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JP5188897B2 - 等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手 Download PDF

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JP5188897B2 JP2008178378A JP2008178378A JP5188897B2 JP 5188897 B2 JP5188897 B2 JP 5188897B2 JP 2008178378 A JP2008178378 A JP 2008178378A JP 2008178378 A JP2008178378 A JP 2008178378A JP 5188897 B2 JP5188897 B2 JP 5188897B2
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Description

本発明は、等速自在継手用ブーツおよび等速自在継手に関する。
自動車や各種産業機械における動力の伝達に用いられる等速自在継手には、継手内部への塵埃等の異物侵入防止や継手内部に封入されたグリースの漏れ防止を目的とし、蛇腹状のブーツが装着される。
この種のブーツは、等速自在継手の外側継手部材としての外輪に固定される大径部と、内側継手部材としての内輪から延びるシャフトに固定される小径部と、大径部と小径部との間に設けられ、谷部と山部とが交互に形成された蛇腹部とを有する。そして、大径部と小径部とはそれぞれブーツバンドが装着されることによって固定される。
等速自在継手には、作動角を取りながら回転したり、軸線方向に摺動したりしながら回転する機能が備わっており、そのため、これに装着されるブーツは、等速自在継手の挙動に追従できる柔軟性を確保するために蛇腹形状をしている。すなわち、蛇腹形状のブーツは、等速自在継手が作動角をとったり摺動したりする動きに追従するために変形する。
また、等速自在継手用ブーツには、クロロプレンゴム等を使用したゴム製ブーツや熱可塑性エラストマー材を使用した樹脂製ブーツがあるが、樹脂製ブーツはゴム製ブーツに比べて耐久性に優れるため、適用が拡大している。
しかしながら、等速自在継手用ブーツは、等速自在継手が作動角を取ったりしゅう動したりする動きに追従するための変形に伴い、隣接する山部が干渉することで摩耗を生じたり、谷部内面とシャフトが干渉することで摩耗したり、あるいは、山部や谷部に繰り返し応力が発生することで疲労亀裂を生じたりする。それらが進行するとブーツが破損に至る場合がある。また、高作動角を取ることでブーツが大きく変形し、蛇腹が円滑に折り畳まれ難くなって、蛇腹部に凹みを生じる場合がある。これらの摩耗性や疲労性などの耐久性をより向上したり、安定したブーツ変形状態を確実に保つことのできる蛇腹設計がブーツには求められる。
そこで、この種の樹脂製ブーツとして、従来には、湾曲時の蛇腹部の伸縮バランスを良好なものにしてブーツ寿命を長くしようとするもの(特許文献1)、山部同士の接触圧を低減し、耐久性を向上させるもの(特許文献2)、蛇腹部の引張り側と圧縮側との境目に応力集中によるキンク現象が発生するのを防止しようとするもの(特許文献3)等がある。シャフトが作動角を取ることでブーツが縮む方向の変形を受ける位相を圧縮側と呼び、その180°反対側のブーツが引っ張られる位相を引張り側と呼ぶ。
特許文献1に記載のものは、蛇腹部を、大径装着部寄り部分と、中央部分と、小径装着部寄り部分とに分け、これらの剛性を、中央部分>大径装着部寄り部分>小径装着部寄り部分としている。
特許文献2に記載のものは、蛇腹部における小径装着部寄りの山谷群の山谷径差が大径装着部寄りの山谷群の山谷径差に比べて小さく形成されているものである。
特許文献3に記載のものは、蛇腹部の山の数kを4〜7とするとともに、各山に蛇腹部の大径側から順に1から始まる番号Nを付けた場合、2≦N<(k+1)/2を満足する番号の少なくとも一つの山の頂部と谷の底部間の膜長をN≧(k+1)/2を満足する全ての番号の山の頂部と谷の底部間の膜長より短くしたものである。
特開2002−257152号公報 実開平6−87776号公報 特公平8−26900号公報
前記特許文献1に記載のものは、作動角をとってブーツがS字屈曲をなした際に、このS字屈曲のカーブを緩やかにするものである。すなわち、蛇腹部が湾曲した場合にその圧縮側では小径装着部寄り部分の伸長が抑制されるようにしている。また、蛇腹部が湾曲した場合にその圧縮側で大径装着部寄り部分が小径装着部寄り部分の伸長によって必要以上に潰されないようにしている。
