラム陰性)に対する感染である。そのような内毒素は、炎症誘発性および抗炎症性のサイトカインの合成を誘発する。院内感染の数は、抗菌治療に対する細菌の耐性により増加している。敗血症性ショックのような敗血性症候群による死の原因の1つは、多臓器不全(MVD)の場合、特に汎発性血管内凝固症候群(DIVC)であり得る。DIVCを伴うMVDの予後は、非常に悪い。
現在、抗菌治療により、敗血性症候群の源において細菌感染を食い止めようとする試みが行われている。その技術は、抗生物質に対する菌株の耐性の増大の主要な問題は言うまでもなく、関与する菌株の同定の問題により限定され、特に、これらの菌株は院内感染の原因である。
敗血性症候群に対する闘いは、抗II-1、抗TNFα、抗内毒素、抗PAF(血小板活性化因子)のような抗炎症薬を患者に投与することまたはステロイドを使用することからなる。そのような薬物は、敗血性症候群に罹患した患者の生存率において、有意に長い期間の改善を生じない。
分子(商標名「XIGRIS」で販売されているプロテインC)は、近年、市場で見られる。その分子の費用/利益は数量化されるべきである。
敗血性症候群に罹患している集団の数は、突発性または持続性の腎不全に罹患している集団のように相対的に高い。これらの患者には、両方の集団に属する者もいる。本発明は、前記2つの集団の全体の群に属するいずれの患者にも適用可能である。
本発明の技術的な問題および目的
これらの状況下において、本発明の本質的な目的の1つは、敗血性症候群に対する治療のための新規技術を開発すること、特に、患者を助け、または治療し、前記患者の死亡率を低下させることである。
本発明のもう1つの目的は、実質的に既知の方法より効果的且つ安価な敗血性症候群の治療に対する新規の技術的手段を提供することである。
さらなる重要な側面において、本発明は、必要な場合には同時に、敗血性症候群を治療することおよび患者に注射されてよい血液、血漿または他の液体のような生物学的な液体を精製することが意図された新規の技術的手段を提供する。
さらなる側面において、本発明は、敗血性症候群に関連するメディエータ(内毒素、サイトカイン、アナフィラトキシン等)の効果的な吸着のための複合支持体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、必要な場合には同時に、敗血性症候群を治療することおよび患者に投与することができる血液、血漿または他の液体のような生物学的な液体を精製することが意図された複合支持体を提供する。
さらなる重要な側面において、本発明は、必要な場合には同時に、敗血性症候群および腎不全の治療に向けられた多機能の複合支持体を提供する(特に、血液透析、限外ろ過、血液ろ過および/または血液透析による)。
さらなる側面において、本発明は、敗血性の症候群に関連するメディエータを吸着するのに効果的であり、必要な場合には、膜を用いた治療の間に抗凝固剤を投与する場合に全身性の抗凝固を回避することができる抗血栓形成性の性質を有する複合支持体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、敗血性症候群に関するメディエータを吸着するのに効果的であり、必要な場合には、体外での血液または血漿の処理セッションの間に患者に投与される抗凝固剤の量を有意に減少させ、または不要にする抗血栓形成性の性質を有する複合支持体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、WO-A-01/54802の半透膜および交換体に対する改善を提供し、前記膜を通してろ過されることが意図された生物学的な液体に含まれる望ましくない物質に対する優れた吸着能力を保証する。
さらなる側面において、本発明は、WO-A-01/54802の半透膜および交換体に対する改善を提供し、処理前により多い量の抗凝固剤を膜上に接合させることを保証する。
発明の展開
結合した負電荷を有するポリアクリロニトリルに基づく半透膜は既知であり、膜形成の前または後に、陽イオン性ポリマーが適切な量および様式で前記膜に組み込まれる。前記ポリマーは、ポリアミン、好ましくはポリエチレンイミンから選択されてよい。前記膜は、腎不全に罹患している患者の血液中に存在する望ましくない物質を除去することができる。
本発明者は、敗血性症候群の原因である内毒素および他の媒介物に対する吸着能力を有する医療装置を提供することを求めた。ある一定のこれらの媒介物は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有することが見出された。本発明は、現存する様式(薬剤等)とは異なる治療の形態を使用して作用させることおよびそのような媒介物を吸着できるようにする医学的な使用のための支持体に関して研究することを選択した。
そのような選択およびEP-A-0 925 626に記載されている支持体から開始し、本発明者は、膜形成の前または後に、陽イオン性ポリマーが全体のイオン容量および膜の電気運動指数を制御できる量で適切な様式により膜に組み込まれる、結合した負電荷を有するポリアクリロニトリルに基づく半透膜を知った。前記ポリマーは、ポリアミン、好ましくはポリエチレンイミン(PEI)から選択されてよい。前記膜は、血液を精製できるのみである。
さらに、陽イオン性ポリマーのプロトン化は、一度前記陽イオン性ポリマー溶液のpHが酸性になると促進されることが既知であった。実際に、pHが酸性になるほどプロトン化される。
しかしながら、本発明者は、このような条件下において、陰イオン性ポリマーを含んでなる膜の表面における陽イオン性ポリマーの表面密度は非常に低く、1mg/m2オーダーであることを見出した。
この事実は、酸性媒質中における陽イオン性ポリマー分子の立体障害に貢献し得る。この場合において、陰イオン性の基を有するポリマーを含んでなる基礎の膜に陽イオン性ポリマーの最大量を結合させることを求める当業者は、陽イオン性ポリマーのプロトン化が適切であっても酸性媒質において陽イオン性ポリマーを使用することには導かれず、対照的に、表面密度は非常に低く、陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む実体は、陽イオン性または陽イオン化可能な基に多量には融合されない。
あるいは、塩基性媒質中で陽イオン性ポリマーを使用することにより、本発明者は、10mg/m2に近い値のより高い表面密度を観察し、これは多数のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基を基礎膜上に接合させるのに十分でない。確かに、酸性媒質と比較して表面密度は増大するが、プロトン化の程度(および遊離の陽イオン性または陽イオン化可能な基の数)は限定された。
そのような医療装置の製造の間にpHを調節することについての示唆はなく、想定された目的を満たすための酸性または塩基性pHの選択についての示唆もない。結果として、当業者は、そのような支持体を用いた研究を試みなかった。
驚くべきことに、本発明者は、特に、例えば陰イオン性または陰イオン化可能な基を有するポリマーの溶液を該ポリマーに対して特定の割合の有機ポリ酸の溶液と混合することにより、コロイド形態で且つ酸性媒質中で陰イオン性または陰イオン化可能な基を有するポリマーの溶液を使用することは、結果として、膜の表面に融合するポリマーの量およびこの膜コーティングの表面における遊離の陽イオン性または陽イオン化可能な基の利用能の両方においてかなり増大し、非常に多量の陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する実体が結合することを可能にする。
引き続く試験において、本発明者は、コロイド形態で陽イオン性の基を有するポリマーを使用することにより既知の支持体に存在する特性を修飾しないことを確認した。
それ故、本発明者は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有するポリマーにより本質的に構成される医学的な使用のための支持体上に、陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し酸性媒質中のコロイド形態であるポリマーを使用することを開発した。本発明者は、結果として、安定な態様で接合された多機能の吸着支持体により構成される新規の治療手段を開発し、特に、内毒素を吸着し、例えば敗血性症候群において生じる凝固障害の原因である他の化合物(トロンビン)を阻害する効果的な能力を提供する。
これらの結果は、第2のポリマーの分子および/または第1のポリマーの構造の分子に関する第2のポリマーの分子の特定の共通分子配列により得られると推測される。前記第2のポリマーの分子の特定の共通分子配列および/または前記第2のポリマーの分子の量は、少なくとも前記第2のポリマーのコロイド形態に依存する。
発明の簡単な説明
それ故、本発明者は、特に、陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む第1のポリマーにより本質的に構成される医学的な使用のための基礎支持体を処理するための懸濁液の使用により、上述した目的を達成し、前記懸濁液は、酸性媒質中にあり、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を含む第2のポリマーを含んでなり、前記第2のポリマーは、コロイド形態である。
