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JP5180145B2 - 架橋性微粒子、親水処理剤、親水皮膜被覆方法及び親水皮膜 - Google Patents

架橋性微粒子、親水処理剤、親水皮膜被覆方法及び親水皮膜 Download PDF

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JP5180145B2
JP5180145B2 JP2009122405A JP2009122405A JP5180145B2 JP 5180145 B2 JP5180145 B2 JP 5180145B2 JP 2009122405 A JP2009122405 A JP 2009122405A JP 2009122405 A JP2009122405 A JP 2009122405A JP 5180145 B2 JP5180145 B2 JP 5180145B2
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Description

本発明は、架橋性微粒子、親水処理剤、親水皮膜被覆方法及び親水皮膜に関する。
金属材料表面には、種々の表面処理が行われている。特に、アルミニウムやその合金は、軽量でかつ優れた加工性及び熱伝導性を有するため、熱交換器に広く使用されている。
空調機等の熱交換器のフィンにおいて、冷房運転時に空気中の水分がフィン表面に凝縮水として付着し、この水滴による目詰まりの結果、通風抵抗を増大させ、熱交換器の交換効率を低下させることがあり、また、騒音の発生、水滴の飛散による汚染等の問題がある。このような問題の発生を防止するために、フィン表面に親水化処理が施されることが従来から行われている。
また、近年、親水化処理に対する要求性能として、汚染物質が付着した場合の親水性の持続性が重要となってきている。これは、空調機等が使用される環境には種々の室内浮遊物質としてパルミチン酸、ステアリン酸、パラフィン酸等のプラスチック用滑剤、フタル酸ジイソオクチル等の汚染物質が存在しており、これらがフィン表面に付着して親水性を著しく劣化させるためである。
親水化処理として、ポリアクリル酸ポリマー等の高分子、この高分子と水素結合をするポリエチレンオキサイド等の高分子を含有する親水化処理用ポリマー組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは親水性の持続性を改良した技術であるが、パルミチン酸等の汚染物質が付着した場合における持続性まで想定して技術ではなく、汚染物質に対する持続性に関しては不充分なものである。また、水分が付着した状態での密着性も不充分なものでもある。
カルボキシメチルセルロースの塩、N−メチロールアクリルアミド、ポリアクリル酸及びポリエチレンオキサイドを含有する親水性表面処理剤、並びに、ポリオキシアルキレン鎖を有する水性高分子化合物、水性樹脂及びN−メチロールアクリルアミド含有する親水性表面処理水溶液が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。これらは、N−メチロールアクリルアミドをモノマーとして配合しているものであるため、汚染物質が付着した場合における持続性が不充分なものである。
ポリオキシアルキレン鎖を有するモノエチレン性モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノエチレン性モノマー、N−メチロールアクリルアミド等のN−メチロール基及び重合性二重結合を有する架橋性不飽和モノマー及びその他のモノマーから得られる親水性架橋重合体微粒子が提案されている(例えば、特許文献4〜6参照。)。
ここで開示されている技術は、パルミチン酸等の汚染物質が付着した場合における親水性の持続性まで想定して技術ではない。また、N−メチロールアクリルアミド等は、粒子の架橋に寄与する成分として配合されているに過ぎないものであるため、N−メチロールアクリルアミド等の配合量が比較的少ないものであり、その結果、得られる親水性架橋重合体微粒子は、汚染物質が付着した場合における親水性の持続性が満足できるものではない。
特開平6−322292号公報(第2頁) 特開平6−322552号公報(第2頁) 特開平7−102189号公報(第2頁) 特開平8−120003号公報(第2頁) 特開2000−248225号公報(第2頁) 特開2002−302644号公報(第2頁)
本発明は、上記に鑑み、金属、特にアルミニウム及びその合金に対して好適に用いることができ、親水性、特に汚染物質が付着した後の親水持続性に優れ、かつ、密着性にも優れた親水皮膜を形成することができる架橋性微粒子、親水処理剤を提供することを目的とするものである。
本発明は、下記式(1);
Figure 0005180145
(式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、CH又はCを表す。)
で表されるモノマー(a)40〜95質量%、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)5〜60質量%、並びに、その他の重合性モノマー(c)0〜30質量%からなるモノマー成分(但し、その他の重合性モノマー(c)が0質量%である場合を除く)を、使用するモノマーは溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒中で重合温度95〜105℃で共重合して得られ水膨潤率が1.3以下であることを特徴とする架橋性微粒子(但し、前記その他の重合性モノマー(c)が(メタ)アクリル酸を含有するものを除く)である。
上記モノマー(b)は、下記式(2);
Figure 0005180145
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。nは、6〜300の整数を表す。)、及び/又は、下記式(3);
