JP5195738B2 - 回転センサの異常判定装置 - Google Patents
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Description
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転センサの異常発生を的確に判定することのできる異常判定装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、回転体が所定角度回転する毎に該所定角度の半分が出力幅のパルス状の信号を出力するセンサ部であって互いに位相のずれた信号を出力する第1センサ部および第2センサ部を有する回転センサであり、同回転センサからパルス信号が出力されていない状態であり且つ前記第1センサ部の出力信号が予め定められた所定値である状態で前記第2センサ部の出力信号が変化するとの条件が成立したときにおいて前記第2センサ部の出力信号の変化方向が一方向であるときには第1時間幅のパルス信号を出力するとともに前記第2センサ部の出力信号の変化方向が他方向であるときには前記第1時間幅より長い第2時間幅のパルス信号を出力する回転センサに適用されて、同回転センサの異常の発生を判定する異常判定装置であって、前記パルス信号の出力開始時期の時間間隔を算出する算出手段と、該算出手段により連続して算出した二つの前記時間間隔の差が判定値より大きいときに前記回転センサが異常であると判定する判定手段とを備え、前記回転体は内燃機関の出力軸であり、前記回転センサは、前記第1時間幅のパルス信号を前記出力軸の正回転を示す信号として出力し、前記第2時間幅のパルス信号を前記出力軸の逆回転を示す信号として出力し、前記出力軸は、外周に所定角度毎に凸部が形成されてなるとともに同凸部の一部を欠損させた欠歯部を有してなるシグナルロータが一体回転可能に取り付けられ、前記第1センサ部および前記第2センサ部は共に前記シグナルロータの凸部の通過の度にパルス状の信号を出力するものであり、前記異常判定装置は、前記差が前記判定値より大きいことをもって前記欠歯部の通過を検出する欠歯検出手段を備え、前記判定手段は、前記出力軸が一回転したことを示す数だけ前記回転センサからパルス信号が出力される期間において前記欠歯検出手段によって前記欠歯部の通過を検出した検出回数が同欠歯部の配設数より大きい閾値以上であるときに、前記回転センサが異常であると判定するものであることをその要旨とする。
図1に、本実施の形態にかかる回転センサの異常判定装置が適用される車両の概略構成を示す。
同図2に示されるように、この処理では先ず、上記各種のセンサ類の出力信号を通じて車両10や内燃機関11の運転状態が読み込まれるとともに(ステップS101)、それらの運転状態から自動停止条件が成立したか否かが判断される(ステップS102)。具体的には、例えば以下の各条件[条件1]〜[条件5]が全て満たされたことをもって、自動停止条件が成立したと判断される。
[条件1]内燃機関11の暖機が終了していること(冷却水温度THWが水温下限値より高いこと)。
[条件2]アクセルペダルが踏まれていないこと(アイドルスイッチが「オン」されていること)。
[条件3]ブレーキペダルが踏み込まれていること(ブレーキスイッチが「オン」されていること)。
[条件4]車両10が停止していること。
[条件5]上記[条件1]〜[条件4]の全てが満たされた後において、内燃機関11の自動停止が実行された履歴がないこと。
同図3に示されるように、この処理では先ず、上記各種のセンサ類の出力信号を通じて車両10や内燃機関11の運転状態が読み込まれるとともに(ステップS201)、それらの運転状態から再始動条件が成立したか否かが判断される(ステップS202)。具体的には、上述した自動停止処理を通じて内燃機関11が停止状態にあるとの条件下において、上記[条件1]〜[条件4]のうちの1つでも満足されなくなった場合に再始動条件が成立したと判断される。
[開始条件]内燃機関11を自動停止させるべく燃料噴射弁20からの燃料噴射が停止されており、且つ機関回転速度が所定速度(例えば、400回転/分)以下になっていること。
[終了条件]内燃機関11を再始動させるべくスタータモータ17の作動が開始された後にクランクシャフト12が正方向に所定数(例えば1回転)以上回転したこと。
内燃機関11のクランクシャフト12には同クランクシャフト12と一体回転する円板形状のシグナルロータ41が取り付けられている。シグナルロータ41の外周には所定角度(10°CA)毎に凸部41aが形成されている。また、このシグナルロータ41は凸部41aの一部(隣り合う二つ)を欠損させた部分、いわゆる欠歯部41bを備えている。上記シグナルロータ41の近傍には回転センサ40が設けられている。この回転センサ40は、上記シグナルロータ41の近傍に設けられた二つのセンサ(メインセンサ42およびサブセンサ43)と、クランク角の変化に応じた信号(クランク信号NE)を出力する出力機器44とを備えている。本実施の形態では、メインセンサ42が第2センサ部として機能し、サブセンサ43が第1センサ部として機能する。
図4に、メインセンサ42の出力信号の変化時における同出力信号の変化態様と、サブセンサ43の出力信号と、出力機器44により出力されるクランクシャフト12の回転方向についての情報との関係を示す。
図5に、クランクシャフト12が正回転しているときにおけるメインセンサ42の出力信号とサブセンサ43の出力信号とクランク信号NEとの関係の一例を示す。