前記使用は、生物学的な液体の処理のための基礎支持体を含んでなる複合支持体を結果として生じ、前記基礎支持体は、本質的に、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより形成され;少なくとも前記基礎支持体の表面の一部は前記第1のポリマーとイオン結合した第2のポリマーでコートされ、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し;前記第2のポリマーはコロイド形態であり、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基と結合することにより、複合性の膜が陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む少なくとも1の実体を吸着することを可能にする。
前記新規の支持体は、体外循環により上述した病態を有する患者からの血液または血漿の存在に導入するかまたは接触させ、吸着剤として作用する場合に特に適していることが証明された。
加えて、前記支持体の表面部分は、前記第2のポリマーの陽イオンまたは陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する少なくとも1の抗凝固剤で少なくとも部分的にコートされてよい。
前記新規の多機能の支持体は、構造として、第2のポリマーの高い表面密度の中間層でコートされた第1のポリマーは不可欠であり、高度に安定な態様において、抗凝固剤の外部層を有する。
本発明は、生物学的な液体を処理するための複合支持体を製造する方法にも関し、前記方法は、以下のステップを含んでなる:
a)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより本質的に構成される基礎支持体を提供することと;
b)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有する第2のポリマーを含んでなる酸性媒質における懸濁液であって、前記第2のポリマーはコロイド形態である懸濁液を提供することと;
c)前記懸濁液を前記基礎支持体の表面の少なくとも一部と接触させること。
本発明の使用は、結果として以下のような交換体を生じる:
・第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを定める支持枠を含んでなり;
・前記第1のコンパートメントは、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環に向けられており;
・前記第2のコンパートメントは、透析液またはろ液の循環に向けられ、排出口および任意に注入口を備え;
・前記2つのコンパートメントは、本発明による複合支持体により分離される。
本発明は、生物学的な液体の処理のための交換体を製造する方法にも関し、前記交換体は、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを定める支持枠を含んでなり、前記第1のコンパートメントは、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環に向けられており、前記第2のコンパートメントは、透析液またはろ液の循環に向けられ、排出口および任意に注入口を備え、前記2つのコンパートメントは、前記基礎支持体により分離され、前記方法は、以下のステップを含んでなる;
a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
a2)交換体の種々の成分を集め、特に、支持枠に基礎支持体を据え付けることと;
b1)第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る陽イオン性または陽イオン化可能な基を有する第2のポリマーを含む酸性媒質中の懸濁液であって、前記第2のポリマーはコロイド形態である懸濁液を提供することと;
b2)処理される液体と接触させることが意図された前記基礎支持体の表面の少なくとも第1の部分に前記懸濁液を接触させることと;
b3)ステップ(b1〜b2)がステップa2の後に行われる場合において、前記交換体の前記第2のポリマーを含む溶液をすすぎ、および/または除去することと;
c1)任意に、そのように得られる交換体を滅菌すること。
本発明の使用は、生物学的な液体中に含まれる実体を吸着するための装置も生じ:
・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環に向けられた支持枠と;
・前記支持枠に含まれる本発明による複合支持体
を含んでなる。
この理由のために、本発明は、生物学的な液体の処理のために生物学的な液体中に含まれる実体を吸着するための装置であって、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環に向けられている支持枠ならびに本発明による複合性の支持体を含んでなる装置を製造する方法にも関し、該方法は、以下のステップを含んでなる:
a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
a2)装置の種々の要素を集め、特に、支持枠に基礎支持体を据え付けることと;
b1)第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る陽イオン性または陽イオン化可能な基を有する第2のポリマーを含む酸性媒質中の懸濁液であって、前記第2のポリマーはコロイド形態である懸濁液を提供することと;
b2)処理される液体と接触させることが意図された基礎支持体の少なくとも第1の部分に前記懸濁液を接触させることと;
b3)ステップ(b1〜b2)がステップa2の後に行われる場合において、吸着装置の前記第2のポリマーを含む溶液をすすぎ、および/または除去することと;
c1)任意に、そのように得られる吸着機器を滅菌すること。
最後に、本発明は、
・特に生物学的な液体中に含まれる内毒素を吸着することにより、敗血性症候群を治療するため;
・体外循環により、血液または血漿中に含まれるある一定の分子を精製するため;
・体外の血液または血漿の処理の間、患者における全身性の抗凝固を減少させるため
の本発明による支持体の使用に関する。
図1は、本発明の交換体(実施例1)および先行技術の交換体(M100)について、ヒトの血漿を用いたインビトロ比較試験における内毒素(リポ多糖、LPS)の吸着動態を示す。 図2は、対照(M100)タイプの交換体を用いて処理した対照ブタおよび本発明の半透膜を含んでなる交換体を用いて処理したブタについての全身性の血管抵抗SVRを示す。 図3は、対照(M100)タイプの交換体を用いて処理した対照ブタおよび本発明の半透膜を含んでなる交換体を用いて処理したブタについての平均肺動脈圧MPAPを示す。 図4は、対照(M100)タイプの交換体を用いて処理した対照ブタおよび本発明の半透膜を含んでなる交換体を用いて処理したブタについての注入されたクリスタロイド溶液の量を示す。 図5は、対照(M100)タイプの交換体を用いて処理した対照ブタおよび本発明の半透膜を含んでなる交換体を用いて処理したブタについてのラクテート濃度を示す。 図6は、対照(M100)タイプの交換体を用いて処理した対照ブタおよび本発明の半透膜を含んでなる交換体を用いて処理したブタについての酸性度を示す。 図7は、対照ブタM100および本発明の交換体(実施例1)で処理されたブタについて、処理の最後に測定された種々のサイトカインの量を示す。 図8は、ある一定の閾値以上の分子サイズを有するPEIを調製するために使用される回路を示す。 図9は、本発明による交換体を示す。 図10は、異なる濃度および異なるpHのPEIの種々の溶液に対する本発明の支持体の表面上におけるPEIの吸着(mg/m2)を示す。
発明の詳細な説明
本文において、与えられた数字は、例えば±10%に対応する近似値である。
本発明は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む第1のポリマーにより本質的に構成される医学的な使用のための基礎支持体を処理する懸濁液の使用に関し、前記懸濁液は、酸性溶媒中にあり、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を含む第2のポリマーを含んでなり、前記第2のポリマーはコロイド形態である。
コロイド形態の第2のポリマーの定義
前記第2のポリマーの懸濁液は、前記第2のポリマーと共に少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなり、前記第2のポリマーが前記コロイド形態をとることを可能にする。
前記有機ポリ酸は、ポリカルボン酸であってよく、特に、少なくとも3のカルボン酸基、好ましくは有機三塩基酸を含んでなる。好ましい実施形態において、前記ポリカルボン酸はクエン酸である。
第1のポリマーの定義