Figure 0005180145
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。Rは、CH又は
Figure 0005180145
を表す。mは、6〜300の整数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記モノマー(b)は、ポリオキシアルキレン鎖を50質量%以上含有する化合物であることが好ましい
本発明は、上記架橋性微粒子及び親水性樹脂を含有することを特徴とする親水処理剤である。
上記親水性樹脂は、酸価200以上又は水酸基価200以上のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びこれらの変性樹脂からなる群より選択された少なくとも1種であることが好ましい。
上記架橋性微粒子と親水性樹脂との配合比は、1/99〜80/20であることが好ましい。
本発明は、上記親水処理剤を塗布する工程からなることを特徴とする親水皮膜被覆方法である。
本発明はまた、上記親水皮膜被覆方法により形成されることを特徴とする親水皮膜である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の架橋性微粒子は、上述した構成よりなるものであるため、上記架橋性微粒子を含有する親水処理剤を使用して形成される親水皮膜は、パルミチン酸等の汚染物質によって汚染された後であっても親水性が持続されていおり、また、密着性にも優れているものである。従って、本発明の架橋性微粒子は、例えば、空調機等に使用されるアルミニウムの熱交換器のフィン等に好適に用いることができるものである。
本発明の架橋性微粒子は、上記式(1)で表されるモノマー(a)、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)、並びに、その他の重合性モノマー(c)からなるモノマー成分を共重合して得られる共重合体からなる樹脂粒子である。上記架橋性微粒子は、上記(a)のメチロール基、エチロール基と上記(b)のカルボキシル基、水酸基等の官能基とが反応したり、メチロール基、エチロール基同士が縮合反応したり、上記(c)のカルボキシル基、水酸基と反応したりするため、親水処理剤の成分として使用した場合、水不溶性の強固な親水皮膜を形成することができる。また、上記架橋性微粒子は、親水性が高く、未反応官能基を比較的多く有するため、親水処理剤の成分として使用した場合、他の親水性樹脂と反応し、親水性は損なわれず、汚染後の親水持続性を大幅に向上させることができる。更に、上記架橋性微粒子は、水に対する膨潤率が比較的小さいものであるため、形成される親水皮膜が水に溶解してしまうことも抑制される。
上記式(1)で表されるモノマー(a)は、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルメタクリルアミドである。上記式(1)で表されるモノマー(a)を使用した場合において、得られる架橋性微粒子を含有する親水処理剤を用いると、親水持続性及び密着性に優れた皮膜を形成することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性微粒子は、上記式(1)で表されるモノマー(a)を、下限30質量%、上限95質量%含有するモノマー成分を共重合して得られるものである。上記式(1)で表されるモノマー(a)は、上記範囲で配合されるものであるため、架橋成分として機能するだけでなく、親水皮膜形成成分の主成分としても機能するものである。即ち、架橋成分としての機能のみを発現させるために配合される場合には、通常、上記範囲より少量の配合量として用いられるが、本発明の架橋性微粒子では上記式(1)で表されるモノマー(a)を上記範囲の配合量で使用することにより、共重合した後であってもメチロール基、エチロール基が架橋性微粒子中に残存していることとなる。このため、上記架橋性微粒子を含有する親水処理剤を用いて親水皮膜を形成した場合には、他の親水性樹脂と反応し強固な密着性と親水持続性が得られる。従って、形成された親水皮膜にパルミチン酸、ステアリン酸、パラフィン酸等のプラスチック用滑剤、フタル酸ジイソオクチル等の汚染物質が付着した後でさえ、親水性を充分に持続させることができる。
また、上記式(1)で表されるモノマー(a)を配合することによって得られる架橋性微粒子は、その配合量に起因して架橋度も大きくなる。このため、形成される親水皮膜が水分によって溶解することが抑制され、密着性(皮膜が水分に晒されている場合の密着性)に優れた皮膜を形成することができる。
上記式(1)で表されるモノマー(a)の配合量は、モノマー成分100質量%に対して、下限30質量%、上限90質量%であることが好ましい。30質量%未満であると、親水皮膜の汚染後における親水性の持続性が低下するおそれがある。90質量%を超えると、製造が困難になるおそれがある。上記下限は、40質量%であることがより好ましく、上記上限は、80質量%であることがより好ましい。
上記モノマー(b)は、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマーであれば特に限定されないが、上記式(2)及び/又は上記式(3)で表される化合物であることが好ましい。これにより、水分散安定な親水性の優れた架橋性微粒子ができる。
上記式(2)において、上記R及び上記Rは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。上記Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。
上記式(2)において、nは、下限6、上限300の整数を表す。6未満であると、分散安定性、親水性が不充分であり、300を超えると、製造が困難になる。上記下限は、30であることがより好ましく、上記上限は、200であることが好ましい。