前記特許文献2に記載のものは、作動角が大きくつけられても、圧縮側における山谷径差の小さな小径装着部寄りの山谷群の展開長は少なく、その分だけ大径装着部寄りの山谷群の山どうしが圧縮されるのを助長することがなく、その部分における接触圧を低減させるようにしている。
前記特許文献3に記載のものは、ジョイント角が大きな値となる位置まで従動軸が揺動された場合、キンク現象が起き難い蛇腹部の小径側部分が大きく変形することによりブーツの変形が吸収され、キンク現象が起き易い蛇腹部の大径側部分の変形が小さくなるようにしている。そして、キンク現象が起き易い蛇腹部の大径側部分における引張り側と圧縮側との変形度合の差が小さくなり、両者の境目に対する応力集中が低減されてキンク現象の発生が防止されるようにしている。
このように、前記各特許文献では、圧縮側における蛇腹部の接触圧を低減できるようにしたものである。しかしながら、接触面における接触圧を均等にするものではない。このため、全体の接触圧を低減できても、ある部位においては大きな接触圧が作用するおそれがある。すなわち、全体としての接触圧を低減しても、部分的には大きな接触圧が作用し、この部位において摩耗することになる。
したがって、従来においては、摩耗性および疲労性において、十分な性能を発揮できるものではない。特に、高作動角時の蛇腹部の変形状態を適切に保つことが困難であると言える。
本発明は、上記課題に鑑みて、高作動角時でも柔軟に変形しながら対応でき、しかも、摩耗性や疲労性を向上できて、耐久性に優れる等速自在継手用ブーツおよびこのようなブーツを使用可能な等速自在継手を提供する。
本発明の第1の等速自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、前記等速自在継手は最大作動角が45deg以上取ることが可能であり、蛇腹部は、4つ以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される4つ以上の谷部と、隣合う山部と谷部とを連結する連結部とを備え、高作動角時の圧縮側において、小径部から2番目の山部の頂点が、少なくとも2番目の山部の大径部側において隣接する山部の頂点よりも外径側に突出し、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等に接触し、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とすることで、小径部から2番目の山部が、他の山部を外径側へ案内する変形をもたらし、小径部から2番目の山部と小径部から2番目の谷部とを連結する連結部の外面と、小径部から2番目の谷部と小径部から3番目の山部とを連結する連結部の外面とが、ほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させたものである。
本発明の第2の等速自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、前記等速自在継手は最大作動角が45deg以上取ることが可能であり、蛇腹部は、4つ以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される4つ以上の谷部と、隣合う山部と谷部とを連結する連結部とを備え、高作動角時の圧縮側において、小径部から2番目の山部の頂点が、小径部から3番目の山部の頂点と4番目の山部の頂点とを結ぶ直線よりも外径側に突出し、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等に接触し、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とすることで、小径部から2番目の山部が、他の山部を外径側へ案内する変形をもたらし、小径部から2番目の山部と小径部から2番目の谷部とを連結する連結部の外面と、小径部から2番目の谷部と小径部から3番目の山部とを連結する連結部の外面とが、ほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させたものである。
本発明の等速自在継手用ブーツによれば、高作動角時において、小径部から2番目の山部の頂点が、隣接する山部の頂点よりも外径側に突出する、また小径部から3番目の山部の頂点と4番目の山部の頂点とを結ぶ直線よりも外径側に突出するものであるので、小径部から2番目の山部が、他の山部を外方(外径側)へ案内する変形をもたらし、かつ回転時の円滑な蛇腹変形を可能とする。