好都合には、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基は、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、硫酸基およびリン酸基、ならびにそれらの塩から選択される。
より詳細には、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基は、酸性のスルホン酸基またはその塩の形態である。
最後に、本発明の好ましい実施形態において、前記第1のポリマーは、ポリアクリロニトリル、好ましくはアクリロニトリルとメタリルスルホン酸ナトリウムの共重合体を含んでなる。
使用
前記懸濁液は、
・医学的な使用のための基礎支持体の表面を処理するため;
・医学的な使用のための基礎支持体の大部分を処理するため
に使用されてよい。
使用される基礎支持体は、半透膜、ビーズ、ゲルまたは泡の形態であってよい。
第2のポリマーの定義
さらにより好ましくは、前記第2のポリマー(P2)は、ポリアミン、好ましくは陽イオン性ポリアミノ酸および/またはポリイミンから選択され、より好ましくは、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン(PEI)、それらの共重合体およびそれらの混合物からなる群より選択される。
本発明の好ましい実施形態において、ポリエチレンイミンは第2のポリマーである。
本発明の1つの特徴によると、前記第2のポリマーの分子量は、前記第1のポリマー(P1)により構成される支持体膜のカットオフ閾値よりも大きくてよい。
本発明の次の特徴によると、前記第2のポリマーは、基礎支持体を通過しないために十分なサイズの鎖を含んでなる。それ故、前記第2のポリマーは、コロイド形態になる前に、第1のポリマーを含んでなる基礎支持体を通過しないために十分な大きさ(立体障害)を有する鎖を含んでよい。これは、本質的に、前記第1のポリマーにより本質的に構成される支持体の表面に、イオン結合により結合することを可能にする。結果として、P1を含んでなる基礎膜の表面を処理するのに必要な第2のポリマーの量は、第1のポリマーを含んでなる基礎膜の内部に第2のポリマーを浸透させることによる第1のポリマーを含んでなる基礎膜の大部分の処理が求められない場合、中程度である。この特性は、前記基礎支持体の表面処理に加えて前記第2のポリマーによる大部分の処理が行われない場合、必ずしも有用でない。
P2が膜のカットオフ閾値以上の分子量を有するという事実は、複合性の膜において望ましい性質を生じることに関して重要なパラメータであってもよい。
好ましくは、前記第2のポリマーは、第1のポリマーにより本質的に構成される支持体(例えば半透膜)以上のカットオフ閾値を有する半透膜を通した第2のポリマーの溶液の限外ろ過により調製される。これは、基礎支持体の孔に対応するある一定の大きさ以下の第2のポリマーの鎖が排除されることを可能にする。限外ろ過によるこの調製方法は、図8に示す。
しかしながら、このパラメータは、第2のポリマー(いずれかの分子サイズ)がコロイド形態になる場合には必要なく、ポリマーの凝集体のサイズは増大し、得られる大きさは基礎支持体を通らないために十分である。このことは、第2のポリマーの分子サイズを選択するためのステップを回避することができる。
複合支持体の定義
複合支持体は、生物学的な液体の処理のための基礎支持体を含んでなり、前記基礎支持体は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより本質的に構成され、前記基礎支持体の表面の少なくとも一部は、前記第1のポリマーとイオン結合する第2のポリマーでコートされ、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、前記第2のポリマーはコロイド形態である。本発明者は、驚くべきことに、このコロイド形態は、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基と結合することにより、前記複合性の膜が陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む少なくとも1の実体を吸着することができることを見出した。
前記複合支持体は、上記で定義したような有機ポリ酸を伴ってよい第2のポリマーを含んでなる。
前記複合支持体は、上記で定義したような第1のポリマーおよび第2のポリマーを含んでなる。
コロイド懸濁液を得るために、第2のポリマーおよび有機ポリ酸の濃度比を慎重に選択することは有益である。前記懸濁液中の有機ポリ酸の濃度に対する前記懸濁液中の第2のポリマーの濃度の比は、コロイド形態の懸濁液を調製できるような比である。例えば、前記第2のポリマーがポリエチレンイミンであり、前記ポリ酸がクエン酸である実施例において、前記PEIおよびクエン酸の濃度比は、0.9〜1.1の範囲である。
抗凝固剤の定義
本発明の複合支持体は、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する少なくとも1の抗凝固剤で少なくとも部分的にコートされた支持体の表面の部分を含んでよい。
前記抗凝固剤は、抗凝固活性を有するグリコアミノグリカンのファミリーの少なくとも1の化合物を含んでよく、前記抗凝固剤は、好ましくは、分画されていないヘパリン、分画されたヘパリン、ダナパロイド(danaparoid)、全てのヘパリン誘導体および前記物質の混合物を含んでなる群より選択される。
明らかに、前記抗凝固剤は無毒でなければならない。分画されていないヘパリンが特に好ましい。
付着する抗凝固剤の表面濃度は、膜の1000〜30000 IU/m2、好ましくは2000〜8000 IU/m2の範囲であってよい(両端は含まれる)。
第2のポリマーの濃度
本発明の複合支持体は、15〜200mg/m2の範囲、好ましくは15〜100 mg/m2の範囲、より好ましくは15〜95 mg/m2の範囲で、コロイド形態の第2のポリマーの表面濃度を有する。
本発明の第1の実施形態において、前記複合支持体は、基礎支持体として半透性の基礎膜を有してよい。
それ故、前記第2のポリマーの分子量は、第1のポリマーで作られた半透膜のカットオフ閾値よりも大きくてよい。
そのような半透膜としての基礎支持体を有する複合支持体は、複合性の膜と名付けられてよく、血液または血漿の体外循環による精製のために使用され、少なくとも血液または血漿と接触させることに向けられた表面の第1の部分と透析液またはろ液と接触させることに向けられた表面の第2の部分を含んでなる。前記膜の表面の第1の部分は、コロイド形態の第2のポリマーおよび任意に陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤により覆われてよく、第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成し得る。
この態様において、少なくとも透析液またはろ液と接触させることに向けられた膜の表面の第2の部分は、コロイド形態の第2のポリマーで覆われてよい。また、任意に、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤により覆われてよい。
好ましい態様によると、前記膜の表面の第1の部分は、コロイド形態の第2のポリマーおよび前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤で覆われ、併せて、前記膜の表面の第2の部分は、コロイド形態の第2のポリマーで覆われる。
表面の第2の部分に対するコロイド形態の第2のポリマーは、ある一定の閾値以上の分子サイズを有してよい。あるいは、コロイド形態でなくおよび/または前記第1のポリマーの膜に対するカットオフ閾値以上の分子サイズを有する第2のポリマーで表面の第2の部分が覆われることを想定してもよい。
第1の表面(「血液面」)および第2の表面(「ろ液または透析液面」)がコロイド形態の第2のポリマー単独でコートされた複合性の膜は、「コロイド性二面」膜と呼ばれる膜である。
前記多機能膜は、敗血性症候群の原因である内毒素を吸着することができ、接触相の活性化を減少させることができ、血液処理の直前、製造の間に接合された抗凝固剤または血液処理の間に患者に投与される抗凝固剤を吸着することができる。
前記半透膜は、平面状の膜の形態の積み重ねであるか、またはホローファイバーの束で構成される。
ホローファイバーの束の場合、ホローファイバーの内側表面は、血液または血漿と接触させることが意図された表面の第1の部分であり、ホローファイバーの外側表面は、ろ液または透析液と接触させることが意図された表面の第2の部分である。
半透膜の好ましい実施形態において、前記第1のポリマーは、例えば、GAMBRO INDUSTRIESにより製造される商標名AN69の共重合体のような、アクリロニトリルとメタリルスルホネートナトリウムの共重合体であってよく、最もよい結果が得られる。同じ態様において、前記第2のポリマーは、好ましくはPEIであり、前記抗凝固剤はヘパリンである。本発明のこの好ましい実施形態の複合性の半透膜は、体外循環(ECC)を用いた処理または血漿血液セッションの間に効果的な抗凝固活性を有する。さらに、前記抗凝固剤(例えばヘパリン)は、コロイド形態の第2のポリマーで覆われた第1のポリマーの構造に、適切な態様で結合する。