上記式(3)において、上記R及び上記Rは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。上記Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。上記Rは、CH又はベンゼン環(既に化学式で示したもの)を表す。
上記式(3)において、mは、下限6、上限300の整数を表す。6未満であると、分散安定性、親水性が不充分であり、300を超えると、製造が困難になる。上記下限は、30であることがより好ましく、上記上限は、200であることが好ましい。
上記モノマー(b)としては特に限定されず、例えば、上記式(2)、上記式(3)で表される化合物以外に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート等も挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記モノマー(b)は、ポリオキシアルキレン鎖を50質量%以上含有する化合物であることが好ましい。ここで、50質量%以上とは、使用されるモノマー(b)の全固形分質量100質量%中に、ポリオキシアルキレン鎖の部分の全固形分質量が50質量%以上であることである。50質量%未満であると、親水皮膜の親水性が低下するおそれがある。上記モノマー(b)は、ポリオキシアルキレン鎖を下限80質量%、上限99質量%含有することがより好ましい。
上記モノマー(b)の配合量は、モノマー成分100質量%に対して、下限5質量%、上限60質量%である。5質量%未満であると、親水処理剤中での架橋性微粒子の分散性が低下し、また、親水皮膜の親水性が低下するおそれがある。60質量%を超えると、親水皮膜の密着性が不充分で汚染後における親水性の持続性が低下するおそれがある。上記下限は、10質量%であることが好ましく、上記上限は、40質量%であることが好ましい。
上記その他の重合性モノマー(c)は、1分子中に重合性不飽和結合を有し、上記式(1)で表されるモノマー(a)及び上記モノマー(b)と共重合させることができる化合物であれば特に限定されず、例えば、イタコン酸、マレイン酸等のカルボン酸基、酢酸ビニル基等のビニルモノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、アクリロニトリル、メチルアクリレート、メタクリル酸メチル、スチレン、不飽和二重結合含有界面活性剤、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−ビニルスルホン酸、N−アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができる。また、メチルアクリレート、メタクリル酸メチル以外のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等、通常のラジカル重合に用いられる不飽和モノマーを用いることもできる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の重合性モノマー(c)の配合量は、モノマー成分100質量%に対して、下限0質量%、上限50質量%である。50質量%を超えると、得られる架橋性微粒子の親水性、架橋性が低下するおそれがあり、また、親水皮膜の汚染後における親水性の持続性が低下するおそれもある。上記上限は、30質量%であることがより好ましい。
本発明の架橋性微粒子は、水膨潤率が1.5以下であることが好ましい。これにより、親水皮膜を形成した場合、水分に晒されたとしても皮膜の密着性が低下することが抑制される。1.5以下の水膨潤率は、上記式(1)で表されるモノマー(a)、上記モノマー(b)及び上記その他の重合性モノマー(c)を上述の配合比で、反応条件を適宜設定することによって得ることができる。上記水膨潤率は、下限1.0、上限1.3であることがより好ましい。なお、本明細書における水膨潤率は、水膨潤率=水溶液中粒子径/溶剤中粒子径として算出した値である。また、粒子径は、電気泳動光散乱光度計photal ELS−800(大塚電子社製)を用いて測定した値である。
本発明の架橋性微粒子は、例えば、上記N−メチロール(メタ)アクリルアミド30〜95質量%、上記ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)5〜60質量%及び上記その他の重合性モノマー(c)0〜50質量%を、分散安定剤の不存在下に、使用するモノマーは溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒中又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒中で重合させることにより製造することができる。
上記架橋性微粒子の製造における重合に際し、分散剤を併用してもよい。上記分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸等の分散樹脂やアニオン、カチオン、ノニオン各種界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の架橋性微粒子の製造において、上記(a)、上記(b)及び上記(c)からなるモノマー成分の共重合は、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル等)等のエーテル系溶媒、メトキシプロパノール、これらと水との混合溶媒等の溶媒中で行うことができる。