これによって、斜面間の相対滑り量が平準化されることで圧縮側の蛇腹全体が均等に面圧が分散されて接触することになり、山部乃至連結部の摩耗性が向上する。しかも、面接触により面圧が下がることでも、摩耗性が向上する。
小径部から2番目の山部から大径部に最も近い谷部までの連結部において、高作動角時
には、各谷部を挟んで隣接する連結部の外面がほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させるのが好ましく、また、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等の接触力にて接触し、かつこれらの谷部は前記外側継手部材側へ傾斜するようにするのが好ましい。
高作動角時において、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とするのが好ましい。大径部に最も近い谷部と大径部とを連結する部位は、作動角をとるにしたがって外径側へ変形し易くなり、回転時のより円滑な蛇腹変形を可能にする。
谷部の断面形状をU字状とするのが好ましく、また、山部と谷部とを連結する連結部が直線状であるのがよい。
ブーツ材質として、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。
θ=45deg以上の高作動角を取ることのできるタイプ(例えば、ツェッパ型、バーフィールド型などのボールを用いたタイプの固定式等速自在継手)や、外側継手部材の軸線方向にスライドする機構を備えたタイプ(例えば、ダブルオフセット型、トリポード型、クロスグルーブ型などの摺動式等速自在継手)など、あらゆる等速自在継手に使用するブーツに適用できる。特に、θ=45deg以上の高作動角を取ることのできるタイプに適用することがより効果的である。
本発明では、山部乃至連結部同士の摩耗性や谷部とシャフトとの摩耗性、山谷部の疲労性などのブーツ耐久性が向上する。また、回転時の円滑な蛇腹変形を可能にすることから、耐凹み性の向上も図ることができ、バランスの良いブーツ性能を保持することが可能となり、ブーツのコンパクト化を更に図ることができる。
また、谷部を断面U字状に形成すれば、より耐久性(谷部の疲労性と蛇腹部の凹み防止)を向上することができる。谷部の断面形状をU字状とするとともに、山部と谷部とを連結する連結部が直線状であれば、大きな作動角を取った際に、蛇腹部が円滑に折畳み変形することができる。
本発明にかかるブーツは、固定式の等速自在継手や摺動式等速自在継手など、あらゆる等速自在継手に使用するブーツに適用できる。特に、等速自在継手の作動角を大きく取ることのできるタイプに適用することがより効果的である。
ブーツ材質として、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することによって、ブーツは、疲労性や摩耗性、高速回転性(回転時振れ廻り性)に優れ、ブーツとして安定した機能を長期にわたって発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1に本発明にかかる等速自在継手用ブーツ(等速自在継手に装着した状態)を示し、図2に等速自在継手用ブーツを使用した等速自在継手を示している。
この等速自在継手は、図2に示すように、内周面に複数の案内溝(トラック溝)4を軸方向に形成した外側継手部材としての外輪1と、外周面に複数の案内溝(トラック溝)5を形成した内側継手部材としての内輪2と、外輪1の案内溝4と内輪2の案内溝5とで協働して形成されるボールトラックに配される複数のボール3と、ボール3を収容するためのポケット8aを有するケージ8等から構成される。また、内輪2の内周にセレーションやスプライン等のトルク伝達手段を介してシャフト9を結合している。この実施形態の等速自在継手は、案内溝4,5が円弧部と直線部とを有するアンダーカットフリー型(UJ)を示している。
等速自在継手用ブーツ10は、例えば、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーにて形成される。熱可塑性エラストマーは樹脂とゴムの中間の性質を持っている。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂の通常の成形機にて加工することができる。
