JP5185771B2 - 顕微鏡 - Google Patents
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本発明は、励起光を射出する励起光源と、前記励起光の強度設定を入力する入力手段と、前記強度設定に応じた強度の前記励起光を標本に照射する照明光学系と、前記標本から発せられた蛍光を検出する蛍光検出光学系と、前記標本を透過した励起光を検出する透過光検出光学系と、前記入力手段に入力される強度設定が変更された場合に、該強度設定の値に基づいて前記透過光検出光学系により得られる透過像の明るさが変動しないように前記透過光検出光学系の検出感度を決定する演算部と、前記演算部の決定に基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を調節する制御部とを備える顕微鏡。
を採用する。
V=(I/βP)1/α・・・(1)
τ=(I/βP)・・・(2)
このようにすることで、挿入される光学素子が複数ある場合にも、制御部が、挿入される光学素子毎に対応付けられた透過率を記憶部から読み出して透過光検出光学系の感度係数を求めることができる。これにより、各光学素子に応じた透過光検出光学系の感度調節を容易に行うことができる。
上記発明において、前記透過光検出光学系により得られる透過像の所望の明るさの入力を受け付ける入力手段を更に備え、前記演算部が、前記励起光の強度設定の入力値と前記入力された透過像の所望の明るさの入力値とに基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を決定することとしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡装置1は、図1に示されるように、励起光を射出する励起光源2と、励起光源2からの励起光を標本Aに照射する照明光学系3と、標本Aから発せられた蛍光を検出する蛍光検出光学系4と、標本Aを透過した励起光を検出する透過光検出光学系5と、各部を制御する制御装置6とを備えている。
第3のPMT23は、例えば、光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)であり、コンデンサ20により集光された透過光を光電変換し、得られた光強度信号を制御装置6に出力するようになっている。
制御部30は、第1のレーザ光源11および第2のレーザ光源12を制御するレーザー制御部31と、第3のPMT23を制御する透過像用PMT制御部32と、第1のPMT21および第2のPMT22を制御する蛍光像用PMT制御部33と、後述する各種演算を行う演算部34と、演算部34により用いられるパラメータを格納する記憶部35とを備えている。
具体的には、演算部34は、第3のPMT23に印加する電圧Vを、以下の(1)式に基づいて算出する。
V=(I/βP)1/α・・・(1)
ここで、Vは第3のPMT23に印加する電圧、Iは第3のPMT23により検出されるレーザ光を用いて生成される透過像の所望の明るさ、Pは励起光源2から射出されるレーザ光の強度、αは第3のPMT23の増倍係数、βは透過光検出の感度係数を表している。
透過光検出感度係数は、レーザ光源11,12からPMT23までの光学系(照明光学系3、透過光検出光学系5、励起光源2内の光学系を含む)の透過率と、PMT23の感度特性に基づいて決定される。
まず、蛍光色素で染色された標本Aをステージ19にのせ、入出力装置38を操作することにより、蛍光を励起するのに適切な第1のレーザ光源11および第2のレーザ光源12の出力を、それぞれP(λ1)およびP(λ2)として設定する。
また、同様に入出力装置38を操作することにより、第1のPMT21および第2のPMT22の感度(電圧)を適当な値に設定するとともに、取得したい透過像の所望の明るさIを入力する。
このように、蛍光像1、蛍光像2、および透過像は1回のスキャンで同時に取得されることとなる。
そこで、演算部34は、記憶部35に記憶されているパラメータα、β(λ1)、β(λ2)と、入出力装置38により入力されたレーザ光の強度の指示値P(λ1)、P(λ2)および透過像の所望の明るさIとを読み出し、前述の(1−1)式によって必要な第3のPMT23の感度を計算する。透過像用PMT制御部32は、計算された印加電圧(感度)Vを演算部34から受け取り、第3のPMT23の感度を変更する。
蛍光像2を調整するために第2のレーザ光源12の強度を変更した場合にも、同様の処理が行われ、第3のPMT23の感度が変更される。
また、前述の(1−1)式に基づいて第3のPMT23に印加する電圧を制御することで、第3のPMT23の感度を容易に調節することができる。
このようにすることで、挿入される光学素子が複数ある場合にも、演算部34が、挿入される光学素子毎に対応付けられた透過率を記憶部34から読み出して透過光検出感度係数を求めることができる。これにより、各光学素子の使用状態に応じた第3のPMT23の感度調節を容易に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る顕微鏡装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る顕微鏡装置50が第1の実施形態と異なる点は、蛍光および透過光を検出する手段としてCCD(光電変換素子)を備えた点である。以下、本実施形態の顕微鏡装置50について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
照明光学系43は、標本Aを載置するステージ19と、励起光源42からの励起光を標本Aに照射するコンデンサ20とを備えている。
蛍光検出光学系44は、標本Aにおいて発生した蛍光のみを透過させるバリアフィルタ54と、バリアフィルタ54を透過した蛍光を検出する第2のCCD62とを備えている。
第1のCCD61および第2のCCD62は、検出した励起光および蛍光を光電変換し、得られた光強度信号を制御装置46に出力するようになっている。