上記(a)、上記(b)及び上記(c)からなるモノマー成分の共重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行われる。上記ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、通常使用されているものすべてを使用することができる。例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート等の過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタノイツク酸)等のアゾ化合物;2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス(N−N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス(N−N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド等のアミジン化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫化物系開始剤あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を併用した系等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。その使用量は、通常、モノマーの合計量に対して0.2〜5質量%の範囲内とすることができる。
上記共重合における重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、下限70℃、上限140℃の範囲内の温度が適当である。70℃未満であると、架橋性が不充分となり、140℃を超えると、反応の制御が難しい。上記下限は、90℃であることがより好ましく、上記上限は、120℃であることがより好ましい。反応時間は、通常0.2〜5時間である。0.2時間未満であると、架橋性が不充分となり、5時間を超えても、反応は変わらず、経済的に不利である。重合温度を90℃以上とすることによって、粒子内架橋を進行させることができる。重合温度が70℃未満の場合には通常、重合中に粒子内架橋反応がほとんど進行しないので、通常、重合反応後に、生成重合体を90℃以上の温度で0.2〜5時間加熱して粒子内架橋を進行させる操作を行う。
また、重合反応中や重合反応後における重合体粒子の粒子内架橋反応をより速やかに進行させるため、重合反応系に必要に応じて架橋反応触媒を加えてもよい。上記架橋反応触媒としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸触媒;スルホエチルメタクリレート等の重合性二重結合含有強酸触媒等を挙げることができる。
上述のようにして得られる架橋性微粒子の粒子径としては特に限定されないが、架橋性微粒子の安定性の点から、一般に0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.6μmの範囲内である。
上述の架橋性微粒子及び親水性樹脂を含有する親水処理剤は、親水持続性及び密着性に優れた親水皮膜を形成することができるものであり、このような親水処理剤も本発明の1つである。上記親水処理剤は、金属、特にアルミニウム又はその合金に対して使用する場合に、親水持続性及び密着性に優れた親水皮膜を形成することができるものである。
上記親水性樹脂は、親水性を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、カルボキシル基及び/又は水酸基を含有する不飽和重合性モノマー又は不飽和重合性水性高分子化合物、カルボキシル基及び/又は水酸基を含有する天然性高分子化合物又はその誘導体、水性アルキド樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリブタジエン樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性エポキシ樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性フェノール樹脂、水性アミノ樹脂等を挙げることができる。
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を含有する不飽和重合性モノマー又は不飽和重合性水性高分子化合物としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合物、スチレン・(メタ)アクリル共重合物、ポリ酢酸ビニル樹脂を一部ケン化したポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。ここで、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合物は、耐アルカリ性及び耐食性の向上に寄与する。また、ポリ酢酸ビニル樹脂を一部ケン化したポリビニルアルコールは、臭気防止と親水性を付与する作用を有する。また、ポリビニルピロリドンは、親水持続性を若干向上させる作用がある。なお、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合物、(メタ)アクリルアミドの重合物等を添加してもよい。
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を含有する天然性高分子化合物又はその誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等のセルロース誘導体、メチルセルロース誘導体等を挙げることができる。なお、セルロース誘導体はこれに限るものではなく、セルロースのカルボキシルメチルエーテル、カルボキシルエチルエーテル、ヒドロキシメチルエーテル、ヒドロキシエチルエーテルでもよく、酢酸澱粉、燐酸澱粉でもよい。また、メチルセルロース誘導体はこれに限るものではなく、メチルセルロースにヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を付加した付加物でもよい。更に、カルボキシル基含有、又はエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)を付加したガム類、多糖類の誘導体を用いてもよい。また、タンニン酸、リグニンスルホン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸等を用いても良い。また、ポリグルタミン酸(PGA)を用いても良く、ポリグルタミン酸を用いると、親水持続性が著しく向上する。なお、ポリグルタミン酸は、γ−PGAとα−PGAがあり、どちらを用いても良い。