また、等速自在継手用ブーツ10は、硬さが、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメーターによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーとすることができる。熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムのような柔軟な材料と、熱可塑性樹脂のような高剛性な材料との中間の弾性率を持つ材料である。この熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、加硫ゴムと熱可塑性樹脂の両者の特徴を有し、変形を受けても元の形状に復元する弾性、加硫ゴムより高い機械的強度、一般的な熱可塑性樹脂に適用できる全ての成形加工法が適用できる熱可塑性などの特徴を示す材料である。
等速自在継手用ブーツ10は、等速自在継手の外側継手部材(外輪1)の開口端部に装着される大径部13と、等速自在継手の内側継手部材(内輪2)に連結されたシャフト9に装着される小径部14と、大径部13と小径部14との間に設けられ、軸方向に沿って交互に配設される山部7と谷部6とを有する蛇腹部15とを備える。山部7と谷部6とは傾斜部(連結部)12にて連結されている。
外輪1の開口部側の外周面には、周方向に沿った溝からなるブーツ取付部16(周方向凹溝であって、図1等においては、図示簡略化のため、この周方向凹溝の記載を省略している)が設けられ、このブーツ取付部16に大径部13が外嵌される。そして、ブーツ10の大径部13の外周面に形成された嵌合溝17にブーツバンド18を嵌着することによって、大径部13を外輪1に固定している。
シャフト9には、外輪1から所定量突出した位置に、周方向に沿ったブーツ取付用溝20を有するブーツ取付部22が設けられ、小径部14がブーツ取付部22に外嵌される。そして、ブーツ10の小径部14の外周面に形成された嵌合溝19にブーツバンド18を嵌着することによって、小径部14をシャフト9に固定している。
蛇腹部15において、谷部6はその断面形状をU字形状としている。また、谷部6と山部7とを連結する連結部12を直線状としている。なお、大径部13には大径肩部23が連設され、この大径肩部23と、大径部13と最も近接する谷部6eとが連結部12jを介して連結されている。この大径肩部23としてはほぼ水平方向へ直線状に構成してもよいし、外径側へ僅かに凸状に膨出する形状に構成してもよいし、外径側へ突出する山部でもって構成してもよい。
蛇腹部15において、山部7を小径部14側から大径部13に向かって順に第1山7a、第2山7b、第3山7c、第4山7d、第5山7eと呼び、谷部6を小径部14側から大径部13に向かって順に第1谷6a、第2谷6b、第3谷6c、第4谷6d、第5谷6eと呼ぶ。
高作動角時においては、図3に示すように変形して、圧縮側と引張り側とが形成される。ここで、シャフト9が作動角を取ることでブーツが縮む方向の変形を受ける位相を圧縮側と呼び、その180°反対側のブーツが引っ張られる位相を引張り側と呼ぶ。この際、図4に示すように、第2山7bの頂点Vbが、隣接する第3山7cの頂点Vcよりも外径側に突出する。更には、第2山7bの頂点Vbが、第3山7cの頂点Vcと第4山7dの頂点Vdとを結ぶ直線Lよりも外径側に突出している。
また、圧縮側においては、小径部14から2番目の山部7つまり第2山7bから大径部13に最も近い谷部、つまり第5谷6eまでの連結部12において、各谷部6を挟んで隣接する連結部12の外面がほぼ均一に面接触するものとなっている。
すなわち、第2山7bと第2谷6bとを連結する連結部12cの外面と、第2谷6bと第3山7cとを連結する連結部12dの外面とが、ほぼ均一に面接触する。第3山7cと第3谷6cとを連結する連結部12eの外面と、第3谷6cと第4山7dとを連結する連結部12fの外面とが、ほぼ均一に面接触する。第4山7dと第4谷6dとを連結する連結部12gの外面と、第4谷6dと第5山7eとを連結する連結部12hの外面とが、ほぼ均一に面接触する。第5山7eと第5谷6eとを連結する連結部12iの外面と、第5谷6eと大径肩部23とを連結する連結部12jの外面とが、ほぼ均一に面接触する。
また、第2谷6b、第3谷6c、および第4谷6dがシャフト9に接触する。この際、第1谷6aおよび第5谷6eはシャフト9に対して非接触としている。第2谷6b、第3谷6c、第4谷6dは、外輪1側へ傾斜しているのが好ましい。
ところで、図1に示す状態(作動角が0°である状態)から図3に示すように作動角をとっていけば、第2谷6b、第3谷6c、第4谷6dと順次シャフト9に接触していくことなる。これによって、第2谷6b、第3谷6c、第4谷6dは、シャフト9に対してほぼ均一な接触力で接触することになる。
また、大径部13に最も近い谷部(第5谷)6eと大径部13とを連結する部位(大径肩部23)および連結部12jは、作動角をとるにしたがって外径側へ変形するものである。