基礎支持体としての半透膜に対する第2の代替の実施形態において、前記支持体は、以下の形態の1つで構成される基礎支持体を含んでよい:ビーズ、泡またはゲルの集合。
可変性の孔を有する基礎支持体(例えば、ビーズ、泡、スポンジ)を想定することができる。
この第2の実施形態における基礎支持体は、本質的に、前記第1のポリマーで構成される。
第1の実施形態において、前記基礎支持体は、第1のステップにおいて製造され、続く第2のステップの間にコロイド形態の第2のポリマーで処理されてよい。懸濁液での処理は、表面、具体的には「見かけ上の表面」(すなわち、明らかに目に見える表面)において行われてよいが、任意に、「展開(developed)表面」(すなわち、見かけ上の表面および基礎支持体内の孔により現れる表面において行われてよい。
見かけ上の表面のみが処理される場合、第1のポリマーの表面処理と呼ばれる。見かけ上の表面および展開表面が処理される場合、第1のポリマーの大部分の処理と呼ばれる。
第2の代替の実施形態において、前記支持体は、前記第1のポリマーをコロイド形態の第2のポリマーと同時に混合することにより製造されてよい。これは、第1のポリマーの大部分の処理と呼ばれ、この態様は、見かけ上の表面および展開表面の両方に第2のポリマーを結合させることができる。
そのような支持体(前記2つの実施形態の1つ)は、処理される生物学的な液体を導入する注入口および処理された液体を排出する排出口を含んでなる支持枠中に存在する。前記支持体は、イオン結合により、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する液体の実体を吸着することができる。
この態様において、見かけ上の表面に加えて、コロイド形態の前記第2のポリマーは、例えば泡の大部分またはビーズの大部分のように、基礎支持体の大部分に存在してもよい。
この場合、結合するコロイド形態の第2のポリマーの量は、前記支持体の空隙率に依存する。
支持体の機能的な定義
前記支持体は、内毒素を吸着する能力により定義されてもよい。
本発明の複合性の支持体は、500 EU/m2、好ましくは1500 EU/m2以上の内毒素吸着能(大腸菌 O55:B5, EU/m2で表され、以下に示す方法Mを用いて測定される)を有する。
好ましい実施形態において、前記内毒素の吸着能は、2000〜5000 EU/m2の範囲である。
方法M:10 EU/mlの大腸菌O55: B5内毒素を含む生理的な血清の、ホローファイバー透析機の血液コンパートメントにおける循環(閉じた回路、流速300 ml/分の流速で500ml)。Limulus LAL試験による内毒素分析。
吸着能に加えて、第2のポリマー(P2)でコートされた第1のポリマー(P1)の表面における抗凝固剤の結合性および接合安定性は、本発明の重要なパラメータの1つである。
この抗凝固剤の接合安定性は、CKTにより得られる凝固時間により確立されてよい。
それ故、本発明の支持体は、好ましくは、上述したように、ECC(体外循環)の間の試験において、6時間を超える初期値に対して有意に増大しないCKTを有する(約10%)。
凝固時間(CKT、セファリンカオリン時間)を測定するための試験は、以下に示す通りである:
CKTは、ある一定の凝固因子の欠乏またはヘパリンのような抗凝固剤の存在により引き起こされるクエン酸を添加した血漿の凝固時間における延長を測定する。後者の場合において、凝固時間の延長は、存在するヘパリンの量に比例する。CKTの測定は、それ故、血液中の抗凝固剤のレベルを示す。この凝固時間(秒で表される)を測定する方法は既知であり;再循環および活性化因子を加えた後に行われる。
例として、ホローファイバー透析機(GAMBRO INDUSTRIES, Franceにより製造された商標名TILTRAL 16)が使用され、AN69、1.6mの有用な膜表面面積を提供し(P1=アクリロニトリルとメタリルナトリウムの共重合体)、その2つの表面は、P2=PEIで、その後抗凝固剤=ヘパリンでコートされている。
透析機を含む体外での血液循環は、ヒツジの血管系に結合されてよい。ヒツジの血液中には、抗凝固剤は投与されない。
循環の全期間において、CKTが測定される。
前記方法により得られる複合性の支持体の定義
本発明の複合支持体の特性は、少なくとも部分的に、それが得られた方法により決定され、少なくとも1の表面処理が取り入れられてよい。
生物学的な液体の処理のための複合支持体を製造する方法は、以下のステップを含んでなる:
a)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより本質的に構成される基礎支持体を提供することと;
b)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含んでなる、酸性媒質中の懸濁液を提供することと;
c)前記基礎支持体の表面の少なくとも一部に、前記懸濁液を接触させること。
前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは、上記で定義した通りであってよい。
本発明の1つの特徴によると、前記第2のポリマーは、前記第2のポリマーを含んでなる第1の溶液を少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなる第2の溶液と混合する工程により、コロイド形態で得られる。前記ポリ酸は、上記で定義した通りであってよい。
本発明の1つの特徴によると、前記懸濁液中の有機ポリ酸の濃度に対する前記懸濁液中の第2のポリマーの濃度の比は、コロイド形態で懸濁液を形成するような比であってよい。
前記第2のポリマーがポリエチレンイミンであり、前記ポリ酸がクエン酸である場合、PEIとクエン酸についての前記濃度比は、0.9〜1.1である。
本発明の1つの特徴によると、前記方法は、ステップc)の後に、以下に示すようなステップd)を含んでなる:前記基礎支持体の表面の少なくとも一部を、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する少なくとも1の抗凝固剤を含んで成る溶液と接触させて、抗凝固剤を、前記第2のポリマーでコートされた支持体の表面の一部に結合させる。
前記ステップd)は、生物学的な液体の処理(体外)のための複合支持体を使用する直前または前記複合支持体を製造する間に行われる。
前記抗凝固剤が処理の直前に接合される場合、フィルターのすすぎまたはプライミング(priming)の間に、製剤液を複合支持体で構成される全回路を通すことにより行われてよい。
本発明のさらなる特徴によると、前記方法は、最後の任意の製造ステップとして、前記支持体を滅菌するステップを含んでなる。滅菌は、γ線滅菌またはγ線照射により先行される、もしくは先行されない、エチレンオキシドを用いた滅菌であってよく、当業者に周知の技術を用いてよい。
前記第2のポリマーを含んでなる第1の溶液は、半透膜を通して前記第2のポリマーの溶液を限外ろ過することにより調製されてよく、前記基礎支持体の孔に対応するサイズ以下のサイズを有する第2のポリマーの鎖を排除する。
このステップは、前記第2の酸溶液と混合するステップの前に行われる。
さらに、コロイド形態の第2のポリマーの酸性媒質中の懸濁液による処理は、前記基礎支持体の大部分の少なくとも一部において行われてよい。
本発明の文脈において、「コロイド懸濁液」という用語は、連続相、好ましくは水に分散した第2のポリマーの粒子を含んでなる懸濁液を意味する。前記第2のポリマーの粒子の大きさ(平均粒子径)は、500nm以下であり、例えば、10〜500nmの範囲、好ましくは50〜200nmの範囲、または80〜120nmの範囲、例えば100nmのオーダーである。
複合支持体の製造方法についての特定の条件は、以下に示す通りである:
・前記第2のポリマー(P2)は、PEIを含んでなり、前記有機ポリ酸はクエン酸を含んでなる。1つおよび/または他の以下の条件が適用される:
i.PEIの濃度:0.1〜10 g/l、好ましくは0.2〜1;
ii.PEI/クエン酸の重量濃度の比:0.7〜1.3、好ましくは1.0;
・P2はPEIを含んでなり、前記抗凝固剤はヘパリンを含んでなる。1および/または他の以下の条件が適用される:
ヘパリンの濃度:5〜200 IU/ml、好ましくは10〜100;
ステップd)における液体媒質は、水性媒質であり、水、水+塩、酸性の水、pH3〜7を含んでなる群より選択される成分を含む;
ステップc)およびステップd)の少なくとも1は、それぞれ、コートされる前記第1のポリマー(P1)の半透性の基礎支持体膜の表面の少なくとも1に、P2を含む液体媒質および抗凝固剤をそれぞれ連続的に循環させることにより行われ、以下の条件の少なくとも1が実施される:
ステップc)について:
i.処理の直前の2つの溶液の前混合またはインライン混合
ii.処理流速:50〜500 ml/分、好ましくは100〜200;
iii.開いた回路または閉じた回路(一方向性または二方向性);
iv.期間:1〜30分、好ましくは5〜10;
ステップd)について:
i.流速:50〜500 ml/分;
ii.開いた回路または閉じた回路、一方向性または二方向性;
iii.期間:1〜30分、好ましくは5〜10.