上記水性アルキド樹脂としては、例えば、グルセリン、ペンタエリトリトール、エチレングルコール、トリメチロールエタン等のポリオールと、油脂から得られる高級脂肪酸、例えば、パルミチン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸等の二塩基酸を縮合させて得られるものを挙げることができる。
上記水性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂中の水酸基をトリメリット酸の無水物とハーフエステル化反応させ、残ったカルボン酸基をアミン等で中和し、水性化して得られるものを挙げることができる。また、ポリエチレングリコールを多塩基酸と反応させ、ポリエステル樹脂を水性化したものがある。
上記水性ポリブタジエン樹脂としては、例えば、ブタジエンを触媒を用いて重合したもので、1,2−結合型、1,4−結合型が挙げられ、共に用いることができる。これらは熱、パーオキサイド、硫黄等により造膜させることができる。
上記水性ポリアミド樹脂としては、(1)ε−カプロラクタムの開環重合によるもの(2)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるもの(3)ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるもの(4)11−アミノウンデカン酸の縮重合によるもの(5)ω−ラウムラクタムの開環重合又は12−アミノドデカン酸の縮重合によるものこれらを水溶化したもの等を挙げることができる。
上記水性エポキシ樹脂としては、例えば、水溶性エポキシ樹脂として、脂肪族多価アルコールのジ又はポリグリシジルエーテル、ジカルボン酸ジクリシジルエステル、含窒素ヘテロ環を含むエポキシ化合物を挙げることができる。また、水分酸性エポキシ樹脂として、水又は水と有機溶剤の混合液に適当な乳化剤を加え、エポキシ樹脂を分散乳化させたもの、エポキシ樹脂を変性させることによって、水に溶解又は分散乳化させたもの、具体的には、エポキシ樹脂に親水基を導入したり、カルボキシル基等のアニオン基やアミノ基等のカチオン基を導入し、それを水酸基又は酸で中和し、高分子電解質とに水性化したものを挙げることができる。
上記水性ポリウレタン樹脂としては、例えば、分子中にアニオン又はカチオン性基を導入し、水性化したものを挙げることができる。また、末端基がイソシアネート基のウレタンプレポリマーに重亜硫酸塩を付加させ、イソシアネート基とブロックするとともに、スルフォネートの親水性により水性化したものを挙げることができる。また、ポリウレタンプレポリマーをブロック剤で封鎖した後、強制的に乳化分散したものを挙げることができる。
上記水性フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、キシレノール、p−アルキルフェノール、p−フェニルフェノール、クロロフェノール、ビスフェノールA、フェノールスルホン酸、レゾルシン等のフェノール性−OH基を有するものに、ホルマリン、フルフラール等のアルデヒド類を付加、縮合した高分子物を水性化したものを挙げることができる。これらは、一般にフェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂、フェノール・フルフラール樹脂、レゾルシン樹脂等として分類される。上記水性フェノール樹脂は、樹脂間に架橋を形成し、造膜性の向上に作用する。
上記水性アミノ樹脂としては、例えば、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂や、尿素樹脂等を水溶化したものを挙げることができる。これらの樹脂は通常メラミン、ベンゾグアナミン等のアミノ化合物に、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒド等のアルデヒドを付加反応又は付加縮合反応させて得たものを、炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化して得られる。上記水性アミノ樹脂は、樹脂間に架橋を形成し、造膜性の向上に作用する。上記メラミン樹脂としては、例えば、アルコキシ基がメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、i−水性ブトキシ基等であるアルコキシメチルメラミン樹脂を挙げることができる。
上記親水性樹脂は、酸価200mgKOH/g以上又は水酸基価200mgKOH/g以上のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びこれらの変性樹脂からなる群より選択された少なくとも1種であることが好ましい。これにより、形成される親水皮膜の親水持続性、密着性をより向上させることができる。
上記酸価200mgKOH/g以上のアクリル樹脂は、酸価が200mgKOH/g未満であると、親水皮膜の親水持続性、密着性が低下するおそれがある。上記酸価は、下限200mgKOH/g、上限800mgKOH/gであることがより好ましい。
上記水酸基200mgKOH/g以上のアクリル樹脂は、水酸基価が200mgKOH/g未満であると、親水皮膜の親水持続性、密着性が低下するおそれがある。上記水酸基価は、下限200mgKOH/g、上限1500mgKOH/gであることがより好ましい。