本発明では、高作動角時において、小径部14から2番目の山部(第2山)7bの頂点Vbが、隣接する山部(第3山)7cの頂点Vcよりも外径側に突出する、また小径部14から3番目の山部(第3山)7cの頂点Vcと4番目の山部(第4山)7dの頂点Vdとを結ぶ直線Lよりも外径側に突出するものであるので、小径部14から2番目の山部7bが、他の山部7を外方(外径側)へ案内する変形をもたらし、かつ回転時の円滑な蛇腹変形を可能とする。
これによって、斜面(連結部の外面)間の相対滑り量が平準化されることで圧縮側の蛇腹全体が均等に面圧が分散されて接触することになり、山部7乃至連結部12の摩耗性が向上する。しかも、面接触により面圧が下がることでも、摩耗性が向上する。
このように、本発明では、山部7乃至連結部12同士の摩耗性や谷部6とシャフト9との摩耗性、山谷部の疲労性などのブーツ耐久性が向上する。また、回転時の円滑な蛇腹変形を可能にすることから、耐凹み性の向上も図ることができ、バランスの良いブーツ性能を保持することが可能となり、ブーツのコンパクト化を更に図ることができる。
また、連結部12cの外面と連結部12dとの外面との接触力、連結部12eの外面と連結部12fとの外面との接触力、連結部12gの外面と連結部12hとの外面との接触力、および連結部12iの外面と連結部12jとの外面との接触力が分散できる。これによって、各接触面の面圧を低下させることとができ、摩耗性の向上を図ることができる。
高作動角時において谷部6がシャフト9とほぼ均一な接触力にて接触することで谷部6のシャフト9との摩耗を防止し、蛇腹部15を全体的に外方へ押し上げる効果から、谷部6とシャフト9との接触力を下げると共に、各山部7間の接触力も下げる相乗効果を生む。
大径部13に最も近い谷部(第5谷)6eと大径部13とを連結する部位(大径肩部23)および連結部12jは、作動角をとるにしたがって外径側へ変形するものであるので、回転時の円滑な蛇腹変形を可能にする。
谷部6を断面U字状に形成すれば、より耐久性(谷部の疲労性と蛇腹部の凹み防止)を向上することができる。谷部6の断面形状をU字状とするとともに、山部7と谷部6とを連結する連結部12が直線状であれば、大きな作動角を取った際に、蛇腹部15が円滑に折畳み変形することができる。
ブーツ材質として、JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することによって、ブーツは、疲労性や摩耗性、高速回転性(回転時振れ廻り性)に優れ、ブーツとして安定した機能を長期にわたって発揮することができる。
このため、本発明のブーツは、θ=45deg以上の高作動角を取ることのできるタイプ(例えば、ツェッパ型、バーフィールド型等の固定式等速自在継手)や、外側継手部材の軸線方向にスライドする機構を備えたタイプ(例えば、ダブルオフセット型、トリポード型、クロスグルーブ型等の摺動式等速自在継手)など、あらゆる等速自在継手に適用できる。これにより、疲労性や摩耗性に優れた等速自在継手用ブーツを装着した、耐久性に優れる等速自在継手を構成することができる。すなわち、ブーツにおける蛇腹部15の山部7は、適切な剛性を保持した上で、大きな作動角を取った際に円滑に折れ畳まれることが求められ、それを達成することに本発明のものが適している。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、図1に示す等速自在継手用ブーツでは、蛇腹部15の山部7および谷部6の数は、5つに限るものではなく、4つ以上であればよく、好ましく4つから7つの間に設定する。また、摺動式等速自在継手の場合は、固定式等速自在継手よりも作動角が大きくないことから、デュロメータDによる硬さが50を超える熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。あるいは、固定式等速自在継手においても、後輪用駆動軸に適用する場合は、作動角が大きくないことから、デュロメータDによる硬さが50を超える熱可塑性ポリエステル系エラストマーを使用することができる。もちろん、クロロプレンゴム等を使用したゴム製ブーツであってもよい。
また、谷部6を断面U字状に形成すれば、より耐久性を向上するので、好ましいが、谷部6として断面U字状に限るものではない。小径部14に最も近接した山部(第1山)7aと、小径部14に最も近接した谷部(第1谷)6aとを連結する連結部12aの外面と、小径部14に最も近接した谷部(第1谷)6aと、小径部14から2番目の山部(第2山)7bとを連結する連結部12bの外面とが接触するものであってもよい。
また、前記実施形態では、第2谷6bから第4谷6dまでシャフト9に接触するものであったが、少なくとも第2谷6bと第3谷6cがシャフト9に接触するものであればよい。逆に、第1谷6aから第5谷6eまでシャフト9に接触するものであってもよい。