同図6に示すように、クランクシャフト12の逆回転時においては、同クランクシャフト12が所定角度(具体的には10°CA)だけ回転する毎に、サブセンサ43の出力信号がハイ信号である状態でメインセンサ42の出力信号がロー信号からハイ信号に変化するとの条件が成立するようになる(時刻t21,t24,t27)。そして、この場合にはハイ信号になっているクランク信号NEが上記[条件B](図4参照)の成立したタイミングから予め定められた所定時間TLが経過するまでの間(時刻t21〜t23,t24〜t26,t27〜t29)においてロー信号に変更される。この所定時間TLとしては、クランクシャフト12が正回転しているときの所定時間TS(図5参照)より長い時間(例えば、数百ミリ秒)が設定される。なお、クランクシャフト12の逆回転時には、機関回転速度が高くなることがなくパルス信号の出力幅が所定角度(10°CA)より長くなる可能性が低いために、パルス信号の出力幅として比較的長い幅(上記所定時間TL)が設定される。本実施の形態では、出力幅が所定時間TLのパルス信号がクランクシャフト12の逆回転を示す信号として回転センサ40から出力され、同所定時間TLが第2時間幅として機能する。
図7に、欠歯部41bの通過時におけるメインセンサ42の出力信号とサブセンサ43の出力信号とクランク信号NEとの関係の一例を示す。
図8は欠歯検出処理の実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定クランク角(例えば、30°CA)毎の割り込み処理として、電子制御装置30により実行される。本実施の形態では、この欠歯検出処理が、連続して算出した二つの時間間隔の差が判定値より大きいことをもって欠歯部41bの通過を検出する欠歯検出手段として機能する。
図10に、上記異常が発生した状態で機関回転速度が高くなった場合におけるメインセンサ42の出力信号、サブセンサ43の出力信号、およびクランク信号NEの推移の一例を示す。
図11は異常判定処理の実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定クランク角(例えば、30°CA)毎の割り込み処理として、電子制御装置30により実行される。本実施の形態では、この異常判定処理が判定手段として機能する。
(1)各パルス信号の出力開始時期の時間間隔を算出するとともに、連続して算出した二つの時間間隔の比RA,RBが所定範囲を外れたときに回転センサ40が異常であると判定するようにした。そのため、パルス信号の出力幅が前記特定期間より長くなっていることを判断することができ、その判断をもって回転センサ40の異常の発生を的確に判定することができる。
・異常判定処理における閾値は、クランクシャフト12が一回転したことを示す数だけ回転センサ40からパルス信号が出力される期間内において欠歯検出処理が実行される回数(上記実施の形態では「12」)以下の値であり且つ欠歯部41bの配設数(上記実施の形態では「1」)より大きい値であれば、任意に変更可能である。
[条件C]クランクシャフトが所定角度回転する毎に同所定角度の半分が出力幅のパルス状の信号を出力するセンサ部であって互いに位相のずれた信号を出力するメインセンサおよびサブセンサを有する。
[条件D]回転センサからパルス信号が出力されていない状態であり且つサブセンサの出力信号が予め定められた所定値である状態でメインセンサの出力信号が変化するとの条件が成立したときにおいて、メインセンサの出力信号の変化方向が一方向であるときには第1時間幅のパルス信号を出力するとともにメインセンサの出力信号の変化方向が他方向であるときには第1時間幅より長い第2時間幅のパルス信号を出力する。
・自動停止再始動制御が実行されない車両にも、本発明は適用可能である。
Claims (3)
- 回転体が所定角度回転する毎に該所定角度の半分が出力幅のパルス状の信号を出力するセンサ部であって互いに位相のずれた信号を出力する第1センサ部および第2センサ部を有する回転センサであり、同回転センサからパルス信号が出力されていない状態であり且つ前記第1センサ部の出力信号が予め定められた所定値である状態で前記第2センサ部の出力信号が変化するとの条件が成立したときにおいて前記第2センサ部の出力信号の変化方向が一方向であるときには第1時間幅のパルス信号を出力するとともに前記第2センサ部の出力信号の変化方向が他方向であるときには前記第1時間幅より長い第2時間幅のパルス信号を出力する回転センサに適用されて、同回転センサの異常の発生を判定する異常判定装置であって、
前記パルス信号の出力開始時期の時間間隔を算出する算出手段と、
該算出手段により連続して算出した二つの前記時間間隔の差が判定値より大きいときに前記回転センサが異常であると判定する判定手段と
を備え、
前記回転体は内燃機関の出力軸であり、
前記回転センサは、前記第1時間幅のパルス信号を前記出力軸の正回転を示す信号として出力し、前記第2時間幅のパルス信号を前記出力軸の逆回転を示す信号として出力し、
前記出力軸は、外周に所定角度毎に凸部が形成されてなるとともに同凸部の一部を欠損させた欠歯部を有してなるシグナルロータが一体回転可能に取り付けられ、
前記第1センサ部および前記第2センサ部は共に前記シグナルロータの凸部の通過の度にパルス状の信号を出力するものであり、
前記異常判定装置は、前記差が前記判定値より大きいことをもって前記欠歯部の通過を検出する欠歯検出手段を備え、
前記判定手段は、前記出力軸が一回転したことを示す数だけ前記回転センサからパルス信号が出力される期間において前記欠歯検出手段によって前記欠歯部の通過を検出した検出回数が同欠歯部の配設数より大きい閾値以上であるときに、前記回転センサが異常であると判定するものである
ことを特徴とする回転センサの異常判定装置。 - 請求項1に記載の回転センサの異常判定装置において、
前記判定手段は、前記出力軸の回転速度が所定速度以上であることを条件に、前記回転センサが異常であるとの判定をなす
ことを特徴とする回転センサの異常判定装置。 - 所定の停止条件が成立した場合に前記内燃機関を自動停止する一方、所定の再始動条件が成立した場合に前記内燃機関を自動始動する自動停止再始動制御を行う制御手段と、
前記判定手段によって前記回転センサの異常の発生を判定したときに、前記自動停止再始動制御の実行を禁止する禁止手段と
を備える請求項1又は2に記載の回転センサの異常判定装置。
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