上記親水処理剤において、上記架橋性微粒子と上記親水性樹脂との配合比は、1/99〜80/20であることが好ましい。1/99未満であると、親水皮膜の親水持続性が低下するおそれがある。80/20を超えると、加工性が低下するおそれがある。5/95〜50/50であることがより好ましい。
上記親水処理剤には、着色した親水皮膜を形成する目的で、顔料を添加することができる。着色した親水皮膜という市場ニーズがあり、従来、親水処理剤に顔料を添加することによって着色した親水皮膜を形成していたが、従来の親水処理剤によって得られる親水皮膜は、親水性樹脂の水溶解につられ顔料も溶解するため、皮膜が色落ちしてしまう。また、顔料は、一般的に疎水性であるため、親水処理剤に添加すると親水性が悪化する問題が生じる。一方、上記架橋性微粒子を含有する親水処理剤に顔料を添加した着色親水処理剤は、親水皮膜が強固に密着しているため、顔料が極めて溶解しにくく、ほとんど色落ちしない。また、親水皮膜の親水性が高いため、顔料添加による親水性阻害がほとんどない。従って、上記架橋性微粒子及び顔料を含有する親水処理剤を使用することによって、皮膜の色落ちが充分に抑制された着色した親水皮膜を得ることができる。添加する顔料としては特に限定されず、無機顔料、有機顔料等の通常使用されている着色顔料を使用することができる。なかでも、樹脂や界面活性剤等の分散剤で分散された有機水分散体が好ましい。
上記親水処理剤は、付加される機能に応じて、その他の成分を必要量添加してもよい。例えば、界面活性剤、コロイダルシリカ、酸化チタン、糖類等の親水添加剤;タンニン酸、イミダゾール類、トリアジン類、トリアゾール類、グアニン類、ヒドラジン類、フェノール樹脂、ジルコニウム化合物、シランカップリング剤等の防錆添加剤;メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、アミン、フェノール樹脂、シリカ、アルミニウム、ジルコニウム等の架橋剤;抗菌剤、分散剤、潤滑剤、消臭剤、溶剤等を挙げることができる。
上記親水処理剤を塗布する工程からなる親水皮膜被覆方法もまた、本発明の1つである。上記親水皮膜被覆方法を用いることによって、親水性、特に汚染物質が付着した後の親水持続性に優れ、かつ、密着性にも優れた親水皮膜を形成することができる。特に、アルミニウム又はその合金に対して好適に適用することができる方法である。
本発明の親水皮膜被覆方法は、通常、先ず、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属の板を脱脂処理する。次に、必要に応じて、防食性前処理である化成処理又は耐食樹脂プライマーの塗布が行われる。
上記脱脂処理としては、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、ガソリン、ノルマルヘキサン等の溶剤脱脂と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ溶液によるアルカリ脱脂のいずれでもよい。また、上記化成処理としては、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理、アクリル、エポキシ、フェノール又はウレタン系の樹脂プライマー処理、ノンクロメート処理等が挙げられる。上記リン酸クロメート処理は、無水クロム酸とリン酸に添加剤を加えた処理液により行うことができる。上記リン酸クロメート処理は、処理液中への浸漬や処理液のスプレー等により行うことができる。
上記リン酸クロメート処理により得られる防錆皮膜は、クロム(Cr)量で3〜50mg/mであることが好ましい。3mg/m未満であると、防錆性が不充分であり、50mg/mを超えると、親水性皮膜との反応が起こり親水性を低下させることになる。防錆皮膜が形成されたアルミニウム又はアルミニウム合金等の金属は、通常水洗される。この際の水洗は、10〜30秒程度で行われることが好ましい。
上記塗布型クロメート処理剤は、ロールコーター等の塗布処理を用いたクロメート処理剤である。この場合、皮膜クロム量は5〜30mg/mが好ましい。
上記ノンクロメート処理は、クロムを含有しない処理剤であり、例えば、ジルコニウム系処理剤を挙げることができる。上記ジルコニウム系処理剤として、ポリアクリル酸と、ジルコンフッ化物との混合物等を挙げることができる。
上記ジルコニウム系処理剤によって得られる皮膜中のZr量は0.1〜40mg/mであることが好ましい。0.1mg/m未満であると耐食性が充分でなく、40mg/mを超えても、不経済である。ジルコニウム系処理をクロメート処理の上に重ねて行うと一層効果が大きい。
また、樹脂プライマーを塗布した後、180〜280℃の温度で、10秒〜1分間焼付けを行う。塗膜は、0.5〜2g/mの範囲が好ましい。塗膜が0.5g/m未満であると、防錆性が不充分となり、2g/mを超えると、コスト高になるおそれがある。
本発明の親水皮膜被覆方法における前処理は、通常、上記脱脂処理と、必要に応じて上記化成処理のいずれかを組み合わせて行われる。
本発明の親水皮膜被覆方法は、上記前処理を施したアルミニウム又はアルミニウム合金等の金属表面上に、上述の親水処理剤を塗布する工程を行うものである。塗布する方法としては、ロールコート法、バーコート法、浸漬法、スプレー法、刷毛塗り法等が挙げられ、プレコートに用いられる。塗布後、120〜300℃の温度で3秒〜60分間乾燥、焼き付けすることにより、親水性皮膜を得ることが好ましい。焼付け温度が120℃未満であると、充分な造膜性が得られず、水浸漬後に皮膜が溶解するおそれがある。300℃を超えると、樹脂が溶解し、親水性が損なわれるおそれがある。
上記親水皮膜被覆方法により形成される親水皮膜は、本発明は、上記に鑑み、金属、特にアルミニウム及びその合金表面上に形成される皮膜であり、親水性、特に汚染物質が付着した後の親水持続性に優れ、かつ、密着性にも優れた皮膜である。このような親水皮膜も本発明の1つである。