本発明の実施形態を示す等速自在継手用ブーツの断面図である。 前記等速自在継手用ブーツを使用した等速自在継手の断面図である。 前記等速自在継手が作動角をとった状態の等速自在継手用ブーツの断面図である。 前記等速自在継手が作動角をとった状態の等速自在継手用ブーツの要部拡大断面図である。
符号の説明
6 谷部
7 山部
9 シャフト
13 大径部
14 小径部
15 蛇腹部

Claims (8)

  1. 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記等速自在継手は最大作動角が45deg以上取ることが可能であり、蛇腹部は、4つ以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される4つ以上の谷部と、隣合う山部と谷部とを連結する連結部とを備え、高作動角時の圧縮側において、小径部から2番目の山部の頂点が、少なくとも2番目の山部の大径部側において隣接する山部の頂点よりも外径側に突出し、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等に接触し、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とすることで、小径部から2番目の山部が、他の山部を外径側へ案内する変形をもたらし、小径部から2番目の山部と小径部から2番目の谷部とを連結する連結部の外面と、小径部から2番目の谷部と小径部から3番目の山部とを連結する連結部の外面とが、ほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  2. 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置される蛇腹部とを備えた等速自在継手用ブーツにおいて、
    前記等速自在継手は最大作動角が45deg以上取ることが可能であり、蛇腹部は、4つ以上の山部と、この山部と軸方向に沿って交互に配設される4つ以上の谷部と、隣合う山部と谷部とを連結する連結部とを備え、高作動角時の圧縮側において、小径部から2番目の山部の頂点が、小径部から3番目の山部の頂点と4番目の山部の頂点とを結ぶ直線よりも外径側に突出し、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等に接触し、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とすることで、小径部から2番目の山部が、他の山部を外径側へ案内する変形をもたらし、小径部から2番目の山部と小径部から2番目の谷部とを連結する連結部の外面と、小径部から2番目の谷部と小径部から3番目の山部とを連結する連結部の外面とが、ほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
  3. 高作動角時の圧縮側において、小径部から2番目の山部から大径部に最も近い谷部までの連結部において、各谷部を挟んで隣接する連結部の外面がほぼ均一に面接触することで、連結部間の面圧を下げた状態で均等に分散させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手用ブーツ。
  4. 高作動角時の圧縮側において、少なくとも小径部から2番目の谷部と3番目の谷部はシャフトに対してほぼ均等の接触力にて接触し、かつこれらの谷部は前記外側継手部材側へ傾斜することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  5. 高作動角時の圧縮側において、大径部に最も近い谷部をシャフトに対して非接触とし、大径部に最も近い谷部と大径部とを連結する部位は、作動角をとるにしたがって外径側へ変形することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  6. 谷部の断面形状がU字状を成すことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  7. JIS K6253に規定されるタイプDデュロメータによる硬さが35以上50以下である熱可塑性ポリエステル系エラストマーからなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツを用いたことを特徴とする等速自在継手。
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