P1がポリアクリロニトリルとメタリルスルホネートナトリウムとの共重合体である場合、P1に基づく構造は、任意に、ステップc)におけるP2コーティングを結合させることを目的とした表面処理およびステップd)における抗凝固処理の前に、脱グリセリンされてよい。「脱グリセリン」の間、水溶液は循環される。
多機能性の交換体
本発明は、
・第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを規定する支持枠と;
・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された第1のコンパートメントと;
・透析液またはろ液の循環が意図され、排出口および任意に注入口を備えた第2のコンパートメントと
を含んでなる交換体も想定され、前記2つのコンパートメントは、本発明による複合支持体により分離される。
本発明のさらなる特徴において、前記交換体のコンパートメントは、場合により、適切な接着性の組成物に基づく取り付け体(setting mass)により分離されてもよく、
i)支持体として、ホローファイバーの束の形態の透過性の膜を含んでなる、2つのコンパートメントを分離する円柱状の仕切り;
ii)支持体として、平面状の膜の積み重ねの形態の半透膜を含んでなる、前記装置におけるシール
を形成する。
好都合には、本発明の交換体は、約200cm2以上且つ約4m2未満、成体について好ましくは、約0.6m2〜2m2の範囲の容積または交換体表面を有する。
好ましくは、複合性の半透膜、すなわち本発明の支持体を含んでなる交換体は、滅菌され、使用される。それ故、消費者による特別な操作は必要ない。
交換体の製造方法
本発明は、生物学的な液体を処理するための交換体を製造する方法にも関し、前記交換体は、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを規定する支持枠を含んでなり、前記第1のコンパートメントは、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図されており、前記第2のコンパートメントは、透析液またはろ液の循環が意図され、排出口および任意に注入口を備え、前記2つのコンパートメントは、基礎支持体により分離されており、前記方法は、以下のステップを含んでなる:
a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
a2)前記交換体の種々の要素を集めること、特に、支持枠中に基礎支持体を据え付けることと;
b1)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含む、酸性媒質中の懸濁液を提供することと;
b2)少なくとも、処理される液体と接触させることが意図された前記基礎支持体の表面の第1の部分と前記懸濁液を接触させることと;
b3)ステップ(b1−b2)がステップa2)の後で行われる場合、交換体の前記第2のポリマーP2を含む溶液をすすぎおよび/または除去することと;
c1)任意に、得られた交換体を滅菌すること。
前記ステップb3)の後、任意に、半透膜をすすぎ、過剰な非結合の第2のポリマーを除去する。
本発明の方法のさらなる特徴によると、ステップb)の後、ステップc0)が挿入されてよく、コロイド形態の第2のポリマーでコートされた基礎支持体の表面の少なくとも一部を、液体媒質中において、少なくとも1の抗凝固剤の溶液と接触させ、コロイド形態の第2のポリマーでコートされた支持体の表面に抗凝固コーティングを結合させる;前記ステップc0)は、ステップa2)の前または後に行われてよい。
ステップc0)がステップa2)の後に行われる場合、前記交換体は、抗凝固剤を含む溶液が除去されてよい。
ステップc0)は、滅菌c1)の前の製造の間、または製造の後および使用の直前に行われてよい。
任意に、前記半透膜はすすがれ、過剰な非結合の抗凝固剤が除去されてよい。
前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは、上記で定義した通りであってよい。
以下の操作条件が想定されてよい:P2は、少なくとも1の有機ポリ酸(ポリカルボン酸)、好ましくは有機三塩基酸(または、より好ましくはクエン酸)である。
任意に、平面状の膜またはホローファイバーの束は、ステップa1)の終わりにグリセリン化され、ステップb2)を行う前の脱グリセリン化に対する必要性は、上記で定義されている。
任意に、前記半透膜は、すすがれ、過剰な結合性の陽イオン性ポリマーP2が除去される。任意に、前記半透膜は、すすがれ、過剰な非結合性の抗凝固剤が除去される。
任意に、前記半透膜は、場合に応じて再びグリセリン化される。
本発明の文脈において、前記交換体の滅菌は、複合性の半透膜に影響を及ぼすことなく、例えばγ線照射のような照射法、またはエチレンオキシドを用いた滅菌であってよく、抗凝固剤の付着の前または後で行われてよい。
前記交換体の付加的な特徴およびその製造方法は、本発明の使用および複合支持体に関するデータから推測される。
吸着装置
さらなる側面によると、本発明は、生物学的な液体に含まれる実体を吸着するための装置に関し、
・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された支持枠;
・前記支持枠中に含まれる本発明による複合支持体
を含んでなる。
本発明は、生物学的な液体の処理のための、生物学的な液体中に含まれる実体を吸着する医療装置を製造する方法に関し、前記装置は、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された支持枠ならびに本発明による複合支持体を含んでなり、前記方法は、以下のステップを含んでなる:
a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
a2)前記装置の種々の要素を集めること、特に、支持枠中に基礎支持体を据え付けることと;
b1)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含む、酸性媒質中の懸濁液を提供することと;
b2)少なくとも、処理される液体と接触させることが意図された前記基礎支持体の第1の部分と前記懸濁液を接触させることと;
b3)前記ステップ(b1−b2)が前記ステップa2)の後で行われる場合、吸着装置の前記第2のポリマーを含む溶液をすすぎおよび/または除去することと;
c1)任意に、得られた装置を滅菌すること。
前記吸着装置およびその製造方法の付加的な特徴は、本発明の使用および複合支持体に関するデータから推測され得る。
治療的な使用
さらなる側面において、本発明は、
・特に、生物学的な液体に含まれる内毒素の吸着による、敗血性症候群を治療するための本発明による支持体または交換体の使用;
・体外循環により血液または血漿に含まれるある一定の分子を精製するための、本発明による支持体または交換体の使用;
・特に、支持体による血液または血漿に投与された抗凝固剤の吸着により、体外循環の血液処理の間の患者における全身性の凝固を減少させるための、本発明の支持体または交換体の使用
に関し、この効果は、予め固定された抗凝固剤または治療の間に患者に投与された抗凝固剤の吸着能による複合支持体の非血栓形成性の性質による。
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例から明らかになるであろう。
例1:
実施例1の製品の製造
1.以下を含む溶液1の調製
・高分子量ポリエチレンイミン(PEI)、1 g/l;
・クエン酸、1 g/l;
・溶媒:水。
前記溶液は、コロイド形態であった。
特に、このPEIの調製および特性については、FR-B-2 804 328を参照されたい。ポリエチレンイミン(PEI)の場合、陽イオン性ポリマーを調製するための前記方法は、処理され、通過する半透膜の孔に侵入し得る最も小さなポリマーの鎖(立体障害)を分画により除去することに向けられている。図8は、以下のステップを含んでなるPEIの調製方法を示す:a- 750kダルトンの平均分子量を有するPEI(BASFからのLUPASOL P)の希釈水中の50 g/lの溶液を調製する(タンク1);b- AN69(アクリロニトリルとメタリルスルホネートナトリウムの共重合体)から形成される膜(有用な表面は1.6 m2)を備えた、ホローファイバーを有する透析機2(商標名FILTRAL 16, GAMBRO INDUSTRIES, Franceにより製造される)の血液コンパートメント中の閉じられた回路に、流速300 ml/分で前記溶液を循環させる;c- ステップbと同時に、流速60 ml/分でタンク1に水を加え、同じ流速で限外ろ過する。
2.以下を含む溶液2の調製
・128 IU/mlの濃度の分画されていないヘパリン(IU=抗Xa活性);
・溶媒:水。
3.表面処理:マルチフロー100(M100)タイプの製品の内部コンパートメント(血液と接触する)は、以下のように処理された:
・流速150ml/分で5分間の水の循環;
・溶液1の循環
流速300 ml/分、2.5分、図の方向1;
流速300 ml/分、2.5分、方向2;
・溶液2の循環
流速300 ml/分、2.5分、方向1;
流速300 ml/分、2.5分、方向2;
・空気を用いた内部コンパートメントの浄化(400 mgHgの吸入圧で1分)。
4.γ線照射による生成物の滅菌(30 kGy)。
滅菌後、生成物は特徴付けられた。
実施例1の内毒素の吸着能:
方法:1 EU/mlの大腸菌O55: B5内毒素を含む10 IU/mlのヘパリン化された(heparinated)血漿の血液コンパートメントにおける循環(閉じた回路, 流速300 ml/分で500 ml)。
試験の説明