上記親水皮膜の膜厚は、好ましくは0.05g/m以上であり、より好ましくは0.1〜2g/mである。皮膜の膜厚が0.05g/m未満であると、皮膜の親水持続性及び加工性が不充分となる。
本発明の架橋性微粒子は、上記式(1)で表されるモノマー(a)30〜95質量%、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)5〜60質量%、並びに、その他の重合性モノマー(c)0〜50質量%からなるモノマー成分を共重合して得られる共重合体である。即ち、上記架橋性微粒子は、上記式(1)で表されるモノマー(a)を単に架橋成分として比較的少量使用するのではなく、架橋性微粒子の構成成分の主成分として使用するものであるため、親水性が高く、未反応官能基を比較的多く有するものである。従って、上記架橋性微粒子を含有する親水処理剤を使用してアルミニウム又はその合金等の金属表面に親水皮膜を形成すると、形成された皮膜は、親水性、特にパルミチン酸、ステアリン酸、パラフィン酸等のプラスチック用滑剤、フタル酸ジイソオクチル等の汚染物質によって汚染された後であっても、優れた親水持続性及び密着性を発揮する。また、上記架橋性微粒子は、水膨潤率が比較的小さいものであるため、形成される親水皮膜が水に溶解してしまうことも抑制される。従って、上記架橋性微粒子は、親水処理剤の成分として好適に使用することができるものである。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 架橋性微粒子の調製
メトキシプロパノール200質量部にN−メチロールアクリルアミド70質量部及びメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(繰り返し単位数が100のポリエチレン鎖)30質量部を溶解させたモノマー溶液と、メトキシプロパノール50質量部に「ACVA」(大塚化学社製アゾ系開始剤)1質量部を溶解させた溶液とをそれぞれ別口から、窒素雰囲気下105℃でメトキシプロパノール150質量部に3時間かけて滴下し、更に1時間加熱攪拌して重合させた。得られた分散液において、架橋性微粒子の平均粒子径250nm、架橋性微粒子の水膨潤率1.10、粘度フォードカップNо.4で17秒、固形分濃度20質量%であった。なお、架橋性微粒子の平均粒子径は、photal ELS−800(大塚電子社製電気泳動光散乱光度計)で測定した(以下も同様に測定した)。
製造例2 架橋性微粒子の調製
モノマー成分を、N−メチロールアクリルアミド60質量部及びメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(繰り返し単位数が100のポリエチレン鎖)20質量部、アクリル酸10質量部、アクリルアミド10質量部使用した以外は、製造例1と同様に調製した。得られた分散液において、架橋性微粒子の平均粒子径350nm、架橋性微粒子の水膨潤率1.15、粘度フォードカップNо.4で18秒、固形分濃度20質量%であった。
製造例3 架橋性微粒子の調製
メトキシプロパノール200質量部にN−メチロールアクリルアミド50質量部、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド20質量部及びメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(繰り返し単位数が100のポリエチレン鎖)20質量部を溶解させたモノマー溶液と、メトキシプロパノール50質量部に「ACVA」(大塚化学社製アゾ系開始剤)1質量部を溶解させた溶液とをそれぞれ別口から、窒素雰囲気下95℃でメトキシプロパノール140質量部とポリビニルピロリドン50質量%水溶液(重量平均分子量20000)10質量部との混合物に3時間かけて滴下し、更に1時間加熱攪拌して重合させた。得られた分散液において、架橋性微粒子の平均粒子径310nm、架橋性微粒子の水膨潤率1.13、粘度フォードカップNо.4で16秒、固形分濃度21質量%であった。なお、架橋性微粒子の平均粒子径は、photal ELS−800(大塚電子社製電気泳動光散乱光度計)で測定した。
製造例4 架橋性微粒子の調製
製造例1で得られた分散液に、イオン交換水を加え、60℃で70mmHgに減圧脱ソルし、固形分10質量%の架橋性微粒子を得た。
比較製造例5
Nビニルピロリドン21部とNメチロールアクリルアミド4部、繰り返し単位数が5であるメクタリル酸ポリエチレンオキシドエステル(日本乳化剤社製MA50)5部の混合物と、ジメチルエタノールアミン0.5部で中和して水溶化させたアゾ系開始剤(大塚化学社製ACVA)1部をイオン交換水20部に溶解した溶液をそれぞれ別口から、窒素雰囲気下80℃でイオン交換水50部に3時間かけて滴下し、更に2時間加熱攪拌して重合させた。これにイオン交換水500部を添加して希釈し、固形分濃度を調節した。
比較製造例6
モノマー成分を、ブレンマーPME−4000〔日本油脂社製メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(繰り返し単位数が98のポリエチレン鎖)〕20質量部、アクリルアミド50質量部、N−メチロールアクリルアミド20質量部、アクリル酸10質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル200質量部、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.5質量部使用した以外は、製造例1と同様に調製した。得られた分散液において、架橋性微粒子の平均粒子径270nm、架橋性微粒子の水膨潤率1.41、粘度フォードカップNо.4で16秒、固形分濃度20質量%であった。
製造例7