制御部70は、励起フィルタ52およびバリアフィルタ54の透過率を制御するフィルタ制御部71と、光源51を制御する光源制御部72と、第1のCCD61を制御する透過像用CCD制御部73と、第2のCCD62を制御する蛍光像用CCD制御部74と、後述する各種演算を行う演算部75と、演算部75により用いられるパラメータを格納する記憶部76とを備えている。
具体的には、演算部75は、第1のCCD61の露光時間τを、以下の(2)式に基づいて算出する。
τ=(I/βP)・・・(2)
ここで、τは第1のCCD61の露光時間、Iは第1のCCD61により検出される透過像の所望の明るさ、Pは光源51から射出される光の強度、βは透過光検出感度係数を表している。
まず、蛍光色素で染色された標本Aをステージ19にのせ、入出力装置78を操作することにより、蛍光を励起および透過させるために適切な励起フィルタ52およびバリアフィルタ54の透過率を設定する。
また、同様に入出力装置78を操作することにより、光源51の出力を適当な値に設定するとともに、第2のCCD62の露光時間を適当な値に設定する。また、取得したい透過像の所望の明るさIを入力する。
標本A上において発生した蛍光および標本Aを透過した励起光は、対物系18により集光され、ミラー17およびレンズ53を経てダイクロイックミラー13により分光される。
ここで、蛍光像、透過像ともに、光源51の出力と各CCDの露光時間によって画像の明るさが決定される。したがって、蛍光像を調整するために光源51の強度を変更すると、第2のCCD62の受光する光量も変わってしまう。
また、(2)式に基づいて第1のCCD61の露光時間を制御することで、第1のCCD61により生成される透過像の明るさを容易に調節することができる。
このようにすることで、挿入される光学素子が複数ある場合にも、演算部75が、挿入される光学素子毎に対応付けられた透過率を記憶部76から読み出して透過光検出感度係数を求めることができる。これにより、各光学素子に応じた第1のCCD61の露光時間の調節を容易に行うことができる。
例えば、各実施形態において、蛍光標本はほとんど透明であることが多いため、標本Aの透過率を考慮しないこととして説明したが、標本Aの透過率が問題になる場合には、所望の明るさIを高めに設定すればよい。
励起光強度Pは、入力部から入力された強度指示値を用いても良いし、励起光の強度を実測する手段を設けて、そこからの測定値を用いても良い。また、透過光検出においては、微分干渉検鏡法や位相差検鏡法を使用できる。この場合、透過光検出感度係数βは、各検鏡法で使用される光学素子の透過率も反映されたものとする。
1 レーザ顕微鏡装置
2,42 励起光源
3,43 照明光学系
4,44 蛍光検出光学系
5,45 透過光検出光学系
6,46 制御装置
11 第1のレーザ光源
12 第2のレーザ光源
13 ダイクロイックミラー
18 対物系
19 ステージ
20 コンデンサ
21 第1のPMT
22 第2のPMT
23 第3のPMT
30,70 制御部
34,75 演算部
35,76 記憶部
38,78 入出力装置
50 顕微鏡装置
61 第1のCCD
62 第2のCCD
Claims (6)
- 励起光を射出する励起光源と、
前記励起光の強度設定を入力する入力手段と、
前記強度設定に応じた強度の前記励起光を標本に照射する照明光学系と、
前記標本から発せられた蛍光を検出する蛍光検出光学系と、
前記標本を透過した励起光を検出する透過光検出光学系と、
前記入力手段に入力される強度設定が変更された場合に、該強度設定の値に基づいて前記透過光検出光学系により得られる透過像の明るさが変動しないように前記透過光検出光学系の検出感度を決定する演算部と、
前記演算部の決定に基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を調節する制御部とを備える顕微鏡。 - 励起光を射出する励起光源と、
該励起光源からの励起光を標本に照射する照明光学系と、
前記標本から発せられた蛍光を検出する蛍光検出光学系と、
前記標本を透過した励起光を検出する透過光検出光学系と、
前記励起光源から射出される励起光の強度に基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を調節する制御部と、を備え、
前記透過光検出光学系が、光電子増倍管を備え、
前記光電子増倍管に印加する電圧をV、前記光電子増倍管により検出される透過像の所望の明るさをI、前記励起光源から射出される励起光の強度をP、前記光電子増倍管の増倍係数をα、透過光検出感度係数をβとした場合に、
前記制御部が、(1)式に基づいて前記光電子増倍管に印加する電圧Vを制御する顕微鏡。
V=(I/βP)1/α・・・(1) - 励起光を射出する励起光源と、
該励起光源からの励起光を標本に照射する照明光学系と、
前記標本から発せられた蛍光を検出する蛍光検出光学系と、
前記標本を透過した励起光を検出する透過光検出光学系と、
前記励起光源から射出される励起光の強度に基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を調節する制御部と、を備え、
前記透過光検出光学系が、光電変換素子を備え、
前記光電変換素子の露光時間をτ、前記光電変換素子により検出される透過像の所望の明るさをI、前記励起光源から射出される励起光の強度をP、透過光検出感度係数をβとした場合に、
前記制御部が、(2)式に基づいて前記光電変換素子の露光時間τを制御する顕微鏡。
τ=(I/βP)・・・(2) - 前記制御部は、前記照明光学系及び前記透過光検出光学系の透過率と、前記光電子増倍管または前記光電変換素子の感度特性とに基づいて、前記透過光検出感度係数を決定する請求項2または請求項3に記載の顕微鏡。
- 前記制御部が、挿入される光学素子毎に対応付けられた透過率のテーブルを記憶する記憶部を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の顕微鏡。
- 前記透過光検出光学系により得られる透過像の所望の明るさの入力を受け付ける入力手段を更に備え、
前記演算部が、前記励起光の強度設定の入力値と前記入力された透過像の所望の明るさの入力値とに基づいて前記透過光検出光学系の検出感度を決定する、請求項1に記載の顕微鏡。
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