規則的な時間間隔で、本発明によるPEIおよびヘパリンで処理されていないM100交換体で構成される陰性対照ならびに上述した本発明の交換体について、血漿中の内毒素の量を測定した。その結果を図1に示す。
実施例1のインビボ試験:
方法
・35kgのブタ
・一般的な麻酔(プロポフォール, 3 mg/kg);
・シュードモナス・アエルギノサ(pseudomonas aeruginosa)の灌流(5.108 CFU/ml, 0.3 ml/min, 20 kg);
・70mmHgの平均動脈圧を維持するためのクリスタロイドの投与により得られる敗血性ショックの治療;
・各タイプの生成物について4匹のブタ(M100および本発明の生成物)。
結果
・血行動態
SVR:全身性の血管抵抗:ショックを有する場合、減少;増大は改善のサインである;
MPAP:平均肺動脈圧:ショックの間上昇する;低下することが好ましい;
クリスタロイド:動脈圧における低下を補うために注入される溶液:使用が少ないことが陽性のサインである;
ラクテートおよびpH:ショックにより引き起こされるアシドーシスを示す:pHの増大を伴うラクテートの減少は、陽性のサインである。
結果は、図2〜6に示され、血行動態的なパラメータの全てが動物の状態における改善の方向に動いていることがわかる。
この試験の補足的な結果として、図7は、治療の終わりと比較したサイトカインの血中濃度を示す。これらの結果は、測定された4のサイトカイン、すなわちII1B、I1ra、TNF、およびI16の濃度が、本発明により処理されたブタにおいて有利に低下することを示す。
実施例2
実施例2の製品の製造
1.以下を含む溶液1の調製:
・高い分子量を有するポリエチレンイミン(PEI)、0.2 g/l。このPEIの調製および特徴付けのために、FR-A-2 804 328および本明細書の実施例2の記載を参照されたい;
・クエン酸、0.2 g/l;
・溶媒:水。
前記溶液は、コロイド形態である。
2.以下を含む溶液2の調製
・100 IU/mlの濃度の非分画のヘパリン(IU=抗Xa活性);
・溶媒:水。
3.表面処理:1.5mの有用な表面を有するホローファイバータイプの交換体(マルチフロー150、M150)を以下のように処理した:
・流速150 ml/分で5分間、内部(血液)および外部(透析液)コンパートメントにおける水の循環(脱グリセリン化);
・内部(血液)および外部(透析液)のコンパートメントにおける溶液1の循環;
方向1において、流速300 ml/分、2.5分;
方向2において、流速300 ml/分、2.5分;
・内部コンパートメント(血液)における溶液2の循環
方向1において、流速300 ml/分、2.5分;
方向2において、流速300 ml/分、2.5分;
・内部(血液)および外部(透析液)のコンパートメントにおけるグリセロール水溶液(60%グリセロール)の循環;
・両方のコンパートメントの空気を用いた浄化(400mmHgの注入圧で1分)。
4.エチレンオキシドを用いた製品の滅菌。
滅菌後、内毒素吸着に関して製品を特徴付けた。
実施例2の内毒素の吸着能:
方法:10 EU/mlの大腸菌O55: B5内毒素を含む水の血液コンパートメントにおける循環(閉じた回路,500ml,流速300 ml/分,2時間)。
結果
Figure 0005199252
実施例2についての内毒素吸着能は、本発明により処理されていない参照製品よりもずっと高いことがわかった。
実施例3
実施例3の製品の製造:
1.以下を含む溶液1の調製:
・高い分子量を有するポリエチレンイミン(PEI),0.5 g/l。このPEIの調製および特性については、特許FR2 804 328および本明細書の実施例1の記載を参照されたい;
・クエン酸,0.5 g/l;
・溶媒:水。
前記溶液は、コロイド形態であった。
2.以下を含む溶液2の調製
・50 IU/mlの濃度の分画されていないヘパリン(IU=抗Xa活性);
・溶媒:水。
3.表面処理:マルチフロー150(M150)タイプの製品を以下のように処理した:
・流速150 ml/分で5分間、内部(血液)および外部(透析液)コンパートメントにおける水の循環;
・内部(血液)および外部(透析液)のコンパートメントにおける溶液1の循環;
方向1において、流速300 ml/分、2.5分;
方向2において、流速300 ml/分、2.5分;
・内部コンパートメント(血液)において、溶液2の循環
方向1において、流速300 ml/分、2.5分;
方向2において、流速300 ml/分、2.5分;
・内部(血液)および外部(透析液)のコンパートメントにおけるグリセロール水溶液(60%グリセロール)の循環;
・両方のコンパートメントの空気を用いた浄化(400mmHgの注入圧で1分)。
4.エチレンオキシドを用いた製品の滅菌。
滅菌後、内毒素吸着に関して製品を特徴付けた。
実施例3の内毒素の吸着能:
10 EU/mlの大腸菌O55: B5内毒素を含む水の製品の血液コンパートメントにおける循環(閉じた回路,2000ml,流速300 ml/分,2時間)。
実施例3の結果:
Figure 0005199252
実施例3についての内毒素吸着能は、本発明により処理されていない参照製品よりもずっと高く、より多くのPEIが吸着されたため、実施例2よりも高いことが分かる。
図9において見られるように、本発明による交換体は、管状の支持枠(2)中に配置されたホローファイバーの束(1)のような半透膜を含んでなり、ディスク(3,4)の形態の仕切りにより2つの末端が固定されている。前記ファイバーが相互に結合しているとう事実に加え、前記ディスクは、管状の支持枠(2)において、該支持枠(2)の軸に対して垂直な2つのコネクター(5,6)が接続する封じられたコンパートメントを規定するように働く。キャップ(7,8)は、前記支持枠の各末端に固定され、前記キャップは、軸方向の接続のコネクター(9,10)を含んでなる。前記2つのコネクター(9,10)は、対称的である。本発明の装置の血液コンパートメントは、各結合ディスク(3,4)と管状の支持枠(2)の対応する末端を閉じるキャップ(8,9)との間に規定される内側スペースおよびホローファイバーの内側により構成される。ろ過に向けられたコンパートメントは、前記支持枠(2)の軸に垂直な2つのコネクター(5,6)により接続されるスペースにより構成され、ホローファイバーの外側を含む。
支持体の表面におけるPEIの吸着(mg/m 2
図10は、異なるpHにおいて、PEIのコロイド懸濁液を含む異なるPEIの溶液についての、支持体の表面におけるPEIの吸着(mg/m2)を示す。測定された吸着は、FILTRALタイプのホローファイバーを用いた半透膜を有する透析機の血液コンパートメントにおける循環によるPEIの吸着である。
同じ濃度のPEIについて、pHに依存する吸着:
それぞれ、pH5(HClで調節)、8(NaOHで調節)および11(NaOHで調節)におけるPEIの溶液を用いた実施例について、吸着されるPEIは10 mg/m2を超えないことが分かった。上述したように、より高いpH(より塩基性)になるほどPEIがより吸着されることが分かり、これは、与えられた濃度のPEIの溶液について、よりPEIを吸着させるためには高いpHのものを使用することに当業者を向ける。
同じpHについて、PEIの濃度に依存する吸着:
同じpHの場合、PEI溶液の濃度が増大した場合にPEIの吸着は増大するが、有意ではない。
クエン酸と混合されたPEIのコロイド溶液の吸着:
対照的に、クエン酸と混合されたPEIのコロイド溶液(PEIとクエン酸について重量比1の試験混合物)について、驚くべきことに、溶液中のPEIの濃度に伴って吸着されるPEIの量が有意に増大することが分かった。クエン酸と混合されたPEIの懸濁液(酸性媒質)を用いることにより、PEIの吸着は増大したが、当業者は、塩基性の培地の方がより多くのPEIが膜に吸着されることを知るであろう。
限外ろ過による陽イオン性ポリマーの調製のための条件:
図8は、限外ろ過によりポリエチレンイミンのような陽イオン性ポリマーを調製する方法を示し、以下のステップを含む:
a)750kダルトンの平均分子量を有するPEI(LUPASOL P,BASF)の希釈水中の50 g/lの溶液1.5 lをタンク1に調製することと;
b)AN69(アクリロニトリルとメタリルスルホネートナトリウムの共重合体)の膜(有用な表面は1.6 m2)を備えた、ホローファイバー透析機2(商標名FILTRAL 16, GAMBRO INDUSTRIES, Franceにより製造される)の血液コンパートメント中の閉じられた回路に、流速300 ml/分で前記溶液を循環させることと;
c)ステップbと同時に、流速60 ml/分で前記タンクに水を加え、同じ流速で限外ろ過すること。
調製時間は156分であった。ろ液中に存在するPEIの分析は、コバルトIIチオシアネート(304nmにおいて最大吸収)を用いて着色した複合体を形成した後で、分光光度法により水中で測定された。
利点
本発明には、以下のような種々の利点がある:
・特に、敗血性症候群に関与するメディエータ(内毒素、サイトカイン、アナフィラトキシン等)の効果的な吸着による、敗血性症候群の既知の治療方法よりも安価で効果的な治療;
・血液、血漿または患者に注入されてよい他の液体のような生物学的な液体の改善された精製;
・膜を利用した処理の間に抗凝固剤を注入する場合、主要な全身性の凝固を妨げることができる支持体の抗血栓形成性の性質;
・必要な場合には同時に、敗血性症候群および腎不全の治療に向けられた支持体の多機能性の性質(特に、血液透析、限外ろ過、血液ろ過および/または血液ろ過等による);
・半透膜および交換体を用いた体外の血液または血漿の処理セッションの間、患者に注入される抗凝固剤の量の減少;
・体外の血液または血漿の処理セッションを行うのに必要な支持体に結合した、または結合していない抗凝固剤の全量を減少させ、前記セッションの費用を減少させ、抗凝固剤による望ましくない2次的な効果を減少させる;