純水300質量部にアクリル酸80質量部及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル20質量部を溶解させたモノマー溶液と、純水50質量部に過硫酸アンモニウム1質量部を溶解させた溶液とをそれぞれ別口から、窒素雰囲気下70℃でイオン交換水300質量部に90分かけて滴下し、更に1時間加熱攪拌して重合させ、イオン交換水を加え、固形分10質量%のアクリル樹脂を調製した。得られたアクリル樹脂は、固形分酸価620、固形分水酸基価110であった。
製造例8
純水300質量部にアクリル酸60質量部及びスチレンスルホン酸ナトリウム40質量部を溶解させたモノマー溶液と、純水50質量部に過硫酸アンモニウム1質量部を溶解させた溶液とをそれぞれ別口から、窒素雰囲気下80℃でイオン交換水300質量部に90分かけて滴下し、更に1時間加熱攪拌して重合させ、イオン交換水を加え、固形分10質量%のアクリル樹脂を調製した。得られたアクリル樹脂は、固形分酸価470であった。
実施例1、3〜5、7、8、10〜12、参考例2、6、9及び比較例1〜7
製造例、比較製造例で得られた成分を、表1に示した配合比で混合して、親水処理剤を調製した。
Figure 0005180145
〔試験板の作成〕
150mm×200mm×0.13mmの1000系アルミニウム材を日本ペイント社製サーフクリーナーEC370の1%溶液にて、70℃で5秒間脱脂し、日本ペイント社製アルサーフ4130の10%溶液を用いて60℃、5秒間ジルコニウム処理した。次いで、親水処理剤固形分5%に調整し、バーコーター#4で塗布し、220℃で20秒間加熱して乾燥硬化させて、試験板を作成した。
得られた試験板の汚染後の親水持続性、WET密着性、加工性、色落ち性を以下の方法により評価した。結果を表2に示した。
(汚染後の親水性持続性評価)
得られた試験板を水道水流水(流水量は15kg/時)中に30分間浸漬し、引き上げて、乾燥した。ステアリン酸3質量部、1−オクタデカノール3質量部、パルミチン酸3質量部、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)3質量部を容器に入れ、150℃で加熱、蒸散させ、8時間サンプルにあてるサイクルを20回繰り返し、水接触角と濡れ性を評価した。水接触角は、FACE自動接触角計(CA−Z型;条件:室温、滴下後30秒後に測定)を使用して測定した。濡れ性は、試験板を5℃に冷やし、15分後結露した濡れ状態を目視で評価した(濡れている面積を%表示)。
(WET密着性)
試験板に、純水を霧吹きし、紙で加重約500gにおいて皮膜を擦った。1往復を1回とし、素地が露出するまでの回数を評価した。
(加工性)
試験板に、動摩擦係数を加重50g、5mmφ硬球、300mm/minで測定した。
(色落ち性)
試験板に、純水を霧吹きし、紙で加重約500gにおいて皮膜を1往復擦り、紙の色及び擦り面を以下の基準で判断した。
◎;色付着なし
○;僅かに色が付着した
△;色が紙に付着するが、下地の露出はなかった
×;色が紙に付着し、下地が露出
Figure 0005180145
表2から、実施例で得られた親水皮膜は、汚染後の親水性、WET密着性、加工性、色落ち性のいずれも優れているものであった。一方、比較例で得られたものは、それぞれ劣るものであった。

Claims (8)

  1. 下記式(1);
    Figure 0005180145
    (式中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、CH又はCを表す。)
    で表されるモノマー(a)40〜95質量%、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)5〜60質量%、並びに、その他の重合性モノマー(c)0〜30質量%からなるモノマー成分(但し、その他の重合性モノマー(c)が0質量%である場合を除く)を、使用するモノマーは溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒中で重合温度95〜105℃で共重合して得られ水膨潤率が1.3以下であることを特徴とする架橋性微粒子(但し、前記その他の重合性モノマー(c)が(メタ)アクリル酸を含有するものを除く)。
  2. モノマー(b)は、下記式(2);
    Figure 0005180145
    (式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。nは、6〜300の整数を表す。)
    、及び/又は、下記式(3);
    Figure 0005180145
    (式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素又はメチル基を表す。Rは、水素、メチル基、SO H、SO Na又はSO NHを表す。Rは、CH又は
    Figure 0005180145
    を表す。mは、6〜300の整数を表す。)
    で表される化合物である請求項1記載の架橋性微粒子。
  3. モノマー(b)は、ポリオキシアルキレン鎖を50質量%以上含有する化合物である請求項1又は2記載の架橋性微粒子。
  4. 請求項1、2又は3記載の架橋性微粒子及び親水性樹脂を含有することを特徴とする親水処理剤。
  5. 親水性樹脂は、酸価200以上又は水酸基価200以上のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びこれらの変性樹脂からなる群より選択された少なくとも1種である請求項4記載の親水処理剤。
  6. 架橋性微粒子と親水性樹脂との配合比は、1/99〜80/20である請求項4又は5記載の親水処理剤。
  7. 請求項4,5又は6記載の親水処理剤を塗布する工程からなることを特徴とする親水皮膜被覆方法。
  8. 請求項7記載の親水皮膜被覆方法により形成されることを特徴とする親水皮膜。
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