・支持体に持続的に結合した活性因子の活性の改善;
・敗血性症候群を伴う患者における血行動態性の状態の改善;
・WO-A-01/54802よりも多い量の第2のポリマーが第1のポリマーを含んでなる膜に接合する;
・第1のポリマーにより構成される支持体は、より多いポリマーP2を使用する必要なく、WO-A-01/54802よりも多い量の遊離の陽イオン性または陽イオン化可能な基を有する第2のポリマーを含む;
・WO-A-01/54802の発明の場合のようにポリマーについて最小のサイズを要することなく、膜に陽イオン性または陽イオン化可能な基を有するいずれかのポリマーを接合させることができる。

Claims (61)

  1. 医学的な使用のための基礎支持体であり、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を処理する懸濁液の使用であって、前記懸濁液は、酸性媒質中にあり、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を含む第2のポリマーを含んでなり、前記第2のポリマーはコロイド形態であり、前記懸濁液は、前記第2のポリマーと共に、前記第2のポリマーがコロイド形態をとることを可能にする少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなる使用。
  2. 請求項1に記載の使用であって、前記有機ポリ酸はポリカルボン酸である使用。
  3. 請求項2に記載の使用であって、前記ポリカルボン酸は、少なくとも3のカルボン酸基を含んでなる使用。
  4. 請求項3に記載の使用であって、前記ポリカルボン酸は、三塩基有機酸を含んでなる使用。
  5. 請求項2または3に記載の使用であって、前記ポリカルボン酸はクエン酸である使用。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用であって、前記第2のポリマーは、ポリアミンおよび/またはポリイミンから選択される使用。
  7. 請求項6に記載の使用であって、前記第2のポリマーは、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリエチレンイミン、それらの共重合体およびそれらの混合物を含む群から選択される陽イオン性のポリアミノ酸またはポリイミンである使用。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用であって、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基は、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、硫酸基およびリン酸基ならびに前記基の塩から選択される使用。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用であって、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基は、酸性のスルホン酸基または塩の形態のスルホン酸基である使用。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用であって、前記第1のポリマーは、ポリアクリロニトリルを含んでなる使用。
  11. 請求項10に記載の使用であって、前記第1のポリマーは、アクリロニトリルとメタリルスルホネートナトリウムの共重合体を含んでなる使用。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用であって、医学的な使用のための基礎支持体を表面処理するための懸濁液の使用。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用であって、医学的な使用のための基礎支持体の大部分を処理するための懸濁液の使用。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用であって、使用される基礎支持体は、半透膜、ビーズ、ゲルまたは泡の形態である使用。
  15. 生物学的な液体を処理するための基礎支持体を含んでなる複合支持体であって、
    ・前記基礎支持体は、陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーで本質的に構成され;
    ・前記基礎支持体の表面の少なくとも一部は、前記第1のポリマーにイオン的に結合した第2のポリマーでコートされ、前記第2のポリマーは、前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し;前記第2のポリマーはコロイド形態であり、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基と結合することにより、前記複合支持体が陰イオン性または陰イオン化可能な基を含む少なくとも1の実体を吸着することを可能にする
    ことを特徴とする複合支持体。
  16. 請求項15に記載の複合支持体であって、前記第2のポリマーは、請求項1〜5の少なくとも1に定義したような有機ポリ酸を伴う複合支持体。
  17. 請求項15または16に記載の支持体であって、前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは請求項6〜11の少なくとも1において定義されている支持体。
  18. 請求項15〜17のいずれか1項に記載の複合支持体であって、前記基礎支持体の前記表面の一部は、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する少なくとも1の抗凝固剤で少なくとも部分的にコートされている複合支持体。
  19. 請求項18に記載の支持体であって、前記抗凝固剤は、抗凝固活性を有するグリコアミノグリカンファミリーに由来する少なくとも1の化合物を含んでなる支持体。
  20. 請求項19に記載の支持体であって、前記抗凝固剤は、非分画のヘパリン、分画されたヘパリン、ダナパロイド、全てのヘパリン誘導体、およびそれらの混合物を含んでなる群より選択される支持体。
  21. 請求項19または20に記載の支持体であって、接合された前記抗凝固剤の表面濃度は、膜の1000〜30000 IU/m2の範囲である支持体。
  22. 請求項21に記載の支持体であって、接合された前記抗凝固剤の表面濃度は、膜の2000〜8000 IU/m2の範囲である支持体。
  23. 請求項15〜22のいずれか1項に記載の複合支持体であって、前記コロイド形態の第2のポリマーの表面濃度は15〜200 mg/m2の範囲である複合支持体。
  24. 請求項23に記載の支持体であって、前記コロイド形態の第2のポリマーの表面濃度は15〜100 mg/m2の範囲である支持体。
  25. 請求項15〜24のいずれか1項に記載の支持体であって、前記第2のポリマーは、前記基礎支持体を通過しないために十分な大きさを有する鎖を含んでなる支持体。
  26. 請求項15〜25のいずれか1項に記載の支持体であって、前記第2のポリマーは、第2のポリマーの溶液を半透膜を通して限外ろ過し、前記基礎支持体の孔に対応する大きさ以下の大きさを有する第2のポリマーの鎖を除去することにより調製される支持体。
  27. 請求項15〜26のいずれか1項に記載の複合支持体であって、前記基礎支持体は半透性の基礎膜である複合支持体。
  28. 請求項27に記載の支持体であって、前記第2のポリマーの分子量は、前記第1のポリマーから作られる半透膜のカットオフ閾値より大きい支持体。
  29. 請求項15〜28のいずれか1項に記載の複合支持体であって、該複合支持体は体外循環による血液または血漿の精製において使用され、前記基礎支持体は半透膜であり、前記複合支持体は、少なくとも、
    ・血液または血漿と接触させることが意図された表面の第1の部分;
    ・透析液またはろ液と接触させることが意図された表面の第2の部分
    を含んでなり、前記表面の第1の部分は、コロイド形態の第2のポリマーにより覆われている複合支持体。
  30. 請求項29に記載の複合支持体であって、前記膜の表面の第1の部分は、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤により覆われている複合支持体。
  31. 請求項29に記載の支持体であって、
    ・前記膜の表面の第1の部分は、コロイド形態の第2のポリマーおよび該第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤により覆われ;
    ・前記膜の表面の第2の部分は、コロイド形態の第2のポリマーで覆われている支持体。
  32. 請求項29に記載の支持体であって、前記膜の表面の少なくとも第2の部分は、前記コロイド形態の第2のポリマーにより覆われている支持体。
  33. 請求項32に記載の支持体であって、前記膜の表面の少なくとも第2の部分は、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する抗凝固剤により覆われている支持体。
  34. 請求項27〜33のいずれか1項に記載の支持体であって、前記半透膜は、平面状の膜の形態の積み重ねである支持体。
  35. 請求項29〜33のいずれか1項に記載の支持体であって、前記複合支持体は、ホローファイバーの束により構成され、前記ホローファイバーの内部表面は、血液または血漿と接触させることが意図された表面の第1の部分であり、前記ホローファイバーの外部表面は、ろ液または透析液と接触させることが意図された表面の第2の部分である支持体。
  36. 請求項15〜26のいずれか1項に記載の支持体であって、前記基礎支持体は、ビーズ、泡またはゲルの集合の形態のいずれかからなる支持体。
  37. 請求項36に記載の支持体であって、前記基礎支持体は可変性の孔を有する支持体。
  38. 請求項15〜37のいずれか1項に記載の支持体であって、前記コロイド形態の第2のポリマーは前記支持体の大部分に存在する支持体。
  39. 請求項15〜38のいずれか1項に記載の複合支持体であって、膜についての水性媒質中の内毒素吸着能は500 UE/m2以上であることを特徴とする複合支持体。
  40. 請求項39に記載の複合支持体であって、膜についての水性媒質中の内毒素吸着能は1500 UE/m2以上であることを特徴とする複合支持体。
  41. 請求項40に記載の支持体であって、前記内毒素吸着能は、2000〜5000 UE/m2の範囲である支持体。
  42. 生物学的な液体の処理のための複合支持体の製造方法であって、
    a)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーにより本質的に構成される基礎支持体を提供することと;
    b)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含んでなる酸性媒質中の懸濁液を提供することと;ここで、前記第2のポリマーは、前記第2のポリマーを含んでなる第1の溶液と少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなる第2の溶液を混合するステップによりコロイド形態で得られ;
    c)前記懸濁液を前記基礎支持体の表面の少なくとも一部に接触させることと
    を含んでなる方法。
  43. 請求項42に記載の方法であって、前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは、請求項6〜11の少なくとも1において定義されている方法。
  44. 請求項42に記載の方法であって、前記有機ポリ酸は、請求項1〜5のいずれか1において定義されている方法。
  45. 請求項44に記載の方法であって、前記懸濁液中の有機ポリ酸の濃度に対する前記懸濁液中の第2のポリマーの濃度の比は、コロイド形態の懸濁液を作ることができるような比である方法。
  46. 請求項45に記載の方法であって、前記第2のポリマーはポリエチレンイミンであり、前記ポリ酸はクエン酸であり、前記ポリエチレンイミンおよびクエン酸の濃度比が0.9〜1.1の範囲である方法。
  47. 請求項42〜請求項46のいずれか1項に記載の方法であって、ステップc)の後にステップd)として、前記基礎支持体の表面の少なくとも一部に、前記第2のポリマーの陽イオン性または陽イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する少なくとも1の抗凝固剤を含んでなる溶液を接触させ、前記第2のポリマーでコートされた支持体の表面の一部に抗凝固コーティングを結合させることを含んでなる方法。
  48. 請求項47に記載の方法であって、前記ステップd)は、複合性の生物学的な液体の処理のために前記支持体を使用する直前または前記複合性の支持体を製造する間に行われる方法。
  49. 請求項42〜48のいずれか1項に記載の方法であって、最後のステップとして、γ線照射による滅菌またはγ線照射により先行される、もしくは先行されないエチレンオキシドを用いた滅菌のように、前記支持体を滅菌するステップを含んでなる方法。
  50. 請求項42〜49のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2のポリマーを含んでなる第1の溶液は、半透膜を通して第2のポリマーの溶液を限外ろ過し、前記基礎支持体の孔に対応する大きさ以下の大きさを有する第2のポリマーの鎖を除去することにより調製される方法。
  51. 請求項42〜50のいずれか1項に記載の方法であって、前記コロイド形態の第2のポリマーの酸性媒質中の懸濁液を用いた処理は、前記基礎支持体の大部分の少なくとも一部において行われる方法。
  52. ・第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを規定する支持枠と;
    ・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された第1のコンパートメントと;
    ・透析液またはろ液の循環が意図され、排出口を備える第2のコンパートメントと
    を含んでなる交換体であって、
    前記2つのコンパートメントは、請求項15〜41のいずれか1項に記載の複合支持体により分離される交換体。
  53. 請求項52に記載の交換体であって、前記コンパートメントは、
    i)支持体としてホローファイバーの束の形態の透過性の膜を含んでなる、前記2つのコンパートメントを分離する円柱状の仕切り;または
    ii)支持体として平面状の膜の積み重ねの形態の半透膜を含んでなる、前記2つのコンパートメントを分離するシール;
    を形成することが意図された適切な接着組成物に基づいた取り付け体により分離される交換体。
  54. 生物学的な液体の処理のための交換体の製造方法であって、前記交換体は、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを規定する支持枠を含んでなり、前記第1のコンパートメントは、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図されており、前記第2のコンパートメントは、透析液またはろ液の循環が意図され、排出口を備え、前記2つのコンパートメントは、基礎支持体により分離され、前記方法は、
    a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
    a2)前記交換体の種々の要素を集めること、特に、支持枠中に基礎支持体を据え付けることと;
    b1)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含む、酸性媒質中の懸濁液を提供することと;ここで、前記懸濁液は、前記第2のポリマーと共に、前記第2のポリマーがコロイド形態をとることを可能にする少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなり;
    b2)少なくとも、処理される液体と接触させることが意図された前記基礎支持体の表面の第1の部分と前記懸濁液を接触させることと;
    b3)前記ステップ(b1−b2)が前記ステップa2)の後で行われる場合、交換体の前記第2のポリマーP2を含む溶液をすすぎおよび/または除去することと;
    c1)得られた交換体を滅菌することと
    を含んでなる方法。
  55. 請求項54に記載の方法であって、前記ステップb3)の後に、コロイド形態の第2のポリマーでコートされた基礎支持体の表面の少なくとも一部を、液体媒質中において、少なくとも1の抗凝固剤の溶液と接触させ、コロイド形態の第2のポリマーでコートされた支持体の表面に抗凝固コーティングを結合させるステップc0)を含んでなり、該ステップc0)は、前記ステップa2)の前または後に行われてよい方法。
  56. 請求項54または55に記載の方法であって、前記第1のポリマーおよび第2のポリマーは、請求項6〜11の少なくとも1項において定義されている方法。
  57. 生物学的な液体に含まれる実体を吸着するための装置であって、
    ・注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された支持枠と;
    ・前記支持枠中に含まれる、請求項15〜41のいずれか1項に記載の複合支持体と
    を含んでなる装置。
  58. 生物学的な液体の処理のための、生物学的な液体に含まれる実体を吸着する医療装置を製造する方法であって、前記装置は、注入口および排出口を備え、処理される生物学的な液体の循環が意図された支持枠ならびに請求項15〜41のいずれか1項に記載の複合支持体を含んでなり、前記方法は、
    a1)陰イオン性または陰イオン化可能な基を有する第1のポリマーから本質的になる基礎支持体を提供することと;
    a2)前記装置の種々の要素を集めること、特に、支持枠中に基礎支持体を据え付けることと;
    b1)前記第1のポリマーの陰イオン性または陰イオン化可能な基とイオン結合を形成することができる陽イオン性または陽イオン化可能な基を有し、コロイド形態である第2のポリマーを含む、酸性媒質中の懸濁液を提供することと;ここで、前記懸濁液は、前記第2のポリマーと共に、前記第2のポリマーがコロイド形態をとることを可能にする少なくとも1の有機ポリ酸を含んでなり;
    b2)少なくとも、処理される液体と接触させることが意図された前記基礎支持体の第1の部分と前記懸濁液を接触させることと;
    b3)前記ステップ(b1−b2)が前記ステップa2)の後で行われる場合、吸着装置の前記第2のポリマーを含む溶液をすすぎおよび/または除去することと;
    c1)得られた装置を滅菌することと
    を含んでなる方法。
  59. 請求項15〜41のいずれか1項に記載の支持体であって、生物学的な液体を含む内毒素の吸着により敗血性症候群を治療するための支持体。
  60. 請求項15〜41のいずれか1項に記載の支持体であって、体外循環により、血液または血漿中に含まれるある一定の分子を精製するための支持体。
  61. 請求項15〜41のいずれか1項に記載の支持体であって、体外の血液または血漿の処理の間に、患者における全身性の抗凝固を減少させるための支持体。
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